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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

渡瀬 典幸 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/10/2013

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 職員のモチベーション向上に向けた取り組みについて 
2 地域医療再生計画による地域医療の充実について
3 温室メロンの生産振興について
4 農業用ため池の耐震対策について
5 中遠地域の道路整備について
6 福田漁港サンドバイパス事業について
7 袋井特別支援学校の教育環境の充実について


○議長(中谷多加二君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百五十六号から第百七十七号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十八番 渡瀬典幸君。
       (十八番 渡瀬典幸君登壇 拍手)
○十八番(渡瀬典幸君) おはようございます。私は自民改革会議所属議員として、通告に従い一括質問方式により知事及び関係部局長並びに教育長に伺います。
 初めに、職員のモチベーション向上に向けた取り組みについて伺います。
 先月、沼津土木事務所において屋外広告物の許可申請などが数年間にわたり放置されているという事案がありました。大変遺憾なことであります。ここ数年の県の業務に関し、職員に科された懲戒処分案件を見てみると熱海財務事務所における不動産取得税の課税資料の隠匿、熱海健康福祉センターにおける社会福祉法人の定款変更申請事務等の放置というように職員がやらなければならない事務処理を放置していたという事案が幾つか見られます。
 県庁職員の士気低下、使命感の欠如が感じられるとともに、なぜ組織として気づかなかったのか疑問に思えます。上司は部下に目を配り部下は上司に報告を怠らない。こんなシンプルな構図が県庁の組織の中で薄れているのではないでしょうか。自己の仕事に追われ同僚、部下が何を行い、悩み、壁にぶつかっているのかわからないとしたら、県庁の組織力はどんどん落ちていってしまうのではないかと心配をしております。これまで県では行政改革を進める中で職員数を減らしてきたところでありますが、もしかするとその弊害が出てしまっていることはないのでしょうか。
 私は、平成二十四年二月議会において職員削減と行政サービスの質の確保という質問をさせていただきましたが、そのときの答弁は「職員一人一人の意欲、能力を最大限に発揮させることにも十分意を配し」というものでありましたが、これまでの結果は少々落胆せざるを得ません。
 少ない職員数で最大の効果を生み出すことに異を唱えるつもりはありませんが、職員数の削減の結果仕事に忙殺され、職員のやる気、気力がそがれてしまっては行政改革の意味はありません。今こそ真剣に職員の士気向上と使命感の高揚に取り組むことが必要なときだと思います。知事がチーム川勝と述べられる組織における結束力は、職員一人一人にまで浸透しなければ意味がないのではないでしょうか。
 そこで伺いますが、行政改革を進めつつ職員一人一人のやる気、モチベーションを高めるためどのような方策をとっていこうと考えるのか伺います。
 次に、地域医療再生計画による地域医療の充実について伺います。
 静岡県では、危機的な状況にある地域医療における諸課題を解決するため、平成二十二年度からの第一次の地域医療再生計画と平成二十三年度からの第二次の地域医療再生計画を策定し、さまざまな施策を展開してきたと聞いております。
 第一次の計画は、県内にある八つの二次医療圏のうち計画を策定した当時、医療提供体制が逼迫していた中東遠医療圏と志太榛原医療圏の二つの医療圏を対象にしたと伺っております。特に私の地元の中東遠医療圏は、県内で人口当たりの医師数が最も少なく地域医療の中核である各市町の公立病院において診療科の廃止や診療体制の縮小が相次いでおりましたことから、第一次の計画に基づき、中東遠総合医療センターの整備に対する支援や森町と菊川市における家庭医療センターの整備及び家庭医養成プログラムの運営に対する助成など、魅力的な研修環境の整備による医師確保対策を初めとする幅広い取り組みが行われ、その成果があらわれつつあると感じており、大きな期待を寄せているところであります。
 また、第二次の計画では全県域を対象とし医療提供体制の中でも喫緊の課題となっていた命を守る医療であります救急医療分野、周産期医療分野において各医療機関の機能に応じた体制強化を進めるとともに、超高齢化社会に対応するため在宅医療分野についても大きな柱の一つに位置づけ、提供体制の充実強化に取り組まれるなど社会情勢等を踏まえた課題に重点的に取り組むことにより、本県における地域医療の確保に大きく寄与するものと考えております。
 このような中で県は、第一次と第二次の計画策定後の状況の変化に対応するため、さらに第三次となる地域医療再生計画をことし八月に策定し、平成二十七年度までにさまざまな取り組みを進めていくとのことであります。
 そこで、これまでの第一次、第二次の計画の成果をどのように評価しているのか。また今回策定した第三次の計画について現在の地域医療の課題をどう捉え、どのように解決していくのか県の所見を伺います。
 次に、温室メロンの生産振興についてであります。
 静岡県は、多彩で高品質な農林水産物が数多く生産されており、中でも私の地元袋井市で生産が盛んな温室メロンは作付面積が三百四十五ヘクタールと全国第一位であり、まさに本県を代表する特産品であります。私も温室メロンの品評会にたびたび出席し、丹精込めて栽培されたすばらしい品質のメロンを拝見し、生産者の日々の努力と高い栽培技術が日本一の温室メロンの生産を支えていることを実感しております。本年八月にはクラウンメロン夏作メロン品評会が初めて静岡市内のホテルを会場に開催され、市場関係者に加え青果店のバイヤーや料理人、公募で選ばれた消費者による審査を行い、多くの方々から高い評価を得たと伺っております。
 一方、最近私の周りでは、栽培されていないメロン温室が数多く見受けられ、私も大変に不安を感じております。温室メロンを取り巻く経営環境は、暖房用重油価格や生産資材価格の上昇、贈答用などの高級品としての需要の減少による販売価格の低迷など大変厳しい状況が続いており、こうしたことが生産者の減少や栽培面積の縮小につながっているものと危惧しているところであります。
 温室メロンの栽培には、先人のたゆまぬ努力に培われた高度な栽培技術や改良を重ねたガラス温室など人や技術、施設などの積み重ねが必要であり、一朝一夕に栽培を始めることが難しい作物であります。
 このため、将来にわたって産地を継続的に発展させていくためには、産地が一丸となって後継者の育成や新たな担い手の確保に取り組むことが急務であり、これからの産地を担う若手農業者が未来への夢と希望を持って温室メロンの生産を行えるよう生産コストの削減や新たな販路の開拓など収益の一層の向上が必要と考えますが、県は温室メロンの生産振興にどのように取り組むのか所見を伺います。
 次に、農業用ため池の耐震対策について伺います。
 本県は、年間降水量が二千ミリを超え水資源には恵まれた地域であり、戦後間もないころから全国に先駆けて大井川や天竜川などを水源とする大規模な農業水利事業が、国及び県営事業で実施されてきました。このことが多彩な農産物を生産する食材王国しずおかの基盤となり、地域の発展を支えてきたものであります。
 その一方で、農業水利事業による整備が進んだ今日においても農業用水の行き届かない中東遠の一部の地域などでは、今もなおため池は貴重な水源として重要な役割を果たしております。
 私の住む袋井市にも村松地域の農地を潤す千鳥ヶ谷池がありますが、池の周囲には遊歩道が整備されており、池には木々の緑が映し出され鳥のさえずりも聞こえ多くの市民が訪れるなど地域住民の憩いの場ともなっております。
 本県には、大小約七百カ所に及ぶため池があると聞いております。千鳥ヶ谷池のように地域の人たちの憩いの空間であったり、身近な生き物との触れ合いの場となるなど地域の貴重な資源とも言えるものでありますが、その多くは江戸時代に築造され農家が組織する水利組合等によって管理されているものであります。長い歴史の中で現代まで引き継がれてきたため池ですが、つくられた当時の技術水準を考えますとやはり大変耐震性には不安があると言わざるを得ません。さきの東日本大震災では、決壊により下流域に被害を及ぼしたため池もありました。地域住民の生命財産等への影響を考えますと水利組合等の管理者だけに点検や対策を委ねるべきではなく、行政主導による防災対策が必要だと考えます。
 折しも大規模な災害による被害の拡大を防ぐため、広く社会資本整備を進めることを目的とした国土強靱化基本法案が、さきの臨時国会で成立いたしました。今後首相をトップとする戦略本部を設置し、国土強靱化施策の基本的方針や政府が総合的、計画的に講ずべき施策を定める基本計画等をまとめるとのことであります。
 大規模地震への備えが急務となっている本県においては、本年六月に地震・津波対策アクションプログラム二〇一三を策定し、ため池を初めとする農業用施設の耐震化を進めていくとのことであります。農村地域の安全・安心を確保していくためには、農業用ため池の耐震対策について県が主導的な役割を果たしていくべきだと考えますが、県はどのように取り組んでいくのか所見を伺います。
 次に、中遠地域の道路整備について伺います。
 新東名高速道路の開通は、サービスエリアやパーキングエリアの商業施設だけではなく県内のインターチェンジ周辺の観光施設においても来場者が増加するなど実に大きな効果をもたらしております。
 私の住む中遠地域においても森町が公表したデータによれば、新東名の森掛川インターチェンジ及び遠州森町パーキングエリアが供用したことにより町内への観光交流客数は、開通前の平成二十三年度の約九十九万人から開通後の昨年度には約百十一万人へと約一二%増加しており、また事業所を対象に行ったアンケート調査でも約八割の事業所が、新東名の開通が地域経済にプラスになったと回答するなど経済効果が広く波及していることがうかがえます。
 当地域においては、本年二月にふじのくに防災減災・地域成長モデル総合特区として、袋井市、森町で一地域ずつが指定され、今後物流や次世代産業関連企業の新規立地、集積を促進する先導的な地域として大きく発展することが期待されており、来年三月の新東名仮称遠州森町スマートインターチェンジの供用開始により、周辺市町における地域産業の活性化や救急医療の改善などが図られるものと期待しております。
 しかしながら、さらに当地域の産業経済が発展するためには東名と新東名を連絡する新たな南北軸の整備が重要であり、その役割を担う道路が都市計画道路森町袋井インター通り線であると考えております。本路線については、新東名森掛川インターチェンジと東名袋井インターチェンジとを結ぶアクセス道路として位置づけられ、これまで県において整備が進められ森掛川インターチェンジ付近の約一キロメートル区間が新東名の開通に合わせて供用された状況ですが、私は残りの区間の整備が急務であると考えます。
 そこで、都市計画道路森町袋井インター通り線の整備について今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、福田漁港サンドバイパス事業について伺います。
 遠州灘海岸は、天竜川に育まれた東西百十七キロメートルに及ぶ我が国有数の美しく豊かな砂浜海岸であり、天竜川から供給される土砂により形成された白い砂浜と背後に広がるクロマツ林による白砂青松の美しい景観を保っております。またこの広大な砂浜は、全国的にも有数のアカウミガメの上陸、産卵地にもなっているほか遠州灘の特徴であります風と波を利用したマリンスポーツについても盛んに行われております。
 しかしながら、近年遠州灘沿岸では、天竜川などの河川からの土砂供給量の減少や防波堤や突堤などの人工の構造物により沿岸を移動する砂の流れが阻害され、土砂の供給と移動のバランスが崩れてきていることから海岸侵食が各地で顕在化し、防災、環境、利用の各面でさまざまな問題が発生しております。
 中でも、福田漁港の東側に隣接する浅羽海岸においては、福田漁港の防波堤の建設が天竜川などから流出した土砂の流れを阻止し、海岸侵食が年々深刻な状況となっております。平成十九年には台風による高波により、海岸背後に整備されている県道浜松御前崎自転車道線が流出する被害も発生しております。一方福田漁港においては防波堤前面に土砂が堆積し、さらにその土砂が飽和状態となり、防波堤の先端部を回り込んで航路や泊地の埋没を引き起こし船舶の出入港に支障を来している状況にあります。このため日本初の試みとして、浅羽海岸の侵食防止対策と福田漁港の港口埋没対策を同時に解消する福田漁港・浅羽海岸サンドバイパスシステムの整備が、現在県により進められているところであります。近年地球温暖化の影響等から台風が大型化している傾向にあり、先月の台風三十号によるフィリピンの高潮災害など甚大な被害が発生しております。侵食に対する国土の保全はもとより台風等の高潮に対する海岸防災対策は喫緊の課題であり、また福田漁港の持続的な機能維持の観点からも当システムの稼働を地元では非常に期待しているところであります。
 そこで、現在におけるサンドバイパス事業の進捗状況と今後の展開について伺います。
 最後に、袋井特別支援学校の教育環境の充実について伺います。
 現在、小笠・掛川地区に特別支援学校は、高等部分校を除けば袋井特別支援学校しかなく急増する児童生徒に対応しきれない状況にあります。平成五年度に百七十五人であった児童生徒数は、本年度には三百六十五人にまで増加し実に設立当初の倍以上になっております。
 当初の想定をはるかに上回る人数を抱え学校施設は著しく狭隘化をしており、教室不足のため美術室、音楽室、作業室といった特別教室を普通教室に転用して何とか乗り切っているという状態です。音楽など大きな音のする活動も普通教室で行わなければならなかったり、道具や材料を準備する必要のある作業学習なども普通教室で実施しなければならなかったりと教育活動に支障があることと思われます。さらに障害の多様化により特別な配慮が必要な生徒に対しても施設的に十分な対応ができていない状況があるのではないかと思われます。さらには大きなエリアを一校でカバーしているため、通学に一時間以上かかるような通学困難な児童生徒も多数存在し、その通学負担の軽減についても以前からの課題となっておりました。
 このような中、平成二十七年四月の開校を目指して掛川地区に新しい特別支援学校の整備が進められていることは大変喜ばしいことであります。新しい学校が整備されることにより袋井特別支援学校の抱える生徒数の大規模化と施設の狭隘化の課題は大きく改善されるでしょうし通学負担の軽減も図られることになると期待をしております。
 掛川地区の特別支援学校の整備に伴い、これを機に袋井特別支援学校の教育環境を充実させることにも十分配慮してほしいと考えますが、教育長の所見を伺います。
 また、近年袋井特別支援学校を含め西部地区の特別支援学校では、外国人の子供が多数在籍するようになっているというお話を伺いました。日本語指導が必要な外国人児童生徒の問題は、通常の学校においても大きな課題ですが、特別支援学校にも同様に存在していたわけであります。学校と家庭が協力し合ってこそ教育は成立すると考えますが、特別支援学校では、さらに密度の高い連携が必要です。しかし当該児童生徒だけでなく保護者までもが日本語に不自由な状態では、意思の疎通は通訳のいない限りかなり困難です。障害のない児童生徒であれば親よりも早く日本語を習得し家庭と学校をつなぐ役目を果たしてくれることも多いと聞きますが、特別支援学校に在籍する子供にはそれも難しいようです。
 このような状況にある特別支援学校における外国人児童生徒への支援について、教育長の所見を伺います。以上について答弁を求めます。(拍手)
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 渡瀬議員にお答えをいたします。
 まず職員の士気向上に向けた取り組みについてでございます。
 渡瀬議員から、職員における士気が低下している、使命感の欠如が見られるという御指摘を受けまして、深刻に受けとめております。現在ただに職員のみならず、子供の模範たるべき学校の先生にも不祥事が相次いでいるのは御案内のとおりでございます。組織といいましても、それは人でございますから新しい組織をつくるということは比較的簡単なんですけれども、その組織を今度壊すというのは、大変に大きなエネルギーが要ります。そのためにややもすれば慣例に従って従来どおりやっていくということがやる気などをなくしていくということになるかと存じます。
 静岡県は、もう成立いたしまして一世紀を経過いたしました。明治九年の八月にできましたのでもう既に百年以上を経過しているわけであります。そうした中で振り返って江戸時代のことを見ますれば、江戸時代も百年余りを経過するその直前にいわゆる赤穂浪士の討ち入りがございまして、それがもう一度、士気といいますかこれを喚起して八代将軍吉宗公は、その侍講の室鳩巣に対して求めたところ、「明君家訓」という書物を室鳩巣は出したわけです。それをお読みになった八代将軍吉宗はこれぞ全ての者が心得るべきだということになりまして、そこに書かれている内容は、善と悪で善は進めるべし悪は改めよと。そのためにはどうしたらいいかと。上役に意見を言うべし上役に対して諫言をするべしと。間違っていることは許さないということを堂々と言わなくちゃいけないということが書かれておりまして、その結果これが爆発的な流行になりまして江戸城に登城する全ての官僚といいますか、武士はそれを懐にしていたというふうに言われています。
 この江戸時代の武士というのが私は官僚の始まりだと思っているんですけれども、それが後の明治維新の後、薩長土肥、特に薩長の方々が上に立たれしかし実際に官僚組織を支えたのは、本県に多くの人が移ってこられましたけれども徳川の官僚です。その人たちが実際を支えたから日本はうまくいってきたんだと思います。
 そうした中で本県の官僚組織も出てきたというわけでございますので、私も改めてですね百年たちましたのでもう一度我々は事業仕分けをやりました。また今事業レビューもやっております。これは事業の効果を問うものでありましたけれども、そもそも組織それ自体もこのままでいいかということで、例えば教育委員会の事務局ですね。これなども根本的に見直すべき時期に来ていると思っておりますが、教育委員会事務局のみならず県庁組織も事業レビューという形で見直すべき時期に来ているのかもしれないと。同時にただにそういう事業とのかかわりのみならず、人の心の問題です。
 今、「明君家訓」のことを申しましたけれども、これは後に鹿児島藩で、「出水兵児修養掟(いずみへこしゅうようおきて)」というふうに短いものになりまして、それを伊藤知事は暗唱されています。そこは私を構えない。うそ偽りを言わない。上にへつらわない。下を侮らないと。人の艱難を見捨てないと。ものの哀れを知ると。そして人に情けをあれといったように書かれているわけです。私はこうしたことは今にも十分に通用するものだと思いますので、改めてお正月あるいは新年が始まるときに新しい年度が始まるときにですね、そうしたものを覚えやすい形にして、みんなが心得て基本的な人倫というものを徹底するということをしていきたいというふうに思っています。特に官僚は勉強することが仕事です。なぜかというとそれぞれの土地柄について知っていないと政策は打てません。その土地柄の歴史、伝統、文化、産業、人情等々についてわかっていないとできない。
 ところが、最近の総理府の調査によれば何と静岡県は、本を読まないというか本を買わないと。下から数えて三つ目だと。それはうちの連中じゃないかと思って。そこに大きな本屋があるにもかかわらずですね。しかも一番のところと比べて三分の一以下です。本当に恥ずかしいというふうに思っておりまして、もっとも議会図書室などで借りて読んでいらっしゃるのかもしれませんけれども、それにもかかわらず自分で本を買って本を汚すといいますか線を引っ張ったり書き込みをしたりするようなことをするためには、やはり買うという行為がないと本当に自分のものにならないと思います。
 そうした意味でもう一度ですね、議員の御指摘を得たのを奇貨といたしまして、改めて組織の刷新というよりも人心の刷新というのをみずから始めていくということで、私自身も今申しましたことをみずからに課しまして、特に私が下に対して侮るようなことがないように、そしていろいろな部局の人たちが堂々と意見を言っていただけるような風通しのいい形をつくり上げていきたいと思いますので、これからもどうぞ御支援、御指導をよろしくお願いしたいと存じます。
 次に、地域医療再生計画による地域医療の充実についてであります。
 これまでの第一次及び第二次の計画の成果といたしまして、医師が少なく医療提供体制の維持が困難となっていた中東遠医療圏におきまして、全国初となる市立病院の統合によって中東遠総合医療センターが開院いたしたということです。救急科の新設など充実した体制で地域の中核病院として診療を開始してくださっています。
 さらに、議員御指摘の家庭医の養成におきましては、全国から多くの医師を集めまして菊川市及び森町に開設いたしました家庭医療センターで妊婦、小児、また高齢者まで幅広く診療を行うほか、公立病院の救急医療への支援も行うなど地域で大きな役割を果たしております。
 また、全国に先駆けて設置いたしましたふじのくに地域医療支援センターは、国の事業モデルとなるなど全国に誇る取り組みとなっておりまして、全国最大の規模を誇る医学修学研修資金の貸与などとあわせますと全県的な医師確保への取り組みも成果を上げつつあるという認識を持っております。
 加えて、県立総合病院への救命救急センター新設やその他の救急医療機関における施設設備の高度化のほか、県立こども病院を初めとする新生児集中治療室の増床などに取り組んでおりまして、本県の救急医療及び周産期医療の提供体制の充実に大きな成果を上げております。また新東名と総合病院、こども病院等のアクセスが非常によくなりまして、その分も成果を上げている一つになっているかと存じます。しかし医師を初めとする医療人材のさらなる確保、超高齢社会が進行する中での在宅医療の提供体制の充実も求められております。加えて南海トラフ巨大地震等の大規模災害への対応など課題は山積しています。
 このため、第三次の計画におきましては、家庭医療センターを活用した将来の地域医療を担う医師の養成や看護職員を含めた就労環境の整備など医療人材の確保に取り組むとともに、各地域における介護と連携した在宅医療提供体制の構築、災害拠点病院等の強化や専門家の養成などによる災害医療体制の充実を図ることとしております。
 今、医師会のほうから医学部設置についていろいろな御意見があるのは承知しておりますけれども、全国的なレベルにおきましては、平成二十年あたりから数千人の方々の医学生が誕生しております。したがってこの方たちがお医者さんになる、あとそれは五年後あたりから出てくると思います。それは全国レベルなんですね。しかし本県におきましては医師は少ないんです。それからまた医師というのは、世界的なレベルで見ますと不足しています。ですから国際的に活躍できる方を本県が養成するということは、これは県内のみならず国際的にも大きな意味があるということで研究所などをいわゆる臨床研究センターですね。こうしたものを備えまして本庶先生のようなすぐれた人材がいらっしゃいますので、そうした方がすぐれた若手の医師の卵を引き寄せることになります。そうした研究センターを中心に学部といわず大学院もございますから、そうしたことを通じて医師の確保というものをしていかねばならないのが本県の課題です。
 県といたしましては、こうした取り組みを着実に進めることによりまして県民が、住みなれた地域で安心して暮らせるよう地域医療の充実を図ってまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(中谷多加二君) 渥美経済産業部長。
       (経済産業部長 渥美敏之君登壇)
○経済産業部長(渥美敏之君) 温室メロンの生産振興についてお答えいたします。
 県では、温室メロンの消費を拡大するため東京の高級フルーツパーラーでの期間限定メニューの提供や新東名高速道路SA、PAでの試食販売など生産者団体の取り組みを支援しております。また新たな需要を開拓するため本年八月の香港の国際見本市への出展や海外バイヤーの招聘、輸出に対応する鮮度保持技術の研究など海外販路開拓を積極的に支援しております。
 さらに、生産コストを削減するため、低コストで断熱効果の高い保温技術の開発や低温でも栽培可能な品種の育成に取り組み、約三〇%の節減効果が得られております。また太陽光発電とヒートポンプを組み合わせた暖房システムの実用化試験を行い重油使用量の削減と品質の向上を実証し、現在これらの技術について普及を図っております。
 こうした取り組みに加え温室メロン農家の後継者を養成するため、農林大学校においてICTを活用した生産技術などの実践的な教育の充実に努めるとともに、新たな担い手を確保するため生産者団体と連携して、先進的な経営者のもとでの研修や空き温室などの経営資源を継承する仕組みなど支援体制の整備を進めてまいります。
 県といたしましては、このような取り組みを通じて若手農業者が夢を持った経営ができるよう温室メロンの生産振興を図ってまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 農業用ため池の耐震対策についてお答えいたします。
 県では、これまで静岡県地域防災計画における東海地震に備えた地震防災施設緊急整備計画の中で、堤の決壊等により家屋や避難路等が被災するおそれのあるため池を緊急に整備すべき施設と位置づけ、受益面積の大きなものについては県がその他のものについては市町が事業主体となって耐震補強を実施してきたところであります。しかしながら東日本大震災の発生やため池周辺の土地利用の変化等を踏まえるとこれまでに整備したため池も含め巨大地震等に対応した耐震性能を確認し、必要なハード対策の実施とともに、点検、監視の強化や減災のためのソフト対策の充実を図ることが重要であります。
 このため県では、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の中で下流への影響や貯水量の規模等から二百カ所のため池について耐震診断を行う農業用施設として位置づけ、この診断結果に基づき、市町と役割分担の上、本年度より整備を進めているところであります。また市町が行うハザードマップ等の作成に対し技術的支援を行うとともに、関係者が被災時の点検等の情報を速やかに共有し応急対策を講ずるための連絡体制や情報基盤の整備を進めてまいります。
 県といたしましては、こうした取り組みによりアクションプログラムの早期達成を図り、安全で安心な農山村づくりに努めてまいります。
 次に、中遠地域の道路整備についてであります。
 都市計画道路森町袋井インター通り線につきましては、平成三年に新東名と同時に都市計画決定されており新東名開通時の円滑な交通を確保するため、これまでに森掛川インターチェンジ周辺の県道掛川天竜線のつけかえ区間一・一キロメートルにつきまして優先整備し供用しております。残る未整備区間につきましては、近年の少子高齢化による人口減少や社会経済状況等の変化を踏まえ将来の交通需要に合わせて都市計画決定の変更をした上で効果の見込まれる区間から整備を進めることとしております。
 中でも、森町円田地内において狭隘で見通しが悪い県道山梨一宮線と並行する約一・二キロの新設区間につきましては、本年度中に袋井市及び森町が進めている車線数の見直し方針が確定することから、来年度から事業着手準備制度を活用し地域住民の合意形成を図り、早期に事業着手してまいります。
 県といたしましては、内陸のフロンティアを拓く取り組みを大きく展開し中遠地域が多彩な産業の集積する活力にあふれた魅力ある地域となるよう、引き続き東名と新東名を連絡する南北軸の強化に取り組んでまいります。
 次に、福田漁港サンドバイパス事業についてであります。
 この事業は、福田漁港の港口付近に堆積している砂をジェットポンプで吸引しパイプラインにより約二キロ東側の浅羽海岸へ圧送、排出する全国初のパイロット事業です。このシステムは、従来のダンプトラックによる運搬に比べると騒音や排気ガスが軽減され、環境面においてすぐれているとともに、初期投資はかかるものの、運転費用が安価なことから長期的に見て経済的な工法であります。平成十九年度の事業着手からこれまで安定的かつ持続的な運転や効率的な維持管理の確保が実現できるよう改良を加えながらシステムの整備を進めてまいりました。現在来年三月の試験運転開始に向け、各機器における動作確認を行っているところであります。試験運転において年間を通じた周辺の海岸線の変化などを確認した上で平成二十七年度からの本格稼働を予定しております。
 県といたしましては、当システムの稼働により福田漁港の機能維持とともに、安全で魅力ある浅羽海岸の復元に向け積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 袋井特別支援学校の教育環境の充実についてお答えいたします。
 掛川地区に新設いたします特別支援学校は、知的障害や肢体重複障害のある児童生徒を対象として小学部、中学部、高等部を設置し児童生徒数は百八十人程度を想定しております。このことによりまして袋井特別支援学校では、開校当初の規模まで戻り狭隘化が解消されるとともに、新設校に通う児童生徒にとってスクールバスの通学時間が最大四十分程度短縮されるなど教育環境の大幅な改善が図られるものと考えております。
 特別支援学校における日本語でのコミュニケーションが困難な家庭から通学する幼児、児童生徒につきましては、現在県内で約七十人が在籍しております。各学校では個別の指導計画の作成等、特に保護者との面談が必要な内容につきましては、県の実施しております外国人児童生徒トータルサポート事業を活用し通訳を介して共通理解を図っております。また日常のコミュニケーションにつきましては、連絡帳等の文章をローマ字、平仮名、片仮名を使用し、わかりやすい文章で伝え、文書連絡が困難な場合には電話連絡により共通理解に努めるなど個々の事情に配慮した対応を行っております。
 今後も各学校におきまして通訳の活用を工夫するなどして各家庭の実情に合わせながら、子供たちの教育の充実を家庭と協力して進めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 十八番 渡瀬典幸君。
       (十八番 渡瀬典幸君登壇)
○十八番(渡瀬典幸君) 御答弁ありがとうございました。三点ほど要望させていただきまして、また一点再質問させていただきます。
 地域医療再生計画による地域医療の充実についてでありますけれども家庭医療センターは、本当に地元で好評でございまして大変いい流れができつつあると思っております。ぜひともこの流れをとめることなく、しっかりと地域に根づかせていっていただかなくてはいけないなと思っております。安定的な運営を目指すには地元が最大限努力することは本当に必要なことでありますけれども、それに加えやはり県からの支援も不可欠でございますので継続的な支援をぜひともよろしくお願いいたします。
 要望二点目、温室メロンの生産振興についてであります。
 支援体制の整備を進めていくという御答弁をいただきました。本当に早急にその対策をとっていただければと思います。大変な時代を迎えて本当に一生懸命やっているメロン農家さんがやる気をなくしてしまうのが一番残念なことでありますので、できる限りの早急な支援をお願いしたいと思います。
 要望三点目ですけれども、特別支援学校でございます。
 ただいまの答弁によりまして掛川に特別支援学校ができたときには、しっかりとした機能がもとどおりになるということだと思います。本当にうれしく思います。ただですね、やはり障害のある子供たち。袋井特別支援学校だけではなく県内全て、やはりそういった子供たちに教育環境の充実を強く望みますし、また日本語による通訳が必要な子供たち。この子供たちにも本当に教育に支障がないように早急に改善をですね、やはり現場での対応がやはり一番大切になるかと思います。連絡帳とかそういったことでコミュニケーションをとっていただいていますけれども、やはり現場でのコミュニケーションがその日の朝の子供の様子とかお母さんとお話するのがやはり一番大切だそうでございます。そういった意味でやはり通訳というものは必要であるのかなと思いますので早急な改善を要望したいと思います。
 再質問をさせていただきます。
 中遠地域の道路整備についてでありますけれども、未整備区間のうち森町円田地区の区間については事業着手準備制度で進めていただくということで、本当にありがとうございます。問題なのは、もう一つの新設区間であります太田川を渡る区間がございます。これが本当に重要なところでございましてそこの区間について今後どのように取り組んでいただけるのか、再質問をさせていただきます。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
○交通基盤部長(長島郁夫君) 中遠地域の道路整備についての再質問についてお答えいたします。
 太田川を渡河する二・四キロの区間でございますけれども、ここは橋梁の新設等がありまして非常に多大な事業費と時間がかかるということで、当面全体を早くつなげたいということがございまして、それについて代替機能を有する県道の磐田山梨線。これを活用することを今考えてございます。この県道磐田山梨線については、この沖山梨地内。そこが約四百メートルほどですけれども、幅員が狭くて大型車がすれ違えないところがありますので支障があるところがございますのでそれにつきまして、実は平成二十四年度から今事業着手準備制度を活用して、地域の住民の方と合意形成を今図った上で今年度から道路拡幅事業に着手をしているところでございます。こんな形で未整備区間については進めていきたいというふうに考えてございます。以上でございます。

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