• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 答弁文書

ここから本文です。

本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和2年6月静岡県議会定例会

蓮池 章平 議員(公明党静岡県議団)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:06/29/2020番目)
答 弁 者知事


○議長(山田 誠君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 蓮池議員にお答えいたします。
 県の危機管理についてのうち、危機管理体制の強化についてであります。
 命を守る危機管理は本県の最重要課題の一つであります。これまでも県民の命及び財産を守るため充実に努めてまいりました。防疫は防衛、防災と並ぶ国防の三本柱の一つであり、また危機管理の重要な柱の一つであります。今回の新型コロナウイルス感染症に対しましても、私の下に静岡県新型コロナウイルス感染症対策本部を設置いたしまして危機管理監を中心に全庁を挙げて対応に当たっております。
 危機管理事案が発生した場合、全庁における対応を総括するに当たりましてはトップダウンによる指揮命令系統を確保し速やかに初動体制を確立することが要諦であります。緊急事態におきましては可能な限り簡素で効率的な体制が望ましいと考えております。このため引き続き危機管理監が県政の各分野における専門性を持つ各部局を総括し、様々な危機事案に迅速かつ的確に対応してまいります。
 一方、今回の事案におきましては感染症拡大の影響は健康被害にとどまらず社会経済活動のあらゆる面に深刻な被害を及ぼすことが明らかとなりましたことから、改めて市町、医療機関、医師会等をはじめとする関係機関が総がかりで対応に当たる重要性を認識したところであります。
 こうしたことから、今回の対応全般について検証を行いました上で感染症の対応に当たる組織体制の強化、例えば平時におきましては感染症発生時における行動計画の策定あるいは関係機関との連携に向けた調整などを行い、併せて有事における迅速な初動体制の確立や行動計画の実践を担う組織体制について検討をしてまいります。
 次に、ICT関連産業の集積の促進についてであります。
 今回の新型コロナウイルス感染症がもたらした危機は我が国のデジタル対応の遅れを顕在化させました。給付金や助成金など困窮する人々に対し迅速に支援を届けられない状況が発生し、デジタル化の促進が生産性や利便性の向上にとどまらず人々の生活や健康、命を守ることにつながることが明らかとなりました。
 一方で、緊急事態宣言下で外出自制が求められた結果テレワークなどが急速に普及し、情報通信の基盤が整っていれば東京など大都市でなくても仕事が可能であることが裏づけられました。またオンラインによる会議などは経済活動のあらゆる領域で全国各地を結んで一気に浸透しているところであります。
 ウイズコロナ、アフターコロナの時代はこうしたデジタル化の潮流をこれまで以上に加速させることは疑いありません。それは東京一極集中を是正し新しい地方の時代の到来を強く実感させるものでもあります。
 本県は温暖な気候と豊かな自然に恵まれ多彩な産業が集積しております。加えてほぼ全世帯をカバーするブロードバンド網が整えられていることなどデジタル化を支える基盤が整備され、ICT関連産業の集積に向けてあらゆるテクノロジーとの融合が可能な高いポテンシャルを有しております。こうしたポテンシャルを生かし、県では新型コロナウイルス危機を転換点として官民を挙げて本県のデジタル実装を力強く推進しICT関連産業の集積を促進いたします。
 具体的には、昨年度グランシップで開催した首都圏のICTスタートアップ等と県内企業等を結ぶ商談会TECH BEAT Shizuokaを今年度は七月十五日と十六日の両日にオンラインで開催いたします。さらに秋口にかけまして医療版、農業版、分野別TECH BEATもオンラインで開催してまいります。
 こうした商談の成立などを契機にしてICTスタートアップなどに本県へ進出していただくため拠点の賃借料、設備費等々を支援する助成制度を整え企業誘致を進めます。加えてICT技術が不可欠な次世代モビリティーやスマート農業などの実証フィールドの形成や産学官の研究開発に対する支援を行い大学、産業界、教育界等と連携したAI・ICT高度人材の育成にも努めてまいります。これらによってICT関連産業の集積に向けた基盤づくりにも取り組みます。
 県といたしましては、ICT関連産業の集積を着実に進めアフターコロナを見据えたより強靱な産業構造への転換を促進し、経済社会の一層の発展と成長分野を支える雇用の創出などにつなげてまいります
 次に、リニア中央新幹線整備についてであります。
 ユネスコエコパークに登録されている南アルプスは豊かな自然環境が保全される世界の宝であります。この南アルプスを源流とする大井川の水は流域六十二万人の生活用水であります。水田と茶園を主体とした一万二千ヘクタールの農地を潤す農業用水であります。地下水利用を含め約四百五十の事業所を支える工業用水でもあります。加えて水系全体の年間総発電量は一般家庭の約八十万世帯分に相当する発電用水でもあります。
 リニアは国策であるというのはそのとおりであります。しかし南アルプスを世界の宝物として守り抜くということも環境省の担当で国策であります。また七千四百五十ヘクタールの農地を十九年かけて五百七十億円強の公金を投入して平成二十九年に完成いたしましたが、これは農水省の国策であります。それから六十二万人の水道を供給するというのは厚労省の国策であります。また地下水、様々な工業用水を提供し発電を行うのは経産省の国策であります。全て、どの国策が重要というものでもなく全ての国策が重要でありましてリニアだけを国策とするのは国交省鉄道局並びにJR東海の思い上がりであるというふうに思っております。
 過去には、地域住民の皆様によって河川流量の回復に向けた水返せ運動が展開されるなど長い歴史の中で関係者の血のにじむ努力の積み重ねにより大井川の現在の水の利用が成り立っておりまして、これが命の水と言われるゆえんであります。リニア中央新幹線整備に伴い、流域の住民の皆様の生活や産業の発展に欠かせない大切な資源であるこの大井川の水に悪影響が生じることは決して許されてはなりません。
 私はこれまで流域の多くの方々の御意見に耳を傾けてまいりました。流域の首長の皆様方との意見交換をはじめ地元市町議会や商工会議所、商工会、自治会の代表の皆様が知事室に足をお運びになられましてリニア工事による水問題では一歩も譲らぬように要請を頂きました。それとともに力強い励ましの言葉も頂いております。このような流域の皆様の思いにつきましては、先週二十六日にJR東海の金子社長にお会いして私からしっかりと和やかな雰囲気の中でお伝えをしたところであります。
 大井川流域住民の皆様は、トンネル工事に伴って大井川の水が減ったり地下水に影響が出れば日常生活に支障を来し、産業活動が滞ることで将来の暮らしがどうなるか分からないという不安を抱かれています。何かあったときの補償が欲しいということではありません。また工事により土地の形状、水量、水質が変化すれば南アルプスの自然環境や生態系は大打撃を受けることになります。失われた自然は取り返すことができないと懸念されており、私も同じように懸念をしているのであります。
 過去には、東海道本線丹那トンネルの工事におきまして芦ノ湖三杯分にも相当する予想を超える多量の湧水が発生し、周辺の水源がかれたことによりまして丹那盆地の住民の皆様の生活に甚大な影響を及ぼし稲作やワサビ栽培を続けることができなくなりました。最近では新東名高速道路の粟ヶ岳トンネルの工事におきまして周辺で沢がれが起こり、それまで豊富にあった簡易水道の水源が枯渇した例もございます。掘ってしまった後では一度失った水は元には戻せないということであります。
 住民の皆様が真に求めるのは、大井川の水に影響が出た後に何かをすることではなくて影響が出ないようにすることであります。そのためにJR東海には明確な根拠を持った説明、また全国新幹線鉄道整備法――全幹法というのがございますが、これは国交省が事業者に認可を与えることを明記した法律でありますけれども同時に事業者が工事を中止したり延期したり変更したりすることをも可能とし、それを国交省が認めるという案文になっております。
 JR東海には明確な根拠を持った御説明をいただき、またリスク管理も含めた影響回避のための確実な体制が目下求められていると存じます。しかしJR東海さんのこれまでの説明は、国交省が設置した有識者会議の委員からも議員御指摘のとおり、専門的過ぎて専門家でも分からない、独りよがりの説明であるなどと指摘される内容となっております。このような状況で大井川の河川流量や中下流域の地下水への影響はないなどと不確実なものを確定的に結論づけられても、到底科学的に納得できるものではありません。
 私は、流域の皆様の不安を払拭できるようしっかりとしたデータ分析の下でトンネル工事に伴って川や沢、地下水のどこにどのような影響を及ぼすことが予測され、それを回避するためにどのような対策を講じるのか地元に寄り添った真摯な姿勢と分かりやすい説明をJR東海に求めてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp