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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

土屋 源由 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/09/2021

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 伊豆の道路環境について
 (1)伊豆中央道と修善寺道路のETCXの利活用
 (2)有料道路の無料化と伊豆地域の道路整備
2 ユニバーサルデザインの推進について
 (1)ユニバーサルデザインの考え方と取組
 (2)静岡県ゆずりあい駐車場制度の運用
 (3)静岡県総合健康センターの利活用
3 次年度に向けた観光振興策について
4 大仁警察署の新築について


○副議長(竹内良訓君)これで曳田卓君の質問は終わりました。
次に、四十三番 土屋源由君。
(四十三番 土屋源由君登壇 拍手)
○四十三番(土屋源由君) 私は、自民改革会議所属議員として当面する県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長及び警察本部長に一括質問方式で伺います。
 まず、伊豆の道路環境についてのうち、伊豆中央道と修善寺道路のETCXの利活用について伺います。
 昨年の十二月議会の一般質問の中で、ETCXについて紹介をさせていただきました。今年の七月一日、コロナ禍で大変な時期でしたが全国で初めての採用となるETCXのオープニングセレモニーが開催されました。ところがETC利用者がETCXのレーンを利用しようとしても通過できません。なぜ通行できないのかとクレームや罵声を浴びせる姿を見ることになりました。当日までの宣伝や周知活動がどこまで徹底できたのか、地域の皆さんにETCXの利用を推奨してきた一人として見ていて寂しい思いをしました。
 実は、私自身もETCXの早めの登録をと思い試みましたがクレジットカードが対応できないと拒否され登録できませんでした。七月一日時点で登録できるカード会社は数社で最近やっと増えたと聞きました。利用者の利便性を考えると一々割引回数券を渡すよりカード決済の方が楽に決まっています。たまにしか来ない県外の利用者にETCXの登録を進めても効果はありません。とりあえず九月までに七千六百二十二件の登録があったようですがどのくらいの登録を目指しているのか。また伊豆中央道、修善寺道路はあと二年ほどで料金徴収が終わるはずです。不備や要望に即座に対応することはETCX利用者はもちろんのこと、全ての通行車の円滑な利用を確保する上で必要なことだと思います。
 また、新型コロナウイルス感染症によって伊豆中央道の利用台数は一割減程度と聞いています。これは県外からの利用者が減っているだけと想像がつきます。つまり遠方からの利用者は全国初のETCXなど知っているわけがなく、今後その道路を利用する県外の利用者にETCとの勘違いで不便をかけることにつながらないかを心配しています。
 ETCX専用レーンが今月から設置されましたが、以前は三レーンある料金所は二レーンしか通過しておらずETCXレーンの利用者は数えるほどで、そのレーンにも料金の徴収員が配備されています。何のために設置されたのかよく分かりません。
 そこで、このETCXの利活用について利用者の意向を調査して今後どのような取組を考えているのか。またこのシステムをどのように生かしていくのか伺います。
 次に、伊豆の道路環境についてのうち、有料道路の無料化と伊豆地域の道路整備について伺います。
 静岡県道路公社は、静岡県及び周辺地域において通行料金または利用料金を徴収することができる道路等の新設、改築、維持、修繕その他の管理を行うことにより地方的な幹線道路の整備を促進し交通の円滑化を図り住民福祉の増進と産業経済の発展に寄与することを目的としています。伊豆中央道と修善寺道路は、浜名湖新橋はまゆう大橋とともに有料道路として県道路公社が維持管理を行っています。令和五年には伊豆中央道と修善寺道路が料金徴収期限を迎え国道百三十六号バイパスとして県管理に移行します。
 二つの道路の収入は、令和元年九月議会一般質問の答弁で合併採算制導入後五年間の平均収入は年約十六億円で修繕費に約二・五億、損失補引当金に約一・五億、本社経費に約二億、東部事務所に約一・五億、消費税に約一億、残る約七・五億を償還に充てていると答えていました。道路公社の令和二事業年度の有料道路料金収入は約十三億六千万円で、新型コロナウイルス感染症の影響による通行量の減少が色濃く反映されています。
 このような状況の中で、伊豆中央道、修善寺道路は料金徴収期限を迎えるわけですが約束の料金徴収期限の延長などあり得ません。県に対し再度明確な料金所の撤去、無料化の見込みを伺います。
 また、静岡県道路公社の概要で営業時間の違いはありますが、令和元年度の一日平均は伊豆中央道が一万四千五百七十五台、修善寺道路が一万八百三十四台、はまゆう大橋七百八十八台と発表されており、二路線が抜けた穴は大きくはまゆう大橋の年間料金収入は過去五年間の平均で五千万円程度であり償還どころか道路公社自体を維持していくこともできません。
 人口が八十万人もいて、何でもある浜松市にあるはまゆう大橋ですから観光しかない伊豆の有料道路で積み立てた損失補引当金を充当し、償還額一億七千万円を三十年も返済することに伊豆地域からはクレームも出ていませんがこの事実を何とも思わないのでしょうか。
 何を言いたいかと言えば、本当に観光が基幹産業である伊豆地域にとって道路網の整備は悲願であり、伊豆縦貫道の早期完成だけでなく伊豆湘南道路、国道四一四号バイパスなどの早期整備が待たれます。道路公社の目的は幹線道路の整備を促進し交通の円滑化を図り住民福祉の増進と産業経済の発展に寄与することであり、さらなる道路整備を望む声があるということです。
 そこで、伊豆地域に必要とされる新しい有料道路の整備を検討することはできないのか、県の所見を伺います。
 次に、ユニバーサルデザインの推進についてのうち、ユニバーサルデザインの考え方と取組について伺います。
 静岡県の新ビジョン後期アクションプラン案に、基本理念として静岡県をSDGsのモデル県にと取り上げており、全ての県民のため障害、性別、年齢、国籍などの多様性を認め合い誰一人取り残さない包摂性のある社会を実現していくこととしています。まさにユニバーサルデザインの概念と多くが共通しており積極的に取り組んでほしいものです。
 静岡県では、ユニバーサルデザインについて二十年以上前から取り組んできたと記憶しています。私も最初の頃に研修会の講師の手配や開催、現場での実地検証などユニバーサルデザインが県内に浸透するよう活動してきました。今は当時に比べるとハード面などは随分進んでいますが県民に対してアピールが下手なことを残念に感じています。
 また、ユニバーサルデザインとは文化、言語、国籍や年齢、性別、能力などの違いにかかわらず、できるだけ多くの人が利用できることを目指した設備、製品、情報などの設計のことでありまたそれを実現するための過程です。しかし現在の計画ではくらし・環境部だけで取り組んでいるように見え健康福祉部や交通基盤部、教育委員会などをはじめ全庁的に取り組むべき課題であり事業であることが伝わっているとは感じられません。
 過去に何人もユニバーサルデザインについて質問をしていますが、答弁では障害者に対する事業の説明が多くなっていること自体、偏った考え方に見えてしまいます。多種多様な人間がいる中で、全ての県民のために誰一人取り残さない社会を実現することを目指している以上取り入れられる事業は幅広いものになるはずです。
 そこで、県のユニバーサルデザインの考え方、取組について具体的な説明を求めます。
 次に、ユニバーサルデザインの推進についてのうち、静岡県ゆずりあい駐車場制度の運用について伺います。
 不特定多数の人が訪れる公共施設や店舗などには、車椅子マークの駐車場が設けられています。なぜ車椅子マークの駐車場が必要なのかといえば、自動車から車椅子に乗り移るにはドアを全開にして車椅子を用意し車のドアを手すり代わりに利用しながら乗り移ります。また自動車に乗り込むには全く逆の作業が必要になり、普通の駐車スペースに止めると横に駐車した車との隙間が狭く車椅子で自分の自動車に寄りつくことも、車のドアも全開にできません。したがって隣の車が移動するまで待つことになります。これでは安心して用事や買物を済ますこともできません。そのために車椅子マークの駐車場が必要なのです。
 しかし、一般の人が駐車場を利用してしまい本当に必要な人が利用できないという声が多く聞かれることから、平成二十五年二月より静岡県ゆずりあい駐車場制度として車椅子利用者等歩行が困難な方に利用証を交付し、駐車場の適正利用を図る取組を始めたと承知しています。ゆずりあい駐車場の利用証は一定の等級以上の障害のある人、要介護高齢者、妊産婦等で、かつ歩行が困難な方に交付されますが、利用証は駐車許可証ではなく利用証がない場合でも車椅子マークの駐車場を利用する場合があると説明しています。これでは誰がどんな時に利用していいのか分かりません。ゆずりあいという言葉で逃げていませんか。
 先日、近所の高齢者に相談されました。内容は車で買物に出かけるけど両手でつえを使って歩くので荷物を持って駐車場を歩くのは厳しい、何度も休憩しなければ車までたどり着かない、これでは困ると市役所に利用証の申請に行ったけど障害者手帳を持っていないと断られてしまった、利用証など無視して車を止めたいところだが後ろめたい、どうしたらいいのかと聞かれ私は答えることができませんでした。ユニバーサルデザインの推進とは、現場で困っている人達に対して改善策を考えることではないでしょうか。現在は利用証のない人は歩行が困難であっても、ゆずりあい駐車場に車を止めにくい制度となっています。車社会の現在でこの制度の必要性は十分に理解できますが活用方法に疑問が残り納得できません。
そこで、静岡県ゆずりあい駐車場制度の今後の運用方法について県の所見を伺います。
 次に、ユニバーサルデザインの推進についてのうち、静岡県総合健康センターの利活用について伺います。
 静岡県総合健康センターは、設立時の目的として県民の健康づくりを積極的に促進するための総合施設であり、健康づくりのための調査、研究、情報収集・提供、指導者の育成・研修、普及啓発、相談、実践プログラムの提供などを行ってきました。このほかに研修室、体育館、ホールなどの貸出しも行っています。その総合健康センターの令和四年三月末での事業終了は役割分担の見直しによるとの説明がありました。しかしその後の利活用については検討中であり答弁できるまで話が詰まっていないと聞いたばかりの二日後、知事から感染症専門施設に使用するとの発言が飛び出し委員会での質疑応答は何だったのか、議会軽視も甚だしいと思ったのは私だけでしょうか。
 平成八年に約三十八億円をかけた施設が開設され二十五年が経過しましたが、施設自体は十分に使用可能であり、継続して健康づくりを希望する県民の声を聞くこともなく当初の目的に反する利活用は慎重に対応するのが当たり前で、感染症専門施設ありきで総合健康センターの事業の終了を決めたように取られても仕方ありません。ただ感染症専門施設についてこの二年間の新型コロナウイルス感染症への対応を考えると、検討することは必要でしょう。施設の一部が利用制限されても事務的なスペースの確保は可能か議論の余地はあるかもしれません。
 一方、総合健康センターは県有施設であり大規模な改修等の経費をかけずに使用可能で交通の利便性が高い施設であることから、今までの健康増進の機能を維持しその他の機能も十分発揮できます。また本施設は体育館等の施設があり改善の余地はありますが一定のユニバーサルデザインで整備されており、県内にほとんどないパラスポーツの活動場所としてさらには障害者がスポーツを通して交流できる施設としての役割も持たすことができると思います。
 パラリンピックでの県内選手の活躍の記憶も新しいこの時期に、こうした取組を考える絶好の機会と捉え一歩を踏み出すのも必要ではないでしょうか。
 そこで、静岡県総合健康センターの健康の考え方を引き継ぎ誰もが使いやすい施設としての新たな利活用について県の所見を伺います。
 次に、次年度に向けた観光振興策について伺います。
 昨年来の新型コロナウイルス感染症も、秋以降急激に感染が落ち着いてきました。日々の感染者数や重症の入院者数の状況は第六波の不安があっても明るい兆しが見えてきていると感じます。
 しかし、この二年間で伊豆地域の観光に与えたダメージは計り知れません。起爆剤にと期待した東京オリンピック・パラリンピックも入場制限や無観客での開催となり、応援に来静する方々の受入れ準備も整いつつあったところに新型コロナウイルス感染症が追い打ちをかけ伊豆地域の観光産業は壊滅的な被害を受けてしまいました。
 国の支援策であったゴー・トゥー・トラベルも再開することなく、唯一県の支援策である「今こそ!しずおか元気旅」が感染状況の合間を縫って実施されたことで息をついている状況です。現在は伊豆地域だけでなく県内全域で活発に利用されており、十二月で終了せず年明けも継続してほしいとの要望を聞いています。
 また、年明け以降ゴー・トゥー・トラベルも再開するといった情報もありますが、これが終了したときにはその反動は今まで以上の落ち込みにつながります。県としての役割はそうならないようソフトランディング対策を講じ、まずは観光産業の回復を確実に成し遂げることだと考えます。
 さて、観光振興とは何でしょうか。昨今の状況から観光産業の危機的状況につなぎの事業としてクーポンや割引を行うことに異論はありません。しかしカンフル剤はあくまでも一時的なものでこれによって地域の観光が元に戻ることはありません。やはり従来からの地域に根差した振興事業、観光事業者や地域住民、市町が連携して盛り上げていく堅実な事業展開もやっておく必要があると考えます。
 そこで、次年度に向けた観光振興策について県の所見を伺います。
 次に、大仁警察署の新築について伺います。
 大仁警察署の旧大仁市民会館への移転建て替えが決定してから二年半以上が経過しました。既に造成工事は終了し、今月には庁舎建設に向けた工事が本格的に始まっておりいよいよ新警察署の開署が現実味を帯びてきました。
 現大仁警察署は、昭和五十一年に建設された県内で最も古い警察署である上、市町村合併によって伊豆の国市が誕生したことに伴い平成十八年に旧伊豆長岡町と旧韮山町が管轄区域に加わって署員数も増え、老朽化、狭化が著しく利用者にとっても利便性がよい状況とは言えない状態でした。新庁舎の建設は伊豆の国市、伊豆市の住民にとって待望の明るい話題であります。
 また、東、西、南の三方を海に囲まれた伊豆半島にとって中央部に位置する新庁舎は半島全体の防災拠点としての機能を有することが期待でき、伊豆地域全体にとっても大変有意義なことであると確信しています。私自身平成二十六年、二十八年、二十九年と三度にわたり歴代の警察本部長に建て替えの必要性について質問しており思い入れのある事業であります。
 新庁舎の建設が現実味を帯びてくるにつれて、地元住民の間で話題となっているのが新警察署の名称です。合併に伴い現庁舎の所在地は大仁町から伊豆の国市大仁となり当時も合併協議会において名称の議論があったことは承知をしています。そのときには新しい庁舎ができるまでと大仁の名称を存続させることに話がまとまり現在に至ったと記憶しています。合併から十数年が経過し伊豆の国市や伊豆市の名称も定着している今、両市の治安を守る拠点となる警察署には地域にとっての安全・安心のシンボルとしてふさわしい名称にしてほしいと思いますし地元住民の意向を反映する形で決定してほしいと願っています。
 また、新庁舎供用開始に際してはせっかく新しい警察署が完成するわけですから、これを機に今まで以上に地域住民にとって親しみやすい警察署になることを期待しています。
 そこで、今後の新庁舎での供用開始に向けた具体的な建設スケジュール、新警察署の名称決定に関する具体的な決定方法及び地域住民にとって親しみやすい警察署にするための考えについて伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(竹内良訓君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 土屋議員の伊豆半島を中心にした御質問は、いずれも私も解決が喫緊の課題であるというふうに思っている事項ばかりでございました。その中で私自身は次年度に向けた観光振興策について答弁をさせていただきます。
 今年度上半期における本県の延べ宿泊者数は、コロナ禍前の令和元年度の同時期と比べ五割減の水準にとどまるなど観光産業は依然として深刻な影響が続いております。そのためまずは感染防止対策の徹底と観光需要喚起策の両輪によりまして早期回復を図ると、それとともに中長期的な視点に立ち旅行スタイルの一層の多様化など旅行者の意識の変容を踏まえた新たな振興策を展開し将来を見据えた持続的な観光産業の発展を目指さなければなりません。
 十月から十二月にかけて実施中の「今こそ!しずおか元気旅」につきましては、御案内のとおり申込み開始から約一か月半の間に延べ三十万人を超える県民の皆様に利用申込みをいただいたところであります。
 そこで、ワクチン・検査パッケージの活用など感染防止対策をさらに徹底した上ででございますが、対象地域を隣接県へ拡大し年明け以降も実施できるよう準備を進めております。
 また、一月以降国がゴー・トゥー・トラベル事業を再開する予定と聞いておりますが、これら一連の需要喚起策終了後にも県独自の観光促進事業が実施できるよう併せて準備を進めてまいります。
 一方、ポストコロナの新しい観光スタイルに対応していくため中長期的な視点に立った施策も積極的に取り込んでいこうと思っております。一つには例えばワーケーションの受入れ促進に向けた企業と地域とのマッチングを支援すること、SDGsの考え方を取り入れること、多彩で豊富な本県の食材を生かしたガストロノミーツーリズムのモデル事業を実施すること、大河ドラマの放映を契機とする歴史、文化、観光を展開すること等々自然や食文化、歴史をはじめとした本県特有の観光資源を最大限活用し本物の感動体験を旅行者、来訪者に提供してまいります。
 観光事業者に加え農林漁業者、商工業者、地域住民の皆様などと一体となって観光産業の早期回復に取り組むとともに、新たな時代に対応した観光需要を創出することで観光事業者には経済的な豊かさをもたらし、地域住民の皆様には地域への誇りまた愛着を持っていただける持続可能な観光地域づくりに取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○副議長(竹内良訓君) 出野副知事。
○副知事(出野勉君) ユニバーサルデザインの推進についてのうち、ユニバーサルデザインの考え方と取組についてお答えいたします。
 平成十一年度に本県が全国で初めて全ての人のためのというユニバーサルデザインに全庁で取り組んで以来、二十二年が経過いたしました。この間いわゆるバリアフリー法や障害者差別解消法などの法整備もあり、エレベーターや多機能トイレの設置、点字や手話通訳による情報提供などハード・ソフトの整備は進んでまいりました。本県が当時から継続する出前講座の受講者も四万人を超え、県民の皆様にもユニバーサルデザインの考え方が浸透しつつあるものと考えております。
 しかしながら、性の多様性に対する認知度の向上、外国人との共生意識の高まりなど人々の意識は大きく変化しております。さらに人の能力や個性は様々で誰一人として同じ人はいないということから、誰一人取り残さない社会を実現するためにはユニバーサルデザインのさらなる推進が重要だと考えております。
 そこで、現在策定中の来年度から四年間を計画期間とする新たなユニバーサルデザイン推進計画におきましては、ユニバーサルデザインは特定の人だけではなく自らを含む全ての県民一人一人のためのものであるという理念を一層普及するとともに相手の立場に立って思いやりのある行動ができる心のUDを重点的に進めてまいります。
 具体的な取組といたしましては、くらし・環境部では困っている人への実践的な対応を学ぶ講座を開催するほか、教育委員会では多様性への理解を深めるインクルーシブ教育の実施、健康福祉部では認知症サポーターの養成など地域、学校、職場等において県民一人一人の思いやりの心を醸成し支え合いの行動を促進してまいります。
 このほか、ハード・ソフト面につきましても色や文字に配慮したデザインや易しい日本語による誰にも分かりやすい情報提供など利用者の立場に立った行政対応を強化するとともに、スポーツ・文化観光部ではピクトグラムの活用や多言語で表記した観光案内標識の設置、経済産業部では誰もが使いやすい製品開発の支援、交通基盤部では地域住民との対話を通じた安全で使いやすい道路、歩道の整備などに全庁を挙げて取り組んでまいります。
さらに、ユニバーサルデザインの考え方や行動を県民の皆様に広めるため企業・団体の協力を得て広報啓発を実施するとともに大学生によるSNSを使った先進事例の情報発信をしてまいります。
 SDGsのモデル県を目指す本県といたしましては、各部局長を構成員とするユニバーサルデザイン推進本部を中心に全庁一丸となってユニバーサルデザインを総合的かつ効果的に推進してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) 伊豆の道路環境についてのうち、伊豆中央道と修善寺道路のETCXの利活用についてお答えいたします。
 ETCXは、有料道路での料金収受に加えドライブスルーや駐車場、ガソリンスタンドでの利用料金の支払いなど多目的な活用を目指したシステムであります。県道路公社では本年七月に全国で初めてこのシステムを両道路に導入したところであり、導入時に一千件程度であった会員登録数は着実に増加し現在一万件を超えております。
 道路公社が十月に実施したETCX会員へのアンケート調査では、非接触で支払いができることや小銭が不要であることなどにメリットを感じる一方で、料金所のETCXレーンが現金収受との混在運用のため通過時間が従前と変わらない、レーンや停止位置への案内が分かりにくいなどの意見を頂いております。
 このため、料金所の円滑な運用に向けて伊豆中央道の料金所にETCX専用レーンを設け十二月一日から本格運用を開始したところであります。今後は運用の状況を分析し、専用レーンへの誘導方法の改善を図るなどさらなるサービスの向上に努めてまいります。
 また、伊豆中央道、修善寺道路での運用状況を踏まえ伊豆スカイラインなど他の有料道路への活用について道路公社と共に検討してまいります。
 県といたしましては、ETCXの認知度向上と利用促進に向け道路公社と連携しウェブでの案内やテレビCM、新聞広告などによる広報に取り組み道路利用者の利便性向上に努めてまいります。
 次に、有料道路の無料化と伊豆地域の道路整備についてであります。
 有料道路事業では、建設費や維持管理費などから利用料金と料金を徴収する期間を定めており料金収入により償還が完了した時点、あるいは期間内に償還が完了しない場合であっても料金徴収期限に達した時点のいずれかで無料開放することとなります。
 伊豆中央道と修善寺道路の料金徴収期限は、合併採算制導入時に令和五年十一月十二日としておりましたが江間交差点の立体化の完成を予定より前倒ししたことにより、料金徴収期限を見直した結果、現在は令和五年十月二日としております。
 また、伊豆地域における新たな有料道路の整備についてでありますが、有料道路事業は事業者が民間金融機関等から一括して資金を調達し、整備を進めることで短期間での建設、供用が可能となる優れた手法であります。特に大規模な道路の整備におきましては選択肢の一つとなりますが、導入に当たっては建設と維持管理にかかる費用や供用後に見込まれる交通量等を踏まえ採算性を慎重に判断していく必要があります。
 このことから、伊豆地域の道路整備におきましても整備の優先度や費用対効果、採算性などの総合的な観点から有料道路事業の可能性を検討してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 石田健康福祉部長。
○健康福祉部長(石田貴君) ユニバーサルデザインの推進についてのうち、静岡県ゆずりあい駐車場制度の運用についてお答えいたします。
 県では、身体等に障害のある方や妊産婦など歩行が困難な方が優先的に利用できるゆずりあい駐車場制度を平成二十四年度に導入いたしました。必要とされる方に利用していただくという趣旨で障害の等級や介護度などを基準に利用証を交付しておりますが、制度開始から八年余りが経過し、病気などで交付の基準に該当しない方から利用証の交付を希望する意見が寄せられるようになっております。
 そのため、県では現在駐車場を管理している協力施設や市町に対してゆずりあい駐車場の利用実態や見直しに関するアンケート調査を実施しております。また国におきましても令和四年度中に車椅子使用者用駐車施設の適正利用に関する都道府県向けの指針を作成することとしております。今後それらを踏まえ有識者や障害者関係団体等からも御意見を伺い、歩行が困難な方が幅広く利用できるよう制度を見直してまいります。
 また、企業等に対して改めてゆずりあい駐車場の設置を働きかけ、協力施設を増やすことで誰もが安心して利用しやすい駐車場の環境づくりに取り組んでまいります。
 次に、静岡県総合健康センターの利活用についてであります。
 静岡県総合健康センターにつきましては、健康づくりのための調査・研究・実践の役割が静岡社会健康医学大学院大学などに引き継がれましたことから今年度末で業務を終了することとしております。同センターにつきましては新型コロナウイルス感染症対策の経験を踏まえ、現在県の感染症への対応力を強化する施設として構想中の仮称ふじのくに感染症管理センターの候補地として検討しているところであります。この検討の中で現在体育館などを利用されている三島市をはじめとする県民の皆様から頂いた御要望を踏まえ、平時における有効活用に当たって現行の利用形態が継続できないか管理方法も含め検討してまいります。
 また、検討に当たりましては施設の立地条件がよいことや体育館、ホールといった汎用性の高い施設もありますことから、パラスポーツなども含め誰もが利用しやすい多目的な施設にできないかも考慮し施設の有効な活用方法について検討を進めてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 山本警察本部長。
○警察本部長(山本和毅君) 大仁警察署の新築についてお答えをいたします。
 まず、新庁舎の供用開始に向けた具体的なスケジュールでありますが、大仁警察署の新庁舎は移転先である伊豆の国市の旧大仁市民会館跡地において本年九月末に土地造成工事が完了し、十月中旬より庁舎の建設工事を開始したところであります。庁舎の建設は令和五年一月に完了し、その後通信設備の工事や庁用品の搬入などを経て同年三月に業務開始を予定をしております。
 次に、新たな警察署の名称についてでありますが警察署の名称につきましては警察法及び警察法施行令で定める基準に従いまして条例で定められております。庁舎の移転に伴い所在地が伊豆の国市大仁から伊豆の国市三福に変わることから、本年十月に地域住民の代表であります大仁警察署協議会に対しまして、名称の変更の是非を含め新しい警察署の名称について諮問を行い検討を頂いているところでございます。協議会の答申を受けまして来年夏頃を目途に最終案を決定し、名称の変更を伴う場合には県議会において条例案をお諮りしたいと考えております。
 最後に、地域住民にとって親しみやすい警察署とするため新庁舎の外観は管内の韮山反射炉をイメージするとともに、一階ホールには県産材を使用しまして明るく暖かみのある空間とする予定であります。また来庁者の利便に配慮しまして来庁者用駐車場を拡充しエレベーターを新たに設置しますほか、現在は狭化のために利用できなくなっています道場を改めて整備する予定であります。
 県警察としましては、新たな警察署が地域住民の安心・安全のよりどころとしてしっかりと役割を果たすことができますよう、地域住民の皆様の御意見を十分にお伺いしながら整備を進めてまいりたいと考えております。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 土屋源由君。
(四十三番 土屋源由君 登壇)
○四十三番(土屋源由君) 答弁を頂きましたので要望を二点、再質問、時間があれば三点やりたいと思います。
 今ちょうど、本部長さんから話を頂きましたので、説明頂きましたのでそこの部分を最初に要望させていただきます。
 大仁警察署というのは、もう随分昔からというかもうさっきも言いましたけど一番古い建物で、ましてやそこにぎゅうぎゅう詰めに署員というか警察の方々が皆集まってということで、なかなか狭いという状況で武道場というのが県内で唯一ない警察署でありました。今度の新しい警察署、先ほど聞いたら反射炉に似せて造ったというのは初めて聞きましたという感じで感動したんですが、ぜひそこの中にある武道場も造るということは承知しておりますので今までそこの地域にあった武道場、市のほうも耐震がなくて市の施設も壊してしまいました。ですからその武道に関係する、柔道をやっている子、剣道をやっている子という子供たちが今なかなか練習をする場所もないしということになっています。警察官の方々はもう有段者の方がたくさんいらっしゃると思いますのでぜひその武道場を少し開放していただけたらいいなと、そういう方々にぜひ教えてもらえたらいいなと、それが地域とのつながりにつながるかなというふうに思ってますので、ぜひその辺もこれから後考慮していただきたいというふうに要望いたします。よろしくお願いします。
 もう一点、要望についてですがもう昨日から総合健康センターについては質問があったんで、昨日と話が変わるというわけにはいかないと思いますのでここにはもう詳しいことは聞きません。ただ私がつけ加えたのはパラスポーツであったりとか、障害のある人たちとかっていう人たちが行きやすい場所、ましてや県有施設という部分で言うとそういうところっていうのは新しく造るとなったらたくさんお金もかかりますし、それなりの設備もしなきゃならないということになりますんで、ぜひそういう方々が使いやすいような施設にうまくリニューアルできれば地元の方々が利用している方とそんなに競合するわけではありませんので、そんなことをぜひ考えてやっていただけたらなと思います。
 再質問に入ります。
 無料化と地域道路云々という話がありました。令和五年十月二日に、理由はどうあっても四十日早くなったということで本当によかったなと思っていますが、有料道路の説明の中で総合的に採算性を考えて造るというような話があったんですけど、私先ほどはまゆう大橋がどういう状況だったかたしか説明したと思うんです。年間ではっきり言って五千万ぐらいしか売上げがないのに、償還しなきゃならないのは一億七千万円もあってあと維持管理そこにいる人たちから考えたときにはもうその部分だけでお金がかかってるから、お金、返せる金は一円もない状態に近いんです、はっきり言って。というのは多分知っておられるんであんまり採算性だとか何かという話での説明ではなくて、必要だから造ったと言い切ってもらうほうが私たちとしては納得いくんですが、その辺についてはどういうふうに考えたらいいのかその考え方について教えていただきたいと思います。一点目。
 二点目。これはユニバーサルデザインの部分で具体的に説明をお願いしますと言ったんですが、実は先日クレマチスの丘にあるヴァンジ彫刻庭園美術館、ちょっと難しい名前で美術館に東部の県議の方々と一緒に視察に行ってきました。その中で彫刻に触れることができる、触ることができる。そして小学生、中学生、支援学校の方々も連携事業として実施されたりとかして、視覚障害向けのアプリもできているというふうに、まさにユニバーサルミュージアムという形になっているところなんですが、県としてこのような施設を積極的に支援を行いながら好事例としてユニバーサルデザインの考え方、取組の情報発信をしていく場所にならないかなというふうに思っていますので、この辺についてどう考えるか答えをお願いいたします。
○副議長(竹内良訓君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) 伊豆の道路環境についての再質問にお答えいたします。
 有料道路の導入に関して、採算性という答弁を申し上げましたがその辺の考え方ということでございまして、先ほども申し上げたように、やはり議員御指摘のようにですね優先度、必要性、もちろんそれについては重要なことだと思っておりますが、やはり事業を継続していく上で採算性というのも無視できないということでございますのでそれはやっぱり総合的にそれらを踏まえて考えるべきものというふうに思っております。以上でございます。
○副議長(竹内良訓君) 市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長(市川敏之君) ユニバーサルデザインの考え方と取組についての再質問にお答えいたします。
 ユニバーサルデザインの考え方や行動を県民の皆様にさらに広げていくためには、議員御指摘のとおり好事例を上手にPRしていくことがとても大切だと考えております。そのためにも私どもくらし・環境部が旗振り役になりまして、庁内の各部局ですとか民間企業、学校など様々なところから好事例を集め、それを広く発信し取組を広めてまいりたいと考えております。そうすることが好事例となった主体、例えば先ほど議員から御紹介がありました美術館の取組などにつきましてもそうした施設の社会的な評価にもつながっていくものと考えております。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) これで土屋源由君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十二月十日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp