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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

藪田 宏行 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/11/2017

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 次期総合計画における地域区分の考え方について          
2 モンゴルとの地域外交について                  
3 環駿河湾地域の観光振興について                 
4 ふじのくに茶の都ミュージアムの開館について           
5 台風第二十一号による沿岸部の被害への対応について        
6 特別支援学校における教育環境の整備について 


○副議長(山田 誠君) これで田形誠君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、三十九番 藪田宏行君。
       (三十九番 藪田宏行君登壇 拍手)
○三十九番(藪田宏行君) 私は自民改革会議の所属議員として、県政の諸課題について通告に従い知事、副知事並びに関係部局長及び教育長に分割質問方式にて質問をいたします。
 初めに、次期総合計画における地域区分の考え方について伺います。
 本県では、歴史的な背景や東西に長いという地理的な特性を踏まえ県内を複数に区分し各地域の目指すべき姿を明らかにした上で地域づくりを進めてまいりました。本県の地域区分の変遷を見ると平成の初頭には当時の行政センター単位に分けた九地域でありましたが、東部、中部、西部の三地域区分の時代を経て平成十八年度にスタートした総合計画、魅力あるしずおか二〇一〇年戦略プラン後期五年計画において現在と同じ伊豆半島、東部、中部、志太榛原・中東遠、西部の五つの地域設定となりました。現在の総合計画後期アクションプランでも政令指定都市との連携、役割分担や富士山静岡空港周辺地域における新たな地域発展の推進を図るといった観点から五圏域による地域づくりを進めてきております。このうち志太榛原・中東遠地域については二つの政令指定都市の間に位置し、空の玄関口である空港を初め東名・新東名高速道路、金谷御前崎連絡道路、御前崎港などの充実した交通ネットワークと豊かな農林水産物や大茶園を初めとする農の景観も生かし広大で美しい自然空間と空港などの都市機能が調和する都市の形成に取り組んできたところと承知しております。
 現在、県においては次期総合計画を策定しているところであり新たな地域づくりの基本方向の案が示されていますが、これまでの五つの地域圏に変え四つの地域圏を設定しております。この案では志太榛原・中東遠地域について、志太榛原地域は現計画の中部地域と一体となった新たな中部地域として、中東遠地域は現計画の西部地域と一体となった新たな西部地域として地域づくりを推進するとされました。志太榛原・中東遠地域はこれまで一体としてきた圏域が二つに分けられることとなり大きな転換であると考えております。これまで十二年間にわたって富士山静岡空港を中心とした臨空都市圏構想の形成に向けた取り組みを進めてきたことを踏まえると残念な気がいたします。
 そこで、今回どのような考え方に基づいて地域区分を見直すこととしたのか伺います。また地域づくりは県だけで進められるものではなく市町や県民と一緒に進めていくものであると思いますが、地域区分設定の考え方をどのように周知し共有していくのかあわせて伺います。
 次に、モンゴルとの地域外交について伺います。
 先月十三日、十四日に浙江省との友好三十五周年記念式典や関係事業に参加して地域外交の狙いや重要性を自分なりに理解しましたが、平成二十三年七月に友好協定を締結したモンゴルとの交流について伺います。
 県は、モンゴルのドルノゴビ県と協定を締結後高校生の相互派遣など人材交流に焦点を当てた取り組みを進め、本年八月にも県議会議員団を初め総勢百二十人の交流団を派遣するなどモンゴルとの交流は着実に進展を遂げつつあります。また他の県とも交流の可能性があることもお聞きしております。
 しかしながら、そうした進展の裏にもう一つ忘れてはならない重要なことがあると私は考えております。それはさきの大戦において祖国のために戦い、終戦後日本への帰国への悲願もむなしく遠いモンゴルの地で亡くなられた多くの英霊に思いをはせることであります。主にシベリア抑留から強制移住させられ捕虜兵士となった人たちは国立図書館、劇場、映画館、大学、ホテル、マンション、ビール工場ほかの建造に従事させられましたが立派に建造した建物などは今も使用されているものもあると聞いております。
 厚生労働省の調査では、さきの大戦でモンゴル地域での抑留を余儀なくされ壮絶な抑留生活の末命果てた日本人が約千七百人おられ、このうち本県の関係者は四十六人とされております。このような方たちを慰霊するため、国では厚生労働省においてモンゴルの首都ウランバートル市のダムバダルジャーに日本人死亡者慰霊碑を平成十三年十月に建立し現地の方によって手厚く守られていると聞いております。この慰霊碑を含めモンゴル国内には大小十六カ所の日本人墓地があるそうであります。これまで日本から総理大臣など多くの方がお参りされているとも聞いており、この慰霊碑はモンゴルと日本の交流の礎とも言うべき存在ではないかと思います。
 本県では、平成二十二年以降知事などを団長とするモンゴル訪問団を数回派遣しており、知事はこの慰霊碑には最初の訪問時に訪れたことがあると聞いております。モンゴルとは交流の重点国の一つとして今後も交流を進めていくものと思いますが、その交流を進めていくに当たりこれまでの人的交流などの取り組みに加えこのような慰霊碑がウランバートルにあることを多くの方に御理解いただくとともに、先人の御労苦をしのび英霊のみたまに哀悼の意をあらわすことも大変に重要なことと考えております。しかし残念なことにモンゴル・ドルノゴビ県と友好協定を締結し交流が本格化した平成二十三年以降には改めて慰霊碑を訪れる機会がなかったと聞いております。
 今後は、こうした思いを礎としてその上で経済、教育、文化交流などを進めていくことがモンゴルとの交流の意味について県民の理解をより深め今後のさらなる交流の進展に寄与するものと考えますが、公益財団法人静霊奉賛会名誉会長でもある知事の考えを伺います。以上について答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 藪田議員には、このたび自治功労者表彰を御受章なさいましておめでとうございました。
 モンゴルとの地域外交についての御質問にお答えいたします。
 本県では、これまでモンゴルを交流の重点国・地域の一つに定め平成二十三年に友好協定を締結したドルノゴビ県との間で高校生の相互派遣などの人的交流や下水道に関する技術協力などに取り組んでまいりました。これらの交流実績が評価せられましてモンゴル国政府の食糧・農牧業・軽工業省とは経済分野で、また教育・文化・科学・スポーツ省とは教育分野での協力に関する覚書を調印するまでになりさまざまに連携した取り組みを進めてまいりました。昨年十月にはセレンゲ県――モンゴルの台所と言われている県でございますが――そこと農業分野での協力に関する覚書に調印をいたしました。栽培技術協力などの取り組みも進んでおります。このような結果本県はモンゴル国大統領を初めとする政府関係者から高い評価を得ております。
 私は、これまで本県訪問団の団長として六回モンゴルを訪れました。ウランバートルの日本人死亡者慰霊碑に参りましたのは平成二十二年八月の最初のモンゴル訪問時でございました。それ以降まことに残念でありますが現在まで再訪する機会はございません。
 さきの大戦が終わりを告げて七十三年の歳月が過ぎようとしております。この間日本は世界に類を見ない平和で豊かな国家を築いてまいりました。議員御指摘のとおり我が国が今日の平和と繁栄を得るに至るまでには苛烈をきわめた戦いの末異郷の地で倒れ望郷の念を抱きつつも帰らぬ人となった本県出身者を含む多くの方々などの大変な御労苦があったことを忘れてはなりません。そのためにも次に私がモンゴル国を訪問する際には再び現地の慰霊碑を訪れ哀悼の誠をささげ不戦の誓いを立てたいと存じます。あわせて現地にて大切に慰霊碑をお守りいただいている方々に御礼を申し上げたいと考えております。
 その上で、今後のモンゴルとの交流につきましてはこれまで関係を築いてきたドルノゴビ県、セレンゲ県、政府関係機関などと連携し強い未来志向を持って高校生などの青少年交流や東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプの実施支援などを進めるほか、農業を初めとした通商の促進にも努めてまいります。以上でございます。
○副議長(山田 誠君) 佐藤静岡県理事。
       (静岡県理事 佐藤典生君登壇)
○静岡県理事(佐藤典生君) 次期総合計画における地域区分の考え方についてお答えいたします。
 本格的な人口減少や高齢化が進む中、世界に誇れる特色ある魅力を備えた持続可能な地域を形成していくためにはこれまで以上に県内市町がその個性を生かしながら連携協働していくことが重要であります。既に静岡市を初めとする五市二町による連携中枢都市圏の形成など地域の実情に応じた広域連携の動きも生じております。
 次期総合計画では、このような広域連携の動きも踏まえ一定の人口規模を備え地域の活力の持続が可能であること、自然的、社会的条件から一体性を有し場の力を最大限に活用した地域づくりが期待できることという考え方から伊豆半島、東部、中部、西部の四つの地域区分をお示ししております。新たな中部地域は空・海・陸のネットワークの充実と豊かな歴史・文化の集積を生かし世界の人々が集う中枢都市圏を目指してまいります。西部地域はトップクラスの技術を持つものづくり産業や豊かな自然の恵みを生かした農林水産業をさらに発展させ、新たな価値を生み出す創造都市圏を目指してまいります。しかしながら地域区分は厳密に区切られるものとは捉えておりません。地域区分にとらわれないボーダレスな視点から広域的な施策も推進してまいります。
 こうした地域区分の考え方につきましては、知事と市町長との意見交換の場である地域サミットや県と市町の企画担当者で構成する地域政策会議等を通じて周知を図っているところであります。
 今後とも、さまざまな機会を通じて魅力ある地域づくりに協働して取り組めるよう市町の皆様と地域の目指す姿の共有化に努めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 藪田宏行君。
       (三十九番 藪田宏行君登壇)
○三十九番(藪田宏行君) 御答弁ありがとうございました。
 御案内のように、中部、西部に分かれる計画になる中においても御前崎港などはまさに中部と西部の端境にあると、牧之原市、御前崎市両方に所属する港であります。そうしたことがたくさんあろうと思いますので、どうか県を挙げて慎重に地域の声も聞いた上で地域づくりを進めていただきたいと思います。
 もう一点要望します。
 我が会派では、フィリピンのレイテ島にある静岡県で有志がつくった慰霊碑にも有志で墓参をしております。これは慰霊碑にお参りするとともに、現地の人がですね本当にきれいに管理をしていただいております。モンゴルはですね、このたくさんの人が亡くなっているノモンハン事件というのが先ほど知事が七十年前と言っていましたが――日本軍が南進に転ずる機会となったノモンハン事件でございますね、一万七千人を超える日本人の死傷者が出たわけですがモンゴル軍、ソ連軍と戦っているわけですね。そうした敵国日本の慰霊碑であっても現地の人たちが温かく、行ってみればわかりますが本当にきれいにしてくれている現状を見ますとこうしたお互いの交流が国を越え地域の深いきずなにもなっているんじゃないかなと思いますので、ぜひほかの国にもたくさんあろうかと思いますが県のほうでも検討していただきたいと思います。
 次に、環駿河湾地域の観光振興について伺います。
 平成二十八年十一月、メキシコのプエルトバヤルタでの会議で駿河湾が世界で最も美しい湾クラブに加盟決定されてから一年余りが経過しました。この加盟を契機に世界遺産富士山、伊豆半島ジオパーク認定といった世界的な観光資源との相乗効果による交流人口の増大や県民による駿河湾の魅力の再認識と保護活動の推進、駿河湾の世界的な知名度向上などのさまざまな効果が期待されていました。しかしながら地元の声を聞くと加盟後間もないこともありその効果がまだ実感できておらず今後どうなっていくのか注目しているようであります。
 そのような中、官民一体となって魅力ある駿河湾を未来に継承するとともに、駿河湾のブランド力に一層磨きをかけ富士山や三保松原、伊豆西海岸さらには御前崎灯台や水平線が丸く見える地球が丸く見えるん台、マリンパーク御前崎、牧之原市内や御前崎の海水浴場ほか数多くの観光資源を組み合わせ魅力ある周遊、滞在ルートの提案をすることにより新たな人や物の流れをつくり出し、地域への滞在時間の延長や来訪の促進を図る必要があると考えます。
 さらに、ラグビーワールドカップ二〇一九、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催に向け大型クルーズ船の誘致など国内外の観光客の誘客を地域一丸となって進めることで、駿河湾周辺地域の観光振興や地域経済の発展と共存につなげていくことが重要だと考えます。
 そこで、環駿河湾地域の観光振興に係る県の取り組みについて伺います。
 次に、ふじのくに茶の都ミュージアムの開館について伺います。
 本県は、西は浜松から東は御殿場まで、北は井川、天竜から南は御前崎まで県内のあらゆるところでお茶が栽培され生産量で全国の約四割を占めるとともに流通量で六割を占める生産、流通の拠点であります。特に牧之原台地は明治維新に元徳川幕府旗本中条景昭や後に国会議員になる静岡県議会二代議長の池新田村名主の丸尾文六らによって開拓が始められ、立地条件と相まって日本一の大茶園となる基盤がつくられました。また一八五八年日米修好通商条約締結に伴い生糸とともに茶が日本の輸出品として重要な地位を占め、明治四十二年には横浜港を抜いて清水港が日本一の茶の輸出港になり全国輸出高の約六割を占めるなど名実ともに静岡が茶の都の拠点としての礎を築いてきたと言えます。
 その一方、最近の茶業は消費者の飲料に対する嗜好の多様化などからペットボトルが主流となりつつあり、リーフ茶の消費は低迷し生産出荷額や茶栽培農家も激減するなど厳しい環境にあるのが現状です。
 こうした中、この牧之原台地に茶の都しずおかの拠点としての機能を有するふじのくに茶の都ミュージアムが計画され来年春の開館まであと三カ月半となりました。このミュージアムには本県の代表的なお茶の施設となるだけでなくトップクラスの茶博物館としての役割が期待されております。
 そこで、今後どのような施設を目指すのか県の考えを伺います。
 次に、台風第二十一号による沿岸部の被害への対応について伺います。
 本年の十月は、二週連続で台風が静岡県に来襲し各地にさまざまな被害を及ぼしました。特に十月二十三日未明に御前崎付近に上陸した台風第二十一号は強い勢力を保ったまま県内を通過し、広範囲にわたって大きな被害をもたらしました。危機管理部が公表した資料によれば人的被害は県内で重傷者二名、軽傷者二名にとどまったものの高潮と高波により沿岸部を中心に施設の大きな被害があったと聞いています。東西交通の大動脈である東名高速道路では駿河湾に面した静岡市清水区由比付近で道路脇の越波防止柵やガードレールが高波により破損し、国道一号線とともに長時間にわたって通行どめになり県民そして国民の足に大きな影響を及ぼしました。また本県のものづくり産業を支える物流拠点であり海の玄関口でもある清水港では波が岸壁を越えて地域の主要幹線道路としても利用されている臨港道路や生活道路にまであふれ、冠水している様子が報道されたことはまだ記憶に新しいところでございます。
 静岡地方気象台によれば、台風が上陸した当日には清水港で観測史上最高潮位を記録するなど各地でここ近年では経験したことのない海面上昇であったことが明らかになっております。台風の接近による気圧の低下と満潮時が重なったことが異常潮位の原因とされておりますが、県内港湾や漁港などの公共施設のみならず漁業協同組合等が管理している漁業関連施設にも被害が広く及んだものと多くの関係者から聞いており、これまでに経験したことのない高潮により被害を受けた施設の一日でも早い復旧が望まれているところであります。
 そこで、今回の台風第二十一号による高潮、高波による沿岸部における被害の状況と今後の復旧に向けた県の対応について伺います。
 最後に、特別支援学校における教育環境の整備について伺います。
 先日、御前崎市から掛川市や吉田町にある特別支援学校に通う子供を持つ親からお話を聞く機会がありました。それは障害のある子供を育てる経験のない私にとっては大変な御苦労ともとれる内容のものがほとんどでありましたが、そんな中でも保護者の方からは我が子を温かく見守り、ときには厳しく接して一人前に育てていくという熱い思いが切々と感じることができる貴重な機会でありました。
 その中で、保護者の方から特別支援学校では空調設備がない教室があるということを聞きました。その方によりますと――知的の障害を持つ子供の保護者でありますが――夏の時期は暑さで子供が落ちつかずときにはパニックを起こしてしまうことがある、そうなってしまうと勝手に動き回り壁や物にぶつかってしまいけがをすることもある、学校の先生方はしっかり見てくれておりますがどうしても心配になってしまうと子供のことを心から心配するものでありました。
 文部科学省の調査では、特別支援学校の普通教室と特別教室への空調設置率は全国平均の七四%に対して本県は五〇%未満となっています。教育委員会によれば体温調節のできない子や暑さに対して自分で対処できない子供の多い肢体不自由の障害がある子供の教室を中心に設置しているとのことでありますが、半数以上の教室に設置されていないということでは保護者の方が心配するのは当然であろうと思います。障害のある子供が学ぶ場として十分と言えるものではないと思います。
 埼玉や神奈川、京都では特別支援学校の空調設置率が九五%を超えており、障害の種類に関係なく全ての教室に設置することを原則としていると伺っています。また浜松市では市民や学校現場からの声を受け、平成三十二年度までに全ての小中学校の普通教室にも空調を設置するとの新聞報道があったことは記憶に新しいところであります。
 障害がある子供にとって空調設備は安全な学校生活を送るために必要最低限のものであると考えますが、特別支援学校への空調の整備について、教育長の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 難波副知事。
○副知事(難波喬司君) 環駿河湾地域の観光振興についてお答えをいたします。
 伊豆半島の先端にある石廊崎から議員御指摘の御前崎まで、駿河湾に沿った環駿河湾地域は四季折々の風光明媚な自然景観だけでなく黒潮の影響を受けた温暖な気候や多様な自然と風土に恵まれた食文化など世界でも類いまれな恵みや地域資源を誇っており、また日本古来の和歌集や浮世絵などに描かれるなどはるか昔から多くの人々に愛されてきました。世界で最も美しい湾クラブの加盟を契機にこうした本県が誇る環駿河湾地域の宝をさらに磨き上げその魅力を高め、質の高い滞在メニューとすることで訪れた人に長く滞在していただき、訪れてよかった、住んでみたいと感じていただけるようにすることが重要です。
 このため、県では駿河湾を囲む自治体や観光関係団体など官民が一体となって清水港から伊豆半島の土肥港を結ぶフェリー航路を活用した周遊ルートの開発や駿河湾をつなぐサイクリング環境の向上などにより環駿河湾地域の魅力を高める取り組みを展開しております。さらにこうした取り組みにより発掘された観光メニューを平成三十一年春に開催されるデスティネーションキャンペーンでPRし、本県への訪問者の増大につなげてまいります。
 加えて、駿河湾を中心とした各港でクルーズ船誘致の機運が高まっておりますことから、本年七月に設立したふじのくにクルーズ船誘致連絡協議会におきまして誘致活動の情報共有や誘致手法の研究、船会社等への共同誘致に取り組むとともに、静岡ツーリズムビューロー――TSJを通じて戦略的なインバウンド施策を展開することで増加する外国人観光客に付加価値の高い滞在型旅行商品を提供してまいります。
 県といたしましては、環駿河湾地域の観光資源を活用し訪れる人にこの地域ならではの魅力を満喫していただくとともに、県民の皆様が世界で最も美しい湾クラブへの加盟の効果を実感し地域への愛着と誇りの醸成につながる観光地域づくりを進めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 吉田農林水産戦略監。
○農林水産戦略監(吉田 茂君) ふじのくに茶の都ミュージアムの開館についてお答えいたします。
 ふじのくに茶の都ミュージアムは、熊倉館長を総合監修者とし来年三月の開館に向けて整備を進めております。施設は日本一の牧之原大茶園との調和を図るため小堀遠州の綺麗さびを取り入れた県産材の吹き寄せ壁を設置するとともに、入り口の動線を変更することで国内外からの多くの来館者の皆様に衣がえした博物館や魅力ある茶室と日本庭園が利用しやすくなるよう工夫いたしました。
 新たな取り組みといたしましては、地域ごとに特色のある県内の茶産地の紹介や水車により稼働していた製茶機械の展示等により本県の茶産業やその歴史を理解していただくとともに、お茶の香水などの新商品の展示や映像を駆使したお茶の機能性の解説などさまざまな角度から魅力を発信してまいります。
 さらに、昨年十二月に制定された静岡茶の愛飲促進条例を踏まえ子供たちのお茶への理解が深まるよう香りや味の変化を学ぶセミナーや世界のお茶の飲み比べなど体験メニューを充実させることで若者を中心としたお茶のファンづくりに取り組むほか、展示や体験で興味を持った商品がミュージアムショップで購入できる仕組みを取り入れお茶の消費拡大にもつなげてまいります。
 県といたしましては、お茶に関する産業、文化、学術の情報の集積と発信により茶産業の発展につなげるとともに、周辺のお茶の文化施設や研究機関、富士山静岡空港などとの連携を通じて地域全体の魅力を高めることで観光振興にも結びつけ、茶の都の拠点にふさわしい県民の誇りとなるミュージアムを目指してまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 鈴木交通基盤部長。
○交通基盤部長(鈴木克英君) 台風第二十一号による沿岸部の被害への対応についてお答えいたします。
 十月二十一日から二十三日までの台風二十一号による県内沿岸部の主な公共土木施設の被害状況でございますが、県が管理している清水海岸では突堤等三施設、清水港など四港湾では護岸等十一施設、焼津漁港と戸田漁港では防波堤等十一施設、市町が管理している下河津漁港など三漁港では防波堤等五施設の合計三十施設、約三十八億六千万円の被害を国に報告したところであります。また漁業施設等の被害につきましては由比から焼津までの地域を中心に県内全域で市場施設や製氷施設、定置網等の漁具、養殖施設、漁船などのさまざまな被害が報告されており、被害総額は約五億二千万円に上っております。
 このような施設被害のほかに海岸に大量のごみや流木等が漂着したため、環境省の海岸漂着物等地域対策推進事業を活用するとともに、ボランティアの皆様の御協力をいただきながら県と市町が連携し現在除去作業を進めております。
 公共土木施設や漁業施設の復旧につきましては、国の災害復旧事業を活用し年明けに行われる災害査定に向け申請準備を進めるとともに、当初予算の不足額について十二月補正予算として本議会に予算措置をお諮りしているところであります。
 県といたしましては、被災した施設を一日でも早く復旧することにより沿岸部の公共土木施設の安全を確保し関係の皆様が安心して御利用いただけるよう迅速な対応を図ってまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 特別支援学校における教育環境の整備についてお答えいたします。
 子供たち一人一人の能力や資質を伸ばしていくためには、学校における教育環境を充実させることが必要であり、とりわけ障害がある子供につきましては学校で安全に過ごすことができる学習環境を整備することが極めて重要であります。
 特別支援学校の空調につきましては、体温調整が困難な児童生徒が在籍している肢体不自由児を対象とした学校では普通教室への設置を進めており、本年四月に移転した西部特別支援学校は全ての教室に整備しております。
 また、知的障害など肢体不自由以外の特別支援学校につきましては気温や湿度が高いことにより情緒が不安定になり思いがけない行動をとる児童生徒がいることから、必要に応じて空調設備を整備してきております。しかし議員御指摘のとおり設置率は低い状況となっております。
 特別支援学校につきましては、入学者数の増加により狭隘化や通学負担が課題となっており、さらに近年の夏の酷暑に加え多様化する児童生徒の障害の状況を考えますと既存施設の空調の整備は喫緊の課題であり、今後空調設備の整備などを含めた教育環境の向上に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 藪田宏行君。
       (三十九番 藪田宏行君登壇)
○三十九番(藪田宏行君) 御答弁ありがとうございました。
 三点要望させていただきます。
 環駿河湾地域の観光振興ですが、なかなか観光資源というのは難しい面もあるわけですが、例えば今清水港を初め静岡県内、伊豆の東部の熱海等も含めて大型クルーズ船を誘致しようということでやっているわけですが、西のほうからやってきますとですね、最初に御前崎の灯台が海にぱっと出ます。それでもう少し入ってきますと富士山が出ます。南伊豆も東部から来ますと石廊崎の灯台がぱっと見えます。それで駿河湾に入ってきますと富士山が見えます。この資源なんていうのはなかなか見られないと思うんですが、ほかにもたくさん地元のいろいろ調査するとあると思いますのでぜひお願いをしたいと思います。
 茶の都ミュージアムの開館についてですが、先日我が会派の同志の宮城県議から資料をいただきまして、今一番早いお茶が種子島から出るわけですが、種子島のお茶の御先祖は静岡県の恩恵を大変受けているということで向こうの茶商さんも、インターネットで調べても静岡県のおかげという趣旨のことが書いてあるお店もあるぐらいであります。そうしたことで静岡県の先人たちがお茶に対して御苦労されたこと、そうしたこともぜひミュージアムの中で全国に発信をしていただきたいなと思います。
 最後に、特別支援学校の教育環境の整備です。やはり財政的な問題もあろうかと思いますが、やはり我々県議団もいろんなところで静岡県の教育予算が少ないじゃないかと、全国の中でも少ないじゃないかとよく資料を見せられてお聞きすることがあるわけですが、まあ、こういうこと、特に障害を持たれた方の空調等はですね優先的にやっていただきたいと思います。浜松、静岡の政令市もお金あるとは思いますが、静岡県の教育もぜひお願いをして質問を終わります。以上です。(拍手)
○副議長(山田 誠君) これで藪田宏行君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

○副議長(山田 誠君) 次会の議事日程を申し上げます。
 十二月十二日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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