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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

平賀 高成 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/08/2017

会派名:

日本共産党静岡県議会議員団


質疑・質問事項:

1 国民健康保険の制度改革について                
2 米軍キャンプ富士の早期返還について               
3 浜岡原子力発電所について                    
 (1) 県内三十五市町による中部電力との安全協定の締結        
 (2) 病院や社会福祉施設などの避難計画               
4 リニア中央新幹線の建設工事に対する県の姿勢について       
5 伊東市のメガソーラー問題について                
 (1) 静岡県環境影響評価条例                    
 (2) 太陽光発電に関するガイドライン                
6 自転車事故防止に向けた取り組みについて             
 (1) 高校生に対する教育                      
 (2) 警察における取り組み    


○議長(杉山盛雄君) これで坪内秀樹君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、一番 平賀高成君。
       (一番 平賀高成君登壇 拍手)
○一番(平賀高成君) 日本共産党の平賀高成です。知事、副知事及び関係部局長並びに教育長、警察本部長に一括質問方式で伺います。
 まず初めに、国民健康保険の制度改革についてです。
 国保の都道府県化が来年四月から始まります。県は十一月二十七日の国保運営協議会で各市町が県に納める納付金の試算を公表しました。今議会にも国保料を上げないでもらいたいとの趣旨の請願署名が一万二千四百三十七筆提出され、きょう現在で一万三千八百六筆になっています。
 国保加入者の多くは、高齢者や非正規雇用者など低所得者が多いため医療費がかかり保険料が高過ぎるという構造的問題が指摘されております。その理由の第一に高齢の無職の年金生活者や低賃金の非正規労働者が全体の八割を占めるという加入者の構成比の変化があります。無職の年金生活者は五十年前の六・六%が四四・一%になり、低賃金の非正規労働者などの被用者は同じく一九・五%が三四・一%に、自営業者、農林業者は同じく四二・一%が一七・〇%となっています。
 このことから、後期高齢者ほどではないにしても国保の加入者は低所得、高齢者が圧倒的多数を占めていて、病気になりがちで医療費がかかる人たちで構成されていることは明らかです。したがって公費の投入なしで加入者の負担で国保財政を維持するのはもともと無理があるのではないでしょうか。
 第二に、加入者の所得が大幅に減少したにもかかわらず保険料は大幅に増加していて、さらに増加が見込まれています。一九九五年の国保加入世帯の平均所得は二百三十一万円だったのが二十年後の二〇一五年には九十一万円も減少して百四十万円になりました。ところが一人当たりの国保料は五十年前は三万九千二十円であったものが二十年前には七万六百二十円となり、二〇一五年には九万二千百二十四円と二万一千五百円も増加したのであります。しかも政府の試算では二〇二五年にはさらに一人当たり二万円増の十一万二千円を見込んでいるとのことです。
 年金は引き下げられ、公共料金は上がり可処分所得が減少する中でこれ以上の負担に耐えられない実態を無視するのでしょうか。その結果、医療機関への受診をためらったり医療の中断が起きています。また一層の所得減で生活の困窮化が進んでいて未納者がふえる一方です。国民皆保険制度とは名ばかりで事実上崩壊しているのではないでしょうか。
 第三に、制度的にも国保には欠陥が幾つか見られます。他の健康保険は雇用主が半額負担しているのに、国保は当初こそ国費が半分投入されていましたが今では二五%ほどに引き下げられています。これでは加入者の負担がふえるはずであり不公平であります。また現役で働いている非正規労働者などの被用者や自営業者が病気になったり、仕事中にけがをした場合に他の健康保険にはある傷病手当制度が国保にはないのです。何の補償もないため安心して働けません。さらに応益割額という賦課制度は他の保険制度にはありません。家族の人数によって負担が増加する、この制度が保険料を引き上げる大きな要因になっているのです。封建時代の人頭税の名残のような制度です。低所得者にとっては特に耐えがたい負担増の原因になっています。
 例えば、浜松市の場合保険料の約五〇%を占める応能割――所得割額を除いた応益割額――医療分、介護分、後期高齢者支援分の負担だけでも以下のように高額になります。ひとり暮らしの場合の応益割額だけの料金は平等割額で三万八千百円、均等割額で四万八千六百円、合計で八万六千七百円となります。夫婦二人暮らしの高齢者の場合の応益割額だけの料金は平等割額で三万八千百円は同じでも均等割額で四万八千六百円の二人分で九万七千二百円となり、合計十三万五千三百円となります。夫婦二人子供二人の四人暮らしの場合の応益割額だけの料金は平等割額――世帯割では三万八千百円は同じでも均等割額大人一人当たりで四万八千六百円の二人分と、子供は介護保険料支援分はないので三万八千八百円の二人分で十七万四千八百円、合計二十一万二千九百円となります。したがって他の健康保険のように所得に応じて保険料を納める応能負担制度に変えなければ低所得者に重い負担となり、高過ぎて払えないことになります。その際賦課限度額も大幅に引き上げ、高額所得者にはそれ相応の応分の負担を求めるべきと考えます。
 浜松市の国保料が政令市で一番高いのも、一般会計からの繰入額が低いためでもあります。全国知事会が、協会けんぽ並みの保険料にするためには国が一兆円出さないとできないと主張しています。そのときに三千四百億円、三分の一程度の負担では制度の破綻は免れないのではないでしょうか。
 浜松市の被保険者の特徴として、六十歳以上が五三%で過半数を占めています。七十歳以上も一九・三%を占めています。低所得者の占める割合も高く年間所得百万円以下は四二・九%、百万円から二百万円以下も二二・八%で二つの所得階層だけで六五・七%、三分の二を占めます。二〇一五年度から国の三千四百億円の半額の千七百億円に見合う財政支援があり浜松市には九・八億円が配分されましたが、お年寄りの医療費の自然増十一億円があり差し引きはマイナスです。
 県内市町の国保会計は、医療費の自然増の部分もありますし一〇%前後の滞納者分の保険料は入りませんから、その分を見越して今払っている人たちに一〇%分を上乗せして保険料を徴収して一〇〇%の納付金を県に納めようと市町の担当者は考えているわけです。
 国保の制度改革という以上、国保保険料は下がることになるのでしょうか伺います。そして県は将来的に統一保険料率でいくとしていますが、過疎地域などとの医療費格差はどうするのでしょうか伺います。法定外繰り入れをやっている市町とやっていない市町との格差をどうするのでしょうか伺います。
 さらに、一般会計からの繰り入れはこれまでは市町の判断で続けることはできるとの説明でしたが、国保運営方針では法定外繰り入れは廃止計画をつくるとなっています。
 各市町では、引き続き法定外繰り入れを行って保険料を下げることができるのでしょうか伺います。そして国保の制度改革で構造問題である、高過ぎる保険料を下げるための県の対策はあるのか伺います。国からの公費負担の三千四百億円は保険料値下げのために活用すべきではないでしょうか伺います。
 次に、米軍キャンプ富士の早期返還についてです。
 第四次安倍内閣が発足し、憲法九条に自衛隊の存在を書き込み安保法制戦争法で海外での戦争に自衛隊を参戦させようとしています。
 県内では、東富士演習場ではオスプレイの離発着訓練や市街地上空での低空飛行訓練、沼津市の今沢海岸で強襲揚陸艇LCACの上陸訓練と、銃を持っての匍匐前進が初めて行われまさに戦場で敵地に進撃するための訓練でありました。こうした訓練が県内で行われているほか、今年九月には東富士演習場において日米共同訓練が実施されました。演習場の使用に当たって、米軍キャンプ富士の早期全面返還は東富士演習場使用協定の成立基盤であり、地元地権者も一貫して主張してきています。
 全国でも米軍との訓練が活発化してくる中で、東富士演習場の訓練もこれ以上ふえていくことは東富士演習場使用協定の大前提である米軍のキャンプ富士早期全面返還から遠のくことになるのではないでしょうか、その点で県の認識を伺います。あわせて、県もキャンプ富士の早期全面返還を地権者とともに国に要請すべきではないでしょうか伺います。
 次に、浜岡原発の問題です。
 質問の一つ目は、県内三十五市町による中部電力との安全協定の締結についてです。
 原子力発電所の周辺自治体と原発設置事業者との間で、原子力安全協定が締結される動きが広がっています。隣接自治体等では、例えば福井県の大飯原発について関西電力と滋賀県高島市や京都府との間の安全確保協定など数多くの協定や覚書が締結されていますが、多くはUPZとされている半径三十キロメートル以内に所在する自治体です。しかし新潟県では東京電力と立地自治体を除く全ての市町村二十八自治体が二〇一三年一月に東京電力株式会社柏崎刈羽原子力発電所に係る住民の安全確保に関する協定書を締結しました。このように立地自治体以外の全市町村と事業者が協定を締結したのは新潟県と佐賀県だけです。
 県内でも、三島市や沼津市、伊豆半島など、実際に原発災害が発生した場合はその規模と内容によっては半径三十キロメートルに限らず被害が広がっていくことはさきの東北の震災での福島原発の事故の事例でも明らかです。
 住民の命と財産を守るという自治体の使命から、県内の全ての自治体と原子力安全協定を結ぶように県はリーダーシップを発揮すべきではないでしょうか伺います。
 質問の二つ目は、病院や社会福祉施設などの避難計画についてです。
 県民の最大の不安の一つは、事故時に放射能を浴びずに避難できるかどうかであります。避難計画で一番大変なのは病院や社会福祉施設などの避難計画であります。実際に福島の双葉病院では避難先は三十キロ離れた保健福祉事務所でありましたが、既に他の施設からの高齢者が八百人もいたため、そこで二十キロ南のいわき市の高校を目指しましたが二十キロ圏内は通行禁止でバスは大きく迂回して二百キロを六時間かけて走りました。この移動と到着後に四十六人が亡くなりました。出迎えた看護師は、座ったまま亡くなっている人が真っ先に目に入ったと言います。点滴の管理もなくたんの吸引もできず、水分の欠乏、ショックなどが原因でした。
 こうした病院や社会福祉施設などの避難計画の作成を県は責任を持って支援すべきと考えますが、県の見解を伺います。
 次に、リニア中央新幹線の建設工事に対する県の姿勢についてです。
 リニア新幹線の建設工事では、静岡工区をめぐり大井川の下流利水者が四月からJR東海に求めている流量減少対策を明記した基本協定が先延ばしになっています。川勝知事は協定締結前の工事契約は遺憾と批判し、一方林道使用などの権限を持つ静岡の田辺市長も協定書が合意するまでは着工は認められないと批判しています。
 我が党は、リニア新幹線にもともと反対でありますが、JRのこうした乱暴なやり方は改められる必要があると思いますが、水問題とあわせ工事による大気汚染、騒音、振動や地盤沈下、土壌汚染、さらには貴重な動植物などの自然環境も含めた県の今後の対応について伺います。
 次に、伊東市のメガソーラー問題についてです。
 伊東市では、県下最大と言われるメガソーラー建設計画が進んでいます。パネル十二万枚、四十七ヘクタール、東京ドーム十個分の広さであります。今回の建設計画では森林が四十三ヘクタールも一度に伐採され、災害の危険を防ぐとして調整池はすさまじく大きなもので、例えば調整池の二は長さ百九十五メートル、オリンピックプールの約四倍、幅は四十五メートル、オリンピックプールの一・八七倍、深さは六メートル、これもオリンピックプールの約三倍の深さです。しかし正確に言いますとプールのような直方体ではなく、のり面がありますので戦艦大和がすっぽり入る容積だと表現された方がいました。また調整池一はさらに容量が大きく、つまり巨大な調整池が二つ、また八幡野川へ水量を調整しながら流すための小規模な調整池が一つ、合計三つの調整池が計画されています。太陽光発電のために森林を伐採し、こんな巨大な調整池を山の上につくらなければならない事業に根本的な疑問を感じずにはいられません。
 また、一度伐採した森林はなかなか元に戻らず、この調整池の管理は太陽光発電を中止後も五十年も百年も続けなければ治水ができないということになるのではないでしょうか。業者はそれも続けると言っていますがそんな約束ができるのでしょうか。何よりも想定外の集中豪雨などが頻繁に起きている現在、この開発によって市民の生命財産を危険にさらすことはないのでしょうか。
 メガソーラー問題は、伊東だけではなく伊豆半島で乱開発状況にあります。悪質業者が多く、下田市では市がつくった砂防用の網を破るような工事がされ市が抗議するという例もあり、ずさんな工事が行われています。地元説明会も十分ではなく住民合意もないままに建設が行われている実態があります。河津町では届け出だけでできる規模のため地域住民が知らない間に樹木が大量に切られて工事が始まっています。下田市には他にも大きな計画があり南伊豆町にも計画があります。こうしたことがまかりとおる背景に、県の環境アセスメントに太陽光発電が入っていないことや五十ヘクタール以下なら対象外という甘い基準があるのではないかと思っています。伊東市ではメガソーラー規制条例制定の直接請求署名が今月六日から始まっています。
 以上のことから、県として静岡県環境影響評価条例について、大規模な太陽光発電施設について規模要件の見直しなど条例整備を図るべきではないでしょうか伺います。
 また、太陽光発電に関するガイドライン等について自然環境及び生活環境と共生した再生可能エネルギー施設の設置に係るガイドライン等を制定することについて、県の考えを伺います。
 最後に、自転車事故防止に向けた取り組みについてです。
 昨年、県内で発生した自転車が関係する事故は四千百件を超えており、亡くなられた方は二十二人と聞いています。自転車は気軽で利便性に富み楽しい乗り物でありますが、交差点における一時停車、信号無視、スマートフォンを使用したままの運転などルールを無視した極めて危険な行為が後を絶ちません。
 私の地元浜松でもこうした事例には事欠きません。地元の六間道路の改修工事により長い坂道――距離五百八十メートル、勾配八%――の上から朝の出勤、通学のラッシュ時に高校生の自転車が坂の上から歩道を猛スピードで下ってきます。歩行者の信号が赤になると車道に出て走って行きます。自動車と並行して走っていて左折する車に巻き込まれ衝突したりする事故が頻繁に起こっています。
 まず、高校生自転車の交通マナー向上についてどのような教育を行っているのか教育長に伺います。
 二つ目に、事故防止に向けた取り組みについてです。
 先ほど申し上げた六間道路では、看板や道路面の標示などで事故防止を図っていますが、それだけでは効果がなく自転車のスピードを物理的に下げる取り組みも必要であると思います。
 そこで、工事用に使っている木製のウマ等を使い自転車をジグザグに通過させるとかゴム製のポールなどを立ててスピードを抑制する対策を検討すべきと考えます。浜松市の南土木事務所ではドイツなどでやっているハンプ――住宅地に入る道路の入り口にスピードを落とさないまま進入すると車の底が道路に当たる段差を設けていきたいということを考えているようですが、道路の構造を変えるなどの工事がすぐにできるとは思いませんので、当面すぐ対応するためにも接触してもけがをしない障害物などで対応できないかと考えます。
 地元における一例を申し上げましたが、自転車事故を減らすためには自転車利用者のルールの遵守やマナー向上が強く求められることはもちろんでありますが、当局における指導取り締まり、道路管理者による自転車の通行環境の整備が望まれるところであります。
 そこで、交通を管理する警察における自転車事故防止に向けた取り組みについて警察本部長に伺います。以上です。
○議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 平賀議員にお答えいたします。
 リニア中央新幹線の建設工事に対する県の姿勢についてであります。
 南アルプスは、希少な動植物が生息し生態系の保全や人間社会との共生を目的としてユネスコエコパークに登録されました。全世界に六百六十九の地域が登録されておりますが日本ではわずか九地域であります。そのうちの一つでございまして、まことに南アルプスは世界の財産であるとして、中央新幹線建設工事により自然環境に影響が生じることは許されるものではありません。そういう姿勢で臨んでおります。
 このため、県ではJR東海に対しまして大井川の中下流域の流量減少対策だけでなく導水路トンネル出口より上流域における渓流などの流量回復措置を求めております。また掘削に伴い発生する水質汚濁や資材の運搬用車両等による大気汚染、約三百七十万立方メートルを処理する発生土置き場の崩壊や景観への影響などに対する十全な措置を求めるとともに、自然由来の重金属を含んだ土壌が発生した場合の適正処理なども求めております。
 さらに、静岡県版レッドリストに掲載されている希少野生動植物の保護は非常に重要であります。それゆえ工事の影響のない生育適地への移植や定期的なモニタリングの実施などを内容とする自然環境保全協定の締結に向け、協議を重ねているところであります。
 県といたしましては、JR東海に対しましてトンネル湧水の全量を大井川に戻すことはもとより工事による自然環境への影響回避の対策に万全を期すように求め、この地域の恵み豊かな自然環境の保全に全力で取り組んでまいります。
 その他の事項につきましても、傾聴に値する御高見、御指摘がございましたが、それにかかわる御質問につきましては副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(杉山盛雄君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 浜岡原子力発電所についてのうち、県内三十五市町による中部電力との安全協定の締結についてお答えをいたします。
 原子力災害対策重点区域というのがありますが、これは国の原子力災害対策指針により原子力災害が発生した場合にその影響が及ぶ可能性があり重点的に原子力災害に特有の対策を講じておく区域として定められているものであります。この重点区域は原子力災害対策を実施する地理的範囲の基準となっており、原子力災害対策指針に基づき当該区域に係る道府県や市町村は原子力災害に備えた防災体制の構築や避難計画の策定などを実施しております。
 また、原子力発電所に関し原子力事業者と地域の自治体が締結する安全協定は、発電所の周辺地域の安全確保を目的として環境放射能調査の実施や発電所のトラブルに関する通報等について定めたものです。この安全協定は道府県や重点区域内の市町村が原子力事業者と締結することが一般的であります。
 本県におきましては、従来は当時の重点区域内にある御前崎市などの四市と県、中部電力との間で安全協定を締結しておりました。福島第一原発事故後に国の原子力災害対策指針により重点区域が発電所から三十一キロメートル圏内に拡大したことから、昨年七月重点区域内に入ることとなった五市二町と県、中部電力との間で別途新たな安全協定を締結いたしました。現在の重点区域内にある十一市町と県は国の指針に基づき災害対策を実施するとともに、二つの安全協定に基づき平時から発電所周辺の環境放射能調査を行い、発電所でのトラブル発生時にはその通報を受け必要に応じて立入調査等を実施することとしております。このように重点区域において安全確保に向けた取り組みを十分行っているところであります。
 また、重点区域外の市町につきましては県主催の研究会や研修等を通じ県、中部電力との情報交換を日ごろから行っているほか、原子力災害が発生するおそれがあるときには中部電力からの通報を県が全市町に伝達する体制をとっております。このようなことから安全協定の締結の目的を考えるとその他の地域において安全協定を締結する必要性はないと考えております。
 県といたしましては、今後とも安全協定の適切な運用等を通じて県民の安全・安心の確保に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 国民健康保険の制度改革についてお答えいたします。
 今回の制度改革は、国民健康保険料を見直すためでなく県が財政運営に参画し安定的な運営を行うことにより将来にわたって持続可能な国民健康保険制度を構築するものであります。保険料につきましては、今後も市町が決定することとなっておりますので激変緩和措置を講じ保険料の急激な増加を抑制することとしております。
 市町における医療費の差につきましては、健康づくり事業を初め特定健診の受診促進や診療報酬請求書の点検の充実などにより医療費の適正化の取り組みを進め、市町間の医療費水準の差を段階的に減らすことにより保険料水準の統一に向けた条件が整うように市町と取り組んでまいります。
 市町の法定外の繰り入れにつきましては、制度移行に向けた県と市町との協議により制度移行後の状況を踏まえながら市町が国保事業の効率化や保険料負担の見直しに取り組み健全な財政運営を行い、法定外繰り入れを計画的に解消していくこととしております。また制度改革後におきましても被保険者の負担を大きく変動させることなく、国保事業を行うために必要な場合は市町の判断により法定外繰り入れを行うことは可能であるとしております。
 適正な保険料を維持するためには、県の取り組みといたしましては引き続き国に対しまして十分な財政措置を講じることを働きかけるとともに、市町の医療費の増加抑制の取り組みを支援するなど制度改革に伴い保険料負担が大幅にふえることのないように努めてまいります。国からの公費負担につきましては、保険料を軽減させるための活用に加え市町の保険料の収納率向上や健康づくりなど国が定める取り組みに活用するなど、国民健康保険料の安定に資することとなっております。
 県といたしましては、今後も市町と十分に協議を行いながら円滑な制度移行を図り、安定的な財政運営により将来にわたって県民が安心して医療を受けられる国民健康保険制度となるようにしっかり取り組んでまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 木利夫君登壇)
○くらし・環境部長(木利夫君) 米軍キャンプ富士の早期返還についてお答えいたします。
 東富士演習場は、昭和二十二年から米軍の管理下に置かれ昭和四十三年に米軍キャンプ富士を除き返還されたところであります。それ以降も地元地権者及び市町ではあらゆる機会を通じ米軍キャンプ富士の返還を求めております。
 ことし九月の十五年ぶり八回目となる日米共同訓練の国との事前協議に当たり、地元の地権者及び市町そして県は東富士演習場で日米共同訓練が恒常化することは米軍キャンプ富士の返還を求める方針に反するとの認識で臨み、国からは来年度は日米共同訓練を行わない確約を得た上で了承したところであります。
 米軍キャンプ富士の返還要請につきましては、地元地権者の意向を受けて県と御殿場市、裾野市、小山町など六市一町で構成いたします静岡県基地関係連絡協議会において国に対して要望を行っております。また十五都道府県で構成する渉外関係主要都道府県知事連絡協議会においても米軍基地の整理、縮小及び早期返還の促進を要望しているところであります。
 今後も、県民の安全・安心を図るという観点から地元と連携を図り適切に対応してまいります。
 次に、伊東市のメガソーラー問題についてのうち、静岡県環境影響評価条例についてであります。
 太陽光発電施設の設置につきましては環境影響評価法の定めはございませんが、本県では電気供給事業の敷地を工業団地に位置づけている法令を参考に太陽光発電施設の設置を工業団地の造成と位置づけ、条例上造成面積五十ヘクタール以上を対象としてきたところであります。五十ヘクタール未満であっても、工作物の建設に許可が必要な鳥獣保護管理法の特別保護地区や自然公園法の特別地域等に該当する場合は県が定める判定基準により環境影響評価の対象としております。
 県といたしましては、今後も太陽光発電事業に伴う環境保全対策が適正に行われるよう指導していくとともに、必要に応じまして環境影響評価の対象規模等の見直しについても研究してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 杉保危機管理部長。
       (危機管理部長 杉保聡正君登壇)
○危機管理部長(杉保聡正君) 浜岡原子力発電所についてのうち、病院や社会福祉施設などの避難計画についてお答えをいたします。
 病院や社会福祉施設などの避難計画につきましては、浜岡地域原子力災害広域避難計画に基づいて各施設管理者が策定することとしており、県はこれに先立ち避難計画策定の前提となる避難先や避難手段の確保について病院関係団体や輸送事業関係者との調整に取り組んでおります。また各施設の避難計画の策定が円滑に進むよう、来年度にはひな形となるマニュアルを作成するなどの支援を行ってまいります。
 さらには、発電所周辺の施設に入院、入所されている方々が避難計画に基づく適切な搬送体制が整うまでの間安全に施設内にとどまれるよう、放射性物質を除去することができるフィルターを設置するなどの放射線防護対策にも取り組んでいるところであり、現在市立御前崎総合病院を初め五つの施設で対策工事が完了しております。
 原子力災害時における避難において、これらの施設の避難計画策定は大変重要な課題と考えており、県といたしましては国、市町及び関係団体と連携しながら引き続き可能な限り早期に入院患者の症例や福祉施設の入所者の状態に適した避難計画が策定できるよう支援を行ってまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 天野経済産業部長事務代理者。
       (経済産業部長事務代理者 天野朗彦君登壇)
○経済産業部長事務代理者(天野朗彦君) 伊東市のメガソーラー問題についてのうち、太陽光発電に関するガイドラインについてお答えをいたします。
 本年四月に、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法、いわゆるFIT法が改正され事業計画の策定を義務づける新たな認定制度が創設されました。これに伴いまして資源エネルギー庁は太陽光発電の事業計画策定ガイドラインを示し、地域との関係構築を含め防災、環境保全、景観保全の観点から適切な開発計画の策定を求めるなど適正な事業実施の確保を図っているところであります。
 本県では、富士宮市が平成二十七年に条例を制定し世界文化遺産である富士山の景観や自然を保全するため大規模な太陽光発電設備の設置を抑制する区域を設けております。また伊東市におきましてもことし十月に庁内の検討委員会を立ち上げ、太陽光発電施設の設置に係る規制のあり方について検討を進めているところであります。
 県といたしましては、こうした状況を踏まえまして、全県の統一的な太陽光発電に関するガイドライン等の必要性につきまして先行する他県の事例や県内市町の意向等を確認しながら研究してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 自転車事故防止に向けた取り組みについてのうち、高校生に対する教育についてお答えいたします。
 本県の高校生の自転車通学率は高くなっており、本年度は七五・六%と四人のうち三人が自転車で通学している状況となっております。このため高校生の自転車運転マナーの向上は事故などから自分を守るために非常に重要であると考えております。
 各学校では、毎年度通学に使用する自転車の点検を実施し安全性を確認するとともに、警察署等から講師を招いて交通安全教室を開催し自転車安全利用五則などの講義を行っております。またスタントマンによる衝突事故の再現や事故のシミュレーションシステムを活用した危険性や衝撃の大きさを実感できる講習会等を開催するなど、体験型の交通安全教室も行っております。
 さらに、高校生が校内で実施した交通安全意識調査を分析、考察することでみずからの意識を高める取り組みを行っているほか、入学時等に保護者に対して啓発資料を配布し指導、協力をお願いしております。このほか例年通学になれ始めた五月、六月に事故が多いことから、毎年五月に教員を対象とした研修会を開催し特に通学にふなれな一年生への指導の徹底を図っているほか、交通事故の被害者遺族による講演等を行い交通安全の重要性について理解を深める取り組みを実施しております。
 しかしながら、高校生の自転車事故死傷者数は平成二十八年におきましても九百三十五人と依然として多いことから、関係機関と連携し繰り返し啓発活動を行うとともに、事故の危険性を実感できるような講習会の実施等により現在の取り組みの質を高め高校生の自転車事故の防止に努めてまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 筋警察本部長。
       (警察本部長 筋 伊知朗君登壇)
○警察本部長(筋 伊知朗君) 自転車事故防止に向けた取り組みについてのうち、警察における取り組みについてお答えいたします。
 県下の自転車が関係する交通事故は、本年十月末現在発生件数が三千四百六十二件で前年に比べ百件、三・〇%増加し、死者数は十二人と前年に比べ七人減少しています。全自転車事故のうち高校生によるものが八百四十一件と約四分の一を占めています。
 県警察では、自転車の交通事故を抑止するため自転車利用者に対するルールの周知と交通安全教育の実施、悪質な違反行為に対する指導、警告の実施などの総合的な対策に取り組んでいるところであります。具体的には小中高校や自動車学校等関係機関、団体と連携した児童生徒から高齢者まで幅広い年齢層に対する交通安全教育、自転車事故の発生が多い通学時間帯における悪質危険な運転行為に対する自転車安全指導カードを活用した安全運転指導、危険な違反を繰り返す自転車運転者に対して行う自転車運転者講習制度の適切な運用に努めており、加えて万一交通事故の加害者になった場合の刑事責任、損害賠償責任の重大性の周知などにも配意しております。
 また、自転車の通行環境の整備については県警察といたしましても道路管理者等と連携して取り組んでおります。
 県警察といたしましては、引き続き関係機関、団体と連携し自転車の交通事故の防止と良好な自転車交通秩序の実現を図るため、これらの対策を推進してまいります。
 なお、議員御指摘の浜松市の六間道路における自転車事故防止対策につきましても、引き続き道路管理者等関係機関と連携した取り組みを推進してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 平賀高成君。
       (一番 平賀高成君登壇)
○一番(平賀高成君) まず、要望を一点と再質問を一点行います。
 まず、要望の点では伊東市のメガソーラー問題で、四十三ヘクタールもの森林を一度に伐採してしまうのは伊豆の豊かな自然環境の破壊であり、土砂が海にも流れ込んで漁業にも影響が出てまいります。伊豆の魅力を一生懸命発揮しようとさまざまな努力をしているときに、そうした県の取り組みを根底からひっくり返すようなこういうふうなやり方は到底認められるものではありません。
 本年の九月に、県議会の本会議で伊東市出身の中田県議からこのメガソーラーの問題の質問がありました。そのときに川勝知事は、川勝平太は断固反対でありますと明快な答弁をされておられました。私はこの知事の立場を最後まで貫いていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 それから、再質問は国保の問題での再質問を行います。
 山口部長からはいろいろ御答弁がありました。いろいろありましたけれども一言で言えばこれはソフトランディングでいきますよと、いろんな調整が必要な場合でも一気にそれをやらないでなるべく摩擦が起きないように進めていきたいという、こういうふうな趣旨であったと思います。
 私は、この答弁の中には高過ぎる国保料のこの引き下げの問題で具体的な何か答弁があるのかなと思っておりましたけれども、これはなかなかありませんでした。それで健康づくりの話もありましたが、この健康づくりは結構時間がかかると思います。やっぱり国保料を下げるためには二つしか方法はないと思うんですね。一つは医療費をいかに下げるかと、この点では健康づくりなどがあると思いますが、もう一つは財政支援で国保料を下げる、一般会計からの法定外繰り入れを行うというこの二つしかないと思います。
 一つの医療費を下げるという点で、これは健康づくりの日本一は長野県ですね。長野県は皆さんも御承知のように雪が降って冬の間は買い物などに、外に出れない。そのために野菜などの保存食をたくさんつくってこれで冬を越すわけです。それで塩分の取り過ぎで、そして家の中が寒いもんですからせめて一部屋だけでも暖房をちゃんとやりましょうということで昭和三十年代から一部屋温室運動というこういうふうなこともやって脳卒中を防ぐというこういうふうな取り組みをやってきて、今は沖縄県を抜いて長寿日本一とこういうふうなところに来ているんです。ですから医療費を削るという点で引き下げるという点で、やっぱり長野県でも五十年、六十年かけて現在に至っているわけでやっぱりこの健康づくりというのは非常に時間がかかるものだと、一朝一夕にはできるものではないというふうに思っています。
 来年の四月から、国保料がこれ上がるかどうなのかと、この問題で私は県としても財政支援を行うべきだと思いますが、部長にその点について見解を伺いたいと思います。
○議長(杉山盛雄君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 国民健康保険の運営は、保険料と国庫負担金等で補うのが原則でございます。そうしたことから、県のほうといたしましては県の法定外繰り入れにつきましてはこれは慎重に考えていかなければならない問題と考えております。
 県といたしましては、今後も保険料と国庫負担金で補えるように国に対しても十分な財源補塡をしていただけるようお願いしてまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 平賀高成君。
       (一番 平賀高成君登壇)
○一番(平賀高成君) 財政の問題でですね、ちょっと山口部長に伺いましたけれども、財政問題で部長に聞いてもやっぱりだめだということがよくわかりました。それはなぜかと言いますと、それは予算の問題ですからこれは知事を飛び越えて部長があれこれ言うわけにはいきませんから。ですから私は知事に伺いたいと思いますが、全国知事会として一兆円国保の財政に入れないと協会けんぽ並みの保険料にならないというふうなことで国に一兆円の財政要望をしているわけですが、全国でもですね、これは東京を初めとして一都一府十七県で、これは国保の財政支援を全国では行っております。
 少なくとも、「住んでよし 産んでよし 育ててよし」という常々そういったことを知事は言われているわけですが、県としてもそういう財政支援を行うべきときに来ていると思いますがそういうふうな検討をするべきじゃないでしょうか。知事に答弁を求めます。
○議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 研究をさせてください。以上です。
○議長(杉山盛雄君) これで平賀高成君の質問は終わりました。(拍手)
 議事の都合により休憩します。

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