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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

良知 淳行 議員

質問分類

代表質問

質問日:

12/05/2013

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について  
 (1) 新総合計画策定に向けた知事の決意  
 (2) 人口減少対策  
 (3) 高等教育機能の充実  
2 来年度当初予算編成について  
3 新たな行財政改革大綱の策定について  
 (1) 市町や民間と連携した行政運営の推進  
 (2) 健全財政の堅持  
4 富士山の利用者負担制度について  
5 県立病院機構の中期目標について  
6 フーズ・サイエンスヒルズプロジェクトの取り組みについて  
7 先導的空港経営について  
8 沼津駅付近鉄道高架事業について  
9 第四次地震被害想定の第二次報告に伴う減災目標について  
10 企業局の中期経営計画の策定について  
11 教育政策について  
 (1) 学力向上に向けた取り組み  
  ア 小学校への教科担任制の導入  
  イ 幼児教育の充実  
  ウ 副教材の選定方法  
 (2) 栄養教諭の増員  
12 今後の警察行政について


○議長(中谷多加二君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百五十六号から第百七十七号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十七番 良知淳行君。
       (十七番 良知淳行君登壇 拍手)
○十七番(良知淳行君) 初めに、去る十月十六日、台風二十六号による土石流によりまして伊豆大島で甚大な被害が生じました。また十一月八日にも台風三十号により、フィリピンでの未曽有の大災害が生じ、犠牲になられました方々に哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた皆様方に対しましても、衷心よりお見舞いを申し上げます。
 それでは自民改革会議を代表し、知事の政治姿勢について及び県政の諸課題について、知事及び関係部局長並びに企業局長、教育長、警察本部長に通告に基づきましてお伺いいたします。
 まず初めに、知事の政治姿勢についてのうち新総合計画の策定に向けた知事の決意についてであります。
 知事は、ポスト東京時代の日本の理想郷をつくるという新総合計画について、平成三十一年度までの基本構想を前倒しして各施策を完遂すると発言をされました。私を初め我が会派では、特にこのポスト東京時代という言葉の意味が、県民にイメージしにくいものではないかと危惧しているところでございます。言うまでもなく総合計画は、静岡県行政だけでなく市町や企業を初めとする各種団体、県民の皆様との連携協働により全県を挙げて取り組んでいくべきものであり、その意味でも県民にわかりやすく表現していくことが求められるのではないでしょうか。知事の考えをしっかりと県民に説明する必要があると考えます。
 そこで、まず計画の基本理念にポスト東京時代を掲げた県政を進めようとする知事の考えをお伺いいたします。
 また、平成二十三年二月に現在の基本計画が策定されてから現在に至るまで、さまざまな県の施策が実行されていますが、一部の分野で、その進捗におくれが見られる結果となっているのが現実であります。現在の県民の暮らしを取り巻くさまざまな課題が山積する中、まず何よりも徹底した選択と集中で施策の推進に邁進することが切に求められているものであります。
 我が自民改革会議では、去る十月十七日に県民の関心が高い防災・減災対策を初め、依然として厳しい雇用情勢への対応、早急な学力向上対策など次期計画に対する政策を取りまとめ、知事に提言をしたところであります。
 そこで、我が会派からの提言を踏まえ、どのように計画を策定されたのか、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、人口減少対策についてお伺いいたします。
 去る八月二十八日、総務省が発表いたしました二〇一三年三月末時点の人口動態調査において、本県は前年度同期より一万五千四十五人の減少と北海道、福島県、新潟県に続き全国で四番目に人口減少が多いという結果がありました。特に本県では、転入人口より転出人口が多く、社会減が七千四百三人となっております。これは福島第一原子力発電所の影響が大きい福島県、北海道に続き三番目に社会減が多いというものであり、憂慮すべき結果であると考えます。
 また、二〇一三年三月に発表されました社会保障・人口問題研究所の人口推計でも、本県の減少数は歯どめがかからない状況が続き、六年後の二〇二〇年には約三百六十万人、二十六年後の二〇四〇年には約三百万人にまで減少すると試算をされています。本県の活力を支えるためには、経済、産業の担い手となる人の力が何よりも重要であることは論を待つことなく明らかであります。また将来の人口減少を見据えた社会資本整備や教育、福祉施策なども検討をする必要があるのではないかと考えます。
 我が会派では、知事に対し本県の人口減少の原因分析を行い、その対策を次期基本計画に反映するよう提言を行ったところであります。我が会派からの提言を踏まえ次期計画ではどのような方針、対策をもって取り組もうとされているのか、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、高等教育機能の充実についてお伺いいたします。
 文部科学省の平成二十四年の学校基本調査によりますと県内の高校出身者の大学への入学者数は約一万九千人で、そのうち県外の大学、短大への進学者数は一万三千人を超え、非常に多くの学生が他県に流出している状況にあります。この流出する学生数は全国七位の規模であり、県内の大学の収容率も全国で四十二位と下位に低迷しています。
 また、総務省の住民基本台帳年報によりますと本県の十八歳から二十三歳において、社会移動による人口減少数が非常に多くなっている一方で、二十四歳以降で顕著な戻りがないという実態も判明しております。こうした状況を踏まえれば、将来の本県の産業を支える優秀な人材を確保して育成するための早急な対策を進めることが望まれます。
 私は、本県の産業構造から考えますと、理工系などの新たな学部を県立大学に増設するなどし、すぐれた学生を県内に留置するとともに、大学を核として企業等との研究者の人材交流や大学と企業との連携を推進すれば、社会移動による人口減少幅の圧縮に加え新たな産業の創造につながるものと考えます。
 また、今年度に設立が予定されております大学コンソーシアムについては学住一体のまちづくりの核として期待されていますが、その活動が一部の地域での取り組みに終わることなく、県全体において大学間相互の連携や大学と地域との連携、交流を推進する必要があると考えます。
 そこで、県は高等教育機能の充実に向け、今後どのような方針で取り組むのか所見をお伺いいたします。
 次に、来年度の当初予算編成についてお伺いいたします。
 県は、去る十月来年度当初予算編成に当たり、財源不足が四百三十億円に上るとの試算を公表いたしました。この解消に当たりましては基金の活用や歳出のスリム化で対応することとしており、政策的な経費を過去最大の一五%削減するとし、各部局に編成通知をしたとのことであります。
 しかし、一方で総合計画の次期基本計画の重点施策にかかわる新規の取り組みについては、特別枠として各部局の所要額での予算要求が可能としております。現在県政には地震・津波対策や雇用改善、教育の充実など多くの課題が山積しております。限られた財源の中で総合計画を着実に推進するのは大変厳しいものではないかと考えます。いかに重点施策とはいえ、財源の裏づけがない中で特別枠と認められれば上限なく予算要求できるとするようなやり方で適切な予算編成ができるのでしょうか。消費税率の引き上げによる景気への影響や海外経済等の動向次第では、来年度の税収が現在の試算よりも大幅に落ち込む可能性もあり得ると考えます。
 来年度は、総合計画の次期基本計画の初年度であります。県財政の健全性を維持しつつ喫緊の課題への対応を初め計画に位置づけられた重点施策を着実に推進していくため、来年度の当初予算編成などをどのような方針で取り組むつもりか所見をお伺いいたします。
 次に、新たな行財政改革大綱の策定についてのうち市町や民間と連携した行政運営の推進についてであります。
 県では、本年度中に新たな行財政改革大綱を策定するため、これまで六回にわたる外部有識者の会議を開催し、市町や民間との連携や外郭団体の見直しを初めとする今後の行政運営に関する具体的な取り組みを検討していると聞いております。
 本県の行財政を取り巻く厳しい環境の中、県民ニーズにきめ細かく対応した持続可能な行政サービスを展開するためには、これまで以上に市町や民間と連携した行政運営を進めていくことが求められます。特に市町との連携に当たっては、将来県全体で人口が二割程度減少する推計がある中で地域ごとの人口や高齢化率の偏りがさらに進むことが懸念されます。市町の実情に応じた対応を考えていく必要があります。
 また、外郭団体については、これまで団体の統廃合や役職員の削減などに取り組んでこられたと承知しておりますが、今後県と民間との連携を進めるに当たって外郭団体をどのように位置づけ、見直しを進めていくのか改めて検討する時期に来ているのではないかと考えます。
 自民改革会議といたしましては、総合計画の次期基本計画に対する提言の中で県と政令市、市町との協働による行政経営の推進や外郭団体の検証、見直しについて、計画に着実に反映されるよう提言をしたところであります。
 そこで、総合計画の分野別計画として位置づけている行財政改革大綱において、今後市町との連携や外郭団体を含めた民間と連携した行政運営について、どのような具体策を盛り込もうとしているのか現時点の考えについてお伺いいたします。
 次に、健全財政の堅持についてお伺いいたします。
 現在の行財政改革大綱においては、健全財政を維持していくため県みずからコントロールできる通常債の残高を二兆円程度を上限とすること、四年間で六百億円の財源を捻出することを目標に掲げておりますが、現在策定している次期の行財政改革大綱においても引き続き目標としていると聞いております。
 一つ目の県債残高については、通常債の残高は二十五年度末の見込みで一兆七千九百億円程度となっております。目標である二兆円を大きく下回っており、十年以上前に設定した目標をそのまま維持することには疑問を感じます。また地方交付税の身がわりとはいえ臨時財政対策債の残高が右肩上がりで増加しており、その結果県債全体として二十五年度末で二兆六千八百億円を超える見込みとなっており、健全化の指標について再検討すべきではないかと考えます。
 二つ目の六百億円の財源捻出でありますが、知事は一期四年間で約六百四十九億円の財源の捻出の実績があったとしており、しかしながらその中身を見てみますと、過去に行った地域手当の見直しによる職員の給与削減などについて効果が継続しているとして重複計上するなど数字合わせをした結果としか考えられない内容となっております。これら二つの指標を引き続き目標設定する考えについてお伺いします。
 また、今回新たな目標としてプライマリーバランスの黒字の維持を設定するとのことでありますが、基礎的な財政収支において臨時財政対策債を県債として含めない場合は黒字になることは当たり前であり、健全財政の目標としては甘いのではないかと考えますが、この指標の妥当性についてあわせてお伺いいたします。
 次に、富士山の利用者負担制度についてお伺いいたします。
 富士山が世界遺産として登録されて初めての夏季における登山者数が約三十一万人で、昨年と比較しまして約八千人の減少となりましたが、平成二十年に三十万人を超えて以来、増減はあるものの三十万人前後で推移をしております。今後も多くの方々が富士山を訪れると思われますが、来訪者の増加によりにぎわいの高まりが期待できる一方で、私たちは、世界遺産としての富士山を適切に守っていかなければなりません。
 このような中、静岡・山梨両県では富士山の環境保全、安全対策を目的とした利用者負担制度の導入について来年度の夏山シーズンの本格導入に向けた検討を行っております。この夏の富士山の保全協力金による社会実験が行われた後に有識者会議の利用者負担の専門委員会などにおいて、さまざまな議論がなされたと伺っておりますが、制度の設計に当たっては何よりも登山者や山小屋などの関係者の理解を得られることが大切だと考えております。
 そこで、県は来年の夏の利用者負担の本格導入に向け、どのように課題を認識し今後どのように進めていくのかをお伺いいたします。
 次に、県立病院機構の中期目標についてお伺いいたします。
 県立総合病院、県立こころの医療センター及び県立こども病院の県立三病院は、県内の中核的医療機関として他の医療機関では対応が困難な医療の提供や地域医療への支援の中心的な役割を果たしております。県内に目を向けますと医師不足により診療科の継続が困難になっている病院や救急医療が脆弱になっている地域が生じており、その中で県立病院が地域医療の最後のとりでとして県民の期待に応えた医療提供をしていくことは、当然の使命であると考えます。
 県は、こうした県立病院の使命をより効果的に果たすため、平成二十一年度に自立性、機動性のある病院運営を狙いとして地方独立行政法人に移行をされたとのことであります。独立行政法人化に当たり県は、県立病院機構に対し達成すべき業務運営の目標である五年間の中期目標を示し、本県における高度専門医療等における第一級の病院であることを求めたとのことですが、ことしで移行から五年目を迎えましたが機構は県が示した目標を達成できたのでしょうか。また医療の質は向上したのでしょうか。県の評価をお伺いいたします。
 また、今議会では来年度から五カ年間の新たな中期目標が諮られていますが、これまでの成果や課題を踏まえ、機構に対しどのように充実強化を求めていくのか、県の方針をお伺いいたします。
 次に、フーズ・サイエンスヒルズプロジェクトの取り組みについてお伺いいたします。
 本県は豊富な食材に恵まれており、またこれらの食材が持つ特徴を生かした加工食品の製造など食品産業が大変盛んであり、平成十七年以降食料品と飲料等の製造品出荷額の合計において全国一位となっております。また和食は無形文化遺産にもなりました。
 県では、多くの食品関連企業の集積と食品分野ですぐれた研究実績を数多く持つ静岡県立大学、静岡大学、東海大学、県工業技術研究所といった研究機関などの地域資源を有する県中部地域を中心として焼津市、藤枝市、静岡市の参画を得、産学官の連携により特色のある食品素材の機能性を研究し、新しい食品の開発を進めるフーズ・サイエンスヒルズプロジェクトを推進し食品関連産業の振興に努めてきました。
 プロジェクトでは、平成十四年度以来、国などの大型研究開発資金を獲得し研究開発とその成果の製品化を進めております。平成二十一年度には、プロジェクトの中核機関として現在の公益財団法人静岡県産業振興財団内にフーズ・サイエンスセンターを設置し推進体制を整備するとともに、平成二十二年度から平成二十六年度を計画期間として戦略計画を策定し基本目標と政策展開の方向、これらを達成するための戦略を掲げ、さまざまな施策に取り組んでいるところであります。これまでプロジェクトの推進により食品関連産業の振興に寄与してきたと考えますが、プロジェクトの成果に対する評価、特に戦略計画の目標などに対する総括を伺うとともに、今後のプロジェクトの方向性についてお伺いいたします。
 次に、先導的空港経営についてお伺いいたします。
 富士山静岡空港は、国内遠隔地や海外と本県を結ぶ広域交流ネットワークの拠点として、また地域の魅力づくりや広域防災拠点としてなどの重要な役割を担っております。先般東京オリンピック開催が決定し、これを機に首都圏近隣に位置する富士山静岡空港においても外国人観光客などを初め、より多くの利用者が期待されるところから本県の空の玄関口である空港においては、おもてなしの心をお伝えできるよう万全な体制を整えることが必要であります。またいわゆる空港新駅が整備されますと首都圏へのアクセスがより高まるとともに、空港背後圏が一気に広がるなど富士山静岡空港の魅力が飛躍的に高まるものと大いに期待するものであります。
 このように本県のさらなる発展を支えていく重要な社会資本である富士山静岡空港をより効果的に活用するためにも、今後の空港運営のあり方は極めて重要と考えるところであります。今後の空港運営について、県は先導的空港経営検討会議の答申を最大限尊重するとしており、答申の中では静岡版の空港経営に取り組むべきとされております。
 そこで、まず県はどのような運営体制を目指しているのかその考えをお伺いいたします。
 また、県では新たな空港運営体制構築の一環として旅客ターミナルビルを取得し、機能向上に向けた必要な増改築を行うとしております。富士山静岡空港の旅客ターミナルビルは、全国の地方空港に先駆け民間の資本によって建設され、開港以来民間企業によって経営をされてきたものであります。それにもかかわらずわざわざビルを県有化するというのは、これまで全国に先駆けて進めてきた空港民活化の取り組みから見て違和感を覚えるものがあります。
 そこで、なぜ旅客ターミナルビルの県有化が必要なのか、その理由をお伺いいたします。
 次に、沼津駅付近鉄道高架事業についてお伺いいたします。
 本事業は、沼津駅周辺における交通の円滑化や南北市街地の分断の解消、都市機能の集積など県東部地域の拠点都市としてふさわしいまちづくりを目指して、県と沼津市が一体となって進めている沼津駅周辺総合整備事業の核となる事業であり、着実に進めていく必要があるものと考えます。
 県では、一部で強い反対が残る本事業について平成二十三年十一月からPI――パブリックインボルブメント方式による互恵的な解決に向けた取り組みを進めてまいりました。このPIは、施策の立案や事業計画の策定時に透明性や公正性を確保し、住民や関係者の理解と協力を得るために情報を積極的に提供し、柔軟に調整しながら段階的に進める住民参加の取り組みであります。先月この取り組みを監視、評価してきたPI委員会から推奨案の候補四案を含む報告が知事宛てに提出され、この取り組みは終了いたしました。
 今回県では既に用地買収など事業に着手している本事業に導入し、結果的には知事への推奨案を一案に絞れなかったことになりますが、沼津市の将来のことを思い先行きが見えない本事業について真剣に考え多くの市民が議論を続けてきた結果、この四案に行き着いたことになりました。
 そこで、今回のPIではどのような成果が得られ、どのような課題が見出されたのかお伺いいたします。また数多くの方々に参加していただいたPIで得られた結果をいつまでにどのように生かしていくのか、あわせて所見をお伺いいたします。
 次に、第四次地震被害想定の第二次報告に伴う減災目標についてお伺いいたします。
 県は、このたび本年度六月の第四次地震被害想定の第一次報告に引き続きライフラインの被害、交通施設等の被害、経済被害や住機能、医療機能、物資などの生活支援等に係る想定を第二次報告として公表しました。これによれば地震発生直後から県内のほとんどの地域で断水、停電が発生し、また多くの地域で食料や飲料水が不足するなど厳しい想定結果となっております。改めて県民、事業所の飲料水の備蓄を初めとする対策の重要性を感じたところであります。
 県は、この第二次報告にあわせ六月の第一次報告の際に示した地震・津波対策アクションプログラム二〇一三の百五十一のアクションに工場等の防災・減災対策の促進など十一アクションを追加し、それぞれに目標指数、達成率、達成時期を明記しました。またアクションプログラムの減災目標については、これまで第四次地震被害想定の第二次報告を踏まえ設定するとしていましたが、このたび最大クラスの地震・津波に対しても想定される犠牲者を今後十年間で八割減少させることを目指すと具体的な数値目標を設定されました。この減災目標は、一人でも多くの県民の命を守るという県の決意があらわれているものであり、県民も力強く感じていることと思います。
 そこで、この減災目標を達成するため、県はどのように取り組んでいくのかをお伺いいたします。
 次に、企業局の中期経営計画の策定についてお伺いいたします。
 企業局が運営する工業用水道事業は、産業構造の変化による生産拠点の海外移転、用水型産業の事業規模の縮小等に伴い、主たる収入である給水収益の減少傾向が続いています。平成二十四年度の決算によれば、使用水量が多い大口の受水企業の事業規模の縮小や東駿河湾工業用水道及び富士川工業用水道における二部料金制の導入などの影響により、給水収益が大幅に減少をしています。水道事業でも人口減少、住民の節水意識の高まり、節水型の家庭用機器の普及などに伴い今後水需要の減少が見込まれます。
 一方、工業用水道事業や水道事業の管路、浄水池等の施設の多くは昭和四十年代の建設時から四十年余りを経過し、更新時期を迎えつつあります。水需要が減少傾向にあるとはいえ、これらの事業は産業活動や県民生活の根幹を支える必要不可欠な事業でもあり、今後とも用水を安定的に供給していくためには早晩施設の全面的な更新が必要と考えられます。
 また、地域振興整備事業は工業用地等の造成、分譲を目的としていますが、現在企業の求めに応じて直ちに提供できる分譲用地はほとんどありません。東日本大震災を契機として、あるいは新東名高速道路の開通に合わせて内陸高台部へ工場を移転しようとする企業の動きや内陸フロンティアを拓く取り組みに対し、企業局は工業用地の造成部門として積極的に寄与していく必要があるかと考えます。
 企業局では、今年度計画期間が到来する静岡県企業局第二期中期経営計画に続き、次の中期経営計画を策定中と伺っておりますが、こうした状況を踏まえ次期計画をどのような方針で策定していくのかをお伺いいたします。
 次に、教育政策についての学力向上に向けた取り組みのうち小学校への教科担任制の導入についてであります。
 全国学力・学習状況調査において本県の子供たちの学力が低下傾向にあるという結果は、大きな波紋を呼んでいるところであります。特に小学校の学力低下が憂慮されていますが、私は原因の相当部分は教師の授業力が占めていると考えています。静岡式三十五人学級編制は、少人数学級においてきめ細かな指導の充実が図られているという意味で当然評価できる制度として考えています。一方学級担任をふやすために級外の教員を充てて実現した結果、教師の余力がそがれてしまったマイナス面もあると考えています。
 そこで、学力向上に向けた取り組みとして小学校において学級担任制から教科担任制に切りかえる方法があるのではないかと考えます。これは教員が教科ごとに授業を受け持つことにより、児童が複数の教師から指導を受けられるということになり、子供のよさの再発見にもつながり教師の得意な教科で多くの児童を指導することができるなどのメリットがあると考えるからです。
 このように小学校における教科担任制の導入が学力向上につながるのではないかと思いますが、教育長の所見をお伺いいたします。
 次に、幼児教育の充実についてお伺いいたします。
 少子化、核家族化、共働きの増加など子育てに関する価値観の変化や生活が多様化する中で人として生きていくためのさまざまな能力を育む出発点となる幼児期の教育の充実が、新たな重要な課題として取り上げられております。具体的には、規則正しい生活習慣を身につけたり集団生活に対応する能力を育てたりすることも大切な要素でありますし、学力の最も基礎となる言語活動についても幼児期からの生活の中での働きかけが重要であります。しかし実態は小学校に入学したばかりの児童が授業中に座っていられなかったり、集団行動がとれなかったりといった状態が続く、いわゆる小一プロブレムの問題が顕在化しており、その原因として家庭、地域における子供の教育力の低下が指摘されています。
 このように幼児期の教育に課題が発生していますが、これまで我が国では幼稚園、保育所の子供への教育が、いわゆる教育論の観点から体系的、組織的に真剣に取り組まれてきたとは決して言えないと私は考えております。そもそも幼稚園と保育所では、その所管も設置の狙いも異なっており、さらに同じ幼稚園、保育所といっても私立、公立があり、その教育理念や方法はさまざまであります。私が伺っているところでは、幼稚園、保育所の中には例えば子供の自発性を大切にしながら自然に知的好奇心を育むモンテッソーリ教育などすぐれた実践を行っているところもありますが、残念ながらこうしたよい取り組みを共有するような仕組みがありません。
 ほとんどの子供が幼稚園や保育所を経て同じ小学校一年生になりますが、結果として小学校では多様なありようの幼稚園、保育所からの子供たちを引き継ぐことになり、それが一年生担任の先生に小一プロブレムといった大きな負担をかけています。どの子供も小学校での生活に円滑に入るためのある程度の均質な教育が必要であると考えます。
 そこで、県教育委員会として幼稚園、保育所の別なく小学校への円滑な接続を視野に入れた教育を行うための環境づくりが必要ではないかと考えますが、教育長の所見をお伺いいたします。
 次に、副教材の選定方法についてお伺いします。
 先日、長野市で開かれた日本教育技術学会という会合において、静岡の先生方を支援する立場からということで、次のような訴えを採択したとのことであります。いわく、静岡の先生方が担任した子供たちの教材を選択できるよう要望する。静岡の先生方が多くの見本教材を比較検討し、教材を選択できるよう要望する。こうした要望の背景には当たり前の教材選択の方法、つまりその学年担任が集まって、多くの見本教材を比較検討して決めるということが日本中のどこの学校でも行われているのに静岡県だけが行われていないという認識があるようです。にわかには信じられないことですが、本当にそのような副教材の選定方法が静岡県のみで行われているのでしょうか。
 九月定例会において我が会派の増田県議から同様の質問をした際には、実態を調べるとの答弁がありましたので、調査結果を踏まえ本県の小中学校における副教材の選定方法についてお伺いいたします。
 次に、栄養教諭の増員についてお伺いいたします。
 近年、食生活を取り巻く環境の変化に伴い、朝食欠食などの子供たちの食生活の乱れや肥満、過度の痩身など現代の子供たちの食生活の乱れが指摘されています。そのような状況を受けて子供が食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけることができるよう、平成十七年に栄養教諭制度が始まりました。学校における食育推進の中核的な役割として位置づけられた栄養教諭の役割が今後ますます大きくなると思われます。
 さて、本県では平成二十年度から栄養教諭の配置が始まったと聞いております。しかしながら平成二十五年度現在の学校栄養職員と栄養教諭を合わせた職員配置に対しての栄養教諭の配置率は、全国と比較しますと下位に低迷しております。食育の推進のために積極的に学校栄養職員を任用がえし、栄養教諭のさらなる増員を図るべきと考えますが、今後の見通しについての教育長の所見をお伺いいたします。
 最後に、今後の警察行政についてお伺いいたします。
 平成二十五年も十二月となり、本年の治安情勢について顧みますと刑法犯罪の認知件数は、昨年まで十一年連続で減少し本年も減少傾向を維持しているほか、交通事故の発生件数や交通事故による負傷者数につきましても、昨年より減少するなど静岡県警察の取り組みには一定の成果があったと認識しているところであります。
 しかしながら、全国ではストーカーによる凶悪な事件が発生したり、本県でもお年寄りが被害者となる振り込め詐欺や特殊詐欺が増加したことに加え、交通死亡事故が多発するなど県民の皆さんが安全・安心を体感するにはまだまだ課題が多いと言わざるを得ません。そういった情勢と考えます。
 また、最近のいわゆるサイバー犯罪については、テロ対策はもとより例えばインターネットに絡む少年の福祉にかかわる犯罪の予防といった日常的な問題への対応も警察に求められております。今後もますます県警察の施策は重要なものとなってくると思われます。
 県警では、こうした治安に対する県民の不安を解消するために平成十九年に静岡県警察治安再生プログラムを策定の上、三カ年計画で組織を挙げて治安回復に取り組まれ刑法犯認知件数や交通事故を減少させるなど実績を上げられましたが、各種の検証を加えた結果まだまだ県民の皆様が安心・安全を体感できるレベルには至っていないとして、平成二十二年から新たな静岡県警察安全・安心推進プログラムを策定し、治安対策の再スタートを切り本年がその区切りの年と伺っております。
 そこで、県警察では今日まで静岡県警察安全・安心推進プログラムを推進してきた中で、毎年の進捗状況や県民からの要請などをどのように反映させてきたのか。また今後新たなプログラムを策定するのか。策定するのであれば現在どのような方針を考えておられるのかを警察本部長に対し、お伺いさせていただきます。以上で答弁のほうをよろしくお願いしたいと思います。(拍手)
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 良知議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、新総合計画策定に向けた私の決意についてでございます。
 日本という国は中心地を変えてきました。一番最初に中心地になったのは奈良です。続きまして平安京都、鎌倉、室町京都、江戸、そして東京というように中心地を変えてきたわけでございますが、この中心地を変えるという日本の国柄を改めて振り返りますと、京都を中心に東洋の文明を受容したという特色を見出すことができます。また東京を中心に今日見られますように西洋文明を受容してまいりました。そして東西両方の文明を受容し終えたというのが今の日本ではないかという認識を持っております。
 時代名についてでありますけれども、明治以降の日本は東京が中心地でありましたから東京時代であるというふうに言えると思います。奈良が中心であったときには奈良時代、平安京都が中心だったときには平安時代、鎌倉が中心だったときには鎌倉時代、そして室町京都が中心だったときには室町時代というようにです。
 そして、その東京時代とは西洋文明を東京に受容いたしまして、それを各地に広めた時代であります。しかし今や各地方がミニ東京になるのではなくて、特色を生かした地域づくりを進める時代に入っていると思います。本県もまた本県の特色を生かした地域づくりを進めているのは、党派を越え同じ共通の課題を担っているとの認識を持っております。東京を中心にした中央集権の時代、これを東京時代というふうに言うとすれば、これから各地域がみずからの地域性を生かした時代というのはポスト東京時代と言っていいと。そのような新しい時代を開こうということでございます。
 そのようなときに当たりまして、国土のシンボルであり国土の偶々中心に位置する富士山が世界遺産となったわけでございます。この世界の宝を擁する本県が霊峰から導き出されるたくさんの価値、これに立脚して地域づくりを進めるというのが、まさにポスト東京時代を開くという表現になっております。それは各地域が自立する国づくりの中で先導役を担うのであるという決意を持っての命名であります。
 次期計画におきましては、東京が中心であった時代、それを過去のものにするというポスト東京時代の日本の理想郷をつくるということをもって基本理念として掲げました。今後は県民の皆様とこの理念を共有しながらふじのくにづくりに邁進してまいります。
 また、計画策定に当たりましては、自民改革会議の皆様方から九十一項目に及ぶ大変貴重な御提言をいただき、改めて感謝しております。最優先で取り組むべき防災・減災計画と強靭な県土づくりを初め人口減少への対応、景気・雇用対策、教育改革、行財政改革など喫緊の課題への対応や世界遺産富士山を後世へ継承する取り組み、東京オリンピック・パラリンピックをも見据えた交流人口の拡大などいただいた提言、政策につきましては、私といたしましても全力を挙げて取り組むべき課題であると認識しています。可能な限り次期計画の施策、事業に取り込ませていただき、数値目標の見直しなど所要の対応を図ったところでございます。
 計画が成案になるまでには、さらに一層議論を深めなければなりません。今後とも県議会の皆様方からの御意見を頂戴しながら計画の実効性を高め、全ての県民の皆様が夢や希望を持てる次期基本計画を策定してまいります。引き続き御支援と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 次に、人口減少対策についてです。
 人口減少は、本県のみならず日本全体あるいは先進国の共通の課題でもあります。長期的には出生率が短期的には社会移動が人口減少の主な要因となっています。本県の場合、平成二十四年の合計特殊出生率は一・五二であり、全国平均の一・四一を上回っておりますけれども、社会移動による人口流出が多くなっておりまして、それが人口減少の大きな要因となっているわけでございます。
 人口減少への対応につきましては特段の特効薬はありませんが、しかし出生率の向上を図るということ、また社会移動の増加を静岡への流入に結びつけるなど地道な取り組みが重要です。このため次期計画におきましては、今後四年間特に力を入れて推進する重点取り組みとして人口減少社会への挑戦というのを掲げまして、総力を上げて取り組んでまいります。
 具体的には、合計特殊出生率が二・〇になりますれば人口は減少いたしません。これを目標として掲げ、結婚機運の醸成や職場での子育てへの理解の促進、保育サービスの拡充による待機児童ゼロの実現、お母さんと子供たちの健康の確保、子育て家庭の経済負担の軽減などを図るとともに、何よりも子育てはとうとい仕事であるという理念を全県へ普及し子供を産み育てやすい環境を整備してまいります。
 また、社会全体として減少している、いわゆる社会移動による減少につきましては、高等教育機能の充実と雇用の場の確保を図ることが重要です。大学コンソーシアムによる大学間連携の強化や新しい実学の奨励など他の地域にはない魅力あふれる学びの展開に取り組むとともに、企業誘致、成長産業の育成、誰もが働きやすい就業環境の整備を推進してまいります。
 こうした各種の振興策を展開する一方、人口減少を見据えまして公共インフラの長寿命化を図らねばなりませんし、また県有資産のファシリティマネジメントの推進についても取り組んでいるところです。今後とも人口減少対策に積極的に取り組みまして、生んでよし育ててよしの理想郷ふじのくにづくりに邁進してまいります。
 次に、来年度当初予算編成についてであります。
 平成二十六年度は、富国有徳の理想郷ふじのくにづくりの総仕上げに向けた総合計画の新しい基本計画の初年度です。本県の将来の発展に向けて必要不可欠な施策を精力的に進めていく決意です。具体的には県民の命と財産を守るための地震・津波対策、防災・減災と地域成長とを両立させる内陸のフロンティアを拓く取り組みによる県土の強靭化、さらに新成長産業の育成と雇用創造、次代を担う人材の育成と少子化対策、富士山を生かした地域の魅力づくりなどこれらを重点施策として推進してまいります。
 一方、来年度当初予算におきましては社会保障関係費など義務的経費の増加が見込まれます。また国の地方財政対策の動向によっては、財源不足の一層の拡大が懸念されるところです。それゆえ厳しい財政環境下での予算編成になると考えています。このため現在策定中の新しい行財政改革大綱も踏まえまして、必要性が低下した事業の廃止や長期継続事業、補助金の見直しなど事業のスクラップ・アンド・ビルドによる歳出のスリム化に徹底して取り組んでまいります。
 また、県税の徴収対策を強化し、さらにファシリティマネジメントの考えに基づいた県有資産の有効活用を図るなど歳入の確保につきましても、これまで以上に進めてまいります。これらの取り組みを通じまして、総合計画の新しい基本計画を着実に進めるための重点施策にかかわる財源の確保に努めてまいります。
 次に、富士山の利用者負担制度についてです。
 富士山の利用者負担制度につきましては、富士山の環境保全や普遍的価値の情報提供、登山者の安全確保を目的とし、来年夏からの本格導入に向けまして現在有識者による富士山利用者負担専門委員会で検討していただいております。専門委員会では任意ではあっても登山者全員の協力を目指し、登山者以外の幅広い方々にも協力を求めることや徴収費用を抑えることなどさまざまな御意見が出ております。
 制度の本格導入に当たりましては最も効率的な徴収方法をさらに検討しなければなりません。徴収費用の低減にも考えを及ぼさねばなりません。さらに公平性を担保する制度を構築しなければなりません。制度の趣旨をわかりやすく伝えることも重要な課題です。
 今後は、多くの皆様の理解が得られる制度とするために専門委員会の検討案につきまして、行政や構成資産等の関係者の議論を経た上でパブリックコメントを実施いたしまして、来年一月をめどに関係自治体などで構成する富士山世界文化遺産協議会で最終決定する予定です。将来にわたり富士山保全のための財源を確保する仕組みを構築し、富士山を大切に思う意識を醸成することで国土の象徴である世界遺産富士山を末永く後世に継承してまいる決意でございます。
 次に、先導的空港経営についてです。
 富士山静岡空港は、静岡県のさらなる発展を支えていく重要な社会資本の一つです。その効用が最大限に発揮されるよう将来の空港のあり方を見据えて今後の利活用に必要な機能を整えることが、設置管理者である県の責務であると考えています。その上でこの空港運営につきましては、将来的には民活空港運営法に基づきまして空港の運営権を民間事業者に譲渡し、その事業者が空港全体を一体的に運営するという、国内では例のない新しい運営体制の実現を目指します。
 こうした方針のもとで旅客ターミナルビルにつきましては、航空利用者の乗降や待機など航空機の運航に直接かかわる機能を担い、空港に不可欠な空港機能施設と位置づけられておりますことから、滑走路等の空港基本施設とあわせて設置管理者である県がまずは一体的に保有することが必要であると考えています。
 また、現在の旅客ターミナルビルでは、複数の国際線を同じ時間帯に受け入れることが難しい状況で利用者の休憩場所も狭うございますので、ビル利用者の希望に応えられないという課題が出てきております。今後新規路線の誘致や増便を実現するには、こうした課題を早急に解消する必要があります。そこで現在のビルを県有化した上で西側、すなわち内陸側に国内線専用のビルを増築いたします。現在のビルは国際線専用とし国際線機能や物販、飲食、休憩スペースの拡充など旅客ターミナルビルの利便性の向上を図ってまいりたいと考えております。
 国内線ビルを増築するというのは、国際線の場合には検疫であるとかパスポートチェックだとか、こうした国当局とのかかわりが必要になってまいりますが、それは既に現在のビルにございますので、新しいビルにおきましてはビルだけということで、それが効率的な節約をした形でのビル増築になるという考えのもとでそのようにいたします。
 県といたしましては、引き続き空港施設の管理運営につきましては可能な限り民間事業者に委ねるとともに、官民が密接に連携して富士山静岡空港の競争力をさらに高めることにより、全国の地方空港に先駆けた静岡版空港経営の実現に向け積極的に取り組んでまいります。
 次に、沼津駅付近鉄道高架事業についてです。
 県では、平成二十三年六月に沼津駅付近鉄道高架事業に関する有識者会議からの報告を受け、市民参画型の計画策定手法であるパブリックインボルブメント方式――通称PI方式を導入いたしまして合意形成を図るという推進方針を決定し同年十一月からその取り組みを進めてまいりました。この取り組みを監視し、また評価していただいたPI委員会の委員長より先月十五日に報告書をいただいたところであります。
 御質問のPIの成果といたしましては、第一に多様な形式の議論を通じて市民や関係者の間で質の高い議論を重ねることができましたこと。第二に極めて重要でございますが、賛成、反対、不信が渦巻いていた中で相互の理解が得られ、信頼が醸成されたことであります。また数多くの案がございましたけれども、最終的に四つの案に絞られたこともPIの成果でしょう。そしてまた最終的には県知事に決定を委ねるということについて、関係者の間で共通認識ができたということも成果の一つというふうに認識しております。
 反省点ないしは課題といたしましては、第一に重要な関係者であるJR貨物と沼津市当局の参加が得られなかったことがございます。第二に賛成、反対などさまざまな立場の方々の間での不信がございましたために勉強会の立ち上げに大変苦労をし時間を要したということでございます。また第三に本来一案に絞るべきところを四つの案というところにとどまったということも反省点ではないかと存じます。
 現在、PIでの検討結果を踏まえまして、まず第一にJR貨物に対しまして協議の場に乗っていただくことが大切です。その環境整備を私がいたしました。そして実務者レベルにおきましてJR貨物の御意向を承りながら当方の意見も申し上げて、協議をようやく進められるという段階に入りました。
 また、沼津市当局との協議につきましても沼津市の商工会議所の会頭の仲介によりまして市長さんと親しくお話をすることができ、また県と沼津市とが協力して協議をこれからしていくという、そういうところまで今進んでおります。こうして重要な関係者の参加が得られなかった、その二つの主体が今入ってきたということでございます。沼津市の置かれている現状や市民の方々の思いは十分承知しております。できる限り私は微力を尽くしまして、おのずから方向づけが決まるように努めてまいります。
 次に、第四次地震被害想定の第二次報告に伴う減災目標についてであります。
 想定される大規模地震によるライフラインや交通施設への影響、経済被害等を内容とする第四次地震被害想定の第二次報告を踏まえ先週公表した静岡県地震・津波対策アクションプログラム二〇一三におきまして、県民のとうとい命を全力で守るという決意のもと、想定される犠牲者を今後十年間で八割減少させる、これを減災目標として設定いたしました。
 最も多くの犠牲者が想定されている津波に対しましては、津波の浸水域を減少させるとともに、到達時間をおくらせるために防潮堤などの施設高の確保と粘り強い構造への改良を沿岸八十キロにおきまして行います。それとともに津波避難施設空白地域を解消できるよう命山や津波避難タワー等の整備を促進してまいります。また地域の特性に応じた避難訓練や緊急速報メールによる津波警報等の確実な情報伝達を充実強化し、津波からの早期避難を徹底することなどにより津波の犠牲者数の大幅な削減を図ってまいります。
 このような対策の実施には、市町による積極的な取り組みが不可欠でありますことから九月議会で御議決を賜りました三年分の緊急地震・津波対策交付金事業費九十二億円を一括交付いたしまして、命を守るための事業を前倒しできるように支援をしてまいります。
 県といたしましては、目標の達成に向けて津波対策や建物倒壊による犠牲者を防ぐとともに、津波からの避難路の確保、火災件数の減少にも有効な住宅の耐震化、地域防災力の向上などアクションプログラムに掲げましたハード・ソフト両面にわたる地震・津波対策を全庁を挙げて全力で取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(中谷多加二君) 下山文化・観光部長。
       (文化・観光部長 下山晃司君登壇)
○文化・観光部長(下山晃司君) 知事の政治姿勢についてのうち、高等教育機能の充実についてお答えいたします。
 少子高齢化が進行する中、地域社会の活力を維持するためには優秀な人材の確保が重要であり、大学進学を目指す県内外の高校生が魅力を感じる高等教育機能の充実が求められております。こうしたことを受け県内の大学では、それぞれが工夫を凝らし教育研究の質を高める取り組みを進めているところであり、県でも静岡県立大学や静岡文化芸術大学の取り組みに対して支援をしております。
 このような取り組みを県全体の高等教育機能のレベルアップに結びつけていくためには、各大学がそれぞれの特色を生かしつつ相互に連携を深め機能を補完し合うことが重要であり、県と県内大学が一体となって今年度中にふじのくに地域・大学コンソーシアムを設立することとしております。
 今後は、県内の大学が質の高い教育環境を学生に提供するとともに、地域の課題解決や企業との共同研究などの取り組みを進め、研究成果を地域に還元することで産業の活性化や社会の発展に貢献できるようコンソーシアムの事業を通じて、県全体の高等教育機能の充実を支援してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 土屋経営管理部長。
       (経営管理部長 土屋優行君登壇)
○経営管理部長(土屋優行君) 新たな行財政改革大綱の策定についてのうち、まず市町や民間と連携した行政運営の推進についてお答えいたします。
 今後の人口減少社会の中で持続的に行政サービスを提供するためには、県だけではなく市町も含めた県全体としての行政運営の効率化、最適化を図る必要があることから、新たな行財政改革大綱の中では、こうした方向性に基づき市町と連携した取り組みを進めていくこととしております。
 具体的には、市町と県による仮称でありますが行政経営研究会を設置し、大都市制度や広域連携に係る課題について検討するとともに、ファシリティマネジメントの推進など市町と県との共通の行政課題の解決に取り組んでまいります。
 また、民間との連携も非常に重要であり、例えば公の施設の管理運営においてPFIの一形態であるコンセッション方式の導入を検討するなど民間事業者の積極的な活用を大綱に盛り込んでまいります。
 外郭団体につきましても行政を代替補完し、住民の福祉の向上に貢献するという役割を果たすためにサービス利用者の意見を事業の改善に反映させる仕組みを検討するなど団体の一層の効果的な活用を促進してまいります。さらに団体の必要性、経営の健全性、事業の有効性等について団体ごとに必要に応じて数値目標を設定した上で定期的な点検評価を行い、その結果を外部の視点から検証し県議会にも提出することによって、評価の実効性や客観性を高めてまいります。
 次に、健全財政の堅持についてであります。
 県債残高の目標につきましては、県ではこれまで事業の重点化や優先化により通常債の発行の抑制に努め、県債残高はピークである平成十四年度末の一兆九千九百三十億円から平成二十四年度末には一兆八千二百四十八億円まで減少しております。しかしながら今後地震・津波対策、国の経済対策、税収の動向を踏まえた県債の活用の可能性などを考慮した場合、一定程度の幅をもって県債残高を管理していく必要があります。このため引き続き二兆円程度を上限に県債を管理していきたいと考えております。
 また、臨時財政対策債につきましては、地方交付税の身がわりとして国が配分額を決定しており、県みずからが発行額をコントロールすることはできませんが、その元利償還金は全て交付税措置されるというものであります。そのため引き続き県みずからがコントロール可能な通常債についてのみ、目標とする残高の対象としてまいります。
 続いて財源捻出につきましては、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの早期実現のため、これまでの四年間で六百四十八億円余の財源を捻出いたしました。今後の四年間におきましても引き続き厳しい財政状況が予想される中、これまで進めてきた財源捻出に加えてさらに同程度の六百億円の捻出に取り組み、総合計画の新しい基本計画のもと、ふじのくにづくりの総仕上げに向けた施策を進めてまいります。
 最後に、プライマリーバランスについてであります。プライマリーバランスとは、その年度の行政サービスの提供に必要な経費をその年度の税収等でどれだけ賄えているかを示す指標でありまして、ストック指標である通常債残高の目標に加え毎年度のフロー指標として、プライマリーバランスの黒字維持を目標として設定するものであります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) 県立病院機構の中期目標についてお答えいたします。
 県立病院機構は、県が中期目標で示した高度専門医療等の提供及び地域医療支援の実施について、県立総合病院の救命救急センターや県立こども病院の小児救命救急センターの開設など他の医療機関では対応が困難な医療の充実に努めるとともに、医師の確保が困難な地域の公的病院に対し医師を派遣するなど積極的な取り組みを行っております。
 また、経営面においても手厚い医療を集中的に提供して平均在院日数を短縮するなどにより、より多くの患者を受け入れ収益の増加を図るとともに、委託事業の効率的な執行などの経費節減に努め毎年度黒字決算を達成しており、質の高い医療の提供と効率的な病院経営を両立し中期目標を十分に達成しているものと評価しております。
 こうした評価を踏まえつつ今議会にお諮りしている次期中期目標では、基本的役割は維持しつつ医療技術の進歩に対応した高度専門医療等を充実強化するとともに、県と連携した医師確保対策の実施や災害時医療の強化に加え、認知症や発達障害への対応など本県における重要な政策的な医療についての取り組みも追加したところでございます。
 県といたしましては、今後とも県立病院機構が本県医療の中核として、県全体の地域医療の確保に大きな役割を果たし、安心医療の提供に寄与できるよう支援してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 渥美経済産業部長。
       (経済産業部長 渥美敏之君登壇)
○経済産業部長(渥美敏之君) フーズ・サイエンスヒルズプロジェクトの取り組みについてお答えいたします。
 県は、平成二十二年三月に策定した戦略計画に基づき、フーズ・サイエンスセンターや県立大学との密接な連携のもと、おいしく香りのよい茶飲料等の開発を目指す地域結集型研究開発プログラム、試作品開発助成、企業連携を支援する食品等開発研究会、総合食品学講座による人材育成などに取り組み、食品関連産業の振興を図ってまいりました。
 このような取り組みの結果、一番茶の新芽を黒いネットで覆い、うまみ成分を増加させた白葉茶や血糖上昇抑制効果が期待される無加糖まぐろだしつゆ、抗酸化力があり十月に水産庁長官賞を受賞したサクラエビを原料とした調味料など機能性があり、付加価値の高い商品が生まれております。
 また、戦略計画の平成二十六年度の目標数値に対する平成二十四年度末の実績は、産学官連携による研究件数が目標二百件に対して百六十一件、製品化件数が目標五十件に対して四十一件、プロジェクト参画企業数が目標三百社に対して四百二十一社となるなどプロジェクトは着実に進展しております。
 今後も引き続き大学や試験研究機関と連携し、機能性がある高付加価値型食品の開発を進めるとともに、六次産業化の促進や東部、西部地域の企業へのプロジェクトの参加促進による全県展開などに取り組み、食品関連産業の振興を図ってまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 白井企業局長。
       (企業局長 白井 滿君登壇)
○企業局長(白井 滿君) 企業局の中期経営計画の策定についてお答えいたします。
 次期中期経営計画ではサービス供給体制の維持と経営基盤の強化、これを経営理念に掲げ引き続き県民福祉の向上と本県の経済発展に寄与してまいる方針であります。
 工業用水道事業及び水道事業につきましては、本年度から四年間をかけて将来の水需要に見合う施設規模へ全面更新するための基本計画となる水道施設更新マスタープランを策定することとしております。このマスタープランの策定により事業ごとの長期経営ビジョンや将来必要となる料金水準なども明らかになりますが、プランの策定時期と次期計画期間が重なっております。このため次期計画期間中は、引き続きアセットマネジメントによる施設の長寿命化や運営コストの削減を図るとともに、多額の累積赤字を抱える工業用水道につきましては、まずは単年度収支の黒字化に向け料金見直しを行うなど将来にわたって用水を安定的に供給できるよう経営基盤の強化に努めてまいります。
 地域振興整備事業につきましては、工業用地の造成を通じて企業誘致の面から内陸のフロンティアを拓く取り組みを推進することとし、企業進出により恩恵を受ける地元市町とも連携して進出企業の用地取得費の負担を軽減するなど価格競争力のある用地の造成に努めてまいります。その際用地の迅速な供給という観点から進出企業に対する市町の支援策の内容や用地の立地条件等によっては、企業局が先行して用地造成を手がけることも検討課題としてまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 教育政策についてのうち、学力向上に向けた取り組みについてお答えいたします。
 まず、小学校への教科担任制の導入についてでありますが、小学校の段階では学級担任が生活指導をしながら子供たちに寄り添い、心の安定を図りつつ学習指導に当たることが必要という考えから学級担任が全教科を担当することが基本となっております。
 しかしながら、議員御指摘のとおり教科担任制により複数の教師と子供が人間的なかかわりを持つことは大変重要であり、学校では学級担任同士が相互に教科を担当し合ったり、学級担任外の教師が専門性を生かして幾つかの学級を指導したりするなど学力向上に資する取り組みを工夫して行っております。また県教育委員会では、高学年において理科専科教員や音楽、図画工作、家庭等の専門的な知識、技能を持った非常勤講師を配置しております。
 今後も小学校におきましては子供の発達段階を考慮し、これまで行ってきた教師の得意教科を生かした教科担任制や専門性の高い非常勤講師の配置を推進するなど学力向上に向けて取り組んでまいります。
 次に、幼児教育の充実についてであります。
 議員御指摘のとおり子供たちが小学校生活に円滑に入っていくためには、保育所や幼稚園において小学校入学後の生活を視野に入れた幼児教育が行われることが重要であると考えております。県教育委員会といたしましては、幼稚園において小学校へのつながりを重視した活動が行われるよう初任者研修や指導主事の訪問を通じて働きかけてまいりましたが、一方で保育所につきましては連携し、情報を交換する機会が少ないのが現状であります。
 今後は、保育所を所管いたします健康福祉部などと連携して保育所や幼稚園の関係団体、市町、小学校の代表者等で構成する協議会を設置し小一プロブレムなどの課題の共有を図るとともに、保育所、幼稚園それぞれの特色を生かした対応策について検討してまいります。
 さらに、幼児教育の研究・研修や支援を通じて保育所、幼稚園と小学校が連携協力していくための拠点機能を県総合教育センター内に設けることについて検討するなど幼児教育を体系的に推進し、小学校への円滑な接続に向けた体制づくりに積極的に取り組んでまいります。
 次に、副教材の選定方法についてであります。
 副教材の選定方法につきましては、十一月に政令市を除く市町教育委員会に対し全公立小中学校四百九十五校を対象とした調査を実施いたしました。調査結果によりますと、副教材について各社の見本を比べて選定していると四百九十五校全校が回答したところであります。
 副教材の選定基準といたしましては、児童生徒に確かな学力がつくか、教科書との関連性があるか等を重視しており、学習指導要領が求める学力の定着に向けた副教材が選定されていると考えております。また選定した副教材について、全ての市町教育委員会において管内の公立小中学校に対し新年度に届け出の書類の提出を求めており、副教材が適切に選定されていると考えております。県教育委員会といたしましては、各学校における副教材に関する手続事務及び使用状況について、市町教育委員会が引き続き的確な把握等に努めるよう指導してまいります。
 次に、栄養教諭の増員についてであります。
 子供たちが食についての正しい知識と望ましい食習慣を身につけ、生涯にわたって健康な生活を送るためには、各学校において学校給食を活用した食育指導を教育活動全体を通して計画的に推進することが大切であると考えております。そのため県教育委員会では、平成二十年度から栄養教諭を計画的に配置し、本年度は県内全市町において五十二人の栄養教諭が食育指導を行っております。
 小中学校では、栄養教諭の活動により食に関する指導計画の作成率が大幅に向上し、子供たちの朝食摂取率や給食における地場産物活用率も全国平均を上回っている状況にあります。
 県教育委員会といたしましては今後食育を一層充実していくため、これまでの栄養教諭配置の成果を踏まえ、学校栄養職員に栄養教諭免許の取得を促すなど栄養教諭の増員を進めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 島根警察本部長。
       (警察本部長 島根 悟君登壇)
○警察本部長(島根 悟君) 今後の警察行政についてお答えいたします。
 現行の静岡県警察安全・安心推進プログラムにつきましては、数値データ等の分析を行っているほか警察署協議会を初めとした各種会議での要望、意見や県政世論調査等を参考に毎年進捗状況を検証しており、これまでにも平成二十二年に設定いたしました犯罪抑止の指標である刑法犯認知件数の数値目標を達成状況に応じて上方修正するなど絶えず県民の皆様の意見や検証結果を同プログラムに反映させてきたところであります。
 次に、新プログラムの策定についてお答えいたします。
 平成二十二年から四年間にわたり現行のプログラムを推進してまいりましたところ、刑法犯認知件数が減少するなど数値上の治安については着実に改善されてきたところであります。しかしその一方でストーカーやドメスティック・バイオレンス等の生活安全相談や高齢者を狙った振り込め詐欺、交通死亡事故が増加傾向にあり、加えてサイバー犯罪等の新たな治安上の課題も生じているところであり県内の治安情勢は依然として予断を許さない状況が続いております。
 このような情勢にありますことから新プログラムを新たに策定することとし、現在部内において検討を進めております。その策定方針でありますが、現下の情勢や現行プログラムの成果と課題を踏まえ、犯罪の起きにくい社会づくり、人に優しい交通安全社会の実現、安全・安心のための警察力の強化を三本柱として、それぞれの柱に重点施策を盛り込み四カ年計画で策定する方針であります。
 今後も安全で安心して暮らせる静岡県の実現に向けて、プログラムに掲げる各種施策を推進してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 良知淳行君。
       (十七番 良知淳行君登壇)
○十七番(良知淳行君) それでは、二点再質問させていただきます。
 人口減少対策についてでありますけれども、人口減少対策は本県にとって大切なことは、減少する人口が三十年後ですとか四十年後、将来どこかでそれをとめていかなけりゃいけない。そのためにも今後いつか動かなければいけないわけですが、今から動いていかなければ僕はいけないというふうに思っています。
 そのためには、まず出生率の向上は言うまでもありませんけれども、本県の人口が他地域に比べましてより多く減っているという実態、そして県外への人口の流出が多いという実態。そしてそういった対応に対しましてですけれども、そういったことをしっかり考えていくのが重要じゃないかなというふうに思います。
 特に十九歳から二十三歳前後の若者の流出が非常に多い。そしてその後戻ってこないというつまり高等教育の弱さといいますか、本県の産業力の雇用力の陰りが見えることが課題といいますか、そういったことが考えられるんじゃないかなというふうに思います。
 それともう一つの側面といたしましては、人口減少の流れでは相当の劇的な変化がない限り変えられないのかなと。そういったところを考えますと、都市の政策というかインフラの整備の行政施策を改めて行っていく必要があるのではないのかなというふうに思うところであります。
 こういった課題は二十年先、三十年先の本県の将来を見据え、中長期に明確なビジョンを持つということが、僕は今一番必要なときじゃないのかなと。二十年、三十年先のビジョンというものをしっかり持つ。その四年間という限られた期間で策定していく総合計画の基本計画では限界があるんじゃないのかなというふうに私は感じています。
 そういった意味も含めますと新規基本計画の取り組みは着実に進んでいるわけでございますけれども、本県といたしましては人口減少対策の一つのプロジェクトとして、来年度からでも県を挙げて本格的に分析研究を進める、そういった外部有識者も含めて意見をいただきながらですけれども、そういった施策に結びつける議論を巻き起こしていくことが僕は非常に必要じゃないのかなというふうに感じています。ぜひその辺につきましても知事の所見をお伺いしたいと思います。
 それと教育長にお伺いさせてもらいますけれども、副教材の関係であるわけですけれども、私の手元にですけれども、そういった日本教育技術学会から、今教材は二月の段階で見本教材が届けられて、場合によってはひどい場合では新担任が知らない場で教材が決まってしまっているという調査報告が数多く挙がっているようでもあります。そういったこと等もありますので、その辺をぜひ知らない間に決まらないように、しっかり皆さんで学級担任――学年の中でですけれども――しっかりそれが共有できるような教材の選択方法をぜひともよろしくお願いしたいと思います。
 以上、二点にわたりまして、質問にかえさせていただきます。
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 人口減少対策についての再質問にお答えいたします。
 私ども人口減少に対処するための検討は、全庁を挙げてやろうということでございまして既に有識者の方に御意見を賜ったりする機会を持っておりましたけれども、ただいま良知議員のほうからもっと本格的に本県に即した形での有識者会議を立ち上げてはどうかという御提言でございます。
 本当に深刻な事態と受けとめておりますので、これを来年の四月に間に合うかどうかわかりませんけれども人選を進めまして、こうした有識者会議を立ち上げて人口減少に対処するという御提言に正面から応えていきたいと、こう思います。以上です。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) 二つ目の副教材の選定に当たりまして、その選定に当たって教員が参画するというような御質問だったかなというように思います。
 私たちの調査の中でも選定の母体はどこかという調査項目の中では、学年部あるいは教科部で選定をしているということで、少なくとも多くの教員がかかわって選定をしているのではないかなというような調査結果が出ておりますけれども、今の御指摘を踏まえまして、より多くの先生方が関与しながら適切な時期に選定が行われるように、また引き続き市町教育委員会を通して指導をしていきたいなというように思っております。以上であります。
○議長(中谷多加二君) これで良知淳行君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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