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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

林 芳久仁 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/30/2014

会派名:

ふじのくに県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について                     
 (1) 県内市町との協調体制                     
 (2) 市町への権限移譲                       
 (3) 県と市町の人事交流                      
2 財政健全化の取り組みについて                  
3 高規格幹線道路等を活用した物流機能の強化について        
 (1) 本県の物流戦略                        
 (2) 駿河湾港の活用                        
4 人口減少対策への取り組みについて                
 (1) 経済産業政策の役割                      
 (2) 観光交流人口の増大                      
5 がん診療提供体制の充実強化について               
6 高齢者の社会参加と生活支援サービスの充実について        
7 農水商工連携による六次産業化の推進について           
8 富士山火山三県合同防災訓練二〇一四について           
9 公契約について                         
 (1) 技能労働者への適切な賃金水準の確保              
 (2) 公契約のあり方                        
10 教育行政について                        
 (1) 静岡式三十五人学級編制の見通し                
 (2) 教員の多忙化解消の取り組み                  
11 警察行政について                        
 (1) 検視の現状                          
 (2) 静岡県警察速度管理指針


○副議長(伊藤育子君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、四十番 林 芳久仁君。
       (四十番 林 芳久仁君登壇 拍手)
○四十番(林 芳久仁君) それでは、質問に入る前に、八月の大雨による土砂災害で甚大な被害に遭われ、お亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被災に遭われた方々にお見舞い申し上げます。またさらに二十七日の御嶽山の噴火により、残念ながらお亡くなりになられた方、そしてまだ行方がわからない方、そして生死をさまよっている皆さんもいるということで、本当にお悔やみ申し上げるとともに、なるべく早い復興等含めてその方が元気になるようにお祈り申し上げたいと思います。
 それでは質問に入ります。
 私はふじのくに県議団を代表して当面する県政の全般につきまして、知事並びに関係部局長、教育長、警察本部長に一括質問方式で伺います。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、県内市町との協調体制について伺います。
 知事は、本年三月、甚大な被害が予想される南海トラフ巨大地震を初め予断を許さない雇用情勢や人口減少社会の到来など、総合計画策定後の本県を取り巻く環境の変化への的確かつ迅速な対応を図り、県民幸福度の最大化を目指すふじのくにづくりの総仕上げに向けた後期アクションプランを策定しました。このプランでは、ふじのくにづくりの総仕上げに向けた重点取り組みとして、大規模地震への万全の備え、内陸のフロンティアを拓く取り組み、人口減少社会への挑戦、富士山を生かした地域の魅力づくり、健康寿命日本一の延伸、新成長産業の育成と雇用創造、エネルギーの地産地消、多彩な人材を生む学びの場づくりの八つを掲げております。知事が目指す姿を実現するためには、今後四年間、これら八つの点について県や市町、地域住民、関係機関が連携して総力を挙げて取り組むことが不可欠であると思います。そしてその中でも基礎自治体として地域の包括的な役割を果たし、住民の皆さんとともにまちづくりの担い手となる市町との連携は、知事が掲げる「住んでよし 訪れてよし」、「生んでよし 育ててよし」、「学んでよし 働いてよし」の理想郷の実現の成否を握る重要なキーポイントであると言っても過言ではないと思います。
 私は、知事就任直後の平成二十一年九月定例会でも市町との協調体制づくりについて質問いたしました。二期五年目を経過した現時点で、改めて県内市町との協調体制に関する現状の評価と今後のより一層の協調体制の確立に向けた方針について、知事の所見を伺います。
 次に、市町への権限移譲についてであります。
 機関委任事務の廃止を盛り込むなど地域社会の多様な個性を尊重する行政システムへの変革を目指して、地方分権一括法が平成十一年に制定され、ことしで十五年目を迎えます。また平成五年に国会で地方分権を推進する国会決議がなされてから二十一年目になりますが、地方分権がどのように進んだのか、都道府県においても市町村においても実感がないとの声が聞かれます。先般、内閣府が地方分権の課題を探るため、都道府県と千七百四十二市区町村全てを対象に行ったアンケート調査結果が公表され、報道によれば、義務づけ・枠づけが緩和され地方の自立が進んだと評価する一方、権限移譲でふえた仕事の対応に苦しむ市町村があることも浮かび上がったとされております。そこでより詳細に内閣府の調査結果を確認したところ、市町村の規模によるところもありますが、専門性の高い仕事も移り職員の経験不足で事務の対応に苦慮するとの意見や、現在の仕事で精いっぱいのため自主性、主体性を持った政策立案がなされにくい、職員の意欲低下を招いている等の意見が出されております。
 本県では、県から市町への権限移譲の法律本数では十年連続日本一を続けており、これは誇るべき成果でありますが、この全国のアンケート調査の実施を踏まえ、我が会派でも独自の調査を進めております。県内の一部の市町から寄せられた声を御紹介しますと、権限移譲はされたものの年に一、二件程度の処理しかない事務は非効率ではないか、財源も移譲事務に見合った額になっているのかなどの声が聞かれています。これまでも権限移譲をする上で十分に市町の希望等を踏まえて進めていると認識しておりますが、県においては、移譲した事務に対し市町への支援について十分行われているかという問題意識を常に持つ必要があると考えます。権限移譲を進める上でさまざまな課題があるとは思いますが、私は地方分権の観点から、これまでと同様に積極的に権限移譲を進めることが必要と考えております。
 本県においては、川勝知事のリーダーシップのもと、本年三月に策定された第二期の権限移譲計画に基づき、今後も住民の福祉向上に向け必要な権限移譲が一層力強く進められるべきと思います。権限移譲に伴うこうした課題をどのように認識し、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、県と市町の人事交流についてであります。
 県は、市町との連携を通じて県全体の行政運営の効率化や最適化を促進するとしていますが、そのためには県と市町の相互理解を深めることを通じてよりよい協力関係を築くことが不可欠です。このため県と市町の職員が対等の立場で実務を通じて学び合うことによって視野を広め、それぞれの職員の資質の向上を図る人事交流はますます重要になるものと考えます。
 県では、これまで県・市町職員人事交流実施要綱に基づく人事交流や市町からの要請に基づく技術職員の派遣を実施し、知事が就任されてから毎年百人程度の交流を行っております。また市町が抱える重点政策課題や必要とする専門性を踏まえ、市町支援の取り組みの一つとして市町の幹部ポストに積極的に県職員を派遣する方針も示されております。
 県は、技術職員の派遣や人事交流制度の活用、また市町の幹部ポストへの職員派遣を通じて、引き続き市町との連携を進めていくものと思われますが、改めて県と市町の人事交流の考え方や今後の進め方について所見を伺います。
 次に、財政健全化の取り組みについて伺います。
 去る八月、国は各省庁からの来年度の概算要求を取りまとめました。その内容を見ると、一般会計の要求額は過去最大の百一兆円余りで百兆円の大台を初めて超え、歳出の抑制は依然としてままならない状況であります。本県におきましても来年度の予算編成の時期が近づいております。昨年度策定した地震・津波アクションプログラム二〇一三の着実な推進を初め後期アクションプランに掲げる県政の喫緊の課題に対処するためには、一定規模の歳出を確保せざるを得ません。また医療や介護などの社会保障関係費が年々増加する中で、歳出削減が難しい義務的経費の歳出全体に占める割合が高どまりし、本県の歳出構造は硬直的になっております。本県は他県に先駆けて行財政改革に取り組んでおり、今後も歳出削減の努力をすることは当然でありますが、私は歳出の削減にも限界があると考えます。
 こうした状況の中で、大切になるのは歳入の確保であります。本県の歳入の大半を占めるのは税収でありますが、税収は景気の動向の影響を大きく受けます。政府の八月の月例経済報告を見ますと、景気は緩やかな回復基調が続いているとする一方で、景気の先行きを下押しするリスクとして駆け込み需要の反動の長期化を挙げ、消費や生産などの持ち直しの行方に警戒感を示しております。また六月の日銀短観では、県内中小企業の景況感は大企業ほど回復しておらず本県の景況感は全国で最低であるとの結果も示されております。本年度の税収の見通しは決して楽観視することはできないと感じております。
 このような税収の不安な要因や新たな財源捻出のため、これまで県では、県税の徴収率の向上や未利用財産の売却を初めさまざまな歳入確保につながる取り組みを進めてきたことは評価しております。しかし今後必要となる歳出の確保と財政の健全化を両立するためには、私はさらなる歳入確保の取り組みが鍵になると考えます。
 そこで、歳入確保の取り組みを中心として、今後の財政健全化の取り組みに対する県の所見を伺います。
 次に、高規格幹線道路等を活用した物流機能の強化についてのうち、本県の物流戦略について伺います。
 平成二十四年四月に新東名高速道路の県内区間が開通して二年が経過しました。この間、本県地域経済への新東名開通による波及効果は目に見えて拡大してきております。生産・物流拠点の立地に関して言えば、工場立地件数は開通前の約二倍に増加したほか、首都圏や中京・関西圏へのアクセス性のよさからインターチェンジの周辺では物流施設が多数立地してきております。新東名に近い富士山フロント工業団地では、開通前には二割の契約数だったのが開通後二年で完売となり、当該団地には大型物流センターも複数進出したところであります。今後も新東名の県外区間が開通していくほか、南北軸として中部横断自動車道や三遠南信自動車道、伊豆縦貫自動車道、金谷御前崎連絡道路の整備が進展してまいります。中でも中部横断自動車道は、平成二十九年度に中央自動車道まで開通が予定されており、新東名や東名高速道路と結節することから山梨県や長野県からの本県各地へのアクセスが大幅に向上し、新たな物流ルートが形成されるなど経済活動のさらなる活性化が期待できます。既に県内の大手物流企業が、中部横断自動車道の完成を見据え新東名の新清水インターチェンジ近くに物流センターを建設中であり、清水港の利活用促進も視野に首都圏や中京・関西圏、さらに山梨、長野方面の物流需要を取り込もうとしております。
 私は、こうした高規格幹線道路等の整備や相互のネットワークの充実により、本県が日本でも最もすぐれた物流の拠点地域になるものと期待しており、このポテンシャルを最大限に生かして本県産業の発展につなげていくべきであると考えております。
 そこで、県は高規格幹線道路等を活用してどのような戦略で本県の物流機能の強化を図っていこうとするか、考え方について伺います。
 次に、駿河湾港の活用についてであります。
 さきに述べました中部横断自動車道が開通すると山梨県、長野県といった内陸県との交通アクセスが飛躍的に向上し、必然的に駿河湾港を構成する清水港、田子の浦港、御前崎港の重要度は大きくなっていくものと思われます。清水港は古くから山梨県や長野県の内陸県にとっての海の玄関口であります。明治三十二年には貿易港となり、緑茶の輸出を中心に県内産業の発展とともに港湾機能が拡充され取り扱い貨物量も増加してまいりました。田子の浦港、御前崎港も、富士山の豊富な地下水を背景とする岳南工業地域の発展や高度経済成長に伴う木材輸入の増加に伴い、港湾機能が拡充されるとともに取扱貨物量も増加し、バブル景気崩壊後の我が国経済の長期低迷の影響により増加傾向は鈍化したものの、平成十二年には過去最高の二千九百五十四万トンの取扱貨物量がありました。その後、駿河湾港はリーマンショックで取扱貨物量が大きく落ち込んだ後、ある程度回復したものの、現在も取り扱い貨物量が伸び悩んでいるところであります。
 中部横断自動車道の供用開始は、そうした海の玄関口である駿河湾港の発展のきっかけとなると考えますが、県は今後、駿河湾港をどのように活用していくのかお伺いします。
 次に、人口減少対策への取り組みについてのうち、経済産業政策の役割について伺います。
 本県の人口減少の状況において特に注目すべきは、若い世代を中心として働く世代が流出している点であります。県が第一回の人口減少問題に関する有識者会議において示した五歳ごとの年齢階層別の資料では、昨年はゼロ歳から五十四歳までの階層では全ての階層で県外への転出超過となり、特に二十歳から二十四歳の若い世代の流出が顕著となっているとのことであります。また過去三年間の平均との比較では、二十歳から五十四歳までの働く世代では各階層とも百人以上の流出増加となり、特に二十歳から三十九歳の階層ではその傾向が顕著で県外への流出が四百人以上も増加しているとの分析が示されております。流出が加速している働く世代は、本県産業の重要な担い手であり本県の活力の源とも言うべき存在であります。若者を初めとする本県産業を担う人材をこれ以上県外に流出させることなく、また県外から新たに人を呼び込むことができる環境整備が求められております。
 働く世代の流出の背景には、もちろんさまざまな要因があると思われますが、その一つとして製造業を初めとする本県経済の回復のおくれによる働く場の減少が理由との指摘もされております。確かに県内では生産拠点の海外移転や県内生産の縮小が進んでおり、県内の製造現場等で働いていた方が、転勤により家族とともに本県から転出する姿は残念でなりません。
 今後、人口減少対策に取り組む上で、本県産業に活力を取り戻し働く場をつくり出していくことが重要であり経済産業政策の果たす役割は非常に大きいと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、観光交流人口の増大についてであります。
 私は、人口減少対策の一つとして観光振興施策に注目しているところであります。観光交流人口の増加は人口増加に直接結びつくわけではありませんが、少子化対策にしても新成長産業の育成にしても中長期的な政策であり、効果が出るには時間がかかります。人口減少・高齢化社会に突入している中で私は、交流人口の増加に取り組んでいくことで地域の活力を向上し、元気な静岡県でい続けることが重要と考えます。先月末に発表された平成二十五年度の本県の観光交流客数の速報値は、過去最高の一億四千四百四十二万人を記録しました。本県には世界文化遺産の富士山や伊豆半島、南アルプス、浜名湖など多くのすばらしい資源、宝があり、観光交流客数もまだまだ伸びる余地があると思います。観光は裾野の広い総合的な産業であります。恵まれた観光資源の魅力をさらに磨き上げ交流人口の増加に取り組んでいくことは、地域経済の活性化や雇用の拡大に寄与するものであり、当面の人口減少対策として取り組んでいく必要があると考えます。折しもこの九月の定例会に、我が会派の提案でありました静岡県観光振興条例が上程される予定であります。条例制定を機にいま一度観光振興の意義を再認識し、県、県民、観光事業者、観光関係団体が一丸となって観光振興に取り組んでいくことが期待されます。
 そこで、人口減少対策の一環として観光交流人口の増大にどう取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 次に、がん診療提供体制の充実強化について伺います。
 本県のがん対策につきましては、平成二十五年三月に策定された第二次静岡県がん対策推進計画に基づき、がんによる死亡者数の減少を目指し、がん検診の受診率向上や医療体制の整備など総合的な対策が進められているところであります。こうした中、本年一月に国から、がん診療提供体制の充実強化に向け、がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針が新たに示されたところであります。具体的な内容としては、二次医療圏の中核的な役割を果たしているがん診療連携拠点病院の指定要件が見直され、その機能強化を図るとともに、新たに拠点病院のない二次医療圏に地域がん診療病院を一カ所整備することなどが求められております。がんは、昭和五十七年以降長らく本県の死亡原因の第一位であり、約三人に一人ががんで亡くなっており、また男性では二人に一人ががんにかかると推計されるなど県民にとって大変身近な関心の高い疾患であります。県民が強く関心を寄せているがんについて、家族の傍らで専門的な治療を受けられる医療機関があることの安心感ははかり知れず、県民にとってこれほど心強いことはないと思います。現在県内では、がん診療連携拠点病院など二十一の医療機関が国または県から指定を受けておりますが、県内のどの地域でも安心して質の高いがんの専門診療を受けられる体制を早期に構築することが必要であると考えます。
 そこで、国の新たな指針を受けどのようにがん診療提供体制の充実強化を図っていくのか、県の所見を伺います。またがん診療連携拠点病院及び地域がん診療病院の指定について、現在どのような見通しであるのか県の所見もあわせて伺います。
 次に、高齢者の社会参加と生活支援サービスの充実について伺います。
 介護保険制度が施行された平成十二年当時、約六十六万人であった本県の六十五歳以上の高齢者人口は、現在約九十八万人と約一・五倍にも増加しました。今後も総人口が減少する中で、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上になる二〇二五年――平成三十七年の高齢者人口は百十万人を超え、人口の約三人に一人が高齢者という時代を迎えると言われております。こうした中で国は、去る六月に介護保険制度を維持すべく「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関連法律の整備等に関する法律」を制定し、介護保険制度が改正されることになりました。この改正では、一定以上の所得者の自己負担を引き上げる利用者負担の公平化と地域包括ケアシステムの構築が主な柱と言われております。地域包括ケアシステムとは、高齢者ができる限り住みなれた地域で人生の最後まで尊厳を持って自分らしい生活を送ることができるよう、介護、医療、住まい、生活支援、介護予防が一体的に提供される体制で、二〇二五年までに実現することとされております。中でも高齢者の生活を支えるサービスの充実強化が必要であり、そのサービスを提供できる団体等の発掘、養成に加え、例えば退職後も地域貢献を希望している元気な高齢者等にサービスの担い手として協力してもらうなど地域住民の参加も不可欠です。現在も各市町で社会福祉協議会やNPO法人が、さまざまな形で支え合いサービスを提供しているところでありますが、地域資源の状況等もあり市町ごとにサービスの格差が生じることも懸念されます。
 そこで、県としてこれからどのように高齢者の社会参加の促進に取り組んでいくのか。さらには生活支援サービスに地域格差が生じないよう、今後各市町の生活支援体制の整備についてどのように支援していくのか伺います。
 次に、農水商工連携による六次産業化の推進について伺います。
 国の新たな成長戦略のテーマには「世界を引きつける地域資源で稼ぐ地域社会の実現」が掲げられており、その実現の具体策として六次産業化の推進が位置づけられております。このように六次産業化の推進は、世界に冠たる高品質な農林水産物、食品を生み出す農山漁村社会の実現に向け大変重要な要素であると考えます。
 本県においては、これまで六次産業化の推進に当たり農林水産物の付加価値向上につながる事業計画の策定等を支援しており、若手トマト生産者が事業を多角化し新たに直売とジュースを提供するカフェを展開したり、漁協が地元企業と連携し産業観光の取り組みを開始したりするなど、成果が生まれてきているところであります。
 このような中で、全国段階では、経団連とJAグループが活力ある農業・地域づくり連携強化プランを策定するなど経済界と農業界の連携強化の動きが強まっております。報道によれば知事も先日開催された県内の若手農業者が交流するしずおか若手農業者の集いにおいて農商工、水産などが連携を深めて新しい組み合わせが生まれればと期待を示されております。本県においては農水商工が連携した取り組みも見られますが、連携体制が十分に機能しなかったり販路が十分確保できなかったりする事例も少なくありません。
 そこで、県は六次産業化の推進について、今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、富士山火山三県合同防災訓練二〇一四について伺います。
 御嶽山の噴火により登山者に大変な事態が起こっております。そこで本年二月、静岡、山梨、神奈川の三県と富士山の周辺の市町村、国などで構成する富士山火山防災対策協議会において富士山火山広域避難計画が策定されました。この計画は、噴火警戒レベルや多様な火山現象に応じた避難の範囲や時期、避難先など避難の基本的な考え方が示されたものであります。現在この計画において関係機関が共同で避難先や避難ルート等の検討を進めているということであり、十月十九日には富士山火山三県合同防災訓練二〇一四を実施すると聞いております。富士山において噴火が予想される場所は、山頂に限らず広域的になることも予想されます。
 また、発生が想定される火山現象もさまざまであり、富士山火山広域避難計画においても火砕流、噴石、溶岩流、降灰など、冬季には山腹に積もった雪が火砕流等の熱で溶け、一気に溶けた水が斜面の土砂を取り込んで流れてくる融雪型火山泥流などが想定されております。このように訓練の前提となる火山現象が複数あり、避難など災害への対応もその現象に合わせなければならないことから、今回の訓練では、訓練想定の設定や訓練内容の選定など実施に当たり困難を伴うものと思われます。また富士山が噴火した場合の影響は、本県のみならず周辺の地域に及ぶとともに、住民の避難に当たっては県外も含めた広域的な避難が必要になることも予想されます。
 こうしたことが予想される中、三県を初めとする関係機関が共通認識を持ち合同で広域的な訓練を行うことの意義は大きいと考えます。今回の訓練はどのような内容で行われるのか、またどのような効果を期待しているのか、県の考えを伺います。
 次に、公契約についてのうち、技能労働者への適切な賃金水準の確保について伺います。
 平成二十二年二月、国土交通大臣は公契約について国土交通委員会の答弁で、公契約法は国による賃金規制や規制する賃金水準の設定等への影響を注意深く議論していかなければならない多方面に大きな影響が及ぶテーマである。まずは実効あるダンピング防止対策の徹底や元請・下請関係の適正化など、労働条件安定化のための総合的な取り組みを実施していくとしています。
 公共工事については、昨年三月に国交省から建設業団体に対し技能労働者への適切な水準の賃金支払い、法定福利費の適切な支払いと社会保険等への加入徹底、若年入職者の積極的な確保やダンピング受注の排除等について要請するとともに、地方公共団体等の公共工事発注者に対しては、公共工事の平成二十五年度設計労務単価の早期適用、ダンピング受注の排除、法定福利費の適切な支払いと社会保険などへの加入徹底に関する元請業者への指導の三点について要請を行っております。
 その後、国交省が昨年四月に引き続き本年二月から適用した公共工事設計労務単価の改定に際して最近の技能労働者の不足等を解消するため、労働市場の実勢価格の適切、迅速な反映を行ったこと、また社会保険の加入徹底の観点から必要な法定福利費相当を反映したとの二つの点が示されております。
 この二月の公共工事設計労務単価の改定から半年余りの期間が経過したところでありますが、県は県発注工事の元請から下請までの賃金の改善や社会保険の加入状況をどのように調査確認し、技能労働者の就労環境の改善につなげているのか伺います。
 次に、公契約のあり方についてであります。
 県が、公共工事においてさまざまな改善に取り組んでいることは十分承知しておりますが、公契約において労働者の賃金確保を図る取り組みをさらに強化する必要があると思います。この取り組みの一つとして、まだ少数でありますが公契約条例を制定している自治体があります。ことしの七月に公布された奈良県の条例では、従事労働者の適正な労働条件を確保すること、最低賃金、健康保険の加入などの法令を遵守することを基本理念としております。具体的には、条例の適用対象とされる公契約であることの労働者への明示、賃金支払状況の報告などを受注者や下請業者に対して求め、立入調査の実施や、違反を是正しない場合の過料と公表などの規定が盛り込まれております。
 県民の税金を使って公共工事や業務委託などを行う以上、県はそこにかかわる事業者、労働者双方にとってよりよい契約制度を検討する必要があると思います。
 そこで、本県における公契約のあり方について伺います。
 次に、教育行政についてのうち、静岡式三十五人学級編制の見通しについて伺います。
 既に本県は、全国に先駆けて静岡式三十五人学級編制として、国による小学校一、二年生も含め義務教育九カ年全ての学年において少人数学級が実施されております。本県の取り組みは大きな成果になっていると評価する一方で課題もあります。国の加配を活用した小学校二年生から静岡式三十五人学級編制になる小学校三年生になる際に学級減になる学校もあります。また極端に少ない学級をつくらないという下限が設定されているため、三十六人以上の学級が存在する学校もあります。これらの課題に対応するため小規模小学校の非常勤講師を増員するなどしていますが、抜本的な解消につながっていないと思います。学校では、新学習指導要領による授業時間増や特別な配慮を要する児童生徒への対応に苦慮しているという実態があり、人手不足は否めません。義務教育にかかわる教職員の定数は本来国が責任を持って整備すべきと考えていますが、しかし少人数学級化に向けた教員定数改善はなかなか前に進まない現状であり、三十五人以下学級の維持、充実のためには、平成二十七年度以降も県単独措置教員が必要になると思われます。
 国の少人数学級の流れが停滞している状況の中で静岡式三十五人学級編制をさらに充実するためには、どのような見通しを持っているのか教育長に伺います。
 次に、教員の多忙化解消の取り組みについてであります。
 静岡式三十五人学級編制によりきめ細かな指導に取り組む一方で、教員の多忙化は一向に解消されておりません。また病気により休職している教員の数は十年前に比べ大幅に増加していると聞いております。県教育委員会では、平成二十四年十二月、学校に勤務する教職員の多忙化解消検討会を設置し、教員の多忙化を解消するための検討を行ってきました。二十五年度に取りまとめた報告書では、県立学校の数字でありますが、一カ月当たり八十時間以上の時間外業務に従事した教職員は七・八%で前年比〇・二%上昇しております。これまで各学校では、多忙化解消に向けて定時退勤日の設定や諸行事の見直し、分掌事務の見直しなどに取り組んでいると聞いております。しかしこうした見直しを行っても、子供と向き合う時間や指導準備時間について、小学校では七七・八%、中学校では七八・六%の教員が昨年と比べふえていないと回答しています。私が小中学校の現場の教員に話を聞いたところ、子供と向き合う時間が増加しても多忙とは思わないという声が多く聞かれました。むしろ教育委員会等から各学校へ依頼される調査等が、子供と向き合う時間を削り教員の多忙化を強めている大きな一因になっているように感じられます。さらに市町教育委員会による独自の調査も加わり、こうした調査等について改善を望む声も少なくありません。
 本年度、県教育委員会では、各課に多忙化解消担当を設置しているとのことでありますが、これら県教育委員会からの調査等の見直し、教員の多忙化解消の取り組みについて、改めて県教育委員会の取り組みと市町教育委員会への働きかけについて伺います。
 次に、警察行政についてのうち、検視の現状について伺います。
 厚生労働省の人口動態統計によりますと、平成二十五年中に全国で亡くなられた方は百二十六万八千人に上り、その前の年よりも約一万二千人も増加しております。こうした増加傾向は当分続くのではないかと考えられます。一方、全国の警察において死体取り扱い件数も平成二十五年では約十七万体に及んだとのことであります。このような多死社会の中にあって課題も挙がってきました。例えば警察において当初犯罪性が認められないとした死体のうち、後に犯罪行為による死亡であることが明らかになった、いわゆる犯罪死の見逃し事案が発生しているほか、平成二十三年の東日本大震災では身元確認作業が困難を極めたとのことであります。
 そうした背景もあり、死因究明の制度強化の必要性が高まり、いわゆる死因究明二法、すなわち警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律、死因究明等の推進に関する法律といった法整備が図られたのであります。今後は、本年の六月に閣議決定された死因究明等推進計画に基づき行政、警察、医師等の関係機関の連携と体制が強化されるものと考えております。
 静岡県警では、昨年一年間で四千三百件余りの検視が行われましたが、このうち司法解剖は約四%に当たる百六十件であったとのことであります。検視官の知識経験を生かした、犯罪を見逃さないための詳細な検視が昼夜を問わず行われているものと承知をしております。
 私は、平成二十年六月定例会において、警察の検視官が現場まで出向いて死因究明に当たる検視官の臨場率と、犯罪を見逃さないための解剖の実績等について質問いたしました。その際、当時の本部長から、平成十八年から検視官を四人として二十四時間体制を確保した、今後もその効果を検証し見直すとの答弁をいただきましたが、今日の検視体制はどうなっているのでしょうか。
 そこで、検視の件数、解剖件数と検視官の臨場率等検視の現状を伺うとともに、検視体制をどのように強化しているのか伺います。
 最後に、静岡県警察速度管理指針についてであります。
 報道によりますと、スピード違反の取り締まりの方針を示す静岡県警察速度管理指針が策定されたとありました。これは、昨年六月に古屋国家公安委員長が交通事故抑止に資する取り締まりのあり方について見直しを行うと発言され、警察庁が立ち上げた有識者懇談会が国民に理解される速度違反取り締まりをなどといった提言をしたことを受けて、今回の指針が策定されたと承知しております。
 昨年一年、静岡県における交通事故による高齢者の死者数が全国ワースト二位になる大変厳しい情勢でありました。本年に入り、官民挙げての懸命な交通事故防止活動により交通事故は大幅に減少している状況でありますが、ことし四月に沼津市内で発生した登校中の小学生二人がはねられて死傷した事故のように、交通事故の危険性は至るところであります。交通事故による死傷者を減少するためには、速度規制や取り締まりによる適正な速度管理は当然必要であると考えます。一方で警察による取り締まりは、県民に理解され交通事故防止に資するものでなくてはならないのは当然のことであります。
 そこで、県警が策定した静岡県警察速度管理指針はどのようなものなのか。また目的と概要について警察本部長にお伺いし、答弁を求めます。(拍手)
○副議長(伊藤育子君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 林議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、県内市町との協調体制についてであります。
 三十五市町の首長の皆様方と私との信頼関係が、何と言っても協調体制のもとになるわけでございますけれども、それぞれの顔と名前と個性と仕事ぶり、お互いに知り合うことができまして、協調体制は総じて言えばほぼ万全というところであります。ただ御案内のように若干のでこぼこもあります。例えば静岡市との関係で言えば、前市長と比べればはるかに信頼関係ができ上がっているということでしょう。またさらに沼津市に関しましてもいろいろと御指摘をいただきましたけれども、沼津駅の周辺活性化事業、内浦の高台移転、あるいは内港の発展。こうしたことにつきまして市長さんと大変な信頼関係ができまして、これ以上ないような信頼関係ができているということでございます。しかしながらそういう首長だけではなく、市町の町民の皆様方、市民の皆様方との関係も重要であります。総合計画に掲げる理想郷づくりのためには、地域の多様性や住民の主体性を重んじながら将来の姿を地域の方々みずからが構想し、自立的な発展の可能性を広げていくことが必要です。そのためには地域づくりを担う市町との連携が極めて重要であります。
 私は、就任以来、現場主義――現場で考えその現場でお互いに一緒に解決を図るという、そうした現場主義の徹底を目指しまして、知事室にはほとんどおりませんで、さらにそれを制度化した移動知事室などを開催し、県内各地域における情報収集や課題の把握とその対応に努めております。その上で私と各市町長さんとは、常に政令市サミットや地域サミットなどを通じまして地域のグランドデザインを構想する、よきパートナーとして信頼関係を築いております。内陸のフロンティアを拓く取り組みにおきまして、企業用地やにぎわい拠点の創出など市町と県が連携して事業を具体化していることも、その成果の一つであると存じます。防災・減災や子育て支援、教育など今日の行政課題を解決するためには、市町と県がこれまで培ってまいりましたノウハウや人材を最大限に生かして地域全体で総合的に取り組んでいく必要があります。そのためにはこれまでにも増して私自身が現場に足を運ぶことによりまして、地域の課題を市長さん、町長さんと共有し、それとともに本年四月に全市町長の賛同を得て設置した行政経営研究会を活用いたしまして、市町と県との間で共通する行政課題の解決を図っていこうと思っております。
 このように、市町と県との対話を重ねることで市町との一層の強固な協調体制を築いて、静岡県全体の行政の効率化、最適化を図り、ポスト東京時代を開くふじのくにづくりに邁進してまいる所存であります。
 次に、市町への権限移譲についてであります。
 地域がそれぞれの実情に応じて発展していくには、基礎自治体である市町が権限移譲などを通じて自己決定権を拡充し、住民に身近な行政を自立的かつ総合的に担っていく必要があります。静岡県では市町への権限移譲を積極的に推進しているところであります。実際、地方行政調査会の調査では、いわゆる移譲対象法律数というのは、この十年間、一貫して日本一を誇っているところであります。移譲事務が拡大する中では、小規模な市町を中心として専門職員の育成確保や移譲事務を円滑に実施できる体制の整備が課題であります。そのため事務の移譲は市町からの希望を前提といたしまして、移譲に際しましては、県から市町へ権限移譲事務交付金を財源として措置するとともに、市町の受け入れ体制構築を支援するための県職員をあわせて派遣するなど権限、財源、人材を三位一体として権限移譲を進めているわけであります。
 今後、一層の権限移譲を進めるに当たりましては、引き続き市町の声を丁寧にお聞きし市町の事務処理体制に配慮しながらきめ細かな対応を図るとともに、事務の共同処理など市町間での広域連携体制の整備を支援してまいる所存であります。本年三月に策定いたしました第二期ふじのくに権限移譲推進計画を、県と市町の協働のもと着実に推進することにより、今後見込まれる地方分権の改革の一層の進展に対応した地域の自立できる行政体制の実現に努めてまいります。
 目下、力点を置いておりますのは賀茂地域であります。先ごろ総合防災訓練を賀茂の一市五町と行ったところでございますけれども、この地域の自立のためには、地域それ自体が協力体制を今まで以上に築かねばなりません。我々が権限、人材を移譲すると同時に、また一市五町の賀茂地域の皆様方が一体感ができるようなそういう意味での地域のまとまりづくりにも、これから力点を持って取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、県と市町の人事交流についてであります。
 本県では、昭和五十三年の市町村交流制度創設以来、延べ三千六百八十九人の県と市町の若手職員が相互に派遣されまして、互いに異なる組織での経験を通じみずからの視野を広げ資質の向上を図るとともに、交流職員がもたらす新鮮な刺激が互いの組織を活性化させてまいりました。交流先の組織の文化を知り人的ネットワークを築いた交流職員は、元の職場に戻った後も県と市町の間の垣根を越えて実務レベルで円滑な意思疎通を図っており、まさに地方分権の実現に向けた礎を築くものと考えております。また現在十七の市町の幹部職員として二十人の県職員を派遣しておりまして、市町長の皆様が、それぞれの行政課題に取り組む際に県職員としての職務経験や先進事例に関する情報、人的ネットワークなどを活用していただいております。これも先ほどの静岡市、沼津市におきまして、この四月からそれが実現しており、信頼関係、協調体制の確立に寄与しているものと認識しております。派遣された職員にとりましても、市町の重要施策の決定に直接かかわり責任ある立場で課題解決に寄与するという貴重な経験を積むなど、双方にとって大変有益なものになっております。
 来年度の定期人事異動に向けまして、現在市町長の皆様から交流や派遣の要望を数多くいただいております。人事交流を市町との協調体制の確立に向けた大きな柱として位置づけておりまして、若手職員の交流拡大に努めるとともに、幹部職員の派遣につきましても市町の要望に積極的に応えてまいりたいと考えております。これは、山梨県との関係におきましても、お互いに職員の交換ということをあわせて努めているところであります。このような人的交流を通じまして、県と市町が互いに顔の見える関係を構築することで地方分権の時代にふさわしい行政経営の実現を目指してまいります。
 次に、高規格幹線道路等を活用した物流機能の強化についてのうち、本県の物流戦略についてであります。
 静岡県では、平成二十四年三月に物流の視点から新たな産業の創出と地域経済の活性化を目指すふじのくに戦略物流ビジョンを策定いたしまして、駿河港湾や富士山静岡空港の物流機能の強化や利活用の促進、新東名高速道路沿線への広域物流拠点の誘致などに取り組んでおります。これまで荷主企業や物流事業者への働きかけや首都圏、中京圏における展示会等への出展によりまして、恵まれた地理的条件や交通インフラの整備状況、立地に当たっての支援策など本県の物流における優位性を積極的に発信しているところであります。その結果、新東名高速道路の長泉沼津インターチェンジの周辺には、イオングループが――先ごろ地鎮祭が行われまして、来年オープンするのではないかと存じますが――さらにまた新富士インターチェンジ隣接地に造成中の物流団地には日本郵便が進出を決定されました。そのほか国の総合特区利子補給金や県の企業立地補助金を活用して十三社が物流施設を建設するなど、県内各地に広域物流拠点の整備が進んでおります。
 こうした中、三年後には広域道路のネットワークの南北軸となる中部横断自動車道が山梨県まで開通いたします。県議の清水にまで、甲府から直線距離で六、七十キロ、高規格道路で結ばれるということでございます。現在策定しております戦略物流ビジョンの後期計画の中で、中部横断自動車道を活用した物流機能の強化と産業の振興を重点政策として位置づけ、山梨県や長野県へのセールスを一層強化し、新しい荷主の開拓や企業誘致などによる物流の活性化を図ってまいります。特に同じく富士の国を名乗る山梨県に関しましては、企業局、経済産業部、交通基盤部のそれぞれ篠原局長、土屋部長、野知部長。さらには最近はくらし・環境部の池谷部長も加わりまして、誰が最初に物流拠点なり甲府からの団体を呼び込むか、しのぎを削る状態になっているところで、一番乗りが誰か楽しみにしているような状況でございます。
 今後とも、高規格幹線道路を初め整備の進む陸・海・空の交通基盤を有効に活用いたしまして、市町や企業と連携しながら物流立国ふじのくにの実現に向け取り組んでまいります。
 次に、人口減少対策への取り組みについてのうち、経済産業政策の役割についてであります。
 人口減少対策では、若い世代や次の世代が豊かさを得て結婚し子供を生み育てられる環境を整えることが重要です。そのための施策を総動員して取り組む必要性があると考えています。こうした中で経済産業政策の視点からは、まず経済的に安定した暮らしの基盤となる働く場を維持確保するとともに、他県に進学した若者の地元就職を含め県外から新しい人材を呼び込み、本県の活力を伸長させていくことが課題です。このため県は、これまでの産業成長戦略会議での議論を踏まえて、県内外の企業に向けた防災先進県としてのPR強化や遊休地、空き工場といった企業立地情報データベースの再構築など企業誘致や定着の促進強化に直ちに取り組んでいるところです。
 あわせまして、本年七月に東京都内に設置いたしました静岡U・Iターン就職サポートセンターを通じまして、県内に雇用の場を設けている企業の魅力を積極的に発信し、首都圏からの人材確保の強化に着手したところであります。引き続き雇用の場と人材の確保の両面から取り組みを進めまして、本県経済の持続的発展につなげてまいります。さらに新しい拠点施設の整備を進めておりますファルマバレープロジェクトを初め静岡新産業集積クラスターの形成や、本年六月に国際戦略総合特区の指定を受けた航空宇宙産業分野の育成など次世代産業の創出を加速することで、働く場として本県を選んでいただけるよう、将来に可能性を感じられる魅力的で活力ある産業構造の構築に取り組んでまいります。
 次に、観光交流人口の増大についてであります。
 定住人口のさらなる減少が予想される中、静岡県の活力を維持していく上で観光交流人口の増加は個人消費を下支えする効果があり、議員御指摘のとおり人口減少対策として大変重要です。観光庁の試算でも、外国人旅行者で十一人、国内の宿泊旅行者数では二十六人、日帰り旅行者数では八十一人分の消費額が、定住人口一人分の減少分を補う効果があるとされています。こうした中、本県では昨年度の観光交流客数が過去最高となりましたが、本年三月に策定したふじのくに観光躍進基本計画でも、静岡の魅力を「創る」、「誘いざなう」、「もてなす」の三つの戦略を柱にいたしまして、平成二十九年度には年間一億六千万人を目標とし、さらなる観光交流人口の増大を図っていくこととしています。世界遺産富士山や南アルプスエコパーク、世界への推薦が決定した伊豆半島ジオパークなど世界標準の観光資源を活用するほか、本県の自然や温泉、歴史・文化などの多彩な資源を磨き上げ、この地でしか得られない体験を提供するさまざまな旅行商品の造成に努めて、観光客の多様なニーズに対応してまいります。
 また、高速道路網の整備により交通アクセスが飛躍的に向上する関東圏や中京圏、関西圏、甲信越地域、さらに経済成長の著しい東南アジアなど、ターゲットを明確にして重点的なプロモーションを行います。特にこれからの時代、イスラムを信じられている方々の食文化であるハラール食の提供なども視野に入れまして、外国人観光客の万全の受け入れ体制を整備してまいりたいと考えております。
 さらに、二〇一九年のラグビーワールドカップ、二〇二〇年の東京オリンピック、そして二年後のサミット誘致などに御助言をいただくために、元観光庁長官溝畑さんが、今リーディングアドバイザーですけれども、さらに大きな活躍をしていただくように準備しております。観光関係者はもとより、市町や農業、商工業、まちづくり団体、教育関係者など地域で活動される多くの皆様方と連携して、一丸となって来訪者が感動し何度でも訪れたくなる観光地の形成を図りつつ、さらなる観光交流人口の拡大に努めてまいります。
 次に、農水商工連携による六次産業化の推進についてであります。
 農林水産業の持続的な発展を極めて重視しております。それを図るために私どもは、六次産業化を推進し、個別相談から販路開拓に至るまでさまざまな支援を実施してまいりました。ことし四月には六次産業化サポートセンターを県に設置いたしまして、六月からは中小企業診断士による巡回指導を開始するなど支援体制の強化拡充に努めています。
 さらに、農林水産業と商工業がお互いの強みを生かして連携することが大切で、新しいビジネスチャンスがそこに生まれてくると考えていますことから、本年七月農業、水産業、商工業の各団体等で組織する静岡県農水商工連携会議を開催し、各団体の相互協力と連携強化の推進を確認したところであります。県内では、既に組織的な連携の動きとして商工会議所に農協や漁協が加わる事例がこれまで散見されてきました。そうした中、今月十七日に浜松商工会議所会頭とJAとぴあ浜松会長が会談をされまして、商工会議所にJAとぴあが入会されるなどで大筋合意せられたということで、まさに県内最大で全国有数の規模を誇る商工会議所と農協とが連携したということで、この取り組みは画期的なものであると受けとめております。既にその影響が出始めておりますが、今後の県内の、今回の場合には農業と商工業でありますけれども、水産業も入れまして、農水商工連携の動きを加速させてまいりたいというふうに、このたびの浜松の動きをきっかけになるように捉えております。
 また、商工会議所が農協と連携して農産物を販売する、いわゆる軽トラ市と通称されている、この移動市の開催や農協と漁協が連携したファーマーズマーケットでの水産物の販売などの取り組みも見られるようになりました。特に浜松商工会議所が中心となりJAとぴあ浜松や百貨店、スーパー等が参画して、四月から始まった新商品開発の取り組みも注目されるところです。
 今後も、本県地域経済の活性化につなげるため、個々の生産者等による六次産業化の取り組みに対するきめ細かな支援を行いますとともに、農林水産業と商工業の産業の枠を超えた連携を促進して、販売、流通、商品開発、機械化など新しい取り組みの創出を図り、農水商工連携による六次産業化の推進という、こうした従来法的根拠の違うものが一緒になるという、この推進を軸にして進めてまいりたいと思っております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○副議長(伊藤育子君) 下山経営管理部長。
       (経営管理部長 下山晃司君登壇)
○経営管理部長(下山晃司君) 財政健全化の取り組みについてお答えをいたします。
 本県では、これまでも歳出のスリム化と歳入の確保に取り組んでまいりましたが、社会保障関係費の増加に加え人口減少対策、産業成長戦略など新たな行政需要への対応が必要となる中で、より一層歳入の確保に取り組むことが重要であります。県の歳入の根幹である税収の確保につきましては、コンビニ納付やクレジットカード納付の導入など納税者の利便性向上に努めてまいりました。また平成二十年一月には徴収体制強化のため県と市町が共同して滞納整理機構を設立したところであり、市町が賦課徴収する個人県民税については、県と市町の税務職員の人事交流や県による直接徴収、特別徴収義務者の指定にも取り組み、収入率の向上に成果を上げております。
 県有財産につきましては、未利用となった土地等の売却のほか庁舎内のエレベーターなどへの民間広告物の掲出や入札方式による自動販売機設置料の設定などに加え、県庁の空きスペースへのコンビニエンスストアの設置や企画提案型のネーミングライツの導入などにも取り組み、収入の確保を図ってまいります。さらに活用されていない特定目的基金の廃止などあらゆる手だてを検討して積極的に歳入の確保を図り、健全財政の堅持に努めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 高規格幹線道路等を活用した物流機能の強化についてのうち、駿河湾港の活用についてお答えいたします。
 駿河湾港を構成する清水港、田子の浦港、御前崎港の三港は、本県のものづくりを支える物流拠点として県内経済の発展や県民生活の向上に寄与してまいりました。近年、国内外の港湾間の競争が激しくなる中で本県は、三港の機能分担と相互補完を基本に、清水港の新興津国際コンテナターミナルの全面供用に向けた整備、田子の浦港の新たな埠頭用地の造成及び御前崎港の埠頭用地の利用転換に取り組むことで、駿河湾港の国際競争力の強化に努めているところであります。
 このような中、平成二十九年度に予定されている中部横断自動車道の供用開始により、清水港と甲府市の間のトラック輸送時間が往復五時間余りから三時間余りに短縮され、現在の一日一往復から二往復できるようになるなど、山梨、長野の両県とのアクセスが飛躍的に向上いたします。ことし甲府市内で開催した清水港セミナーでは、京浜港等を利用している両県荷主の駿河湾港、特に清水港への利用転換が今後期待されるため、知事みずからが出席し、過去最多の参加者に対して駿河湾港の魅力を大いにアピールをし共感を得たところであります。
 県といたしましては、山梨、長野両県に対するポートセールス活動を積極的に実施し貨物を誘致することで、県内外の経済と暮らしを支える物流機能としての拠点性を高め、県の枠を超えた広域交通ネットワークにおける交通結節点となるよう、清水港を中心とした駿河湾港の整備活用を図ってまいります。
 次に、公契約についてのうち、技能労働者への適切な賃金水準の確保についてであります。
 社会資本の維持管理や災害への対応を的確に行い地域の安全・安心を守るためには、技能労働者の処遇を改善し建設業が技能労働者にとって魅力のある産業となることが重要であります。このため県では、国と協力し毎年十一月に公共事業労務費調査を実施し、技能労働者の賃金等をきめ細かく調査した上で翌年四月に設計労務単価の改定を行っております。昨年度は一四・三%と大幅に引き上げ、本年二月には改定時期を前倒しして七・六%の引き上げを行ったところであります。社会保険については、建設業許可申請、経営事項審査において加入状況の確認、指導を行っており、さらに本年十一月から受け付けを行う平成二十七、二十八年度建設工事競争入札参加資格の申請に必要な要件として社会保険加入を追加し、一層の加入促進を図ることとしております。
 県といたしましては、公共工事の品質確保の促進に関する法律の本年六月の改正により、公共事業従事者の賃金等の改善が受発注者共通の責務として追加されたことを踏まえ、今後も建設業界と連携し技能労働者の就労環境の改善を図ってまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) がん診療提供体制の充実強化についてお答えいたします。
 本県では、質の高いがん医療を提供するため、国が指定するがん診療連携拠点病院に加え県が独自に静岡県地域がん診療連携推進病院を指定するなど、がん診療提供体制の構築を進め、県内のがん患者の約九割に当たる方々を診療できる体制を整えております。本年一月国から新たな指針が示され、拠点病院につきましては、化学療法、放射線治療等における一定の水準以上の診療実績や専従の医師の配置などの指定要件が新たに加えられるとともに、拠点病院が未設置の医療圏を対象に地域がん診療病院を新設することとなりました。
 この指針を受け、全てのがん診療連携拠点病院につきましては、引き続き拠点病院としての指定を維持できるようにしてまいります。また拠点病院が未設置の賀茂、熱海・伊東及び富士の三医療圏においては、地域がん診療病院の設置に向け、指定要件の充足や地域における合意形成のための必要な支援を行ってまいります。
 このように、拠点病院の空白地域を解消していくとともに、医師、看護師等を対象としたがん専門研修会の開催などがん医療関係者の資質向上を図ることにより、県民の皆様が身近な地域で化学療法や放射線治療などの専門的治療に加え、治療後の就労や生活などさまざまな相談支援を受けることができるがん診療提供体制の充実強化を進めてまいります。
 次に、高齢者の社会参加と生活支援サービスの充実についてであります。
 県では、高齢者の社会参加につきましては、これまでもすこやか長寿祭スポーツ大会やシニアクラブによる世代間交流など、高齢者がより参加しやすい環境づくりに積極的に取り組んでおります。また地域住民が主体となって運営する居場所づくりを支援し、高齢者がいつでも自由に交流できる機会と場を提供するなど、高齢者の孤立防止や生きがいづくりにもつながるきめ細かな社会参加の促進にも取り組んでおります。
 生活支援サービスの充実につきましては、外出支援や家事支援などこれまでの介護保険サービスについて地域における内容や提供の状況の検証を行い、引き続き必要なサービスが適切に提供されるよう市町を指導してまいります。また生活支援の担い手の養成や新たなサービスの開発などを行う生活支援コーディネーターの配置を初め、市町等との定期的な情報の共有や意見交換を行うなど、サービスの充実を図るとともに地域に格差が生じないようにしてまいります。
 今後も、市町と連携しながら住民みずからが担い手となって、地域で高齢者の方々を支え合う体制をつくることにより、住みなれた地域で友人や知人と楽しく暮らしていける生きがいを実感できる社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 岩田危機管理監。
       (危機管理監 岩田孝仁君登壇)
○危機管理監(岩田孝仁君) 富士山火山三県合同防災訓練二〇一四についてお答えいたします。
 広域的な災害が想定される富士山噴火に備えるため、静岡、山梨、神奈川の三県、富士山周辺市町村、国及び関係機関が参加する合同防災訓練を来月十九日に実施いたします。訓練では、富士山で大規模な噴火が発生し大量の噴石や火山灰が噴出するとともに、溶岩が山腹を流下するという想定のもと、避難対象地域の設定や避難ルートの確保のための火山灰の除去など広域避難に関する課題への対応について合意形成を行うため、三県知事と内閣府を結んだテレビ会議や国を初めとする関係機関から成る合同会議を静岡県庁において行います。
 また、本県の五市町を含む富士山周辺の十五市町村では、それぞれの地域で想定される火山現象に応じ、住民への情報伝達や避難誘導、残留者の救助など広域避難に向けた手順を確認するとともに、合わせて二千三百人の住民が参加し実際に避難行動を検証する訓練を予定しております。
 先週土曜日の九月二十七日には、岐阜と長野の県境の御嶽山で突然の噴火が発生し、登山者に多くの犠牲者を出しましたことはまことに残念であります。御嶽山は富士山と同様、登山者も多く訪れる単独峰の活火山であり決して人ごとではないと考えております。
 県といたしましては、この訓練を通じ山梨、神奈川両県や国など関係する各機関と連携強化を図るとともに、富士山火山広域避難計画を検証し、富士山噴火の際に住民の皆様が安全かつ円滑に避難できるよう計画の実効性を高めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 寺田出納局長。
       (出納局長 寺田好弥君登壇)
○出納局長(寺田好弥君) 公契約についてのうち、公契約のあり方についてお答えいたします。
 公契約につきましては、業務の品質確保と労働者の適正な労働条件確保への取り組みが必要であり、このため県では、低価格入札を排除するためのダンピング対策や公共工事における総合評価方式の導入など入札及び契約制度の改善を図っているところであります。議員御指摘の公契約条例は、受注者と発注者の責務を明らかにする効果がありますが、賃金水準の設定など労働者及び事業者への影響も大きいことから、条例を制定した自治体における効果や課題を調査し研究してまいります。
 また、公共工事の品質確保の促進に関する法律が改正され、下請契約を含む請負契約の適正化と公共工事に従事する者の賃金、安全衛生等の労働環境改善が基本理念に追加されました。
 今後は、このような公契約をめぐる新たな動きを踏まえ、関係部局と連携して公共工事や一般業務委託の入札契約制度に加えて公契約条例なども検討し、事業者、労働者双方にとってよりよい公契約となるように努めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 教育行政についてのうち、静岡式三十五人学級編制の見通しについてお答えいたします。
 本県では、静岡式三十五人学級編制の実施に当たり、県単独による加配教員を昨年度から四十五人措置したり小規模小学校へ配置している非常勤講師を増員したりするなど、その充実に努めております。本年度、静岡式三十五人学級編制の対象学年について実施しない場合と実施した場合との学級平均人数を比較しますと、小学校では一学級につき三十七・八人が二十八・一人と約十人少なくなっており、教師が一人一人の子供に寄り添って指導する時間が確実にふえております。一方で学校によっては、少人数学級による指導よりも習熟度別指導やチームティーチングによる指導を希望する場合もあり、今後は各学校の実態を踏まえ運用を工夫改善するなど、静岡式三十五人学級編制の一層の充実に努めてまいります。
 なお先般発表されました文部科学省の来年度予算の概算要求によりますと、新たな教職員定数改善計画を策定し教員の質と数の一体的な強化を進めるとのことであり、県教育委員会といたしましては、改善計画の実現とともに少人数学級の一層の推進について国に要望してまいります。
 次に、教員の多忙化解消の取り組みについてであります。
 県教育委員会では、平成二十四年十二月に学校に勤務する教職員の多忙化解消検討会を設置し、実効性のある対応策を検討し、学校の多忙化解消に向けた業務マニュアルを策定したほか、例えば昨年度実施した県教育委員会による調査等百九十七件のうち十八件を廃止し、毎年実施していたものを隔年実施にするなど、三十六件について実施回数や調査項目数等を見直しをしたところであります。今年度は教育委員会事務局各課に多忙化解消担当を置き、各学校からも意見を求めながら検討を進めているところであります。具体的には学校に対する調査についてさらなる見直しを行うとともに、教員を対象とした研修につきましても、実施回数、事前レポートの必要性、効率的な進め方などについて校種ごとの実態に即した検討をしております。
 今後は、市町教育委員会委員長・教育長会などの機会に県の取り組みの状況や成果を情報提供し、同様の取り組みを依頼するとともに、調査の内容によりましては、学校に照会せず市町教育委員会で回答するよう働きかけるなど多忙化解消に取り組み、教員が子供と向き合う時間を確保できるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 西川警察本部長。
       (警察本部長 西川直哉君登壇)
○警察本部長(西川直哉君) 警察行政についてのうち、まず検視の現状についてお答えを申し上げます。
 初めに、最近における検視の状況についてであります。
 本県警察における死体取り扱い件数は、平成十七年以降、毎年四千体以上となっております。昨年は四千三百二十五体でありまして、そのうち解剖を実施したのは全体の約三・七%に当たります百六十二体、検視官が臨場しましたのは全体の約七五・九%に当たります三千二百八十一体でございました。ことしは八月末までに二千七百三十五体を取り扱い、そのうち解剖を実施したのは約四・七%に当たる百二十八体、検視官が臨場いたしましたのは約七六・九%に当たる二千百四体となっております。平成二十年当時と昨年とを比べますと、死体取り扱い数は百五十八体減少をいたしておりますが、解剖率では〇・四ポイント、検視官の臨場率にあっては六十五・一ポイントそれぞれ向上いたしております。
 次に、検視体制の強化についてであります。平成二十年には検視官四人、補助者四人の計八人でありましたが、その後、毎年体制の強化を図りまして、平成二十四年に検視官九人、補助者十八人の計二十七人に増強いたしまして現在に至っているところでございます。この体制で、二十四時間、検視官の専門的な知識と臨場時に持参いたします装備資機材を活用いたしまして、署員を指揮して適正な検視業務に当たっております。検視官には、豊富な捜査経験を有し、警察大学校で約二カ月にわたる法医学の専門的な教育を受けた警視または警部の階級にある優秀な警察官を任用し、捜査第一課に配置しているところであります。
 県警察といたしましては、本年六月に閣議決定されました死因究明等推進計画を踏まえつつ、引き続き関係部局や医師会、歯科医師会、あるいは大学などと緊密に連携しながら適正な検視業務を行ってまいります。
 次に、静岡県警察速度管理指針についてお答え申し上げます。
 初めに、目的についてであります。
 警察では、交通事故防止を図るため、交通安全教育、道路の特性に応じた適切な交通規制及びこれを担保するための交通指導取り締まり等を総合して実施しておりますが、速度違反などの交通指導取り締まりの必要性を県民に十分に理解していただくため、取り締まりを行う理由、効果等をわかりやすく説明することとし、静岡県警察速度管理指針として公表したものであります。
 次に、指針の概要についてであります。
 指針では、県内の交通事故発生状況について分析をいたしまして、車両の走行速度が速いほど致死率が高くなることなど速度抑制の必要性をグラフや表を活用いたしまして、わかりやすく説明しております。また分析結果を踏まえ一般道路を生活道路、市街地、幹線道路の三つに分けまして、それぞれの特徴や交通安全に係る重点とすべき事項を示し、今後行うべき主な事故防止策を公表いたしております。例えば住宅地などの生活道路では、通学路の安全確保を重点に関係機関・団体と連携した啓発活動や、いわゆるゾーン三〇による面的な速度抑制策、通学時間帯における交通指導取り締まりの強化など今後行うべき主な事故防止対策としております。一方、幹線道路においては速度規制を緩和していく方向性も盛り込んでおります。
 なお、県下各警察署におきましても事故多発地点の周知を図るとともに、交通指導取り締まりを重点的に実施する路線や時間帯等を明示しました速度取り締まり指針を策定し、警察署協議会による意見聴取等を経まして順次公表いたしております。
 今後も、交通事故防止に効果が認められる交通指導取り締まりを推進するとともに、県民の皆様の御理解が得られるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 四十番 林 芳久仁君。
       (四十番 林 芳久仁君登壇)
○四十番(林 芳久仁君) それぞれ御答弁いただきましてありがとうございました。
 私から、三点の再質問をさせていただきます。
 一つは物流戦略についてでありますけれども、先ほど知事のほうからもございましたし交通基盤部のほうからもありましたけれども、今、中部横断自動車道につきましては、新清水インターチェンジのところの物流センターを企業がつくっていますけれども、これはあくまでも中部横断道をにらんだということもさることながら、基本的には小さいわけですけれども、一社だけですけれども、そこはやっぱり山梨県と長野県の荷物等を取り込む格好で、ポートセールスは十分承知していますけれども、むしろ物流センターは山梨県側のところに必要かなということで、長野県の荷物もそこに一旦来ており、それから中部横断道でそのまま清水港に入る、あるいは田子の浦港に入ると、こういうことが必要かと思いますけれども、この辺の戦略について、今の答弁でいきますと少しわかりにくかったと思いますけれども、その辺の調査をされているかどうか改めてお伺いしたいと思います。
 それから、六次産業化につきましては、積極的に進めていただけるということで、農水商工連携ということで新たな立ち上げをしたということで大変これはうれしく思いますけれども、ただ懸念されるのは、生産者が基本的には自分たちが加工して製品開発をして自分たちが販路を拡大するということも含めて、これが大事なんですね六次産業は。だからもともとの流通でいきますと、生産者が加工業者にお願いをして、加工業者が販路あるいは販売先にお願いして販路拡大するということで、二つのやり方があると思うんですが、どうも静岡県でいきますと、ビジネスとなる大きな、そうした連携と、小規模で自分たちがとれたものを自分たちが加工して自分たちで売りたいという生産物の関係者もおります。そういう小規模もやっぱり大事にして六次産業化を進めていきませんと、ビジネスになる大きな枠組みだけでは取り残されてしまうということも現実的に今あります。そのことをちょっと認識をしていただきながら、小規模であってもできるだけ生産者が、自分たちのつくったものを自分たちで研究して製品をつくって、それから販路拡大をしていくということが私は最も望ましい六次産業化だと思いますけれども、この辺について改めて知事の考えをお伺いしたいと思います。
 それから最後に、公契約についてでありますけれども、先ほど説明がありましたけれども、そうすると実態調査とか下請、孫請。公共事業をやると孫請がありますけれども、これらの調査、社会保険も含めて実態として調査するということになっていますけれども、条例化でやりますと必ず報告しなきゃいけないし、立入検査もすることができるということでありますので、研究をということじゃなくて公契約は私は絶対必要だと思うんですよ、条例は。ということで、もう研究段階は過ぎて、すぐに条例化に向けて検討に入るということで、全国的にもこれは景気がやっぱり悪くなれば、当然ダンピングはまたふえていきます。そういうことも含めて、改めてこの公契約条例について、もう一度認識を伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○副議長(伊藤育子君) 白井企画広報部長。
○企画広報部長(白井 滿君) 本県の物流戦略についての再質問にお答えをいたします。
 中部横断自動車道の開通を見据え、山梨県、長野県へのセールスを積極的に進めておりますが、その中で道路整備の状況でありますとか、静岡県が進めております内陸フロンティアを拓く取り組み等の状況を説明し、それを行う中で山梨県の企業、長野県の企業が希望されるような用地に物流拠点が構えられるよう支援をしてまいります。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 土屋経済産業部長。
○経済産業部長(土屋優行君) 農水商工連携による六次産業化の推進につきまして、再質問にお答えいたします。
 先ほど知事から申し上げましたように、商工連携の中は二つの方向がございまして、議員からもお話がありましたように、もともと農業の方が加工してそれを直販していくという形のものと、もう一つ、大きな商工業系ときちっと二つ一緒になってやっていこうという両方の動きがあろうかと思っています。県としては両方のものを推進していきたいと。特にことしつくりました六次産業化サポートセンターにつきましては、先生がおっしゃいました農業の加工、流通、販売。そちらのほうを推進していくことをまず前提とさせていただいています。具体的に申し上げますと、例えば静岡市さんでいきますと川村農園さんというところがございまして、こちらについては代々続くトマト、枝豆、メロン。こういうものを栽培してございますけれども、そこの加工販売というのを支援をしていくという両方の取り組みをしていきますので、両方からの取り組みで六次産業化を図っていきたいというふうに考えてございます。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) 寺田出納局長。
○出納局長(寺田好弥君) 公契約のあり方についての再質問にお答えいたします。
 今、議員御指摘のとおり、公契約条例につきましては労働環境改善のために有効な手だての一つだというふうに認識しております。従来は公契約条例は市のほうで制定されておりましたが、今年度に入りまして、長野県、奈良県といった県でも条例が制定されたところでございます。まず県での取り組みが始まったところでございますので、まずはその辺の状況を調査研究した上で、関係部局が連携しましてしっかりと検討していきたいというふうに考えております。以上であります。
○副議長(伊藤育子君) これで林芳久仁君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十月一日午後一時会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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