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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

柏木 健 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/19/2015

会派名:

無所属


質疑・質問事項:

1 アベノミクスと県内経済について                 
2 静岡県の観光政策について                    
3 ソーシャルネットワーキングサービスを利用した情報発信について                             
4 静岡モデルにおける防潮堤の安全性について           
5 浜岡原子力発電所の再稼働の是非に関する県民意見の集約方法について                          
6 インターネットを利用した教育システムについて          
7 静岡県迷惑行為等防止条例改正後の現状と課題について


○議長(多家一彦君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、二十七番 柏木 健君。
       (二十七番 柏木 健君登壇 拍手)
○二十七番(柏木 健君) 県政の諸課題について、一括質問方式にて知事、関係部局長、教育長並びに警察本部長に質問します。
 まず、アベノミクスと県内経済について質問します。
 アベノミクスとは安倍晋三首相が第二次安倍内閣において掲げた一連の経済政策に対して与えられた通称です。金融政策、財政政策、成長戦略を三本の矢としています。インフレターゲットを二%に設定し金融緩和を実施すると、為替相場は一時一ドル七十円台だったものが政権交代後の二〇一三年五月には百円を突破し二〇一四年には百二十円を超える円安となっています。
 財政政策も総額二十兆円で、東日本大震災からの復興促進、防災体制の強化を軸に老朽化した道路や橋の再築、修復、学校の耐震補強などが対象の公共事業が主体となりました。成長戦略は研究開発・イノベーション創出促進、省エネルギー・再生可能エネルギー投資の促進、新ビジネスへのチャレンジなどを骨格としていますが、なかなか重点分野が定まっていないとの指摘もあります。
 当然、円安となれば輸出産業を中心とする大企業は恩恵がありますが、原材料高からの下請中小零細企業や輸入品の高騰から家計への影響も大きいと言われています。ここに来て原油価格の大幅な下落から影響が緩和されていますが、逆にインフレターゲットの達成は難しくなっています。きのうも出ましたけれども、「二十一世紀の資本」で注目されるトマ・ピケティ氏は非常に厳しい評価をされています。
 そこで、まずはアベノミクスへの知事の評価についてお聞きします。
 次に、アベノミクスはトリクルダウン論理、すなわちトリクルダウンとは滴り落ちるという意味で富裕層から貧困層へ富が滴り落ちることを意味し、具体的には大企業や富裕層を減税により優遇することで富裕層らの経済活動が活性化され最終的に貧困層を含む社会全体に富が行き渡るという理論であります。逆に大企業の多い都市部と地方の格差のさらなる拡大も懸念されます。
 景気を示す指標の一つでもある全国の有効求人倍率は、十二月に一・一五倍となったと厚生労働省から発表がありました。東京都は一・六八倍、愛知県は一・五四倍なのに対し静岡県は全国平均を下回る一・一三倍となっています。ちなみに私の地元の磐田は〇・九七倍、逆に名古屋は二・一五倍と大きく差がついています。愛知県と静岡県は産業構造も似ていると言われ、以前の本県は全国平均をはるかに上回る豊かな県でした。求人と同様に本県の工業出荷額の回復も愛知県と比べると戻りが鈍いと言われています。人口の減少も転出超過数で二年連続ワースト二位となっています。
 首都圏と中京圏に挟まれた静岡県の経済状況につき、なぜ東京や愛知とそのように違うのか、県としてどう分析をしているのか、対応策についてお聞きします。
 私の個人的な意見では、第四次被害想定、特に津波、そして三十一キロ圏に百万人近くが住み多くの企業もある浜岡原発が県の中央にあることなどは、本県の経済に大きな影響を与えていると考えます。次からの質問はその点も念頭にさせていただきます。
 次の質問に移りますが、この静岡県の観光政策についてはアベノミクスともかかわります。
 二〇一四年は、訪日観光客が円安やビザ緩和で一千三百四十一万人に達し、訪日外国人の旅行消費額は二兆円を超え、ことしはもっと大きくなると期待されています。
 そこで、観光庁の宿泊旅行統計調査によりますと外国人の延べ宿泊者の多い都道府県は東京、大阪、北海道の順で、世界遺産の富士山もある静岡県は全国で第十位です。また訪日外国人消費動向調査によると消費額の多い国は中国、台湾、韓国と続きます。そしてその人気を見ると、先日静岡空港と中国天津空港が定期便となりましたように、平成二十六年の第三・四半期では中国では静岡県が第六位と健闘していますが、静岡空港に定期便もある台湾、韓国ではその人気は十位に満たず、まだ十分に努力できると考えます。
 そこで、静岡県の今後の外国人観光客誘致への取り組みについてお聞きします。
 また、JTB総合研究所が団塊の世代を対象に実施した調査の中で約七割の人が今後五年ぐらいの間にお金をかけたいものは旅行と答えているように、団塊の世代も外国人同様重要な誘客ターゲットです。特に昨今の観光は以前の団体から個人旅行、高級志向へとシフトしており、この調査の中でも一緒に行く相手は配偶者であり子供と続きます。旅行先の選定に最近の動向ではツイッターやフェイスブックといった他人のSNSを見て来る観光客がふえております。
 先日、友人から、川勝さんがおいしいと言うものならおいしいだろうな。多分川勝さん、大分口が肥えていそうだからと知事の好みの店や食材、温泉宿を聞かれたことがあります。多分知事の知名度や経歴からそのように思ったのでしょう。
 そこで、海外にも精通し人気もあり団塊の世代でもある知事がSNSによる県内情勢や県内のグルメ、観光情報を発信してみてはどうか。知事のSNSが呼び水となって、県内の新たな観光地が注目されたり古い観光地が再度脚光を浴びることもあるかもしれません。
 ちなみに、橋下大阪市長はツイッターで百二十八万人近く、東国原元宮崎県知事は六十万人余り、猪瀬前東京都知事は四十二万人余り、舛添都知事は十五万人近く、泉田新潟県知事は四万二千人、大村愛知県知事は二万八千人余りのフォロワーがいるそうです。
 次に、先ほども少し触れましたが、ソーシャルネットワーキングサービスいわゆるSNSを利用した情報発信について伺います。
 先ほど、首長の皆さんのSNSについて述べさせていただきましたが、世の中はメールからSNSの時代となっています。若い世代はパソコンや携帯のメールを使っていないことが多く、スマートフォンのSNS機能を使っています。三年後の新入社員はパソコンメールが使えないかもとの指摘もあるくらいです。逆にLINEを筆頭としたスキルは目をみはるものがあると言われています。
 そこで、県の防災メールや県からの情報について現在フェイスブックは積極的に取り入れているということですので、特にLINEについても対応を考えていくべきと考えます。県の重要施策の子育て支援の対象世代や若者への情報提供、万一災害の起こったときの一つの重要な情報伝達ツールとなると考えます。災害の際もSNSは他人のパソコンやスマートフォンでもログインをすれば使えます。SNSの活用は来年度予算でも提案されています。
 そこで、県としてSNSツール、特にLINEを用いた情報伝達への対応について伺います。
 次に、静岡モデルにおける防潮堤の安全性についてお聞きします。
 十二月議会の建設委員会で、私は静岡モデルについて浜松市と天竜川東側の磐田市や掛川市で整備が進む防潮堤の安全性について質問をしました。当局側の答えは、浜松市側はCSG堤を採用しており、これは津波が乗り越えても壊れないという工法である、一方、磐田市等の防潮堤はレベルツーが乗り越えない高さで構築され安全性は確保されていると考えているとのことでした。乗り越えないので大丈夫とはどういう意味なのか、乗り越える前に壊れる可能性はないのかと不思議に思います。
 そもそもこの防潮堤は、東日本大震災と第四次被害想定などで、特に沿岸部の県民の不安を少しでも小さくする目的で地元市と県が連携して構想をつくり、現在磐田市や掛川市が防潮堤の整備を行っているように工事の施工は天竜川東側では地元の市であります。各市とも財政状況が大変厳しい中で多額の予算を防潮堤に出費をしています。
 これに対して、県は市町の負担を軽減するため、防潮堤に使用する土砂について公共事業等で発生する土砂を提供しています。また民間業者からも土砂提供の申し出があるなど防潮堤建設に向けた土砂提供の支援が今後も活発になってくるものと思われます。
 こうした中、土砂については発生する場所によってさまざまなものがあり、防潮堤に適さない土砂の使用により防潮堤の安全性が損なわれることを懸念する声も上がっています。防潮堤は津波に対して人命を守る施設です。地震や津波に対する安全性は十分に確保されるべきであることは言うまでもありません。
 そこで、住民の不安払拭のためにも市が建設する防潮堤の安全性の確保について、県は静岡モデルを推進する立場でどのように支援をしていく所存であるのか所見をお聞きします。
 次に、浜岡原子力発電所の再稼働の是非に関する県民意見の集約方法について伺います。
 二〇一四年十一月七日、伊藤鹿児島県知事が九州電力川内原子力発電所一、二号機の再稼働に同意する考えを表明したとのニュースが流れました。それは十月二十八日に薩摩川内市議会が再稼働を進める陳情を採択し、岩切薩摩川内市長も市議会の慎重な審議を尊重し、国の責任で再稼働を進めるとの方針を地元として理解すると宣言し、県議会も再稼働を求める陳情を採択したことを受けてのことでした。そして鹿児島県知事は地元の同意とは薩摩川内市と県のみと繰り返したそうです。しかし原発から五・二キロに位置するいちき串木野市では、二〇一四年の六月二十四日に市民の半分を超える子供を含めた一万五千四百六十四人の再稼働反対署名が市長、議会宛てに提出されており、また一部が三十キロ圏に属する姶良市議会では川内原発の再稼働の反対と廃炉を求める意見書を可決しています。やはり安全性はもとより避難計画の不十分さや火山の噴火リスクなども問われています。ある意味、三十キロ圏の自治体は薩摩川内市以外は地元扱いされなかったことになります。いちき串木野市議会議長も、うちの市では市民の大半が再稼働に反対という強い民意がある、国も県もないがしろにしないでほしいと訴えたとのことでした。
 その中、二〇一四年十一月十二日、中部電力浜岡原子力発電所の半径三十一キロ圏内にある藤枝市など七市町が中部電力に求める安全協定案に原子炉施設の設置、変更についての事前了解が盛り込まれることになりました。七市町は今後、今年度中の協定締結を目指して交渉準備を進める一方で市町ごとの事前了解の意見集約のあり方について各市町で検討することになります。そして藤枝市長ら七市町の代表は、川勝知事宛てに中部電力との協議への参加を求めて県庁を訪問し協定案を知事に渡したという報道がありました。政府は、地元とは地元すなわち関係道県――言ってみれば知事です――が決めるとの見解を示しています。地元をめぐる問題は福井県の関西電力高浜原発や青森県の電源開発大間原発などでも起きているようです。
 そこで、知事として、浜岡原発の再稼働につき地元同意の範囲として三十一キロ圏の自治体を含めるという解釈をしているのか伺います。
 また、従来の地元四市の一つの松井掛川市長が十月一日から常設型の住民投票条例が施行されたことに関連し、浜岡原発の再稼働の是非の判断につき、住民の意思を確認することがあり得る、市長や市議会、住民の考えがばらばらだったり対立の状況にあったりすれば住民投票に付する必要性があると強調したとの報道がありました。同市の条例では住民、市議会、市長の三者に発議権があり、住民発議の場合は市長から対象事案と認められた後に投票資格者の六分の一以上の署名が集まれば投票が実施されることになっています。結果は投票率にかかわらず必ず公表され、市長と市議会は総合的に意思決定をすることになっています。
 しかし、本県では二〇一二年に十六万五千百二十七人分の署名で直接請求された中部電力浜岡原子力発電所の再稼働の是非を問う県民投票条例案を知事は賛成の意見を付しましたが、議会では条例原案、修正案をいずれも否決しました。その後知事は二期目の選挙で住民投票を公約していたと報道されています。鹿児島県の川内原発の周囲の自治体の混乱は、鹿児島県が再稼働の同意につき範囲や方法を定めていなかったことが挙げられます。
 そこで、今後あり得る浜岡原発の再稼働につき、住民投票を含め知事として県民の考えの集約方法についてお聞きします。川勝知事や新潟の泉田知事らの発言に、我々三十一キロ圏の住民だけでなく多くの県民や国民も注目しています。
 次に、教育長に、インターネットを利用した教育システムについてお聞きします。
 昨年、親の年収や学歴が高い家庭の子供ほど学校の成績がよいという調査結果が文部科学省から公表されました。親の学歴や年収が高いほど家庭での勉強時間が長いという傾向が見られます。また同じグループであれば家庭での勉強時間が長いほうがより成績がよいという傾向もあります。年収や学歴が最も高いグループで勉強時間がゼロのケースと、最も低いグループで三時間以上勉強している子供の成績はほとんど変わりませんでした。年収や親の学力にかかわらず学習時間が長ければ確実に成績を上げられるわけです。
 子供たちの家庭学習をサポートするには学習塾の存在も否定できません。しかし昨日もありましたけど、貧困で行きたくても行けない生徒もいます。一方、文科省によると二〇一三年度に年間三十日以上欠席した不登校の小中学生は全国で十一万九千六百十七人と発表がありました。また高校に入学したものの義務教育の範囲で理解不足があり高校の授業についていけず、義務教育の分野を再度復習したいと思っている子供たちもいると想像します。そして勉強はしたいのに学校が荒れていて授業に集中できないとか、親の収入不足で塾に行けない、人間関係などで不登校だが授業は受けたいなどの多くの悩みを抱える子供たちに、その学力向上のためにもできる限りの支援をすべきと考えます。
 そこで、それを補う一つのツールとして、仮称ウエブスクールIN静岡を検討、開講してはどうかと考えます。現代は大きく情報通信が発達しました。技術的には十分可能と考えます。既に大手の予備校ではネットを中心に授業を配信しているところもあります。副産物として大人になってから義務教育の分野を学ぶ生涯学習も可能になります。
 そこで、教育先進県静岡として、インターネットを利用した教育システムの検討についてお聞きします。
 最後に、警察本部長に、静岡県迷惑行為等防止条例改正後の現状と課題についてお聞きします。
 平成二十五年六月議会で静岡県迷惑行為等防止条例の改正案が可決され、十月一日より施行されました。その中で今回は不当な客引き行為が禁止となりましたので、その部分についてお聞きします。
 改正内容は言語、動作による客引き、ホステスなど従業員の勧誘、ビラ、パンフレットによる誘引、客待ちなどの禁止事項の拡大でした。どんな問題にも陰と陽があり大変難しい問題と考えますが、条例が改正され、静岡県における繁華街での県民の安心感は増しましたが、同様に施行されている大都市等では逆に繁華街の衰退の点で心配もあるようです。
 東京や大阪の繁華街で実施された規制についてさまざまな意見があり、その一部を紹介しますと、街が安全であることはよいことであり、犯罪や暴力が横行するのは大きな問題である、その一方で、繁華街にはミステリアスな部分もあり魅力的である、客引きをする若者は通行に迷惑だが、その若い人たちが生活をするための仕事ではなど個人個人の安全・安心の捉え方によってさまざまなものがあることには驚いております。
 中でも、やはり第一義的には県民が安心して安全に繁華街を楽しむための取り組みを進めることは言うまでもありません。条例改正後に客引き等の検挙数は一件から八件になったと聞いておりますが、改正後の現況と課題についてお聞きします。以上について答弁を求めます。
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 柏木議員にお答えいたします。
 アベノミクスと県内経済についてであります。
 政府が進める経済政策いわゆるアベノミクスの評価でございますけれども、これはまだ確固とした評価ができにくいと思っております。いわば進捗中であるという認識です。三つの矢から成ると言われますけれども第一の矢の異次元の金融緩和、これの効果ははっきりあらわれました。市場に円が出回ったわけですから円安になって実質上為替政策のような形になりました。そのことが株価の高騰をももたらしたということですが、この円安によって利益を得ているのは輸出産業ですけれども、輸出額はふえましたけれども輸出量はふえておりませんので、したがって真に実物経済に好影響を与えたかどうかというのは疑われるところです。
 また、全ての会社が上場しているわけではありませんので、株で潤っているところとそうでないところとの格差が出てきていると。特に、現在春闘中でございますけれども本県の経営者協会のトップ等の会見におきまして経営者協会側は県内において豊かさが実感できていないと、むしろ厳しいというふうに言われているわけであります。当初の円安によるエネルギーの高騰がエネルギーを使う、また関連の生活物資を値上げをするという形になって家計を圧迫した、さらにまた消費税の上昇が圧迫したということは御承知のとおりでありまして、そういう意味では十分に実物経済に影響が出ていないというのが現実ではないでしょうか。
 一方で、TPP交渉、さらに先月末にいわゆる農地制度に関して大きなメスを入れられました。これは、今まで農地を転用する際に四ヘクタール以下、二ヘクタール超というのは国と協議をしなければならなかったわけですけれどもこれは撤廃されまして、四ヘクタール超につきましても国との協議の上、これを柔軟に農地を産業用に転用することも可能であると。これは極めて大きい決断であると思っております。
 加えまして、このたび全中を二〇一九年には一般社団法人にするということで、全中における地方支配と。三年に一回大きな政策をお決めになって、それを地方が実施するという上意下達のあり方を改めるということで、これはもうかつてない勇気のある決断であったというふうに思っております。
 そういう意味では何ていいますか、効果があらわれるのはこれからであろうと。それは地方創生ということと連動しておりまして、やはりこうした制度をどのようにプラスの方向に持っていくかどうかというのが地方のやる気にかかっているのではないかということで、我々のほうはこれを支えたいといいますか、日本のために静岡県としても頑張りたいと思っております。
 なぜ愛知県とこのように差が出てくるのかということですけれども、愛知県の工業生産出荷額というのは大体四十兆円ぐらいでございます。本県は十五、六兆円ということで圧倒的に向こうのほうが大きいというのがありますね。しかもいわゆる輸送機械、トヨタなどを中心にしてそれが五、六〇%を占めています。静岡県の場合には三割を割っております。したがって本県における輸送機械の出荷額というのは大体四、五兆円ということでございますけれども、愛知県の場合には二十数兆円ということで、そうした輸出産業でもありますので、そうしたことへの好影響というのは本県との差になってあらわれているのではないかというふうに見ているところであります。
 それから、トリクルダウンというのは当初いわゆる新自由主義的な考え方の方たちがとったわけでございますけれども、実証的にはこれがいわば均てん、貧しい方のところにまで富が均てんされていないというのが現実なので、この議論に対する今厳しい批判が出ているところであるというふうに認識しております。ですから私どもは分配の問題をもう一度改めて考えなくちゃならんと。特に資産もないと、世襲的な資産を持たないという方のために何ができるかということを公共の立場から考えるということが必要ではないかというふうに思っております。
 それから、本県の経済についてでございますけれども、これまではファルマバレープロジェクトを初めとする新産業集積クラスターの推進や防災・減災と地域成長の両立を目指す内陸のフロンティアを拓く取り組みなど、いずれもこれは現在安倍内閣が進めておられます国土強靱化だとか地方創生だとかというものを先取りするもので、本県の場の力を生かした地域づくりであるというふうに自負するところであります。
 こうした取り組みに加えまして、県内経済界の重鎮から本格的な景気回復軌道に乗せるためには本県経済の牽引役となる企業の成長を導くことが重要だという御意見を承りまして、そのために今、目ききのアドバイザリーボードなども設置しつつございます。来月末にはそうしたものを設置いたしまして、牽引役となる企業の成長を選び抜いてそこを支援していくというそういう体制をとろうと思っております。
 このため、去る二月十二日、第五回産業成長戦略会議で取りまとめました本県独自の産業成長戦略では、中堅、大企業を含め新たな事業展開に積極的に挑む地域企業の成長を促進することに重点を置きまして、官民協働による産業戦略推進センター――仮称――の設置や、新しい利子補給制度の創設など既存の中小企業対策の枠を超えた施策を展開していくこととしたところでございます。
 今後は、中小企業支援を強化していくことはもちろんのこと経済成長の牽引役となる地域企業の支援に積極的に取り組むことにより県内産業全体を活性化させ、本県経済の力強い成長につなげてまいります。
 次に、静岡県の観光政策についてであります。
 人口減少社会への対応が課題となる中、国内外からの観光交流人口の拡大は地域経済の活性化に寄与し、本県の活力の維持向上に欠かせないものになっています。
 こうした中、本県では海外からの誘客促進に向け富士山静岡空港の就航先、中国、韓国、台湾を重点市場と位置づけ海外駐在員を充実いたしまして、その事務所と連携を図りながらそれぞれの国、地域の市場特性に合わせた誘客活動に取り組んでいるところです。
 中国につきましては、新規定期便や連続チャーター便の運航の効果をさらに生かすため、旅行会社等の県内視察や商談会を通じて県内周遊や宿泊を働きかけ、本県での滞在期間の長期化、旺盛な購買意欲の本県への取り込みを図ってまいります。
 また、個人旅行が主体でアウトドアスポーツへの関心が高い台湾、韓国につきましては、静岡県が誇る四季折々の多彩な自然や食、温泉とトレッキングなどの体験プログラムを組み合わせた旅行商品の開発を促進し、本県のファンをふやすことでリピーター客の獲得につなげてまいります。
 さらに、昨年七月、経済成長著しいタイに観光連絡員を配置するなど現地での誘客体制を強化したところ、観光客は前年同期比で一・五倍と急増いたしました。三月には私みずからトップセールスを行ってタイに参りまして本県の魅力をアピールしてまいります。
 一方、国内におきましては、団塊の世代を初めとする経験豊かで目の肥えた旅行者へのよりきめ細かな観光情報の提供が必要であります。議員のほうから私自身のSNSによる情報発信という提案をいただきました。SNSというのも、なじみが私はありませんけれども、その利用率を見ますと十代から五十代が急上昇する一方で六十代、団塊の世代はほとんど伸びていないと。伸びていないほうに貢献している一人であります。いろいろなタイプの県のPRの方法があると思いますけれども、テレビ、雑誌、インターネットなどさまざまな媒体の中で、年齢層やニーズを踏まえてより効果の高い情報発信手段を見きわめていくことが重要と考えております。
 私自身はみずから進んで、こう何ていいますか、やることが得意ではありませんで求められればやりますけれども、一方で公務として静岡県のPRをすることに人後に落ちないところがありまして、私なりのやり方でやっていきたいと。ただSNSというのは得意でないということだけ申し上げておきたいと思います。
 今後とも、市場や旅行者の特性に応じた効果的な観光誘客に努めることによりふじのくに静岡県の世界水準の魅力を発信し、観光を初め内外との多様な交流の拡大につなげてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(多家一彦君) 吉林知事戦略監。
       (知事戦略監 吉林章仁君登壇)
○知事戦略監(吉林章仁君) ソーシャルネットワーキングサービスを利用した情報発信についてお答えいたします。
 情報通信技術の進展によりまして、若い世代を中心にスマートフォンでフェイスブック等のソーシャルネットワーキングサービスいわゆるSNSを活用して、気軽に情報入手、情報伝達、情報交換をする方が増加しております。
 こうした状況を踏まえまして、県では県立美術館などにおける催事等の情報や、広報課における若者向けの県政情報の発信など各事業の目的や広報の相手方等に応じましてSNSの活用を進めております。現在十八のフェイスブック、五つのツイッターが運用されております。
 御提案のLINEは二〇一一年にサービスが開始されたSNSで、友人間等の日常的な連絡手段として主に若年層に利用されております。国内での利用者数は五千万人を超えまして、企業や公的機関の一部でも活用されております。本県におきましても多くの方に手軽に県の情報を知っていただく効果も期待できますことから、防災や観光の分野等において今後活用に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
 県といたしましては、LINEにとどまらず新しい広報手法につきまして調査研究を進めますとともに、県職員を対象とする広報研修の中で具体的な活用事例を紹介するなど効果的な県政情報の発信に常に前向きに取り組んでまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 静岡モデルにおける防潮堤の安全性についてお答えいたします。
 県では、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に基づきレベルワンを超える津波から人命、財産を守るため既存の防災林、砂丘等のかさ上げや補強等を行う静岡モデルの整備を進めております。
 中東遠地区の沿岸では、県と市で構成する静岡モデル推進検討会において、防潮堤の整備に当たっては土砂で防災林等をかさ上げすることを基本とし、東日本大震災で津波が越えなかった同様の施設が津波を防護した事例等を踏まえレベルツーの津波が乗り越えない高さを維持できる構造とすることを決定いたしました。
 これを受け、磐田市の防潮堤の整備については津波がせり上がっても乗り越えない高さであることや平常時及び地震時における安定性を確認した上で、昨年八月に試験施工に着手いたしました。また盛り土に活用する太田川の掘削残土については県が土質試験を実施し、必要に応じて土質改良を行うなど必要な強度を有する良質な材料の確保を支援してまいります。
 県といたしましては、市町と連携してレベルワンを超える津波に対しても減災効果が期待できる信頼性の高い静岡モデルの整備を推進し、県民の皆様が地震・津波に対して安全で安心して暮らせる県土づくりの実現に努めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 岩田危機管理監。
       (危機管理監 岩田孝仁君登壇)
○危機管理監(岩田孝仁君) 浜岡原子力発電所の再稼働の是非に関する県民意見の集約方法についてお答えいたします。
 原子力発電所で一たび過酷事故が起これば、地域住民に与える影響ははかり知れないものがあります。このため浜岡原子力発電所の再稼働については安全性の確保が大前提であり、安全性が確保されていない限り再稼働はあり得ないと考えております。現在、浜岡原子力発電所は津波対策工事等を実施中であること、原子力規制委員会の審査が継続中であること、さらに使用済み燃料の処分方法が確立されていないなどの問題があり、再稼働について議論できる状況にはありません。
 県といたしましては、国に厳正な審査を求めるとともに、静岡県防災・原子力学術会議の御意見を伺い独自に安全性の検証を実施するほか津波対策工事等の現場点検なども実施し、まずは安全性を徹底的にチェックすること、これを最優先に取り組んでいるところであります。
 このような状況にあることから、現時点において地元同意の範囲や県民意見の集約方法について具体的に検討できる段階ではないと考えておりますので、ぜひ御理解いただければと思います。以上であります。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) インターネットを利用した教育システムについてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、家庭環境の違いや不登校等による児童生徒の学力格差是正のためインターネットを活用することは、子供たちの家庭における学習環境の充実を図る上で有効な方法であると考えております。
 現在、義務教育におきましては、通信教育が認められている高等学校や大学とは異なり対面による授業を基本として行うこととされており、本県でもインターネットを利用した授業の配信は行っておりませんが、各学校におきましては日々の授業の補充学習や放課後の学習支援などにICTの活用が進められております。
 また、総合教育センターでは家庭学習の充実を図るため授業の予習復習、発展的な学習に応じた教材や問題、解説を学年、教科別に掲載し、児童生徒がそれぞれのペースに合わせて学習できるインターネットラーニングあすなろ学習室を発信しております。さらに同センターでは、昨年十月から生涯学習に関する学習プログラムや講座を検索することができる情報発信システムまなぼっとが稼働しております。
 県教育委員会といたしましては、今後もこれらのネットを利用した学習情報発信システムの充実を図り子供から大人までの継続した豊かな学びを支援してまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 西川警察本部長。
       (警察本部長 西川直哉君登壇)
○警察本部長(西川直哉君) 静岡県迷惑行為等防止条例改正後の現状と課題についてお答えを申し上げます。
 この条例は、昭和三十八年に施行されて以来運用がなされてきたところでありますが、ここ数年繁華街において客引きをする者たちが路上にたむろしたり、あるいは道行く女性に対して風俗営業のホステスにならないかと勧誘するなど通行人に不快感や嫌悪感、さらには大きな不安感を与えているといった状況が見受けられました。そこでこれらの迷惑行為を防止する目的で本条例が改正されたものであると承知しております。
 条例が改正された平成二十五年十月一日を境といたしまして、前後一年間の客引きや勧誘に関する検挙につきましては、改正前の一件一人に対しまして八件八人と増加を見たところでございます。さらに、昨年十一月以降も藤枝駅前や磐田駅前、掛川駅前等におきまして客引きやホステス勧誘行為をしていた風俗営業者を検挙いたしておりまして、周辺地域の環境浄化に一定の効果を上げておるものと考えております。
 次に、課題についてのお尋ねでありますが、警察といたしましては条例改正の趣旨を踏まえまして適正にこれを運用し、県民が安心して繁華街を楽しめるように風俗環境を改善維持していくことが課題であると考えております。以上であります。
○議長(多家一彦君) 二十七番 柏木 健君。
       (二十七番 柏木 健君登壇)
○二十七番(柏木 健君) ありがとうございます。
 それでは少し再質問をさせていただきますけれども、まず観光についてなんですけど、知事がよくポスト東京ということを言われますよね。
 先日ですね、私、名古屋の河村市長のお話を聞く機会がありまして、河村市長が名古屋駅の近くに今のスカイツリーよりも高い一千メートル級のタワーを建てたら、多分今、名古屋駅のポテンシャルとか利便性を考えたら東京スカイツリーよりも人が来るんじゃないかと。で、大須観音、大須ういろで有名な大須という地域にアメ横もありますし、コメ兵という一つの企業なんですけど中古を売っていたりとかする有名な企業があったりとかで、名古屋にはその可能性があるという話をこの前されていました。
 それはですね、多分、東京、京都、大阪というこのゴールデンラインを何とか名古屋に人を持ってきたいというそういう考えだと思うんですね。そのときに河村市長は、今、羽田、成田から富士山、東京、浅草、秋葉原、この流れをセントレアから富士山、名古屋――名古屋のタワーですね。タワー、それに大須とそういう流れに自分は持っていきたいんだという、私は名古屋弁はあんまりしゃべれないので、これを名古屋弁で言われていたんですけど、これはもう本当にポスト東京ではないですけども、東京にいるお客さん、大阪にいるお客さんを名古屋に持ってくるというそういう話だと思うんです。
 静岡県はですね、多分そういうことじゃないと思うんですね、川勝知事がおっしゃっていることは。多分静岡県は、東京や名古屋と違ったすみ分けの面で何か新しい観光の素材をつくっていくべきだというふうなことを川勝知事はおっしゃっていると思うんですけども、僕は個人的に思うんです。先ほども言いましたけれども、やっぱり高級志向ですね。中国の方もそうですし台湾の方は本当に今大分経済成長もされていますし韓国もそうですけれども大分高級志向がありますので、そういう人たちを伊豆の宿とか浜名湖の周りの宿とか、おもてなしという分野で東京とか名古屋とか大阪にはできないことを私は静岡県がやっていくべきじゃないかなというふうに思うんですけれども、先ほど知事がちょっと観光についてお話をされたんですけど、その辺について知事はどうお考えなのかなと。ポスト東京ということで観光を考えているのか、それとも静岡県の独自のその観光というのを考えておられるのか。その点について、ちょっと一つお伺いしたいと思います。
 あと、浜岡原発の再稼働の是非をどういうふうに集約するんだという質問をしたんですけど、具体的に今検討段階にないという答弁だったと思うんですけれども、ただ鹿児島では川内原発が動くことが決まりました、同意で。私は鹿児島にも行ってきたんですけれども、鹿児島の薩摩川内市の皆さんというのは結構やっぱり動くことに対して賛成なんですね。だけど周りの市に行きますと全然反応が違います。どうしてそうなったんだということを言われる方が非常に多かったですよ。
 今、高浜でも、隣は京都府の舞鶴市になっていまして、テレビとかでも報道されていますけれども何で京都の舞鶴は入れないんだと。何で福井だけが地元なんだと。これは滋賀の県知事さんもおっしゃっていますので。そういうことが起きているんですね。
 大間のほうでは、たしか函館市が三十キロ圏に入るか入らないかという裁判を起こしていますよね。自分たちは避難計画をつくらされると。被害を受ける地域なのにもかかわらず同意権がないというのはおかしいじゃないかということで、今函館の市長さんが多分裁判を起こしていると思うんですけど、今そういう状況なんですね。それでも具体的な検討段階にないということでいいのかどうか。私はぜひ知事に答えていただきたかったんですけどもその点一点お伺いするのと、あと、では具体的な検討に入るのはいつなのか。高浜みたいになったときに初めて静岡県は検討段階に入るのかとか、どういう状況で入るのか、それについてお伺いしたいと思います。以上です。
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 再質問をいただきましてありがとうございました。
 まず最初の、ポスト東京時代と観光とにかかわる再質問でございますけれども、ポスト東京時代というのは日本の時代の流れの中で出てくるビジョンです。東京が一極集中をすることによって日本全体がおかしくなるということは、せんだって増田さんの報告書にうたわれたとおりであります。したがって中央政府のほうも、東京から人が出るようにさまざまな策を講じられ、税制の方面でもそういう地方を活性化させるための方策を今模索されつつあります。これは東京中心を逆行させるための流れだというふうに見ておりまして、私自身は富士山が世界文化遺産になり世界文化遺産になった富士山が国土を統合する象徴でもあるということで、ふじのくにづくりというのがポスト東京時代の日本づくりのビジョンになるということで地域づくりをしていくということであります。
 それが観光とどうかかわるかということですけれども、おのずと観光客がふえてくるに違いないと。もちろん私どもは今申しましたようなさまざまな観光政策をしなくちゃなりませんけれども、まず地域力を上げていくと。もちろん河村さんなりのやり方があると思いますけれども、我々はそうした一過性というか、あるいはお金をかけないでみずからの持っているものの価値を世界に知らしめると。これが、世界水準のものをしっかり見直してそれをPRしていこうと、これ自体が観光政策になりますけれども、御案内のように十を超える世界水準のものが静岡県には眠っております。
 私は、富士山が世界文化遺産になった途端に大勢の人がお越しになった、それからまた今年度、例えば韮山が世界文化遺産になりますと必ずお越しになる人がいると存じます。さらにまたサミットが仮に誘致できますれば、そのこと自体がネームバリューとして多くの人を引きつけるに違いないというふうに思っているわけです。それが結果的にまた、駅をもっと充実させろとか、あるいは観光関連の仕事をふやせとか、さらにまた皆さん方がお泊まりになりかつ食事もされますので、そういうおもてなしを食文化として茶の都、食の都、花の都という形で自覚的にそういう都づくりをしていこうというようなことになりますので、これは相乗効果として観光的に役に立つというふうに見ているわけでございます。
 ただ、一千メートルのタワーを建てるというのはちょっと子供じみたアイデアではないかと思います。それは河村さん一流の――彼は今名古屋城ですからね、尾張は城でもつということでそれにかけられているということで、彼の故郷を愛する思いは高く評価している次第であります。
 二つ目の、再稼働にかかわる住民の意見をどう集約するかということですけれども、今、関西電力、それから九州電力、それからまた東北電力にかかわる事例を言われました。私はそれぞれの地域において原発依存度が違うということもあるので、川内原発と本県の浜岡原発を同列に論じるのは誤りだと思っています。
 やはり、圧倒的に原発に依存せざるを得ないような九州とか関西電力さらには四国もそうだと思いますけれども、そういうところは電力がないと生活も産業も成り立たないという必死の思いが電力会社にあるということですが、それと中部電力を見比べてください。ですからここを見る必要があると思います。
 そして、国のほうも昨今国の原子力委員会が日本の学術会議にこの件について諮問をされました。そうすると大西隆さん――学術会議のトップですけれども――先ごろ答申を出されまして、最終処分が決まらない限り再稼働はしてはいかんというふうに言われています。原則論として正しいというふうに思うものです。また原則論として、主権は国民、県民にありますので、大切なことは国民投票でも憲法にうたわれているぐらいでありますので、一定の基準を満たせば県民に直接意見を聞くというのが筋で、それを拒んではならんというふうに思っております。
 そして、今再稼働ができるかどうかということにつきましては再稼働するような動きは全くないというふうに僕は見ております。そもそも使用済み核燃料の処理方法も決まっていないし置くところもありません。実質ないに等しい。一千体ぐらいしか置くところがありませんので。また彼らはそれを前提にしてこれから乾式貯蔵をつくろうとされている。これはまだ全然できていません。
 一方、安全対策についてさらにさまざまな工夫をされ、特に五号機につきましては何しろ原子炉圧力容器の中に海水が入ってきて、それをどうするんですかと。これについて何の解決策もできてないですね。ですから岩田危機管理監が言いましたように、ここは今、安全を中心にやっていく以外にないと。そうするとそれ自体が安全文化、安全技術として、いわば商品になる可能性があるということで、ですから動かすということよりも廃炉の技術におけるトップクラスになり得る可能性もあるわけです。事実、廃炉の研究もされておりますしそれを発表もされております。そこに新しい企業、例えばホトニクスが一部加わっておりますけれども大々的に加わる可能性もあります。
 そうしますと電力の、原発の安全をどうするかということを、どうしてもこれから全ての原発は四十年前後で廃炉にせざるを得ないようなそういう施設でありますので、それをどうするかということによって商業レベルで一番最初にするのがどこかといえばうちしかありません。東京電力はもう今そんな余力はありませんし、あとのところは動かすことに今精いっぱいですから。ですからほかの事様のことについては、言わないと。我々が責任を持っているここにつきましては、今実際に運転できるようなことがないのに安全について努力されているのに、そこをしっかり見ていけばよろしいというのが今の適当な、今に応じた形での現実に応じた形での答弁になるということで、岩田が言ったとおりでございます。以上であります。
○議長(多家一彦君) 二十七番 柏木 健君。
       (二十七番 柏木 健君登壇)
○二十七番(柏木 健君) ありがとうございます。
 四年間知事の答弁をいろいろ聞きまして、観光ってすごくいいものだなというふうに、自分も最初はそんな認識はなかったんですけれども知事の答弁を聞く中で本当にそれを思いました。観光ほど平和産業ってないですよね。平和だからやっぱり観光ができる。本当にいい産業だなと思いますので。ただその知事の考え方をぜひこれからも静岡県に広げていっていただきたいなあと。静岡県民ってなかなか疎い部分があったりとかしますので。なかなか温和で暖かい環境の中にいますと、なかなか外も見えなくなったりとかしますので、ぜひ知事のそういうのを進めていってもらいたいなというふうに思います。
 あと、原発についてはですね、今知事から答弁をいただきましてありがとうございます。そこまで答弁ができる知事というのは、全国でも多分川勝知事だけじゃないですかね。と思います、本当に。本当に川勝知事じゃないと多分答弁できないんじゃないかなと思うところまで、今答弁をされてくれまして本当にありがたいなと思います。やっぱり私、三十一キロ圏に住む人間としていろんな弊害も出ていますし、もう少し経済も上向いてほしいなあなんていうことも思っていますので、またそれもぜひ知事にはエールを送りたいと思いますので、またよろしくお願いしたいなと思います。以上、質問とします。ありがとうございました。(拍手)
○議長(多家一彦君) これで柏木健君の質問は終わりました。

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