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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成22年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

勝又 喜久男 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/27/2010

会派名:

平成21


質疑・質問事項:

1 富士山世界遺産センターの設置について              
2 医療観光(メディカルツーリズム)の推進について         
3 人材等の情報の共有化について                  
4 東京観光案内所の機能強化について                
5 東部児童相談所の充実について                  
6 小学生の英語教育へのネイティブスピーカーの配置について



    ○議長(天野進吾君) これで宮沢正美君の質問は終わりました。
     大変多くの皆様が入れかわりますので、しばしお待ちください。
     次に、十番 勝又喜久男君。
           (十番 勝又喜久男君登壇 拍手)
    ○十番(勝又喜久男君) 私は平成21の所属議員として当面する県政の諸課題に関し、知事並びに関係部局長、教育長に質問いたします。初めての一般質問です。よろしくお願いいたします。
     最初に、富士山世界遺産センターの設置について伺います。
     知事は、七月二十八日に開催された第八回富士山世界文化遺産登録推進両県合同会議において、「富士山の世界文化遺産登録に向けて、文化財指定作業及び富士山の包括的保存管理計画の策定については、文化庁の指導のもと、静岡、山梨両県及び関係市町村と十分に連携を図り、次回、来年七月末を「ザ・デッドライン」とすることとする。「ザ」は唯一という意味である。これ以上の延伸はないという強い決意のもとで万全を期する」とおっしゃっております。また先週二十四日の中澤議員の御質問に対し、「来年七月の提出に全力を尽くす」と答えていらっしゃいます。この知事の強い決意により、原案策定作業は予定どおり進むものと思います。
    ついては、登山者を含め富士山を訪れるお客様をもてなしたり情報を提供したり、また保全管理に関する事務を行う、いわゆる世界遺産センターの設置についての議論を今から進めていく必要がありますが、二月定例会において当局から「県内には富士山の自然、歴史、文化を学ぶことができるなど、ビジターセンター機能の一部を有する施設として、裾野市の富士山資料館や富士宮市の田貫湖ふれあい自然塾があり、今後はこのような施設を含め県内各地の富士山関連の施設について取りまとめ、情報提供をしてまいります」と答弁されておりますように、私もまずは富士山の自然、歴史、文化を学ぶことができる施設などをPRすることが大切だと思っております。
     また当局から、富士山世界遺産センターの設置については、「世界遺産に登録された地域では、登録を機に世界遺産センターが設けられ、さまざまな情報の収集、発信などの機能を発揮し、観光客等の受け入れや世界遺産の保全管理に貢献していると聞いております。このようなことから県において世界遺産センター等の調査を進め、ビジターセンターのあり方について検討をしてまいります」と答弁されております。現在、庁内でも検討を始めているようではありますが、来年七月末の提出を見据えると、ある程度のセンター設置に関する構想はすぐにでも策定に取りかかる必要があると思います。
     そこで提案ですが、その立地に最も適しているのが裾野市立富士山資料館のある一帯であると考えます。ここは富士山の自然、歴史、文化を学ぶことができる資料が数多くあるだけでなく、富士山登山道富士宮口五合目に向かう途中にあり各方面からのアクセスもよいし、また富士山世界文化遺産の構成要素であります平安時代からの最も古い登山道の一つである須山口登山道沿いでありますので、訪れたお客様が古来からの登山を味わうこともできます。国内のみならず海外からのお客様にとっても注目のスポットとなるでしょう。
     以上のような理由により、さまざまな可能性を秘めた当候補地を提案させていただきましたが、富士山世界遺産センターの設置についてどのようにお考えなのか、県の所見を伺います。
     次に、医療観光――メディカルツーリズムの推進について伺います。
     訪日外国人の誘致策として、日本の医療機関で医療サービスを受けるのを目的に観光に来てもらう医療観光、いわゆるメディカルツーリズムが注目されています。海外においては、既にタイでは二〇〇八年で百四十五万人の外国人患者が訪れ、二〇〇五年の外国人患者の支出総額が約千百五十億円に上っています。シンガポールでも政府と医療機関が一体となってメディカルツーリズムを推進するなど、アジア各国が力を入れています。
     日本では、欧米の保険会社が保険金を支払う対象とするかどうかの基準となる国際的な医療認証で、メディカルツアーを誘致をしている病院にとって必須となるJCI――ジョイント・コミッション・インターナショナルを、日本で初めて取得した千葉県鴨川市の亀田総合病院など、個々の医療機関での取り組み事例はありましたが、国を挙げてメディカルツーリズムに取り組む面ではおくれていました。
     最近になって、訪日外国人を大幅にふやす成長分野として注目するようになり、経済産業省は昨年度、野村総合研究所に委託しメディカルツーリズムに関する調査を実施いたしました。この報告書によると、我が国のメディカルツーリズムの可能性について、「日本の医療が強みを持つ分野に特化してスタートさせることが重要となろう。具体的には国内医療機関が先進的な医療機器を保有しており、かつ国内の医師のレベルが世界的に見て高いと評価されている分野を絞り込むことが望ましい。各医療機関のコメントをもとに注力すべき領域を整理すると、粒子線治療を含むがん治療、心臓ステント等の循環器系の手術、脳神経外科系の手術、小児医療等の領域が有望と考えられる」とまとめております。
     また、日本政策投資銀行のまとめでは十年後には年間四十三万人程度のお客様が見込まれ、メディカルツーリズムの市場規模は約五千五百億円に上ると試算されております。
     技術水準の高さや費用対効果の大きい日本国内の医療は国際的に評価が高く、政府は中国などアジア地域の富裕層をターゲットとした医療目的の訪日の際に発給する医療ビザの創設に向け動き始めており、厚生労働省も世界的に評価されている高度先端医療や高度な医療機器を使った検査などで外国人患者の需要があるとして、受け入れを促す仕組みが検討され始めました。
     そうした中、旅行会社のJTBは四月二十二日、医療機関に対し訪日外国人の受け入れをサポートするジャパンメディカル&ヘルスツーリズムセンターを開設しました。このJTBが設立したセンターでは、医療機関にかわり外国人の予約手続の代行から医療知識のある通訳や病院までの交通、宿泊手配を実施、またJTB本体では訪日外国人向けの医療・健診パッケージツアーを企画実施しております。提携医療機関としては、亀田総合病院や虎ノ門病院など既に実績のある医療機関と契約しており、今後は全国展開を目指すとのことです。
     富士山は静岡県の大きな観光資源です。しかしながら富士山を目的とする外国からのお客様の多くは山梨県を訪れており、残念ながら富士山の静岡県――ふじのくにという印象が非常に薄いのが現状です。
     私はこのたび浙江省へ行かせていただきましたが、中国人の湖に対する思いがわかったような気がいたしました。富士山のすそ野で暮らしている者として非常に残念ですが、中国人にとって富士山と富士山が映える湖、これが人気のあかしであるというふうに思いました。私は、海外からお客様に来ていただけるようにするためには、山梨県にない、静岡県にしかない差別化できる富士山観光の施策が必要であり、それはメディカルツーリズムの推進であると考えております。特に、すばらしい富士山の眺望を備え先端医療産業を集積するファルマバレーを持つ我が県は、メディカルツーリズムを展開するに最適と思いますがいかがでしょうか。
     以上のように、メディカルツーリズムは、ふじのくに観光を推進するため今後大いに期待できる施策であり、かつ富士山静岡空港の利活用が大幅に図れると考えますが県の所見を伺います。
     次に、人材等の情報の共有化について伺います。
     地域の活性化に関する支援策としては、市町や経済団体などに対するさまざまな事業費の補助があります。確かに補助ですから事業主体は補助を受ける市や町、経済団体ということになりますが、ここで最も課題となっているのが、その補助金を使って委託するコンサルタントやコーディネーターといった人材の選定です。市や町が本当に必要としているのは、地域に密着し住民とともに現場で活動し解決策を生み出すことのできるコーディネーターでありますが、だれをどのように選んでよいのか悩んでいるのが現状です。
     私も、現場主義を信条としておりますが、現場主義を標榜する知事ならおわかりだと思います。現在さまざまな補助金が用意されておりますが、お金ではなく要はその事業を成功に導くための人材をどのように確保するかがかぎなのです。せっかく事業がうまくいっても、成功事例とそれに携わったコーディネーターの登録簿が、現在必ずしもすべて作成されていませんので次に生かされないでそこで終わってしまい、同様の事業を立ち上げようとしても、またそこで一から探さなければならないというのが現状だと感じております。
     県が直営で実施している県民講座や職員研修などにおいても、各部局がそれぞれ予算を計上して実施していますが、その場限りになりがちで実にもったいないと思います。せっかく高いお金を出して委託するのですから、すぐれた講師やコーディネーターについては、同様のケースがあった場合にすぐに検索して依頼できるよう、例えば総務省の地域人材ネットのように先進市町村で活躍している職員や民間専門家を広くお知らせするため、さまざまな経験や実績をお持ちの優秀な方々をコーディネーターバンクとして登録し、登録簿、いわゆるデータベースを作成する必要があるのではないでしょうか。
     具体的には、今年度、富士農林事務所において第六次産業化を目指すコーディネーターを引き受けられている小出宗昭さんのような方を、私は登録する対象として想定しております。小出さんは以前、SOHO静岡にいらっしゃり、現在、富士市産業支援センターf−Bizのセンター長兼プロジェクトマネジャーをなさっておられます。起業支援家として活動を始めて以来、九年間で約六百五十件もの新規ビジネスの立ち上げを支援されております。私も以前、県の商業まちづくり室主催のふじのくにまちづくりコーディネーター研修において、小出さんのお話を聞いたことがありますが、深く感銘を受けまして今でも鮮明に覚えております。
     県でも、各部局でさまざまなデータベースが存在すると聞いておりますが、地域の活性化に関する支援策として、また県職員や市町の職員の研修、各種団体、県民向けの講座を開催するに当たっても、講師やコーディネーターのデータリストを一カ所から検索できるようにすることが、ツールとして必要なのではないでしょうか。
     こうした取り組みは、人材のデータベース化のみならず他の施策を効果的に推進する上でも活用が可能であり、行政改革のテーマでもある情報の共有化やコストの縮減に大きく寄与するものだと私は考えますが、県の所見を伺います。
     次に、東京観光案内所の機能強化について伺います。
     現在、静岡県を東京でPRする方法として、東京観光案内所に加えふるさと情報プラザやTIC TOKYO――ツーリスト・インフォメーション・センター東京への出店などを行っていますが、情報発信としては物足りなさを感じています。テレビを見ていてもインターネットでも、ふじのくにの話題が富士登山ぐらいしか聞こえてきません。
     PRに必要なのは、立地もありますがそれ以上に重要なことは話題づくりであります。東京という立地ではメディアへの露出度に大きく左右されます。名前が出ればいいというのではありませんが、出ることによってよしあし関係なくその自治体の名前がマスコミによって勝手に露出されることになり、よければイメージアップや地元産品の売り上げに貢献することができるのです。
     B級グルメグランプリがそのとおりなんですが、そこで私は東京観光案内所を機能強化し、常時マスコミに話題を提供できるキーステーションとすることを提案いたします。ふじのくにの物産品の販売はもとより、ふじのくにの食文化が味わえるレストランを併設し県内のB級グルメや芸術感あふれる料理を提供する。芸術感あふれる料理のシェフは、今年度ふじのくに食の都づくり仕事人として選ばれ表彰される方々に一週間交代でやっていただく。年間五十週実施するといたしまして、二百人なら四年に一回で済み、毎週違う料理が味わえるとなればこれは格好のPRとなり、マスコミの注目度も高いと思われます。ここで買った食材をその場で調理してもらう、そういうこともおもしろいでしょう。こんな楽しい場所を創出できればきっと注目のスポットとなると思います。
     出店場所は、現在東京観光案内所がある有楽町でなくても、探せばもっと安くてPRに適した場所があります。経費については現在の出店場所の賃料や委託料でほぼ賄えるのではないかと思います。富士宮やきそば学会の渡辺会長もおっしゃっていますが、PRはいかにお金をかけないでただでやってもらうか、いかにマスコミに取り上げてもらえるかに尽きます。要は話題の中身の問題です。
     これはふじのくにを本気でPRするための一つの提案ですが、いずれにせよ現在の東京観光案内所やふるさと情報プラザTIC TOKYOへの出店では、投資効果が非常に少ないのが現実だと思います。このような現状を踏まえ、ふじのくにを本気でPRするため東京観光案内所の機能強化をどのように考えていらっしゃるのか、県の所見を伺います。
     次に、東部児童相談所の充実について伺います。
     皆様方も御認識なさっておられるように、虐待や育児放棄による児童に関する実に悲しい事件が多く発生しています。このような事件を未然に防ぐため、県及び政令指定都市に児童相談所、市及び県の福祉事務所には家庭児童相談室が設置されていますが、家庭児童相談室や児童相談所は、単に相談を受けるだけでなく、現場に出向き家族はもとより学校や御近所からの聞き取りにより実情を把握し、対策を立て解決を図るといった、とても根気が要る仕事を担っています。事例によっては何年もかかるものもあります。児童相談所にはさらに市町との連携や技術指導など、やらなければならないことがたくさんあります。
     今年度、富士児童相談所ができ充実が図られてきてよかったなと思っておりましたが、分離元の東部児童相談所の職員の負担は軽減されていないと伺っています。東部児童相談所管内の相談件数は昨年に比べ格段にふえており、相談さえままならない状況にありますのは御承知のことと存じます。虐待など内容も複雑化、長期化しております。また虐待や育児放棄を起こさないために必要な親に対する育児指導なども十分できていないのが現状だと思います。これは、東部児童相談所に限らず県として命を守るための危機管理としての最重要課題ではないでしょうか。
     このような現状を踏まえ、いかに実態を把握し現状分析されているのか、またその分析によってどのような充実策をお考えなのか、県の所見を伺います。
     最後に、小学生の英語教育へのネイティブスピーカーの配置について教育長に伺います。
     来年度から小学校五、六年生に外国語活動が導入されますが、この事業に関する国庫負担金が配分されないため、小学校の教諭がそのまま授業を担当すると伺っています。しかしながら英語の教師でない小学校の先生が教えるのはかなりの負担であると思います。中澤議員の御質問に対し、「小学校の外国語活動については、教員の指導力を高めていくことが重要」と答えていらっしゃいますが、外国語活動の本来の目的を果たすことはかなり難しいのではないでしょうか。
     私は、英語に限らず語学というものはまず耳で聞いてなれるものであり、それには生まれながらの言語を話してきた人、正しい言葉を使い正しい発音をする人、いわゆるネイティブスピーカーの言葉を聞くことが重要であると考えています。
     現在、県では来年度からの外国語活動の導入を見据え、モデル事業として語学指導等を行う外国青年招致事業――ザ・ジャパン・エクスチェンジ・アンド・ティーチング・プログラム、いわゆるJETプログラムによる外国語補助講師――ALTの派遣を実施しており、効果を上げていると伺っております。
     私の住んでいる裾野市を初め県内の幾つかの市や町においては、以前から中学校だけでなく小学校への外国語補助講師の派遣を単独事業で行っており、非常に効果を上げています。具体的な効果としては、発音がよくなるのは当然のことですが、小さいころから外国人と身近に接することができるので外国人に対しての違和感が初めからない。まちを歩いていてもあいさつなど気軽に声をかけることができるようになる。外国の文化に興味を持ち学習意欲が増すなど、単なる英語の向上といった学習面だけでなく生活面についても高い向上効果が見られます。
     本来であれば、語学は幼児期のヒアリングで決まると言われていますので、将来を担う子供たちのことを考えますと、できることならALTで静岡県独自に一年生から県の事業としてやるべきとも思いますが、財政状況も厳しい状況にあります。ついては来年度からの外国語活動の導入に合わせ、市町が外国語補助講師――ALTを採用する場合に、人件費や派遣業者への委託費などの費用の一部助成を提案します。
     それが無理であれば、せめてJETプログラムにより招聘する場合の事務の支援など、最小限の経費で県としてできることを実施し、未来を担う子供たちに本当の英語を聞くことができる機会を提供するべきだと考えますが県の所見をお伺いし、とりあえず質問を終わります。(拍手)
    ○議長(天野進吾君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 勝又議員にお答えいたします。
     初めに、富士山世界遺産センターの設置についてであります。
     富士山が世界文化遺産に登録されましたといたしますと、その前後から観光客を初めとする来訪者の大幅な増加が見込まれます。そうした中で、富士山を後世にわたって良好な形で確実に継承していくためには適切な保存管理を担う組織が必要です。それとともに仮称ではありますけれども、富士山世界遺産センターの設置は必要であると考えております。そのセンターでは、自然、歴史・文化に関する学術情報の収集・発信機能や、登山、富士山周辺の観光情報を提供する観光案内機能なども必要となってまいります。
     さらに、来訪者の多様なニーズに対応するためには、既存の富士山関連施設であります裾野市の富士山資料館や、環境省が開設しました田貫湖ふれあい自然塾を初め、来年四月に御殿場市が開設する予定の富士山交流センター・樹空の森などとの相互連携も重要であります。こうしたことから今後、富士山世界遺産センター――仮称でございますが――その設置に向けまして、必要な機能、利便性、景観等も考慮した設置場所などに関する具体的なコンセプトづくりのための調査研究を進めます。
     最初に、日本が世界遺産を持ちましたのは、白神山地、屋久島でございましたけれども、そこにも白神のセンター、また屋久島のセンターがございます。それから既に、あれは一九九三年でしたから十七年が経過しております。したがいまして私といたしましては、そうしたものよりもはるかにすぐれたセンターであらねばならないと。そうしたことから、文化・観光部長を初め関係の部局はそうしたものを見学に行くということが求められておりますので、その指示をいたしました。
     そして、信仰の対象、あるいは芸術の源泉、たぐいまれな自然美というものがありますので、そうしたものをそこに来ればわかると、仮に富士山を仰ぎ見ることができないような天候の場合でも、そこに来れば富士山を体じゅうで感得できるということが必要で、かつ単に駿河並びに山梨県の富士山というだけでなくて、日本に三百四十もの見立て富士がございますから、そうした中での――こうした言い方は適切かどうか――大本山として、そうした富士山の中の富士山と、日本のシンボルということが格調高く展示できるようなそういうセンターを目指さなければならないと。
     しかも、中央集権下での静岡県という歴史を今度は地域主権の中でふじのくにづくりをするというときに、その核となる学習センター、あるいは知的拠点ともなるものです。そうしたものとしてこのセンターは慎重に、しかしぜひつくっていくということで、我々の英知を結集してこのセンターの実現に向けて推進してまいりたいと思っております。
     次に、医療観光、いわゆるメディカルツーリズムの推進についてであります。
     医療観光は、健康診断や病気の治療に観光を組み合わせた新しいツーリズムのことでございますが、本年六月、閣議決定いたしました新成長戦略におきましても、地域経済活性化策の一つに位置づけられています。国におきましても、経済産業省や観光庁、その他関係各省庁が相互に連携を図りながら研究会等による検討が進められています。本県では、伊豆の国市の伊豆保健医療センターが中心となって昨年度よりモニターツアーを実施する中から、課題が出てきました。
     また、既に医療観光を実施しております関係機関や観光庁のインバウンド医療観光に関する研究会などからも、課題が見えてきております。そうした課題の中におきまして、訪日して医療サービスを受けたいという海外からのニーズに見合った設備があるかどうか、言語の問題は大丈夫か、受け入れ態勢はどうか、海外の保険制度との違いをどうするか、臨床データの不足をどうクリアするか、海外医療機関との情報共有をどうするのか、地域医療への影響をどう考えるかといった問題がございまして、こうした問題を部局長から聞きますと意気消沈しますね。
     しかし、医療観光は海外からの誘客を進めるということにも増して、人助けであるということがございますので、これは大事な政策であると考えております。早急に県内の医療機関等を対象に、海外からの受け入れの可能性や医療観光に対する志向、受け入れに当たっての問題点等を把握するための調査を行うように指示いたしました。その結果を踏まえて、関係機関とも調整を図りながら医療観光の推進に取り組んでまいります。しかし一般的な形での医療観光、医療ツーリズムを推進していくというにも増して、できるところからまずやっていくことが大事だと思います。
     そうした中で、十一月にモンゴルの大統領夫人ががんにかかわる基金をつくられまして、そして本県のがんセンターを御視察になるということがはっきりいたしました。これは一つの突破口であろうと。当然医療レベルは本国より日本のほうがはるかに高く、日本の中でもトップクラスにあるがんセンターをこの間大統領顧問が御視察になりましたけれども、検診車を譲ってほしいとか、あるいは不要になったがんにかかわる医療器具を譲ってほしいとか、そうしたことも上がってたようであります。
     ともあれ、仮にそうしたものを差し上げるにしても使えなければ意味がありませんから、研修していただく必要があるということでございますので、本県といたしましてはそうした、たまたま外国からの御要請があって、来られて、大体要望も明らかになってるといったようなことを奇貨といたしまして、これを生かしていきたい。
     例えば、がん検診車というものを動かすための研修をしてもらう。そういうためには、向こうから専門のお医者様なり技術員が来られなければなりません。そうした中で、外国人と本県の医療機関関係者が、あるいは医療器具をつくる方々がコミュニケーションを深めていただきまして、そうした中で医療ツーリズムの本県の独自性というものがどこにあるかを探ってまいりたいというふうに考えております。
     その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁申し上げますけれども、補足をさせていただきたいことがございます。
     それは、東京観光案内所にかかわることでございますけれども、議員御指摘のとおりこれは有楽町前の交通会館の中にありまして、しかもその外れにありまして、辺境というべきかほとんど人が寄らないのが実情です。しかも四十一平米しかありません。これで誇り高い静岡、ふじのくにのPRができると思われますか。そういう客観的事実を踏まえ、したがってこれがほんとに投資効果があるかというと無駄な人件費が使われてる、あるいは借地代が使われてるだけではないかというのは十分な理由のある御指摘だと思っております。
     さらに言えば、必ずしもここで御答弁するのが適切だとは、チーム川勝の中で一致しているわけではありませんけれども、例えば東京事務所というのは今、ふじのくに大使館と名乗っております。私はこの各都道府県の事務所が入るのが筋だと思っていたところ、この間、大分県元知事の平松守彦氏とそこで会談したときにその場所を御存じなかったそうです。ちょっと迷ったと、つまり大分県は事務所をそこに置いてないんですね。全国知事会の会長を務めておられる福岡県も、そこに事務所を置いていない。だからそこに入ってるのは義務ではないということですね。しかも十三階という。お隣は富山県。うちの差別化はなかなか、水でやるとしても深層水を持ってる向こうとなかなか難しゅうございます。大体そこまで人が上がってこない。十三階という数も不吉な数字だと言う人もいる。それはおいておきましてそういうところで、かつての東京事務所が果たしていた使命はほぼ終わったというふうに考え、それをふじのくに大使館としたわけです。そうしたふじのくに大使館の使命は、まさに東京政府、あるいはそこを媒介にしてふじのくにのPRをするということです。またふじのくにに援助をしていただくために企業を誘致する。さらにはふるさと納税をしていただくということがございます。
     そのために一番いい立地場所かどうかと。あれは国会議員の先生、あるいは霞が関にいろいろと陳情に行くための拠点としてはいいわけですが、そういうもう場の力を発揮する時代ではありません。むしろ議員御指摘のような、本当に本県がそのふじのくにとしての存在感を増すための場所がどこかということは今探るべきであって、そこは単に言葉で言うんではなくて見ればわかるということになりますと、本県の持ってる二百十九の食材、あるいはそれを上手に加工し人々に楽しんでいただくようなレストランとかカフェとか、あるいはティールームとか、さらにまた大使館機能を果たすための事務所機能というようなことを持つという、新しい課題に私は直面していると思っておりますので、この問題につきましては、例えば各県とも出捐して建物を建てたため、機能のあり方、視点以外に本県の投資分予算の問題などもあります。そのあたりしっかり整理してから判断をしないといけないので、現段階は部長答弁にとどめていただくようにお願い申し上げたいというような状態ではあります。
     これが今の現状ではありますけれども、東京事務所それから東京観光案内所、これを一体的にしてコストの削減を図り、本県の存在を積極的にアピールするようなそういうものに変えていく、今は時が来ているという認識を持っております。ありがとうございました。
    ○議長(天野進吾君) 丸山経営管理部長。
           (経営管理部長 丸山康至君登壇)
    ○経営管理部長(丸山康至君) 人材等の情報の共有化についてお答えいたします。
     現在、策定を進めております新しい行財政改革大綱では、有徳の志を持ったふじのくにの士民が主体性を発揮しながら地域づくりを進めていく、「ふじのくにの士民としての自立」、これを目標の一つに掲げております。
     実現に向けましては、地域に密着して現場で活躍している人材や成功事例に携わった実績を持つ人材を効果的に活用しながら、より多くの県民の皆様が地域づくりに参加していただく、関心を持っていただくことが肝要であります。このためには人材の情報が広く共有化されていることが重要でありまして、本県におきましても、例えば地域づくりに関する人材などの情報を一元化しホームページで発信しているところであります。
     議員からの御提案も含め、各部局において管理している情報のうち、さまざまな分野での活用が期待できるものにつきまして、このような取り組みをさらに拡充をし、地域の方々との情報の共有を図っていく必要があると考えております。またこうした情報を積極的に発信していくことは、県が地域におけるシンクタンクとしての機能を担っていく上でも必要でありますので、今後も情報の共有化と積極的な発信に努めてまいります。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 出野文化・観光部長。
           (文化・観光部長 出野 勉君登壇)
    ○文化・観光部長(出野 勉君) 東京観光案内所の機能強化についてお答えいたします。
     首都圏は、本県に来訪する観光客の主要マーケットであるとともに、全国に情報発信のできるマスメディアが集中しているということで、首都圏において魅力ある観光情報の提供、あるいは各種の宣伝活動を行うことは、本県への誘客を促進する上で非常に重要なことであると考えております。
     このため、先ほど知事の答弁にもございましたけども、有楽町の東京交通会館内に観光案内所・しずおかプラザを設置いたしまして、ここで首都圏での観光キャンペーン、あるいは一般のお客様からの問い合わせへの対応を行うとともに、テレビ、新聞、雑誌等のマスメディアや旅行業者に観光情報を定期的に提供して取材協力も行うなど、本県の観光魅力のPRに努めているところであります。
     また、非常に狭い場所でございまして、先ほど知事の答弁にございました四十一平米ということで、あの中で何ができるかということでいろいろ試行錯誤を重ねておりまして、例えば今まで土日が休みだったというようなことが、やはり観光案内所として土日が休みがいいのかということで、今、土日も開店するような格好のものをやっておりますし、また販売する県産品の品目も充実するなどの魅力向上にも努めております。
     議員から提案のありました、ふじのくにの食の都づくり仕事人、これは国内外の多くの方々がそのお店を訪れ、静岡の農芸品を使った料理をおいしく楽しく美しくいただくという、食の都づくりの推進役として活躍していく料理人でありますけれども、仕事人の首都圏などでの活躍は本県のPRにもつながるということで、今後、効果的な取り組み方法を検討していきたいと考えております。
     県といたしましては、まずは現在の観光案内所の情報発信機能の充実を図っていくということとともに、ふじのくに大使館と一体となりまして、投資効果が最大限発揮できますように東京観光案内所のあり方も含めて検討してまいりたいと思います。
     なお、都道府県会館におきまして――福岡県でございます――先ほど知事から答弁ございましたけども、福岡県は今、分室を置いているということでございますので、一言申し添えておきたいと思います。以上でございます。
    ○議長(天野進吾君) 石川健康福祉部長。
           (健康福祉部長 石川俊一君登壇)
    ○健康福祉部長(石川俊一君) 東部児童相談所の充実についてお答えをいたします。
     全国的に児童虐待が大きな問題となる中で、本県でも平成二十一年度の児童相談所における児童虐待の相談件数は過去最高の一千百七件となり、初めて一千件を超えるなど児童虐待への対応強化が大きな課題となっております。こうした中で、県が所管する児童相談所における虐待への対応状況を見ますと、東部児童相談所は昨年度の虐待相談件数が最も多く、平成二十年度に比べ最も高い割合で増加しているほか、一時保護や施設入所を要する深刻なケースも多くなっております。
     このような状況を踏まえ、県では児童相談所の体制強化のため、本年四月に東部児童相談所の所管区域を分割し富士児童相談所を新たに開設したところでありますが、本年度のこれまでの状況を見ても、児童虐待の相談件数等が東部児童相談所において最も多い状況は変わっておりません。
     県といたしましては、今後も引き続き東部児童相談所を含めた児童相談所全体の児童福祉司の適正な配置を図るとともに、深刻化する児童虐待に適切に対応できる専門性の高い職員を確保するため、研修の充実や経験の蓄積に配慮した人事異動を行うなど、児童相談所の一層の体制強化を図ってまいります。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 小学生の英語教育へのネイティブスピーカーの配置についてお答えいたします。
     ネイティブスピーカーと接することは、児童が英語の音声やリズムになれ親しみ、英語を使ってコミュニケーションを図ろうとする意欲を一層高めることにつながります。また学習指導要領におきましても、異なる言語や文化を持つ人々と触れ合う体験を通し、多様なものの見方や考え方があることに気づくことが、日本と外国との言語や文化についての理解を深める上で重要であるとしております。
     県といたしましては、議員から御提案のありました各市町に対しての財政的支援は難しい状況でありますが、JETプログラムを活用してALTを配置する市町に対しましては事務手続の相談やALT自身からの相談に応じる体制を整えております。今後はこのような県における相談体制につきまして市町にさらに周知するとともに、JETプログラムによるALTに対しましては、県主催の研修会への参加を可能とするなど市町の取り組みを支援してまいります。以上であります。
    ○議長(天野進吾君) これで勝又喜久男君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。
     九月二十八日午後一時、会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会いたします。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

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