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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成30年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

木内 満 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/02/2018

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 富士山世界遺産センター開館後の諸整備について      
 (1) 富士山世界遺産センターに対する評価と課題及びその対応  
  (2) 富士山世界遺産構成資産の継続的な整備          
  (3) 都市計画道路田中青木線の県整備区間の見通し       
2 富士山火山砂防対策について               
3 静岡県ソフトボール場の早期改修について          
4 森林環境税創設に備えた県の森林政策のあり方について   
5 子供に対する包括的な支援の仕組みづくりについて         


○副議長(山田 誠君) これで土屋源由君の質問は終わりました。
 次に、六番 木内 満君。
       (六番 木内 満君登壇 拍手)
○六番(木内 満君) 私は自民改革会議所属議員として、知事、副知事、関係部局長に分割質問方式にてお伺いいたします。
 最高の富士山が顔を出した昨年の天皇誕生日、十二月二十三日に富士宮市宮町に富士山世界遺産センターが開館いたしました。センターに対する地元富士宮市民の評価は今のところ極めて高いものがあるように感じています。何よりプリツカー賞を受賞した坂茂氏のすばらしい設計による建物は風のない晴れた日には計算どおりに水盤に美しい富士の姿を映し、多くの市民、観光客を魅了しています。建物のみならず展示に対しても高い評価を得ていると感じています。特に逆円錐形のモニュメントの中を登る登拝する山は内側の壁を効果的に使い、最長で幅三十メートルにも及ぶ切れ目のない映像に包まれるとあたかも本当に富士山を登っているかのような感覚を得ることができます。足が悪くて富士山に登ることは諦めていたけれど、これが私にとっての富士登山といった声も聞かせていただき静岡県が世界に誇る施設ができたと大変うれしく感じています。
 すばらしい設計をしていただいた坂茂氏、そしてさまざまな困難を抱えながらも期日どおりの完工をなし遂げていただいた事業者の皆様と現場の県職員の皆様に県議会議員としても、一県民としても敬意と感謝と賛辞を送りたいと思います。また的確にすばらしい設計をお選びいただいた審査委員会の皆様の御慧眼にも敬意を表します。
 すばらしい評価の一方で、センターに対するさまざまな課題の指摘が私のもとにも届いております。またセンターは富士山世界遺産の管理保全の全体的な視野から見れば情報発信を担う一施設であり、一番大切な構成資産そのものの継続的な整備も欠かせません。さらにはセンター開館によって周辺アクセス道路の整備の必要性もより高まったと感じています。
 そこで、富士山世界遺産センター開館後の諸整備について三点お伺いいたします。
 まず初めに、富士山世界遺産センターに対する評価と課題及びその対応について伺います。
 昨年十二月二十三日の開館以来、二月までの二カ月強の間に十一万人以上の方が既にセンターを訪れており、これは県が目標としていた年間三十万人の目標を軽く上回るペースと認識しております。ぜひとも年間来場者の目標を上方修正し、さらに高みを目指していただきたいところであります。
 センターへの課題の御指摘は数多くいただいておりますが、早急に対応すべきと感じているのは展示の濃淡についてです。先ほど展示に対して高い評価を得ていると申し上げましたが、疑似富士登山ができる登拝する山や火山としての富士山を知る荒ぶる山、信仰の対象としての富士山を知る聖なる山、文化の源泉としての富士山を知る美しき山などの展示は大変充実したものがあると思っていますが、一方でまだ中には展示として物足りないもの、一見しただけでは展示の意図が伝わりづらいものなど早期に改善が必要な展示もあるように思えます。またセンターにもさまざまな来館者の声が届き来館者の分析なども進んでいることと思います。
 先ほど指摘させていただいた点も踏まえて、静岡県としては現状のセンターをどのように評価分析し課題を捉え、課題に対して今後どのように対応しようとされておられるのか将来への展望も含めお伺いいたします。
 次に、富士山世界遺産構成資産の継続的な整備について伺います。
 富士山世界遺産の構成資産の整備費に対し、静岡県は観光施設整備補助金を世界遺産関連についてかさ上げをするという時限的な措置を本年度まで行ってまいりました。富士山世界遺産登録以後緊急的な整備については平成二十九年度までの期間である程度行われてきたものと認識しておりますが、今後は学術的な調査を待つ必要がある構成資産の整備や周辺関係者との調整を要する構成資産の整備などが残されており、整備の主体となる市町が安心して調査や調整を経て確実な整備が行えるようなバックアップ体制の必要性を感じています。
 富士山世界遺産構成資産の継続的な整備に関する県の姿勢を伺います。
 次に、都市計画道路田中青木線の県整備区間の見通しについて伺います。
 富士山世界遺産センターは、重要文化財の社殿や特別天然記念物の湧玉池を擁する富士山本宮浅間大社に隣接してつくられました。富士山本宮浅間大社は全国の浅間神社の総本山であり多くの参拝者も訪れる神社ではありますが、参拝と湧玉池の見学を含めても三十分程度で済んでしまうことから観光地としての魅力には欠けると言わざるを得ないところが今までございました。このたびセンターが開館したことで両施設をあわせて一体的な観光地としての魅力が整ったと評価され、体感としても明らかに富士宮市を訪れる観光客がふえています。センター開館後初のお正月となることしの新年三が日には、開館初年度ということもあり元旦よりセンターを開館していただきました。隣接する富士山本宮浅間大社への初詣でにあわせてセンターを訪れる方も多く、ぜひとも来年度以降も正月三が日の開館を検討していただきたいところです。
 一方、例年の初詣で客に加えセンター来館者がふえたことでセンターを中心に富士宮市の中心市街地、今まで経験したことのないほどの大渋滞が発生しました。この渋滞は三が日のみにとどまらず、翌週の消防出初め式においても例年五分で済む数百メートルの消防車の移動が三十分以上かかるなど交通の混乱が続きました。二月に入り週末の渋滞は落ちついたものの新五合目までマイカーで行ける富士山スカイラインが開通する五月以降、また夏の開山期にも同様の渋滞が発生する可能性を感じています。
 センター周辺でこのように大きな大渋滞が発生する背景には、富士宮市の中心市街地を囲む環状道の整備が完了していないことが挙げられます。その中でも静岡県が一部を整備することとしている都市計画道路田中青木線が富士宮市中心市街地の交通円滑化に向けた重要なポイントになります。
 そこで、富士山世界遺産センターの開館に伴いより重要性が増した都市計画道路田中青木線の静岡県整備区間の見通しについて、県の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 木内議員にお答えいたします。
 富士山世界遺産センター開館後の諸整備についてのうち、富士山世界遺産センターに対する評価と課題及びその対応についてであります。
 静岡県富士山世界遺産センターは、富士山の普遍的な価値の次世代への継承、情報発信、富士山を通じた交流機会の創出、総合的な調査研究の拠点として開館いたしました。そして国内外から多くの皆様にお越しいただいております。昨年十二月二十三日の開館以来御案内のとおり、二カ月余りで十一万人と予想を大きく上回る来館者数を達成いたしました。
 議員からも御紹介いただきました、坂茂さんによる独創的な建築の魅力を初め富士登山を疑似体験できるらせんスロープ、四季折々の自然美の豊かな富士山を迫力ある大画面でごらんいただける映像シアター、来館される皆様に富士山について楽しんで学んでいただける展示内容、さらに観光事業者への訪問活動、県外メディア向け内覧会等々開館前の誘客活動も含めて功を奏したことと認識しております。このように施設運営もようやく軌道に乗り始めましたので、一月二十九日から十五日間、早速来館者アンケートを行いました。展示、設備内容、アクセス等に対しまして二百件を超えるさまざまな御意見、御感想をいただいたところであります。このほかメール、電話等を通じてさまざまな御意見も承っております。
 まず、議員御指摘の常設展の展示につきましては、来館者アンケートでは五段階評価で平均が四点以上、正確には四・一七という高い評価をいただいている一方、改善の余地が残されているものもあることもわかりました。いただいた御意見も踏まえ改善を図ることといたしまして、来年度当初予算において新規映像コンテンツの製作など展示内容の充実に要する経費を本議会にお諮りしているところでございます。
 また、来訪者の分析をしたところ県内から来られた方がおよそ八割です。県外からは二割、遠くは北海道、四国、九州などから来られる方もいらっしゃいます。県外からの団体予約もふえてきております。引き続きマスメディア、ウエブなどを活用して国内外に積極的に情報を発信し誘客に取り組んでまいります。
 さらに、館内外の案内サインや駐車場、施設運営に関する御意見をいただいておりますのでできるものから改善を図り、今後も来館者や関係者の皆様方の声に真摯に耳を傾け絶えず進化し何度でも訪れたくなる、本県が世界に誇る施設になることを目指してまいります。以上でございます。
○副議長(山田 誠君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 富士山世界遺産センター開館後の諸整備についてのうち、富士山世界遺産構成資産の継続的な整備についてお答えいたします。
 県では、観光施設整備事業費補助金を活用した構成資産の整備に対する補助制度が今年度が期限になっていることを踏まえ関係市町に照会したところ、人穴富士講遺跡や白糸の滝などについて来年度以降も引き続き整備計画があることを把握いたしました。
 県といたしましては、これらの登拝、巡礼の場等の構成資産についてはユネスコに提出した保全状況報告書の中で適切な維持管理に努めると約束しているものであり、傷み等がある現状を踏まえると着実な整備を促進すべきであると判断したことから、引き続き観光施設整備事業費補助金制度を活用して関係市町の支援を継続することとしその必要な予算を本議会にお諮りしているところであります。なお補助率につきましては、これまでの国の文化財保存事業費関係補助金の適用を前提とした整備に対する県、市町の負担割合を踏まえいずれの構成資産についても国庫補助残額の二分の一の範囲内とし、総額一億円を限度額とすることといたしました。
 県といたしましては、今後とも国、市町と連携して世界遺産富士山の構成資産の整備を進め、多くの皆様に構成資産を実際に訪れ魅力を味わっていただき富士山の普遍的価値への理解を深めていただけるよう取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 鈴木交通基盤部長。
       (交通基盤部長 鈴木克英君登壇)
○交通基盤部長(鈴木克英君) 富士山世界遺産センター開館後の諸整備についてのうち、都市計画道路田中青木線の県整備区間の見通しについてお答えいたします。
 都市計画道路田中青木線は、富士宮市中心市街地の外郭を形成する環状道路の一部であり、通過交通を本路線に転換することで市街地の交通の円滑化が図られることから安全で快適な暮らしを支える道路として重要な役割を担っております。本路線は全体延長約四キロメートルのうち約三キロメートルは既に整備が完了しており、西富士宮駅付近における約一キロメートルの未整備区間については県道三沢富士宮線から北側のJR身延線をまたぐ約〇・三キロメートル区間を県が、残る南側〇・七キロメートル区間を市が施工することとしております。
 現在、県では線路をまたぐ橋梁の構造形式について鉄道事業者との協議を進めるとともに、地域住民と周辺道路の接続について調整しているところであります。今後都市計画の変更を来年度行った後に速やかに事業認可を取得し、事業に着手してまいりたいと考えてございます。
 都市計画道路田中青木線は、富士山世界遺産センターや浅間大社周辺の渋滞緩和に加え国の名勝白糸の滝など富士山周辺の観光地の回遊性の向上にも資する大変重要な路線でありますことから、県といたしましては市とともに整備を推進し機能的な都市活動を支える道路ネットワークの構築に努めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木内 満君。
       (六番 木内 満君登壇)
○六番(木内 満君) それぞれに前向きな答弁をいただきまして、大変ありがとうございます。
 一点、再質問をお願いしたいと思っております。
 富士山世界遺産センターの来館者目標三十万人に対して既に十一万人ということで、単純におおむね六倍すれば倍以上はもうかたいのではないかなと感じているところでありますが、ぜひとも来館者目標を上方修正しその上方修正した目標に対する施策を打っていただきたいなという思いもございます。
 そうした来館者の上方修正に関する県のお考えを伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。答弁求めます。
○副議長(山田 誠君) 西田文化・観光部長。
○文化・観光部長(西田郁夫君) 富士山世界遺産センターの開館後の諸整備についてのうち、富士山世界遺産センターに対する評価と課題及びその対応についての再質問についてお答えいたします。
 富士山世界遺産センターの来館者目標の上方修正というお話でございますけれども、次期総合計画では毎年度三十万人を達成するということで目標を立ててございます。現在はやはり初年度ということで多くのお客様の皆様がお越しいただいているという、初年度効果というところがございまして現在の数ということで思っておりますので、我々としてはまだかたく見積もって今いるところでございますので、しばらくはちょっと様子を見させていただきまして、また後に検討させていただければと思っております。以上でございます。
○副議長(山田 誠君) 木内 満君。
       (六番 木内 満君登壇)
○六番(木内 満君) 知事より、絶えず進化し何度でも訪れたくなるようなセンターを目指すという御発言もございました。何度でも訪れていただけるということが実現すれば今年度の数値がそのまま続けられるんじゃないかと思っておりますのでなるべく早いうちに、鉄は熱いうちに打てと申します。上方修正の御検討もしていただけますようよろしくお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 次に、富士山火山砂防対策について伺います。
 ことし一月二十三日、特に目立った兆候を示していなかった草津白根山の主峰である本白根山が突然噴火しました。平成二十六年の御嶽山噴火において多大な犠牲者を出したことから、火山に対する警戒が強まっていたにもかかわらず事前の兆候を察知できなかった本白根山の噴火は、災害は突然やってくるという当たり前の事実を私たちに突きつけると同時に、火山噴火予知の難しさを示していると受けとめています。
 火山噴火による被害は、一次被害、二次被害含め多岐にわたりますが噴石、火砕流、溶岩流といった噴火の直接的な被害を防ぐことは極めて難しいのが現状です。富士山においてもどこに火口が生ずるかに明確な規則性はなく噴火の箇所、規模を事前に特定することは極めて困難であり、富士山噴火の一次被害に対しての効果的なハード整備を行うことは極めて難しいと理解しています。火山噴火による被害は多岐にわたります。噴石、溶岩流、火砕流などを思い浮かべることが多いかと思いますが火砕流などで降り積もった雪が溶け出し泥流となって市街地を襲う融雪型火山泥流や降り積もった火山灰に雨が降ることによって数年にわたって起こる土石流など、富士山火山対策においてはさまざまな視点での対応が必要となります。
 国は、平成二十七年に活火山法を改正し平常時から噴火に備えた対策を進めています。富士山においても富士山火山噴火緊急減災対策砂防計画が検討され、平成三十年度以降雨による土砂災害対策に加え火山噴火による土砂災害対策を実施すると聞いています。
 富士山の八百八沢とも言われる無数の谷から生ずる土砂災害への備えのうち、大沢崩れを初めとした南西野渓については国の直轄事業として富士砂防事務所が担ってまいりました。火山噴火による土砂災害対策も既存の土砂災害対策を拡張、変更する形で引き続き富士砂防事務所が担うことになりますが、整備の対象となる渓流面積は今まで対象とされてこなかった山梨県側の富士山北麓を中心に二割ほど増加することになります。一方総事業費は七%程度の伸びにとどまっており、真に効果的な事業を国に実施してもらうためには静岡県のより強力な働きかけや精緻な被害想定により減災効果の高い箇所を特定していく努力が必要になってくると思われます。
 静岡県として、富士山火山砂防対策を盛り込んだ富士山直轄砂防事業に対し今後どのように対応していくのか所見を伺います。
 次に、静岡県ソフトボール場の早期改修について伺います。
 富士宮市の山宮スポーツ公園の中にある静岡県ソフトボール場は、当初サッカー場二面、野球場四面のスポーツ公園として富士宮市が計画していた用地の一部を静岡県に提供し静岡県が整備したソフトボール専用球場です。平成十年の第九回世界女子ソフトボール選手権大会のメーン会場として使用され観客収容数五千人、夜間照明設備を有し外野には天然芝を使用するなど当時東洋一と言われたソフトボール専用球場です。
 静岡県ソフトボール場の象徴的な設備のうちの一つがグラフィックボードを備えたスコアボードです。グラフィックボードには出場選手の氏名、ポジションなどを表示できるのみならず大会のロゴマークやスローガンなどをカラーで表示する機能も備えており、参加選手の気持ちを高める重要な設備です。しかしながら静岡県ソフトボール場の目玉設備とも言えるグラフィックボードは五年ほど前からドットの欠損が徐々にふえ、現在はドットの欠損により選手名なども正常に表示できない状態にまで劣化が進んでいます。
 富士宮市は、現在静岡県ソフトボール場をメーン会場として二〇一九ジャパンカップ国際女子ソフトボール大会の誘致を行っておりますが、同大会の開催までにはグラフィックボードの改修を済ませていただきたいというのが富士宮市民、そして静岡県ソフトボール関係者の切なる願いであります。
 静岡県ソフトボール場は、静岡県の施設でありながら富士宮市の山宮スポーツ公園内に立地していることもあり富士宮市が運営管理を一括して行っております。建設当初の覚書により、静岡県は運営費には助成は行わないものの大規模改修については静岡県が行うこととされております。しかし建設から二十年、今日まで大規模改修は行われていないと承知しております。グラフィックボードのみならず、その他の設備の老朽化も目立ってまいりました。
 そこで、今後の静岡県ソフトボール場の大規模改修に関する静岡県の方針をお伺いいたします。以上、答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 難波副知事。
○副知事(難波喬司君) 富士山の火山砂防対策についてお答えをいたします。
 富士山の噴火による広域的で甚大な被害の発生に備え、国及び静岡、山梨両県は富士山火山噴火緊急減災対策砂防計画の策定を進めており三月中に公表する予定です。その対策には高度な技術力と巨額な費用が必要となりますことから、山梨県と連携し国に要望してきた結果、平成三十年度から富士山全域を対象として国直轄砂防事業で実施される見込みとなりました。
 この計画では、火山灰により発生量の増加が見込まれる土石流に対して捕捉効果の大きい沈砂地を対策の柱とすることに加え、コンクリートブロックの備蓄を進め緊急時にはこれを活用して土石流や融雪型火山泥流などに対する応急的な導流堤や沈砂地などを整備することとしております。
 県では今後、重要交通網や防災拠点等の事業効果の高い箇所を明らかにしてその優先的な整備促進を求めるとともに、確実な事業実施の予算の増額などを国へ要望してまいります。また国や市町と連携し事業実施に係る地元調整や地域住民への防災教育に取り組んでまいります。
 県といたしましては、富士山の緊急減災対策砂防計画に位置づけた施設整備の着実な推進を国に働きかけるとともに、静岡、山梨両県知事を筆頭に関係機関で構成する富士山火山防災対策協議会で定めた広域避難計画について避難訓練を実施するなどにより避難計画の実効性の向上を図り、ハード、ソフト両面から富士山の大規模噴火に対する県民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 西田文化・観光部長。
○文化・観光部長(西田郁夫君) 静岡県ソフトボール場の早期改修についてお答えいたします。
 静岡県ソフトボール場は、小学生から社会人まで幅広い世代による全国規模から地域レベルまでのさまざまな大会等が定期的に開催される施設であり、生涯スポーツの振興や競技力の向上、さらにスポーツを通じた交流の促進に大きく貢献しております。
 施設の活用を図るためには、施設の機能を適正に維持するとともに利用促進に努める必要があると考えております。また建設時に締結した覚書に基づき、原則として県が費用負担する大規模補修工事の実施については管理者である富士宮市と協議して工事の内容を決定することとしております。今年度は利用者の安全等を確保するため内野スタンドの防水補修工事を実施いたしましたが、議員御指摘のグラフィックボード等のふぐあいに対しましても施設の有効活用を十分図れるよう市と必要な協議を行い改修工事の内容や時期等を調整してまいります。
 今後も、県ソフトボール場については県内スポーツの拠点として国際クラスの大会の開催のほか多くの県民の皆様に利用していただける施設となるよう富士宮市と連携して効果的な活用を図ってまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木内 満君。
       (六番 木内 満君登壇)
○六番(木内 満君) 二点、要望を申し上げたいと思います。
 まず、火山砂防対策についてであります。
 富士山火山砂防対策については、今回新たに山梨県側が国直轄事業に加わったということもあり、これはまさに卑俗な感覚ではございますが、山梨県側が優先されるのではないかというような心配の声も聞いております。これは国が行う直轄事業で、そして広域の火山砂防対策としての判断であるということは承知しておりますが、静岡県側がおくれているというような感覚を抱かれないようしっかりと、県としても必要な整備箇所について強力な働きかけをしていっていただきたいというのがまず一点要望でございます。
 次に、ソフトボール場の早期改修についてでございますが、先ほど部長のほうからも利用促進にも努めるというようなお話もございました。今までのソフトボール場のあり方、考え方について静岡県ソフトボール場としてありながら静岡県側の主体的な、例えば機能向上や利用促進に対する意思というのを強く感じていたというのは余りございませんでした。これからこれを機に、ぜひ静岡県として主体的に利活用、利用促進、改修、そして機能向上といったことも含めて意志を持って対応していっていただきたいなというのを要望として申し上げさせていただきたいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 次に森林環境税創設に備えた県の森林政策のあり方について伺います。
 森林環境税――仮称――とは国が創設を目指している税であり、森林環境税――仮称――の九割は今後森林管理の主体者になっていくことが期待される市町に直接配分される仕組みが示されています。我が静岡県議会平成二十九年九月定例会においても、森林環境税――仮称――の早期創設を求める意見書を可決しており、こうした我々の思いに応えるように国が目指すスケジュールによれば森林環境税の課税に先立ち平成三十一年度より予算が市町に配分され始める見通しです。
 森林環境税――仮称――の市町への交付開始は、大きなチャンスと期待すると同時にさまざまな混乱を招くのではと危惧もしています。というのも森林環境税――仮称――の使途については市町の実情に合わせるという意図でほとんどが市町の裁量に任されることとなっておりますが、必ずしも各市町において主体的に林業行政を担えるだけの専門人材がそろっていない現状があるからです。また市町ごとに使途が異なることで複数市にまたがる森林の整備においてそごが生じたり、広域的な視野で考えるべき森林政策に乱れが生じる可能性もあります。
 私の住む富士山麓地域を例に挙げれば、比較的なだらかな地形条件、樹齢の構成、県の支援でつくられた合板工場の存在なども考慮して広域的な連携に基づいた森林政策の中で効果的な森林環境税――仮称――の使い道を県と関係市町が協働して検討していくべき必要があると思いますし、そのイニシアチブを県が積極的にとっていかなければ森林環境税――仮称――の効果は発揮できないと考えています。
 また、静岡県のもりづくり県民税とのすみ分けについても市町とよく協議をしていく必要があります。もりづくり県民税は荒廃森林の整備を目的に五年ごとの見直しを行いながら継続している事業ですが、県民からの評価も高く荒廃森林の整備に目的を絞ったことで非常に使いやすく効果も高い事業です。もりづくり県民税の意義を正しく各市町と共有し制度の重複を避け、二重徴税との誤解を招かないような制度設計を働きかけていく必要もあると考えます。
 これらを踏まえ、森林環境税――仮称――の創設に向けた県の森林政策のあり方について所見を伺います。
 最後に、子供に対する包括的な支援の仕組みづくりについて伺います。
 ことし一月二十九日に起きた事件の報道は私の心をかきむしるものでした。富士宮市在住の父親が五歳と六歳の男の子に焼けた金属を押しつけ、やけどを負わせたという事件でした。私の次男はことし六歳です。同じ町に住む我が子と同じ年の子供が一生消えない恐怖の中に置かれていたことに愕然とすると同時に、我が身の無力さを感じました。
 子供が置かれる窮地は単に虐待と表現するにとどまりません。さまざまな障害を抱えているにもかかわらず適切な支援が受けられていない子供。本来であれば福祉の支援を受けているような両親を、そうとは知らずに必死に支えている子供。いじめの被害者やいじめの加害者として自身の生きづらさに向き合わざるを得ない子供。こうした子供の一人一人の置かれている状況は千差万別、一律な支援では真の子供の救済は難しい現状がそこにはあります。
 一人の子供を健全に育て社会に貢献できる自立した大人として社会に送り出すためには、一人一人の子供の置かれている状況全てに対し抜本的な改善につながる包括的な支援を行っていく以外に近道はないのだと考えます。子供に対する包括的な支援の必要性は近年さまざまなレベルでその意義が共有され、子供を中心として子供が生まれてから大人になるまでを継続的かつ包括的な支援の観点を踏まえて見守る制度として市町に子ども家庭総合支援拠点を整備する取り組みを行っていますが、整備が済んでいる市町は県内で三市にとどまっています。子供に対する包括的な支援を効果的に行うためには医療、福祉、教育、警察、地域、保護者への就労、福祉、生活支援等、多岐にわたる支援を誰かが子供の立場に立ってコーディネートする必要がありますが、現状ではその役割を担うべきは児童相談所以外にあり得ないと感じています。
 しかしながら、児童相談所は近年増加する児童虐待事案への対応で限界の状態にあると承知しています。来年度児童相談所への人員増強を行うと伺っていますが、子供を中心とした包括的な支援を行うためには現場の状況は余りに多忙なのではないかと危惧しています。
 市町が行う子ども家庭総合支援拠点の整備に対する支援だけでも多大な負荷が現場にかかることが予想される中で、今後静岡県としてどのような展望を持って子供に対する包括的な支援の仕組みを構築していくのか所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(山田 誠君) 吉田農林水産戦略監。
○農林水産戦略監(吉田 茂君) 森林環境税創設に備えた県の森林政策のあり方についてお答えいたします。
 平成三十年度の税制改正大綱では、森林環境税――仮称――は市町が主体となって行う間伐や人材育成、担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の森林整備及びその促進の費用などに充てることとされております。また森林環境税――仮称――を財源とする事業は平成三十一年度に開始することから、市町と県が連携して早期に実行体制を整備していく必要があります。
 このため、県はこの二月六日に林野庁から担当調整官を招いて市町の担当課長を対象にキックオフ会議を開催し、税の使途の検討や実行体制づくりを始めるよう依頼をしたところであります。今後は三月から五月にかけて全市町を訪問し個別の相談に応じるとともに、六月をめどに広域的な視点から森林整備の進め方や課題を協議する会議を農林事務所ごとに設置してまいります。
 また、県は市町が実施する森林整備への技術的な支援を行うとともに、それらの整備に広域的に対応できる意欲と能力のある林業経営体や森林技術者を育成してまいります。
 現在、県ではもりづくり県民税による荒廃森林の整備を進めているところでありますが、森林環境税――仮称――につきましては今後国が使途などについてのガイドラインを示すことになっておりますので、これに基づき市町と調整を行い市町が税の目的に沿って適切に活用し県の森林・林業施策と相乗効果が生まれるよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 子供に対する包括的な支援の仕組みづくりについてお答えいたします。
 虐待、いじめ、貧困など子供を取り巻く理不尽な状況から守り、心身ともに健やかに成長し自立した成人として社会に送り出すためには行政だけでなく子供に関する支援機関が連携し役割を分担しながら包括的な支援を継続的に行っていくことが重要であります。
 県では、市町要保護児童対策地域協議会を設置し市町を初め児童相談所や学校、医療機関、警察等の関係機関で情報を共有し課題を抱えている子供への包括的な支援を行っております。子供への支援は生活が営まれている身近な場所で行われることが必要であるため、平成二十八年の児童福祉法改正では市町が子ども家庭支援員や虐待対応専門員等の職員を配置いたしまして子ども家庭総合支援拠点を整備し、子供への抜本的な改善につながる支援を行うこととしております。このため市町と合同して行う子供の処遇検討会に加え、研修会や現地指導等を通じ児童相談所の子供の福祉に関する専門機関としての知識と経験を生かし市町の相談支援の中核となる職員の養成を行い、全市町が早期に支援拠点を整備して子供への包括的な支援が行える体制づくりを進めております。また児童相談所職員を計画的に増員して体制の強化を図り、子供の立場に立って課題解決に取り組むこととしております。
 より高度な専門性が必要となる難しい案件に関しましては、市町が持つ子供の情報を十分に踏まえた上で児童相談所が迅速かつ的確に対応するなど一人一人に適した包括的な手厚い支援を行うこととしております。
 県といたしましては、今後も市町や関係団体との連携を強化し子供の立場に立って地域における子供への包括的な支援の充実に取り組み、未来を担う全ての子供たちが安心して健やかに成長できるふじのくにづくりを進めてまいります。以上であります。
○副議長(山田 誠君) 木内 満君。
       (六番 木内 満君登壇)
○六番(木内 満君) それでは、最後に若干の意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、森林環境税創設に備えた県の森林政策のあり方についてに対してでございますが、先ほど国から、これから使途のガイドラインが示されるというようなお話もございましたが森林環境税のスタートに向けてまだ全く、各市町も今後どのようにしていっていいのかわかっていないという現状があるように感じています。実際そのような話も聞いています。
 例えば、森林環境税の使途については一度各市町の政策として始めたものはその後、やはり市町でそれをやめるというのは難しくなってくると思っています。利用促進として例えば市内の木材を利用するものにインセンティブを付すというような政策に例えばかなりの割合が置かれた場合、一方でそうした材にそぐわない荒廃森林の管理がおろそかになるなど、長期的な見通しをもって進めていくためにはやはり県の関与はどうしても必要となるかと思いますし、何よりこれからそういった指導をする現場の負担は重くなってくると思いますので、ぜひとも森林・林業の技術者に対する人員の確保や現場の環境整備なども行っていっていただきたいと思います。
 子供に対する包括的な支援についても私は同様だと思っています。県の存在意義というのは、市町では持てない専門職、技術職をしっかりと育成してそれを現場に生かせられるというのが国でもなく市でもなく県の大きな意義だと思っています。森林や農業、そして子供に直接向き合うような専門職のスペシャリストを県が有することがあって、初めて市町の機動的な政策を支援できると思っております。もうこれは言うまでもなく、児童相談所の勤務の実態などを伺うと大変に厳しいものがありますし、これからますますその多忙化、そして一いち八はや九くのダイヤルで通告もふえていることから認知件数もふえ対応するケース数もまだ増加していくことが挙げられます。特に富士地域においてはその件数も大変多いと伺っておりますので、そうした現場の専門職、技術職をしっかり大事にする県庁であってほしいなということを改めて要望、意見として申し上げまして私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(山田 誠君) これで木内満君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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