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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

竹内 良訓 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/12/2018

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 「平成」の時代総括について
2 大学入試改革を見据えた教育改革について
3 応急仮設住宅の確保について
4 西遠工業用水道事業における受水企業のニーズへの対応
と経営状況の改善について
5 遠州灘海浜公園(篠原地区)野球場構想について
(1) 収容規模、形態
(2) 防災機能


○副議長(落合愼悟君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百三十四号から第百七十一号までを一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、四十一番 竹内良訓君。
       (四十一番 竹内良訓君登壇 拍手)
○四十一番(竹内良訓君) おはようございます。私は自民改革会議所属議員として、通告に従い分割質問方式で質問いたします。どうぞよろしくお願いいたします。
 最初に、平成の時代総括について伺います。
 三十年間続いた平成の時代がいよいよ幕を閉じようとしています。平成の三十年の年の瀬に当たり、改めて平成の時代を振り返りながら将来の静岡県のあり方を考えてみたいと思います。
 平成とはどんな時代だったのでしょうか。現在平成生まれの人口は日本全体のおよそ三〇%を占めるに至っています。消費税の導入で始まった平成の日本経済は、間もなくバブル景気が崩壊しその後リーマンショックという世界金融危機に飲み込まれました。失われた十年とも二十年とも言われる厳しい時代の中、非正規雇用やワーキングプアで苦しむ人がふえるその一方でインターネットの普及に伴いITバブルで沸くヒルズ族と呼ばれる高所得者層もあらわれ所得や職業、教育などで二極化する格差社会が進んだと言われています。
 世界に目を向ければベルリンの壁やソビエト連邦の崩壊、九・一一アメリカの同時多発テロ、日本国内では地下鉄サリン事件など想像し得なかった事件が起こり世界がひっくり返るような衝撃を受けました。また阪神・淡路大震災、東日本大震災という未曽有の大災害は言うまでもなく全国各地で台風や豪雨による甚大な被害が発生していることに日本中の国民が心を痛めています。
 静岡県を振り返ってみると斉藤滋与史知事、石川嘉延知事、そして現川勝平太知事の三人がトップリーダーとして静岡県政を担ってきました。平成の大合併により静岡市、浜松市の二つの政令指定都市が誕生し同時に七十四あった市町村は三十五に集約され行政改革が推進されました。静岡県の人口は平成十九年の三百七十九万四千人をピークにし、現在は三百六十五万六千人と高齢化、少子化の人口減少時代に突入しています。
 平成二十一年、川勝知事就任後には富士山静岡空港の開港、富士山の世界文化遺産登録など世界からも注目される出来事がありました。川勝知事は就任以来、富国有徳の理想郷ふじのくにづくりを基本理念に上げ、ことしの知事年頭挨拶でも特に夢ある若者が志を持って努力をすれば夢がかなうドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点となれるように新しい日本のロールモデルを目指すと発言されていますが、残念ながらこれからの静岡県を担っていく若者たちは平成二十九年においても五千百人の転出超過となっています。県外流出に歯どめがかかっていません。東京への一極集中により本県経済を支える中小企業の人手不足は深刻です。
 そこで、知事は平成の三十年間に関してどのような時代認識を持っているのか、また同時に来るべき平成の次の時代に日本は、そして静岡県はどうあるべきだと考えているのか伺います。
 次に、大学入試改革を見据えた教育改革について伺います。
 文部科学省では、変化の激しい時代において新たな価値を創造していく力を育むために高等学校教育改革、大学教育改革、そして大学入学者選抜改革の三者の一体的な改革となる高大接続改革の取り組みを進めています。高大接続改革では知識、技能の確実な習得そしてそれをもとにした思考力、判断力、表現力の育成さらに主体性を持って多様な人々と共同して学ぶ態度の涵養すなわち学力の三要素をバランスよく育むこととしています。
 大学入学者選抜においては受験生の学力の三要素について多面的、総合的に評価する入試への転換が推進され、今までの大学入試センター試験にかわって二〇二〇年度現在の高校一年生から大学入学共通テストが実施されます。そこでは国語と数学への記述式問題の導入と外部検定試験を活用した英語四技能、読む・聞く・話す・書くの評価が予定されています。よって高等学校では、高大接続改革に対応するためにはこれまで以上の変革が求められることになります。
 教育委員会では、高大接続改革を見据え本年度から魅力ある学校づくり推進事業として進学重点校、学力向上校、学力進展校そして英語教育校の四つに分類したコアスクールを設定し、各学校はそこに応募し選定の結果三十九校を指定しました。指定校には予算の増額を図り、在籍する生徒の実績に合った各校の効果的、具体的な取り組みを支援していると聞いています。
 そこで、まずコアスクールの取り組みについてどのような数字目標などを上げて成果と課題を捉えているのかを伺います。
 さらに、大学入学共通テストの対応を含む高等学校教育改革についてどのように対応していくのか、教育長の考えを伺います。
 次に、応急仮設住宅の確保について伺います。
 ことしは未曽有の自然災害が多く六月は大阪府北部地震、七月には西日本を中心とした豪雨、九月には北海道胆振東部地震が発生し、さらにはたび重なる大型台風の上陸もありました。本県も大規模停電や断水など大きな影響を受けた台風二十四号は記憶に新しいところです。
 こうした大規模な災害が発生した場合に備え、被災者の一時的な住まいとなる応急仮設住宅は必要な量を迅速に提供できるよう平時からしっかり準備をしておくことが大切です。
 静岡県第四次地震被害想定において、南海トラフ地震が発生した場合応急仮設住宅は最大で約一一万三千戸が必要とされています。その内訳はプレハブや木造でつくる建設型応急仮設住宅が約四万七千戸、既存の民間賃貸住宅を一時的に借り上げる借り上げ型応急住宅が約六万戸、公営住宅の空き住戸の活用が約六千戸となっています。県では建設型応急仮設住宅については市町と連携して必要な建設用地の確保を進めており、県全域では十分な用地が確保できる見込みであると聞いています。
 一方、借り上げ型応急住宅については協力可能な賃貸住宅や不動産事業者を募集し事前登録をする制度が二〇〇九年に始まりました。しかし地震・津波対策アクションプログラムで示した二〇二三年度の目標登録住宅数は一万二千戸に対し、現在の登録数はわずか約二千戸にとどまっています。
 近年の災害において、被災者がみずから探した民間の賃貸住宅を借り上げ型応急住宅として活用し速やかに仮設住宅にできたことから、県では災害が起きたときに円滑に手続を進めるため協力事業者を三百社確保するという新たな推進目標を上げたと聞いています。
 そこで、借り上げ型応急住宅の確保のために今後どのような取り組みを具体的に行うのか伺います。
 次に、西遠工業用水道事業における受水企業のニーズへの対応と経営状況の改善について伺います。
 昭和四十二年の給水開始以来西遠地域の輸送用機械、楽器、繊維、染色などの産業の発展を支えてきた西遠工業用水道は、企業にとってなくてはならない産業インフラです。現在でも八十四の事業所が一日約四万一千立米の給水を受けています。今後も地域産業の競争力を維持強化するためには、企業局は徹底したコスト削減などの経営努力を行い安価な水を供給していく必要があります。
 一方、給水開始から約半世紀を過ぎた現在の状況を見ると、利用している企業が近年のエネルギー対策による節水技術の導入などを進めたことにより水の使用量は大きく減少しています。現在では過去に企業局と結んだ契約水量の約五六%の水量にとどまっています。西遠工業用水道事業では、実際に使用した水量にもかかわらず契約した水量に応じて料金を支払うという責任水量制を採用しています。
 装置産業である工業用水道事業においては、安定的な経営のためにその責任水量制を採用することに理解はできますが、企業からは実際の使用に見合った契約水量への見直しを考えてほしいとの声も多く、こうした受水企業の声にも対応する必要があります。
 工業用水道事業は毎年赤字が継続している上、施設の老朽化に伴う大規模な施設更新が予定されており、経営は今後一層厳しくなると聞いています。今後も西遠工業用水道が西遠地域の産業インフラとして安定給水を継続するためには受水企業のニーズへの対応と経営状況の改善この両面を模索、実行していく必要があると考えますが、企業局はどのように取り組んでいくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(落合愼悟君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 竹内議員にお答えいたします。
 分割方式で四つ、こさいにわたる御質問をいただきましたけれども、私は冒頭の大きな御質問であります平成の時代総括について私の考えるところを申し述べます。
 一言で言えば、東京時代の最終局面というのが平成の時代だという時代認識を持っております。東京時代という呼称はまだ定着はしていないと思いますけれども、日本はその歴史におきまして国の中心地を移してまいりました。そしてその中心地の名前で時代区分をしてきた珍しい国です。そうした国はタイを除いてほかにありません。奈良時代、平安時代、鎌倉時代、室町時代、江戸時代、これらはいずれも首都機能が置かれた地名でありまして、その地名で時代区分をしているということです。
 一方、明治以降の日本は天皇の一世一元という制度が定められまして明治時代、大正時代、昭和時代、そしてまた平成時代という言い方が通用しております。しかし従来の日本の時代区分に従うならば、東京に首都機能が置かれた東京時代というのが一番わかりやすいのかなというふうに思います。
 では、東京時代というのはどういう時代であったのかと言えば、欧米の文明をフルセットで東京に受容しそしてそれを東京が変電所となって全国各地に西洋文明を普及させていくという時代であったと。一言で言えば欧米文明に追いつきかなうならば追い抜くということを目指した時代で、その時代としての東京時代はその目的を達したというふうに思っております。
 今我々の日本のシンボルの一つとしては紙幣がありますが、最高額紙幣に福沢諭吉先生を印刷しています。福沢諭吉はなぜ印刷されているのでしょうか。中国では毛沢東です。なぜ福沢諭吉か。それは彼が「学問のすゝめ」を書いて学問立国を明確に述べたからだというふうに思います。一国の独立は一心の独立にあると、一心の独立はそれ学問にあると、その学問とは江戸時代までの学問ではなくて新しいヨーロッパの学問すなわち洋学で理学、工学、医学、法学、経済学、こうしたものをマスターして欧米の知的体系を全部入れ込んでそして欧米に追いついていくと。文明論の概略で西洋の文明に追いつくことこれが本懐であると。そして彼は「福翁自伝」、亡くなる直前に出版されましたけれども、そこでおおよそこの目的は達したものと見るというふうに言って天国に旅立ったとこういうことでございますが、そういう学問立国の顔ですが今二十一世紀になりまして昨日本庶佑先生がノーベル生理学・医学賞を受賞せられましたけれども、二十一世紀になりまして欧米の学問すなわち物理学とか医学とか生理学とか化学とかこうしたものにおいてイギリスもフランスもドイツも抜きました。すなわちアメリカに次いで世界第二位です。したがって私は福沢さんの目的は達成し終わったというふうに見ております。
 一方、外国人の留学生が毎年五千人規模でふえるという形で日本にお越しになっております。さらにまた観光客が急増し今は日本の人口の半分、六千万人も想定されるような時代になりました。いわば世界の国から憧れられるアジアでは唯一の国ではないかというふうに存じます。
 一方、国力を東京に集中した結果、東京一極集中によって日本全体としての地方の人口減少に拍車をかけておりまして地方が疲弊するという危機的状況になっております。東京時代、全て悪いというわけではありませんけれども仮に人生を少年、青年、壮年、熟年というふうに分ければいわば東京時代で熟年いわば次の時代にバトンタッチする最終局面といって、かなり老害も出てきているというふうに言っていいのではないかというふうに思います。
 そこで、私はこの東京時代を脱却して地域が自立するポスト東京時代を開くべきだというふうに考えております。何もこれは私の勝手な考えということではありませんで、既にそれこそ平成の始まりました初めに国会で衆参両院で首都機能を移そうという議決をなさいまして、そして国を挙げて調査をなさいまして二十世紀の末に新しい首都機能の所在地は那須野が原がいいというように報告が出ました。あとは国会でそれをお決めになればいいんですが、決められないということを決めてですね放置されているという状況であります。
 ともあれ、首都機能が仮に那須野が原に移りますれば東京時代はと、つまり平成の時代はどうかという総括以上にも増して東京時代というのはどういう時代であったのかというそういう議論がもうほうはいとして起こるであろうというふうに思います。
 同時にまたこの平成の時代は、議員も御指摘のとおりたくさんの災害がございました。そうした災害とともに常に寄り添われたのが天皇皇后両陛下であります。ですから我々は改めて国民の統合の象徴である天皇陛下と我々の国土とをともに、いわば足元を見るという時代が来たのではないかと。つまり国土というものを改めてしっかりと見るべき時代が来たというふうに思います。
 そして、仮に首都機能が那須野が原に移りますれば全体六十万人規模というふうに言われておりますから、多くの内政にかかわる国家機能は地方に移るものとされております。そうした中で二十一世紀の国土のグランドデザインというのが二十世紀の末に国土計画としては最後のものでありますけれども、そこで四つの国土軸が出ました。私はこれをよく読みまして私なりに森の洲、野の洲、山の洲、海の洲というふうに分けるとわかりよいと。森の洲というのは北海道、東北であります。野の洲というのは関東地域、平野ですから野の洲と。我々のところはこれはもう山岳地域ですから山の洲と。近畿以西は瀬戸内海を囲むということで海の洲というふうに見ますと、それぞれが実は先進国並みの人口と経済力を備えた地域になります。
 そうした中で、静岡県をどのように見るかということですが山の洲ということになりましょう。富士山があり南アルプスがあると。そうすると山の洲の洲都をどこに置くかということになります。各県に県都がありますように洲都というのをどこに置くかということが必ず論点になってまいります。そうすると北陸地域や岐阜や長野などの山岳地域はきのうもそうですけれども大雪に見舞われるということがあります。静岡はその点それを免れておりますし飛行場も新幹線も高速道路もありますから静岡県が山の洲都の顔になるという可能性も考えられるということでありまして、そうしたことを国を全体を見ながら静岡を見直すというそういう時期に来ているのではないかというふうに思っております。
 今、日本それ自体は人口減少・超高齢化など世界的な課題を解決しなくちゃいけませんが、この豊かな経済力をベースにいたしまして人材と文化のソフトパワーによって課題を克服し物も心も豊かな国が実現されるのが、まず地域においてそのモデルを示すことが大事だというふうに思っております。静岡県は富士山の世界遺産登録これがちょうど五年半前ですけれども、それから今や八十件を超える地域資源、人材群が世界的評価を受けております。これをどう見るかということですけれども、一カ月に一件以上のペースなので世界のひのき舞台に立ったということではないかというふうに見ても第三者的にはおかしくないと思います。
 そうした観点で、私は富士山もございますので富士山から導出されたコンセプトである富国有徳と会社においては富社有徳、一人一人においてはお金持ちになると目立ちますからその人がお金の使い方がいかがわしいと軽蔑されます。ですから富者も有徳でなければならないということだと思うんですけれども、地域レベルで言うならば富国有徳の美しいふじのくにをつくっていこうと。字義のとおり富づくり・人づくりをしていこうということでございまして、外国人が来られる時代になり入管法も改められるということになりましたので、先ほど人口動態で日本の特に本県の五千人ぐらい出ていると、そして五千人以上の外国人が来ているので人口動態は総務省がどういう理由かこちらに在留されている外国人をカウントしません。それを入れると実は三百七十万を超えているんですね。ですから多文化共生の時代になっているというふうに思っております。
 そうした中で、国籍を問わず誰もが努力をすれば夢がかなえられるということが実感できるということが大事ですね。そして努力をすると。そういう意味でドリームズ カム トゥルー、日本に行くとドリカムだと。ドリカムランドふじのくにというふうなですね、ということを私どもはドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点になるというふうに言っておりまして、それは日本の国の形を見据えた本県の方針ということでございます。そういう国家的な見地に立ちまして新しい日本をつくっていくという先導役を皆さんとともに担いたいということでございます。世界から見た静岡県あるいは世界のひのき舞台に立ったという気概を持って、霊峰富士の姿にふさわしい世界の人々によって憧れられる魅力のある安全な地域を築くべく全力を投じてまいりたいと考えているところであります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 大学入試改革を見据えた教育改革についてお答えいたします。
 高大接続改革は、予測困難な時代にありましても子供たちが生きる力を身につけるための取り組みであります。この改革はこれまでの高校教育を大きく変えるものであり、主体的、対話的で深い学びを実現するための授業改善が求められております。
 このため、県教育委員会では新しい学習指導要領に対応した授業力向上のための研修会を開催しており、さらに本年三月には教員が日ごろから授業改善に取り組めるよう授業づくりのあり方や具体的な実践方法等を示したサポートブックを作成したところであります。
 議員御指摘のとおり、本年度からはコアスクールを指定し探究力や思考力の育成に向け大学教員や企業人を招いた専門的な講義や大学での授業の受講、商店街と協力したアンテナショップの開設や進学実績の向上に向けた予備校との連携など学校の実情に応じてさまざまな取り組みが行われております。これらの取り組みは家庭での学習時間や大学等における探究活動への参加者数、難関国公立大学合格者数、さらには医学部合格者数やセンター試験受験者数などの成果指標を用いて評価し、進捗状況や課題を把握した上で改善につなげていくこととしております。
 県教育委員会といたしましては、学力の三要素の育成のため引き続き教員の授業力の向上を図るとともに、コアスクールの取り組みを深化させながらその成果を全ての高校に波及させ、高等学校における教育改革への対応を図ってまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 応急仮設住宅の確保についてお答えいたします。
 第四次地震被害想定における借り上げ型応急住宅の必要戸数は約六万戸であり、平成二十五年調査による耐震性のある賃貸空き住戸は約十一万戸であります。災害時、地域ごとに世帯人員に応じた住戸を確保することを考慮いたしますと県内の空き住戸全てを対象とする必要があります。
 このためには県内の不動産事業者の協力が不可欠であり、現在、宅地建物取引業協会及び全日本不動産協会と応急住宅として活用できる賃貸住宅の情報提供や媒介を旨とする協定を締結しております。この協定の実効性を担保するためアクションプログラムの推進目標を上回る事業者の協力を目指し、借り上げ型応急住宅は被災者みずからが確保し被災者、貸し主、県で三者契約を結び賃貸料の全額を県が負担することなどを個々の不動産事業者に直接説明しているところであります。
 こうした取り組みを拡大するとともに被災者と空き住戸を速やかにマッチングさせるため、今後は各不動産事業者が管理する地域ごとの空き住戸の情報を市町を通じ被災者に提供する仕組みを整えてまいります。
 県といたしましては、市町や不動産事業者と緊密に連携し被災者のニーズに応じた借り上げ型応急住宅六万戸を確実に提供できる体制を構築してまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 梅藤企業局長。
       (企業局長 梅藤久人君登壇)
○企業局長(梅藤久人君) 西遠工業用水道事業における受水企業のニーズへの対応と経営状況の改善についてお答えいたします。
 西遠工業用水道は地域産業を支える重要な産業インフラでありますことから、安価な水を安定供給するためこれまでも徹底したコストの削減、新規需要の開拓、更新規模の適正化等に取り組んでまいりました。しかしながら繊維産業の縮小など産業構造の変化や節水技術の導入などにより使用水量が減少しております。
 このため、受水企業の多くは議員御指摘のように契約水量の見直しを望んでおります。また経営的には厳しい状況が続いており、昭和四十年代に給水を開始した施設の更新時期を迎えているため収支の改善を図る必要があります。
 こうしたことから、使用水量と乖離が生じている契約水量を使用実態を考慮した水量に見直して受水企業のニーズに応えるとともに、安定経営を維持するため受水企業の理解を得た上で新年度から料金改定を行う方向で現在関係機関と協議しているところであります。
 企業局といたしましては、今後も受水企業のニーズに真摯に対応しながら地域振興整備事業と連携した新規受水企業の獲得や給水実態に応じた更新計画の弾力的な見直しなどに取り組み、西遠工業用水道事業の経営状況の改善に努めてまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 竹内良訓君。
       (四十一番 竹内良訓君登壇)
○四十一番(竹内良訓君) 答弁ありがとうございました。
 次の質問に移ります。遠州灘海浜公園篠原地区野球場の構想について伺います。
 本当に久しぶりにこの件が本会議場で議論されることになりました。平成二十八年春以降浜松市議会でも大型スポーツ施設調査特別委員会を設置し、さまざまな課題に対して調査研究そして真剣な議論がされたと承知しています。
 今議会に基本計画策定事業費として八千万円が上程され、それを受け我が会派の野田議員が代表質問で取り上げさせていただきました。改めて確認すべき事項について私から質問します。
 初めに、収容規模、形態について伺います。
 そもそもこの篠原地区の野球場は、市内中区のほぼ真ん中に位置する浜松市営球場及び競技場の再編整備とどのような関連を持っているのでしょうか。知事は、定例記者会見の席で記者の質問に答える形で篠原地区野球場のプロ野球の試合開催について触れられていました。しかし私は、浜松市内でプロ野球が試合をするならば老朽化しているとはいえ現在の浜松市営球場で十分ではないでしょうか、そう考えています。
 また、知事はやらまいか精神の話もされていました。浜松のやらまいか精神とは新しいことに果敢にともに挑戦していくという意味です。本日もやらまいか精神を胸に秘めた多くの浜松人が傍聴席から県庁に訪れていただいております。
 やらまいか精神のもと浜松人は草薙球場より大きな球場を望んでいるはずだという知事の発言は、浜松のやらまいか精神に対する知事の勘違いか認識不足であると考えます。当該の篠原地区は、浜松駅から南西方向に直線距離で約六・三キロメートルの沿岸部に位置し交通アクセスも決していいとは言えません。静岡市を例にとってみれば、その距離は静岡駅から用宗港までの距離とほぼ同じになります。したがってそこに大型球場を建設したとしても浜松市中心市街地及び都市部の活性化には直接つながりにくいと考えられます。また篠原地区のこの場所は強風や塩害、地震の際に想定される液状化現象などの問題もあり、大型施設の建設にはさまざまな課題があります。
 私のところには、税金でつくるスポーツ施設ならば相乗効果として浜松の中心部を含めた街の活性化につなげなければ意味がない、そういった意見が多く寄せられています。国に目を向ければスポーツ庁と経済産業省がスポーツを核とした地域活性化を推進すべくスタジアム・アリーナ改革をうたいガイドブックを作成し、予算や税制を総動員して二〇二五年までに全国二十カ所の拠点の整備を進めるという方針を示しています。
 残念ながら、いえ当然ながら篠原地区の野球場はこの中に含まれておりません。何よりも県は国に対してエントリーすらしてないのですから。現段階で計画が承認された十一カ所はいずれも中心市街地に計画されたスタジアムまたはアリーナであり、都市の中心部に計画しない限りは国からの予算や税制の優遇を受けられません。わかりやすく言えば郊外に大規模なスタジアムをつくるということは論外だということになります。とするならば今回議論されている篠原地区野球場は静岡市内にある県営草薙野球場や浜松市内にある浜松市営球場とは一線を画し、なおかつ国のスタジアム・アリーナ改革とも異なる別の主眼のもと構想を練り直すべきではないでしょうか。
 先日、野球関係者が共同代表を務める市民団体の皆様が県庁へ来られ一万六千四百三十二名もの署名を添えた篠原地区野球場整備に対する要望書を難波副知事に提出されました。その要望書には篠原地区野球場はプロ野球の試合の招致のための大型球場は不要不急であり、二万二千人収容規模の大型球場は稼働率や採算性も悪く先々その維持管理費は財政を圧迫し行革に逆行する。野球場の規模を縮小して青少年の育成に主眼を置き、同時に県民にとって使い勝手のいい施設にすべきである。具体的には中型、小型の野球場三面をクローバー型に配置し、そのすぐ横に室内練習場を併設される。それによって青少年の健全育成の場としてアマチュア野球の振興と聖地として全国的にも類を見ない施設とすることができる。そうありました。
 これは、まさに知事が言う若者が志を持って努力をすれば夢がかなうというドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点づくりそのものではないでしょうか。そういった施設であればリトルリーグやソフトボールの全国大会の開催、高校野球や大学、社会人野球のキャンプ地としても利用が期待されます。その際には関係者の宿泊利用などさまざまな経済効果も見込まれるはずです。
 そこで、基本構想の中には野球場の設置導入理由の一つとして野球場は浜松球場の代替施設となると記載されていますが、今後浜松で議論されるであろう浜松市営球場及び競技場の再編整備と篠原地区野球場は一体どんな関連を持っているのかまず伺います。
 また、基本計画策定の前提として野球場の収容規模、形態など大幅に見直しが必要だと私は考えていますが、今後県議会からの意見を含めどのように意見集約を図っていくのか、知事の考えを伺います。
 次に、防災機能について伺います。
 都市公園には担うべき機能の一つとして防災機能が当然あります。レベルツーに津波発生時には約二メートルの浸水が想定される篠原地区は、発災直後における津波から公園の利用者や海岸、防潮堤へ訪れた人たちの命を守る機能は立地上必要です。基本構想では防潮堤と野球場をペデストリアンデッキで結び、有事の際海岸より避難できる機能を持たせるとあります。しかし現地に行けば一目瞭然ですが、野球場の建設予定場所よりも南西側に位置する浜松市総合水泳場トビオのほうが実は海岸、防潮堤からの距離も近く、さらに建物の外階段を利用して二階に上がれますので津波の被害から逃れることが今現在でも可能です。
 知事は命を守るために野球場が必要であるとの発言をたびたびされますが、大型の野球場をつくったがために津波によって観戦者の命が危険にさらされてしまうという本末転倒な結果になりはしないかと心配です。
 また、基本構想では平常時の防災機能として野球場スタンド下に二百平米程度、テニスコート一面分ぐらいを啓発コーナーとして設置するとありますが、防災に対する啓発活動をするならば日常的に人の行き来が多い駅周辺に設置したほうが費用対効果も上がるのではないでしょうか。
 さらに、発災後の応急活動開始後にスタンド下のスペースを活用して二千平米程度、競泳用の五十メータープール約二つ分に当たる広さを確保して浜松市の物資集積所とするとありますが、何度も何度も申し上げますが当該の地域は津波の浸水域であることを考えれば広大な高台地域を有する浜松市の中であえてこの場所に物資の集積所を設けるのは現実的ではないと思います。
 以上のように、防災機能に関しても大幅に見直すことが必要だと思いますが、知事は野球場に付随する防災機能及び浜松市とその負担のあり方をどのように考えているのか伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(落合愼悟君) 難波副知事。
○副知事(難波喬司君) 遠州灘海浜公園篠原地区野球場構想についてのうち、収容規模、形態についてお答えをいたします。
 県では、平成二十八年五月に公表した遠州灘海浜公園基本構想におきまして篠原地区を防災・スポーツエリアと位置づけ、スポーツ施設のバランスある配置による新たなスポーツ拠点づくりを公園整備の基本方針としております。
 公園に導入することが望ましい施設としましては、県内全域の県営公園のスポーツ施設の配置すなわち東部、中部、西部地域にどのような施設が配置されているのかと、そういった点を考慮いたしまして県西部地域にはない野球場を選定したものであります。浜松市営球場及び競技場の再編整備にかかわらず県営公園の施設として整備する必要があるものと考えております。
 次に、基本計画策定に当たっての意見集約についてでありますが、計画策定の早い段階から野球関係者や県民の皆様にヒアリングやアンケート調査等により御意見を伺うとともに、県議会議員の皆様から御意見をいただいて野球場の規模や形態等を含めた計画案を作成しパブリックコメントを実施した上で公園の基本計画として取りまとめていくこととしております。
 県といたしましては、基本計画を策定する中で関係の皆様の御意見を幅広く伺いながら篠原地区の野球場の規模や形態などの検討を進め、多くの県民の皆様に愛され利用されるスポーツの拠点づくりを推進してまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 平野交通基盤部長。
○交通基盤部長(平野忠幸君) 遠州灘海浜公園篠原地区野球場構想のうち、防災機能についてお答えいたします。
 都市公園の持つさまざまな機能の一つに防災機能があり、津波の浸水域に位置する遠州灘海浜公園篠原地区にもあらかじめ防災機能を備えておく必要があり、防災機能に関する基本的な考え方につきまして浜松市と基本構想を踏まえて調整を行いました。
 具体的には、津波から生命を守る機能として一時的な避難場所と避難経路を確保することといたしましたが、一時的な避難場所としてはスタンドやコンコースを利用できますことから野球場の規模が拡大することはないと考えております。また避難経路の位置や構造につきましては、今後津波による浸水深と浸水域のシミュレーション結果などを参考に協議していくこととしております。
 啓発コーナーや物資集積所等その他の防災機能につきましては、浜松市の意向を踏まえ導入の有無を検討してまいります。また浜松市との費用負担につきましては、公園施設が通常有する防災機能をさらに強化する場合には改めて協議して定めることを合意いたしました。
 県といたしましては、篠原地区に整備する野球場が平時にはにぎわいを創出するスポーツの拠点となり有事には津波からの避難場所となるよう、浜松市と連携して計画づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(落合愼悟君) 竹内良訓君。
       (四十一番 竹内良訓君登壇)
○四十一番(竹内良訓君) 十一月の十九日の定例記者会見の席で、川勝知事は野球場の規模について、やがてプロがプレーできるような球場が条件の一つになる、二万二千人は譲れないとそう発言しています。この意見集約を図るに当たって規模に関する基本的な考えは二万二千人は譲れないとする考えに今も変わりはないのか、そう発言した知事本人にお伺いします。知事に答弁を求めます。
○副議長(落合愼悟君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 再質問にお答えいたします。
 二万二千というのは草薙球場の規模なんですね。ですからこれを一つの基準として議論されればよろしいと。同時に二万二千というのがどうして出てきたのかといいますと、草薙を改修するときにプロ野球を導入したいという意見がございまして、当時一番最小のプロ野球の球場が楽天の二万二千ということでございました。しかしながら仮にそこにプロ野球が来たとすれば日本シリーズで決勝をするというときには三万人規模の球場が必要だということで、あの球場は二万二千ではございますけれども三万に増設できるようになっております。
 しかし、草薙球場というのはプロのための球場であってはならないという意見が大変多くございまして、やはり野球の聖地であると、ベーブ・ルースと沢村の対戦があったところだということで多くの人たちがお使いになるのにふさわしいということでありました。二万二千というのはそういうところからきた数字であります。
 やらまいか精神、私もやらまいか大使をしておりますので認識に誤りがあれば正しますけれども、ともあれ一番多くお使いになるのは浜松の市民の皆様ですから十分に議論していただければいいと、今は基本計画をこれから多くの方々の意見を聞いて決めていくというそういうように難波副知事のほうから御答弁申し上げ、これは県全体の基本方針でございます。広く会議を興して万機公論に決すということでいいのではないかと。
 二万二千は一つの議論のいわばその指標になるのではないかというふうに思っておりまして、私は個人的にはプロ野球、北は日本ハムから南はソフトバンクまで皆太平洋を行き来するわけですね。ですからそのちょうど中間にありますので寒いところに位置しているプロ球団には羨望の地理的な利点は持っていると。実際草薙の改修をしましたときにも三つばかりのプロ野球から相当なアプローチがございました。したがって本気で考えたこともあったわけです。
 そうしたことに照らしまして、浜松から遠いですけれども高原でしたか、あれは高塚ね。そこからはちょうどいいくらいの距離ではないかとも思っております。
 そうしたことで、これは私の意見を押しつけるものではなく浜松市民の方が中心になってまた県全体を見渡してみんなで議論をして決めていくと。特段今急ぐべき理由はどこにもありません。もう一度原点に戻り広く会議を興し万機公論に決すという五箇条の御誓文の第一条、これをベースにしてやればいいのではないかというのが私の現在の考えでございます。以上でございます。
○副議長(落合愼悟君) 竹内良訓君。
       (四十一番 竹内良訓君登壇)
○四十一番(竹内良訓君) 私が再質問をして、川勝知事就任をして答弁をしていただいたのは実は初めてでございまして、ありがとうございます。
 知事がよく言う五箇条の御誓文には次の条に「上下心を一にして、 盛んに経綸を行うべし」というのがありました。いろんな現代語訳があると思いますけれども、治めるものと人民が心を一つにして盛んに国家統治の政策を行うべきとそういうくだりもありました。治める者、上に立つ者自身が心を開かないと下の者は議論すらできないと思っています。
 今の知事の答弁で、私は基本構想としては存在するけれども白紙でこれから議論をしていくと理解をさせていただきます。
 我々県議会はみんな私も含めて地域の発展を心から望んでいます。知事もきっと同じだと思っています。一方で川勝知事が故郷である、ふるさとである京都に対して特別な思いがあるように、私も浜松に対しては特別の思いを持っています。野球場の話も今目の前のことを考えればないよりあったほうがいいでしょう。でも利用する人たちのこと、維持費のこと、将来の負担のこと、これからの浜松の都市経営のこと、いろんなことを複合的に考えて判断をしていかなければいけないのかなと思っています。なぜならそれが私にとってのふるさとだからです。次の世代に胸を張ってふるさと浜松を引き継いでいく責任があるからこそ私はこの問題には非常にこだわっています。
 時間がありませんので、議論の場を建設委員会に移してもっともっと深掘りをさせていただくことをお約束をして質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)

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