• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

早川 育子 議員

質問分類

代表質問

質問日:

07/21/2021

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
        (1) 今後の県政運営
        (2) リニア中央新幹線工事
        (3) 新型コロナウイルス感染症対策
       2 自然災害から県民の命と生活を守る対策について
        (1) 緊急点検
        (2) 規制の強化
        (3) 河川の大規模氾濫への備え
        (4) 黄瀬川大橋の復旧
        (5) 住民避難のための対策
        (6) 女性の視点での防災対策
       3 寄附金を活用した歳入確保について
       4 CNFの活用促進について
       5 静岡茶の愛飲促進について
        (1) 県民を挙げた静岡茶の愛飲促進の取組
        (2) 茶育の推進
       6 県民による地球温暖化対策の促進について
       7 ウイズコロナ時代の文化振興について
       8 サイクルスポーツの聖地づくりについて
       9 女性の健康支援について
       10 ヤングケアラーへの対応について
       11 犯罪被害者支援について


○議長(宮沢正美君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第八十三号、第八十四号、第八十六号から第九十号まで、第九十四号及び第九十五号を一括して議題とします。
 ここで、後半グループの議員の皆さんが退出するため休憩します。
  
○議長(宮沢正美君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、六十九番 早川育子君。
       (六十九番 早川育子君登壇 拍手)
○六十九番(早川育子君) おはようございます。
 私は、公明党静岡県議団を代表し当面する県政の諸課題について知事、副知事、関係部局長、教育長、教育部長、警察本部長に一括質問方式で質問いたします。
 質問に先立ちまして、熱海市伊豆山地区に発生した土石流によりお亡くなりになりました皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、熱海市、沼津市をはじめ被害に遭われました皆様に心よりお見舞いを申し上げます。また日夜を問わず救命救助、復旧作業に当たられています自衛隊、海上保安庁、警察、消防及び県をはじめとした関係の皆様に心より感謝申し上げます。
 公明党静岡県議団として現地調査や避難されている方からの声を基に七月七日、九日、十九日と三回の要望を行いました。県におかれましては熱海市、国、関係機関と連携してこれまで以上に迅速かつきめ細かな対応をお願いいたします。被害に遭われた皆様が安心して日常生活を取り戻せる日が一日も早く訪れることをお祈り申し上げ質問に入らせていただきます。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、今後の県政運営について伺います。
 知事は、三期十二年間一貫してポスト東京時代の日本の理想郷富国有徳の美しいふじのくにづくりを掲げ県政運営を進めてこられました。全国的に少子高齢・人口減少時代となり地方がどのように生き残っていくのか首長の指導性がより注目される中、新型コロナウイルス感染症により社会の価値観が一変しより一層リーダーシップが求められる時代に入ったと言っても過言ではありません。
 そのような状況下で再選されたことは大きな意味があると思います。多選批判のある中での四期目挑戦に当たり、知事は持続可能なふじのくにをつくるために全力を尽くします、静岡県のポテンシャルを最大限に発揮し世界に輝くSDGsモデル県を共につくっていこうと呼びかけられました。
 地震や豪雨等による自然災害や感染症等から県民の命を守る危機管理、低迷する観光をはじめとする経済の再生、加速化する少子化への対応、女性の活躍推進など課題が山積する中で本県の持つポテンシャルをいかに引き出し持続可能なふじのくにを構築されていくのか、厳しい時代の中にありどこに向かいかじ取りをしていかれるのか、今後四年間のスタートに当たり改めて知事のお考えを伺います。
 次に、リニア中央新幹線工事について伺います。
 知事は、これまで自らリニア推進派と公言しつつも工事着工に当たっては大井川の水の問題、生物多様性など南アルプスの自然環境問題が解決することが大前提であるとされてきました。今回の選挙戦ではリニア工事による水問題が争点となり双方の意見は相違はないと見られましたが、川勝知事が命の水を守ると強く主張されあたかも工事反対と捉えられるような発言や行動が県民にとり力強く感じられ勝因につながったと分析する方もおりました。
 二〇一九年九月、県がJR東海に対し四十七項目の引き続き対話を要する事項を提示しましたが議論が進まず、昨年四月より国土交通省が中立的な立場で有識者会議を立ち上げようやく審議が開始されるもいまだ明確な答えが一つも出ていません。南アルプスの自然環境問題は時間をかけて議論しても解決が困難な事柄が多いのではないかという声も聞かれます。
 知事は、選挙戦後の記者会見等での発言でこれまであまり触れてこられなかった工事中止やルート変更に言及されました。知事の考えが変わってきたのかという声も聞かれます。
 そこで、改めて知事のリニア工事に対する認識と今後どのような方針で取り組んでいかれるのか伺います。
 次に、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 医療従事者に続いて高齢者へのワクチン接種も進み一部の市町では六十四歳以下への接種も始まっております。当初は開始の出遅れや全国でも実施率が低いことなどが報道され本県の特に東部地域の医療の脆弱さを改めて感じました。知事は国と連携し感染症専門病院の設置等についても検討してまいりますと所信表明で述べられております。私ども会派でもこの点について強く要望してきましたのでぜひ実現していただきたいと思います。
 さて、ワクチン接種は全体の七割が接種完了すると集団免疫が形成されるとも言われており感染拡大防止に大いに期待が寄せられます。しかし新種株への効果、ワクチンの効果持続期間等明らかになっていないこともあり三密を避ける、マスクの着用、手と指の消毒など新しい生活様式は継続が必要とされております。
 また、先日新たに富士市に宿泊療養施設が開設され病床占用率を下げることになり医療機関の負担軽減が図られました。しかし一たびクラスターが発生すると一気に感染者が増加すること等を考えると今後も引き続き感染症への備えはしっかり行っていくことが重要と言えます。
 そこで、希望者へのワクチン接種が行き渡った後県民や事業者等に対する感染症対策をどのように進めていくのか、また相談・検査・患者受入れなど医療体制をどのように確保していくのか、知事のお考えを伺います。
 次に、自然災害から県民の命と生活を守る対策について伺います。
 初めに、緊急点検についてであります。
 七月一日から県東部を中心に降り続いた雨は熱海市網代で四十八時間降水量が七月の平年の雨量を上回り、七月三日午前十時半頃に熱海伊豆山神社南西で土石流となって人や家を飲み込みかつてない災害となりました。現地では懸命な救出活動が続いてますが死者十九名、いまだ行方が分からない方も九名に上り長期化となることが心配されます。
 県は、甚大な被害となった土石流災害について不法な盛土が被害を激甚化させたと発表いたしました。県内には同様の盛土の箇所が存在し富士市長も建設残土が無許可で埋め立てられている問題が発生し市が把握する違反事業地は二十三か所存在すると明らかにいたしました。赤羽国土交通大臣も国として国土地理院の地形データを基に盛土の可能性のある箇所を全国的に調査すると会見で述べています。
 一言で盛土と言っても森林法、都市計画法、宅地造成等規制法、県の土採取等規制条例のほか様々な法令が適用されるなど担当する部局も多岐にわたるなど、一くくりにすることが難しい状況であることは承知しております。県は今回の災害の原因の究明を行うため検証チームを立ち上げるとしていますが、このような災害を二度と発生させないためには早期の検証が必要です。
 既に県として把握している危険性の高い箇所について緊急に点検調査が必要と考えますが、把握している箇所数と点検調査の時期について伺います。
 次に、規制の強化についてであります。
 土石流発生箇所は違法に埋め立てられた盛土となっております。その上に道路を建設しその道路を利用してメガソーラーが設置されたと思われます。このメガソーラーも一ヘクタール以下のため県の森林開発許可の対象外となっており熱海市の宅地造成等規制法、風致地区条例で開発行為が行われています。この地区は土砂災害警戒区域の上流部に当たり構造物の設置や開発行為自体が土砂災害のリスクを高めることを考慮すれば未然に防止をする法整備が求められることは必然です。
 県の土採取等規制条例も一九七六年四月に施行されて以来四十五年間一度も抜本的に見直されていないことは大いに反省すべきであります。今回の災害を教訓として土砂災害警戒区域上流部の開発行為については厳格な対応をする必要があると考えますが、規制の強化について県の所見を伺います。
 次に、河川の大規模氾濫への備えについて伺います。
 沼津市でも、黄瀬川の増水で黄瀬川大橋の橋脚が傾き橋の一部が崩落、家屋が一軒流されたほか沼津市、富士市、御殿場市、三島市などで床上浸水百十三戸、床下浸水三百四十六戸、道路の冠水被害が広がりました。
 これまで県では、豪雨災害に備えて大規模氾濫減災協議会を立ち上げ、一住民の防災意識の向上、二逃げ遅れによる人的被害をなくすこと、三氾濫発生後の社会機能を早期に回復することを目標に取り組み、県民の命を守るための施策を展開しおおむね五年とした取組が本年度で終わります。
 そこで、まずこれまでの取組の成果を伺うとともに、今後も頻発すると想定される豪雨災害に備えてさらに強化すべき取組などどのような方針で進めていくのか伺います。
 次に、黄瀬川大橋の復旧について伺います。
 今回の豪雨で黄瀬川にかかる黄瀬川大橋の橋脚が沈み込み橋の一部が崩落いたしました。県道富士清水線は沼津市と清水町、長泉町、三島市などをつなぐ交通の主要道路であり、今回の橋の崩落で朝夕の通勤や通学の時間帯は迂回路が大渋滞、通学路になっている箇所では子供たちの安全確保の面で課題となり一日も早い復旧が望まれます。
 そこで、黄瀬川大橋復旧について河川管理者である国と連携してどのような方向で復旧していくのか伺うとともに、今後の見通しについて伺います。
 次に、住民避難のための対策について伺います。
 県は人命第一の危機管理の観点から今までにも自助、共助、公助の推進を強化してきましたが様々な要因が重なるとき想定を超える大きな被害が発生してしまいます。このたびの災害からも分かるように命を守るためには的確な情報を気象台、行政が必要なときに遅延なく必要な人に伝えること、そして受け止めた住民はその情報に基づいてできる限りの避難行動にちゅうちょなく移ることが肝要です。そのためにも県民は自身の家族の命を守るために日常的に防災意識を強く持ち、事前の準備やいざというときの行動を明確にしておく必要があると言えます。
 六月から七月の梅雨期、九月から十月の台風シーズンなど夏場の出水期には風水害対策が必要でありますが、南海トラフ地震や断層による地震、崖崩れなど私たちが日常生活の中で関心を持ち続けなければいけない自然災害はたくさんあります。災害の種類によりいつどこへ避難することがベストなのか異なっており住民一人一人の年齢や健康状態、家族状況によってもどう行動するかは多様であると考えます。
 防災先進県である本県では、避難訓練への参加率など住民意識が高いことは事実ですが、自宅や現在いる場所の防災危険度を把握しいつどのような災害が起きても行動できるかと言ったら大変不安です。
 そこで、県では全ての県民が多様な災害に対し速やかに的確な避難行動を取ることができるようどのような施策に取り組んでいくのか伺います。
 次に、女性の視点での防災対策について伺います。
 内閣府は、これまでの災害対応において様々な意思決定過程への女性の参画が十分に確保されず災害弱者への配慮がなされていないことが課題であるとし、昨年「災害対応力を強化する女性の視点〜男女共同参画の視点からの防災・復興ガイドライン〜」を作成し自治体、関係機関での活用を求めました。
 公明党は、東日本大震災を受け党中央で女性議員による防災会議を立ち上げ静岡県本部においても県内各地の女性議員による防災会議を開催し、随時各自治体における取組を推進してきました。また会派としても折あるごとに女性の視点での防災対策の必要性を訴え、県は避難所運営マニュアルの改訂や防災アプリ「静岡県防災」の多言語化、意識啓発のための講演会などを行いきめ細かな対応を市町や自主防災等関係機関に求めてきました。十分とは言えないまでも静岡県は女性の視点での防災対策は着実に進んできていると思っておりましたが、コロナ禍にあり改めて対応を見直す必要があると実感しております。
 先日の熱海市伊豆山地区で発生した土石流の被害後、熱海市が市内の宿泊施設を避難所として確保し被災直後に個室で食事も入浴も可能な避難生活を送ることができたと聞き胸をなでおろしました。直後の避難所の様子を伺っていたのでそのまま何日も過ごされることを考えたときに体調不良等災害関連の被害が発生するのではと、とても心配しておりました。
 先日被災された方にお話を伺いましたが、洗濯や介護など避難している人でなければ分からない課題がありきめ細かな対策を準備しておくことの重要性に加え、課題解決に向け主体者として行動できる人材の育成が重要であると教えられました。また会派で要望いたしましたが災害対策本部に女性本部員をぜひ配置していただきたいと思います。人事等課題はあると思いますが人命救助と並行し被災者支援を迅速に行っていくためにも重要事項を決定する場に女性の視点は欠かせません。
 そこで、いま一度女性の視点での防災対策について人材育成、体制整備、ガイドラインを活用した具体的な推進などが必要と考えますが、県の取組を伺います。
 次に、寄附金を活用した歳入確保について伺います。
 コロナ禍にあり、経済活動が低迷する中で県税収入が大幅に落ち込むことが想定されます。これまでも厳しい財政状況にあり県有地の売却などによる歳入確保を推進してきましたが、これまでと同じ取組での歳入確保は限界にきていると思われます。
 昨年二月定例会における代表質問で取り上げた寄附文化の醸成も、今後の歳入確保には重要な観点であります。寄附金の活用は、昨年度議員提案により設置した新型コロナウイルスに打ち勝つ静岡県民支え合い基金が好事例として挙げられます。本県に宿る大変なときだからこそ助け合う利他の精神により支え合い基金に寄せられた寄附金の総額は昨年一年間で一億四千六百万円余りに上り、医療従事者への支援や妊産婦のPCR検査への助成等に活用することができました。昨年度地方創生の取組を進化させることを目的に創設された企業版ふるさと納税が大幅に拡充され企業の皆様が参入しやすくなったことも寄附金の活用には追い風であり、多くの企業の参加に期待が寄せられます。
 令和三年度当初予算において、県は寄附金を活用した歳入確保の取組を強化し全庁を挙げて寄附金の獲得に取り組むこととしていますが、コロナ禍により大変厳しい財政状況を踏まえれば多くの方の県行政に参加する意識を醸成する目的志向型の寄附金の活用をさらに促進し新たな価値観による歳入確保に努めることが重要であります。
 そこで、今年度の寄附金確保に向けた取組の状況と財政状況が厳しい中での今後の寄附金活用方針について伺います。
 次に、CNFの活用促進について伺います。
 脱炭素社会の実現に向けて、植物由来の新素材であるCNFに対する期待はこれまで以上に高まってきております。私も何回か本会議で取り上げ先日も富士工業技術支援センター内を訪問しふじのくにCNF研究開発センターを視察させていただきました。二年前に設置された同センターを拠点に静岡大学青木特任教授の寄附講座やCNFラボに入居した企業との共同開発、地元関係企業への支援など事業化に向けての研究開発が着実に進み、コストの問題、樹脂との混合等、技術的な課題についての取組も伺いいよいよ次のステージに来ていると確信いたしました。既に化粧品や食品分野への利用がされている一方、国のカーボンニュートラル宣言を受け自動車の軽量化への活用が大きな課題となっています。技術研究が加速化され事業化されることに期待が寄せられます。例年の展示会や講演会などの参加者が年々増えていることや多職種にわたることを見ても実感いたします。コロナ禍にあり産業構造自体が大きく変化しつつある中、CNFは産業構造改革の大きな活路になり得ると言えます。
 そこで、CNFの今後の具体的な取組について伺います。
 次に、静岡茶の愛飲促進についてのうち、県民を挙げた静岡茶の愛飲促進の取組について伺います。
 八十八夜を迎える季節になると残雪の富士山と茶畑の新緑の風景に生命の息吹とすがすがしさを感じます。今年の一番茶の生産量は記録的な大減産となった昨年度と同水準であったことや一昨年の茶産出額が初めて鹿児島県に抜かれて首位を脱落したとの報道は関係者に大きな衝撃を与えました。私も茶農家さんとお話をするたびに静岡県の主産業であるお茶の行く末を案ずるとともに、歴史や文化、効能など奥深いお茶の魅力を多くの県民に知ってほしいと改めて実感いたします。
 先日、静岡茶愛飲の取組の一環として小学生を対象に県が初めて開催した闘茶大会  Cha−1グランプリの初代優勝者である富士市在住の飛奈奏門君からお話を伺いました。自然学習に興味があり富士市主催のT−1グランプリへの応募がきっかけでお茶の奥深さに感銘を受け今回の挑戦に至ったと伺いました。入れる温度で甘みやうまみが違うところがお茶の魅力だと教えてくれ、同席されたお父さんが子供の姿を通して改めてお茶の歴史やおいしさを教えてもらいましたと語ってくださいました。浜辺近くにお住まいでお茶畑もお茶農家も近くにない環境ですがもっと勉強してお茶のことを知りたいという姿をとても頼もしく感じました。
 その際に、飛奈君からCha−1グランプリの中高生版をぜひつくってほしいとの要望を伺いました。ほかにもジュニア版お茶インストラクターの資格などがあると学んだことが次につながると考えられます。せっかくお茶に興味を持った子供たちが次の目標を持てるよう県としてお茶に対する関心を途切らせない取組が必要と言えます。
 さらに、例えば毎月八日をお茶の日として、お茶に親しむ日として職場の休憩時間にティータイム、お茶にしましょうと声かけするなど県民挙げての取組を提案したいと思います。
 そこで、静岡県が誇るお茶を子供たちも含め県民挙げて愛飲を進めるために今後県としてどのように取り組むのか伺います。
 次に、茶育の推進について伺います。
 県では、平成二十八年に議員提案で小中学校の児童生徒の静岡茶の愛飲の促進に関する条例が施行され食育を通じての茶育を推進してきました。お茶は飲み続けると健康増進だけでなく学力や体力の向上にもよい影響を与えると言われております。子供のときからお茶を飲み親しむことは未来の消費者あるいは生産者につながっていくと考えます。
 私の子供の頃は家ではもちろんのこと学校給食のときにもお茶は当たり前のように出ていました。しかし今は家にすら急須がなくお茶を飲む習慣がない家庭も多いと伺い大変驚き残念に思います。
 そこで、学校現場でのお茶を飲む習慣や食育としての茶育について現状をどう捉え今後どのように推進していくのか伺います。
 次に、県民による地球温暖化対策の促進について伺います。
 国では、二〇五〇年までに二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を盛り込んだ改正地球温暖化対策推進法が五月二十六日に成立しました。県でもさきの二月県議会において知事が二〇五〇年までに脱炭素社会の実現を目指す旨を表明し、今年度次期地球温暖化対策実行計画を策定中と承知しております。近年の激甚化する自然災害も温暖化の影響があるとされており地球の未来のためにも官民一体となり地球温暖化防止に取り組むことは喫緊の課題です。
 さて、皆様はふじのくにCOOLチャレンジ「クルポ」というアプリを御存じでしょうか。これは県民が身近な行動を通して地球温暖化対策に取り組むことを促すアプリで、具体的にはレジ袋を断る、省エネ家電の購入など二十一種類のクールアクションが設定されており県内約三千五百か所でアクションした後に設置されているバーコードを読み込むとポイントが付与されるというものです。そして三十ポイントで一回協賛企業のお食事券などが当たる抽選に参加することができ楽しみながら地球温暖化防止に貢献できます。
 この取組は、昨年十二月には環境省主催「みんなで減らそうレジ袋チャレンジ」キャンペーンにおいて普及啓発部門で最優秀賞に選ばれ、また今年五月には参議院予算委員会でも取り上げられるなど非常に注目されています。地球温暖化防止には行政や企業だけでなく身近なところからできることに取り組む県民の行動変容が何より重要です。
 そこで、現在のクルポの登録者数や実際にアクションした数について、また今後さらに普及させていくための県の取組について伺います。またクールアクションをCO2削減量に換算して目標を立て削減量を公表していくことでより県民の地球温暖化防止の行動につながると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、ウイズコロナ時代の文化振興について伺います。
 先日、ある演奏者の方から長引くコロナ禍にありコンサートやイベント中止が相次いでいる、収益がないことも深刻だが文化芸術のともしびが消えていくように思えて不安になる、大変なときだからこそ芸術に親しみ心を豊かに過ごしてほしいとの御意見を伺い私もそのとおりであると共感いたしました。
 昨年二月定例会で東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック文化プログラム終了後の文化振興について質問し、静岡県版アーツカウンシルを設立し文化プログラム終了後も地域の文化振興の拠点として推進していくと答弁頂きました。東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックは一年延期となりましたが、本年を本番と捉え引き続き文化プログラムの活動が推進されてきたことはこれまで見守り推進してきた身としては感無量であります。
 先日、今年一月に誕生したアーツカウンシルしずおかを訪問しプログラムディレクターの皆さんと意見交換をさせていただきました。地元富士市で行われた文化プログラムでお会いした懐かしいお顔を拝見し他県出身で静岡県に移住してこられたお話を伺いとてもうれしく思いました。全ての県民を創り手とした創造性に輝く地域づくりをテーマに全ての県民が地域に根差した文化の担い手になっていくという、まさに静岡県ならではの取組に冒頭述べた不安は払拭されました。
 また、平成二十七年二月にふじのくに映画フェアで川勝知事と本広克行監督が演劇を通し自分を表現する力ある人材を育てようと演劇の持つ力について熱意ある対談が展開されました。いよいよ本年四月SPAC演劇アカデミーが開校され活躍中の宮城監督の下で世界で活躍できる演劇人育成が始まり若者に芸術のともしびが宿る活動に期待が寄せられます。オリンピック文化プログラムは今年度で終了しますが、これまで蓄積された経験を生かしウイズコロナ時代の生きる力としての文化活動を推進していくべきと考えます。
 そこで、県はウイズコロナ時代の文化振興をどのように展開をしていくのか、県の取組を伺います。
 次に、サイクルスポーツの聖地づくりについて伺います。
 東京二〇二〇オリンピックがいよいよ二日後七月二十三日に開幕します。オリンピック・パラリンピック自転車競技の開催地である本県も新型コロナウイルス感染症対策を万全に準備万端整いあとは開幕を待つというところまでまいりました。
 しかしながら、コロナ禍の影響を受け県内各自治体で実施予定だった事前キャンプも取りやめが相次ぎ地元の皆様が楽しみにしていた選手団との交流事業等も行われなくなり、オリンピック・パラリンピックを身近に感じにくくなってしまったことで全体的にいま一つ盛り上がりに欠けているようにも感じます。本県はこれまでサイクルスポーツの聖地づくりを目指して取組を進めてきましたが、このような状況の中でオリンピック・パラリンピックのレガシーをどのように創出し将来にわたって継承していくのかが課題だと考えます。
 一方で、今般整備を進めてきた太平洋岸自転車道がナショナルサイクルルートに指定され日本を代表するサイクリングルートが県民の皆様の身近な場所に誕生しました。自転車は健康志向の上昇に加えコロナ禍で三密を避ける乗り物として注目も集まり自転車に親しむ県民が増えています。ナショナルサイクルルートに指定された太平洋岸自転車道は、美しい景観を存分に味わうことができ自転車文化に親しむことのできる魅力あふれるすばらしい地域資源であり県民の皆様が自転車に親しむ地域の実現への好機となると考えます。さらに多くは国内外のサイクリストを本県に呼び込むことが期待でき、地域活性化を図る上においても太平洋岸自転車道のナショナルサイクルルートの指定は追い風になると感じています。
 そこで、コロナ禍の下で開催される東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックのレガシーや太平洋岸自転車道などの地域資源を生かしサイクルスポーツの聖地づくりに今後どのように取り組むのか伺います。
 次に、女性の健康支援について伺います。
 コロナ禍にあり世界各国で女性の月経に関する生理の貧困が問題となっております。生理の貧困とは生活困窮やネグレクト、育児放棄等により生理用品を購入もしくは手に入れることができない状況のことを言い、日本でも任意団体#みんなの生理が行ったオンラインアンケート調査では五人に一人の若者が金銭的理由により購入するのに苦労したとの衝撃的な報道がありました。
 公明党の佐々木さやか参議院議員が参議院予算委員会で取り上げ対策が推進されました。静岡県でも会派として要望書を知事、教育長に提出し取組が始まったことに感謝の声が寄せられております。これは単に困難を抱える女性に生理用品を配布することにとどまらずその背景にある貧困やネグレクト、DVなどの課題を解決するとともに、月経にまつわる自身の健康状態に目を向けることを目的にしており全国で展開されています。
 浜松市ではアンケート調査を実施するとともに「生理のことを気軽ni学ぼう」というイベントを開催し多くの参加者を得て関心の高さを実感したと伺いました。私はこれまでもライフステージによりホルモンの影響を受けやすい女性の健康支援を質問し健康教室など展開していることは承知しておりますがより積極的な取組が求められるといいます。
 先日、思春期保健相談士の方から母親が更年期障害に悩み相談を受けたところ発達障害のあるお子さんの行動が理解できず対応に苦慮していることが判明し適切な対応を指導したところお子さんも母親も状態が落ち着いた、体調不良を訴える女性の多くが悩みを抱えている、特に発達障害のある家族の対応に苦慮している人が本当に多いとのお話を伺いました。女性が自らの体の状態を把握し適切な状態を保っていくためには気軽に相談できる場所が身近にあり、そこで丁寧なアセスメントやアドバイスが行われ必要に応じて専門機関への紹介がある等の仕組みが重要であると実感しました。
 昨年二月定例会で女性の健康手帳や健康支援センター設置の必要性を質問しましたが、健康手帳のアプリやLINEの相談窓口など時代に即した取組も求められます。
 そこで、ライフステージに応じた女性の健康支援を推進するためどのような相談体制を構築していくのか、県の考えを伺います。
 次に、ヤングケアラーへの対応について伺います。
 今、大人が担うようなケアの責任を引き受けている十八歳未満の子供がヤングケアラーと位置づけられ社会問題に発展しています。政府は四月ヤングケアラーについて全国の教育現場に対する実態調査結果を発表しました。公立中学二年生の五・七%、約十七人に一人、公立の全日制高校二年生の四・一%、約二十四人に一人が世話をしている家族がいると回答し少なくとも一学級に一人から二人のヤングケアラーがいると想定されます。
 多くは幼い兄弟や父母の世話をしほぼ毎日ケアを行っているが四割を占め、一日当たりのケア時間は平均約四時間で七時間以上と答えた生徒も約一割いらっしゃいました。家族の面倒を見るのは当たり前と思い自分がヤングケアラーだとの認識がない児童生徒も多く、誰にも相談ができず自分一人で抱え込むケースが多いことも分かりました。授業中眠くなり授業に集中できない、勉強する時間がない、自分にも余裕が欲しい、友達と遊ぶことができない等の切実な悩みが寄せられております。
 核家族化が進み家庭の問題は家族で解決をという古い価値観では解決できない課題を子供たちが背負うにはあまりにも重過ぎます。確かに家族の手伝いをすることや面倒を見ることは子供の発達によい影響を与えますが、学業や交友関係にまで影響が及び重責を担うことは負担でしかありません。当事者の負担を軽減するためにも気軽に相談しやすい体制づくり、当事者同士の語りの場のほか家事援助等福祉サービスが担えない隙間となる部分の制度化が必要と考えます。まずは静岡県内でヤングケアラーと言われる子供はどのくらいいるのか、どのような悩みを抱えているのか等実態を調査すべきと考えます。
 そこで、今後ヤングケアラーの実態調査や当事者への支援を進めることについて県の取組を伺います。
 最後に、犯罪被害者支援について伺います。
 犯罪の被害に遭われた方や御家族は、命を奪われる、けがを負う、金品を奪われるなどの被害だけでなく事件に遭ったことによる精神的なショックや身体の不調、医療費や失業などの経済的な負担、周囲の人によるうわさや報道等によるストレス、捜査や裁判における精神的、時間的負担等、二次被害と言われる様々な問題に苦しまれています。時には人間不信となりひきこもりや自殺されるなど大変な事態に追い込まれてしまうこともあります。
 先日、娘さんが被害者となり苦しんでいらっしゃる方からの御相談を伺いました。胸が痛くなるようなお話に犯人を絶対許せないとの思いは当然ながら、御家族と娘さんが安心して生活できる日が一日も早く訪れることを祈るばかりで何もできない自分が歯がゆくてなりませんでした。御家族からこうして話を聞いてもらうだけでも心が落ち着きますと言っていただき、警察をはじめ行政だけでなく周囲の理解や支えがどれほど重要なのか改めて認識いたしました。
 県では、こうした状況を踏まえ平成二十七年四月静岡県犯罪被害者等支援条例を施行し施策を総合的に推進するため第一次静岡県犯罪被害者等支援推進計画を策定しました。この計画に基づき県内全市町に相談窓口が設置されたほか静岡県性暴力被害者支援センターSORAが開設されるなど相談体制が整えられカウンセリング費用の公費負担拡大、講演会などの啓発活動など推進してきました。こうした活動を通し徐々に犯罪被害者に対する支援と理解は広がりつつありますが十分とは言えません。コロナ禍にあり虐待やDVなど増加傾向にあり、より社会的に弱い立場で被害の声を出せない方も多くいらっしゃいます。
 県では、今年度より第二次静岡県犯罪被害者等支援推進計画がスタートしたと伺いました。より複雑、巧妙化する犯罪の被害に遭われた方や御家族が一日も早く安穏な生活に戻ることができるよう切れ目ない支援が求められますが、これまでの経緯を踏まえ策定された第二次推進計画の方針や取組を伺うとともに、今後どのように犯罪被害者支援を進めていくのか警察本部長に伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(宮沢正美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 早川議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、今後の県政運営についてであります。
 私は、知事に就任して以来県政運営の基本理念に富士山に由来する四字熟語富国有徳を掲げポスト東京時代の理想郷づくりを進め、本県を誰もが努力をすれば人生の夢がかなうドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点にすべくその実現に全力で取り組んでまいりました。その姿勢に変わりはありません。
 新型コロナ危機によって東京一極集中の是正が不可避となる現実がございます。そうした中今まさに大都市から地方が中心となる時代へ、すなわち本県に即して言うならば東京時代から静岡時代への転換を図るチャンスが到来しております。
 このため、感染症対策など直面する課題に的確に対応するのは言うまでもありませんけれども、同時に本県の有する世界水準の場の力、それは世界クラスの地域資源、人材群のこのデータに明らかでございますけれども、こうした場の力を最大限に活用しポストコロナの新しい時代を私自らが先頭に立って県民の皆様と共に切り開いてまいろうと決意しております。
 最優先するべきは危機管理でございます。何よりも県民の皆様の命を守ることであります。新型コロナ危機の克服に向けて出口戦略はワクチン接種でございます。その完遂に注力しつつ検査・医療体制の充実を図り実効性のある疫病から国民、県民を守る防疫対策の強化を図ってまいります。
 また、地震・津波や頻発化、激甚化する豪雨災害に対しまして熱海市における土砂災害の実態も踏まえて万全の対策を講じてまいります。
 経済の再生につきましてはふじのくに安全・安心認証制度を普及させることによって感染防止対策を徹底し、感染状況を見極めた上で県内観光促進策を進めコロナ禍で打撃を受けている観光、飲食業等の早期回復を図ってまいります。
 また、地域主導型のバイ・ふじのくに、バイ・山の洲くにの展開により個人消費を喚起する経済政策 フジノミクスを推進いたします。それとともに医薬品・医療機器産業、次世代自動車産業、観光産業などポストコロナ時代に本県経済全体を牽引するリーディングセクター  主導部門の育成、振興に注力いたします。
 少子化対策につきましては、移住希望地ランキングにおきまして全世代で全国第一位に選ばれたのが本県であります。この本県の魅力を生かし子育て世代の一層の移住促進に注力するなど取組の強化を図ってまいります。また仕事と子育ての両立に向けた環境整備などによる女性の活躍推進に加え高齢者、障害のある方、外国人など誰もが活躍できる社会の実現にも取り組んでまいります。
 さらに、南アルプスエコパークや世界遺産富士山など世界に誇る美しい自然、また豊かな地域資源に恵まれた本県を環境と経済の両立する地域とするため脱炭素社会の形成や命の水や自然環境の保全などに取り組み持続可能な県土づくりを進めてまいります。
 県といたしましては、ポストコロナ時代の本県の将来像をしっかりと見据え誰一人取り残さない世界に輝くSDGsのモデル県とするべく全力で取り組んでまいりますので県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、リニア中央新幹線工事についてであります。
 私はこれまでリニア中央新幹線に長く関わってまいりました。建設に至る経緯あるいはその意義について十分に承知している一人であります。しかしリニア中央新幹線をめぐる社会経済情勢は、国土交通省交通政策審議会で議論をされて南アルプスルートの建設を決定した平成二十三年当時から大きく変化しております。
 いまだ終息が見えない新型コロナウイルス感染症の猛威は、企業におけるテレワークやウェブ会議の急速な普及を促すなどビジネススタイルを大きく変化させました。そのためリニア中央新幹線の大きなニーズとして期待されていたはずのビジネス需要は先行きが見通せない状況であるという見解も強まっております。
 また、リニア中央新幹線はその大半がトンネルでございます。この大深度地下トンネル工事がもたらす自然由来の重金属等を含有するおそれのある大量の発生土処分をどうするのかという問題、さらにそれに対する不安の声も高まっております。トンネル工事に伴い大量の地下水が発生します。また崩壊しやすい複雑な地盤のため難工事となった名古屋駅工事の例もありますが、JR東海は当初想定しなかった、あるいはこれまで未解決の課題への対応を迫られているのが現実であります。加えて本年四月にはJR東海から品川−名古屋間の総工事費の見通しが難工事への対応等により当初の約五・五兆円からそれを一・五兆円、三割上回る約七兆円に増加する見込みであるということも公表されました。このような状況を踏まえますと計画ありきで強引に突き進むのではなくリニア中央新幹線整備をこのまま進めるべきなのかどうか、一旦立ち止まってしっかりと考える時期ではないかと私は思っております。
 このたびの熱海伊豆山地区の土石流災害を目の当たりにいたしまして、盛土などの人為的な開発行為が及ぼす影響につきまして多くの県民の皆様の不安が高まっております。リニア中央新幹線静岡工区だけにつきましても例えば発生土、掘削して出る残土の置場所として燕沢発生土置場には三百六十万立米ものこの発生土を盛土するという計画になっております。これはこのたび崩れました熱海の伊豆山の五・五万立米の六十倍以上ということでございます。その規模感というのは、東館の高さほぼ七十メートルにも達するものでございましてその規模感は容易に想像することができるでしょう。万が一土砂流出あるいは盛土の崩壊となった場合には大井川は濁流と化すでしょうし上流部の生態系や下流の水利用に甚大な影響を及ぼすことは確実であります。
 このように、リニア中央新幹線工事が大井川の水資源や南アルプスの自然環境に及ぼす悪影響については不確実なリスクがあまりに多くあるのが現実であります。そういう現実が明らかになってまいりました。このため流域住民をはじめとする県民の皆様の不安が払拭されるように、目下はJR東海と科学的根拠に基づくリスクコミュニケーションを尽くしてまいりたいというふうに考えております。
 多くの県民の皆様の願う、県民の命の水である大井川の水資源及び世界の共通財産であります南アルプスの自然環境の保全に向けまして、引き続き全力で取り組んでまいります。
 次に、サイクルスポーツの聖地づくりについてであります。
 オリンピックの開会式は明後日でありますけれども既に福島県におきまして最初のゲームが開始されております。日本とオーストラリアとの間での女子ソフトのゲームでありますが、復興五輪にふさわしく福島で既に開始されているということでございます。
 静岡県はこのオリンピック・パラリンピックの自転車競技の誘致に積極的に取り組みました。それが関係者の御理解を賜りまして本県開催が決まり、それを契機といたしまして以来レガシーの創出を図るため官民共同で今から三年余り前の平成三十年四月でございましたが、静岡県サイクルスポーツの聖地創造会議を設立いたしました。そして国内外のサイクリストの憧れを呼ぶ聖地づくりに様々に取り組んできているところでございます。
 具体的な取組といたしましては、例えば静岡県自転車活用推進計画を立てましてそれに基づきサイクリングコースの開発、あるいは矢羽根型路面表示の整備、あるいはウェブサイト「SHIZUOKA CYCLING」での情報発信などを進めているところであります。中でも休憩やメンテナンスができるバイシクルピットにつきましては目標値を五百か所と定めておりましたけれども、これなどはもう一年前倒しで達成をしております。受入れ環境の整備が着実に進んでいるというふうに認識しております。
 一方、新型コロナウイルス感染症あるいは新たな生活様式への対応など社会情勢の変化に的確に対応していかねばなりません。そのために今年度が最終年度となる同計画の改定作業を進めるとともに、オリンピック・パラリンピック終了後トップレベルのアスリートが参加するマウンテンバイクの国際大会、仮称でございますがジャパンMTBカップを新たに開催し世界から注目を集めるサイクルスポーツの拠点となるように取り組みます。
 また、大会競技会場である日本サイクルスポーツセンターにつきましては大会後は教育、健康増進、医科学等の分野における機関との連携を推進いたしまして自転車競技のエリート選手から初心者までが集う自転車トレーニングビレッジとして活用が図れるように関係する方々と御協力をして取組を進めます。
 ナショナルサイクルルートとして認定を受けた太平洋岸自転車道につきましては、サイクリストへのおもてなしの充実を図ります。それとともに富士山一周ルートあるいは浜名湖一周ルートなど魅力的なモデルルートへの誘導を図りサイクリストの周遊、滞在を促すなど国際的なサイクルツーリズムの目的地としての地位確立に向けまして官民一体で取り組んでまいります。
 県といたしましては、引き続き地元の市町、自転車関係団体等と連携をいたしましてレガシーの創出に取り組むとともに、本県の魅力を国内外に向けて発信することで世界のサイクリストから憧れを呼ぶサイクルスポーツの聖地づくりの実現を目指してまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(宮沢正美君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 知事の政治姿勢についてのうち、新型コロナウイルス感染症対策についてお答えいたします。
 県内でのワクチン接種の進捗状況につきましては、高齢者の皆様への接種が進むとともに六十四歳以下の方への接種も行われております。しかし希望される方のワクチン接種が終わった後においても効果が現れるまでの間は感染対策の励行と病床をはじめとした医療提供体制を感染状況に応じて確保していくことが必要であります。
 まず、相談検査体制につきましては現在二十四時間で対応している相談センターや地域における発熱外来等の受診、検査体制を当面維持してまいります。併せて集団感染が発生しやすい施設等に対して抗原定性検査の簡易キットを配布し、必要に応じて自主的な検査が可能となるよう感染を早期に察知する体制を引き続き取ってまいります。
 患者の受入れにつきましては、地域の医療機関に御協力頂き現時点で確保している五百八十二床を感染状況に応じて即時に対応できるよう調整するなど弾力的な運用へ移行してまいります。
 宿泊療養施設につきましても、一定の期間を定め民間のホテルを借り上げる方式を取っており感染者の状況に応じてフレキシブルな対応を行ってまいります。
 また、中長期的な新しい感染症や再流行の感染症への対策といたしましては感染症専門病院の設置や必要な人材及び病床の確保など、本県における感染症医療の在り方について検討を進めてまいります。
 感染症の蔓延防止のためには、小まめな手洗いや手指消毒といった一人一人の基本的な感染対策や密の回避などの新しい生活様式を浸透させることに加え、デジタル化や働き方改革に至るまで社会システム全体での対応が必要となってまいります。
 県といたしましては、今回の新型コロナウイルス感染症での経験を生かし県民、事業者の皆様と感染症に対する正しい知識をいち早く共有し感染症に強い静岡県をつくってまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) 自然災害から県民の命と生活を守る対策についてのうち、緊急点検についてお答えいたします。
 県内では法令等に基づく様々な盛土が行われておりますが、多くは適正な手続により実施されている一方で一部では無許可や申請と内容が異なるなどの不適切な事例が見受けられ指導を行っているところであります。
 今回の災害を踏まえまして県では、類似災害の起きるおそれがある盛土を対象とした緊急点検に着手し市町にも同様の点検を要請したところであります。点検の対象は山間部で盛土が十五メートルを超える大規模な盛土箇所や法令違反で現在指導を継続している箇所としております。現在対象箇所を抽出する作業と並行いたしまして職員が盛土の形状や湧水などの異常の有無を目視により確認する調査を順次実施しているところであり、七月末までに結果を取りまとめる予定であります。
 県といたしましては、今回の緊急点検により盛土の安全性について早急に確認してまいります。
 次に、規制の強化についてであります。
 土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域につきましては、崩壊した土石等によって被害を受けるおそれのある区域を想定して設定しており県内では令和二年三月までに対象となる一万八千二百十五か所の指定を行っております。
 逢初川で被害を甚大化させた土砂災害警戒区域の上部に位置する盛土は、計画上は面積が一ヘクタール未満であり森林法及び静岡県土採取等規制条例の届出により工事が行われておりました。このことから県として早急にできることはこの条例の改正により規制を強化することであると考えております。条例の改正に向けては市町や警察などの関係機関で構成する土砂の不適正処理の防止等を目的とした会議を活用するとともに、三重県等の他県の事例なども参考にして検討を進めてまいります。
 今回の災害を機に国も盛土に関する総合的な規制の在り方を検討すると聞いており、県といたしましてはこれらの動きを注視しながら速やかに条例の改正を行い県民が安心して暮らせる生活環境の保全に取り組んでまいります。
 次に、河川の大規模氾濫への備えについてであります。
 県では頻発化、激甚化する風水害に対しまして平成二十九年度に県内八つの地域で大規模氾濫減災協議会を設置し、国や市町との連携により五年間で実施するハード・ソフト一体となった対策を取りまとめ県民の皆様の命を守るための取組を進めてまいりました。
 これまでに地域の防災リーダーへのマイ・タイムラインの作成講習会や出前講座により防災意識の向上を図ったほか、河川の増水時に作動する水位計を百九か所に設置して水位情報を発信することにより早期避難を促すなどの対策を実施いたしました。また浸水被害を早期に解消するために国土交通省のポンプ車を速やかに対象市町に派遣できる体制を構築いたしました。
 今年度は五年間の取組の最終年度となることから取組の成果を評価、検証するとともに、現在作業を進めている中小河川の洪水浸水想定など新たな知見を取り入れ年度末を目途として次期の取組を取りまとめてまいります。
 県といたしましては、国や市町など関係機関と連携して水害に対する防災意識を高め社会全体で洪水氾濫等に備える取組を進めてまいります。
 次に、黄瀬川大橋の復旧についてであります。
 現在の黄瀬川大橋は、沼津市と清水町の境を流れる一級河川黄瀬川に架かる旧国道一号の橋として昭和二十八年に建設され地域の経済活動や住民の生活を支えてきました。こうした中七月三日の梅雨前線豪雨の影響により四つある橋脚のうち右岸側の橋脚一基が沈下したことで、橋長八十三メートルのうち約三十三メートル区間が被災し現在も通行止めの状況が続いております。
 県では、今後の出水時に被災した二つの橋桁が河川の流れを阻害するおそれがあることから、まずは橋桁の撤去を優先することとし八月上旬の撤去工事着手に向け現在河川管理者である国土交通省や関係機関との協議を進めております。併せて残りの橋桁と橋脚等の安全性の確認の上被災した橋桁の撤去工事が完了次第八月末を目途に代替えとなる仮設橋を設置することにより一日も早い通行の再開を目指してまいります。
 県といたしましては、黄瀬川大橋の本格的な復旧に向け地域の皆様や河川管理者である国土交通省など関係者の協力を得ながら災害に強く円滑な交通の確保につながる復旧計画を早期に策定し地域の安全・安心の向上に努めてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 太田危機管理部長。
○危機管理部長(太田博文君) 自然災害から県民の命と生活を守る対策についてのうち、住民避難のための対策についてお答えいたします。
 近年多発する風水害はもとより地震、津波、土砂災害などのあらゆる災害から県民の皆様が的確に避難するためには、県民の皆様一人一人が災害ごとのハザードマップにより地域の災害リスクを把握した上で気象の状況や避難情報に応じた避難のタイミング、避難先をあらかじめ認識しておくことが極めて重要であります。
 県では、総合防災アプリによりハザードマップや避難所の情報などを確認できるようにするとともに、避難指示への一本化など災害警戒レベルの改正について周知を図るなど県民の皆様の的確な避難行動を促してまいりました。
 また、避難行動は個人の年齢や健康状態、家庭環境等により避難に要する時間や声かけ、支援の有無など多様であります。このため県では、新たに県民の皆様が個人別の時間軸での避難行動を確認できるようわたしの避難計画を策定することとし今年度この避難計画のひな形を作成してまいります。作成に当たっては都市部、沿岸部、山間部などの特徴のある八地域を選定し当該市町の住民の皆様に御参加頂きワークショップを開催して幅広い御意見を反映することで、地域特性にも対応した誰にでも使いやすい避難計画のひな形とする予定であります。
 さらに、このわたしの避難計画が絵に描いた餅とならないよう早期避難の重要性を訴求する広報にも積極的に取り組むとともに、地域や学校、企業など職域を通じた防災教育により県民の皆様の早期避難の意識向上を図り多様な災害における迅速で的確な避難行動につなげてまいります。
 次に、女性の視点での防災対策についてであります。
 風水害等の自然現象とこれを受け止める社会の災害対応力の双方で被害の大きさは決まると言われており、社会の災害対応力を高めるためには女性の視点の活用が重要な要素の一つであると認識しております。
 このため、県では地域防災力を強化するための人材育成講座として毎年女性防災リーダー養成講座を実施いたしますとともに、ふじのくにジュニア防災士の養成を通じて性別の区別なく次世代の地域防災の担い手の育成に取り組んでおります。
 災害対応で課題となる避難所につきましては、平成三十年三月に避難所運営マニュアルを改訂し運営体制への女性の参画のほか男女別の生活空間や授乳室、女性用品の配布など具体的なノウハウを紹介し自主防災組織に対し運営体制の改善を働きかけております。
 また、県災害対策本部の本部員は各種の災害対応業務を役割分担する各部局長で構成しておりますが、今回の災害においてはこうした業務に女性の視点を反映させるため事務職と医療職の女性幹部職員を加えることといたしました。
 さらに、被災者の避難生活や今後の生活再建に向けた住宅確保など様々な相談に女性の視点できめ細かに対応するため、女性職員をリーダーとするチームを現地に派遣したところです。
 今後も、女性の視点での防災対策を推進するため国のガイドライン等を踏まえてさらに検討を進めますとともに、住民の窓口となる市町と密接に連携し地域の災害対応力の向上に努めてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 天野政策推進担当部長。
○政策推進担当部長(天野朗彦君) 寄附金を活用した歳入確保についてお答えいたします。
 コロナ禍により県税収入が大幅に減少する中、寄附金を活用した歳入の確保は極めて重要な取組であります。議員提案により昨年度に設立された新型コロナウイルスに打ち勝つ静岡県民支え合い基金には多くの個人、法人の皆様から寄附金が寄せられ医療従事者への支援などに活用されました。今も寄附の申込みが続き財源確保の面はもちろんでございますが、多くの皆様の利他の精神が具現化される大変意義深い取組となっております。
 県では、こうした成果を踏まえまして令和三年度当初予算の編成に当たり、新たに寄附金を公募する事業と分野を選定しそれらを広く県内外に広報することで寄附金の受入れを積極的に進めております。
 具体的には、企業向けに東京事務所等と連携して本県ゆかりの企業に対して企業版ふるさと納税のPRに注力しているほか、企業とのマッチング会を開催するなどして本県の寄附制度の周知を図っております。また個人向けには民間のふるさと納税サイトを活用した本県への寄附の公募や県のホームページやSNSを活用して寄附制度の内容について詳しく紹介するなど、様々な機会を通じて幅広く情報発信に取り組んでおります。この結果寄附の受入額は、六月末日現在で一千六百七十二万円に達しております。
 厳しい財政状況が続く中、寄附文化の醸成にも寄与する目的志向型の寄附金の活用を一層促進してまいります。例えば茶業の再生に向けて多くの方々が集いオープンイノベーションで研究開発を進める茶業研究センターの施設整備などにつきましても、寄附公募の対象としてまいりたいと考えております。
 県といたしましては、本県を応援していただける個人や企業の皆様から広く寄附金を受けることのできる環境の整備や仕組みづくりを進め、引き続き重要政策を推進するための歳入の確保に努めてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 三須経済産業部長。
○経済産業部長(三須敏郎君) CNFの活用促進についてお答えいたします。
 CNFは、保湿性や軽量、高強度などの多様な特性を持った天然由来の素材でありこうした特性を発揮できる機能性添加剤や樹脂強化剤として産業利用が進んでいます。添加剤としては少量の使用で高い効果が期待できることから県内でも化粧品や食品等の分野で着実に製品化が進んでおります。
 一方、樹脂強化剤として利用する場合他の競合素材と比較して現段階では高価なためこれまでは価格に替わる明確な優位性を必要としていましたが、ここにきて世界的に脱炭素の流れが加速する中カーボンニュートラルを実現する素材として注目が集まっています。こうした状況を好機と捉えまずは製品メーカーの用途開発を促進する必要があると考えております。
 CNF製造企業にとっても各メーカーの用途開発で繰り返し要求される品質向上等に対応することで製造技術の向上やノウハウの蓄積、製造コストの削減、さらには顧客の囲い込みにつながることからこうした取組を通じてCNF市場の拡大を目指してまいります。
 現在、県では三人のコーディネーターが製品メーカーを毎年三百件以上訪問しCNFの用途開発を働きかけているほか、総合展示会を開催してCNF製造企業と製品メーカーとのマッチングを行い昨年度は五十四件の商談につなげております。カーボンニュートラルを追い風に引き続き製品メーカーへの働きかけに注力してまいります。
 自動車産業が歴史的な転換点にある現在、県といたしましては富士工業技術支援センターを中心にCNF製造企業や静岡大学と連携して樹脂強化剤としての用途拡大、製造工程の確立を着実に進め、自動車の内装材への活用等も見据えて高付加価値素材としてのCNF関連産業の育成に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 細谷農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(細谷勝彦君) 静岡茶の愛飲促進についてのうち、県民を挙げた静岡茶の愛飲促進の取組についてお答えいたします。
 静岡茶の愛飲は静岡茶を愛し毎日の習慣として静岡茶を飲むことでありますが、将来にわたって県民に広く静岡茶の愛飲がライフスタイルとして定着するためには子供の頃から静岡茶に親しんでもらうことが重要であります。
 県が昨年度開催したCha−1グランプリでは参加した小学生からまた出場したいといった前向きな意見が多く寄せられました。議員御指摘のとおり今後は子供たちのお茶に対する興味が継続しステップアップにつながる仕組みが必要と考えております。
 例えば、藤枝市では小学生を対象にジュニアお茶博士を認定し中学生になるとジュニアお茶大使として活躍しております。こうした事例を参考に愛飲の促進に関する県民会議におきまして中学生版のCha−1グランプリの開催や新たな認定制度について学校関係者や日本茶インストラクターの方々から御意見を伺い実現に向けて検討してまいります。
 また、茶業関係と連携してお茶のおいしい入れ方やストレス低減効果を紹介する企業向けセミナーを開催し職場での愛飲も提案するなど県民挙げての静岡茶の愛飲を進めてまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 木苗教育長。
○教育長(木苗直秀君) 静岡茶の愛飲促進についてのうち、茶育の推進についてお答えいたします。
 県内の小中学校を対象にこれまで茶葉の提供、茶摘みや茶の手もみといった体験活動の支援、食育担当者の研修の充実などにより静岡茶の愛飲を推進してまいりました。その結果令和元年度末の時点でお茶を飲む機会を提供している学校の割合は九四%、お茶に関する食育の機会を確保している学校の割合は八四%となっております。
 昨年十月の愛飲の促進に関する県民会議におきましてはさらなる推進に向け茶産地以外でもPTA主体でお茶講座が実施できるような体制づくりやお茶ができるまでの流れや歴史、文化、静岡におけるお茶の位置づけなど学問的側面からの教育を行う必要があるとの提案を頂きました。また生産者や茶商の皆様と協力し地域としての継続した取組を行っていくことの重要性などについて共通認識を深めたところであります。
 このため、令和三年度は学校、家庭、地域が連携した静岡茶の食育体制の整備に向け茶産地以外の児童生徒、保護者を対象として地域のお茶関連事業者等が講師を務める静岡茶講座や学校における静岡茶の食育の充実を図るため学校の食育担当者を対象にお茶の入れ方等の実習を含めた模擬授業を実施することとしております。
 子供たちが家庭や学校でお茶を飲みお茶と一緒に会話を楽しみ実りの多い学校生活を送ってもらうためには、おいしさを味わうことに加えお茶の道  茶道をはじめとした歴史や文化、効能、産地など様々な観点からお茶に対する理解をさらに深めていくことが重要であります。
 県教育委員会といたしましては、経済産業部や茶業関係者と連携して学校における食育としての茶育を一層推進し静岡茶の愛飲の促進を図ってまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) 県民による地球温暖化対策の促進についてお答えいたします。
 県では、主に家庭部門の温室効果ガス排出量の削減を目指し企業や団体、市町などと連携して平成三十年度からスマートフォンのアプリ「クルポ」を活用した県民運動ふじのくにCOOLチャレンジを展開し自発的な行動を促しております。本年六月末時点の登録者数は約一万三千人、令和二年度のアクション数はリサイクルボックスの利用や公共交通機関の利用など合計で約十六万回となっております。
 「クルポ」をさらに普及させていくためより多くの企業や団体に御協力頂きポイントの獲得場所や従業員をはじめとする関係者の参加登録の拡大を図るとともに、脱炭素型ライフスタイルの確立に向け家庭における再生可能エネルギー電力への切替えや電気自動車などの利用等アクションのメニューを拡充してまいります。
 これまでも個人が実施しましたアクションによる二酸化炭素削減量はそのアプリの画面に表示されておりますが、今後は議員御提案のとおり県民の皆様のより多くの行動につながるよう「クルポ」の取組全体での削減目標や月別の削減量の実績を公表してまいります。
 県といたしましては、脱炭素社会の実現に向け「クルポ」の一層の普及を通じて県民の皆様の意識改革や行動変容を促す取組を推進してまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) ウイズコロナ時代の文化振興についてお答えいたします。
 本県の文化活動は新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けましたが、新しい生活様式に対応した様々な手法を模索しながら地域の皆様の協力の下で文化プログラムをはじめ多くの事業を実施することができました。この文化プログラムの成果を継承し四月から地域の文化活動を支援する新たな体制  アーツカウンシルしずおかが本格的にスタートしたところであります。
 本年はこうした取組を進めてきた第四次文化振興基本計画の最終年度であります。現在文化関係者や専門家の御意見を伺いながら次期計画の策定を進めております。次期計画では培った実績を基にコロナ禍によって明らかになった新たな課題に対応し文化振興施策のさらなる充実を図ってまいります。
 例えば、コロナ禍による移動の自粛に伴いアーティストの多くを首都圏に依存してきたことが課題となりました。本県の人材が主体となって文化芸術活動が行えるようアーツカウンシルを中心に本県ゆかりのアーティストと連携した地域住民の活動を支援することにより県内の創造的活動を一層促進してまいります。
 また、SPACの演劇アカデミーなどを通じて将来を担う子供たちが優れた文化芸術に触れる機会の拡充に努めるとともに、アーティストや文化団体間の情報共有やネットワークを強化し相談対応やきめ細かな支援を行うなど、ウイズコロナの時代でもアーティストをはじめ県民の皆様が気軽に文化活動に参加できる環境づくりに取り組んでまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田 貴君) 女性の健康支援についてお答えいたします。
 県では、これまでも各健康福祉センターにおいて生涯を通じた女性の健康を保持増進する目的で健康講座の開催や女性のための健康ガイドの配布、女性の心身の健康に関する相談を行っております。また女性特有の悩みを解決する一助となるよう時代の流れに即したツールの一つとして情報提供ウェブサイト「女性の健康推進室ヘルスケアラボ」を市町や関係団体に対して周知し活用を促しているところであります。
 現在、県は健康や心の問題等について御相談頂ける様々な窓口を設置しておりますが、全体の約七割が女性からの相談となっております。また年代別に見ますと十代はLINEによるこころの相談、二十代・三十代は若者こころの電話相談、四十代・五十代はあざれあ女性相談やこころの電話相談の利用が多くライフステージに応じて御活用頂いており、必要に応じて専門機関などへの紹介も行っております。
 さらに、女性の持つ多様な悩みを受け止め専門機関と連携協働し相談から解決まで包括的に支援する体制の整備を進めており、これまで県内十五市町で実施されています。今後全市町への拡大に向けアドバイザーの派遣や連携担当職員の養成等に取り組み、県民の皆様に身近なところで重層的な支援を実現してまいります。
 県といたしましては、既存の相談窓口の一層の周知を図るとともに、健康問題も含め様々な悩みに対応する身近な支援体制を整備し女性が充実した人生を送ることができるふじのくにづくりを進めてまいります。
 次に、ヤングケアラーへの対応についてであります。
 ヤングケアラーにつきましては、五月に厚生労働省及び文部科学省によるヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチームからの報告書が公表され、今後取り組むべき施策として早期発見・把握、支援策の推進、社会的認知度の向上の三つが示されました。
 ヤングケアラーへの支援は、本人だけでなく家族全員に対して福祉、介護、医療、教育など幅広い分野が連携して行う必要がありますことから、県では各分野を所掌する庁内の関係所属により支援策の検討を行うヤングケアラー支援検討会議を設置いたしました。
 検討会議におきましては、ヤングケアラーに対する効果的な支援に必要な県内における児童生徒の状況把握をまず行うこととし現在調査の準備を進めており、年度内には調査結果をまとめてまいります。今後調査の実施と並行して国の報告書を踏まえ既存の福祉サービスの活用等、具体的な支援策や必要な体制整備について検討を進め可能な取組から順次実施してまいります。
 県といたしましては、ヤングケアラーを地域全体で支え誰一人取り残さない社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 山本警察本部長。
○警察本部長(山本和毅君) 犯罪被害者支援についてお答えをいたします。
 初めに、第二次静岡県犯罪被害者等支援推進計画の方針や取組についてでありますが、静岡県では平成二十七年に犯罪被害者等支援条例を施行し、翌平成二十八年には静岡県犯罪被害者等支援推進計画を策定して以後五年間計画の推進状況について検証を行いながら精神的・経済的支援など各種取組を進めてきたところであります。
 この計画期間中、犯罪被害者等に適切な情報提供を行う総合的対応窓口が県下の全市町において設置されたほか静岡県性暴力被害者支援センターSORAを開設するなど、支援の充実に努めてまいりました。
 一方で、カウンセリングや相談対応の充実を求める声があるほか犯罪被害者等の日常生活を支えるための市町による条例制定は一部にとどまるなど、さらに県民全体で犯罪被害者等を温かく支える地域社会の形成を目指すことが必要な状況にございます。
 そこで、本年四月に策定しました第二次静岡県犯罪被害者等支援推進計画におきましては関係機関が連携し県内各地の犯罪被害者等が遭遇する様々な問題に対して必要な情報が確実に提供できるような仕組みづくりを進めますとともに、心身に負う深刻なダメージを軽減するための精神的・経済的支援の充実に努めていくことといたしました。
 また、この第二次計画の策定を受け有識者検討会からは第二次計画において特に重点的に取り組むべき課題としてカウンセリング制度等の継続的運用、市町の相談窓口の機能強化、不公平感の是正など六つの提言を頂いたところでございます。
 県警察では、これを受けまして女性警察官の配置やカウンセリング制度の積極的な運用、犯罪被害者支援の意義や支援要領に関する職員教養を充実させてまいります。また市町との連携を強化しますとともに、生活上の支援の充実につなげられますよう市町の条例の制定について積極的な働きかけや必要な協力支援を行うなど、犯罪被害者等の多様な特性や個別の状況に応じたきめ細かな支援をさらに推進してまいります。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 六十九番 早川育子君。
       (六十九番 早川育子君登壇)
○六十九番(早川育子君) それぞれ御答弁頂きありがとうございました。
 要望を三点、再質三点ほどしたいと思います。
 要望につきましては、二自然災害から県民の命と生活を守る対策のうち、規制の強化についてであります。
 (一)の緊急点検です。七月いっぱいに点検を行うということでありますが、大事なのはその点検後危険箇所だということ、危険な盛土だということが分かった時点での対策これが重要になってくると思います。予算も伴うことでもありますし国ともしっかり連携して迅速に危険を回避できるような方策を整えていただきたいと思います。
 要望の二点目は、九番の女性の健康支援についてであります。
 断らない相談体制が市や町でも展開をされて、女性の健康支援だけでなくて様々な相談窓口、開設されているというのはよく分かっておるんですが、ここをやっぱり市や町では非常に人材が不足していることもありますし連携してまたネットワークをつくるような形で拠点化しての県の核となる支援センターをぜひつくって市や町を支援していただきたいと思いますのでお願いしたいと思います。女性の健康が全ての方の健康につながっていくと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
 また十番目、ヤングケアラーへの対応についてこれも今年度中に調査を実施するということでありましたが、ぜひ具体的な問題が抽出できるようにきめ細かな調査とそれから福祉サービスでは補えないことがたくさんございます。そうしたものを国の制度を待つのでは、あるいは利用するといっても隙間がありますので、そこをやっぱり静岡県独自の制度をつくっていくような方策を組み立てて子供たちが本当にこの悲しい思いをしないということをぜひ根底に置いて進めていただきたいと思います。
 それでは再質問に移ります。
 初めに、知事の政治姿勢について知事から御答弁頂きました。この中で(二)リニア中央新幹線工事についてであります。
 SDGsのモデル県を目指すという柱にこの自然環境を守るということがあると思います。今御答弁頂き時代が大分変わってきたということ、そして立ち止まって考えるということも所信表明でも発表がありました。私も特に高校生とか若い方とお話ししているとこの時代本当に必要なのかという問合せがありまして、未来を担っていく子供たちが喜んでこの事業を受け入れてもらえるような体制を整えていくためには、あまりにも今コロナですとか自然災害の状況とか考えると状況が変わってきている。そういう点ではぜひ静岡県が主張するだけでなく近隣の関連するところ等の地域の協議会のような形で意見交換をしながらどうこの自然を守っていくのか主導性を持って取組を、また新たな取組をしていただきたいと思いますがお考えがありましたら伺いたいと思います。
 二点目、サイクルスポーツの聖地づくりも知事から御答弁頂き本当に様々な発信があり感謝をいたします。その中でサイクルスポーツセンターを拠点にしていくということもありますが太平洋岸自転車道の活用によってルートを作成していくとありました。特に西部地域がこのサイクルスポーツセンターと離れていることもありますので連携してルートを作成する、あるいはいろんなイベントをつくっていくということが重要だと思うんですが、その後今後どう展開していくか、お考えを伺います。
 三点目、自然災害から県民の命と生活を守る対策についての(二)規制の強化、これ一昨日の答弁にもございましたが、具体的に条例はいつ頃を目安に速やかに改正をしていくというお話でありますがいつ頃を目安にまたどんな関係団体とか連携しながら作り上げていくのか、今後のスケジュールも含めて伺いたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(宮沢正美君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) リニア中央新幹線工事に関します再質問についてお答えいたします。
 まず情報発信、以前からですね県外の方にも広く情報発信するということで先日まず私どもの持っているホームページを広聴広報課の御協力も頂いてリニューアルいたしました。今までずっとこう積み重ねるように新しい情報を書き込んでおったんですが、ちょっと分野別に分かりやすく見直して情報発信に努めたいと。
 もう一つは、広く私どもの担当幹部がいろいろなところに御依頼があればすぐ出かけて現地だけではないところでも情報発信に努めているということがございます。
 もう一つは、直接リニアといいますか南アルプスの自然環境を守るという観点でございますけれども、先日南アルプスを未来につなぐ会というものを立ち上げました。これは広く学術の研究者の方ですとか、あるいは産業界の方とか、山で活動されているような方、いろいろ発起人に二十五人なっていただきまして  これから会員を募集いたしますけど  そういうことで南アルプスの大切さとか魅力ですとかそういうものは広く全国に発信してまいりたいと今取組を始めたところでございます。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(植田基靖君) サイクルスポーツの聖地づくりについてでございます。
 今、ナショナルサイクルルートとして太平洋岸自転車道が認定されたわけですけれども、そのほかにも県のルートとして伊豆半島一周ルート、富士山一周ルート、浜名湖一周ルートがございます。全県を網羅してサイクルルートを作ってまいりました。
 こういった四つのサイクルルートを連携させてですね、ひとつ静岡県全体としてこのサイクルスポーツの聖地として盛り上げていきたいと考えております。
 聖地創造会議ですが、そこにですね市町の方々の会議もございます。そういったところも活用しながら県全体で盛り上げてまいりたいと考えております。以上でございます。
○議長(宮沢正美君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) 規制の強化につきましての再質問にお答えをいたします。
 まず、条例の改正時期ですけれども年内を目途に進めてはまいりますけれども、関係者との調整もございますので時期等については極力早くということで年内もしくはその次ということになります。
 それから、関係団体との調整の件でございますが現在条例につきましては権限を移譲している市町もございますのでそういう市町の意見も聞きながら調整を進めていきます。なるべく実効性の高い条例となりますように、検討等を進めてまいりたいと思っております。以上であります。
○議長(宮沢正美君) 六十九番。
       (六十九番 早川育子君登壇)
○六十九番(早川育子君) 御答弁ありがとうございました。
 最後に要望を一点申し上げます。
 知事の政治姿勢のうち、リニア中央新幹線工事についてであります。
 リニアの技術は私もすばらしいものだと思います。ただそれをこの静岡県で開通する課題ということについて、愛知県とか大阪とかもう既に駅前整備をしてリニアを、開通を待っている地域が静岡県が反対していると思われていることが残念でなりません。南アルプスを未来につなぐ会議など自然豊かな静岡県を守っている視点ということをぜひそういう方々にも御理解頂き、また開発された地域についてはどう生かしていくかということも逆に考えていくようなことを並行しながら進めていただくことをお願い申し上げまして質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○議長(宮沢正美君) これで早川育子君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp