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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年12月静岡県議会定例会

伊藤 和子 議員(ふじのくに県民クラブ)の 代表質問 に対する答弁

(質問日:12/06/2023番目)
答 弁 者知事


○副議長(鈴木澄美君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 伊藤和子議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてであります。
 令和六年度当初予算編成と事業見直しについてでございますが、来年度の収支試算につきましては地方の一般財源総額が据え置かれる中、社会保障関係経費の増加や金利上昇に伴う公債費の増加などによりまして昨年度を上回る五百二十四億円の財源不足が見込まれるなど大変厳しい財政状況が見込まれております。
 こうした状況を踏まえ来年度の当初予算編成に先立ちまして全庁的に部局長のリーダーシップの下、これまで以上の歳入歳出の見直しに聖域なく取り組んできたところであります。加えて来年度の当初予算を編成するに当たりましてはこれまでと同様に成果や実績を精査した上でより効率的かつ効果的な事業となるよう検討する必要があります。
 今般ふじのくに県民クラブの皆様から頂戴いたしました御提言のうち、短期的な見直し項目につきましては、こうした過程において役割分担や事業の成果を十分に検証した上でより効果的な手法に転換するなど順次見直しを進めているところであります。その結果を来年度の当初予算にしっかりと反映させてまいります。
 中長期的な見直し項目につきましては、複数年度での検討を想定しPDCAサイクルの中で適切に検討してまいります。御指摘の研究開発プロジェクトにつきましては社会情勢の変化等を踏まえ成果や費用対効果をしっかりと検証してまいります。また県有施設のファシリティマネジメントにつきましても将来のあるべき姿を見据えた上でバックキャスティングの視点で県全体の施設総量の適正化を進めてまいります。
 後期アクションプランは折り返しを迎え来年度は三年目となります。これまでにまいた施策の種が芽を出し花を咲かせ、県民の皆様がその果実を実感していただけるよう本県の発展につながる予算を編成してまいります。
 次に、リニア中央新幹線建設事業における南アルプスの自然環境の保全についてであります。
 南アルプスには、御指摘のとおり世界の南限とされる動植物が多数生息、生育し守るべき希少な生態系が存在しております。そしてこの南アルプスの生態系は周辺環境の変化を受けやすく非常に脆弱です。県は国家的プロジェクトであるリニア中央新幹線の実現と一方で国策である国立公園の自然環境の保全及び国際的責務でもある南アルプスユネスコエコパークの自然環境の保全を両立させなければならないと強く認識しております。
 この南アルプスの自然環境を守るというのは、まずはトンネル掘削による生態系への影響を回避、低減するということです。昨年六月国の環境保全有識者会議の開始に当たりまして県から国土交通省に対し、生態系など自然環境に及ぼす影響を明確にしまずはその影響の回避策を示すようにJR東海を指導することと申し入れました。先般示された有識者会議の報告書案では、JR東海の環境保全の進め方として工事前に環境影響の予測を行い工事中に予測と異なる変化があった場合随時フィードバックして対応していく、いわゆる順応的管理により環境への影響を最小化することが適切とされております。
 しかし、沢の上流域における生物の調査等が不足しております。事前に代表的な種――スピーシーズ等への影響の予測ができていないため回避、低減の保全措置の手だてが十分に示されているとは言えません。またトンネル湧水を川に戻す際、濁りや水温が水生生物等に与える影響への対策が十分に検討されているとは言えません。こうした課題につきまして現在引き続き本県の意見書が報告書に反映されるよう国土交通省に求めているところでございます。
 昨日は、私が環境省を訪問し報告書案に対する見解をお示し頂くことと環境影響評価書に対する環境大臣意見が報告書に反映されるよう積極的に働きかけていただくことを要請してまいりました。仮に十分に反映されないまま報告書が確定することとなれば改めて県の専門部会で検討していく必要が出てまいります。
 県といたしましては、リニア中央新幹線の整備と守るべき希少な生態系が存在する南アルプスの自然環境の保全とのこの両立を図るため、地元の意見も踏まえJR東海との対話を進めてまいります。
 次に、インバウンドの回復に向けた観光振興についてであります。
 本県の訪日外国人宿泊客数は徐々に回復基調に転じておりますが、本年一月から九月までの統計では令和元年同期比で約四割の水準にとどまっております。これはコロナ渦前に約七割を占めていた中国からの宿泊客の回復が遅れておりまして、令和元年の一割以下となっていることが主な要因であります。
 一方で、ヨーロッパやオーストラリア、東南アジアからの宿泊客数は既に令和元年を上回るなど明るい兆しも見え始めております。こうした動きをさらに力強いものとするため、まずは本県の主要市場で富士山静岡空港の就航先でもある中国や台湾など東アジア地域からの誘客に積極的に取り組みます。具体的には海外駐在員事務所や県内観光事業者と連携し旅行会社を招聘するいわゆるファムトリップをはじめSNSや動画を活用した情報発信、さらには旅行商品造成への支援など市場の特色やニーズに応じたプロモーションを展開してまいります。
 特に中国市場につきましては、九月下旬に出野副知事が杭州アジア大会に合わせて上海市、浙江省を訪問し浙江省政府や旅行会社、航空会社との意見交換や杭州市内の商業施設での観光PRイベントを行うなど相互交流の再開を強く働きかけてきたところでございます。台湾につきましては来年一月から三月にかけてチャイナエアラインが台湾高雄と静岡間のチャーター便を週三往復、合計で三十一往復運航することが決定いたしました。富士山と桜、浜名湖花博二〇二四など本県の多彩な春の魅力を堪能していただけるように現地での情報発信を強化してまいります。
 また、多様化する旅行者ニーズへの対応や消費額の拡大、滞在日数の長期化の促進も重要な課題であります。欧米やアジア地域の訪日旅行者をターゲットに富士山の絶景を見ながらゴルフを楽しむツアー、多彩で高品質な食材と特色ある地域資源を融合し感動体験を提供するガストロノミーツーリズムなど付加価値の高い滞在型旅行商品の造成にも取り組んでまいります。
 さらに、中央日本四県で取り組む黄金KAIDOプロジェクト、英語表記「GOLD ROAD」ではそばや日本酒、ワインなどの食文化を歴史・文化、サイクリングなどと組み合わせまして、その魅力や価値を世界に発信し広域経済圏の形成を一層本格化させてまいります。
 観光産業は本県の地域経済や雇用を支える大変重要な産業であります。引き続き観光事業者をはじめとする関係者の声にしっかりと耳を傾けながら本県ならではの本物の感動、体験を生かした観光コンテンツを創出し世界中の皆様から、訪れてよし、選ばれる観光地域づくりに全力で取り組んでまいります。
 次に、結婚の希望をかなえ安心して出産や子育てができる環境づくりについてのうち、若者の結婚・子育て観の醸成についてであります。
 これまでの少子化対策は、主に子育てを支援するために児童手当等の給付や保育所等の施設整備など経済的、物質的な視点を中心に行ってまいりました。しかし加速度的に進行する現在の少子化の背景には家族の姿や結婚、子育てに対する考え方の変化や働き方の多様化などの要因がありますことから、若者のより前向きな結婚・子育て観を醸成するための対策が必要であります。
 このため、県では本年度から学校のキャリア教育と連携したライフプラン出前講座を中学、高校、大学の十三校で実施しております。この講座は自分の将来の様々なライフイベントに柔軟に対応するための知識や情報を総合的に学ぶことを目的にしておりまして、講師の実体験に基づき夫婦が協力して仕事と子育てを両立する姿などを示した上で生徒同士が自分の将来について考え意見交換を行うものです。生徒さんからは、仕事を頑張っている男性も家事をすると聞いて安心した、子育てを前向きに考えることができた、結婚して子育てをしながら働くことは大変だが夫婦で支え合えば楽しくやりがいも感じられることに気づけた等々の感想が寄せられまして、結婚や子育てを将来の自分のこととして前向きに考えるきっかけとなっていると手応えを感じております。
 また、地域において学生や結婚前の若者が直接子供や子育て家庭と交流する機会を持つことも大切です。そのため県では地域の子育て支援団体と連携いたしまして、乳幼児との触れ合いや子供の世話などを体験しながら親子の愛情の尊さや子育ての喜び、楽しさを学ぶ機会を提供するなどの支援も行っているところです。
 さらに職場におきましても従業員が子育てしやすい環境づくりを推進するため、中小企業の経営者や管理職員等を対象にイクボス養成講座や社会保険労務士の派遣を行いまして、子育てに優しい社内風土の形成や男性社員の育児休業取得の促進、柔軟な働き方を支援する社内制度づくりなどを支援しております。
 県といたしましては、未来を担う若者の結婚・子育て観の醸成や子育てとの両立が可能な働き方の実現に向けた啓発に注力しまして若者の自己実現やキャリア形成と結婚、子育てが両立できる社会づくりに取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp