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本会議会議録

答弁文書

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平成25年6月静岡県議会定例会

大池 幸男 議員(民主党・ふじのくに県議団)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:07/26/2013番目)
答 弁 者知事


○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 大池議員にお答えいたします。
 初めに、世界農業遺産に認定された静岡の茶草場農法の活用についてであります。
 このたび、静岡の茶草場農法が世界農業遺産に認定され、富士山の世界文化遺産と並び本県に二つの世界遺産が誕生いたしましたことはまことに喜ばしい限りであります。世界農業遺産は、今回の新規認定六地域を含め、これまでに世界十一カ国でわずか二十五地域、日本では五地域の認定がされている世界レベルの貴重で重要な農業の資産でございます。
 静岡の茶草場農法は、長年行われてきた良質なお茶づくりが絶滅危惧種七種を含む三百種以上の植物などの生物多様性の保全につながっていること、茶園と茶草場が一体となって美しい景観を形成していることなどが高く評価されたものと考えております。
 茶草場農法を行われております県議の御地元の島田市、また近隣の掛川市、菊川市、牧之原市、川根本町というところは良質なお茶で知られています。このいいお茶をつくるということが、結果的によい景観を生んできたということでございまして、ここの順序を間違ってはいけないと。やはり人に褒めてもらうための景観をつくってきたのではなくて、いいお茶をつくって人に喜んでいただくと。これが結果的に生物の多様性を維持する形になっていたということがすばらしいと存じます。その仕事自体は、極めて大変な作業を伴うものであるということは十分に承知しているわけであります。今回また四市一町と県とが互いに協力ができたということも大きいと存じます。実際五月二十九日の世界農業遺産の国際会議におきまして、四市一町を代表された掛川市長さんと私とで上手に分担をいたしましてプレゼンテーションを行いましたことが、関係者の心に触れたというふうに感じております。
 そこで我々は、この茶草場のある四市一町と県とが連携をいたしまして、今回の認定を契機に茶業の振興につなげていきたいということでマーケティングの専門家の御助言を賜りながらこれまでの多くの先人たちの茶草場農法によるおいしいお茶づくりへの熱い思いを伝える商品をブランド化するという戦略を立てたいと存じます。あわせて茶業研究センターが、茶草場農法のお茶を科学的に分析することでその品質のよさを発信していきたいと考えております。さらに地域の振興にもつなげるために、観光や商工業者の方々とも連携して現地ガイドの配置やPRパンフレットの作成などグリーンティーツーリズムの受け入れ体制の整備等を支援してまいります。
 議員も御指摘のとおり、これはただに四市一町の茶草場農法が行われているところだけでなくて、八百年の歴史を持つ静岡県の茶園全体が、それぞれ品質を高めるためにそれぞれの地域に応じて品種改良をされてきた歴史がございます。したがってこれは静岡県全体の茶園が評価されたものだという認識を共有したいと存じます。
 「山は富士 お茶は静岡 日本一」と言われますように、富士山を背景とした茶園は、日本を代表する景観でございます。今回の二つの世界遺産の誕生は、静岡のお茶の魅力を伝える絶好の機会でありますことから本年秋に開催される世界お茶まつりを初めあらゆる機会を通じ、その魅力を国内外に発信してまいりたいと思っております。ちょうど秋葉原のCHABARAという、さまざまな県並びに本県の「おいしず」が入っておりますところなども活用することができると考えております。
 ただ、FAOの世界農業遺産委員会は、手放しで評価したのではないということもあわせて知っておく必要があります。それは、防霜ファンの存在は目ざわりだということをはっきりと言われていました。しかし我々には、凍霜害の被害で大きな打撃をこうむった記憶が新しいことです。一方あの防霜ファンを活用して、それをデートコースあるいは家族の遠足コースにしている済州島がございます。はるかに格好いいものをつくって機能は同じなんですけれども、そこをいわば観光の名所にしているわけですね。うちの静岡県で学んだ方が向こうに行って、それを観光の名所にすることを通して防霜ファンも少しくスマートなものにしたということで私どもは、その機能とあわせて人に見られたときにどう見えるかということも、これからはですね、そういうデザイン性というものもあわせて考えていくことを通して、このFAOには報告義務がございますのでその点の改良もあわせてやっていかねばならぬのではないかというふうに存じます。
 私どもといたしましては、茶業団体や市町などと連携しこうした取り組みを通じて、伝統的な茶草場農法を後世に伝えられるよう維持保全に努めるとともに、茶の都しずおかづくりの貴重な資産として、茶業や地域の振興に生かしてまいります。
 次に、富士山の世界文化遺産登録を生かした大型クルーズ船の誘致促進についてであります。
 我が国における平成二十四年のクルーズ船の寄港回数は、国全体で一千百五回ということで五年前の二〇〇七年が八百三回でございましたから、この間に一・四倍に拡大をいたしました。そして船舶が大型化し寄港先も多様化する傾向にございます。クルーズ船を利用した観光は、今後ますます発展が期待されるところです。清水港における大型クルーズ船の誘致につきましては、静岡市を中心に国、県、民間団体で客船誘致委員会を組織しております。そしてこれまでも積極的な誘致活動に取り組んできました。最近では、本年三月にドイツ船の「アマデア」と日本船の「ふじ丸」が同時寄港して注目を集めたところです。
 こうした中、三保松原を構成資産として富士山が世界文化遺産に登録されましたので、清水港を大型クルーズ船の寄港地として世界にアピールする上では大変有効であるということで、本県の観光振興の面において大きなチャンスであると認識しております。
 富士山と駿河湾が織りなす風景は、江戸時代の浮世絵にも描かれ、国内外に広く知られております。大型クルーズ船のなかった江戸時代におきまして、海越えで見る富士山の姿、あるいは船と一体になった富士山の姿というのがあります。そこには、日本が津々浦々の国柄であるということがおのずと示されていると存じます。大型クルーズ船にかかわらず、例えば駿河湾をあるいは伊豆半島を上手に活用した津々浦々で結んだそういう観光もあわせて振興していくということを考えていいのではないかと。我々は今のところ内陸の道路というものに目を奪われがちです。それはそれとして極めて近代のものとして重要ですけれども、一方で本来の日本にしかない四字熟語、津々浦々。韓国にも中国大陸にもありません。日本の国柄が津々浦々で示されているということは、実は船と人と景観というものとが一体になっている、そうしたものを生かせるということでもございます。
 こうした特性を生かしまして、世界文化遺産に登録された富士山の絶景や三保松原、白糸の滝を初めとする自然景観とサクラエビやシラスなどグルメを組み合わせた周遊観光ルートなどをセールスポイントとしてまいりたいと思っています。官民一体となって大型クルーズ船の誘致を一層促進してまいるという決意でおります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

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