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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鈴木 利幸 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/28/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 浜名湖の活性化について
(1)環浜名湖地域における観光振興
(2)アサリ漁業の復活
2 温室メロンの産地振興について
3 中山間地域の茶業再生に向けた技術開発について
4 みかん新品種「春しずか」を生かした産地振興について
5 遠州灘海浜公園(篠原地区)野球場の整備について
6 河川堤防における除草の効率化について


 次に、五十六番 鈴木利幸君。
       (五十六番 鈴木利幸君登壇 拍手)
○五十六番(鈴木利幸君) 私は、自民改革会議の所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、浜名湖の活性化についてのうち、環浜名湖地域における観光振興について伺います。
 浜名湖地域は、平成三十一年三月に舘山寺地区など地域の念願だった東名高速道路舘山寺スマートインターが開通したことで県内外から浜名湖周辺へのアクセス利便性が向上し舘山寺温泉周辺の観光客が増加しており、今後も県内外から多くの観光客が浜名湖周辺を訪れることが期待されております。また昨年一月から四月まで放映されましたテレビアニメゆるキャンシーズンツーは今どきのキャンプを楽しむ若者の姿を描いた作品ですが、天浜線の浜名湖佐久米駅や奥浜名湖展望公園など浜名湖周辺の施設をモチーフとした場面が多く登場したことから多くのファンが聖地巡りに訪れているのを見かけるようになりました。
 こうした明るい話題がある一方で、舘山寺で長らく営業してきたホテルが廃業するなど新型コロナウイルス感染症の拡大が収まらない中、深刻な影響も出ており浜名湖の観光は全体的に落ち込んでいると感じられております。
 我が党が令和二年末に立ち上げた環浜名湖振興議員連盟は、こうした状況を重く受け止め四つの分科会をつくり活動の主軸として観光と水産業を掲げたところであり、地域の声を確実に拾い上げていく中、我々が先頭に立ち地域を盛り上げていくこと、必要性を痛感しております。
 ただ、一口に浜名湖の観光と申しましても私の地元の奥浜名湖から浜名湖南の弁天島まで各地域で特色のある観光資源を有しております。食で言えばウナギ、牡蠣小屋、たきや漁、釣りやサップ、ヨット、サイクリングなどアウトドアレジャーも盛んであり、湖北五山や新居、気賀の関所などの文化・歴史資源に加え最近ではアニメの聖地としても有名になった天竜浜名湖鉄道もあり魅力に事欠きません。こうした浜名湖地域の魅力や地域の資源を各地区の特色を生かして最大限に活用する必要があると考えます。
 また、コロナ禍で旅行者の意識、行動が変わり近隣地域へ出かけるマイクロツーリズムや野外で楽しめるアウトドアレジャー、少人数で自家用車等を利用して密を避ける旅行の需要が高まっており、まさに浜名湖は新たな観光需要の受皿となり得る地域だと言えるのではないでしょうか。
 ウイズコロナの浜名湖地域の観光振興を一層進めるためには、インフラ整備の充実も含め県庁内が部局横断で取り組むことはもとより、浜名湖を囲む市町や観光事業者等と連携して取り組む必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、アサリ漁業の復活について伺います。
 浜名湖の水産業における主要な資源であり観光資源でもあるアサリやカキの漁獲量は、近年大きく減少しています。特にアサリは過去には三千トン以上の漁獲量があり浜名湖の漁業者の生活を支える重要な経営基盤となってまいりました。しかしながら近年は千トンを下回り、昨年はわずか百トンにまで激減し大変厳しい状況にあります。漁業者だけではなく潮干狩りをはじめとする観光業者にとっても打撃は大きく、アサリ漁業の復活は悲願となっております。
 不漁の原因として塩分濃度や潮流の変化、下水道の普及による栄養分の減少、クロダイの食害などがアサリの生育に影響を及ぼしているのではないかと懸念されております。浜名湖地域には漁業に従事するたくさんの若者がおりますが、アサリ漁業の不振から陸上での短期アルバイトで生計を立てる者や漁師をやめるケースが増えていると聞いています。このままでは浜名湖の水産業は衰退してしまうのではないかと大変危惧しております。
 このような状況を改善するため、現場の漁業者はこれまで漁獲量や操業時間の制限など自主的な資源管理措置を講じてきました。またクロダイなどの天敵からアサリを保護する取組などの資源増殖活動にも努めてきましたが経済的な負担も大きく、史上最悪の不漁の中、自主的な取組の継続は困難になっています。浜名湖の今後を担う若手漁業者を育て地域の産業を活性化するためにはアサリ漁業を復活させ経営を安定化することが不可欠であります。それにはアサリの不漁原因の解明や増殖に関する研究を深めていただくとともに、漁業者がより少ない負担でアサリの増殖に取り組むことができるよう手厚い支援が必要であると考えます。同じ一次産業の農業基盤整備には受益者負担額ゼロの補助金があります。漁業者より農業者のほうが人口が多いし漁協より農協のほうが体力があります。
 そこで、アサリ漁業の復活のため県として今後どのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、温室メロンの産地振興について伺います。
 現在本県で栽培されている温室メロンは、大正時代にイギリスから日本に渡りその栽培の歴史は既に百年を超えています。私の地元の浜松市をはじめ県内各地域において先輩や後輩、知人など多くの仲間が温室メロンを生産しております。たくみの技と言うべき高度な栽培技術やおいしさを追求した品種改良、温室メロン専用とも言えるスリークオーター型ガラス温室の活用などにより日本一の産地を築いてきました。
 一方、温室メロンの栽培には高度な栽培技術の習得に加え施設の整備に多額の投資が必要なことから、ここ数年の間は新規就農した生産者はなく担い手の減少が続いており産出額が減少しております。将来にわたって温室メロンの産地を守り生産量を維持するためには、後継者や新規就農希望者の就農を促すとともに担い手へのたくみの技の継承が重要と考えます。
 また、建設コストが高いスリークオーター型ガラス温室は国の補助要件に当てはまらないため、担い手の就農を促すためにも施設整備への支援や生産をやめた生産者が所有する空き温室の活用を検討すべきであると考えます。温室メロンが今後とも本県を代表する農産物であるためには産地を継続的に守り育てることが重要と考えております。とかく新規増設という施策が多いものでございますが前向きのリニューアル施策もあってもいいのではないかと思います。
 そこで、温室メロンの産地振興について県はどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、中山間地域の茶業再生に向けた技術開発について伺います。
 本県では、古くから高品質な煎茶等の生産が行われ本山、川根、天竜など全国有数の歴史ある茶産地が形成されております。これは茶業関係者が茶の品質向上や生産性を高めるために精力的に取り組んできたあかしであり、本県は日本一の茶どころとして国内の茶業を牽引してきました。
 しかし、令和二年の本県の茶産出額は二百三億円と全国第一位となったものの、リーフ茶需要の減少に加え新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて前年より四十八億円の減少と大きく落ち込むなど茶業界は厳しさを増す一方であります。特に中山間地域では生産者の高齢化が進むとともに、傾斜地の茶園が多く大型機械の導入が困難で労働負荷が大きくコスト削減も厳しいことから耕作を放棄する茶園が増加しております。また令和二年までに約三千六百台の乗用型摘採機が県内に導入されましたが、その多くは平坦地域で利用されていると考えられ傾斜地での茶業の省力化が進んでいないものと思われます。
 このような中山間地域の茶業を再生するためには、地域の気象条件などを生かした味や香りに特徴のある良質な茶の生産に加えて傾斜地に対応した機械の開発や栽培技術の改善など茶生産の省力、低コストに向けた技術開発が必要と考えられます。
 一方で、中山間地域の茶園では夜間の気温が低く害虫の発生が少ないなどの利点を生かした有機栽培の取組が行われております。海外では有機茶の需要が高まっているほか、今後は国のみどりの食料システム戦略に対応したSDGsや環境に配慮した取組も必要となることから有機茶のさらなる生産拡大を進めていくことが必要であると考えます。
 しかし、有機茶は味が乗りにくいと言われていることから品質を安定化させる施肥体系等の栽培技術の開発が喫緊の課題であると考えます。また鹿児島県の茶業研究センターを視察しましたが、目指す姿  二〇二八年度には荒茶全国シェア四〇%でもうかる茶業経営だそうです。
 大型機械で基盤整備をする鹿児島県とは違う静岡型茶業経営を研究センターは取り組むべきであります。決して都のような言葉遊びでは静岡茶の明日はありません。なお五十件の茶業経営者現地調査に当たり、自民党の先生方におかれましては御足労かけまして誠にありがとうございました。
 そこで、県では茶業研究センターの再整備を進めておりますが、その再整備に合わせて中山間地域の茶業再生に向けた技術開発にどのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、ミカン新品種「春しずか」を生かした産地振興について伺います。
 本県のミカンは年内に収穫した果実を貯蔵して年明けに出荷することを特徴としており、高品質な果実の安定供給により全国トップクラスの単価で取引されております。昨年JAみっかびが人工知能、いわゆるAIで果実を選別するシステムを装備したかんきつ選果場を稼働したところであります。生産者の皆様からは選別に係る労力が約四割軽減されたと聞いております。
 このような状況の中、県内の他の主要産地ではJAみっかびに続きAIを活用したかんきつ選果場を整備し省力化により生まれた時間を園地での栽培管理に充てることでミカンの品質向上、栽培面積の拡大を目指しております。
 一方、近年温暖化の影響により品質の低下は全国ミカン産地共通の課題となっております。県内の産地においても主力品種の青島温州は気温の上昇の影響によって浮皮や腐敗が発生しており、特に長期間貯蔵する出荷が難しくなりつつあります。他方和歌山県や愛媛県などの主要な産地では、「青島温州」などから極早生、早生ミカンや価格の高いかんきつ類への改植に力を入れております。
 そのような中、県が令和三年に品種登録を出願した「春しずか」は市場で「青島温州」などが少なくなり高単価で取り引きされる三月から四月にかけて出荷できるため生産者から高い期待が寄せられております。またかんきつ選果場を長期間利用できるため選果場の有効活用も可能となります。こうしたことから早生ミカンや「青島温州」に加え「春しずか」を導入することにより消費者ニーズに対応した高品質な果実を年内から希少性が高い時期まで安定して供給できるようになり、県内ミカン産地の優位性が確保されるものと考えます。それから労働力の分散にもなりますので余裕あるかんきつ経営になります。温州ミカンは静岡県に任せていただきたいと思います。
 今後、かんきつ産地の維持発展のためには「春しずか」を早期普及させることが必要不可欠だと考えますが、県としてどのように支援するのか伺います。
 次に、遠州灘海浜公園篠原地区野球場の整備について伺います。
 私は、我が会派の遠州灘海浜公園篠原地区野球場検討プロジェクトチームの座長としてこの一年余りの間、篠原地区に整備すべき野球場の在り方を勉強してまいりました。北は秋田、南は九州沖縄まで全国の野球場を視察し、現地では関係者のお話を直接伺うなど様々な調査を実施してまいりました。また地元においては風、塩害、飛砂、動植物など遠州灘沿岸特有の自然条件や周辺施設の環境への影響等について調査をしてまいりました。
 このような中で浮上してきたのが建設予定地近くの遠州灘で産卵するアカウミガメの存在です。昨年九月に地元でアカウミガメの保護活動をされている方の協力を得て、遠州灘海岸の二か所で生まれたばかりの子ガメを夜の砂浜に放つ実験を見る機会がありました。本来であれば卵からかえった子ガメは生きていくために砂浜からはい出た後、海に向かうはずであります。ところが実験を行った二か所はいずれにおいても、その多くが海とは違う方向へ移動する様子を確認することができました。これは浜松の街の明かりに子ガメが引き寄せられるためだとの説明を受けました。
 アカウミガメは県や市の条例で保護されている希少な生物です。野球場にナイター用の照明を設置すれば状況はさらに悪化する可能性が高いのではないかと危機感を覚えています。対策としては照明施設のない野球場を整備するか屋根で光を遮断するドーム球場などが考えられますが、利用率を考えれば照明施設のない野球場よりもドーム球場が勝ると考えます。
 国内には秋田の大館樹海ドームや島根の出雲ドームなど木材を利用した数千人規模のドーム球場があり、野球以外にもコンサートやイベント等にも多目的に利用され利用率も高いと伺っています。篠原の野球場も、これらの事例を参考に県産材を使用した多目的な利用にも対応できる青少年育成のための野球場を整備すべきであります。
 そこで、遠州灘海浜公園篠原地区野球場の規模及び構造について、県の考えを伺います。
 次に、河川堤防における除草の効率化について伺います。
 近年、気候変動の影響により豪雨災害が激甚化、頻発化しており全国各地で堤防の破堤などによる大規模な水害が発生しています。私の地元である浜松市北区は昭和四十九年の七夕豪雨により都田川の堤防が破堤し大きな被害を受けた地区であります。その後県による河川改修により新たな堤防が整備され、それ以降は大きな浸水被害もなく現在に至っています。
 堤防機能の維持には県が行う堤防除草などの河川維持工事が重要であると考えますが、リバーフレンドシップ制度等による地域の団体が行う除草も大きく貢献していると思っています。河川堤防に草木が繁茂し、放っておけば河川の流れを阻害し氾濫の要因にもなります。また堤防に異常があっても把握ができず洪水による破堤など重大な災害を引き起こすことも考えられます。
 このため、七夕豪雨を経験している都田川流域の地元住民は水害を繰り返さないよう年に二回から三回もの除草を行っています。しかしながら近年地元から、高齢化による人手不足や危険を伴う作業であるため河川堤防の除草が困難になってきているとの声が多数寄せられています。これは都田川に限ったことではなく、県内各地で活動しているリバーフレンドシップ等の団体からも同じような声が聞かれています。
 昨年十二月、県が開催したリモコン式除草機の実証実験には地域の団体代表をはじめ多くの地元関係者が参加しました。私も現地に足を運びましたが、リモコン操作による除草体験を行った皆様方からは、肩かけ式の草刈り機などと比較すると機械本体が除草してくれるため本当に楽な作業になり、何より離れた場所で操作するため安全に除草ができると大変好評を得たものでありました。
 また、静岡市清水区の土地改良において基盤整備地での草刈り作業の軽労化と安全性を確保するため遠隔操作型の草刈り機の導入を決めたとの新聞報道がありました。今後はこのような除草機など最新の技術を取り入れ、安全で安心して効率的な除草を行うことが必要ではないかと考えます。
 そこで、河川堤防における除草の効率化について今後どのように取り組んでいくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(竹内良訓君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 鈴木利幸議員にお答えいたします。
 浜名湖の活性化についてのうち、環浜名湖地域における観光振興についてであります。
 環浜名湖地域は、海の幸やマリンスポーツなどの海の魅力に加え野菜や果物などの新鮮な食材、四季折々に咲き誇る花、遠江八景に代表される美しい景観などの多彩な観光資源を有しております。地域の観光産業の持続的な発展のためには、コロナ渦の中で変化する旅行者ニーズに的確に対応した観光サービスを創出し旅行需要を着実に獲得することが重要であります。
 このため、地域連携DMO浜松・浜名湖ツーリズムビューローや県観光協会、さらには料理人、生産者、文化財管理者、スポーツ関係者、民間企業などこれまでにない様々な分野の関係者が連携し浜名湖花博二〇周年を控えたガーデンパークなどを周遊するガーデンツーリズム、浜名湖の豊かな食材や食文化を生かしたガストロノミーツーリズム、来年の大河ドラマ「どうする家康」を追い風とする歴史・文化観光、マリンスポーツが楽しめるワーケーションなど各地区が持つ資源を観光に結びつけることで付加価値の高い魅力のある商品づくりを進め新たな需要の創出や滞在の長期化に取り組んでまいります。
 また、浜名湖観光圏のインフラ分野での連携を推進するため昨年十一月に交通基盤部ほか県庁内の関係部署による庁内推進組織を立ち上げるとともに、来月には県と浜松市、地元関係者が一堂に会し浜名湖の美しい眺望を持つ大草山の観光活用をテーマにワークショップを開催することとしております。今後舟運やサイクリング等の活用による浜名湖の周遊性の向上や新たな魅力の創出に県と地域が一体となって取り組んでまいります。
 浜松・浜名湖ツーリズムビューローや関係団体、地元観光事業者等と連携し環浜名湖地域の付加価値のさらなる向上を図ることで来訪者、観光事業者及び住民の皆様の全てが幸せを感じられる観光地域づくりを進め、持続可能な地域社会が実現できるよう環浜名湖地域の観光振興に取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○副議長(竹内良訓君) 難波副知事。
○副知事(難波喬司君) ミカン新品種「春しずか」を生かした産地振興についてお答えをいたします。
 ミカンの新品種「春しずか」は、県と理化学研究所が共同で「青島温州」を基に開発した品種です。「青島温州」に比べ成熟が遅く十二月中旬から一月上旬が収穫時期となります。貯蔵中の浮皮や腐敗の発生が少ないため長期間の貯蔵に向き、三月上旬から四月上旬にかけて「青島温州」と同様のおいしさで出荷が可能となっております。県内では現在九産地十四か所で「春しずか」の現地実証を行っております。生産者からは浮皮が少なく味が良いと評価を頂いております。来月には果樹研究センターにおいて県内全域の生産者やJA技術員等を対象とした評価会を開催し、本格的な普及に着手してまいります。
 二月中旬から三月上旬まで出荷される長期間貯蔵の青島温州と三月上旬から四月上旬まで出荷できる「春しずか」を組み合わせることで、二月中旬から四月上旬まで安定して高品質な貯蔵ミカンを市場に供給することが可能となります。これによってこの時期のミカンの市場シェアを七〇%以上とするよう目指してまいります。これを実現するためには五百ヘクタールの栽培が必要であり、これに向けて年間三万本の苗木供給体制の構築に必要な経費を当初予算に計上し本議会にお諮りをしております。
 議員から御紹介のありましたJAみっかびのかんきつ集出荷施設では、AIを活用した画像センサーにより傷や腐りなどを検出、除外し品質がより均一化された商品を出荷するとともに、一箱ごとにバーコードを付与して生産から出荷までの過程を追跡することができる、いわゆるトレーサビリティーを確保しております。今後はこうした取組を県内産地に展開するとともに、輸送や卸売、小売などの事業者と連携をしてバリューチェーン全体で品質を保証する仕組みの構築に取り組んでまいります。
 県といたしましては、ミカン新品種「春しずか」の早期普及により静岡ミカンのブランド価値の向上を図り消費者の皆様から選ばれる日本一のミカン産地を実現してまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 細谷農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(細谷勝彦君) 浜名湖の活性化についてのうち、アサリ漁業の復活についてお答えいたします。
 浜名湖のアサリの不漁の原因の一つとして、窒素やリン酸などの栄養塩の濃度低下によるアサリの餌となる植物プランクトンの減少が考えられています。
 このため、県では新成長戦略研究において浜名湖内のアサリの幼生数や栄養塩の濃度などの調査を行っております。これまでの調査の結果、アサリが好漁だった平成十六年頃に比べて幼生の出現数が約二十分の一に減少していることや浜名湖の北部と南部では植物プランクトンの密度に違いがあることが確認されております。
 アサリの幼生を増やすためには、産卵に適した場所を選定して産卵する親貝を保護することが重要となります。県では漁業者による囲い網の設置などの保護活動に助成してまいりましたが、近年の極端な不漁により漁業者の皆様からは自主的な保護活動の継続が難しいと伺っております。
 このため、県では植物プランクトンが乏しい湖の南部に生育している親貝をプランクトンが豊富で成熟に適する湖の北部に移植し、その場所を網で囲って保護区を設ける取組を来年度から漁業者負担がない形で実施いたします。これにより親貝の産卵を促進させ浜名湖内の幼生を確実に増やしてまいります。
 県といたしましては、苦境に立たされている漁業者の皆様に寄り添い資源の回復に有効と考えられるあらゆる対策を講じましてアサリ漁業の復活に全力で取り組んでまいります。
 次に、温室メロンの産地振興についてであります。
 本県の温室メロンの産地が持続的に発展していくためには、議員御指摘のとおり新たな担い手の確保・育成に向けて高度な栽培技術の継承や温室整備費など初期投資の軽減が重要となります。温室メロンの栽培は天候や生育状況に応じて適切に温度や湿度、土壌水分を管理する高度な栽培技術に支えられております。こうした生産者の長年の経験に基づくたくみの技をデジタル技術を活用して見える化し、栽培経験の少ない新規就農者がデータに基づいて高品質なメロンを生産できる仕組みの構築を支援してまいります。また温室農業協同組合や農業振興公社等と連携して就農希望者が熟練のメロン農家の下で栽培技術を習得する実践的な研修の実施や空き温室の情報提供などに取り組み新規就農者の確保につなげてまいります。
 温室の整備につきましては、温室メロンに特有の施設であるスリークオーター型ガラス温室について昨年度県の助成制度を拡充いたしました。本年度この事業を活用し掛川市でメロン温室一棟が整備されております。
 今後は、農家後継者や新規就農者などの新たな担い手が就農しやすい環境整備に向けて、国の助成制度を活用いたしまして廃業した生産者の空き温室のガラスの交換や暖房機の更新などのリニューアルを積極的に促進し温室メロンの産地振興に取り組んでまいります。
 次に、中山間地域の茶業再生に向けた技術開発についてであります。
 県では、茶業研究センターの再整備に併せ茶業関係者から今後の茶業研究などについて聞き取りを行いました。中山間地域の茶業につきましては傾斜地に適した茶園管理機の開発や有機栽培技術の確立などの要望を頂いたところであります。こうした生産者の皆様の御意見を踏まえ茶業研究センターでは傾斜地茶園における樹形の改良とそれに合わせた茶園管理機の開発や作業を補助するアシストスーツの活用など、労働負荷の軽減に向けた技術開発に取り組んでまいります。
 有機茶の生産につきましては、有機質肥料は地温が低く雨の少ない冬から春先にかけては土の中では分解しにくいため茶の生育に合わせて肥料を効かせることが難しく一番茶の品質が低下する原因の一つとなっております。
 こうした中、本年度の全国茶品評会におきまして掛川市の生産者が有機栽培のお茶で農林水産大臣賞を受賞されました。茶業研究センターでは受賞した茶園の地温や肥料成分などのデータを土壌に埋設したセンサーにより収集、解析し、センター内に整備する有機栽培の研究圃場で篤農家の技術を再現、実証するなど高品質な有機茶の施肥体系の確立に取り組んでまいります。また新しい茶業研究センターに茶業相談室や交流ホールを整備して生産者や茶商の皆様の声を集約し技術開発に反映してまいります。
 県といたしましては、茶業研究センターの再整備に併せ傾斜地に適した技術の開発と普及を強化し高品質で特色のある中山間地域の茶業の再生につなげてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 和田交通基盤部長。
○交通基盤部長(和田直隆君) 遠州灘海浜公園篠原地区野球場の整備についてお答えいたします。
 遠州灘海浜公園篠原地区野球場につきましては、これまでにお示ししている比較検討プラン原案をベースに建設予定地特有の自然条件や周辺環境への対策等を踏まえて規模や構造の検討を進めてまいります。
 周辺環境への対策のうち特にアカウミガメへの対応につきましては、学識経験者や照明技術に詳しい企業、地元関係者等の御協力を得ながらドーム化も含めた施設の構造による対応や最新の照明技術の導入、運用方法による対応等様々な可能性について検討してまいります。その上でドーム球場案も含め複数の案につきまして建設費や維持管理費、利用方法、自然環境への影響、経済波及効果などの観点から総合的に比較検討し規模や構造を決定してまいります。
 また、県産材の使用につきましては草薙総合運動公園のこのはなアリーナで多くの天竜杉を採用した実績があり、遠州灘海浜公園の整備におきましても積極的に活用し魅力ある施設としてまいります。
 県といたしましては、遠州灘海浜公園篠原地区野球場がより多くの県民の皆様に愛され利用される施設となるよう公園基本計画の策定を着実に進めてまいります。
 次に、河川堤防における除草の効率化についてであります。
 県管理河川の除草は、県が河川維持工事で実施するほか県内に六百四十二あるリバーフレンド団体などが行う河川愛護活動の御協力を頂き実施をしております。地域の皆様方の積極的な活動により堤防機能の維持が図られ大変感謝しているところであります。
 しかしながら、現在主流である肩かけ式草刈り機による除草作業は作業効率が低く危険が伴うことに加え労務費の上昇等によりコストが増加し除草できる面積が年々減少しております。このため県では省力化によるコスト縮減が見込める除草方法の検討を進めてきたところであります。
 今年度の実証実験で、堤防幅が狭い中小河川におきましてもリモコン式除草機が安全に使用できることを確認したことから、来年度から河川維持工事へ本格導入するとともにリバーフレンド団体への貸出しも始めてまいります。また繁茂が著しい箇所の除草や樹木伐採等を集中的に行う安全で美しい県土環境保全事業の予算を本議会にお諮りしているところであります。本事業によりリモコン式除草機を使用できる範囲が拡大することとなり、効率的な維持管理につながるものと考えております。
 県といたしましては、引き続き新たな技術の導入等により効率的な除草に取り組むとともに、地域と連携して河川の適切な維持管理を行い豪雨災害に強い安全で安心な地域づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(竹内良訓君) 鈴木利幸君。
       (五十六番 鈴木利幸君登壇)
○五十六番(鈴木利幸君) それでは、意見を述べさせていただきます。
 浜名湖の活性化について意見を述べさせていただきます。
 浜名湖の活性化についてはたくさんの議員が質問してまいりましたが、西の玄関先であります浜名湖は県庁から遠くて、そして政令市が力不足も相まって施策展開がなされていないので我々自民党が浜名湖を囲む市会議員と県会議員それから国会議員で環浜名湖議員連盟を立ち上げたわけでございます。絵に描いた餅で終わらないよう浜名湖活性化施策に対しましてはもっともっと施策展開をしていただきたいと思います。以上で意見を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○副議長(竹内良訓君) これで鈴木利幸君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 明日三月一日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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