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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 啓嗣 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/29/2020

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 新型コロナウイルス感染症を踏まえた中小企業等のBCP
 策定の支援について
2 沿岸地域の振興策について
3 外国人県民の子供たちの就学促進について
4 頻発する豪雨等に対する土砂災害対策の推進について
5 大規模災害時における廃棄物処理対策について
6 県内における豚熱(CSF)対策について


○副議長(良知淳行君) 次に、十番 鈴木啓嗣君。
       (十番 鈴木啓嗣君登壇 拍手)
○十番(鈴木啓嗣君) 皆様こんにちは。
 質問に先立ちまして、新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、今この病魔と闘われている皆様の一日も早い回復を願っております。
 現在、様々な場面、様々なお立場においてこの国難とも言われる中、社会生活を支えていただいている皆様に深く敬意を表しますとともに心より御礼を申し上げます。
 それでは私、鈴木啓嗣は自民改革会議の所属議員として当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、新型コロナウイルス感染症を踏まえた中小企業等のBCP策定の支援についてお伺いします。
 新型コロナウイルスの感染が拡大し、その脅威にさらされる中においても電力やガス、水道等のインフラ運営関係、電車やバス、タクシーなどの交通関係、食料品や生活必需物資の供給、小売関係、理美容やごみ処理、冠婚葬祭等のサービス関係など県民の安定的な生活を確保するために不可欠なサービスを提供する事業者はその事業を継続することが求められています。これらの企業は体力のある大企業から中小零細企業まで様々であり、この国難とも言える状況を自助努力のみで乗り越えられる企業ばかりではありません。
 中小企業等の中には、営業継続のために必要となる感染対策資機材の調達が困難であったり、感染症対策を整えた状態で営業を継続し売上げの減少を最小限にとどめても経費の増大が経営を圧迫するなど非常に厳しい状況に置かれている企業もあると聞いています。行政としてこうした企業を支えこのような状況下においても着実に事業を継続していただくことが県民の皆様の暮らしの安全・安心につながるものと考えます。
 現在、県の制度融資による資金繰り支援、国の雇用調整助成金や持続化給付金など企業に対する様々な支援が続けられているところであり、感染症の終息までこうした取組を切れ目なく行う必要があることは言うまでもありません。
 一方、企業側も今回の感染症を契機として経営を取り巻く様々なリスクに対応できるBCPの策定が必須になったと考えます。これまで県ではBCPの普及促進に積極的に取り組んできたと承知していますが、二年に一度県内一千社を対象に実施している調査結果によれば令和元年度従業員四十九人以下の企業におけるBCP策定率は二八・九%にとどまっており、従業員が十人に満たない零細企業についてはさらに低い状況であるものと考えます。また既にBCPを策定している企業であっても、大規模地震など自然災害への対応が主眼であり感染症対策が十分でないことも考えられます。
 そこで、県は今回の新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえ中小企業等のBCP策定支援について今後どのように取り組んでいくのかお伺いします。
 次に、沿岸地域の振興策について伺います。
 平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災以降、県内沿岸部の土地利用、需要が低下しており私の地元浜松市の沿岸部におきましてもそのような状況が確認されております。土地の需要を示す土地平均価格の推移を見ましても沿岸部の土地価格は近年下落が続いており、県が実施している地価調査によりますと昨年の浜松市全体での平均価格は平成二十二年比一〇六・九%と上昇しているのに対し、沿岸部を持つ浜松市内の西区、南区ではそれぞれ八五・八%、八五・四%と下落しており平均価格の差が拡大しています。このような状況が続く要因としては津波に対する懸念も影響しているものと考えられます。
 一方で、県内沿岸部においては静岡方式の津波対策が各地で進められており、浜松市沿岸部では本年三月に天竜川河口から浜名湖今切口まで東西十七・五キロメートルにわたる全国最大規模の防潮堤本体工事が完成しました。これにより南海トラフ巨大地震に伴う津波被害想定の宅地浸水面積が八割減少されるなど地元住民や企業の不安を解消する防災・減災対策の成果が着実に現れています。
 ただ、現在においても沿岸部の土地需要の低下は改善の兆しが見えておりません。現状を打破するためにも、沿岸地域の暮らしの安全・安心につながる防災・減災対策と同時に沿岸地域の振興策を明確に打ち出し地域の活力を支えていくことが不可欠であると考えます。
 また、五百六キロメートルに及ぶ海岸線を持つこの静岡県にとりまして、沿岸地域の振興は大変重要な課題であり現在のような状況が続いた場合、地域の人口減少にもつながる大きな問題でもあります。
 そこで、現在県が進めているふじのくにのフロンティアを拓く取組ではフロンティア推進エリアの形成を県全体に広げていくとのことですが、基本戦略沿岸・都市部のリノベーションの実現に向けて今後沿岸都市部でどのように進めていくのかお伺いいたします。
 次に、外国人県民の子供たちの就学促進について伺います。
 昨年度、文部科学省が実施した調査において令和元年五月一日現在で不就学の可能性があると考えられる外国人の子供が全国で約二万人いると発表がありました。このうち本県では、政令市を除く住民基本台帳登録数四千五十五人の子供のうち五百九十四人について不就学の可能性があるとの結果が報告されました。これを受けて昨年十二月に県独自で追跡調査を実施した結果、このうち二百八十七人については就学が確認できましたがそのほかに不就学や就学状況が確認できなかった子供もいたと聞いています。
 県内の外国人労働者数は七年連続で増加、五年連続で過去最高人数を更新しており昨年十月の時点では六万四千五百四十七人と全国で六番目に多い人数となっております。そして外国人労働者の増加に伴い外国人の子供の数もこの七年間で五割以上増加しており、今後不就学の子供の増加が懸念されます。
 また、就学したとしても言葉の壁などにより学校になじめず充実した学校生活を送ることができないまま不安を抱えて毎日を過ごしている子供たちも存在しているものと思われます。子供たちが学校に通い充実した生活を過ごすことで暮らしの質の向上を実感することができれば、その親はこの地域に大きな魅力を感じ安心して住み続けることができるのではないでしょうか。多くの外国人が活躍する本県において、外国人労働者が本県を就職地として選び安定的に働けるようにすることが、今後の県内産業の発展につながるものと考えます。現在は新型コロナウイルス感染症により県内経済、雇用にも大きな影響が出ておりますが、感染症収束後の県内産業躍進のためこうした取組を続けることは重要であるものと考えます。
 そこで、外国人労働者が安心して働くためには外国人の子供の就学に向けた支援と就学後の細やかな支援が重要であると考えますが、今後県教育委員会ではどのような取組をしていくのかお伺いします。
 次に、頻発する豪雨等に対する土砂災害対策の推進について伺います。
 近年、気候危機とも言われるように気候変動に伴う豪雨の頻発化により全国各地で土砂災害が増加しておりその災害規模も激甚化しています。全国の集中豪雨と土砂災害発生件数の推移を見ましても、昭和五十四年から平成三十年までの四十年間を十年ごとに区切りますと年平均にして時間五十ミリ以上の降雨発生回数が約三七%の増、土砂災害発生件数が約六八%の増とこの四十年間で土砂災害の危険性が大幅に増加しています。特に平成三十年には、全国で年間三千四百五十九件の土砂災害が発生しており過去最多件数を記録しました。
 このような状況下、昨年十月の台風十九号では東日本を中心に台風に伴うものとしては過去最多となる九百五十二件の土砂災害により多くの貴い命が犠牲となっています。本県におきましても四十四件の土砂災害が発生し全壊三戸、一部損壊三戸のほか小山町の高齢者施設へ土砂が流入するなど大きな被害を受けました。
 このように自然環境が変化し土砂災害発生の懸念が増す中、土砂災害防止対策の一層の充実が急務となる一方、県が本年三月末までに手続を完了した土砂災害警戒区域の指定では県下全域で一万八千を超える土砂災害のおそれのある箇所が明らかになったと認識しています。
 気候変動に伴い土砂災害が頻発化する中、一万八千余りの危険箇所を抱える本県において県民を土砂災害から守るには施設整備等のハード対策と避難体制拡充等のソフト対策を効率的、効果的に展開することが重要であると考えます。
 そこで、自然条件が一層厳しさを増す中、土砂災害に対する県民の安全・安心を確保するため県は今後どのように土砂災害対策に取り組むのかお伺いいたします。
 次に、大規模災害時における廃棄物処理対策について伺います。
 近年、異常気象による自然災害が多発し昨年の台風十九号では県内でも大きな被害がありました。さらに近い将来、南海トラフを震源とする巨大地震も想定されています。災害により発生する廃棄物は住民の生活に多大な影響を及ぼすことから早急に処理をしなければなりません。台風十九号の際には他県から支援等は受けずに自力で処理することができたということですが、巨大地震による被害の場合、災害廃棄物の処理の主体となる市町の対応では到底処理できるものではありません。
 東日本大震災では、津波堆積物を含む約三千百万トンの災害廃棄物が発生し被害の大きかった岩手県では既存の市町村の処理施設だけでは対応できず、また被災で市町村の行政機能が低下したことから被災市町村からの処理委託を受け徹底したリサイクルによる処理方針の下、県が仮設の焼却、リサイクル施設を設置し処理を行うとともに全国の自治体や民間施設に処理を要請し約三年で処理を終えました。また平成二十八年四月の熊本地震で約三百十万トンの災害廃棄物が発生した熊本県や、平成三十年七月豪雨で約四十四万トンの災害廃棄物が発生した岡山県でもリサイクルを重視した処理方針の下、被災した市町村に代わって県が破砕、選別処理施設を設置し熊本県では約二年で処理を終えたところです。
 一方で、南海トラフ巨大地震において想定される災害廃棄物の発生量は全国で最大約三億二千万トン、県内では東海地震などのレベルワンでも約三千万トンが想定されています。この量は一年間に発生する一般ごみの量、全国で約四千二百万トン、県内で約百二十万トンと比べても分かるように廃棄物処理施設の余剰能力を駆使したとしても短期間で処理完了できるような量ではありません。
 このように大量の災害廃棄物を早急に処理するためには、廃棄物処理に関するあらゆる可能性を検討すべきと考えます。
 そこで、このような状況を踏まえ県は大規模災害発生時の災害時の災害廃棄物処理対策についてどのように考えているのか、また早急に復旧・復興するためには災害廃棄物の広域的な処理体制の確保が不可欠であると同時に仮設の処理施設を設けることも想定する必要があると考えますが、県はどのように考えているのかお伺いします。
 次に、県内における豚熱――CSF対策について伺います。
 県内では、昨年十月十七日に野生イノシシで豚熱いわゆるCSFウイルスの感染が確認されたことに始まり、これまでに二百三例の陽性が確認されCSF感染確認地域は県中部から西部地域に拡大している状況です。また本年度に入り先週までにも四十二例の陽性が確認されており野生イノシシのCSFウイルス感染は依然続いております。
 そのような中、県内の養豚農場では昨年十一月からCSFワクチンの接種が開始されたことから接種前に比べ養豚農場でのCSF発生リスクは低減されたものの、野生イノシシから養豚への感染リスクは依然として残っていることが危惧されております。この状況を改善し一日も早く県内からCSFの脅威をなくすことが県内畜産業の振興につながるものと考えます。
 そこで、県が取り組んできたCSFの感染拡大防止対策である野生イノシシへの経口ワクチンの散布につきまして、これまでの結果と今後どのような取組をされるのかお伺いします。
 一方、万が一養豚農場でCSFウイルスの感染が確認された場合それが僅か一頭であったとしてもその農場内の全頭殺処分が行われ養豚農場の規模によっては殺処分が数千頭に及ぶおそれもあります。またその対応は感染拡大防止の観点から全てにおいて迅速にそして的確に行われなければなりません。そのためには、養豚農場でのCSF発生確認から家畜の死体処分完了まで体制を十分に検討し準備しておく必要があるものと考えます。特に死体の処分に関しては養豚事業者が取扱い処分を完了することは困難であり、行政が主導する中で実行する必要があるものと考えます。
 そこで、県は養豚農場でCSFが発生した際、家畜の死体処分についてどういった方法を想定しているのか、またその想定における課題はどのようなものがありそれらの課題にはどのように対処されているのかお伺いします。以上につきまして答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 鈴木啓嗣議員におかれましては、たったお一人きちっとネクタイを締め背広で議場に臨んで敬意を表せられることを、その心意気が伝わってまいりました。
 鈴木啓嗣議員にお答えいたします。
 沿岸地域の振興策についてでございます。
 この沿岸地域の振興策は、現在ふじのくにのフロンティアを拓く取組の一環として進めているものです。これは議員御指摘の東日本大震災、この災害を受けて静岡県では内陸のフロンティアを拓く取組というのをいたしました。それを受けて今ふじのくにのフロンティアを拓く取組になっています。
 内陸のフロンティアを拓く取組のときには、第一に内陸のフロンティアを拓く、そして沿岸・都市部のリノベーション、それから両方を結ぶ地域連携軸、それから人々がどこにでも住めるようにということで新しいライフスタイルの提供とこういう四つの戦略になっていました。それなりに内陸のフロンティアの取組が功を奏しまして、政府からも様々なゴールドメダルを頂戴するなどございまして、現在ふじのくにのフロンティアを拓く取組では順序が変わっています。その一番最初に来ているのが沿岸・都市部のリノベーションということでございます。
 そして、ちなみに第二番目に内陸部、ここはフロンティアを拓くというよりもイノベーションすなわちそこも豊かな自然と調和して生きられるいろいろな工夫が必要なので、そこのイノベーションをしていこうと。
 そして三番目は、連携軸だったのが今は多中心の対流型都市圏の形成とどこもが中心になれると。これは今のアフターコロナのいわゆる一極集中から多極分散型を結果的には先取りしている取組を進めているということです。そして人々が情報インフラもいわゆるハードのインフラもあるので、どこにでもお住まいになれるということで多彩なライフスタイルの実現を第四戦略に入れていると、こういうわけでございます。
 さて、このふじのくにのフロンティアを拓く取組の四つの基本戦略の第一に沿岸・都市部のリノベーションを掲げていると申し上げました。この地域におきましてはもとより防災・減災対策を最優先にしなければなりません。そして地域産業の活性化やゆとりある住空間の整備の促進に市町と一体となって取り組んでいくということでございます。現在、沿岸都市部の二十二か所をリノベーションを先導するふじのくにフロンティア推進区域に指定して事業を進めているところであります。
 先進的な取組といたしまして、富士市では沿岸部の遊休地を活用し強固な防災機能を兼ね備えた住宅団地を整備いたしました。この取組は国土強靱化に資する取組としてジャパン・レジリエンス・アワードで優秀賞を受賞して高い評価が得られたものでございます。磐田市では福田漁港周辺に観光交流施設を整備し令和元年度の来場者が十七万人に上りにぎわいを創出しております。また磐田農業高等学校の農場実習場跡地におきまして、農業経営塾を開講し生産技術や経営管理手法の普及に取り組むなど未利用地の利活用を図っております。これらの取組に加えまして持続可能で魅力ある地域の実現を目指すふじのくにフロンティア推進エリアの形成を進めているところであります。
 ICTの新しい技術の活用や広域的な視点で都市機能や地域資源を結びつける取組を進めておりまして、本年度は御前崎市が御前崎港周辺地域を核としたエリア形成に向けて計画の策定を進めているところであります。こうした沿岸地域の取組を加速し内陸高台部との均衡ある発展が図られるように市町と県の関係課、地域局が一体となり地域課題の抽出、整理と有効な解決策の協議を重ね、沿岸地域の企業を対象とした利子補給金制度の活用を促すなど実効性の高い振興策を積極的に展開していくつもりでございます。
 新型コロナウイルス感染症により大都市のリスクが顕在化してまいりました。今後大都市から地方への回帰は大きな潮流になっていくと確信しているところでございます。議員の地域である浜松の防潮堤もほぼ完成を見て必ず安全でありますので、人々のにぎわいは戻ってくるものと私は見ております。
 ともあれ、この自然の豊かな本県の沿岸地域がこうした様々な方々の大都市から地方へ、例えばプロ野球が戻ってくるなどその受皿となりポスト東京時代の新しい地方創生の牽引モデルとして発展していけますようにふじのくにのフロンティアを拓く取組を強力に推進してまいる所存であります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(良知淳行君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 頻発する豪雨等に対する土砂災害対策の推進についてお答えをいたします。
 県では、新ビジョンの目標に土砂災害による死者数ゼロを掲げ砂防堰堤や擁壁などを整備するハード対策と住民の皆様に日頃の備えや適切な避難を実行していただくソフト対策を推進しております。
 ソフト対策につきましては、平成十六年度に着手した土砂災害警戒区域の指定が本年三月に一万八千二百十五か所をもって完了いたしました。現在、県のホームページや防災アプリによりお知らせしている箇所ごとの詳細な情報につきまして更新する作業を進めているところです。また警戒区域内にお住まいの方々が逃げ遅れることのないよう、情報収集や避難準備などの取るべき行動を時系列で整理したマイ・タイムラインの作成を市町と連携して支援しております。
 さらに、土砂災害への警戒レベルが高まっていく状況を県のホームページでお知らせする土砂災害警戒情報補足システムではこれまでは地図の上に一キロメートル四方単位に区切って表示しておりましたが、今後は学区などの避難勧告を発令する地区単位でも表示できるようシステムの改良を進めているところです。
 ハード対策につきましては、県では人家や要配慮者利用施設、避難所の立地状況などを考慮し優先度に応じた交付金事業などにより土砂災害を防止する施設の整備を進めております。また昨年度、新たな国庫補助事業が創設され避難路や緊急輸送路を含む箇所の重点的な整備が可能になりました。該当する箇所につきましては積極的にこの制度を活用しているところです。さらに本年度からの新規事業である県土強靱化対策事業により、既存の砂防堰堤を活用した即効性のある対策を進めてまいります。
 県といたしましては、頻発化する豪雨に対しましてハード・ソフト両面から効果的、効率的な土砂災害対策を推進し県民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 天野経済産業部長。
       (経済産業部長 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長(天野朗彦君) 新型コロナウイルス感染症を踏まえた中小企業等のBCP策定の支援についてお答えをいたします。
 BCPは、自然災害やテロなどの緊急事態に備え企業への影響を最小限に抑えて事業を早期再開するために事前に策定しておく計画であります。これまでは地震や台風などを想定しハード面の被害対応に重点が置かれ、大規模な感染症への対応は必ずしも十分に準備されてきませんでした。県ではこれまで策定の遅れが指摘される小規模な事業者でも取り組みやすいよう業種ごとに細分化した簡易なモデルプランを策定し、県中小企業団体中央会などと連携して専門家を派遣するなど中小企業のBCP策定を支援してまいりました。しかしこのモデルプランも今回の新型コロナウイルスのような感染症の世界的な流行を想定したものとなっておりません。
 新たなBCPには、地震や台風などと異なり感染症の影響が長期化した場合や感染者や濃厚接触者が発生した場合の対応などを想定していく必要があります。国におきましても現在、従前のBCPガイドラインを見直し在宅勤務への切替えが可能な業務の選定やアルコール消毒液の備蓄なども検討の対象に加え、専門家の意見も踏まえ改定を進めていくこととしております。
 電力やガス、水道といったインフラ関係や交通、生活物資の供給など県民の皆様の安定的な生活を確保するために不可欠な事業につきましては影響がより深刻であります。
 このため、県といたしましてはこうした業種ごとの対応も含めまして国のBCPガイドライン見直しの動きを注視するとともに、多くの業界団体で進めております新型コロナウイルスの教訓を踏まえましたBCPの見直しの取組なども参考に早急にモデルプランの見直しを進めてまいります。その上で国や経済団体、市町などと連携し各企業への専門家派遣やオンラインによるBCPセミナーの開催などによりまして中小企業や小規模事業者のBCPの策定、改定の支援に着実に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 外国人県民の子供たちの就学促進についてお答えいたします。
 県内に居住する全ての外国人の子供たちが充実した学生生活を送るためには、安心して学べる教育環境を整備することが重要であります。昨年度立ち上げた多文化共生推進本部教育プロジェクトチームにおきまして就学前から就学後に至るまで様々な支援策を講じているところであります。
 昨年十二月に実施いたしました外国人の子供の不就学実態調査では、不就学や就学状況を確認できない子供が百六十一人おりました。今年度改めて新型コロナウイルス感染症拡大の影響も含めて就学状況の実態調査を行うとともに、課題を把握するため市町への訪問調査を実施する予定であります。あわせて昨年度作成いたしました日本での学校生活や学習内容などを示した多言語リーフレットを活用し、市町教育委員会におきまして外国人の保護者に対する就学の啓発を行ってまいります。
 また、学校生活に早く慣れることができるよう外国人の児童生徒が多い学校に教員を加配いたしますとともに、日本語指導コーディネーターを派遣し効果的な教育課程の編成を支援するほか非常勤講師を六十二人配置し個々の日本語能力に応じた指導を行っております。さらに外国人にも分かりやすいやさしい日本語を用いた学校からのお知らせの作成や県が貸与いたしました自動翻訳機の活用により、児童生徒や保護者との円滑なコミュニケーションを図っております。外国人労働者が家族を含め安心して生活し働けることが本県の産業振興にもつながります。
 県教育委員会といたしましては、市町教育委員会と連携し継続的に支援を行いその子供たちが県内のどの学校に在籍しても安心して学べる環境の整備に努めてまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 市川くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 市川敏之君登壇)
○くらし・環境部長(市川敏之君) 大規模災害時における廃棄物処理対策についてお答えいたします。
 南海トラフ地震などの大規模災害発生時における廃棄物につきましては、議員御指摘のとおり被災した市町単独での処理は困難と考えられますことから、県は適正かつ迅速に処理を行うため災害廃棄物処理計画を策定し必要な支援を行うこととしております。
 具体的には、まず県内で市町、県、廃棄物処理業者などとの間であらかじめ締結している支援協定に基づき県が廃棄物の量や搬出先など支援内容の調整を速やかに行ってまいります。また県内での処理が困難な場合におきましては環境省、都道府県、政令市等で構成される地域ブロック協議会を通じて県外の自治体に広域処理を要請してまいります。
 さらに、処理計画で定める目安の三年以内に処理するため必要に応じて県が被災市町からの委託を受けて仮設の処理施設を設置することを想定しております。施設の設置までに相当の期間を要することからできるだけ早期に設置できるよう焼却や破砕など施設の種類や規模などにつきまして事前に検討を進めてまいります。
 県といたしましては、近年被災した自治体の処理方法などの事例を検証し県内市町や他県と連携して災害廃棄物を迅速に処理できるよう取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 志村農林水産担当部長。
       (農林水産担当部長 志村信明君登壇)
○農林水産担当部長(志村信明君) 県内における豚熱――CSF対策についてお答えいたします。
 飼養豚への定期的なワクチン接種によりCSFの発生リスクは低減しておりますが、野生イノシシのCSFウイルス感染確認地域は徐々に拡大しておりますことから、引き続き飼養豚のCSF発生予防に万全を期す必要があると認識しております。
 経口ワクチンの散布につきましては、野生イノシシにCSFウイルスに対する免疫を付与するため昨年九月から実施しております。まず愛知県境から始め中部地域の感染確認地点の周囲、そして伊豆を除く県内各地へと範囲を広げて実施しております。その結果、野生イノシシの抗体陽性率は散布回数を重ねるごとに向上し五月時点で二六%となっております。今後もCSFウイルス撲滅の目安となる六〇%を目指して経口ワクチンの散布を継続してまいります。
 家畜の死体処分につきましては、特定家畜伝染病防疫指針により発生確定後、殺処分は二十四時間、焼却・埋却処分は七十二時間以内に完了させる必要がありますことから、県自ら主導して迅速に処分する方針としております。原則養豚事業者が用意している土地で埋却いたしますが、他県の事例では掘削により水が湧き出して埋却できなかったという課題が報告されております。
 こうした課題に対しまして、本県におきましてはまず代替地へ埋却する方法または移動式粉砕装置を用いて家畜の死体を粉砕して加熱殺菌後、焼却施設で処分する方法を想定しております。この装置につきましては平成二十九年に本県で訓練を実施し作業マニュアルを作成しているところでありますが、引き続き静岡県産業廃棄物協会等と死体処分に関する定期的な訓練を重ね万全な処分体制を整えてまいります。
 県といたしましては、今後とも市町、JA、猟友会及び防疫作業の協力団体など関係機関の協力を得ましてCSFの蔓延防止体制を継続してまいります。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 十番 鈴木啓嗣君。
       (十番 鈴木啓嗣君登壇)
○十番(鈴木啓嗣君) それぞれ御答弁ありがとうございました。
 それでは要望を三点、再質問を一点申し上げたいと思います。
 初めに、沿岸地域の振興策について要望させていただきます。
 沿岸地域では、静岡方式の津波対策で安全・安心が目に見える形で現れてきておりますがそれでもまだその状況、停滞が払拭できない地域も県内各地で見られているかと存じております。それを改善するにはやはり積極的な振興策により地域の活力を支えていくことが重要であると考えております。五百キロメートルを超える海岸線を持つ我が静岡県、本県のさらなる発展には沿岸地域の活躍が不可欠であると考えておりますので、市町と連携する中で沿岸部を含めた地域振興に積極的、継続的に取り組んでいただくよう要望させていただきます。
 次に、新型コロナウイルス感染症を踏まえた中小企業等のBCP策定の支援についての要望を申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の影響で想定を超える事態、これが次々に起こる今のようなこの状況下におきましても多くの企業の懸命な努力によりまして県民の安定的な生活が支えられております。そうした企業の事業継続を支えるべく新型コロナウイルスの感染症、これにより明らかになった課題を一つ一つ検証していただきまして今後の取組につなげていただきますよう要望させていただきます。
 次に、頻発する豪雨等に対する土砂災害対策の推進について要望を申し上げます。
 気候危機とも言われる今、土砂災害から大切な県民の命を守るにはハード対策とソフト対策、この両輪によりまして土砂災害の防止効果を最大限発揮すべきと考えております。ですので短期的、中長期的な取組をより効率よく、そして効果的に進めていただくよう要望させていただきます。
 それでは、大規模災害時における廃棄物処理対策についての再質問を申し上げます。
 御答弁の中では、災害廃棄物の処理完了までの期間につきまして三年を目標にということでございましたがその課題観につきましてお伺いしたいと思います。
 大量に発生した災害廃棄物、これが被災地に与える影響というのはやはり大変大きなものがございます。やはり一日も早い処理完了が望まれております。ただこの処理完了を短くするためにはそれ相応の取組とその取組で浮かぶ課題があるかと思います。事前にそういった課題を的確に捉えて対処しておく必要があるものと考えます。
 そこで災害廃棄物の処理完了、三年以内という処理完了を目指して処理完了まで期間を短縮するためには、県はどういった取組が重要であると考えていらっしゃるのか、そしてその対応にはどのような課題があると認識されているのかお伺いいたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(良知淳行君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) 産業廃棄物処理の再質問についてお答えいたします。
 処理期間を短縮するためには、まずは県内の廃棄物の発生量あと処理施設の被災状況、これを迅速かつ的確に把握するということがまず大切になってまいります。それで県が被災した市町から処理業務の委託を受けたような場合に速やかに仮設の廃棄物処理施設を設置することなど、これについても課題がございます。こうした取組に対応するためにはやはりボリュームですとか処理施設の状況は発災してみなければ分からないというところもございますが、情報伝達手段の確保とか仮設の施設の種類や規模の検討、こうしたものに速やかに対応できますように国や自治体などと連携して日頃から、毎年行っておりますが会議や訓練を重ねるなどまずは迅速に現状を把握できるように、対策も速やかに取れるように日頃から会議、訓練を行うことが重要であると考えております。以上であります。
○副議長(良知淳行君) 十番 鈴木啓嗣君。
       (十番 鈴木啓嗣君登壇)
○十番(鈴木啓嗣君) ありがとうございます。
 それでは最後に災害廃棄物、大規模災害時における廃棄物処理対策について要望を申し上げます。
 災害廃棄物は被災地の早期復旧、復興の妨げになると同時に自然発火による火災やハエ、蚊など衛生害虫の発生等、被災地の生活に大きな影響を及ぼしますのでそういった影響を一日も早く被災地から取り除くためにも事前の準備と発災時の迅速、的確な対応が重要であると考えます。本県は大規模災害の発生が想定される地域ですので廃棄物処理に関するあらゆる可能性を御検討頂きまして、災害廃棄物の処理体制を構築されるよう要望いたしまして私の質問を終わります。御答弁ありがとうございました。(拍手)
○副議長(良知淳行君) これで鈴木啓嗣君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 六月三十日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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