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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鳥澤 由克 議員

質問分類

一般質問

質問日:

07/02/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 首都圏からの誘客促進について
2 地域資源を生かした農村の振興について
3 新拠点施設を活用したファルマバレープロジェクトの事業展開について
4 食品表示の適正化について
5 県道仙石原新田線の整備について
6 夏の生活スタイル変革への取り組みについて


○副議長(杉山盛雄君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第九十二号から第百十一号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十四番 鳥澤由克君。
       (十四番 鳥澤由克君登壇 拍手)
○十四番(鳥澤由克君) 皆様おはようございます。私は自民改革会議の所属議員として通告に従い、一括方式で知事及び関係部局長に当面する県政の諸課題につきましてお伺いをいたします。
 まず初めに、首都圏からの誘客促進について伺います。
 我が国を訪れる外国人旅行者数は、近隣諸国の経済成長、円安方向への動き等経済情勢の変化、ビザ要件の緩和のほか東京オリンピック・パラリンピックの開催決定を初めとした日本への国際的注目度の高まりなどもあり、平成二十六年度は千三百四十一万人となり、史上初めて一千万人の大台を超えたところでございます。平成二十五年の一千三十六万人を大幅に上回り、二年連続で過去最高を更新をいたしました。また先月発表されたことし五月の訪日外国人旅行者数は過去最高の四月に次ぐ百六十四万人であり、勢いは衰えていないところであります。
 一方で、国内旅行に目を転じますと、日帰り旅行は対前年比五・四%減となる三億七百七十一万人、宿泊旅行は二〇一一年から二〇一三年までは増加はしておりましたが、二〇一四年は対前年比〇・九%減となる延べ三億四百九十九万人と、宿泊、日帰りともに減少に転じております。
 このような状況を見ますと、その消費が日本経済の下支えをするまでになったと言われる訪日外国人旅行者の取り込みは大事な視点であることは言うまでもありませんが、国内旅行を活性化していくことも大変重要になると私は考えております。とりわけ本県への来訪者は県外からの来訪のうち首都圏からが約六割で全体の四割弱を占めており、この最大市場首都圏からの誘客なくして本県の観光はないと言っても過言ではありません。首都圏内では圏央道の神奈川県茅ヶ崎ジャンクションから埼玉県の桶川北本インターチェンジ間の開通などにより関越道、中央道、東名高速の接続強化が図られるなど、交通ネットワークがさらに充実し誘客ルートの大幅な拡大が期待をされているところでございます。また一昨年の富士山の世界文化遺産登録、昨年の南アルプスユネスコエコパーク登録、ことしの家康公四百年祭、明治日本の産業革命遺産の構成資産として世界文化遺産登録が予定されている韮山反射炉、あるいは世界ジオパーク加盟が期待される伊豆半島ジオパークなど誘客の話題に事欠かない今こそ首都圏からの誘客が重要になると私は思います。
 そこで、最大市場である首都圏からの誘客をどのように進めていくのか、県の取り組みを伺います。
 次に、地域資源を生かした農村の振興について伺います。
 本県の農村では、温暖な気候や恵まれた自然を生かし、地域の特性に応じた多彩な農業が行われております。これらの生産活動を通じて農村は安全で豊かな農産物を安定供給するとともに、子供たちが遊び、体験できる美しい自然環境を提供するなどの多面的な機能を発揮しており、私はこうした機能を有する農村は次世代に残さなければならないものであり、今を生きる我々の責任であるとも考えております。しかしながら農村とりわけ中山間地域等においては高齢化や人口減少が都市部より早くから進行しており、農業生産活動や地域資源の保全も困難になってくるなど集落機能の維持すら厳しい状況にあります。
 一方、近年若者を中心に農村の魅力の再発見化が進み、都市と農村を人々が行き交う田園回帰の流れが生まれつつあるなど農村の活性化につながる動きも見られます。こうした変化に的確に対応しつつ魅力ある農村を創造していくために、担い手による大規模な生産性の高い農業のみならず、規模は小さいが地域の特色に応じた付加価値を追求する農業も重要であります。あわせて豊かな地域資源を最大限に活用し新たな価値の創出や他産業との連携等を図ることも必要であります。
 私の住む裾野市では、現在、生産効率の向上などを目的とした水田の区画整理が行われており、その水田を深良用水が潤しています。深良用水の水路トンネルは今から三百四十有余年前の寛文六年、水田の用水不足にあえぐ農民のために深良村の名主の大庭源之丞が神奈川県の芦ノ湖の水を利用することを考え、江戸の豪商友野与右衛門らの協力を得て工事に着手をいたしました。当時はのみ、つるはしなどによる手作業で、約三年半の歳月と延べ八十三万人の労力により完成をいたしました。全長千二百八十メートルの工事は深良と芦ノ湖の両側から手作業で行われたにもかかわらず、ほとんど落差がなく結合しており驚くべき技術の高さを物語っており、まさに郷土を愛する熱意も感じ取ることができます。こうした卓越した先人の建設技術とこれまでの地域ぐるみの管理活動が評価され、昨年世界かんがい施設遺産に登録をされたところであります。この深良用水のほかに裾野市には富士山世界遺産に関連する御師住宅の遺構、雄大な富士山の景観を望むパノラマロードなど伝統、文化、自然、景観等の人々を引きつける地域資源が豊富にあると。
 私は、このような魅力ある多彩な資源を有する地域においては、きめ細かな農業生産基盤の整備とあわせてこれらの地域資源を生かした農村の振興が重要であると考えますが、今後の県の取り組みについて伺います。
 次に、新拠点施設を活用したファルマバレープロジェクトの事業展開について伺います。
 東部地域を中心に医療健康産業の集積を進めるファルマバレープロジェクトは、私の地元でもあります裾野市を初めとする東部十二市町を区域としてふじのくに先端医療総合特区や地域イノベーション戦略推進地域に指定され、地域を挙げて取り組んでおります。また十五年間の取り組みを通じて成果品も多数生まれるなど着実に推進が図られており、国内のライフイノベーションクラスターの中にあって成果が出ている取り組みとしても高い評価を得ていると聞いております。地域としてはこれらに満足せず、プロジェクトがさらに進化を遂げ東部地域の成長を牽引するとともに、国内のみならずアジアひいては世界の中で輝く取り組みとして躍進していくことを大いに期待しているところであります。
 さて、現在県はファルマバレープロジェクトの第三次戦略計画の改定作業を行っており、パブリックコメントにおいて示された改定案を見ると目標である医薬品、医療機器の合計生産金額を一兆円から二兆円に上方修正するなど精力的にプロジェクトを推進していく意気込みが感じられます。しかしながらこれら目標を達成しプロジェクトがさらなる飛躍を遂げるためには、国内にとどまらない国際的視野を持ちながら展開していくことが大変重要ではないかと考えております。その点では県が長泉町に新たに整備している拠点施設はさまざまな機能を持たせる計画であると伺っております。大いに活用してほしいと思います。
 そこで、この新拠点施設を活用し世界を見据えたファルマバレープロジェクトの事業展開をどのように進めていくのか伺います。
 あわせて、プロジェクトの推進においても重要な役割を担うと考える新拠点施設をより効果的に活用していくために、その運営体制をどのように行っていくのか伺います。
 次に、食品表示の適正化について伺います。
 食品表示は、食品に対する原料原産地や食品添加物の使用状況などの情報を消費者へ伝える重要なものであります。消費者はこの表示を見て食品を選択をいたします。このたび食品衛生法、健康増進法及びいわゆるJAS法の三法のうち食品表示に関する規定が統合され、食品表示法が新たに本年四月から施行されております。これに伴いアレルギー物質に関する表示や今まで任意で行われていた加工食品のカロリー、脂質、塩分など五種類の栄養成分表示の義務化など表示の規定が強化されたと聞いております。これらの表示は健康寿命日本一を掲げる本県の消費者にとって、健康保持増進を図る上で重要な情報であります。また本県にはお茶、ミカン、ウナギなど魅力的な食材が豊富にあります。昨年度県が行った県政アンケート調査では、何らかの形で県産品を選ぶと回答した県民が約七五%であり、県産食品を購入しようという志向がうかがえます。しかしながら平成二十五年十月、本県の特産品であるウナギにおける県内事業者による産地偽装事例が発生しており、全国的にも消費者を欺く不適正表示は後を絶たない現状でもあります。
 このような状況の中、私は食品の安全や県民の健康保持に不可欠な情報である食品表示の適正化や県産食品ブランドの信頼を守るために、事業者への食品表示への意識を向上させる施策を強化する必要があると考えます。
 そこで、県は食品表示の適正化に向けてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、県道仙石原新田線の整備について伺います。
 静岡県東部地域は世界文化遺産である富士山を初めとして伊豆、箱根など観光資源に恵まれた地域であります。平成二十五年度の観光交流客数調査では富士山周辺には年間約三千二百万人、伊豆地域には約四千万人、また箱根地域には約二千万人の観光客が訪れていると報告されています。このように多くの観光客が訪れる東部地域の中において、御殿場市から裾野市にかけての地域は富士山と箱根の間に位置するところから観光拠点となり得る非常に魅力的な地域であります。とりわけ裾野市には世界遺産富士山の構成資産である須山浅間神社、須山口登山道があります。また富士山信仰を支える御師住宅の県内唯一の遺構、また大正時代の発電技術が今なお現役で活躍する深良発電所群、国際かんがい排水委員会により先ほど申し上げましたかんがい施設遺産に登録をされました深良用水など富士山や箱根に関連した観光資源が存在し、これらを生かした地域の活性化を図ることが大変重要であると考えます。そのために本地域を訪れた観光客が市内に点在する観光施設を安全で快適に回遊できるよう地域内道路の充実が必要であると考えます。本地域の南部方向の道路については、既存の国道二百四十六号や県道沼津小山線に加え、御殿場市と裾野市が連携して新たな道路軸となる、仮称ではございますが神山深良線を計画しており充実しつつあります。
 一方で、東西方向の道路については富士山地域とつながる国道四百六十九号や県道富士裾野線、箱根地域とつながる県道仙石原新田線があります。このうち県道仙石原新田線は裾野市で唯一箱根地域と接続する道路であり、静岡県と神奈川県の交流促進のために重要な道路であります。また森林資源の活用に資する林道北箱根山線と交差し産業面においては地域に寄与する道路であるとともに、火山噴火等の大規模災害時には県境を越える避難や救援活動を支援する道路になり得ることから、防災面においても重要な役割が期待される道路であります。本道路では平成元年度から着手した県境道路整備事業を初め、地方特定道路改築事業や社会資本整備総合交付金事業などによる整備が県により行われております。走行性、安全性は以前に比べて随分と向上していると感じています。しかし観光バスなどの大型車のすれ違いが困難な区域がまだ数多く残っており、安全で快適な交通確保のためにもこのような狭隘区間の解消が必要と考えます。
 そこで、当該路線の整備に関する県の取り組みについて伺います。
 次に、夏の生活スタイル変革への取り組みについて伺います。
 「早起きは三文の徳」と昔からよく言われておりますが、新聞報道によりますと民間企業において朝型勤務を導入しようという動きが広がっております。ある企業の事例では、取引先からの電話もなく仕事に集中できるということで、資料作成などに集中でき仕事の効率が高まったとの報告もあります。一方、国においては昼が長い夏は朝早くから働き、夕方は家族や友人との時間を楽しむという夏の生活スタイルを変革する新たな国民運動夏の生活スタイル変革を展開する方針が示され、国家公務員においてはこの運動を率先して実践するために七月及び八月に朝型勤務に取り組むことになっております。既に一部においては試行が実施され、スポーツジムに通い始めた、家族と一緒に夕食をとったという声も聞かれるなど一定の効果も見られたところであります。
 こうした中、地方公共団体に対しましても国の取り組みを参考にしつつ住民に対する行政サービスの提供などに支障が生じないよう十分留意の上、できるところから柔軟な取り組みを検討するよう要請がなされています。本県におきましても朝型勤務を導入することが発表されたところであります。
 国が推進する夏の生活スタイル変革を県民に広く浸透させるためには県が地域の先頭に立って取り組んでいくことが最も重要であると考えますが、今回の県の朝型勤務への取り組みの考え方と今後の対応についてお伺いをいたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 鳥澤議員にお答えいたします。
 首都圏からの誘客促進についてであります。
 首都圏は、圏央道におけるミッシングリンクが徐々になくなり、本県にお越しになりやすくなりました。また東駿河湾環状道路は国のほうが予算を滞りなく組んでいただいておりますために、順調に今建設が進んでいるところでございます。こうした高規格道路の開通によりまして本県への交通アクセスが飛躍的に改善しておりましてますます重要な市場となっていることから、商品造成を働きかける観光商談会の開催や関越自動車道サービスエリアでの観光キャンペーンの実施等により積極的な誘客に取り組んでいるところであります。NEXCO中日本が実施する県東部エリア内の高速道路が乗り放題となる割引プランと連携し、周遊モデルコースや伊豆地域などの見どころを紹介するパンフレットを作成配布するとともに、交通アクセスが向上する北関東を対象とした観光商談会を本日とあす、群馬県前橋市、また埼玉県のさいたま市で開催いたします。さらに国の交付金の活用によりまして、先月下旬から首都圏等の主要市場におきまして大手旅行会社の店頭等で家康公四百年祭、世界遺産、伊豆半島ジオパークをテーマとした県内宿泊を伴う旅行商品の割引販売を開始いたしました。
 特にことしは徳川家康公が薨去せられてちょうど四百年目に当たるということで四百年祭のさまざまな行事が行われておりますけれども、私どもはJR東海や県内交通事業者十二社と協力いたしまして、首都圏を初めとした県外のお客様を対象に県内の家康公ゆかりの地を――これは東部だけではありませんけれども――東部は、そうですね。御殿場、あるいは泉頭城という家康公が最後に別荘としてお建てになろうとしてその直前にお亡くなりになった、そうしたゆかりのところもございまして、あれができていれば二条城よりも立派なものになったんじゃないかとまことにもって残念ですが、しかしそこの景色は柿田川の清水の美しい水というものを愛されたということで、今でもその面影は残しているというふうに存じますけれども。
 そうしたことで、家康公ゆかりの地を周遊できるふじのくに家康公きっぷを共同開発したところであり、現在この切符をセットにした旅行商品が大手旅行会社で販売されております。先ほど深良用水の御紹介を賜りましたけれども、世界かんがい遺産になりましておめでとうございました。私も見に行きましたけれども、十七世紀末につくられたものが裾野の方々、恐らくまた芦ノ湖のほうもそうでしょうけれども、本当に見事に保存せられて、今日もその水で広く農地がかんがいされているということで、今お祭りもでき、さらに演劇もつくられているということで慶賀の至りでございます。
 ただ、深良用水だけでなくて先ほどおっしゃった富士山の構成遺産。これも裾野にもございます。富士山が世界文化遺産になったのは二年前のゴールデンウイークのときでした。それ以来、今、国際クラスのものが何と十八になりました。一番最近は熱海のバラ園が国際賞を取ったのが十八番目でありますけれども、候補を入れますともう二十を超えております。いわば国際的に承認せられた地域資源に満ちあふれたのが静岡県であるというふうに言えるのではないでしょうか。
 首都圏における一番の目玉は何でしょう。ディズニーランドを除きますと、あれもアメリカのまねですね。まねしたものです。まねでしかないのです。上手にまねしたと。向こうを上回っていると。香港と比べたときにですね、いかに日本のそういうノウハウがすごいかということですが、やはりスカイツリーじゃないでしょうか。みんなスカイツリーが見えた見えたと言って喜んでいるわけですね。スカイツリーに上って何を一番喜ぶんでしょうか。あ、富士山が見えたと、こういうわけです。ですから結局富士山なんですね。
 ですから箱根を越えれば、あるいは箱根のトンネルを抜ければ別世界に入ったと。したがってそれは東部でありまた伊豆半島だということでございますので、私はそういう別世界、本物の日本を見せると。そこには世界クラスの資源が二十近くも、今この二年間で現出してきているわけです。ですからこれは見られるに値するところだと、そういうところに我々は住んで、これを後世に継承していかねばならないということで、首都圏三千数百万の方々が全員視野に入っているということでございます。
 今後とも、交通事業者や旅行会社等の関係機関と連携を図り世界レベルの多彩な観光資源や充実した交通ネットワークを前面に押し出した観光プロモーションを実施するなど、首都圏からの観光誘客、さらには定住していただくということを念頭に置いた、そうした取り組みを積極的に進めてまいります。
 次に、新拠点施設を活用したファルマバレープロジェクトの事業展開についてであります。
 ファルマというのは言葉としては難しい言葉ですが、ファーマシーすなわち薬局。これをベースにしてファルマバレーという言葉ができておりますけれども、健康産業のメッカにしようというプロジェクトがファルマバレープロジェクトです。しかも静岡県はそのメッカになり得る日本における最良の地域であると。特に東部がそうであると。その拠点が長泉のがんセンターを中心にしたところでございます。
 今、静岡県における医薬品、医療機器の合計生産金額が一兆円規模で、この四年間全国一位ということでございます。しかし一方でこれは国内全体では十四兆円産業です。医薬品で十兆円、そして医療機械で四兆円。しかしここには輸入品が入っています。関税ベースで輸入金額は四兆円になっています。四兆円というのは大変なものでうちの予算の四倍ほどのものでございますから、これを海外に支払っているということです。したがってこれを国産化することが極めて重要だと。国産化いたしますと、これをアメリカから輸入しているところがアジア等は多いんですけれども、そこにも輸出できますので、ですからこれは新しい成長産業として我々が最も重視しているところでございます。
 本県の医療健康産業を牽引するファルマバレープロジェクトの新拠点の施設は、研究開発の促進や地域企業の支援、人材育成、交流などさまざまな機能を集約した施設として整備を進めており、今後ますます重要となる世界展開を進める上で戦略的拠点として位置づけているところであります。具体的にはファルマバレーセンターが中心となり地域企業開発生産ゾーンの入居企業によるインプラント等の輸入代替製品やアジア市場向けの製品の開発を促進するとともに、リーディングパートナーと協力して地域企業の国際的な品質管理体制の構築を支援するなど新拠点施設を積極的に活用してまいります。やはりポイントは価格とともに、農芸品もそうですけれども品質というところにおいて決して私たちは粗製乱造しないという基本姿勢を貫いて、特に健康にかかわる医薬品、医療につきましては高い品質のものを常に目指すということでございます。
 また、運営体制につきましては施設を効果的に活用する観点から指定管理者制度による運営を予定しております。指定管理者にはプロジェクトに貢献する企業の入居や企業と大学の交流によるイノベーションの活発化を進める役割を担っていただきたいと考えております。ファルマバレープロジェクトは静岡県経済のみならず日本の国際競争力を高めていく経済再生モデルと言えるもので、その我々は先導役を演じたいということでございます。この新拠点施設を中心にプロジェクトのさらなる推進を図り、アジアをリードする医療健康クラスターへと高めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長のほうから御答弁を申し上げます。
○副議長(杉山盛雄君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 地域資源を生かした農村の振興についてお答えいたします。
 中山間地域等の農村は茶、ミカン、ワサビなど地域の特色に応じた付加価値の高い農産物が生産される場であるとともに、豊かな自然や美しい景観、地域固有の歴史とともに培われた文化を有する地域であり、都市住民を対象とした国の世論調査では多くの人がこのような農村地域を訪れたいと答えております。こうしたことから地域資源を生かした都市との交流を促進させることが農村の振興を図っていく上で有効であり、県と市町が連携して都市農村交流等をテーマとした地域の将来像とその実現のために必要な施策を定める農村振興基本計画をこれまでに十五地域で策定し、順次事業化を進めてきたところであります。
 裾野地域においても、深良用水の世界レベルでのかんがい施設遺産への登録を契機として昨年度から計画策定に着手したところであります。現在、農道や用排水改良等の生産基盤整備とあわせて深良用水の保全活動を図る案内施設や駐車場等の周辺施設整備、富士山の眺望がすばらしい須山エリアでの多目的広場の整備等を盛り込んだ構想づくりを進めているところであります。
 県といたしましては、生産基盤整備や都市農村交流施設整備のほか、ふじのくに美しく品格のある邑づくりの活動などにより富士箱根地域に訪れる都市住民を受け入れ、この地域の活性化につながる地域資源を生かした農村振興に取り組み、暮らす人が誇りを持ち訪れる人も住みたくなるような魅力ある農村づくりを進めてまいります。
 次に、県道仙石原新田線の整備についてであります。
 県道仙石原新田線は裾野市街から神奈川県境の湖尻峠で芦ノ湖スカイラインに接続する延長七・八キロメートルの路線であり、沿道には企業の研究所やかんがい施設遺産の深良用水、深良発電所が存在するなど産業や観光交流などの面でも重要な役割が期待される路線であります。県では市街地側から順次整備を進め、県道沼津小山線から林道北箱根山線までの四・五キロメートル区間について二車線での整備が完了済みであり、現在、林道北箱根山線から湖尻峠に向かう〇・九キロメートル区間について今年度内の完成を目指して整備を進めているところであります。残る二・四キロメートルの区間につきましては、今年度から事業着手準備制度を利用して地域との合意形成の場を設け、次期整備区間や効率的な整備手法について検討してまいります。
 県といたしましては、本県に訪れる観光客などの道路利用者が安全で快適に通行できるよう引き続き県道仙石原新田線の整備を進め、富士山麓と箱根を結ぶ観光ネットワークの形成が図られるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 食品表示の適正化についてお答えいたします。
 県では、食品事業者を対象に適正な食品表示の重要性について啓発を中心とした講習会を毎年行っております。今年度からは新たに食品表示責任者講習会も設け毎年二千人の食品表示責任者を養成することとし、養成後は各事業所において表示基準に適合しているかの確認や消費者からの問い合わせへの対応を行うなど、表示の自主管理について促進していくこととしました。食品表示責任者が確認した県産食品には消費者にもわかりやすいマークを使用して、他産地のものが混入していないなど適正な表示がされていることを示すこととしております。これにより事業者の表示管理に対する責任感や県産食品ブランドの信頼性を高めることとしております。また今年度からは二部局に分かれていた食品表示業務を健康福祉部に一元化し、保健所の食品衛生監視員が添加物や栄養成分表示等のほか原料原産地表示についても監視を行うなど総合的な監視に取り組めることとなり、食品表示法の適正な運用の充実が図られ、今まで以上に不適正表示を排除する体制を整えたところでございます。
 県といたしましては、今後とも事業者の自主管理の促進と厳正な監視により県産食品ブランドの信頼を守り、県民の皆様が安心して食品を選択できるよう食品表示の適正化に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) 夏の生活スタイル変革への取り組みについてお答えいたします。
 本県では、職員が仕事と家庭生活を両立できる職場環境を実現するため、育児短時間勤務制度や育児・介護のための早出遅出勤務制度の導入などワーク・ライフ・バランスを推進する各種制度の充実に努めてきたところであります。一方、子育てや介護等の家庭生活のみならず地域活動や自己啓発等、職員の生活を豊かにするために必要とされる時間と勤務時間を柔軟に組み合わせることで、職員一人一人が心身ともに充実し仕事に意欲と能力を発揮できる環境を整備していくことが重要な課題となっております。
 そこで、新たな取り組みとして日の出が早く日照時間が長い七月から八月までの間、早朝から集中して仕事に取り組み夕方は早目に退庁して自己啓発や家族と過ごす時間を持てるよう朝型勤務を導入することとし、来週月曜日、六日から試行を開始いたします。
 今後、働く時間と場所を柔軟にする取り組みなど民間企業等の先進的な事例も参考に働き方の選択肢をふやしワーク・ライフ・バランスの実現に努め、職員が持てる力を存分に発揮できる職場環境づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(杉山盛雄君) 鳥澤由克君。
       (十四番 鳥澤由克君登壇)
○十四番(鳥澤由克君) それぞれに御答弁をいただきまして、大変ありがとうございました。
 では私、若干要望と、一点だけ再質問をさせていただきます。
 まず、要望でございますが、地域資源を生かした農村の振興についてということで知事から御答弁をいただきました。まず、農業・農村は食料を供給する役割のほかにも環境、特に地域そして地球環境にも大きく貢献する役割と、やっぱり何といっても地域社会を形成、維持する役割もそこにあるというふうに思っております。特にこの中山間地域における位置づけというのは、山間部と都市部、その間の地域の中でどのように活性化がされていくか。このことについては全体の波及効果、相乗効果にとっても大変重要なところだというふうに私は思っております。今私は、市内ではございますが、それぞれの地域に足を運んだときに、今まさにみずからが自分たちが考えてこういう形にしていこうと。地域を自分たちで考え、まさに自立を支える多くの皆様がいらっしゃいます。その皆様の思い。やはりこれはその地域の人々の思いが生かされていなければ実現も政策効果も得られないということでございまして、地域の自立を促すこと。これが集約されてその地域の場の力につながっていくんじゃないかというふうに思っておりますので、これから引き続きまして県のほうの御対応をお願いをしたいところでございます。
 二点目の要望でございますが、先ほど知事から御答弁いただきました新拠点を活用したファルマバレープロジェクトの事業展開ということでございまして、私も、隣接する一住民としましても一県民としましても、がんセンターあるいはファルマバレープロジェクトがエールを受けている、まさに誇りとするところの機関ということでございます。十年のサイクルを事業計画の中で三年ごとに評価をし直すということで、これは自己評価、外部評価も交えてやっていくということでございまして、その中においてはやはりこのファルマバレーはまさに命を守る産業としての役割を担っているということで、ファルマバレープロジェクトが今度の新しい新拠点を核にして、従来の特区になかった規制の緩和や新制度の提案などによりまして医療産業の集積と高度化がより促進されるよう願うところでございます。
 特に、この六月に申請をいたしましたふじのくに医療健康イノベーション国家戦略特区。これはまさにさまざまなアジア諸国での医療機器の開発の認証基準をやっていこう。そしてまたがんセンターが外国人の医師の診療も受け入れていこう、何とか標準化していこうということで、アジアのまさにハブクラスターとしての意味合いも強いということでございまして、まさにそのことが待たれるわけでございまして、運用の規格、規定のほうも厳格に行われるよう望むところでございます。
 要望の三つ目でございますが、食品表示の適正化については消費者基本法の理念を踏まえまして、今度は県も統一した中で健康福祉部に一元化をされるということの組織改革もあるということでございまして、先ほど部長の答弁の中からも食品表示責任者の設置もするということで、今、国内生産額七十九兆円と言われている食品産業、約九%を占めて経済の担い手としてもあるわけでございまして、生産者と消費者双方の立場に立って本県の食の安全・安心をぜひ確立していただきたいと思っております。
 それでは、要望一点申し上げます。
 先ほど交通基盤部長からもお話がございました県道仙石原新田線の整備。まさに全長七・八キロメートル。その中で四・五キロが終わりました。これは昭和六十三年に着工しておりますのでもう既に二十七年前ということになります。まさに裾野市民の念願でございまして、悲願でございます。この仙石原新田線は大きくその取り巻く環境が変わってまいりました。まさに生活道路、産業道路としてもありますが、今まさに箱根のほうの大涌谷で、噴火がまさに危機迫るというところもありまして、やはり富士山それぞれの災害が起きたときに、いざ神奈川県から静岡県へ、静岡県から神奈川県へと、そのような相互作用の中でまさに大混雑、救援物資、救護するためにも大変重要な位置づけになっております。
 特に富士山と裾野、そして箱根。このラインをよく見ますと、その介在する仙石原新田線の役割というのはおのずから重要性が増してくる気がいたします。そして今整備中の地点から深良用水の穴口と言われております――地元の皆様は穴口とおっしゃっていますが――そこまでが約一・一キロ。その一・一キロの区間を何としましても、今裾野市民の皆様の多くの皆様の思いは何とかそれを早期にしてほしいということでございます。それはただ単に裾野市民の願いではなくて、先ほど言いましたように富士山、裾野、箱根、神奈川県をよく見ますと、そのときには静岡県にとっても北部からの進入路となる。まさにその活性化の起爆剤になるのがこの仙石原新田線でございまして、今地元の皆さんが立ち上がろうとしております。自分たちで構想を練って、土地も出すし協力していきますよ、鳥澤さん、それじゃ、こういうふうにしていったらどうでしょうかと、まず絵図まで描いて私に指し示しています。そのような機運が盛り上がっているこの路線を、私は今、事前の合意形成がということでお話がございましたが、もうそういうことは待っていることはできません。ですので何とか災害道路、そして林道。多目的にこの道路が大切だということの御認識をひとつ深めていただいて、ぜひとも一歩前に進むように御尽力をいただきたいというふうに思っているところでございます。
 先日、知事にもお見えになっていただきました。今、私の言葉の中に、知事がきっと頭の中に、富士山に連なる山並みも、そして箱根に連なる山並みの中でこの深良用水の位置づけということが重要なポイントである。そしてこの道路を何とかしなければならないという、私は知事の思いをいただいているような気がいたしますので、ぜひとも裾野市民、まさに東部の活性化につながるこの道路を横軸の重要道路ということで位置づけをいただきまして、何としてでも早期の開通。そして一・一キロを何としましても早くやっていただきたいということでございます。先ほど言いますように地域では子供たちが「いのちの用水」として演劇を、まず地元を知ろう、そして地域を知っていこう。まず世界に飛び出るにはまず地元を知っていこうということで、深良用水を、千二百八十メートル、寛文六年。その偉業をたたえてのことでございます。まず自分のみずからの危険を顧みず、のみで、そしてくわを一つにやっていただいた先人の命のとうとさ、思いを思うときに、必ずそのことには私は応えていただけるというふうに思って質問を終わります。以上、答弁を求めます。
○副議長(杉山盛雄君) 鳥澤由克君にお尋ねいたしますが、今最後に質問のことを要望と申しましたが、質問でよろしいですか。(発言する者あり)
 野知交通基盤部長。
○交通基盤部長(野知泰裕君) 仙石原新田線の今後の一・一キロメートルの整備の要望の再質問についてお答え申し上げます。
 先ほどの答弁でも、仙石原新田線、ちょうど今まで〇・九キロメートルの市街地側から整備した区間が本年度完了するということを御答弁申し上げましたが、次の段階としてどのような整備をさらに箱根側についてやっていくかということについて、事業着手準備制度で進めるということで申し上げました。というのは、事業着手準備制度の中におきましてはやはり地域の皆様とワークショップを開いて地域の意見をお聞きしながら本年度からどうしていくかということで、具体的な事業の区間ですとかどういう延長でやっていくのか。そのような点について話し合いをしようということで用意させていただいているところでございます。
 その一方で、今回もう一問私どものほうにいただきました農村振興のほうで箱根用水等の地域資源を生かした中での農村振興ということで御質問いただいた中で、農村振興の基本計画を今つくっているところだということで申し上げましたが、こちらのほうでも将来像の構想づくりについて本年度地域の皆様とワークショップを開きながら、こういった裾野地域の恵まれた地域資源をいかに生かしてこの地域の都市と農村の交流を深めていくかということを議論しながら構想づくりを進めようというようなことを進めようとしています。そうしますと、この地域の今後のあり方とまたこの仙石原新田線の今後のあり方というのは、ちょうど同じタイミングで地域の中で議論することができるということになりますものですから、今後その地域の地域資源を生かした中での整備ということで、関連する仙石原新田線がどういう形で有効に整備の結果が出るのか。その辺も一緒に議論して、今後の整備のあり方について明らかにしていきたいと思っています。
 御質問いただきましたように、仙石原新田線は単に裾野地域だけではなくて県際交流の道路、県をまたいだ形でのネットワークとして有用に活用できる可能性を十分に持っていると思いますので、その辺につきまして真剣に議論ができればというふうに思っております。以上でございます。
○副議長(杉山盛雄君) これで鳥澤由克君の質問は終わりました。(拍手)

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