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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

野田 治久 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/01/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 伊豆地域の振興について
 (1) デスティネーションキャンペーンの取り組み
 (2) サイクリングのメッカ伊豆の推進
 (3) 内陸のフロンティアを拓く取り組み
 (4) 修善寺駅周辺道路の渋滞対策
2 県産材の販路拡大について
3 有害鳥獣による被害について
 (1) 鳥獣被害対策の取り組み
 (2) 伊豆地域におけるニホンジカの捕獲対策
4 吉原林間学園の改築整備について


○議長(吉川雄二君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百十三号から第百三十八号まで及び平成二十六年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、六番 野田治久君。
       (六番 野田治久君登壇 拍手)
○六番(野田治久君) 皆さんおはようございます。自民改革会議伊豆市選出、野田治久でございます。私はこれまで地域の観光や温泉事業、まちづくりなどいろいろとかかわってまいりました。そしてふるさと伊豆をもっと元気にしたい。先人から受け継いだ貴重な宝物をもっともっと磨いて次の世代にしっかりとバトンタッチをしていかなければいけない。そんな思いを遂げるために県と地元のかけ橋になるように努めてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 通告に従い一括質問方式で知事及び関係する部局長に当面する県政の諸問題についてお伺いします。
 初めに、伊豆地域の振興についてのうち、デスティネーションキャンペーンの取り組みについて伺います。
 デスティネーションキャンペーンとは、JRグループ六社が地域と期間を限定し全国レベルで集中的に宣伝と集客を展開する観光キャンペーンであります。キャンペーン実施のためには自治体と観光関係者、地元住民が協働し受け入れ体制の充実を図ることが重要です。そしてデスティネーションキャンペーンの効果は観光客の増加による地域経済への波及効果や宿泊や観光施設の改築や改装など民間投資の促進につながります。また官民一体となった取り組みは魅力あるまちづくりや人づくりのために絶好の契機になると考えています。
 既に伊豆地域では、十三市町の合意を得るなどデスティネーションキャンペーンの誘致に向けて取り組みが始まっています。キャンペーン実施のためには各地の観光資源を掘り起こしさらに磨き上げ、新しい観光メニューや交通システムを提案するなど地域が一体となって取り組む必要があります。伊豆の力を一つにまとめ上げるための鍵はテーマやシステムごとに各市町や観光協会が連携し新しい協力体制をつくることにあります。そのために美しい伊豆創造センターのプロデューサーとしての機能と役割は極めて重要と考えています。
 伊豆は世界水準の観光地を目指し、その第一歩を踏み出そうとしています。デスティネーションキャンペーンの誘致は伊豆と本県の多彩な観光の魅力を国内外に向けて発信するばかりではなく、県の取り組みの認知度を高める絶好のチャンスでもあります。JRによるデスティネーションキャンペーンは本県の観光の発展に大きく貢献すると確信しておりますが、県の所見をお伺いします
 次に、サイクリングのメッカ伊豆の推進について伺います。
 伊豆市にある日本サイクルスポーツセンターは、昭和四十六年に開設以来、平成二十一年には文部科学省からナショナルトレーニングセンター自転車強化拠点施設の指定を受け、さらに平成二十三年には世界レベルの大会が開催可能な二百五十メートルの木製バンクを有する屋内競技施設伊豆ベロドロームが建設されました。日本サイクルスポーツセンターはこれまで我が国の自転車競技の振興と普及促進に貢献し、日本の自転車競技の中心的地位を築いてまいりました。また近年伊豆市を中心に周辺市町や競技団体、観光関係団体と連携し、広く一般市民に自転車のおもしろさを伝えるためにサイクリングフェスティバルを開催しサイクリングのメッカ伊豆の実現に向け官民挙げて取り組んでいます。近年全国的にサイクリングへの関心が高まり風景や食など地域の魅力に触れながらサイクリングを楽しむイベントがふえています。伊豆地区においても、恒例の狩野川沿いを走るライド&ライド狩野川が先日にぎやかに開催されました。また伊豆半島一周サイクリングが十一月に計画され、準備が着々と進んでおります。このように伊豆は美しい自然、温泉などの観光資源に恵まれており、環境が整えば国内外から多くのサイクリストを呼び込む潜在能力があると考えております。今後サイクリングは伊豆の新しい、そして有力な観光メニューになると思っております。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを控え自転車への関心が一層高まることが予想されます。さらに地元の受け入れ体制を強化し子供たちを筆頭に地域が盛り上がってこそ伊豆はサイクリングのメッカとして大きく飛躍するチャンスを迎えるものと考えます。今後どのようにして取り組むのか、県の所見を伺います。
 次に、内陸のフロンティアを拓く取り組みについて伺います。
 私の住む伊豆市もほかの自治体同様に人口減少や少子高齢化が急速に進んでいます。また進学や就職、結婚を機に多くの若者が転出し町の活力低下が深刻であります。このような中で伊豆市の地方創生の取り組みは、新しい都市計画マスタープランを策定し都市機能を集積するコンパクトタウン&ネットワーク構想を柱に将来の活力あるまちづくりに向かってスタートを切ろうとしています。
 その中で、大平地区と日向地区の二カ所で内陸のフロンティアを拓く取り組みが進められております。大平地区では土地改良事業により農地を集約化し付加価値の高い農業振興を図り、また有事の際には復旧対策物資供給拠点となる予定であります。そして日向地区においては文教ガーデンシティの基本構想策定が進められています。ここではすぐれた自然環境の中で再編を予定している新しい中学校を核とし、こども園、公園、住宅などを一体的に整備をし、地域の歴史や文化を生かした教育環境を充実させたまちづくりを目指しています。
 この取り組みは、子供の教育環境を重視する首都圏の若者の移住・定住を視野に入れた地域づくり戦略でもあり、文教ガーデンシティ構想は伊豆市の将来にとって極めて重要な取り組みであります。伊豆市が進める文教ガーデンシティの取り組みに対し、今後県はどのように支援していくのか伺います。
 次に、修善寺駅周辺道路の渋滞対策について伺います。
 伊豆箱根鉄道駿豆線の修善寺駅は、鉄道を利用する観光客の玄関口であるとともに、周辺住民の足として使われる大切な鉄道の窓口であります。また修善寺駅周辺の道路は通勤通学、帰宅の家族を送迎する車と一般車両さらには観光客の車やバスやタクシーが一点に集中します。特に国道百三十六号と県道伊東修善寺線が交わる横瀬交差点を中心に平日、休日を問わず慢性的に交通渋滞が発生しています。中には県道の渋滞を避けるために住宅地の生活道路に車が流入し、子供の通学や地域住民の安全を脅かしています。
 しかしその一方で、昨年二月には東駿河湾環状道路が開通し、さらに昨年六月には圏央道の東名と中央高速を結ぶ区間がつながったこともあり、特に北関東方面から伊豆地域への交通量はその開通前と比べ約二・六倍に増加をしています。また平成三十年に開通予定の天城北道路と西伊豆を円滑につなぐために土肥新田地区の道路改良工事や仮称月ヶ瀬インターに接続する下船原バイパスの建設は順調に進捗しております。こうした道路整備は観光の振興や新たな物流を円滑化し企業誘致など地域経済の発展とともに、いざというときのいち早い住民の地域の災害復旧に寄与します。今後伊豆地域には数々の追い風に乗り国内外から多くの観光客が訪れることが予想されますが、その一方で伊豆地域の交通量がさらに増加し、課題となっている修善寺駅周辺の渋滞もますます悪化するのではないかと懸念されています。地域の基盤産業である観光の振興だけでなく新たな産業の立地や移住・定住の促進による地方創生ビジョンを具現化するためにも、道路の利便性確保と将来への展望は欠かせないと考えております。
 そこで、修善寺駅周辺道路における交通渋滞に対する取り組みについて、県の所見を伺います。
 次に、県産材の販路拡大について伺います。
 本県は、県土の約三分の二が緑あふれる森林です。先人が苗木を植え、下刈りや間伐などの育林された杉、ヒノキの人工林の約九割が木材として伐採時期を迎えています。県ではふじのくに森林・林業再生プロジェクトや公共建築物等での県産材の率先利用、県産材を使った住宅取得への助成などを展開し、もりの都しずおかの実現に取り組んでいます。また伊豆地域では平成二十五年に上船原に県森林組合連合会の中間土場が稼働し、常に間伐された丸太が山積み状態で地域の生産量も順調にふえております。
 私は、幼少のころから地元の山や川で遊び釣りをするなど自然に親しみ、その豊かな恵みを享受しながら育ってまいりました。その後、渓流釣りが趣味となった私は人の手が入らず荒れ放題の人工林や台風の被害そのままの森林など荒廃しているさまを目の当たりにする機会がふえ、森林再生の必要性を痛感してまいりました。次の世代に豊かな森林を引き継いでいくためにはまず山の手入れをしなくてはなりません。森を守り林を維持管理し木を活用していくためには多くの人の手が必要であります。そのためには県産材を積極的に利用し需要を高め、収益を森林に還元する必要があります。このはなアリーナのような大規模建築物から個人住宅、神社や仏閣などに構造材や内装材として県産材製品の販路を県内外に積極的に広げていくことが重要だと考えています。
 そこで、県産材の販路拡大に向けどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、有害鳥獣による被害についてのうち、鳥獣被害対策の取り組みについて伺います。
 県内では、野生鳥獣、特にニホンジカとイノシシによる農林産物被害が深刻です。鹿やイノシシは今までの生息域から餌を求めて、より人間の生活圏に侵入してきており、丹精を込めて育てた農林産物を収穫間際に食い荒らされた農家の皆さんの生産意欲の低下と落胆は筆舌に尽くしがたいものがあります。このような事態に県は被害防止対策のための調査や被害のある集落への支援を初め、市町や猟友会、JA、森林組合などと連携し野生鳥獣による被害対策を実施してきました。県の調査によりますと全県の農林産物の野生鳥獣被害額は平成二十一年度の約七億円をピークに減少傾向にあり、平成二十六年度は約四億八千万円となっています。これは電気柵や被害の多い集落や広域な農耕地全体を取り囲む侵入防止柵の設置などの予防策、猟友会による捕獲対策に取り組んできた結果であると考えられます。しかし私が地元の関係者から聞いている話では一連の対策の効果は高いもののイノシシや鹿の被害は減少しておらず、さらに耕作地周辺のわなにかかる頭数はふえているというのであります。また国道、県道に飛び出したイノシシや鹿と車の衝突事故が頻発していることなどから数字にあらわれない被害が増加していると考えられます。県の統計によりますと農林産物の野生鳥獣被害額は減少しておりますが、これは調査の対象となる耕作地が減少する一方で調査の対象外となる耕作放棄地がふえている影響もあるのではないかと思っています。
 そこで、今後どのような鳥獣被害対策を実施していくのか、県の所見を伺います。
 次に、伊豆地域におけるニホンジカの捕獲対策について伺います。
 私は、伊豆が世界から賞賛され続ける美しい半島を目指すためには堂々とした森林と品格のある日本の原風景が欠かせないと確信しております。ところが今や中山間地域では耕作地にとどまらず集落全体を取り囲むように防護柵や電気柵が張りめぐらされ、里山のシイタケ原木の原材料となるクヌギ林や天城山麓に広がる日本一のワサビ沢周辺にも同様の光景が広がっています。私は伊豆の景観に柵やおりは似合わないと思っています。さらにことしの七月、西伊豆町で電気柵による不幸な感電事故が発生しました。加害者の過失についてはもちろん弁解の余地はありません。しかしこの事故の背景にどのような現実があったのか容易に理解することができます。つまりニホンジカ対策は伊豆地域にとっては大変深刻な問題となっているのであります。
 こうした中、県は平成二十二年度末の伊豆地域の鹿の生息数を約二万一千頭と推計し、毎年七千頭以上の捕獲を計画的に進め六年後の平成二十八年度末までに九千頭にまで計画的に減らすことと聞いています。しかし地元農林業者の話によると農林産物の被害状況やわなにかかる鹿の頭数、ゴルフ場や別荘地に生息する個体数さらには民家や公園、町なかまで出没する親子鹿の姿など伊豆地域における鹿の生息数減少は頭打ち状態ではないかと思われます。また森林では個体数の急増による食害で枯れ木の目立つブナの原生林や一面に広がるクマザサの消失など自然植生崩壊の危機に瀕しています。また下草が食べ尽くされて地表が露出し一部崩壊が始まった山肌など治山や防災上の問題発生が懸念されています。私は年々鹿の生息域が人間の生活圏に近くなり栄養豊かな農林産物を多く餌としているのでその繁殖力が上がっていると思っています。また気候の温暖化や生息域の南下によって餓死や凍死などの自然死が減っているのではないか。さらには里山で生まれ育った鹿が代を重ねるごとに人間に対する恐れが薄らいでいるのではないかと思えてならないのであります。
 県は、毎年実施する生息密度調査の結果から既に伊豆地域の鹿が減少傾向に転じていると見込んでおられるようですが、地元ではその実感に乏しいのが現実です。そこで県では伊豆に生息する鹿の実態をどのように捉えており、今後狩猟者の確保を含めた鹿捕獲対策をどのように進めていくのか改めてお伺いをします。
 最後に、吉原林間学園の改装整備について伺います。
 私は児童虐待、いじめ、子供の貧困など厳しい状況に置かれた子供たちに関する報道を聞くにつれて大変心を痛めております。先ごろ県が取りまとめた平成二十六年度に県内児童相談所が対応した児童虐待件数は二千百三十二件と過去最多となり、児童虐待は深刻の度合いを増していると言わざるを得ません。中でも親から虐待を受け家庭の支援を受けられずにやむなく施設などでの生活を余儀なくされている子供たちは、より大きな困難を抱えています。少子化が進行する今日であるからこそ、こういった子供たちを社会でしっかり支援していかなければなりません。虐待を受けた子供たちは心に傷を負っていたり大人との信頼関係の形成が不十分であることが多いと伺っています。またこういった子供たちの中には過度に落ちつきがない、容易に攻撃的になるなど精神的に重い症状を呈している子供も少なくないとのことであります。
 こういった子供たちを預かって生活指導をしつつ心理治療を行う情緒障害児短期治療施設として、県では吉原林間学園を設置しています。県立吉原林間学園は全国で二番目の施設として昭和三十七年九月に富士市に開設され、今日まで心理面で問題を抱える子供たちを支援する役割を担ってまいりました。しかしながら現在の建物も昭和五十八年の改築から三十年以上が経過し老朽化が顕著であり、入所児童にとって、より安全で落ちつける生活環境を確保することが求められています。また当時、登校拒否や緘黙などを主な症状とする児童を想定して整備された設備や体制は、現在のように虐待を受けた子供たちが多くを占め情緒面などの状態も重くなっている状況を鑑みると従来のままで適切な対応が可能か心配もあるところです。同様の状況は多くの被虐待児が生活している児童養護施設でも少なからず発生し、施設からは県による支援を期待する声が大きいと伺っております。
 県は、本年度当初予算において吉原林間学園改築のための基本設計費等を計上し新たな施設の建設に着手することとしていますが、改築に当たっては昨今の入所児童の実情を鑑みて体制や機能の強化を図ることが不可欠であると考えておりますが、今後どのような方針を持って整備を進めていくのか伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(吉川雄二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 野田議員にお答えいたします。
 伊豆地域の振興についてのうち、内陸のフロンティアを拓く取り組みについてでございます。
 伊豆市日向地区における文教ガーデンシティ構想についてお聞きしたのはいつだったかと思うのですが、聞いたときからこれはすばらしいと思っておりました。先般、菊地市長みずからこの説明について改めて力強く首都圏からの移住を想定していると。そして豊かな自然の中で充実した教育環境と質の高い住環境の形成を目指すものであると。そしてこれまで取り組みの少なかった新しいライフスタイルの実現の場を創出する先導的なモデルになるのだというふうに力強く語られまして、これを心から御歓迎申し上げた次第でございます。
 そこで、もう既に本年度創設いたしました内陸フロンティア多様化モデル創出事業に御採択申し上げ、現在基本計画の策定に対する支援を行っているところでございます。この基本計画が策定せられまして、そして内陸のフロンティア推進区域と認められた場合――認められることになると存じますけれども――現在二十市町の中で四十の区域が認められているわけでございますが、その仲間になった後はその具体化に向けまして土地利用に係る調整等が必要になりますので、私どもといたしましては庁内関係部局が一体となりまして手続が円滑に進むようきめ細かく対応してまいります。事業が進捗するのに合わせまして地域づくりに関与するアドバイザーを派遣申し上げます。また豊かな暮らし空間創生事業による助成を行います。さらに“ふじのくにに住みかえる”静岡県移住相談センターにおける移住希望者等への情報発信を行います。これこれの施策を講じまして積極的に支援をしてまいります。
 大都市圏いわば首都圏にはない、東京にはない自然環境や歴史、文化などを生かした静岡ならではの、あるいは伊豆半島ならではの、あるいは伊豆市ならではの多様なライフスタイルを提供いたしまして、本県への新しい人の流れをつくる地方創生のモデルとなるこの文教ガーデンシティ構想が早期に実現するように伊豆市との連携を一層強化して取り組んでまいります。
 このガーデンシティーというのは県下に幾つか取り組みが進んでおります。すぐお近くの三島でもガーデンシティーという試みがあります。小山町もそのように言われているんじゃないでしょうか。さらに吉田町はシーガーデンシティという地域づくりをされております。また空港周辺ではティーガーデンシティというのもつくっております。さらに遠州におきましては今、阿蔵山の土砂を防潮堤をつくるために搬出しておりますけれども、阿蔵ヒルズという名前。これもまたガーデンシティーでございます。
 これはもちろん横文字ですけれども、その淵源になったのは一八六〇年代にイギリスから来た人たちが江戸の百万人の都市を見て緑に満ちていると。お庭がたくさんあると。長屋の路地にもアサガオが植えられている等々ですね。それをガーデンシティーと。大いなる田舎だと言って感心したんですね。それがイギリスの大都市というのは煙突とか今で言う公害に満ちていたものですからこれを変えようという動きになりまして、そして一九〇一年に世界で一番最初に明確にガーデンシティーと名を打った、レッチワースにガーデンシティーができまして、それに引き続いてウェルウィンというところにもそれができたわけです。その後イギリスに行かれますと、大都市は別ですけれどもちょっと郊外に出ますと皆ガーデンシティーになっております。私はその淵源が実は日本にあったというふうに思っているわけです。
 そういう意味におきまして、ガーデンシティーもそれぞれの地域における特徴をつくらねばなりませんけれども、人口流出、子供の少ないことになったことを受けて新しい文教というものを地区にして、この水辺がございますね。ですからリバーサイドも活用しようということですね。それからこども園もつくろうと。それから田園住宅というふうに言われていますけれども、ガーデンシティーの訳としては田園都市というふうに訳したわけですが、これは百年ほど前に日本人が訳したんですけれども、どう訳すか非常に迷ったわけです。花園都市というのもありました。庭園都市という訳もあります。私は静岡県に即して言うならば、あるいは伊豆のようなところは園芸農業をやっております。ですから農芸品をつくっているので農芸都市というのがいいのではないかというふうに。あえて訳すならば農芸都市がいいのではないかと。農芸品をつくっている、いわば農業の芸術品をつくっている、農業それ自体の技術もたくみのわざが生かされている、そういう都市景観だと。これは決して東京ではできません。
 ですから、ここで新しいライフスタイルを教育というものを軸にしてつくるというのはすばらしい考えだと思っておりまして、早く計画が見事に策定されて私どもと一体となって伊豆の目玉になるということを期待しているところであります。
 次に、県産材の販路拡大についてであります。
 県は、豊かな森林資源を活用するために平成二十九年における県産材の生産量五十万立方メートルの目標達成に向けまして県産材の需要と供給の一体的な創造に取り組んでおります。
 供給側からはこれまでに天竜、大井川、静岡、富士の四つの地域で製材工場や林業事業体が連携して県産材製品を供給する体制を構築するということになりました。また本年富士市に大規模な合板工場――これノダという会社ですが御親戚でしょうか。どうも御縁がありそうな感じがいたしますが――立派な工場が稼働いたしまして、ことし年間十一万立米、三年後には十二、三万立米というそういう御計画が明確になり、私も開所式に参りまして大変感じ入った次第でございますけれども、この合板工場で県産材のフローリング材や合板などの安定的な供給が行われております。
 一方、需要側におきましてはまず公共建築物。地産地消でございます。県産材の利用を進めると。これはもう大方針でありまして、そのシンボルとしてこのたびあの「プラサ ヴェルデ」に続きまして、このはなアリーナが本年四月に完成いたしました。全国の木材利用優良施設を対象とする表彰で最高賞の、静岡県で初めて農林水産大臣賞に輝いたものであります。県産材七千本を使ったと、天竜が中心でございますが。そしてこの建物に国会議員の先生方を初め多くの視察者が訪れて、美しく機能的な県産材利用として県内外への大きなPRになっているわけでございます。私はこれこそ先ほど言われたもりの都づくりの一つのきっかけになるかなというふうにも思っておりまして、さらにこれを進めてまいりたいと。今後も率先して県産材製品の利用に努めるとともに住宅、店舗、福祉施設など民間での利用の促進にも取り組んでまいります。
 この間、済生会病院の新しい図面を持ってこられまして、でき上がったイメージ図だったんですが、全然使われていないということでこれはもう却下して、私、その会長か何かやっているんですよ。違いましたか。関係しておりまして実際に古い建物も見に行ったんですけれども、そうしたら使えるんですね。そして使われたんです。そうしたらもう最初に計画されていた当初の計画を持ってこられた方も、でき上がってみるともう全然違うと。やっぱり優しいんですね。そうした事柄を一つ一つ小さなことからどこででも、どこまで使えるかと。何も鉄筋コンクリートか純正木造かと違うんですね。鉄筋木造コンクリートでいいんです。木造も使うと。鉄筋も使う、コンクリートも使うと。これが和です。足し算です。そういう形で県産材の利用を促進してまいりたいと。
 一方、県外への販路開拓につきましては来月東京で開催されるジャパンホームショーにおいて県産材の品質と供給力の高さをPRいたします。また来年二月には静岡県の単独で建築設計事務所やゼネコンなどを対象に豊富な県産材製品の見本市を新宿で開催する予定です。
 さらに、本県にはFSCという国際認証林が多いことから――特に西部に多いんですけれども――二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック関連施設への利用に向けましてやはりこれはFSCの認証を持っていることが条件になってくると存じます。こうしたことからこのFSCの認証を取った上で、本県は首都圏に近うございますので国や組織委員会など関係機関に働きかけて県産材を使っていただくようにPRしてまいりたいと思います。
 また、海外に向けましては輸出に意欲的に取り組む県内事業者二十社と研究会を設立いたしました。そして市場調査を今行っているところです。これを受けまして本年六月から七月にかけまして中国は上海市におきまして展示会を開き、県産材製品を展示し複数の現地企業から継続的な交渉の申し込みを受けております。また来年二月には韓国で行われる展示商談会への県内事業者の参加を支援いたします。
 県としましては、これらの取り組みによりまして県内での利用はもちろんのこと、国内外に向けまして本県の持っている県産材のすばらしさと本県の緑、森林、木材の力。また県内のたたずまいとしてはもりの都づくりということをつくり上げることを通して県産材の販路拡大に努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(吉川雄二君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 伊豆地域の振興についてのうち、デスティネーションキャンペーンの取り組みについてお答えいたします。
 デスティネーションキャンペーンは、JR六社と地方自治体、観光関係団体等が協働して実施する日本最大規模の観光キャンペーンで全国から誘客を図るものであり、観光交流客数を拡大する契機となるほか地域経済の活性化にも大きく貢献するものと認識しております。本県では富士山、韮山反射炉、南アルプスエコパークなどが世界クラスの資源として認められたのに加え、新東名、東駿河湾環状道路の開通さらにはラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックの開催など今まさに誘客の好機を迎えており、この時期を捉えデスティネーションキャンペーンが実施されることは大きな相乗効果が生まれることが期待されます。
 県といたしましては、デスティネーションキャンペーンの誘致に向け伊豆地域の皆様が一体となって準備を始められた取り組みは大変すばらしいことと考えておりますが、一方で県内全域においてその取り組みがなされることが県全体への波及効果という点からは望ましいとの判断から、現在県内各地域の意向確認を行っているところであります。
 今後、デスティネーションキャンペーンの誘致に当たっては推進体制の確立などの課題に適切に対応するとともに、引き続き大型観光キャンペーンや観光プロモーションを効果的に実施し、好機を逃さず伊豆を初め本県の観光振興に取り組んでまいります。
 次に、サイクリングのメッカ伊豆の推進についてであります。
 伊豆地域は、議員御指摘の日本サイクルスポーツセンターが立地することに加え風光明媚な景観、温泉や多彩な食材等の観光資源にも恵まれていることから、国内外の多くのサイクリストが憧れ訪れるサイクリングのメッカとして発展する可能性が大いにあります。今後は伊豆ベロドロームのすばらしさを国内外の自転車競技関係者に効果的に広報するとともに、サイクリングの適地にふさわしい魅力あるコースの開拓や自転車の保管施設を含めた宿泊施設の充実など受け入れ体制の確立に向けた取り組みが必要であります。
 このため、伊豆ベロドロームを舞台に来年一月に開催されるアジア自転車競技選手権大会・トラックレースでは、伊豆市や県自転車競技連盟等と協力し地元の小学生が海外参加選手を応援する一校一国運動などの取り組みを通じて大会を盛り上げるとともに、アジア自転車競技連盟の役員や海外のマスコミ等に施設のすばらしさと日本のサイクリングのメッカ伊豆をPRしてまいります。
 さらに、個人の趣向やレベルに合わせたサイクリングを楽しむことができるように県内外の自転車関係団体等と協力し、景観ポイントやアップダウンの状況、休憩所などのサイクリング資源やサイクリストが求めるサービスや宿泊施設の条件等を愛好者の目線で調査し、コースの設定の指針を策定するとともに、地元観光協会や宿泊施設関係者等に情報提供してまいります。
 県といたしましては、自転車を愛するサイクリストがいつでも伊豆でサイクリングを楽しみ、それを地域一丸となって支えるサイクリングのメッカ伊豆の実現に向け、市町や競技団体、観光協会等と連携して取り組んでまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 伊豆地域の振興についてのうち、修善寺駅周辺道路の渋滞対策についてお答えいたします。
 昨年二月、東駿河湾環状道路の三島塚原インターチェンジから函南塚本インターチェンジまでの区間が完成し、新東名及び東名高速道路と修善寺道路が結ばれ南北方向の幹線道路機能が強化されたことから、並行する国道百三十六号などでは交通量が減少し渋滞が緩和しております。一方、修善寺駅周辺においては伊豆半島各地につながる国・県道が集中しており、信号交差点が連続している県道伊東修善寺線を中心に伊豆地域の観光客の増加に伴い休日や通勤通学の時間帯において依然として渋滞が発生しております。このため先月十日には県、市が中心となって警察及び学識経験者等とともに伊豆市中心市街地交通まちづくり会議を設置し、来月上旬に駅周辺道路の交通量や信号周期、交通経路等の調査を行った上で年度内を目途にハード・ソフトの両面から効果的な渋滞対策を取りまとめることとしております。
 県といたしましては、伊豆市等と連携してできるだけ早期に渋滞対策を実施するとともに、駅周辺の交通円滑化に寄与する伊豆縦貫自動車道天城北道路の早期完成を国に働きかけるなど、修善寺駅周辺道路の渋滞対策に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 篠原経済産業部長。
       (経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) 有害鳥獣による被害についてのうち、鳥獣被害対策の取り組みについてお答えいたします。
 県はこれまで、特に被害が深刻な伊豆地域や富士地域でニホンジカの捕獲を行うとともに、市町が行う捕獲や侵入防止柵等の整備に対し支援してまいりました。また各地域でわなや侵入防止柵の設置などの被害防止対策を指導する鳥獣被害対策総合アドバイザーを三百六十二名養成してまいりました。さらなる捕獲の強化を図るため、今年度から捕獲者に対して市町が行う報奨金への助成を一頭七千円から八千円に増額するとともに、森林・林業研究センターにおいて捕獲効果の高いくくりわなやイノシシを効率的に捕獲する箱わな、とめ刺しのための電撃器の開発、硝酸塩を用いたニホンジカの駆除の研究を進め、銃を使用しない捕獲対策に取り組んでいるところであります。
 県といたしましては、今後とも捕獲活動への支援や研究成果を活用した安全で効率的な捕獲を進めるとともに、電気柵を含む侵入防止柵の適正な設置管理を促進し、市町や関係団体と連携して効果的な鳥獣被害対策に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 池谷くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 池谷 廣君登壇)
○くらし・環境部長(池谷 廣君) 有害鳥獣による被害についてのうち、伊豆地域におけるニホンジカの捕獲対策についてお答えいたします。
 伊豆地域では、狩猟や有害鳥獣捕獲に加え管理捕獲による個体数調整を平成十五年度から導入し、年間の捕獲総数は捕獲技術の向上などにより初年度の約三千二百頭から昨年度には約八千六百頭になりました。県の生息密度調査では平成二十一年度末の二万一千九百頭をピークとして生息数は減少に転じ、平成二十五年度末には暫定値ではありますが一万八千八百頭と推計しておりますが、生態系や農林産物の甚大な被害、人家近くへの頻繁な出没などから住民の皆様はニホンジカは減っておらず、むしろふえているのではとの感想をお持ちではないのかと思います。
 伊豆地域の適正生息水準一千六百頭との隔たりは非常に大きい状況ですが、自然増加数を大幅に上回る捕獲数をこれからも維持することにより減少を加速させることが見込まれることから、まずは現計画の目標生息数九千頭に向けて全力を挙げて取り組んでまいります。本年度は捕獲目標を前年度より二百頭多い七千七百頭にふやすとともに、生息密度が高い地域の情報を狩猟者などに提供し、効果的な捕獲に努めております。
 今後、捕獲従事者の高齢化が一層進むことが予想されておりますが、わな免許を中心に若年層の狩猟免許取得者がここ数年増加傾向にあることから、新規取得者を対象に安全で効率的な捕獲技術習得のための研修の実施や捕獲事業のビジネス化も視野に入れた将来的な捕獲のあり方の検討に着手するなど、ニホンジカの捕獲体制の一層の充実に努めてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 吉原林間学園の改築整備についてお答えいたします。
 現在、吉原林間学園では入所児童の約九割を被虐待児が占め精神的に重い症状の子供もふえており、医療機能の強化を初め治療や指導などの処遇の充実を進める必要があります。医療機能の強化につきましては、虐待を受けた子供たちの心身両面にわたる症状などを見逃さず診断し適切な処方を行うためには専門的医療による支援が必要であることから、児童精神科医を配置しその治療方針のもと心理士や指導員を加えた総合的な治療を行うなど、入所児童の症状の改善が図られるようにしてまいります。
 処遇の充実につきましては、子供たちがより家庭的な環境で生活しながら職員との信頼関係を築いていくことが大切なため、居室の個室化を進め治療や生活指導を小規模で行う体制を整えることにより、子供たちの心の安定が図られ治療効果がより高まるようにしてまいります。またこれら強化充実した機能を活用して他の児童養護施設に入所している被虐待児童等の支援や吉原林間学園を退所した子供のアフターケアを行うほか、市町の福祉担当や児童相談所職員の資質向上を図るための専門研修にも取り組むこととしております。
 県といたしましては、吉原林間学園における体制や機能の強化に取り組み虐待を受けた子供たちや精神的な症状を抱えた子供たちへの治療や支援体制の一層の充実を図り、吉原林間学園を全国に誇れる情緒障害児短期治療施設としてまいります。以上であります。
○議長(吉川雄二君) 野田治久君。
       (六番 野田治久君登壇)
○六番(野田治久君) 御答弁ありがとうございました。時間もあまりありませんので、要望を三点させていただきます。
 まず、デスティネーションキャンペーンに対する取り組みであります。既に伊豆の十三市町の首長の合意を得ております。どんどん進めていただくために今が私は正念場だと思っております。デスティネーションキャンペーンの大きな効果というのはざっくり三つあると思っております。一つは経済への波及効果、二つ目は地域のPR効果、そして三つ目が人の意識改革だと思っています。私はこの三点目が一番大事だと思っておりまして、伊豆の住民一人一人が今の自分の足元をもう一回見直して、その前と後ろ、右と左、しっかり見きわめて、自分たちは今まで何をしてきたのか、これから何をしなければいけないのか、みんなで何をすべきなのか。そういった意識改革をすることが一番大切なことであると思っております。
 伊豆が一つになる第一歩を踏み出すためのデスティネーションキャンペーンは起爆剤に必ずなると思っております。県の積極的な取り組みをぜひともお願いをいたします。
 次に、伊豆地域の鹿捕獲対策であります。いろいろお話、御答弁いただきましたように、私も質問しましたように、今、鹿がどんどんどんどん人里に近づいております。そして鹿は大変に頭のいい動物のようでありまして人間は怖くない、人間の住んでいる近くにはおいしい餌がたくさんある、人間の住んでいる近くは安全であると。恐らくこういったことを学習していると思われます。ですから電気柵のような防御策をこれからどんどん広げても鹿がどんどんこれから人間の社会の中に侵入してくる可能性が大いにあります。そうなりますとますます銃やわなによる捕獲は難しくなってくるのではないかと思っております。ただいまの答弁で今いろいろな対策について研究がされているということでございましたが、大変に苦労している現場の実情や、やはり現場の声を十分に理解して尊重していただきまして、静岡県の対策が全国に先駆けるような、静岡県ここまでやるかと言われるような対策にぜひ取り組んでいただきたいと思っております。よろしくお願いします。
 最後に、吉原林間学園の改築整備についてであります。今後専門の医師による治療が始まると伺いました。これは入所児童の家族や学園の職員の皆さん、関係者の皆さんにとって大変に待ち望まれたことであると思っております。大変に期待が寄せられていると思います。さらに外来診療までやってくれないかというような声まであるそうでございますが、そこまではともかくといたしまして、今後吉原林間学園の新しい医療機能を十分に活用しまして、可能であれば入所児童以外の児童への支援や周辺地域への貢献をしていただけるように要望をしたいと思います。以上で私の質問を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)

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