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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 啓嗣 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/26/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
(1)本県の魅力を生かした新たな人の流れの創出
(2)県の組織文化の改善に向けた取組
(3)今後の財政運営
2 子どもを守る安全対策の強化について
3 不適切な盛土に対する今後の対応について
4 静岡県盛土等の規制に関する条例の課題と盛土規制法の施行を見据えた対応について
5 函南太陽光発電事業計画における林地開発行為に対する許可について
6 地震・津波対策アクションプログラム2013の取組について
7 県内水産業の持続的な発展に向けた対策について
8 環浜名湖地域のにぎわい創出について
(1)浜名湖キューバヘミングウェイカップの今後の展望
(2)浜名湖花博20周年記念事業の開催
9 インバウンド需要の回復に向けた取組について
10 遠州灘海浜公園(篠原地区)の整備について
11 障害のある方の就労支援について
(1)障害者雇用を始められる方への支援
(2)企業における職場環境向上
12 登校できない高校生への支援について
(1)入院治療により登校できない高校生への支援
(2)学校外で学ぶ高校生への支援
13 警察本部長着任における所信について


○議長(藪田宏行君) 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十二番 鈴木啓嗣君。
       (十二番 鈴木啓嗣君登壇 拍手)
○十二番(鈴木啓嗣君) 皆様おはようございます。
 質問に先立ちまして一言申し上げます。
 先週静岡県に接近いたしました台風十五号の影響で県内では二十三日の夜から猛烈な雨が降り続き平年の九月一か月分を超える記録的な大雨となりました。この台風によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 この猛烈な雨は県内各所で浸水、土砂崩れ、橋の流出、停電、断水など大きな被害をもたらし激甚化する自然災害への対策強化の重要性を改めて示すものとなっております。そして被災された多くの方々からは悲痛な声が上がっており、県としても地元自治体と連携した自衛隊への出動要請や被災現場の実態に即した迅速な対応が求められていると強く感じております。
 それでは私、鈴木啓嗣は自民改革会議を代表し通告に従い当面する県政の諸課題について知事、副知事、関係部局長、教育長並びに警察本部長に一括質問方式で質問をいたします。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、本県の魅力を生かした新たな人の流れの創出について伺います。
 コロナ禍により人々の暮らし方や働き方が変化をしています。東京ではオフィスに出勤するという働き方から地方に住みテレワークを行うといった働き方が急速に浸透しています。
 先月総務省が公表した住民基本台帳に基づく人口動態調査結果によれば、令和三年における東京都の社会増減は一万七千九百二人の転出超過でありました。コロナ禍以降東京都の転入超過数は減少傾向にありましたが、遂に転出超過に転じ人の流れが大きく変化しています。これまで遅々として進まなかった東京圏の人口の過度な集中を是正し地方に人材を呼び込む大きなチャンスが到来しています。
 一方で、こうした地方回帰の動きはこれまでの東京圏と地方という構図に加え地方同士で限られた人材を取り合う競争の幕開けと言えます。総務省の調査では本県の令和四年一月現在の人口は前年から二万七千九百六十人減少し人口減少が加速をしています。企業の人手不足や地域コミュニティの衰退など人口減少に伴う影響が大きくなりつつある中、東京離れが進むこの機を捉え東京圏の人材を呼び込むことは本県の活性化を図る上で重要な取組です。
 地方同士の競争に勝ち抜き本県に東京圏の人材を呼び込むためには、一歩でも他地域に先んじて手を打ち本県の魅力を東京圏の人材に伝えることができるかにかかっています。そのためには県のビジョンを明確に示し戦略的に取り組んでいくことが重要です。
 そこで、大きな変革の時代を迎える今、東京圏から人の流れを呼び込むためどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお伺いいたします。
 次に、県の組織文化の改善に向けた取組について伺います。
 逢初川土石流災害の発生から一年二か月が経過しました。同様の災害を二度と発生させないため我々はこの教訓を生かしていかねばなりません。
 今回の災害における行政側の対応を検証する逢初川土石流災害に係る行政対応検証委員会の報告書において失敗であったと総括された行政対応について、県は現場の危険性を適切に認識すること、危険性を除去、軽減するため組織的に対応することの二点に問題があったとしています。この問題の根底には他の部局の所管法令に関わることには口を出すことを控えるという県の組織文化に根本的な原因があるのではないかと感じています。
 県は、検証委員会の最終報告を受け取りまとめた県の見解・対応において、県職員一人一人が所管する法令の射程を尊重しつつも県民の生命財産等を守り抜くという観点から行政として取るべき措置に射程を広げる意識を持ち、その上でそれを判断の基底に置き最悪の事態の想定も視野に入れた個々人と組織の対応力の強化を図っていくことが重要であり、二度と今回のような災害が発生しないよう職員と組織の意識改革と行動変容を進めるとしています。
 一方で、これまで幾度となく縦割り行政の打破、風通しの良い組織の実現を目指して取組を続けてきた中で今回の人災とも言える土砂災害が発生したことを踏まえれば、根深い県の組織文化を抜本的に変えることは相当困難だと言わざるを得ません。職員と組織の意識改革と行動変容を進め県の組織文化の改善を図るためには、組織のトップである知事の強力なリーダーシップが必要不可欠であります。
 そこで、知事は県の組織文化の改善に向けどのようなリーダーシップを取り具体的にどのような取組を進めるのかお伺いいたします。
 次に、今後の財政運営について伺います。
 県は前総合計画において、健全な財政運営の堅持と最適かつ効果的な事業執行を目標に当該年度の歳出をその年の歳入で賄う、いわゆる収支均衡や通常債残高の上限を成果指標として定め財政運営に取り組んできました。このうち収支均衡は令和三年度決算において財政調整用基金による財源不足額の補をゼロにするべく取り組んできたものの、結果的には四十億円の財源不足が残り収支均衡の目標は達成できずに終わりました。コロナ禍の影響による県税収入の落ち込み等計画当初には想定し得ない事項はあったものの健全財政の堅持に向けた取組は道半ばであります。
 今年三月に公表された後期アクションプランにおいても令和七年度までの収支均衡の目標が改めて掲げられました。いわば収支均衡の実現時期が四年間先送りをされた形です。同じ時期に公表された今後の財政運営方針において令和七年度までの財政収支試算が示されました。これによれば令和七年度の時点で収支均衡の目標が達成できる見込みとなっております。
 一方で、新型コロナウイルス感染症対策や物価高騰対策などの喫緊の課題への対応をはじめ、社会保障経費の増加、人口減少、激甚化する自然災害への対応など歳出の増加は避けられそうにない中で本県の財政運営は今後厳しさを増すことが想定されます。このような状況の中、令和七年度の時点で本当に収支均衡が達成され本県の健全財政を取り戻すことができるのか不安視をしております。
 一方で、社会情勢は目まぐるしく変化しており県では様々な施策をスピード感をもって打ち出す必要があり、そのベースとなる健全財政の堅持は重要性を増しています。
 そこで改めて、今後の中長期的な財政運営についてどのような方針で臨み健全財政を取り戻していくのか、知事の考えをお伺いいたします。
 次に、子供を守る安全対策の強化について伺います。
 今月五日県内の認定こども園において幼い園児が送迎バスの車内に取り残され熱射病で亡くなるという大変痛ましい事件が起きてしまいました。亡くなられたお子様の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げます。
 この事件、バスの車内には空になった水筒が残されていたと報道されており、私も子供を持つ親として大変やり切れない思いを持つと同時に防ぐことはできなかったのかとの思いを強くしております。
 僅か一年前福岡県の保育園において今回の事件と同様の事件が発生したことを受け、厚生労働省は昨年八月に通園バスにおける安全管理を徹底するよう通知しました。この通知を受けて県では危機管理マニュアルの改定について園等に働きかけを行ったと承知しております。
 しかし報道によると、昨年十一月に今回事故が起こった認定こども園を定期監査した際には厚労省の通知を県の定期監査の項目に反映しておらず、マニュアルの確認が行われていなかったことや今回の事件がヒューマンエラーが重なった結果であったことなどが明らかになってきています。結果としてこの通知の内容が守られず教訓が生かされなかったのが大変残念です。
 県は現在園に対する特別指導監査を行っていますが、徹底した原因究明を行い運営における問題点を明らかにするとともに再発防止のため県として何をすべきであったかについても明らかにする必要があると考えます。たとえどんなにすばらしいマニュアルがあってもそれを運用するのは人です。ヒューマンエラーを回避し子供の安全を確保していくことの重要性を肝に銘じ県や市町、事業者を挙げて安全対策の強化に取り組んでいくことが必要です。
 そこで、今回の事件を教訓に今後二度と同じような事件を起こさないため子供を守るための安全対策についてどのように取り組んでいくのか、県の見解を伺います。
 次に、不適切な盛土に対する今後の対応について伺います。
 昨年七月に発生した熱海市伊豆山地区における土石流災害を契機に全国一斉に盛土総点検が実施をされました。本年三月に公表された総点検の結果とその後の市町からの報告等によれば、本県における不備、不具合のある不適切な盛土は百九十六か所に上ることが明らかになりました。このうち熱海市逢初川源頭部の不安定土砂や島田市福用の採石場跡地については、県は緊急措置が必要と判断し行政代執行で対策を講じる旨を表明したところです。土石流災害を二度と発生させないという強い決意を持ち、不適切な盛土を行う者に対し断固たる対応を行うという県の姿勢の現れであり、率直に評価するものであります。
 その一方、これら以外にも県内には多くの不適切な盛土が残っており、その近隣に住む皆様は日々の暮らしに不安を抱えながら生活されています。こうした状況から県民の皆様の安全と安心を守るため不適切な盛土の安全確保対策を着実に進めていくことが必要です。全ての不適切な盛土に対して対策を講じることは莫大な費用と歳月を要することが想定され、計画的に対策を講じていかなければ緊急性の高い盛土への対策が遅れることになりかねません。
 そこで、不適切な盛土に対して今後どのような対応をしていくのか、県の所見を伺います。
 次に、静岡県盛土等の規制に関する条例の課題と盛土規制法の施行を見据えた対応について伺います。
 熱海市伊豆山地区の土砂災害を受け、静岡県盛土等の規制に関する条例  盛土条例が七月一日から施行されました。我が会派としても同様の災害を二度と繰り返さないという強い意志を持って悪質な事業者による危険な盛土行為をさせないための規制強化は不可欠であると考えています。
 一方で、周知期間が短かったため条例の施行までに条例に対する県民の理解が十分に得られず、その結果不安を感じた関係団体などから多くの不満が出てきております。一部の団体からは条例の内容が厳しく本県の経済活動に影響を及ぼすおそれがあるといった意見や、許可申請書類を県庁の盛土対策課のみで受け付けていることについて県民サービスの低下であるといった声が寄せられています。また現在県内に設置されている民間残土処理施設の地域的偏在性や公共残土処理施設の不足等盛土条例の課題が浮かび上がってきております。
 一方で、宅地造成及び特定盛土等規制法いわゆる盛土規制法が五月二十日に可決成立し来年五月までに施行されます。法の施行に当たっては盛土条例との適用範囲のすみ分けなど整合を図る必要があると考えます。
 さらに、盛土規制法では規制区域を指定しその区域内で行う盛土等を規制の対象とすることになっており、この区域指定の業務が新たに加わることとなり法施行後の許可審査体制の構築などその業務量は膨大となることが見込まれ体制の強化についても検討が必要です。
 そこで、盛土条例の課題を踏まえた対応と盛土規制法の施行を見据え今後どのように取り組んでいくのか、県の考えを伺います。
 次に、函南太陽光発電事業計画における林地開発行為に対する許可について伺います。
 函南町軽井沢地区における大規模太陽光発電所の建設に伴う県の林地開発許可の検証を求める請願が六月定例会において全会一致で採択されました。我が会派では請願に先立ち一連の行政対応を検証するプロジェクトチームを設置しこの問題について独自に検証を行ってきたところであり、町民の皆様の不安解消に向け全力でこの問題に向き合っております。
 森林法に基づく林地開発許可については、災害の防止、水害の防止、水の確保、環境の保全という四要件を満たすことが求められており、県は全てについて問題ないとの判断を示しています。一方で六月定例会における産業委員会での質疑において当局から、許可の際に必要とされる河川管理者との調整について事業者による県管理河川の調査が十分されなかったとの答弁がありました。これは林地開発許可を行う上での要件が満たされているかが明確でないにもかかわらず県が許可したということであり大きな問題であると考えます。
 知事は七月の定例記者会見において、林地開発について要件を満たしていれば許可せざるを得ないと述べられていますが、河川管理者との調整が十分なされておらずそもそも要件を満たしているかが不明確な中で許可をしたことは県の行政手続上暇疵があったと言わざるを得ず、その手続自体が問題ではないでしょうか。
 そこで、改めて函南太陽光発電事業計画における林地開発行為について許可するべきではなかったにもかかわらず許可したことについてどのように考えているのか、また河川管理者との調整が未了であるという事実を踏まえ今後どのように対応していくのか、県の見解を伺います。
 次に、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の取組について伺います。
 発生が危惧されている南海トラフ巨大地震に対して、県では平成二十五年度に想定される犠牲者の八割減少を目標とする地震・津波対策アクションプログラム二〇一三を策定しハード対策とソフト対策を組み合わせた地震・津波対策に取り組んでいます。
 私の地元である浜松市においても津波避難タワーの整備や公共施設の耐震化をはじめ念願の防潮堤整備が進み地震・津波に対する安全度は大きく向上したと実感しています。特に令和二年三月に完成した浜松市沿岸防潮堤はレベルツーと言われるあらゆる可能性を考慮した最大クラスの津波に対しても効果を発揮する防潮堤として住民に大きな安心感を与えております。
 一方で、施設整備が進んだことによる住民個々の備えや避難に対する気の緩み、東日本大震災から十年以上が経過したことによる巨大地震そのものへの警戒心の低下、さらにはコロナ禍でここ数年住民が参加する防災訓練等も中止や縮小に追い込まれた現状を踏まえると、個々の防災力はむしろ低下しているのではないかと不安を感じています。
 そこで、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の最終年度を迎え減災目標の達成に向けどのような取組を進めているのか、また来年度以降の地震・津波対策についてどのような方向性で取り組んでいくのか伺います。
 次に、県内水産業の持続的な発展に向けた対策について伺います。
 本県の漁業生産量及び水産加工品生産量は全国有数の規模ではありますが、近年は水産資源の減少や魚価の低迷、担い手の減少など多くの課題を抱え生産額も大きく減少をしております。このような困難な状況に県内の水産関係者が一体となって立ち向かい本県水産業の発展を期するために、平成三十一年三月に水産振興条例が制定されました。この中で県は国や市町、水産関係者と連携を図りながら施策を策定、実施することが責務とされています。
 一方で、条例の策定後、長期化するコロナ禍やウクライナ情勢の影響を受け燃料、飼料の価格高騰や消費の減退など水産業を取り巻く状況はさらに厳しさを増しています。また個々の水産関係者のみならず漁業者を支える漁業協同組合の経営も大変厳しい状況となっており、老朽化した共同利用施設の維持保全も十分に行うことができないのが実態であります。このような中、県内の水産関係者が将来に希望を持って事業を継続できるよう有効な施策を打ち出していくことが重要であります。
 そこで、水産振興条例の制定以降三年間にわたる施策の取組状況とその成果を踏まえ県内水産業の持続的な発展に向けて今後どのような対策を行っていくのか、県の所見を伺います。
 次に、環浜名湖地域のにぎわい創出についてのうち、浜名湖キューバヘミングウェイカップの今後の展望について伺います。
 世界的に有名なカジキ釣り大会であるキューバヘミングウェイカップの名称使用をキューバ本国以外で初めて認められました第一回浜名湖キューバヘミングウェイカップが、コロナ禍による二年の延期を経て今年七月十六、十七日の二日間浜名湖周辺で開催されました。また城内実衆議院議員をはじめとする日本キューバ友好議員連盟や外務省に力添えを頂きキューバ政府に働きかけた結果、この名称を継続して使用することについて了解を頂いたとお聞きしています。大会には駐日キューバ大使もお越しになりカジキ釣り競技のほかキューバとの文化交流、親子釣り体験教室、ビーチ・マリンスポーツ紹介、地産地消メニューの提供など多彩な催しが行われました。そして浜松土木事務所や民間企業等で構成する実行委員会による浜名湖ミナトリングなども同時開催をされ、天候不順やコロナ再拡大の兆しもある難しい時期ではありましたが二日間で約六千人のお客様が来場され大盛況でありました。
 ヘミングウェイカップの名称は世界にアピールできるブランドでありますことから、このイベントが浜名湖の新たな発信点として定着し環浜名湖地域のにぎわいづくりにつながることを大いに期待しています。
 県は浜松市、湖西市とともにこのイベントの実行委員会に参画していますが、浜名湖キューバヘミングウェイカップの今後の展望として今後の課題とそして県としてどのように対応していくのかお伺いをいたします。
 次に、浜名湖花博二十周年記念事業の開催について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の拡大により浜名湖エリアをはじめとする浜松、遠州地域の観光関連事業者等は危機的な状況にあります。このような中先般開催されました実行委員会において二〇二四年に花博二十周年記念事業が浜名湖ガーデンパーク、はままつフラワーパーク及び湖西市を中心とした浜名湖周辺を会場として開催されることが決定をいたしました。地元にとって久々となる大変明るい話題であり産業界からも大きな期待が寄せられています。本事業により本県の花卉産業の振興や交流人口の増大等地域経済の活性化にもつながるものと考えます。開催に当たっては課題も想定されますがすばらしい事業となることを期待しております。
 そこで、希望を込めて三点伺います。
 一点目は、本県の花卉産業の振興への方策についてです。全国第四位の産出額を誇る本県の花卉産業の振興のため本事業を活用しどのような取組を進めていくのか伺います。
 二点目は、地域活性化についてです。本事業実施に当たっては大きな期待を寄せています。コロナ禍による閉塞感を打破し地元の企業や観光関係者の参画等地域の活性化、交流人口の増大につながるよう方策を検討すべきであります。そこで具体的にどのような取組を検討しているのか、開催に関する課題を含め伺います。
 三点目は、浜名湖ガーデンパークの会場整備についてです。本事業の来場者が安全・安心にイベントを楽しむため浜名湖ガーデンパークの会場整備が必要と考えますが会場整備に関する今後の取組について伺います。
 次に、インバウンド需要の回復に向けた取組について伺います。
 本県の外国人宿泊客数はコロナ禍前の令和元年には約二百四十九万人でありましたが令和三年には約九万人にまで減少しており、特にインバウンド需要への依存度が高かった宿泊事業者は大きな打撃を受けています。コロナ禍からの一刻も早い脱却が待たれますが、コロナの感染が拡大と収束を繰り返す中で社会経済活動は徐々に活発化しており、外国人観光客の受入れにおいては国が六月に添乗員付きパッケージツアーに限定して入国手続を再開し今月さらに緩和されたところであります。今後インバウンドの本格的な再開に向けた誘客活動は地域間の競争が想定されますが、他県に後れを取ることがないよう県はしっかりと施策を展開していかねばなりません。
 さらに、海外からの空の玄関口となる空港は国際線の受入れが羽田空港や成田空港など規模の大きい国管理空港に限定されていることから、富士山静岡空港における国際線の早期受入れ再開に向け国への働きかけに加え航空会社との交渉や就航先での魅力発信等の取組により海外から静岡県への旅行客の流れを取り戻すことが急務であります。また本県を訪れた外国人観光客には県内をより長く周遊、滞在していただき、より多くの消費につなげられるよう対策を講じる必要があります。
 そこで、インバウンド需要の本格的な回復に向け県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、遠州灘海浜公園篠原地区の整備について伺います。
 遠州灘海浜公園篠原地区の整備につきましては今年度中に公園基本計画を策定すると聞いており、地元では大変期待をしているところであります。この公園が将来にわたり県民の皆様に愛され利用される施設となり、結果として地域振興につながれば周辺地域にとっても大変喜ばしいことです。
 この公園につきましてはメイン施設となる野球場がクローズアップされがちですが、元来は県西部のスポーツの拠点整備が目的であります。公園全体をスポーツ利用を中心とする県民皆様の憩いの場、レクリエーションの場、そして地域活性化に資する施設としていくためには公園全体のコンセプトを十分に検証することが重要だと考えます。
 公園全体のコンセプトとしては、例えば静岡県野球協議会は今月九日の要望で少年少女から高齢者まで幅広い層の人たちが野球を楽しむことができるベースボールパークの整備を要望しています。六月定例会では我が会派の市川議員の代表質問に、秋頃までに建設費や維持管理費、経済波及効果等の算出とアカウミガメなど周辺環境への影響予測調査を実施するとの答弁がありました。その後約三か月が経過をし、この間検討や調査も進んだものと考えます。
 そこで、遠州灘海浜公園篠原地区の整備に向けた検討や調査の状況及び基本計画策定に向けた今後の見通しについて伺います。
 次に、障害のある方の就労支援についてのうち、障害者雇用を始められる方への支援について伺います。
 障害者基本法において、全ての国民は障害の有無によって分け隔てられることなくかけがえのない個人として尊重されるものであり、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会実現のためには職業を通じた社会参加が重要であるとされています。これを受けて障害者雇用促進法では、障害のある方は経済、社会を構成する労働者の一員として職業生活においてその能力を発揮する機会を与えられるものとされ、常時雇用する従業員が四三・五人以上の事業主に対して障害のある方の雇用を義務づけています。このため国や県において障害のある方の社会参加に向けた施策が進められてきたところであり、一般就労は以前に比べ進んできています。
 そのような中、先日地元の農家の方が障害のある方の雇用に乗り出したものの障害のある方を初めて雇用するに当たり相談先や支援について分かりにくく、事業の立ち上げまでに長い時間を要しているとのお話を伺いました。こうした意欲的な取組、これは県の施策を補完するものとして大変有意義であり、このような小規模事業者による障害者雇用を大切にすることが誰一人取り残さない真の共生社会の実現につながると考えます。
 そこで、新たに障害のある方の雇用を始めようとされる方への支援について県としてどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、企業における職場環境向上について伺います。
 障害者雇用促進法に基づく法定雇用率の引上げと義務化により大企業を中心に障害者雇用率が高まり、本県の民間企業における障害者の実雇用率は九年連続過去最高を更新し昨年六月には二・二八%になったと承知しています。しかしながら法定雇用率の二・三%には届いておらず引き続き目標値の達成に向け継続的な支援が必要です。
 一方で、目標の達成を目指すことは大切ですが誰もが人格と個性を尊重する真の共生社会実現のためには、障害のある方が仕事にやりがいを持ち社会への貢献を実感できるような働く場の確保や質の向上も欠くことはできません。平成三十年に法定雇用率の算定基礎に精神障害のある方が含まれてから就労の現場では職務内容のミスマッチがあるなど新たな課題も増えており、企業の中には多様化する障害の特性に応じた業務の選定等職場環境づくりに苦慮しているところもあるとの話も伺っています。障害のある方の就労が少しずつ進んできた今、職場環境や業務内容等について企業のレベルアップを図る時期がきていると感じています。
 そこで、企業における障害のある方の職場環境の向上に向けてどのように支援していくのか県の取組について伺います。
 次に、登校できない高校生への支援についてのうち、入院治療により登校できない高校生への支援について伺います。
 高校に通う生徒の中には学校に行きたくても行けない、登校できない生徒がいます。その理由は病気やけがにより入院治療を受けなければならず登校できなかったり、いじめや家庭環境等が原因で不登校となってしまうケースなど様々であります。このうち入院治療により登校できない生徒への支援については、昨年六月定例会における私の一般質問に対して、希望する生徒を対象として病院の協力を得ながら遠隔授業を実施し今年度から単位認定が可能となるよう準備しているとの答弁がありました。
 そして先般、私も関係する病院と県教育委員会との協議会に出席をいたしました。その際長期入院を余儀なくされ学業の遅れや進級に心配を抱える生徒たちの不安を解消するためメディアを活用した遠隔授業による取組が進められていると伺い、大変期待をしているところであります。今後はこうした取組が広く周知され、病気療養を余儀なくされる生徒やその保護者が入院等による長期療養時の学びの継続に対して不安を抱くことなく治療に専念できる体制を構築していくことが重要であると考えます。
 そこで、入院治療により登校できない生徒への支援体制の構築とその周知に向けて県はどのように取組を進めていくのか伺います。
 次に、学校外で学ぶ高校生への支援について伺います。
 高校の学校現場では義務教育とは違い卒業には単位認定が必要であり、不登校となってしまった場合出席日数の不足による留年や進路変更を余儀なくされ退学や転学につながることにもなってしまいます。一方で遠隔授業による単位認定においては、文部科学省の通知により病院等で病気療養中の生徒に限定されており不登校生徒の全てが対象となるわけではありません。
 このため、いじめなどのトラブルやいわゆるヤングケアラー等の家庭環境の問題など様々な事情により学校で学ぶことができなくなってしまう高校生に寄り添った対応が各学校に求められます。学びの環境はコロナ禍により急速にICT環境が整備され学習環境が変化してきております。こうしたツールも最大限活用し登校できない生徒とのつながりを絶つことなく高校の学びの継続を支援していくことは、誰一人取り残さない教育の実現に向けても重要であると考えます。
 そこで、学校外で学ぶ生徒の学びの継続に向けた支援の取組について県の考えを伺います。
 次に、警察本部長着任における所信について伺います。
 大原本部長におかれましては、今月十三日付で警察大学校国際警察センター所長兼警察庁長官官房審議官から本県の警察本部長へ着任されました。これまでに薬物銃器対策といった事件関係部門やインドネシア国家警察への派遣など多彩な御経験をお持ちになり、また富山県では警察本部長として御活躍されたと伺っております。これまで培われた知見を生かしその手腕を存分に振るっていただきたいと思っております。
 一方、本県の治安情勢に目を向けますと刑法犯認知件数は平成十五年以降連続して減少しているものの、高齢者が被害に遭うことの多い特殊詐欺は被害額、件数ともに残念ながら増加傾向にあります。交通事故についても昨年交通事故死者数は過去最少を更新し本年も減少傾向は続いていますが、子供が被害に遭う事故なども発生しており悲惨な交通事故を一件でも減らすための取組がまだまだ必要です。
 このほか、デジタル化の進展に伴い重要度が増しているサイバー犯罪対策、南海トラフ地震や多発・激甚化する風水害などの災害対策、警察組織のDX化等県警察に求められる対応は多岐にわたっており取り組むべき課題は山積しています。
 急激に変化する社会情勢の中、本県警察の総指揮官として県民が安全・安心を実感できる治安の確保に向け今後どのように県警察を運営していくのか、大原本部長の所信を伺います。以上について、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 答弁に先立ちまして、一言申し上げます。
 九月二十三日から二十四日にかけて本県では台風十五号による記録的な大雨に襲われました。二名の貴い人命が失われたほか行方不明の方が一名、けがをされた方三名、床上・床下浸水などの家屋被害が四千百戸を上回り、断水も五万戸を超えるなど大きな被害となっており現在も被害状況の確認や復旧作業が続いております。犠牲となられました方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。また被災されました多くの皆様に対しまして衷心よりお見舞いを申し上げます。
 県といたしまして被災地への対応について、先ほどこの議会が始まる直前十時二十五分、自衛隊に派遣要請をいたしまして水野連隊長より御了解を得ました。自衛隊、各市町、関係機関と連携し道路や水道などのライフラインの迅速な復旧を図るとともに、被災された方々の生活、生業の再建に全力で取り組んでまいります。
 鈴木啓嗣議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、本県の魅力を生かした新たな人の流れの創出についてであります。
 コロナ禍で暮らし方や働き方が大きく変化し人々の東京離れが進み地方回帰の動きが加速しております。県ではこうした動きを人を呼び込む好機と捉えており、国内外の多くの方々から選ばれる地域となるよう魅力あふれる地域を創生することが重要であると考えております。
 これまで県では、誰もが幸せを実感できる地域の実現を目指し、自然、安全・安心、子育て、産業、教育など広い分野で本県の魅力の向上を図る先駆的取組を積極的に展開してまいりました。具体的には富士山の世界遺産登録、南アルプスのユネスコエコパーク登録、伊豆半島のユネスコジオパーク認定等々本県の豊かな自然を世界レベルへと引き上げてまいりました。これらを含む世界クラスの資源、人材群が毎年増加し現在百二十八件を数えております。
 また、地域住民や沿岸市町と共に築く静岡モデル防潮堤の着実な整備やこども医療費助成の高校生世代までの拡大など安心して子育てができる環境整備、本県経済を牽引するリーディング産業の育成のほか、子供の学習・教育環境を充実させる静岡式三十五人以下学級編制の導入、スポーツの聖地づくりなどにも取り組んでまいりました。
 こうした本県の魅力や取組を静岡まるごと移住フェアをはじめとした首都圏で開催する相談会やセミナーにおいて積極的に発信するなど新たな人の流れの創出に取り組んだ結果、本県は移住希望地ランキングにおいて二年連続第一位となりました。また令和三年度には、行政の支援により本県へ移住した方は二十代から四十代の子育て世代を中心に過去最高の一千八百六十八人を記録しました。今後も若者に魅力ある雇用の創出や子育てと両立できる働き方の導入などこれまでの取組を強化することに加え、コロナ禍による人々の働き方や暮らし方の変化に対応した施策を重点的に展開してまいります。
 東京圏のテレワーカー層への情報発信や首都圏企業へのサテライトオフィス誘致の強化を図るとともに、ふじのくに空き家バンクを活用した広い家への住み替えや農業に親しめる暮らしなど自然と調和したゆとりある暮らし空間の創出に取り組み本県への人の流れをさらに拡大してまいります。
 県といたしましては、コロナ禍による時代の転換点を大きな変革のチャンスと捉え地方回帰のフロントランナーとして人々から選ばれ、魅力あふれる富国有徳の美しいふじのくにづくりに全力で取り組んでまいります。
 次に、県の組織文化の改善に向けた取組についてであります。
 逢初川土石流災害に係る行政対応につきましては、逢初川源頭部における盛土について県が所管する法令の規制が及ぶ範囲外の行為であり基本的に熱海市が所管する法令に基づき対処すべき問題としたため、県の行政権限の範囲外と捉え県は問題解決に積極的に関与していこうとする姿勢が不十分でありました。このことから県職員一人一人が所管する法令の範囲を尊重しつつも、県民の生命財産等を守り抜くという観点から行政として取るべき措置に考えを広げるという意識を持って、その上でそれを判断の基底に置いて最悪の事態の想定も視野に入れた個々人と組織の対応力の強化を図っていくことが重要です。
 県の組織文化の改善に向けましては、私自ら先頭に立ち今回の土石流災害の教訓から県に何が求められているかを明確に示すことがまず必要であると考えます。そして県庁全体が一丸となり職員の意識改革や行動変容を進めることが必要です。
 具体的には、私から幹部職員の各位に対しまして次の四点を意識して業務に当たるように指示したところであります。
 第一に、自分の目で現場で何が起きているかを把握すること、現場主義の徹底であります。
 第二に、上司への迅速な情報伝達を徹底すること、情報の共有であります。
 第三に、県民の命、財産に重大な影響を及ぼす事案にはちゅうちょなく必要な措置を取る姿勢で関係部局や市町等と連携すること、連携であります。
 第四に、強力なリーダーシップを発揮し組織としての対応力の強化を図ること、この四点であります。
 職員の意識改革や行動変容の促進に向けましては、その端緒として管理監督者に期待される役割や一般職員に必要な心構え等を改めて徹底するため、全職員を対象に上司が自らの言葉で部下に伝えるリレー方式の研修を実施したところであります。また今年四月には経営管理部法務課に法令による命令や代執行等が必要な困難事案への適正かつ速やかな対応を支援する困難事案支援チームを立ち上げました。部局を横断して担当職員等に助言や指導等を行っており、着実に改善につながっていると認識しております。
 今後も新規採用職員から管理監督職員までの階層別及び土木職、林業職等の職種別の職員研修や日常における業務をはじめ、あらゆる機会を通じ今回の土石流災害を教訓とする意識改革と行動変容の促進を図るなど不断の努力を続けてまいります。また県の行政対応への御指摘等を真摯に受け止めまして適切に対応いたします。こうした取組の積み重ねにより災害のみならず県民の皆様の命、財産等に影響を及ぼす課題に対し関係部局や市町と連携の下、適時適切な対応をすることのできる静岡県行政となるよう努力してまいります。
 次に、今後の財政運営についてであります。
 感染症の拡大や気候変動問題の深刻化、デジタル技術の進展など社会経済の急速な変化に対応しつつ誰もが安心して豊かに暮らせる社会を実現するためには、必要な政策への重点的な財源の投入と中長期的に持続可能な財政基盤の構築が不可欠です。
 直面する県政の課題には適時、的確に対応しなくてはなりません。長期化する新型コロナウイルス感染症や県民生活に幅広い影響を与える物価高騰、激甚化する自然災害などの喫緊の課題に加え、脱炭素・循環型社会の構築の加速化、デジタルの力を活用した魅力ある地域づくり、いわゆるデジタルガーデンシティなど選択と集中を徹底し積極的に財源を投入してまいります。
 一方、新たな財政需要に対応しつつ将来にわたって安定的に行政サービスを提供していくためには、中長期的に持続可能な財政基盤を構築する必要があります。このため歳出と歳入の見直しに徹底的に取り組んでまいります。
 また、歳出につきましては常に現場に立脚した政策を推進する視点を持ってビルド・アンド・スクラップ、いわゆる創造的破壊の精神で聖域を設けることなく徹底した事業見直しを進めてまいります。
 歳入につきましては、根幹となる税収を確保するため地域主導型の経済政策フジノミクスの展開やリーディング産業の育成などに重点的に取り組み本県経済の力強い成長を促してまいります。また県有施設へのネーミングライツの導入や寄附金の確保、グリーンボンドの発行による資金調達基盤の強化など民間の活力を生かした財源の確保にも取り組んでまいります。
 加えて、国の地方財政対策により地方の一般財源総額が実質的に据え置かれている状況は地方財政における構造的な課題です。国に対して国、地方を通じた中長期的に安定的な税財政の枠組みの構築や一般財源総額の確保などを強く動きかけてまいります。
 こうした取組を通じまして、後期アクションプランの最終年度となる令和七年度に向けて本県が目標とする収支均衡の財政運営を確実に実現し、将来にわたって富国有徳の美しいふじのくにづくりを支える健全財政を堅持してまいります。
 次に、子供を守る安全対策の強化についてであります。
 このたび牧之原市の認定こども園の送迎バス内において幼く貴い命が失われました。御遺族の深い悲しみを考えますといたたまれない気持ちになります。心より御冥福をお祈りいたします。
 私は今回の事故を重大な事案と受け止めておりまして、二度とこのような悲惨な出来事が起こることのないよう原因の究明と再発防止に真摯に取り組んでまいります。
 これまで県では、昨年の福岡県での同様の事案を踏まえた国の安全管理の徹底に係る通知を受け同年八月に市町を通じて各保育所、認定こども園等に対して周知を行ってまいりました。当該こども園に対しましては、昨年十一月に実施した定期監査時に送迎バスの運行に関する本通知について改めて注意喚起を行ってまいりました。本年度の監査項目に送迎バスの安全管理に関する項目を加え指導を強化したものの、当該こども園の定期監査実施前にこのような事故が発生したことは大変残念であります。今回の事故発生後、県では保育施設等に対し市町を通じて直ちに安全管理の徹底などを再度求めたところであります。
 牧之原市の当該こども園に対しましては、今月九日に牧之原市と共に特別指導監査を開始いたしました。今回の事故の発生原因と思われる登園時の園児の出欠確認の方法、バス乗降時での人数確認の有無、バス内の安全管理など保育の場面ごとの園児の状況確認や関係者間の情報共有について実施の状況を確認するため聞き取りや書類による裏づけ調査を行っているところであります。
 また、政令市とも連携し県内の保育所、認定こども園、幼稚園、さらには特別支援学校など送迎バスを運行している保育施設等二百三十二施設を対象に国の通知で示す安全管理事項に基づいた状況調査を書面により行いました。この調査では、保育の場面の切り替わり時における園児の人数確認の方法や職員間のダブルチェック体制の有無について各施設での状況を改めて確認したところであります。この調査を基にして送迎バスを運行する全ての保育施設等に明日二十七日から現場への立入調査を行い安全管理マニュアルへの送迎バス運行管理の記載状況やその運用実態を現地で再確認するとともに、再発防止に向け関係者に対して安全管理について徹底してまいります。
 県といたしましては、現在実施中の特別指導監査によりこの事故の徹底した原因究明を行い問題点と改善策を明らかにするとともに、県内の保育施設等において安全管理体制を厳しくチェックし二度とこのような悲惨な事故が起こらないように指導をしてまいります。
 次に、不適切な盛土に対する今後の対応についてであります。
 不適切な盛土につきましては、議員御指摘のとおり近隣の皆様の不安を解消するため早急に不適切な盛土の安全確保対策を進める必要があります。このため県といたしましてはこれらの不適切な盛土の危険度を評価して具体的に策を講ずるとともに、その内容を地域の方々に情報提供することが重要であると認識しております。
 安全性の確保が必要な盛土につきましては、速やかに地質調査や安定性の解析を行いまず応急対策工事を行った後恒久的な対策を決定いたします。危険度が低い盛土につきましては当面定期的な巡回監視を行ってまいります。安全性の確保が必要な盛土のうち四か所につきましては早急に対策を行うことが必要なため補正予算を本議会にお諮りしているところであります。
 こうした対策と併せ盛土の撤去等の指導を行い、その結果撤去等が見込めない盛土につきましては行政代執行の実施も視野に入れた対策を検討してまいります。なお対策に必要な費用につきましては、国の補助制度の活用を図るとともに代執行等にかかる費用は盛土の行為者に請求してまいります。
 各盛土についての情報につきましては、その盛土が存在する地域の方々に盛土の危険度に応じて適切な方法で情報を提供してまいります。なお台風十五号による大雨により九月二十四日の未明に浜松市天竜区で発生した土砂崩れについて不適切な盛土が関係しているのではないかと言われています。このため県では、浜松市と合同で昨日現地の状況を把握し今後の対応について市と協力していくことを確認したところであります。
 県といたしましては、市町と連携し不適切な盛土の是正を速やかにかつ確実に行うとともに、監視を強化して不適切な盛土の発生を防ぐなど県民の皆様の安全と安心の確保に全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長等から御答弁を差し上げます。
○議長(藪田宏行君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 静岡県盛土等の規制に関する条例の課題と盛土規制法の施行を見据えた対応についてお答えいたします。
 盛土等の規制に関する条例につきましては、条例案に対する意見募集を行うなど制定前からその周知に努めてまいりましたが、条例の施行後関係団体の皆様などから申請の手続の煩雑さや土壌調査の必要性などについて御意見、御質問を頂いております。頂いた御意見等につきましては規制の趣旨を丁寧に説明し、また具体的な手続の方法等をイラストなどを用いて分かりやすく解説することで多くは御理解を頂いております。引き続きホームページや関係団体の研修会などを通じ丁寧に説明することによって条例への理解を促進してまいります。
 この条例は、まず第一に熱海市伊豆山地区で起きたような災害を二度と引き起こさないために必要な規定として定めたものでありますが、同様の規制は既に十七都道府県において行われておりまして県民の皆様の御理解をしっかりお聞きし目的を損なわないようにしつつも工夫できる方策を探ってまいります。
 盛土規制法の施行により適用範囲のすみ分けなど盛土規制法と盛土条例の整合を図る必要が生じますので、今後国から示されます盛土規制法の詳細を確認しながら条例の見直しを検討してまいります。
 さらに、盛土規制法の施行に際し規制区域指定のための基礎調査をはじめ関係市町や近隣県との調整が必要となり、さらに監視や許可審査など業務量が増大することから組織の効率化とともに県民サービスの観点も踏まえ組織体制を整えてまいります。
 県といたしましては、盛土条例と今後施行される盛土規制法を適切に運用することにより県民の皆様の生命、身体及び財産を守り抜くという使命を果たしてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 函南太陽光発電事業計画における林地開発行為に対する許可についてお答えいたします。
 林地開発許可におきましては、水害を防止するための洪水調整池の設計に当たり審査基準に基づき事業者は河川管理者と調整を行う必要があります。本案件に関して県森林部局は、事業者が作成した県河川管理者との協議簿の確認をもって調整が整ったと判断し法令等に基づき許可したものであります。
 しかしながら、許可後事業者と県河川管理者との間で協議内容の認識に相違があったことが判明したため、県として再度調整が必要であると判断をいたしました。また集水区域等の誤りがあることも判明したため事業者は申請書類の訂正を申し出ており、改めて県河川管理者との調整を進めております。
 現在、事業者からは計画内容に関する訂正書類が順次提出されておりますので審査基準等にのっとり慎重に審査を行うとともに、事業者に対しては計画内容が審査基準に適合することが確認されるまで開発行為に着手しないよう指導徹底しております。
 なお、本案件につきましては事業者が不正な手段により許可を受けようとした意図が認められないと考えております。また工事は着手前であって事業者が訂正の意向を示しており、申請書類を訂正し事業計画を見直すことで水害を防止できるものと考えております。よって現時点では許可の取消しには至らないと認識をしております。
 県といたしましては、本事業計画につきまして引き続き法令等にのっとり適切に対応してまいります。
 次に、県内水産業の持続的な発展に向けた対策についてであります。
 水産資源の減少や魚価の低迷など厳しい状況が続く中、本県水産業を持続的に発展させるため県ではこれまで水産資源の回復や消費の拡大、人材確保等の観点から施策を推進してまいりました。
 まず、資源回復に向けましては漁業者の自主的な資源管理への支援や種苗放流の増大、漁場の整備等に加えて、MaOI機構と連携した調査研究によりキンメダイの種苗生産の効率化などを実現いたしました。また山の洲くににおける販路開拓や波乗り鰭などのブランド化により新たな需要が創出されたほか、漁業高等学園での実践重視の教育を充実させ卒業生の就業の増加にもつながっております。
 県では、こうした取組の成果を踏まえコロナ禍の長期化や急激な物価高騰などの社会情勢の変化に対応するため、令和四年三月に水産振興基本計画を改定し資源の維持増大と成長産業化を柱として水産業の復活に向けて施策を展開しているところであります。
 資源の維持増大に向けましては、調査能力が大幅に向上した「駿河丸」の活用やJAMSTECとの連携強化等により資源管理の精緻化や種苗生産の安定化を図る高度な調査研究を展開するとともに、ICTを活用した食害対策や藻場の再生を急ピッチで進めてまいります。また成長産業化に向けましては、漁獲情報のデジタル化などスマート水産業の導入促進や新たなサプライチェーンの構築による販路拡大に加え、観光と連携した地産地消等の水産イノベーションの取組や漁協の体質強化を伴走支援する専門家派遣等を強化してまいります。
 県といたしましては、本県水産業が成長産業化し持続的に発展できるよう全力で取り組んでまいります。
 次に、環浜名湖地域のにぎわい創出についてのうち、浜名湖キューバヘミングウェイカップの今後の展望についてであります。
 世界的に知名度の高いヘミングウェイカップにつきましては、浜名湖の魅力を世界に発信し交流の拡大と地域の発展につながる重要なイベントであると認識をしております。大会当日は同時開催の浜名湖ミナトリング等との相乗効果もあり多数の来場者にお越しを頂き浜名湖の美しい自然景観やマリンスポーツなどの多彩な魅力を発信するとともに、ラミレス駐日キューバ大使に御臨席頂くなどキューバとの友好交流にも大きく貢献することができました。
 今後につきましては、九月十二日に開催された実行委員会においてイベント継続の方向性が確認されたところでありますが、安定的かつ自主的な運営に向けては企業協賛金や運営スタッフの確保が課題となっていることから開催頻度や規模、海と陸のイベントの連携等について実行委員会で引き続き検討を進めていくこととしております。
 県といたしましては、高いブランド価値を有するヘミングウェイカップが魅力あるイベントに育っていくよう実行委員会を通じて浜松市や湖西市と共に支援をしてまいります。
 次に、浜名湖花博二十周年記念事業の開催についてであります。
 本事業は花緑とデジタル技術等が融合したレイクハマナデジタルガーデンシティの実現を目指すものであり、現在県では浜松市及び湖西市と共に具体的な実施内容を検討しております。
 花卉産業の振興につきましては、本事業を県産花卉をPRする絶好の機会と捉え県内生産者による組織を立ち上げ花の地産地消を拡大するほか、花緑ボランティアの育成やユニバーサル花壇づくり等により県民の皆様が花緑に触れる機会を創出いたします。
 地域活性化につきましては、コロナ禍で打撃を受けた観光業など地域経済の回復に向けて交流人口の拡大が課題となっております。そのためガストロノミーツーリズムや舟運等の活用により浜名湖エリアを周遊する仕組みづくりを検討いたします。また県内の企業や大学に御協力を頂きデジタル技術の利便性や楽しさを体感できるアートイベント等を実施いたします。
 浜名湖ガーデンパークの基盤整備につきましては、ベビーカーや車椅子を利用される皆様も安全・安心、快適に園内を散策できるよう適切に改修してまいります。また食と農、福祉、多文化共生の視点を加えて公園機能を強化し持続可能な公園づくりに取り組んでまいります。
 こうした取組により本事業がデジタルガーデンシティの実験場として地域活性化の起爆剤となるよう地元産業界や観光業界、自治体等と連携し万全の準備を進めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 石野危機管理部長。
○危機管理部長(石野好彦君) 地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の取組についてお答えいたします。
 現プログラムの目標に対する減災効果につきましては、防潮堤や津波避難施設の整備などの推進により浸水想定区域内の九八%の住民が安全な場所へ避難が可能となる一方、県民の早期避難意識は六八%にとどまることから令和元年度末時点で想定犠牲者の約七割減少と試算しております。
 減災目標の達成に向けましては県民の早期避難意識の向上が重要であることから、県民一人一人の個別避難計画であるわたしの避難計画を普及することとし、今年度は津波浸水想定区域を重点地域として市町と一体となって取り組んでいるところであります。来年度以降の地震・津波対策につきましては、防潮堤整備等のハード対策の着実な推進と早期避難意識等のソフト対策の強化によりさらなる想定犠牲者の減少化を図っていくことが重要です。さらに発災によるリスクの回避に加え、避難先においても心身の不調を来すことのないよう避難環境の質的な向上にも取り組むことが必要です。
 今後、これらを踏まえた具体的な取組等をまとめるとともに、県民や県議会の皆様の御意見を頂きながら今年度末までに新たな地震・津波対策アクションプログラムに策定してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 京極スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(京極仁志君) インバウンド需要の回復に向けた取組についてお答えいたします。
 国の外国人観光客の受入れが進み今後入国者数の上限撤廃や個人旅行の解禁、ビザ取得の免除など水際対策の大幅な緩和が見込まれております。このタイミングを逃さず他県に先駆けて本県へのインバウンド需要の確実な回復を図ってまいります。
 現在、コロナ禍において本県への送客ができなかった海外の旅行会社に対し改めて旅行商品を積極的に企画していただけるよう送客した人数や滞在日数に応じて支援するインセンティブ制度を提案するなど、海外駐在員事務所等を通じ本県へのツアー開発を促進しております。あわせてTSJ――静岡ツーリズムビューローや地域DMOと連携し富士山、食、歴史文化、スポーツなど旅行スタイルの多様化にも対応した本県ならではの体験型旅行商品を商談会やファムトリップ等を通じて旅行会社や国内ランドオペレーターに提案することで、本県により長く滞在していただけるツアーの開発につなげてまいります。
 富士山静岡空港の国際線受入れに向けては、経済界や自民党県連幹部の皆様にも国への働きかけを行っていただいております。航空会社にもセールス活動を展開しているところであり、今議会にお諮りしております国際線運航再開に向けた補正予算を活用し航空会社等と連携した誘客キャンペーンを実施するなど強力に運航再開を促してまいります。
 今後も市町や関係団体と連携して本県の魅力を十分に情報発信し、観光産業をはじめ県内経済への大きな寄与が期待されるインバウンド需要の本格的な回復に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 遠州灘海浜公園篠原地区の整備についてお答えいたします。
 県では、県民の皆様からの御意見などを踏まえ野球施設に重点を置いたボールパークを核としたスポーツ公園など三つのコンセプトに基づく施設配置計画案を作成いたしました。その上で規模、構造が異なる複数のタイプのメイン野球場を組み合わせたプランを設定し、それぞれにつきまして建設費及び維持管理費の算定と公園来場者数及び経済波及効果の推計を進めこのたび取りまとめたところであります。
 また、野球場を含む公園整備によるアカウミガメへの影響を調べるため八月下旬から九月上旬にかけて計六日間学識経験者や地元のNPO団体に御指導、御協力を頂きながら照明とふ化した直後の子亀の行動の関係性を調査いたしました。
 今後はこれまでの調査の結果と県民の皆様や県議会から頂いた御意見、御要望等を総合的に勘案して評価を行い、十二月定例会におきましてその結果をお示しいたします。この評価結果につきましては県議会で御議論頂いた後に成案とし、年明けにパブリックコメントを実施した上で年度内に基本計画として取りまとめてまいります。
 県といたしましては、県議会の皆様、県民の皆様のお力添えを頂きながら遠州灘海浜公園篠原地区が県西部のスポーツの拠点としてふさわしい地元に愛される公園となるよう、基本計画の策定を着実に進めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 増田経済産業部長。
○経済産業部長(増田始己君) 障害のある方の就労支援についてのうち、障害者雇用を始められる方への支援についてお答えいたします。
 県では、障害者雇用や農福連携に関するワンストップ相談窓口を障害者働く幸せ創出センター内に設置し、障害のある方からの就労に関する悩みや障害者雇用の経験がない小規模事業者からの支援制度に関する問合せなど様々な相談に対応しております。令和三年度には障害者雇用などに関する事業者からの相談が三百九十七件ありましたが、議員御指摘のとおりこの相談窓口を直ちに見つけることができなかった事業者もあると伺っており、今後一層相談窓口の認知度を高めていく必要があると考えております。
 このため県では、障害者雇用促進大会の開催などを通じて障害者雇用を大切にすることの啓発を行うとともに、新たに障害者雇用を検討する企業向けセミナーや障害者支援機関等が参画する連絡会議などを活用して相談窓口の周知に努めているところであります。この相談窓口を通じて県内各地に配置した障害者雇用促進コーディネーターが障害のある方の特性に合った業務の選定や受入れ体制の整備に関する助言などを行うことで、障害のある方と企業の双方の立場に立ったきめ細やかな支援を行っております。
 県といたしましては、今後とも障害者雇用に意欲的な企業を積極的に支援し障害のある方の一層の就労促進を図ることで真の共生社会の実現に取り組んでまいります。
 次に、企業における職場環境向上についてであります。
 障害のある方が就職して長い間働き続けるためには障害特性を踏まえた業務のマッチングを行うとともに、従業員の理解促進など職場環境を整えることで働きがいを感じていただくことが重要であります。このため県ではジョブコーチによる職場定着支援を実施しています。
 具体的には、ジョブコーチが企業と一緒になって個々の適性を踏まえた作業方法の見直しなどに取り組むとともに、受入れ体制への助言を行うことでより長く働き続けられる環境づくりを支援しております。あわせて令和二年度からは、企業が自ら職場定着支援を実施できる体制を整えていただくため、障害のある方の身近で日常的な支援を行う企業内ジョブコーチの育成強化に取り組んでおります。また企業からの業務内容のレベルアップや職場環境改善についての相談に対しては、今年度新たに配置した障害者職域拡大コーディネーターが画面読み上げソフトなどの就労支援機器の導入やテレワークの活用を提案するなどの支援を行っています。
 県といたしましては、障害のある方が生き生きと社会で活躍できるよう引き続き企業における職場環境の向上を支援してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 登校できない高校生への支援についてのうち、入院治療により登校できない高校生への支援についてお答えいたします。
 入院治療により登校できない生徒にとって遠隔授業等によって先生やクラスメイトとつながりを持つことは学びの継続を保障するだけでなく、不安を取り除き心理的な支えを得て治療に専念していくためにも極めて重要であります。
 このため県教育委員会では、病気治療中の県立高校生が遠隔授業を受けることで単位認定ができる制度の運用を今年度から開始し、これまでに六人の高校生が病室等で授業を受けております。また治療と学習の両立ができるよう医療機関と県立高校をつなぎ調整するコーディネーターを配置するとともに、生徒、保護者や医療機関に制度理解を促すリーフレットを作成したところであります。
 加えて私立高校や小中学校の入院治療中の児童生徒においても治療しながら学びを継続できる環境を整えるため、健康福祉部、スポーツ・文化観光部と協働した庁内ワーキンググループを設置いたしました。今後はワーキンググループが中心となり課題を共有し、校種や病院に関係なく児童生徒が学びを継続しながら治療に専念できるよう体制の構築を進めていきます。県立高校以外の児童生徒と医療をつなぐコーディネーターの配置を検討するほか、現在積極的に連携や情報共有等を行っている県立静岡がんセンター、県立こども病院、浜松医科大学医学部附属病院以外の医療機関が遠隔授業について理解を深める方策についても検討し制度がより広く活用されるよう努めます。
 県教育委員会といたしましては、関係部局や市町、医療関係機関との連携を深め療養に当たる児童生徒が意欲を持って学び続け自己実現に向けて進学や卒業することができる誰一人取り残さない学びの実現を図ってまいります。
 次に、学校外で学ぶ高校生への支援についてであります。
 県立高校において何らかの理由により不登校となっている生徒は令和三年度の調査で全日制が三百九十七人、定時制が六百二十二人であります。特に定時制では二一・五%の生徒が不登校という状況であり、未然防止対策に加え不登校となった生徒の学びの継続が重要であります。
 各高校では担任やスクールカウンセラーが生徒の悩みに対応し不登校の未然防止を図っておりますが、不登校となった生徒に対しては課題や行事予定を自宅に届けるなどつながりを絶たないよう努めております。またスクールソーシャルワーカーが市町等と情報を共有し福祉等による支援につなげております。今年度からはスクールカウンセラーの増員を図り、自宅を直接訪問するなど学校からのアプローチを充実してまいります。
 また、議員御指摘のとおりICTは学びの継続の可能性を広げる有効な手段と認識しております。コロナ禍の一斉休業の際にこれまで不登校だった生徒がオンラインにより学びに参加し学校への復帰につながった例も報告されております。現在の制度では遠隔授業による単位認定は病気療養中の生徒に限定されておりますが、ICTを通じた学校とのつながりは不登校となった生徒が復帰する際の心理的不安を取り除く効果があることからオンラインによる授業の配信や相談に積極的に取り組んでまいります。加えて自宅等での学習が単位認定につながるよう国に働きかけてまいります。
 不登校には様々な理由や背景がありそれによって支援の方法も異なります。県教育委員会といたしましては、生徒の学びを止めないようそれぞれが抱える課題の解決方法を探り一人一人に寄り添った支援に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 大原警察本部長。
○警察本部長(大原光博君) 警察本部長着任における所信についてお答えいたします。
 県警察では「県民の期待と信頼に応える警察〜正・強・仁〜」を運営指針に各般の取組を進めていますが、県民が安全・安心をより一層実感できるよう県警察の最高責任者としてリーダーシップを発揮してまいる所存であります。
 本県の治安情勢につきましては、刑法犯認知件数や交通事故発生件数は総じて減少傾向にあるものの子供や女性が被害者となる事件や高齢者が被害者となる特殊詐欺や交通死亡事故が多く発生しております。このほかランサムウエアなどのサイバー犯罪被害の拡大や南海トラフ巨大地震、富士山噴火や激甚化した風水害などの大規模災害の発生が危惧されるなど厳しい情勢にあります。
 こうした情勢を踏まえ、検挙活動はもとより特殊詐欺被害防止を目的としたさくらセーフティ作戦、交通事故防止を目的としたしずおか・安全横断三つの柱、中小企業のサイバーセキュリティーの強化を目的とした静岡県中小企業サイバーセキュリティ支援ネットワークのさらなる拡充など関係機関・団体や地域住民の皆様と連携した抑止対策を引き続き推進してまいります。
 また、サイバー犯罪対策をはじめ高度な専門知識・技能を有する人材の確保・育成に努めるとともに、熱海市伊豆山における土石流災害のような大規模災害発生時に迅速的確に救助、復旧活動が展開できるよう緊急事態対処能力の向上にも努めてまいります。加えて組織のさらなるDX化によってこれらの施策を効率的に推進するとともに、警察行政サービスの利便性の向上にも努めてまいります。
 以上が当面の県警察運営方針ですが、職員一人一人がそれぞれの持ち場で能力を最大限に発揮することでより大きな成果を上げることが県民の皆様の安全・安心の実感につながるものと確信しており、必要な取組を着々と進めてまいる所存であります。よろしくお願い申し上げます。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 鈴木啓嗣君。
       (十二番 鈴木啓嗣君登壇)
○十二番(鈴木啓嗣君) それぞれに御答弁ありがとうございました。
 それでは、要望を申し上げます。
 まず一点目、子供を守る安全対策強化についての要望を申し上げます。
 この質問で取り上げました事件、これは昨年福岡県で発生いたしました事件を受けて厚生労働省が通知を出し、そして各都道府県がそれぞれに対応していく中で残念ながら全国で初めて同様の事件が発生をしてしまいました。それがほかでもないここ静岡県で起きたという事実を真摯に受け止めていただきたいと考えております。そして子供の命が失われたという本当に残念な事件ではありますがこの教訓をしっかりと胸に刻んでいただき、子供を守る安全対策の強化、これにつきまして関係する皆様が全力で取り組んでいただきますよう要望をさせていただきます。
 それでは、要望の二点目です。
 静岡県盛土等の規制に関する条例の課題と盛土規制法の施行を見据えた対応について要望を申し上げます。
 県民の生命と財産、これを守るためには規制の強化自体、これは避けられないと考えます。一方で県民の皆様から様々寄せられております多くの声、これに真摯に向き合いまして、そして課題の解決に向けて柔軟に対応していくこと、これは必要であると考えております。特に民間残土処理施設、この地域的な偏在性や公共残土処理施設、この不足こういった問題これは不適切な盛土これに直結してくる根本的な課題であると考えております。県といたしましてもぜひ速やかに対策を検討頂きたいと思います。
 そして、盛土に関する危険性の除去また環境の保全こういったことをしっかりと確保した上で盛土条例に関して様々寄せられております課題、この解決に向けて条例改正も含め対応策、これを検討していただくよう要望をさせていただきます。
 また、検査・監視体制こういったものの充実、さらには盛土規制法これの施行に伴って区域設定、この準備などに対応いたしまして体制の強化も必要であると考えますので、組織体制の整備そして適切な人員配置、これにつきましても併せて要望をさせていただきます。
 要望の三点目です。
 函南太陽光発電事業計画における隣地開発行為に対する許可について要望を申し上げます。
 これは質問でも申し上げましたとおり、今回の隣地開発許可、これにつきましてはその許可に必要な要件が満たされているかどうかこれが明確でない。こういった状態にもかかわらず許可をされている。こういったことが問題であって県の許可手続、これに瑕疵があったということは明らかであると考えております。
 そして隣地開発許可、これに当たりましては県の河川管理者である交通基盤部、ここに確認をすれば事業者との調整状況、これは分かるはずです。その確認を怠って許可をしてその上でそれを追認するために改めて河川協議を行って事業者に申請するよう訂正させる、こういった県の対応、これは適切とは言えないのではないでしょうか。また御答弁にありました事業者が作成した協議簿、これにおきましても協議内容の認識に相違点があるなど事業者側の申請書類、これもずさんであったと考えられます。
 こうした状況から今回の事案、これは県の許認可事務全体への信頼を揺るがしかねない大変ゆゆしき問題であると言わざるを得ません。
 我が会派としましても、これまで明らかになっております様々な問題点、これをしっかりと踏まえまして常任委員会において徹底した議論をしていきたいと考えております。当局におかれましても県の体裁こういったものにとらわれることなくぜひ公平な立場で対応を再検討頂くよう強く要望を申し上げます。
 それでは最後、四点目の要望です。環浜名湖地域のにぎわい創出についてのうち、浜名湖花博二十周年記念事業の開催に当たっての要望を申し上げます。
 本事業の開催、これに当たりましては地域的なものを含め課題を十分に把握して御対応頂きたいと考えております。例えばメイン会場となります浜名湖ガーデンパーク、ここにつながるアクセス道路、これは限られている上ふだんでも渋滞が頻発している、そういった地域がございます。そこにこのイベントへの来場車両が加わってそして渋滞が増長して周辺地域に大きな影響を及ぼす、こういったおそれもございます。
 そういった懸念もしっかり踏まえまして、はまゆう大橋こういったもののイベント期間中の無料化等による渋滞緩和策こうしたものの実施など開催に関する課題への対応、これを着実に実施していただきまして全ての方が開催してよかったそう感じていただけるようなすばらしい記念事業となるよう要望を申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(藪田宏行君) これで鈴木啓嗣君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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