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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

森 竹治郎 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/28/2018

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について
2 臨時財政対策債について
3 伊豆半島の観光振興について
(1) 世界ジオパーク
(2) デスティネーションキャンペーン
(3) 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック対策
4 伊豆縦貫自動車道の建設促進について
5 水産漁業の振興について
(1) 観光との連携
(2) 漁礁整備の取り組み状況


○議長(渥美泰一君) これで野澤義雄君の質問は終わりました。
 次に、六十一番 森 竹治郎君。
        (六十一番 森 竹治郎君登壇 拍手)
○六十一番(森 竹治郎君) 九月定例県議会も私が最後の質問登壇となりました。知事、副知事並びに関係部局長におかれましては簡潔明快な御答弁をお願いをいたします。
 それでは、通告順序に従いまして一括質問方式により質問をいたします。
 まず最初に、川勝知事の政治姿勢についてお伺いをいたします。
 知事就任以来、今日九年を迎えられました。三期目もまだ残り三年があります。今後静岡県の重要な課題としてラグビーワールドカップ二〇一九や東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催、県立中央図書館の移転に関係する東静岡駅周辺の文化都市の整備、沼津駅高架事業に伴う周辺の整備、リニア新幹線工事に伴う大井川の水量確保の問題、富士山静岡空港の新幹線新駅の建設、そして浜松市篠原地区への県営野球場の建設などなど重要な課題があります。これらの課題の解決に向かう知事の政治姿勢についてや取り組み方についてお伺いをいたします。
 知事は、先般、高名な哲学者の方と「日本文化に根差した平和の発信」について対談をされました。その中で哲学者の方は、「日本には平安時代の三百五十年と徳川時代の二百六十年という平和の時代がありました。そのような国は世界に類がありません。ヨーロッパ文化、特にアングロサクソンの文化が形成されたのは最近です。日本には千何百年という歴史を誇るすばらしい文化があります。そのうち、平安時代三百五十年、徳川時代二百六十年が平和の時代です。現在の戦後七十年余りの平和は、まだまだ短い。 今日の平和が五百年は続いてほしいと思います」と述べられ、さらに「人類の将来の理想ですが、人類が生きながらえるには、やはり永遠平和の理想が必要です。これがなかったならば、やがて人類は、殺し合いにより滅びます。それを食いとめるのが憲法九条だと思います」と述べております。これに対して知事は、「国連のユネスコ憲章は、 前文で、戦争は人の心の中で起こるから、心の中に平和のとりでをつくらなければならないとうたっています。ユネスコの教育、学問、文化を通して平和をつくるという立場は世界の共通認識です、私も知事職をあずかり政治も経済も文化のしもべであると明言しております。人々を幸せにすること、それは人々の生活文化を豊かにすることです。 それが政治や経済の活動の目的です。教育・学問・文化の活動は、人類の理想の一翼を担っています。徳川家康のパックス・トクガワーナは、西洋の軍事ベースの世界秩序ではなく、文化ベースの平和な文明という特徴を持っています」と述べております。哲学者の方や知事の平和論、文化論には共感を持つところでもあります。
 知事は、田辺静岡市長に対してこれからは仏の川勝でいきますと述べられた様子であります。今後の静岡県の重要課題に対応していくには、知事の持っている文化論、平和論をもって田辺市長に対してだけでなく県政に幅広く仏の川勝であってほしいと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
 次は、臨時財政対策債についてお尋ねをいたします。
 私は、昨年三月にも一般質問の機会を捉えて質問をしております。再度お尋ねをする次第であります。
 政府が掲げる経済再生と財政健全化の両立の道筋はさっぱり見えてきておりません。国の借金である普通国債残高は十八年度末には八百八十三兆円に上り、十二年度末から二百兆円近くもふえてきております。地方も含む国全体では何と千百兆円にも上ってきた、このように言われております。
 その大きな要因は、当初十五年十月に予定していた消費税率一○%への引き上げを政府が二回延期したことと言われております。政府の財政が悪化の一途をたどってきており、このままではいずれ財政破綻が起きるのではないかと心配は高まるばかりであります。
 政府の債務は、バブル経済の崩壊以降ふえ続けております。これは毎年の政府の歳出が常に税収を上回っている、このためであります。日本はG7の国々の中でも最も厳しい状況になっております。国内総生産――GDPに対しての債務比率はおおよそ二五〇%近くにも達し、高どまりの状態にあります。これは終戦直後のレベルを超えてきており世界の歴史上、先進国が平時においてGDPの二〇〇%を超える債務を負った例はないと言われております。今後政府の財政再建の政策は消費税の大増税や歳出予算の大幅な削減を行い、行政サービスを後退させることになろうかと思います。
 一方、臨時財政対策債は国と地方の財政危機から当面の地方交付税の身がわりとして、臨時的に財政再建までとして短期間の制度として二〇〇一年度――平成十三年度から三年の措置として始まりましたが、しかし既にもう十八年間も続いております。現在の時限は二〇一九年度までと言われております。臨時財政対策債は元利償還が一〇〇%地方交付税で措置されており償還に問題はないという向きもありますが、しかし県の借金であることには違いはありません。交付税措置されるから大丈夫とわかってはいても、 やっぱり先ほど申し上げましたとおり国の財政も厳しさを増すばかりであるし県の借金が積み上がってくることには心配が高まるばかりであります。
 静岡県の通常債の残高は、平成二十四年度は一兆八千二百四十八億円でしたが平成三十年度当初では一兆五千六百九十三億円と見込まれ、これは当局の努力により減ってきております。一方臨時財政対策債の残高は平成二十四年度、七千四百七十三億円でありました。平成三十年度の当初には一兆千三百六十三億円、大分ふえてきたのであります。
 近年、静岡県の臨時財政対策債の発行額は抑制ぎみとなってまいりましたがそれでも静岡県の県債残高の金額の四割以上を占めるに至っております。県当局におかれましてはこれまで以上に臨時財政対策債の廃止とさらに償還財源の確保について強く国に要請していくものと思いますが、お考えをお伺いする次第であります。
 次に、伊豆半島の観光振興についてお尋ねをいたします。
 先日、九月の三日に観光交流局から平成二十九年度の観光交流客数等の発表がありました。これによりますと平成二十九年度の観光交流客数は前年度を約三百五十四万人上回り、一億五千六百四十八万人となり五年連続で過去最高を記録しました。宿泊客数は前年度を約三十七万人上回り千九百八十万人となりました。また県内の旅行の消費額は前年度の六千八百八十八億円から約百八十六億円上回る七千七十四億円となりこれまた三年連続して上昇をしてまいりました。伊豆地域においては伊豆半島の玄関口である熱海市、三島市、沼津市が好調で前年度より約十九万人の増加となりました。しかしながら本県の平成三年度の宿泊数、平成三年度バブルのころ何とこれは二千七百六十五万人でありました。これが先ほど申し上げましたように二十九年は千九百八十万人でありますから、まだ七百八十五万人も下回っているのが現況であります。
 近年、下田市や賀茂郡下、伊豆市が横ばいの状態であります。伊豆半島の中南部の宿泊客、停滞の状況を脱し切れていない状況にあります。一方では伊豆半島の観光にとって明るい話題も生じてまいりました。本年四月には伊豆半島が国内九番目の世界ジオパークとして認定されました。先発グループの室戸の岬、島原の普賢岳、鳥取の砂丘、 洞爺湖温泉有珠山などなどは既に新たな観光交流客の増加など、実績を上げている様子であります。
 今後、地域資源のしっかりとした保全や活用により交流人口の拡大を図って、伊豆半島の観光振興に当たるべきものと考えます。当局のお考えをお聞かせください。
 次に、デスティネーションキャンペーンについてであります。
 本年の四月、五月、六月にプレデスティネーションキャンペーンがとり行われました。県予算は六千七百万円でありました。本年の事業はどのような事業を行い、実績はどうであったのか。来年の本番に向けてどのような取り組みをされていくのか、お尋ねをいたします。
 静岡県では前回、平成十一年にプレデスティネーションキャンペーンを行い十二年四月、五月、六月に本番デスティネーションキャンペーンを行いました。このときの予算は県は二億千二百万円、市町村、民間が五千五百九十一万円で合計二億六千七百九十一万円余りでありました。これにより観光レクリエーション客数を見ますと平成十一年四月、五月、六月、二千百六十六万七千人が平成十二年本番の四月、五月、六月は二千三百三十万四千人であり一〇七・六%の好実績を上げました。これにはJR六社も大きな支援をしてくれました。
 参考までに申し上げますと、鳥取県、島根県両県では平成二十九年、三十年、三十一年に山陰デスティネーションキャンペーンに取り組んでおり、両県の事業予算は二億円でJR六社は全国主要駅へのポスターの掲示、電車内の広告の掲示、JR提供番組等に対する費用など十一億六千万円を負担するとのことであります。この際来年の静岡県デスティネーションキャンペーンの本番事業予算は前回の二億六千七百九十一万円の倍額以上の事業を行うべきものと考えますがお考えをお聞かせください。そしてさらにJR六社との協議はどのような状況になっているのかもお聞かせください。
 次は、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック対策であります。
 いよいよ東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの伊豆半島開催が指呼の間に迫ってまいりました。国の内外から東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックへの来遊客、観客をふやしその皆様を伊豆半島の各温泉地に滞在していただくように努めなければなりません。どのような誘客対策をとっていくのかお尋ねする次第であります。あわせて今後のインバウンド対策として伊豆半島での受け入れ体制の整備についてお尋ねをいたすところであります。
 次は、伊豆縦貫自動車道の建設促進についてであります。
 伊豆縦貫自動車道の本年度国土交通省当初予算は、天城北道路に四十一億七千五百万円、河津下田道路U期区間に二十二億八千万円、河津下田道路T期区間に七億円をつけていただきました。さらにこれに加えて平成二十九年度の二月の補正予算では六億八千七百万円をつけていただきましたから、合計で何と七十八億四千二百万円となりました。これにより現在は河津下田道路及び天城北道路において着実に工事が進められております。このことは長い期間にわたり伊豆縦貫自動車道建設促進期成同盟会の会長として八面六臂の活躍をしてくれている川勝知事や県当局の皆さんが、私たち地元関係者の先頭に立って国土交通大臣や財務大臣など中央省庁に要望活動を行ってくれておる大きな成果と感謝しているところであります。私たちも引き続いて名古屋市の国交省中部地方整備局、東京の国交省本省、財務省、国会などに要望活動を続けてまいります。
 平成二十六年二月に開通した東駿河湾環状道路の三島塚原インターチェンジから函南塚本インターチェンジ間の開通により、伊豆半島北部地域においては観光交流客の増加や企業立地、観光関係の設備投資等の経済波及効果があらわれてきております。しかしながら先ほど述べましたように、伊豆半島の中南部地域の近年の宿泊客数を見ますと横ばいの状況が続いております。これを見ると伊豆縦貫自動車道の少しでも南部方面への延伸に期待するところであります。
 初めに、天城北道路についてであります。
 伊豆市大平インターから伊豆市矢熊地区までの五・一キロメーターであります。平成三十年度中にそれも河津桜祭りまでには供用開始したいと伺っておりますが、その見通しについてお伺いをいたす次第であります。
 次は、天城湯ヶ島・河津区間についてであります。
 本年一月に計画段階評価手続が完了しました。しかしいまだに事業化には至っておりません。この天城越え区間の道路整備の空洞化は伊豆半島南部地域や伊豆半島全体の経済、防災、生活、第三次救急医療機関への搬送などへの影響が大きなものがあります。今後心配される南海トラフ巨大地震等災害時の緊急輸送路としても欠かせないものであります。 当該区間の早期事業化そして早期整備に大きな期待を持つところであります。 今後の見通しなどについてお尋ねをする次第であります。
 次は、河津下田道路U期区間六・八キロメーターであります。
 この区間は、去る本年五月に河津下田道路において最初のトンネル起工式が知事を初め国会議員や地元関係者の臨席のもとに盛大に開催されました。工事も盛んに行われ始めており心強く感じておりますが、今後の見通しについてお伺いをいたします。
 次は、河津下田道路T期区間五・七キロメーターであります。
 ここは、下田市箕作から下田市六丁目の区間であります。途中には蓮台寺インターチェンジ、敷根インターチェンジが計画されており、下田市民の皆様が最も関心の高い区間であります。用地交渉が始まっていると伺っております。現況と今後の見通しについて事業の推進と早期開通を期待してお尋ねをする次第であります。
 次は、水産漁業の振興についてお尋ねをいたし、初めに観光との連携についてお伺いをいたします。
 静岡県は長い海岸線を持ち、それぞれの地域や漁場の特色を生かして水産漁業が発展をしてまいりました。その結果本県は我が国でも有数の水産県となっております。平成二十八年の海面漁業における生産量は十八万三千トン余りでこれは全国第四位であります。生産金額では五百四十七億円でこれは全国第三位を誇るものであります。県内の魚市場にはキンメダイやシラス、サクラエビ、カツオなど特色ある水産物が水揚げされ、これらは水産業のみならずブランド化による地域の特産品として観光業にとっても重要な役割を果たしております。
 しかし、魚市場においては食の安全・安心に対するニーズが高まる中施設の老朽化が進行しており、水産物の鮮度保持や衛生管理が課題となってまいりました。また水産物の流通段階においては本県に水揚げされた水産物の多くは県外向けにより低廉な価格で流通されており、観光客向けを含めた県内向けに新鮮な水産物を産地の特色をより生かした形で高付加価値に提供する体制が十分に整っている状況にありません。このためこれからは、引き続き漁協の施設の整備の支援とともに県内各地の漁協で行われている直営食堂の運営の強化やそして地元の旅館・ホテル等の観光業界と連携をして地元の新鮮な水産物を県内に提供できる流通体制を確立し、集客力や販売力をさらに向上していくことで漁業者の所得の向上や地域の活性化を図っていくことが重要であります。
 伊豆地域では、伊豆半島が世界ジオパークに認定され東京オリンピック・パラリンピックの開催、伊豆縦貫自動車道の建設の促進など今後国の内外からの観光客が見込まれることから、地域の基幹産業である観光と水産業とが連携し水産物をPRしていくことが今まで以上に重要になってくるものと思います。本県における観光と連携した水産業の振興についてお伺いをいたします。
 最後に、魚礁整備の取り組み状況についてお尋ねをいたします。
 本県沿岸漁業の長期的な傾向を見ますと、全体的には右肩下がりの状況であります。特に近年は浜名湖のアサリ、駿河湾のシラス、サクラエビ、そして下田や稲取のキンメダイなどの水揚げが激減してきております。さらに今年の七月、八月、九月と連続した台風により出漁した日が全く少ない状況にあります。加えて燃料の高騰も続いております。資源の維持増大に対する積極的な取り組みが今こそ重要であると認識をしております。
 このような厳しい状況において、本県でも水産業の発展のためにさまざまな取り組みが行われております。人工魚礁を整備することは新たな漁場をつくり出すことであります。漁業者の収入増加に対する直接的な効果もあります。
 そこで、伊豆半島沿岸海域の生産力の向上を図るため行われている魚礁整備について現在実施している地域の進捗状況と今後の全体計画についてお伺いをいたす次第であります。
 以上、私の質問を終わります。懇切丁寧なる答弁をよろしくお願いをいたします。
○議長(渥美泰一君) 川勝知事。
        (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 森竹治郎議員におかれましては、政治の世界におきましても同じ稲門におきましても大先輩でいらっしゃいまして、後進の私の言動に細かく目配りをしていただいていることがわかり心から感謝をささげます。
 そうした中、私の政治姿勢についての御質問でございます。
 その中で掲げられました課題、ワールドカップ、オリンピック・パラリンピック、特にオリンピック・パラリンピックはこれが伊豆半島東部で行われるということからこれを大成功させるという決意を持っております。
 そしてまた沼津の問題につきましては、貨物操車場の原町への移行が原町の発展になるというように進めたいと考えております。
 それからまた東静岡における知の拠点、中央図書館全館移転でございますが東海道五十三次、今は五十七次と言われておりますけれども、そのど真ん中に知の拠点、これを駅とともにある知の拠点というものにしてまいりたいと思っております。
 JR東海さんとの絡みにおきましては、リニアに私は賛成をしておりますけれども赤石を含む南アルプスの水脈、流量、これに大きな懸念を持っておりまして全量を確実に大井川に戻すということにつきましては一歩も譲りません。そしてまたリニアが開通いたしましたならば、空港新駅というものをつくるという報告が二〇一三年の春にリニアにかかわる中央新幹線小委員会で書かれておりますので、粛々と駅の建設を進めてまいりたいというふうに思っております。
 野球場につきましても、ドームというようなことも言う人もいらっしゃいますので市とともに十分に話し合いをしながら、誰もにとって平時にはにぎわいを、有事にはその役割を果たせるような施設をつくってまいりたいと考えているところであります。
 こうしたことに臨む政治姿勢についてでございますけれども、基本的に明治百五十年、その明治元年三月に出された五箇条の御誓文ということでございます。「広く会議を興し、万機公論に決すべし」、「上下心を一にして、盛に経綸を行うべし」、「官武一途庶民に至る迄、各其志を遂げ、人心をして倦まざらしめん事を要す」、「旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし」、「智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし」という、こういう姿勢で臨んでまいります。
 そうした中でこの九年間、特に二期目におきましては仏とはほど遠いようないわば修羅の道に入ったかなという面もございました。議員におかれましては哲学者、梅原猛先生との対談をお読みいただいているということを感謝いたします。あの対談は前後二回にわたり半日にも要しましたけれども、その対談の中であったか、あるいは雑談であったか言われたことがあります。決して怒ってはならぬということでございました。これは自分は宮沢賢治を愛読しているものでございまして、あの「雨ニモマケズ」の詩編の中に「雨ニモマケズ、風ニモマケズ、雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ」、そこに「決シテ瞋ラズ」ということに思い至りまして、そしてこれを肝に銘じて九年目を務めているところであります。
 あの詩編には、東に病気の子供があれば行って看病してやる、西に疲れた母がいれば行ってその稲の束を負うと、南に死にそうな人がいれば行って怖がらなくてもいいと言い、そして北にけんかや訴訟があれば行ってくだらないからやめろと言うと。行って解決しろと。つまり現場に問題があるから、現場に行けと言っているわけであります。ですから私は、この三百七十万の県民を先生とし県土をテキストとして、そこそれぞれに行って現場把握をしながらこの精神で政治を行っていきたいと。政治の目的はこの社会から争いや犯罪をなくす、平和な社会をつくる、そしてそこに生きている方々が暮らしの中に幸福を感ずると、よりよい暮らしができるようにするということにあるかというふうに存ずる次第でございます。
 ただ、仏になるというのはお釈迦様になるということで死ぬことでございますので、よくよく考えるとちょっとおかしなことを言っているなと思いまして理屈で言えば地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人間界、天界そしてその上に縁覚、声聞そして菩薩、そして仏の世界がございます。ですから賢治さんがそこで言っているのは菩薩道かなというふうに思いまして、人のため世のためになるように私としましてはこの県が全世界二百近くある中で日本がそのモデルになるように、そしてその日本の中でこのふじのくに静岡県がそのすばらしい理想郷のモデルになるように励んでまいりたいと思っておりますので、これからもよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。
 次に、伊豆半島の観光振興についてのうち、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック対策についてであります。
 オリンピック・パラリンピックは、四季折々の美しい景観、特に伊豆半島は文豪川端康成が海と山の風景の画廊と評したところでございます。そのようなすばらしい景観、 自然と風土に恵まれた食文化、豊富な温泉などこの伊豆半島の魅力を国内外に発信する絶好の機会です。この機会を生かし伊豆半島の観光振興に取り組むことが重要であると考えております。
 現在、二〇一九年に本県で展開される静岡デスティネーションキャンペーンに向けまして、県と地域が一丸となって新たな観光素材の掘り起こしと磨き上げを行っているところであります。この取り組みを継続しより魅力のある体験・交流型メニューを旅行商品として提供することにより、国内外からの誘客を促進してまいります。また外国人観光客がストレスなく本県を周遊できるように宿泊施設従業員が異文化を理解するための研修会等を実施するとともに、WiFiの導入や観光マップの多言語化等を促進するための支援など外国人観光客の受け入れ体制の整備を進めているところであります。
 さらに、サイクルスポーツの聖地創造会議におきましてはレガシーの創出について議論を進めているところであります。競技会場であるサイクルスポーツセンターを拠点として自転車の愛好者が利用しやすい環境を整えるほか、多くの方々が気軽に起伏の多い伊豆半島を楽しめるE―バイクの活用を進めるなど聖地づくりを推進してまいります。
 私どもといたしましては、オリンピック・パラリンピックという好機を逃すことなく国内外からの誘客促進に努めますとともに、大会終了後も観光交流人口の拡大を図るという目的を持ってそのことにより伊豆半島を初めとする県内全域の地域経済の活性化など経済的豊かさの実現が生まれるということを目指してまいりたいと思っております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(渥美泰一君) 佐藤政策推進担当部長。
        (政策推進担当部長 佐藤典生君登壇)
○政策推進担当部長(佐藤典生君) 臨時財政対策債についてお答えいたします。
 地方の財源不足を補うための特例的な措置である臨時財政対策債は、地方交付税の身がわりとしての発行が常態化しております。特に過去に発行した臨時財政対策債の償還財源を手当するための発行額が年々増加しており、構造的な問題を有していると言わざるを得ません。
 本県は、これまでも臨時財政対策債の廃止と償還財源の確保につきまして国に重ねて要請してまいりました。この結果平成二十七年度から地方交付税の原資となる国税の法定率の見直しなどにより、臨時財政対策債の発行は抑制されてきました。本県におきましても本年度の決定額は七百五十億円とピークであった平成二十二年度の千五百億円の二分の一まで縮小しております。
 しかしながら、議員御指摘のとおりこれまで県民に必要な行政サービスを提供するためやむを得ず発行を続けた結果、本県の臨時財政対策債の残高は一兆円を超え県債残高全体の四割を占めるに至っております。このような状況は本県だけでなく我が国の地方全般に共通する課題であり、臨時財政対策債に頼らざるを得ない地方財政の現状は抜本的な改革が必要であると認識しております。
 県といたしましては、国に対して臨時財政対策債の廃止、償還財源の別枠での確実な確保を強く求めるとともに、この問題は地方財政全体にかかわる大きな課題でありますので全国知事会、関東地方知事会などさまざまな機会を通じ、他の自治体とも連携して国に対して地方財政改革の必要性を訴えてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 渡邉文化・観光部長。
        (文化・観光部長 渡邉眞一郎君登壇)
○文化・観光部長(渡邉眞一郎君) 伊豆半島の観光振興についてのうち、世界ジオパークについてお答えいたします。
 本年四月、長年にわたる地域の皆様の御努力により伊豆半島がユネスコ世界ジオパークに認定されました。この世界に認められた価値を保全するとともに地域の持続的な発展のため観光資源として活用し、交流人口の拡大を図っていくことが重要であると認識しております。
 伊豆半島ジオパークの拠点施設となるジオリアの本年四月から八月までの入館者数は、昨年に比べて倍増しており、世界認定を機に高まったこのジオパークへの関心を伊豆半島全体の誘客に結びつけていく必要があります。このため来年四月に本番を迎えるデスティネーションキャンペーンに向け、伊豆ワサビをテーマにしたジオツアーや海から絶景を楽しむジオサイトクルーズなど農業者や漁業者など地域の多様な関係者と連携した旅行商品の企画を進めております。
 また、今後さらに増加が見込まれる訪日外国人旅行者を取り込むため、留学生等が駿河湾フェリーを活用しながらジオサイトをめぐり、SNS等で海外に魅力を発信するモニターツアーを実施することとし、補正予算案を本議会にお諮りしているところであります。
 さらに、来月末に伊豆半島ジオパーク推進協議会の研究員やジオガイド協会の会員等がユネスコ世界ジオパークである韓国の済州島を訪問し、ジオの魅力を観光資源として生かした先進事例を調査研究するほか今後の連携や相互交流に向けて意見交換等を行ってまいります。
 県といたしましては、こうした取り組みを通じて地域の関係者と連携しながらジオパークの保全と活用を通じた伊豆半島の観光交流人口の拡大を図ることにより、ユネスコ世界ジオパークの認定が伊豆半島の活性化に確実に結びつくよう取り組んでまいります。
 次に、デスティネーションキャンペーンについてであります。
 静岡デスティネーションキャンペーン、いわゆるDCでございますけれども県、全市町、JR六社等が協働して全国に向けて本県の魅力を発信し、新たな観光需要を創出しようとするものであります。本年四月から六月にはプレDCを展開し、県内各地でさまざまなDC限定の旅行企画や観光イベントを実施いたしました。こうした取り組みもあって伊豆地域では、本年四月から六月の宿泊客数が前年から三万三千人増加して二百四十六万人となるなど一定の効果があらわれております。
 また、五月に開催した全国宣伝販売促進会議に参加した旅行会社からは、例えばここでしかできない特別感の演出が必要など改善点を御指摘いただきましたことから、旅行商品を見直しより魅力ある企画として東京、大阪、名古屋で開催する観光商談会や国内最大規模の観光展「ツーリズムEXPOジャパン二〇一八」で提案するなど来春のDC本番に向けて誘客促進に努めているところであります。
 静岡DCの事業費は、県と市町が負担することとしており三年間で三億円を予定しております。これに加え県、市町が行う観光関連事業やJR六社が持つ媒体を最大限活用した全国に向けての広告宣伝、本県への観光列車の運行等を静岡DCに合わせて行うことにより事業費を大きく上回る効果が得られるものと考えております。
 また、静岡DCの開催に当たりまして県はJR東海やJR東日本を窓口として意見交換を定期的に行うなど連携を深めており、また伊豆地域におきましてはJR東日本と美しい伊豆創造センターが協働してワークショップを開催し、観光資源の磨き上げやおもてなしの改善など地域の魅力の向上に取り組んでおります。
 県といたしましては、引き続きJRや地域の皆様と協働して静岡DCの成功に向け全力で取り組むとともに、DC終了後も地域の魅力を高める観光地域づくりを推進し観光誘客を通じた交流人口の一層の拡大を図ってまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 平野交通基盤部長。
        (交通基盤部長 平野忠幸君登壇)
○交通基盤部長(平野忠幸君) 伊豆縦貫自動車道の建設促進についてお答えいたします。
 伊豆縦貫自動車道のうち天城北道路につきましては、一日も早い開通に向けて現在舗装やトンネル設備の工事が順調に進められております。開通時期につきましては河津桜まつり前までの開通を期待する地元の声を踏まえ、国との調整を進めてまいります。
 天城湯ヶ島から河津間の天城峠を越える区間につきましては、事業化に向けて計画段階評価の次のステップである環境影響評価を進めるため、現在評価の項目や手法などを定めた方法書の作成作業が行われております。今後この方法書が県に提出され、環境影響評価の具体の手続が開始される見込みであります。
 河津下田道路のU期区間につきましては、先行整備区間である仮称河津インターチェンジから仮称逆川インターチェンジ間で計画されている四つの橋梁と一つのトンネルのうち既に一橋が完成し二橋で工事が行われており、トンネルにつきましても順調に掘削が進捗するなど整備が着々と進められております。
 また、T期区間につきましては平成二十八年度から用地取得が開始され、昨年度末までに全面積の四%が取得されております。国は早期の用地取得が可能となるよう、本年度から新たに静岡県土地開発公社も活用し用地取得体制の強化を図ったところであります。
 県といたしましては、引き続き地元市町や関係団体と連携して伊豆縦貫自動車道の早期全線開通を国へ強力に働きかけるとともに、伊豆縦貫自動車道の整備効果が伊豆半島全域に波及するようアクセス道路の整備を進めてまいります。以上であります。
○議長(渥美泰一君) 芦川農林水産戦略監。
        (農林水産戦略監 芦川敏洋君登壇)
○農林水産戦略監(芦川敏洋君) 水産漁業の振興についてのうち、観光との連携についてお答えします。
 県内産の特色ある水産物は本県の重要な観光資源にもなっており、例えば伊豆漁協や内浦漁協の直営食堂は新鮮なキンメダイやマアジなどの料理を目当てに年間六万人以上もの来客があり、また由比港漁協の由比サクラエビまつりには四万人もの来客でにぎわっております。こうした産地ならではの鮮度がよい商品の提供とお買い求めいただいたお客様の評判が宣伝効果となって漁業者を初めとする水産業界全体の所得向上に結びつくとともに、より多くの観光客を呼び込むことで地域経済全体の活性化にも貢献するものと認識しております。
 このため、県では漁村地域が一体となって取り組む浜の活力再生プランとして県内各漁協が中心となった直売所や食堂などの整備、観光分野などと連携して運営を支援しており、例えば伊豆漁協の稲取地区では現在農水産物直売所の整備が進められ、JA伊豆太陽農協などと連携して運営、販売を行っていく予定であります。
 また、昨年度県内十四カ所の漁協、漁港食堂を紹介するポケットマップを作成してPRキャンペーンを実施しお越しいただいた皆様から良好な評価を得たことから、本年度は県漁業協同組合連合会や関係団体に県が加わって静岡県産水産物等PR推進部会を立ち上げ、業界が一体となってイベント活動の充実を図るとともに各種メディアや企業と連携して効果的なPR活動の展開に努めてまいります。
 県といたしましては、今後とも東京オリンピック・パラリンピックなどの世界的なイベントの開催の機を逃すことなく、観光分野との連携を図って本県水産業の振興に取り組んでまいります。
 次に、魚礁整備の取り組み状況についてであります。
 県は、県内沿岸漁場での生産力の底上げを図り水産資源を持続的に利活用していくため、魚礁の設置や増殖場の造成など漁場整備を積極的に実施してまいりました。近年の成果として好漁場となる岩礁が少ない遠州灘におきましてシラス漁獲量の増加をもたらす魚礁の設置を行ったところでありますが、現在平成二十六年度から三十三年度までを計画期間として伊豆半島沿岸海域水産環境整備マスタープランに基づき、東伊豆や松崎といった伊豆半島沿岸七カ所におきまして順次魚礁設置を中心に進めているところであります。
 具体的には、大部分が当該地域で一生を終えるとされているマダイの増殖に着目し、稚魚から成魚までそれぞれの成長段階に配慮した魚礁の整備を進めていくこととしております。
 本マスタープランの進捗状況につきましては、平成二十七年度に伊東市地先、二十九年度に松崎町地先において魚礁設置工事を完了したところであり現在は河津町地先で工事中であります。またその後に南伊豆町の大瀬地先、妻良地先の順で進める計画となっております。
 県といたしましては、こうした魚礁整備を着実に進めていくことで伊豆半島沿岸海域全体の資源、漁獲量の回復を図り、生産力向上につなげてまいりたいと考えております。以上であります。

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