• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 答弁文書

ここから本文です。

本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年9月静岡県議会定例会

宮城 也寸志 議員(自民改革会議)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:09/26/2016番目)
答 弁 者知事


○知事(川勝平太君) おはようございます。本日は九月議会の代表質問の初日に当たりますが、傍聴席に初めて高等学校の諸君が詰めかけております。菊川南陵高等学校の三年生の諸君、よくお越しいただきました。総合学習の一環ということで大変立派な御決断を先生がされたと存じます。私学ならではのことではないかと存じますが、これは宮城議員の呼びかけに応じたものということで宮城先生にも御礼を申し上げます。ありがとうございました。こうしたやりとりは前もって宮城先生からの質問全文が県行政部のほうに届けられまして、これを熟読いたしまして、私、また部局長が御答弁を申し上げると、そういう形式でございます。
 さて、宮城議員にお答えいたします。
 まず、私の政治姿勢についてのうち、説明責任についてであります。
 私は、知事就任以来、現場に赴き現場から学び現場に即した政策を立てる現場主義を基本としてまいりました。当初宮城先生から寄せられましたこの質問の中に知事一期目は県民の皆様からは県民の声を聞いてくれる現場主義と評価が高くとありますが、先ほどの御質問ではこれが省かれておりますが、どのような圧力がかかったのか大変関心のあるところでございますが、いずれにいたしましてもこれは単なる標語ではありませんで平成二十一年四月に就任いたしまして以来、平成二十一年度では県下の各地域に、現場に赴くこと百九十六回、その次は三百三十九回、二百九十三回、二百九十四回と、合計四年間で一千百二十二回現場に足を運んでおります。
 この姿勢は二期目も変わっておりませんで、今三年余たちましたけれども既に三年とこの五カ月で九百五十五回現場に足を運んでいるところであります。したがって今年度が終わり、また私の任期が四年目尽きる七月まで恐らく二千回を優に超える、既に二千七十七回、八月までに現場に足を運んでおりますけれどもこれに加えまして知事広聴を過去四十七回、また移動知事室を二十回開いておりまして、これらを通しまして県民の皆様と直接意見交換を行い県政における重要な政策ヒントをいただくとともに、その結果の全てを県庁各部局にフィードバックし全庁を挙げて県民本位の政策を練り上げてきたところであります。
 しかし、それらのうち幾つかが唐突ともとられ、また物議を醸す話題というふうに形容されましたが、一つ一つ申し上げますといわゆるファルマバレーセンターの開所式が九月の初めにありました。宮城先生は御出席されたのでしょうか。その席にサンフロントという東部の発展を図る代表者が祝辞を述べたのを御存じかと存じます。沼津の問題は御案内のようにもう数十年にわたり貨物駅の原町への移転ということがあります。その移転につきましてほぼ関係者の御理解を得られまして、そうしました中でその現行の貨物駅の跡地利用については既に数年間議論をしておりまして、そしてこのサンフロントのトップ、また沼津市長、それから沼津商工会議所の会頭などこの跡地利用につきましてサッカーについて既にサッカー場としての青写真も皆様がお描きになっておられます。ただし沼津市民は二十万人近くいらっしゃいますのでその全員の方が知られてないかもしれませんけれども、その市の代表の方々は既に御存じのことで決して唐突ではありません。
 それから、空港における静浜基地との連携にかかわる、私が全国知事会においてその南海トラフにかかわる九県の知事さんの集まった中での発言がございました。この静浜基地とそれから空港との関係におきましては平成二十三年三月十一日の東日本大震災の後、自衛隊であるとか米軍であるとかさまざまな方が救援にお越しになります。そのような救援を受ける受援基地が必要で、そのために東海地域には基幹的広域防災拠点というものがありませんので、そこを基幹的広域防災拠点にするように国に訴えかけ、最終的には大規模な広域防災拠点になったところであります。したがってそこには自衛隊、米軍等が来ます。そして空からの支援でございますから当然航空の管制というものに従わねばなりません。
 私は、静浜空港の司令にお願いをいたしまして、そこに練習機が二十機ございますがその一つに試乗いたしました。そして一旦空港に着陸し、そこから離陸をして、そして御前崎の浜岡原発の上を通過し、そして基地に戻ったわけでございますが、そのときにすぐに気づくことがあります。実は管制が違うんです。二つの管制が同時に働いております。一つは国交省の管理、もう一つは浜松の空自――航空自衛隊からの管制であります。この二つの管制が狭い地域で分かれているというのはいざというときには大変問題になっておりまして、昨年暮れに急逝されました君塚元幕僚長――この方はうちの補佐官でございましたが――これを何とかしなければならないということでございました。これはまさに静浜とこの飛行場との関係ということでございますのでこの連携を図らねばなりません。しかしながら御案内のようにこの九月の総合防災訓練におきましても静浜からは一機上空を通過しただけに終わっておりまして、まだ十分に連携ができていない。その連携が必要であるという問題提起をしたものでありますが、これも決して唐突に出てきたものではありません。
 あとは静岡市にかかわることを掲げられました。桜ヶ丘病院の移転先についてでありますが、ことし三月の静岡の市議会におきまして、それこそ突然これを清水庁舎に移転をするという発言がございました。これは寝耳に水であったのは恐らく宮城先生にとっても同じだと思います。県の全ての職員にとってもそうでした。そして地元の人にとってもそうであったようであります。その結果桜ヶ丘病院の位置する岡地域の人たちがその物議を醸されまして静岡市長との面談を求められましたけれどもそれが実現しておりません。その結果市長に対する不信感、失望さらにはリコールをするとまで、あるいは裁判を起こすとまで厳しい物議が起こっているのはこれはどういう理由か。さらにまたその岡地区の人たちが静岡市に本来行くべきところをなぜ県知事室にまで来られたのでしょうか。これは現場のことをよく知っているという御認識が関係者の中にあるからだというふうに存じます。
 それから、御幸通りでありますがこれは井川湖御幸線というふうに言います。これは県道井川湖御幸線と言いますので政令市になるまでは県が管理しておりました。しかしながら御案内のように井川地区まで行かれますと、今、井川地区には六百人にも満たない人しかいません。ところがこの井川線に通ずる脇道が寸断されているのは御存じでしょうか。あるいはその大井川鉄道の千頭駅からこの井川の終点に至るまでこの線路が動いていないのを御存じでしょうか。あるいは井川駅から道路に出る橋が流されたまま放置されているのは御存じでしょうか。どのようにして救急車がそこに助けに行くんですか。それが放置されております。
 そのうち、せめて県庁の職員も来るこの御幸通りのこのおよそ八百メートルにも満たないところについては一緒にやりませんかと。特に文化の都市をつくりたいというのであれば、また徳川家康公薨去四百年にかかわる形で徳川時代を連想するようなまちづくりをしたいとおっしゃるので言ったところ、それはやりたいと。しかしながらここは市の管轄ですから口出すなということ。こういう状態が起こっているのが御幸通りについてであります。ですからこれは井川御幸通りをどのように――これは幹線でございますから――整備するかということとのかかわりで出てきた問題で決して唐突ではありません。
 それから、県都構想を言われました。この県都構想は大阪都構想という、もと大阪府知事また大阪市長であった橋下さんが提起せられたもので、これは国民的な議論を巻き起こしたものであります。そうした中で、政令指定都市の中に特別区を設ける。東京二十三区のような特別区を設ける。一方市長さんは浜松市も静岡市長さんも特別自治市を設けると。これは政令指定都市全体の決議事項でもあります。ですからこれについて話をしましょうというのが県都構想についての問題提起でありまして、これも決して突然のものではなく、当然そういうことについては二重行政を解消するために特別自治市の問題を今提起されておられるのであり、私どもはそれを解消するもう一つの方法として県都構想を提起しておりますので、これは法律上も調整会議を開催して市長と私とが膝を突き合わせて話をしなくてはならないことなわけですね。それができないのはどういう理由によるんでしょうか。住民から逃げていて、かつ市長は県知事から逃げているという、そういう御批判を持たざるを得ないとも思っております。
 以上、このように今唐突で物議を醸していると言われたことにつきましてはちゃんと背景がございます。そしてそれを御存じの先生ももちろんここにいらっしゃるのです。県議七十名近くいらっしゃいますけれどもそれぞれの地元については通暁されていると存じますが、それぞれの地元にかかわることを他の県議の方々が必ずしも共有されていない場合があります。そうした場合に知らなかったことを初めて聞いたかのごとき印象を持たれるのもやむを得ないと思いますけれどもちょっと調べていただきますとそのように十分に背景があり、現場主義に立脚したものであるということがおわかりになると思います。
 それから、和をもってとうとしとなすというのはこれは極めて重要なことです。と同時にこれは一足す一は二という、その二つのことを平均するのではありません。和というのは足し算です。一足す二の和は三といいます。あるいは音楽で和声というのがあります。ドミソというのを一緒に鳴らしますと一つの音に聞こえますが、よく耳を澄ませばドの音もミの音もソの音も聞くことができます。すなわちそれぞれを生かしつつ調和させるのが和であって決してなれ合いの平均主義ではないんです。そのような意味におきましてそれぞれの主張をしつついかにしてそれぞれを両立させていくかと、あるいは三者鼎立させていくかということが和をもってとうとしとなすということで、それを図るためには文字どおり万機公論に決すということがなければならないんですね。これはもう五箇条の御誓文の第一で人間宣言をされました天皇陛下が一九四六年一月一日に復唱せられた内容でもあります。これは官武一途庶民に至るまでそれぞれおのおの志を遂げるということが大事で、また盛んに経綸を行うべしと、いろいろと議論をし合うということが大事ですがそれから逃げていては決して和をもってとうとしとなすというそのような和を、大きな和をつくることができないということでございます。私はこうしたものについて常にオープンでありまして物議を醸すればそれを話せばよろしいと、万機公論に決すればよいと、こういう態度でございます。
 今後とも常に県民本位、和をもってとうとしとなすという姿勢を堅持しチームの総力を結集してふじのくにづくりの総仕上げに向けて邁進してまいりますので、県議会議員の皆様の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、富士山静岡空港西側エリアの将来展望についてであります。
 富士山静岡空港は今後の県勢発展に不可欠な社会資本です。首都圏空港の一翼を担う我が国のゲートウエーにふさわしいように、人々が集いにぎわう魅力あふれる空港としていかねばなりません。また大規模災害時に広域応援を行う防災拠点として整備を進めていかねばなりません。
 このために、空港の中枢的な役割を担う旅客ターミナルビルの増築、改修に現在取り組んでいるところであります。また空港西側の空間の有効活用を図るため本年三月に区域ごとの土地利用計画について広く情報を発信したところであります。
 さらに、さかのぼれば平成二十一年度におきまして、すなわち今から七年前におきまして空港ターミナルビルから原子力防災センターまでの七ヘクタールの区間を含む全体を空港ティーガーデンシティとして整備するということで県民の皆様、特に地域の人々とはさまざまな場面で意見を交換してまいりました。そのうちの一つが例えば石雲院のあの展望台もそうであります。決して一方的にしたのではなく、こちらが案を出しそれが蹴られ、そして議論を煮詰めて今のような形になったものであります。いろいろな案を出すのは我々の仕事であります。そしてそれを地元の人にもんでいただき、そして最終的な誰もが納得するものにしていくとこういう手法をとっているわけであります。
 さて、この区域に研究教育機能を備えた航空博物館を立地したいという御意向が静岡理工科大学からいただいております。将来的には今後成長が期待される航空関連産業の立地も視野に入れながら土地の利活用を計画的に進めていく必要があるというふうに考えています。
 また、原子力防災センターより西の約十六ヘクタールにつきましては災害時の大規模な広域防災拠点として国から御指定をいただいております。これまでに原子力防災センター――オフサイトセンターと災害時に部隊の活動拠点となる多目的用地の合計三ヘクタールの整備を完了させました。原子力防災センターは去る七月より浜岡原子力発電所のオフサイトセンター――もし事故があったときにはそこが現場指揮の拠点になります――として運用を開始しております。多目的用地は陸上自衛隊の補給拠点開設訓練会場として活用されております。これもひとえに大規模な広域防災拠点として国から指定を受けているからでございます。残りの十三ヘクタールにつきましては災害時に活用する警察、消防、自衛隊等の一時集結地や活動拠点として活用できるように現在具体化に向けた協議を進めているところであります。
 県としましては、引き続き全体計画を広く情報発信するとともに、民間事業者の創意工夫を生かした各種施設の整備を促進し大規模災害時における広域防災拠点としての機能をあわせ持ち、人々が集いにぎわう空間を創出するべくスピード感を持って取り組んでまいります。
 次に、地域外交についてのうち、台湾及びモンゴル訪問の成果についてであります。
 海外との交流におきましては、責任ある立場のトップ同士が直接お互いの顔が見える関係をつくり上げ意思決定ができるそういう権限をいただいておりますから、その者同士が信頼をお互いに持つということが何より重要であります。それこそが相互に実のある交流を生み出すものであると確信しております。
 宮城先生は、今回川勝はブラジルに行く必要はなかったがモンゴルと台湾には行く必要があったと判断したというふうに言われましたが、私は両方とも行く必要があったと思っております。モンゴルと台湾に行くことができたのは、現行の旅費規程により一泊決まっておりますがそれ以下で抑えることができると。しかしながらリオは御案内のように規程は一万七千五百円でございますけれども、最初出てきたのは二十万円でした。次に安く探して八万円だったわけです。十倍以上あるいは五倍近くするところに規程があることを知っていながら行くことができるでしょうか。
 したがって、それに準拠する形で相当に、何といいますか、本来行けば済むことを私のかわりに行っていただくためには相手の方にそのことを理解していただく必要がありますので、手紙を書くなりさまざまな御説明を申し上げてようやく今回の成果を上げたのでありまして、私が行っていればこうした無駄とは言いませんけれども労力は省くことができたということでございます。今回は行くことも大事ですが行くルールもまた大事で、ルールを遵守しないで勝手に行って結果オーライというわけにもまいりません。そういう態度でリオデジャネイロには行くのを控えたということでございます。
 さて、モンゴルにつきましては、昨年モンゴル国教育・文化・科学省――日本の文科省ですが――それと交わしました教育分野等の協力に関する覚書調印一周年記念式典へ参加いたしました。また政権交代直後のモンゴル国及び地方政府の要人との会談――これは恐らく全世界で私どもが最初であったと存じますが、そういう海外の自治体からの訪問団として温かい歓迎を受け、そして実を上げる結果をもって帰国したわけでございます。
 首都のウランバートルにおきましては、エルベグドルジ大統領御自身がお目にかかってくださいました。また御就任されました新首相――エルデネバト首相とも親しく会談し、特に首相とは本県がこれまで関係を構築してきた政府機関の閣僚の皆様との会見も準備していただきましてモンゴル国との人材交流の充実、下水道運営に関する技術協力の継続、通商の促進など確認することができたのであります。
 中でもエルデネバト首相からは、彼御自身がモンゴルの重要な農業地域、モンゴル三百万の半分の人々のその食料を提供するというセレンゲ県の御出身でその知事もお務めになった御経歴をお持ちの方でありますが、そのセレンゲ県との農業分野での関係の強化をしてほしいというじきじきの要請まで受けたところでございます。そしてそれを受けてそのセレンゲ県から農業研修員を受け入れるとともに、新たに農業分野での通商を促進するため現地から通商にかかわる調査員を受け入れることをも検討しているところであります。
 また、人口全体の半分を占める百五十万人を擁するウランバートル市の今度新しく就任されましたバトボルド市長からは、ウランバートル市の行政区全てと本県市町との交流の促進について進めてほしいという御提言を受けたところであります。新たに同市の全区長に本県を御訪問していただきましてまず県内を見ていただく必要がありますので、その機会を創出することを現在検討しておるところであります。
 ドルノゴビ県とは友好協定締結五周年を迎えました。その五周年を期しまして、まさに新しく就任されたばかりの県知事さん――エンフトゥヴシンさん並びに県議会議長――トゥメンバヤル議長とこれまでの友好関係をさらに発展させてほしい、発展させていこうということを相互に確認することができたわけでございます。
 さらに、現地では大統領を初め就任直後の閣僚の皆様などから先ほど申しましたごとく大変温かく迎えられました。ウランバートル市郊外の大統領離宮にお招きいただくなど隅にも置かない手厚いおもてなしを受けたわけでございます。
 今回の訪問を通じまして、ドルノゴビ県から始まった交流はまさにモンゴル国全土に広がっているということを実感いたしました。今回もこの党派を超えた議連の四人の先生がお越しになられましたけれども議連の会長に対してもきちっと御報告を申し上げまして、これは県議会の議員の先生方、県、市、町の全ての人たちが取り組まねばならない課題になったというふうに存じます。
 さて、次に台湾についてであります。
 今回は、本県と台湾の交流人口を拡大するための基盤づくりを目的に訪問いたしました。
 何といっても大事なのは教育です。教育分野では高等学校の校長先生かつ台湾国際教育旅行連盟総会長、要するに修学旅行団体の全体の会長を務めておられます薛光豊先生と教育旅行いわゆる修学旅行の促進に関しまして活発に意見交換を行いました。私はこれまで本県の高校生全員がパスポートを取得してほしいと、そうしないと外国に行けません。そしてそれを強く推し進めていることを提唱してきたこと、また富士山静岡空港からわずか三時間半で到着できることなどの理由から初めての海外旅行先として台湾を強く推進してきたことをお伝えいたしました。時差もほとんどありません。親日的です。安全です。しかし外国です。こうしたことを経験することが、十代のうちに経験することが確実に人生の財産になるというふうに確信をしております。今後本県から台湾への教育旅行の拡充に向けた取り組みを進めるため、本県と台湾の教育関係者同士の情報交換などを一層進めていこうということで意見が一致いたしました。
 また、新たに就任されましたいわゆる日本の外務省に当たる――向こうは国として認められないというつらいお立場にあります――それを亜東関係協会というふうにいいますがその会長、また静岡県に飛行機を飛ばしていただいております中華航空――チャイナエアラインの社長などともトップ会談を行い本県との交流に関する支援と協力を依頼してまいりました。またそれを取りつけました。
 このほか、観光分野での関係強化を図る取り組みとして天竜浜名湖鉄道が台湾で最も人気のある鉄道――集集線と姉妹鉄道協定を締結いたしました。また浜名湖と台湾で最高の人気のあります美しい日月潭という湖との間で双方の魅力を生かした交流を推進するため友好協定が締結され、その協定の立ち会いもしてまいりました。今後双方向での交流が促進されますように努めます。
 今回の訪問を通じまして教育旅行等を含む観光分野での関係構築を図ることができましたが、いずれの訪問先でも日本と台湾間の訪問者数のインバランス――ふつり合いが話題となりました。台湾への訪問者数より台湾からお越しくださる人のほうがはるかに多いというその現実であります。したがってこの溝を埋めてほしいとの要請がございましたので、今後はアウトバウンド――こちらから向こうに行くというその旅行の促進にかかわる取り組みも積極的に進めてまいります。このようなことを通じましてさらなる交流人口の拡大につなげてまいります。
 次に、地方創生についてのうち持続可能な観光誘客についてであります。
 NHKの大河ドラマは、これまでも舞台となった地域に観光客の増加に伴う大きな経済効果がもたらされています。日銀静岡支店さんによりますと「おんな城主直虎」の放映がもたらす本県経済への波及効果は百七十九億円にも上ると試算されております。大河ドラマを活用した誘客は本県の観光振興に大きく寄与することと期待されるところであります。これはまた日本政府の大方針でもあります。
 さて、そのために県では「おんな城主直虎」の放映を県内外からの誘客の促進を図る絶好の機会と捉え、舞台となる浜松、浜名湖エリアを含め県内各地の井伊家ゆかりの事物や周辺の見どころをめぐるツアーをモデルコースとして旅行会社へ提案し商品造成を促しております。またNEXCO中日本と実施する県内一定エリアが乗りおり自由となるドライブプランの展開、JR東海と連携した往復新幹線と県内JR在来線、私鉄、バスが乗り放題となる周遊切符つきの旅行商品など県内周遊の取り組みを首都圏、関西圏、中京圏などで開催される旅行商談会でPRし、企画販売を働きかけているところであります。
 さらに、直虎による誘客効果を一過性のものとせずリピーターの獲得につなげていくために、地域連携DMO――デスティネーション・マネジメント・オーガニゼーションと言われているものでございますがそれとも連携し、観光事業者を初め農林水産業者など関係者とともに本県の豊富な地域資源を活用した魅力ある着地型旅行商品を造成いたします。このことにより来訪者がもう一度訪れたいと感じるような心に残る魅力ある旅の提案を促してまいります。
 ちなみに、「おんな城主直虎」の次の大河ドラマのテーマを御存じでしょうか。西郷隆盛です。これは鹿児島では西郷どん、なまってせごどんと言われるそうでありますが、「西郷どん」というタイトルになる見込みであります。
 西郷さんの功績はたくさんありますけれども、そのうちの一つは何といいましても江戸城の無血開城です。その無血開城に慶喜公の意向を受けて勝海舟そしてまた山岡鉄舟がこの地でその交渉に当たられたということは周知のことでございます。したがいましてこの徳川時代の初めの直虎、それが育てた井伊直政すなわち彦根の最初の城主でありますが、そこからまさに井伊直弼が暗殺され、そして新しい明治維新が開かれるその立て役者の一人西郷隆盛まで、この徳川時代ということについても我々はこの今パクス・トクガワーナとして県立美術館ですばらしい展示会が開かれております。
 私は、観光地域間の競争が激化する中、本県の魅力を「創る」、「誘う」、「もてなす」の三つの戦略を柱に観光交流人口の拡大を図ることが大事だと思いますけれども、そのベースになるのは私どもの地域にあります観光資源についてよく知ることだと思います。直虎についてはほとんど誰も知りませんでした。かといってほかのことについてよく知っているかというとそうでもありません。したがいましてただにこの数を見るだけではなくて、今世界資源の観光資源群が富士山が世界文化遺産になってから三十を優に超すものになっております。こうしたことについてよく知識を持つという、文字どおり学問としての観光学、実践の学問としての観光学、こうしたものが必要で、県立大学でそれが取り組まれつつあります。
 したがいまして、この地域で学ぶ若い高校生諸君も自分たちの地域の持っていることについてよく知り、そしてまたそれをお国自慢にとどめるのではなくて世界の中、日本の中で位置づけるというそうしたその勉強するということが実は観光力、地域力を上げていくことにもなるというふうに存じます。世界遺産富士山など世界水準の観光資源が数多く有する、ある、このふじのくに静岡県にふさわしい持続的な観光地域づくりを御一緒に進めていこうではありませんか。
 次に、健康寿命日本一の延伸についてであります。
 静岡県の健康寿命は男女とも全国トップクラスです。全ての県民の方々にいつまでも健康で長生きしていただくことが県民幸福度の最大化に通じてまいります。県では健康寿命日本一の県にふさわしい高い健康づくりの目標を掲げさまざまな取り組みを行い健康寿命のさらなる延伸をしていこうと思っております。
 健康づくりの取り組みとして平成二十四年度より、すなわち四年前より特定健診データの分析による地域の健康課題の見える化や運動、食生活の改善、社会参加、この三つを取り入れたふじ三三プログラムの普及など健康長寿プロジェクトを推進し、県民の皆様が御自身の健康に関心を持ち全県一体となって取り組む仕組みをつくって御提供を今しているところでございますが、現状ではメタボリックシンドローム該当者の割合が四年連続で全国一少ないものの特定健診受診率につきましては全国十一位、県が掲げる目標には達していないという状況です。
 今後、市町による健康づくりへの取り組みを全県においてさらに向上させ県民がみずからの健康への関心を高め健康管理に取り組むようにするためには、これまでの健康増進の施策をより充実していくとともに、新たな視点に基づく取り組みを進めていく必要があります。
 そのため、今回の九月補正予算案におきまして、働き盛り世代の生活習慣予防対策を重点的に行うため企業に経営戦略として健康づくりに取り組んでいただけますように保険者、経済団体とも連携した健康経営――健康経営という言葉がございます――健康経営の実践体制の構築のための経費を計上したところであります。
 全ての市町がより一層健康づくりに取り組めるよう、特定健診データの分析結果の積極的な活用の働きかけや先進的取り組みの情報共有などにより健康長寿プロジェクトを強力に推進し健康づくりへの関心を高め地域の健康課題に効果的に対応いたします。さらに公衆衛生学を発展させた社会健康医学に着目いたしまして、科学的な視点に基づく健康施策を推進するための研究や人材の育成にも取り組んでまいります。さらにまた静岡県の実人生に対応した、いわゆる人生区分というものもこれをPRしていく必要があります。
 私は、きのう日曜日ですが高校を卒業して五十年をたった同窓会に出席してまいりました。現在高校生の諸君は十七歳か十八歳かと存じます。五十年たちますと六十七歳か六十八歳になるわけです。六十五歳でありますと高齢者と言われます。しかしながら静岡県の健康寿命は女性は四捨五入すれば七十六歳まであるのです。皆元気でした。それが現実の日本の姿であり、特にそれが際立っているのが静岡県なのであの静岡県型の人生区分を提供いたしましたところ、会場からはこれだと、そのとおりだと、今我々はまだ壮年熟期だという共感を得た次第でございます。
 そのように、さまざまな形で静岡県が健康の都であるという、また美と健康の都であると言ってもいいと存じますけれども、それを科学的にまた産業的にも推進していくという、その中心になりたいというふうに思っております。
 静岡県が常に健康寿命日本一の県であり続けるため、社会全体で一層の健康づくりを推進する体制を構築し健康寿命延伸の取り組みにおける日本の中心地となり世界が憧れる健康長寿ふじのくに、いわばジャパニーズドリームの実現を目指してまいろうではありませんか。
 次に、長くなって済みません、これで終わります。
 次に、農業分野の強化についてのうち、研究開発の取り組みについてであります。
 静岡県の農業の優位性を確保し継続的に発展させていくためには、県農林技術研究所が新たな品種や生産技術の開発に取り組むなど社会経済の変化に迅速に対応して農業の構造改革を牽引する研究開発に積極的に取り組むことが重要です。これまで農林技術研究所は県産イチゴの主力品種となっている「紅ほっぺ」や県内の二十五の酒造メーカーが用いる酒米――「誉富士」という商品名がついておりますが――などのすぐれた品種を育成し本県農業の振興に寄与してまいりました。
 また、近年では光沢と香りにすぐれた高級感あふれるイチゴ「きらぴ香」や成長が早く甘味と辛味のバランスがよいワサビ「伊づま」など消費者の嗜好に対応する新しい品種の育成とその普及にも取り組んでおります。
 さらに、生産技術の研究、実践も大切です。いつぞや宮城先生と御一緒に菊川の地下水位制御システムを導入せられておられる大石さんという農業経営士のところを見学いたしました。これは掛川でも森町にも広まっているようでございますけれども大変充実した、いい、また楽しい見学であったと存じますけれども、こうした生産技術にとどまらず流通管理技術の研究開発にも取り組まねばなりません。海外を含め需要の高まっている抹茶につきましては消費者が求める有機栽培のための栽培技術の研究を、ミカンやイチゴなどの生鮮品につきましては輸出の際の船便や空輸においても品質を保持するための技術開発を今進めているところであります。
 農業を取り巻く社会経済情勢は大きく変化しておりまして、消費者は食に健康と安全・安心を求め、農産物の購入に当たりましてはその品質や健康増進効果いわゆる機能性を重視するようになってきております。このため農・食・健康これを総合的に捉えた先端研究を行う拠点を沼津市の東海大学開発工学部跡地に整備することとしています。農林技術研究所が中核となりまして県内企業それから日本最高の科学技術の拠点理化学研究所、さらに慶応義塾大学と連携いたしましてマーケットインの考え方を踏まえた新たな生産技術の開発に取り組むこととしております。
 さらに、農業の現場では作業の省力化に対するニーズが高いことから、その解決に向けて本県のものづくり力を生かし革新的な農業ロボットを開発するプロジェクトも立ち上げたところであります。
 県としましては、今後ともオープンイノベーションの考え方によりまして国内外の市場ニーズに対応した研究開発に産業と連携して取り組み、本県農業のさらなる強化を図ってまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp