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本会議会議録

議会補足文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用




平成29年12月静岡県議会定例会
平賀 高成討論
発言日: 12/01/2017
会派名: 日本共産党静岡県議会議員団


○議長(杉山盛雄君) 以上で決算特別委員会委員長の報告は終わりました。
 これから討論を行います。
 通告により、一番 平賀高成君。
       (一番 平賀高成君登壇)
○一番(平賀高成君) 日本共産党の平賀高成です。認定に付されている二〇一六年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業会計十七会計中、二〇一六年度静岡県一般会計歳入歳出決算、二〇一六年度公債管理特別会計決算、二〇一六年度静岡県県営住宅事業特別会計歳入歳出決算、二〇一六年度静岡県地域振興整備事業決算の四会計決算に反対し、以下若干の意見を述べて討論といたします。
 二〇一六年度の決算にかかわり、まず今日までの二十年間に日本の経済社会に三つの特徴的な変化が生まれたと考えます。
 第一の特徴は、富裕層への富の集中が進んだことです。純金融資産五億円以上を保有する超富裕層では、一人当たりが保有する金融資産はこの二十年間で六・三億円から十三・五億円へと二倍以上にふえました。
 第二の特徴は、中間層の疲弊が進んだことです。労働者の平均賃金は一九九七年をピークに年収で五十五万六千円も減少しました。政府の国民生活基礎調査ではこの二十年間で生活が「苦しい」と答えた人が四二%から六〇%と大きくふえる一方で、「普通」と答えた人は五二%から三六%と大きく減りました。
 第三の特徴は、貧困層の拡大が進んだことです。この二十年間で働きながら生活保護水準以下の収入しかないワーキングプア世帯は就業者世帯の四・二%から九・七%と二倍以上となりました。貯蓄ゼロ世帯は三倍に急増し三〇・九%に達しています。こうしたときだからこそ、地方政治は国の悪政の防波堤となり住民福祉の増進を図ることを基本にしなければなりません。
 この立場から昨年度の県政運営を具体的に見てみますと、まず第一は県民合意のない静岡空港にかかわる問題であります。昨年度は公債管理特別会計に含まれる空港の借金返済として利子十億六千二百万円を含めて四十七億九千九百万円を支払い、一九九五年から二〇一六年までの二十二年間で利子二百九億五千八百万円を含め六百九十六億三千六百万円を支払ったことになり、期末残高はなお五百八十六億五千七百万円でした。県民合意のないままスタートした静岡空港は二〇一六年度の約四十八億円のほか、これからも毎年四十億円を超す借金の返済を迫られるという負の側面を背負い続けることになるのであります。
 空港関係歳出は、借金の返済約四十八億円のほか空港周辺のにぎわい創出事業を実施する市町に対する助成などに要した空港隣接地域賑わい空間創生事業費助成四億二千五百八十六万円、新規就航の促進や既存路線の拡大などに向け航空会社に対する支援などに要した経費である空港競争力強化事業費三億六千五百八十一万円、空港アクセスバスや西部地域などからの乗り合いタクシーなどの運行に要した空港アクセス向上事業費一億二千三百十万円など利活用推進、空港PR、地元助成金、空港会社への支援などで多大な県費をつぎ込まざるを得ないのは過大な需要予測を立てて県民合意のない、必要のない空港を無理やり建設したからであります。
 また、JR東海が再三にわたって不可能と回答しているにもかかわらず静岡空港への新幹線新駅設置を目指して二〇一六年度予算では予備費で十億円を充て、結局JR東海からは否定され翌年二月議会の補正で十億円は削除されました。こうした予備費で予算を計上し議会の議決を経ないで予算を使うやり方は赤字の傷口をさらに広げるやり方であり認められません。
 さらに、空港旅客ターミナルビルの増改築や県民の財産である静岡空港の運営権を民間売却に着手するなど空港関連のこれ以上の無駄の上乗せはやめるべきであります。空港建設は需要予測に始まり需要予測に終わると言われるように、肝心かなめの空港需要予測を誤ったことについて徹底的に検証し需要をふやすための県費投入が新たな赤字を生み出す現在の空港運営の体質を根本的に改めることが必要であると指摘をしておきます。
 第二は、浜岡原子力発電所の問題です。中部電力は浜岡原発四号機・三号機の新規制基準適合性審査の申請を行い二〇一六年四月一日に防潮堤を完成させ再稼働に向けた動きを強めていますが、二〇一六年七月二十九日には五回目となる安全対策工事の延期を完成時期を示さず発表しています。安全・安心が求められる浜岡原発では二〇一六年度に限ってもトラブルが続発しています。四月八日、三号機格納容器内のフィルターの一部破損、四月十一日、冷却水に破片混入、発電機の潤滑油漏れなどが発見されています。十一月十一日には四号機の圧力抑制室からゴム手袋など異物十二個が発見され、二月十六日には三・四号機の不適切な施工百十九カ所が公表されました。
 広域避難計画では、二月十日には浜岡事故想定の県の実動訓練や御前崎市などで防災訓練が実施されました。二月十四日に県外避難先三百五十自治体が公表されましたが、広域避難計画の策定はおくれ三十一キロメートル圏内の住民、要支援施設からは不安の声が聞かれます。避難計画で一番大変なのは要支援施設の避難計画であります。県民の安心・安全のためにも、早期の避難計画の策定とその実効性が担保されるまで浜岡原発の再稼働は認めないという県の確固とした立場の表明を求めておきます。
 この浜岡原発には、立地市町等が行う地域対策事業に対して助成する電源立地地域対策交付金事業費十六億七千五百五十四万円、原子力発電施設等周辺地域企業立地支援事業費助成五億三千三十四万円など危険を受け入れてもらうために地元対策として使っているもので、これらの交付金は原子力避難計画の範囲が三十一キロメートルに拡大されたことや福島原発事故で原発が広範囲に放射能汚染をまき散らしていることからも不合理であり、こうしたお金は危険な原発受け入れの地元対策としてではなく安全・安心な再生可能エネルギー促進のために使われるべきであります。
 原発は国策で行っているもので、国が立地自治体や近隣の自治体に補助金を出しています。その上に県が補助金を出し、原発が集中し、危険なまちづくりを支援するということにもなっています。南海トラフの巨大地震が想定されている静岡県にとって、こういう補助金はなくし原発がなくても自立できるまちづくりへの支援を行うことを求めます。
 第三は、県営住宅の決算であります。県営住宅の入居状況等の県資料を見ると入居率では二〇一五年、九四・五%、二〇一六年、九二・七%、二〇一七年、九一・七%と年々下がっています。また応募倍率でも二〇一五年、一・九一倍、二〇一六年、一・三四倍、二〇一七年、一・一一倍とこちらも下がっています。
 しかし、働く貧困層が全労働者の中に占める割合が四割を超え年収二百万円未満の若者の七七・四%が親との同居で生活を維持しているとの調査があります。県営住宅の安い家賃でも親元から自立できない若者がふえているわけです。低所得の母子家庭、低年金の高齢者らは賃貸住宅の家賃払いに四苦八苦です。しかも単身高齢者はなかなか入れません。入居する場合でも保証人が二名以上、市民税を払っている人など条件が多く苦慮している実態があります。
 二〇一五年度決算で六十億七千九百二十三万円の県営住宅整備が、二〇一六年度では三十六億九千九十万円に大幅に減っていますが容認できません。増額を求めるとともに、もっと現在の若者や高齢者のニーズに対応した県営住宅整備を求めておきます。
 第四は、地域振興整備事業にかかわる産業施策であります。県の商工施策は本県経済を下支えしている既存の中小零細企業の支援より企業誘致や新産業、経営革新等の一部の先進的な企業支援に偏っており、農業施策にしても国同様ビジネス経営体育成など規模の大きな農業者支援に偏っているという問題があります。企業誘致には三十九億三千四百十五万円余をつぎ込んでいますが、それだけで商工費約百二億八千九百十二万円余の三八%を占めておりその偏りは明らかであります。自力で危機を乗り切ろうとして頑張っている中小企業、中小業者を守り直接支援することこそ県の経済対策のかなめでなければならないはずであります。
 我が党は、これまで工業用地開発は大企業の不動産部の役割を果たしているとして反対してきました。内陸フロンティアばかりが強調されますが、市町との役割分担も含め工業団地の造成はこれまでのやり方の検証をしっかり踏まえた上で再検討すべきであります。
 以上述べてきた理由により、冒頭挙げた四件の各会計決算認定の反対の討論といたします。

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静岡県議会事務局議事課

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