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本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年6月静岡県議会定例会

塚本 大 議員(自民改革会議)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:07/23/2013番目)
答 弁 者知事


○副議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 塚本議員にお答えいたします。
 初めに、沿岸部の地震・津波対策についてのうち、津波避難計画の見直しについてであります。
 津波避難の基本は東日本大震災からの教訓に学べば、沿岸部の住民の方々が、より早く、より高く、より遠くへ避難することであります。つづめて言えば、高く、早くと、高いところに早くということでございます。県におきましては東日本大震災直後、津波対策アクションプログラム短期対策編を策定いたしまして、二年間にわたりハード・ソフト両面の施策に取り組んだ結果、各市町におきまして大震災前に比べ津波避難訓練の参加者が大幅に増加いたしました。また避難タワーや人工高台などの新たな津波避難施設の確保が図られるなど、津波対策は着実にまた格段に進んでいると認識をしております。例えば避難タワーは、三・一一以前には七基しかありませんでした。今二十四基あります。また人工高台など、これは四つしかありませんでしたけれども、今現在四十九あります。
 こうした過程でわかってきましたことは避難タワー、これは必要でございますけれども有事に必要とされるものであって、平時には使えないということもわかってまいりました。そうしたことがありまして、避難タワーを設置しなければならないところもありますけれども、一方で命山と言われるようなもの、あるいは近隣の高台を避難施設に変えるということのほうが、有事には言うまでもなく平時にも県民の方たちが楽しむことができるということが、恐らくこの人工高台のほか高台部分への津波避難施設の数の激増になっていると思います。そうした中で例えば吉田町のように、歩道を避難タワーに変えられたと。これも平時にも使え有事にも使えますので、そうした方向がこれから望ましいのではないかというふうに思っております。
 さらに、国による南海トラフ巨大地震の被害想定に加えまして、県の第四次地震被害想定を踏まえより実効性の高い避難計画が求められておりますことから、私どもといたしましては現行の避難計画策定指針を改定することといたしました。具体的には津波避難の空白区域をなくすことができるように避難地や津波避難施設につきましては、地域の社会的・地理的条件に応じてきめ細かな配置にするとともに、住民の避難行動につきましても、より現実に即したものとするという方針を示しております。
 今回の見直しの内容は今後市町が策定する計画の基本指針となりますことから、できる限り早く市町に御提示申し上げ、一人でも多くの県民の命を救うことを目標とした実効性の高い津波避難計画が策定されるように働きかけてまいります。
 次に、富士山静岡空港への新幹線新駅の設置についてであります。
 平成二十三年五月に国の交通政策審議会の答申が出ました。この交通政策審議会中央新幹線小委員会というのは、中央新幹線、通称リニア新幹線のルートを定めるということが主な目的でありました。一方リニア新幹線がサービスを開始した後、既存の新幹線いわゆる現行の東海道新幹線でありますけれども、この東海道新幹線の利活用をどうするかということもあわせて議論されたわけであります。私はこの委員会に招かれまして、そして国交省のほうからの御指導を仰ぎながら、空港新幹線駅の可能性について申し上げたわけであります。そしてこの答申におきましては、既存の新幹線がリニア新幹線のサービスを開始した後に具体的な名前は書かれてありませんけれども、静岡空港を念頭に、新駅設置の可能性が書きうたわれているわけであります。
 これを受けましてその翌月、平成二十三年六月に中央新幹線の通過地となる静岡市と連携をいたしまして中央新幹線整備推進本部を立ち上げました。といいますのもリニア新幹線のルートが定まりましたときにもともと期待されていなかったわけですけれども、静岡県側を十キロばかりかすめるということがわかったわけであります。それを受けましてこの推進本部を立ち上げ、中央新幹線の早期実現に向けてJR東海に積極的に協力するという姿勢を打ち出したわけであります。
 さて、この空港新駅についてであります。そもそも本県は平成十二年にしたがってもう十三年前にJR東海から県に対して、現状では不可能である旨、文書をいただいております。JR東海は高密度の列車運行の中で新駅を設置することは、列車の到達時間の延伸や設定できる列車本数の減少など量、質ともに輸送力を落とすので、とりわけ新駅が適正な駅間距離を有していないことを理由に現状では新駅設置は困難であるという見解を示されているわけです。この見解は変わっていません。
 そもそも私は、この最終答申が出たのが五月ですけれども既に中間報告はその二、三カ月前に出ておりましたので、これを受けましてJR東海との関係の修復に乗り出しました。といいますのもJR東海と本県との間には、いわく言いがたい不信の体系があったと承知しております。それがなぜなのかはつまびらかにするところではありませんが、一つには例えば本県には六つの新幹線駅がありますけれどもそこに「のぞみ」がとまらない。あるいはつい数年前までは、静岡と浜松と一時間ごとにしかとまらないというようなことがございまして、かなり強くJR東海側に働きかけられたと存じます。しかしJR東海は、いわば大都市間をなるべく早く結ぶということを使命としておりますから、現在一時間に十三本走っているこのダイヤを変えるつもりは全くないということでございました。それに対しまして本県も言い分があったと存じますけれどもこれが一つの原因でしょう。
 一方私自身は、JR東海と恐らく二十年近くそのトップと信頼関係ができています。例えばJR東海の持っている「ウエッジ」という雑誌がありますが、そこで地球学フォーラムの私は副幹事長、世話人を務めて今日にまで至っているわけであります。さらにまた葛西当時社長――現在会長さんですけれども――とも深く親交がありまして、第一次安倍内閣のときには教育再生会議でも御一緒しておりました。しかしながら殊この新幹線駅に関しまして、あるいは静岡県知事としてお目にかかろうとしても全くお目にかかってくださらないという、そういう状況が続いたのです。まことに不思議なことでございました。私のほうから表敬に参りたいと言ってもお受けくださらないということだったのです。
 それで私は、まず中央新幹線のルートを森山君ほか関係者と一緒に参りまして、五月の連休のときでございます。環境破壊になりますのでその持ち主とともにそこに参りまして、そのところに新幹線が通ることについての可否について議論をしながら、オーケーの応諾を得たわけであります。さらにまた中央リニア新幹線は圧倒的にトンネルです。大深度を走るということでトンネルの土を出すところが必要です。その土捨て場につきましても改めて参りまして、これはちょうど当時副議長さんが大石先生でしたけれども、ちょうど日程が合ったのが副議長先生の就任お祝いの日にちであったわけですが、その日に参りまして土捨て場も確定したのです。そしてさらにJR東海の三島に研究所ができました。その研究所ができたすぐ後にそこの見学に参りました。JR東海は、その出向役員を送ってくださって私を丁寧に案内してくださいました。さらに私はJR東海がトヨタ自動車などと組んでつくっている海陽学園という学校があります。その学校の見学に参りました。
 こうしたことが、恐らく向こうの気持ちに通じたのでしょう。JR東海のほうから川勝に会うと言ってこられたのです。私のほうは私のほうが出向くということだったんですけれども、静岡に来るということでございましたので静岡でお待ちしておったところ場所も向こうで設定され、かつ食事の席も設けられ、そしてこの話をしたわけです。そしてこの話のとおりになったわけです。そして、駅それ自体は二、三年でできると。実質二年でできると、長くても三年だということなんですね。そしてそれはリニア新幹線のサービスが開始すれば当然既存の新幹線のダイヤが変わるのでその可能性があると。これを決してJR東海がつくるとは言っていません。私どもがつくると言っているわけです。しかし二、三年でできるといいましても、リニア新幹線が例えば十年後にできると。その三年前から建設に入るといっても、そこにどのようにアクセスするのか、周りをどのように計画するかということを考えねばなりません。したがって実際上はもう今からやらないと、つまり駅ができたときにどのようなまちのたたずまいにするかということを考えないとだめだということで森山君以下うちの交通政策、交通基盤部と図っているわけです。
 ただし、オフィシャルには今のところリニア新幹線の建設こそが第一命題なわけです。JR東海にとって。ほかのところはつまり現状のままでそこに駅をつくるといっても、これはかなうところではありません。ですからおっしゃることは正しいのですけれども一方で準備をしないといけないということでありまして、オフィシャルにはリニア新幹線の建設が第一。どのような地盤に彼らが出くわすかわかりません。したがって今の慎重な葛西会長ですら、かなり余裕を持った完成年度を言われています。そのときに、リニア新幹線ができたときに「のぞみ」機能、すなわち東京と名古屋を結ぶサービスはリニアのほうに移りますので、そのときにこちらは「ひかり」と「こだま」の世界になりますから。
 そしてまたさらに言えばもう一つか二つ不幸なこともありました。それは空港から福岡に飛行機を飛ばすと、それがJRの新幹線と競合するという、そういう思いを持たれたことです。しかし今これがウイン・ウインの関係だと。乗り降りされる御乗客の方々は新幹線のほうに行かれると。成田に下りられてもあるいは中部国際空港に下りられても、東京駅あるいは名古屋駅に来られて新幹線で移動されるというのが多いわけです。ですからウイン・ウインの関係になるということもわかってきたわけですね。ですからそういうことを踏まえて葛西さんはこっちに来られて、しかもそれが割り勘のつもりが何と向こうがお持ちになって、そしてさらに何かごついでがあったと思ったら最終列車で帰られることがわかりまして、つまり私にそのことを言うためだけに来られたことがわかったわけです。
 ですからようやく信頼関係が戻ってきたと。やはり物事を進めるには意志決定者の間でまず信頼関係がなければ一歩も前に進みません。私はこのJR東海と県とが持っていたこれまでのいろいろな摩擦というものが今徐々に解消されて、いい方向に向かっているというふうに思っております。ただオフィシャルには今までどおり言われているので、県の担当者というのがどなたか私存じ上げませんけれども、そこまで十分に下りていなかったということはあったかもしれませんけれども、JR東海のほうもオフィシャルにはそのように言われる以外に方法はありません。まずはリニア新幹線です。それができたときに私どもはJR東海があそこを大きく自然環境を破壊されますので、そのときにあわせて南アルプスをエコパークにする、さらに自然遺産にしていくということをいたしますと、そこにビジターセンターをつくらねばなりません。ビジターセンターをつくるということとあわせて、その土捨て場の土を活用すると、そこまで関係してお話をしているわけです。
 ですから意思疎通というのはようやく始まったばかりで、半年の間で今言った以上のことは全然進んでいないんですよ。ただ私どもは粛々とリニア新幹線のサービスの開始をきっちりと視野に入れて、そのリニア新幹線のサービスのその日から既存の新幹線、現在の新幹線のダイヤが変わりますので、そのときにあそこに駅をオープンしていることができると。その準備は今からやっても全然早いとは思わないと。
 ところがそれを多くの人は夢物語だと思うような人もいるし、これまでの経緯から何か期成同盟をつくってJR東海に言上に上がると。そういうふうなことの時代ではもうありません。やはりしっかりとそれぞれの利益を考えて、お互いにも利益になるということをそれぞれが説得力を持って言わないといけないと。そのための前提には話し合いの場をつくらねばなりませんけれども、ようやくその場ができたということをお知らせすることを通してですね、君たちというのはここですよ。その準備をしてくれと言っても、なかなか遠い先のことのように思われてなかなか動かなかったというのは一方でございます。
 ですから私は、思い切って葛西さんと話した中身を公にして、そして間に合うようにしたいという、そういう今状況になっているんです。ですからそのあたりはどうぞ塚本先生も御理解賜りまして、意思疎通はようやく今始まりかけたということで私どもとしましては、JR東海と私どもとの関係がよくなるように、お互いのためになるようなことを考えるというふうにしていかないと決して事は解決しないというふうに思っている次第でございます。
 あとの答弁は関係部局長、教育長から答弁いたします。

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