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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

石橋 康弘 議員

質問分類

一般質問

質問日:

07/26/2013

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 富士山世界文化遺産登録に伴う環境保全と広域観光振興について                              
 (1) 富士山の環境保全                       
 (2) 広域観光振興                         
2 東南アジアとの交流促進について                 
3 国・県・市町道のトンネルと橋梁の維持管理について        
 (1) 県管理道路の維持管理の取り組み                
 (2) 市町道の維持管理状況と県の支援の取り組み           
4 在宅医療の地域連携の普及促進について              
5 教育委員会制度改革における校長の学校マネジメントについて                               
6 児童虐待から子供を守るための警察の取り組みについて 


○議長(中谷多加二君) これで大池幸男君の質問は終わりました。
 次に、六十三番 石橋康弘君。
       (石橋康弘君登壇 拍手)
○六十三番(石橋康弘君) 私は自民改革会議所属議員として通告に従い、知事並びに関係部局長、教育長、警察本部長にお伺いいたします。
 初めに、富士山世界文化遺産登録に伴う環境保全と広域観光振興について伺います。
 まず、富士山の環境保全について伺います。
 この六月に、カンボジアのプノンペンで開催された第三十七回世界遺産委員会において、富士山の世界文化遺産への登録が決定いたしました。富士山という自然そのものに宗教性、芸術性を見出してきた我が国の文化観と自然観が世界に認められたことは大変意義深く、我々県民にとっても喜ばしい限りであります。これまで長きにわたり登録に向けて御尽力いただきました全ての関係の皆様に敬意と感謝を申し上げる次第であります。今後はこの人類共通の財産をいかに後世に継承していくかが重要な課題となります。
 今年のゴールデンウイーク期間中には好天に恵まれたことに加え、イコモスが富士山の世界遺産登録を勧告との報道により富士山周辺に例年以上の多くの観光客が訪れたことからもわかるように世界遺産には多くの人々を引き寄せる魅力があるということを改めて感じております。現在世界遺産登録後初めての登山シーズンを迎え、既に多くの登山者が訪れております。近年三十万人前後で推移していた登山者数や周辺の観光施設の入り込み客数がどの程度増加するのか、大変関心を持っているところであります。
 一方で世界遺産である富士山への来訪者の増加は、必ずしもよいことばかりではありません。一九九三年に世界自然遺産として登録された鹿児島県の屋久島では、登録前は十万人台で推移していた入り込み客数が高速船の就航をきっかけに登録後は激増し、ピークの二〇〇七年度には四十万人を上回る状況となりました。また登録前に一万人程度であった縄文杉を目指す登山者数は、二〇〇八年度には九万人を超えるまでになり、縄文杉の根元や植物の踏みつけによる植生への影響などが問題になっているということであります。世界遺産登録は、未来永劫保証されるものではなく維持管理の状況によっては登録の抹消もあり得ることを私たちは肝に銘じなければなりません。
 富士山を今後も世界遺産としてふさわしい状態に守っていくためには、国内外からの来訪者に対する植生保護、ごみの持ち帰りやトイレ利用等、登山におけるルールやマナー指導のほか廃棄物の不法投棄対策などが必要と考えられます。
 そこで、世界遺産登録後の富士山の環境保全に対する県の取り組みについて伺います。
 次に、広域観光振興について伺います。
 富士山の世界文化遺産登録は、富士山が日本の宝から世界の宝として認められたこととなり国内のみならず海外へのPR効果も大変大きなものがあり、誘客の絶好の機会であると考えます。さらに本年度末には、東駿河湾環状道路や圏央道の開通により北関東より遠方の地域から観光客を呼び込む可能性が広がるなど静岡県、そして伊豆地域にとっても追い風の状況が続きます。
 一方で、四月に県から発表された平成二十四年一年間の県内の宿泊客数は、速報値ではありますが県全体で一千七百七十八万九千人で平成二十三年度と比べ一一〇・二%であり、東日本大震災前の平成二十二年の数値と比較しても一〇一・九%となっており、東日本大震災の影響からは脱し回復傾向にあることがうかがえますが、その内容を地域別に見ますと、伊豆地域のように一〇〇%に満たない地域もあり震災前の水準と比べ依然として厳しい状況が続いております。
 観光客の動向を本格的に回復軌道に乗せ県内の観光振興、ひいては地域の活性化を図るためには、富士山の世界文化遺産登録に伴う誘客効果を伊豆地域を含めた県内全域に及ぼすことが必要であります。昨日は田子の浦が話題になったわけですが、特に伊豆地域では清水港と土肥港を結ぶ県道二百二十三号の海上ルートや伊豆市達磨山など日本一美しい富士山の眺望の地として大きくPRしていくことが望まれると思います。
 そこで首都圏や中京圏、関西圏はもちろんのこと、富士山静岡空港を活用して国内外から多くの観光客に本県を訪れてもらうとともに県内を伊豆地域から西部地域までの広域で周遊してもらう広域観光振興の取り組みと強力なPRを早急に行う必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、東南アジアの交流促進について伺います。
 本年は、昭和四十八年に日本とASEANの交流が始まって以来四十年となる日・ASEAN友好協力四十周年の節目の年に当たります。この間日本とASEAN諸国との間では、貿易、投資を初め文化、教育、青少年交流などさまざまな分野での交流が続けられてまいりました。
 平成二十三年には、非ASEAN加盟国として二番目となるASEAN日本政府代表部がインドネシアに開設されるとともに、共に繁栄する日本とASEANの戦略的パートナーシップの共同宣言が発表され、関係がさらに強化されたところであります。
 ASEAN各国は、この間平成九年のタイ・バーツの暴落に端を発する通貨危機に見舞われましたが、その後は力強い立ち直りを見せ、リーマンショックを引き金に世界経済が混迷する中においても順調な経済成長を実現してまいりました。現在平成二十七年のASEAN経済共同体設立に向けた調整が進められており、域内関税の原則撤廃の動きを視野に各国から投資が活発化しております。
 他方、観光面につきましては東日本大震災により一時的に訪日旅行客が減少したものの、好調な経済状況に支えられ急速な回復を見せております。特にタイ、マレーシアからの訪日客数は、ことし一月から四月には計十八万七千人と前年同期比で約四割の増加を記録したことが発表されました。さらに東南アジアからの訪日客数を百万人にふやすため、今夏からタイ、マレーシアについて観光ビザの取得を免除、ベトナムとフィリピンについては数次ビザを発給することが政府によって決定されたところであります。
 こうした状況を踏まえますと本県にとりましても今後、世界の成長センターと言われる東南アジア地域と多様な交流を進め、相互協力関係を深めていくことは極めて重大であると考えております。
 先月にはシンガポールの東南アジア駐在員事務所が新たにオープンしたところですが、今後東南アジア地域とより強固な関係を築いていくため、どのような取り組みを進めていくのかお伺いします。
 次に、国・県・市町道のトンネルと橋梁の維持管理について伺います。まず県管理道路の維持管理の取り組みについて伺います。
 現在、高度経済成長期に集中的に整備された公共土木施設が老朽化し、その施設の維持管理、更新に多額の費用が必要となることが大きな課題となっております。近年の厳しい財政状況下において公共投資は大幅に減少しており、現存する施設を次世代へ的確に継承していくため、適切な時期に適切な補修、更新を行うことがより一層重要となってきております。
 昨年十二月に山梨県の中央道笹子トンネルにおいて天井板が崩落し、九名のとうとい命が失われる事故が発生しました。事故以降インフラの老朽化問題への関心が高まっており、改めて維持管理の重要性を認識したところであります。
 この事故を受け国土交通省は、命と暮らしを守る観点から事前防災・減災のための国土強靱化の推進に向けたインフラ老朽化対策として地域における総合的老朽化対策などの取り組みへの集中的支援という方針を掲げ、道路ストックの総点検を実施し緊急的な補修など必要な対策を講ずるとともに、道路構造物の長寿命化等戦略的維持管理、更新を推進することとしております。
 本県においては、道路施設について既に点検とそれに基づく緊急な対策を実施し効率的で経済的な維持管理に向けて取り組んでいることは承知しております。しかし笹子トンネルの事故を受け、県としても道路施設の安全性を確保するために特に重要な道路構造物であるトンネルや橋梁について、一層重点的に維持管理、更新に取り組んでいく必要があると考えます。
 そこで、県では、今後県管理のトンネルと橋梁について、どのように維持管理を行っていくのか伺います。
 次に、市町道の維持管理状況と県の支援の取り組みについて伺います。
 笹子トンネルの事故を受け国土交通省では、トンネルを管理する市町村を対象に維持管理に関するアンケートを行い、本年二月にその結果が公表されました。これによりますと対象市町村のうち約六割が天井板崩落事故以前に一度もトンネル点検をしていなかったことが明らかになりました。また、点検や維持管理の実施に当たっては、厳しい財政事情の中で予算の確保が懸念されることや業務が増加することなどが課題として浮かび上がってまいりました。
 このような状況の中で国においては、トンネルや橋梁等の多くの道路構造物を抱える市町村への支援を図る動きが見られます。本県は海岸部から山間部までの多彩な県土を有していることから市町が管理する道路にも多数のトンネルや橋梁などの道路施設があり、多くの県民が日々利用しております。今後も県民が安心して道路を利用し続けることができるようにするためには、早急に道路施設の点検を行い適切な維持管理をすることが必要であると考えます。
 県においても市町への助言や技術支援などが必要と考えますが、道路施設の事故防止の観点から県内市町のトンネルや橋梁の維持管理状況と県の支援の取り組みについて伺います。
 次に、在宅医療の地域連携の普及促進について伺います。
 現在、我が国では、病院で亡くなられる方が大半であります。しかし生活の質を重視する医療ケアを望む声は年々高まっており、厚生労働省が平成二十年に行った終末期医療に関する調査によりますと六割を超える方が最期まで自宅で療養したい、あるいはできるだけ自宅で療養し必要になればそれまで通院または入院していた医療機関や緩和ケア病棟に入院したいと考えているとの報告がなされております。
 これに加え我が国の高齢化は今後もますます進み、厚生労働省によると団塊の世代の方々全てが七十五歳以上となる二〇二五年には、在宅医療を必要とする患者さんは二十九万人と推計され二〇一一年より約十二万人増となることが見込まれるとの報告がされております。このように在宅医療のニーズは今後急速に高まってくると考えます。
 入院すれば医師や看護職員、薬剤師といった医療従事者が二十四時間サポートできる体制が敷かれていることから、患者さんは安心して療養ができます。しかし自宅などにナースコールはありません。患者さんやその家族が安心して在宅医療を受けるには、在宅医療支援診療所など中心となる医療機関とともに、二十四時間のサポート体制に欠くことのできない訪問看護ステーションや介護サービス事業者、さらには訪問薬剤管理指導を行う薬局も必要であり、これらを担う医師、歯科医師、薬剤師、訪問看護師等がおのおのの専門知識を生かしチームとして患者さんや御家族を支えていくことが重要であります。
 このようなことから現在、全国各地で地域の病院や診療所、訪問看護ステーション、介護施設、薬局などが連携し、一体となって在宅で療養されている方への支援に取り組んでいるとのことです。本県における現状と普及促進に向けた取り組みについて伺います。
 次に、教育委員会制度改革における校長の学校マネジメントについて伺います。
 教育委員会制度等のあり方について国民的な関心を呼んでいる中、この四月には教育再生実行会議が首相に対し提言を行いました。この提言のポイントは、地方教育行政の権限と責任を明確にすることにあります。確かに現行の教育委員会は合議制であり、多様な意見を丁重に酌み取りコンセンサスを重視するという点ではよさもある反面どうしても決断が遅くなりがちで、玉虫色の結論や責任と権限が不明確な施策に陥りやすい面があることも事実であります。誰が何について責任と権限を有するのか整理することは大きな意義があり、これからこの提言を受けて中央教育審議会でどのような議論が行われるのか注目しているところであります。
 私としては、教育現場の責任者である校長に教育課程の編成や人事、予算面での一定の権限を与え、経営責任を求めることによって各学校の自立的な取り組みが図れるものと考えております。そのためには国レベルでの制度改革を行わなければできないこともあるでしょうが、これを待たずとも現行制度下でも改善を図れる余地もあるのではないかと考えます。
 平成十年の中央教育審議会の答申において、教育委員会と学校の関係の見直しと学校裁量権限の拡大の方針が打ち出されて以来、本県におきましては県立学校の経営に対して校長の裁量は拡大されていると伺っております。しかしながら昨年度本県で行われた教育行政のあり方検討会では、県立学校の経営に対する教育委員会の関与について問題点や課題が顕在化され、その解決に向けての方向性が意見書の中に盛り込まれております。
 県立学校の経営に関しましては、校長みずからの裁量において今でも特色化を図る取り組みを行っていると思いますが、その実態や教育行政のあり方検討会での意見における校長の学校マネジメントの向上に対する今後の対応について、教育長の見解を伺います。
 次に、児童虐待から子供を守るための警察の取り組みについて伺います。
 先日、二〇一二年度に県内の児童相談所に寄せられた児童虐待の相談件数は一千六百件余りであり、八年連続過去最多を更新したと発表がございました。この数字は十年前と比較して実に三倍強であり、児童虐待についての社会的関心が高まってきている一つのあらわれであろうと思われます。
 児童虐待相談への対応として子供を一時的に家庭から引き離す、いわゆる一時保護は、前年よりも百二十二人もふえて過去最多となり五百人を超えたと聞き及んでおります。児童虐待の内容も暴力による身体的虐待やネグレクト、言葉でおどす等の心理的虐待について、いずれも前年度を上回る結果であったということであります。県内各地において増加傾向が認められる中で子供の命を守り、また健全な成長を守っていくことは、関係機関において急務であると感じております。
 児童虐待防止法では、児童虐待に係る通告先は市町や児童相談所とされておりますが、児童虐待が重篤化するのを防ぐには早期の段階で警察の協力を得ることが重要であると考えます。以前には、県内において児童虐待が重篤化して最悪の結果になってしまった事例もあり、児童相談所と警察の連携がうまく機能しなかったこともあったと承知しております。
 こうしたことから、昨年度、県が児童相談所から警察への連絡基準を策定し、これに基づいて警察への連絡が行われるようになったと伺っております。一つの虐待行為が重大事件へ発展してしまうことを水際で予防していくためには、児童相談所と警察が緊密に連携していくことが不可欠であろうと思われます。
 県では、児童虐待に対する児童福祉司の増員などの施策を推進中ということですが、警察として県内各地において増加傾向にある児童虐待がさらに重大事件に発展していくことを防止し、被害児童を早期に救出保護していくためにどのような施策を講じていくのか。また現に実行中の施策についてどのような効果があらわれているのか警察本部長にお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(中谷多加二君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 石橋議員にお答えいたします。
 初めに、富士山世界文化遺産登録に伴う環境保全と広域観光振興についてのうち、広域観光振興についてお答えいたします。
 本県は、世界遺産富士山や伊豆半島ジオパーク、浜名湖など県内全域で世界に誇る観光資源に恵まれております。これらを結ぶ東名、新東名などの自動車道を五つの大路と位置づけまして、それぞれの周辺地域の特色をまずは食というところから生かしていこうということで、食の都大路を進めているところでございます。
 三年前に食の都仕事人という方たちを二百人表彰いたしまして、その後それが順調に発展いたしまして既に食の都仕事人のいわゆるレストランガイドというのは改訂三冊目になっております。そしてことし三月に食の都大路マップという簡便なレストランガイドを五分冊、プラス花めぐりの六分冊で発行いたしました。昨年四月に新東名が開通し、そして本年度末には東駿河湾環状道路と圏央道の開通が見込まれております。
 こうしたことに助けられまして食の都大路マップは、ことし三月に十万部作成したわけですが現段階でもう既に八万八千部以上が配布されておりまして、大変な人気になっております。文字どおり食の都としての位置づけが多くの方々に支えられて、それが数字にあらわれていると考えているところでございます。今はこうした形で広い地域からお客様を迎えることが可能になっております。県内での移動もスムーズになっておりますので、広域観光を振興する条件が整ってきたという認識を持っています。
 去る六月に東京で観光商談会を開催いたしました。そして交通アクセスについて丁寧に御説明申し上げた上で各地の見どころや食の魅力などを紹介し、県内を周遊する商品の造成を働きかけ確かな手応えを得たところでございます。今後は名古屋と大阪でも同様の商談会を開催いたします。
 また、韓国、中国及び台湾に加えタイやマレーシア等訪日客数の増加が著しい国々におきましても観光展への出展や現地旅行会社の県内への招請を実施するなど富士山を中心に据えた商品造成を働きかけてまいります。
 これからは、地域間競争に勝ち抜かねばなりません。行政、観光関係者はもとより農林水産業者や商工業者などが知恵を出し合って、それぞれの観光資源を結びつけることで新しい価値を創造し、魅力を一段と高めていくということが大変重要になります。
 県内全域への一層の誘客を図るため、地域の観光を担うさまざまな主体が力を合わせて世界遺産富士山とふじのくに静岡の多彩な魅力に磨きをかけ、国内外に積極的に発信することで広域観光を振興してまいります。
 次に、東南アジアとの交流促進についてであります。
 ASEAN共同体の創設に向けて、東南アジアでの経済連携が極めてスムーズに進行、進展しているという認識を持っております。今後さらに一層の成長が見込まれる域内各国とより密接な関係を構築していくことは、本県の地域外交を展開していく上でも大変重要な課題であると考えています。
 先月シンガポールにおきまして、東南アジア駐在員事務所が開設の運びになりました。これまで四半世紀の間、本県は東南アジアに事務員を派遣しておりましたけれども、これはジェトロの中に机を一つ借りているという状態で、いわばでっち奉公をしているというような状況であったと思っております。そこで四半世紀のこの経験を踏まえまして、そこから自立すると。ジェトロから卒業するということで本県独自の東南アジア事務所を構えたということでございます。そこを見に行きました。大変立地のいいところでございまして、現地の職員も日本語のできる職員がおりまして、いいスタートを切ったと認識しております。
 その開設を記念したレセプションを政府関係者など約百三十名をお招きして開きました。産業、観光、自然の魅力など静岡県の優位性や潜在力を紹介するプレゼンテーションを実施いたしました。また、カンボジアでの富士山世界文化遺産登録活動に伴い、トップセールスを許される時間の中で全力で行った次第でございます。現地の関係者の方々からは、静岡とシンガポールを初めとする東南アジア地域との新しい関係の構築に期待するというさまざまな温かい激励のお言葉をいただいたところでございます。
 今後は、新しくオープンいたしましたこのシンガポールの駐在員事務所を大いに活用いたしまして、イベントへの出展やフェイスブックの活用などを通じてふじのくに静岡県の魅力を発信し、今月からビザ発給要件が緩和されたタイ、マレーシアなどからの定期便就航先の仁川、上海、台北を経由した観光誘客やイチゴ、トマト、ミカンなどの県産品の販路拡大、留学フェアへの参加を通じた本県への留学促進などに積極的に取り組んでまいります。
 また、タイ、インドネシア、ベトナムの三カ国に設置したビジネスサポートデスクによる個々の企業の特性に応じたコンサルティングなどきめ細かな支援を通じて、本県企業の海外展開支援を一層強化してまいります。さらにシンガポールにおきましては、本県の対外関係推進員であるテン・テンダー氏またガン・シャンキョン氏や観光、航空関係者などで構成された現地での応援団である静岡フレンズなどの人脈を活用いたします。
 ただに東南アジア域内だけではなく、台北にも独立した出先機関を開設いたしました。台湾は、地政学的な位置から東南アジアとの関係が非常に深うございます。また沖縄もその昔から南海の物産を集めまして、舟楫をもって万国の津梁となすと言われたくらい東南アジアとの関係が深うございます。それぞれ沖縄に関しましては物産会社に職員を常駐させております。この沖縄の物産会社のうちの職員とそして台湾の出先機関における職員とこうした者とシンガポールとを連携させることを通じて、東南アジア地域との幅広い交流を図っていきたいと考えております。
 今、東南アジアは成長が著しく、この地域の活力を取り込んで、静岡県の発展に資するように努めてまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(中谷多加二君) 伊熊くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 伊熊元則君登壇)
○くらし・環境部長(伊熊元則君) 富士山世界文化遺産登録に伴う環境保全と広域観光振興についてのうち、富士山の環境保全についてお答えいたします。
 県では、富士山の恵みを後世に引き継ぐことは、今を生きる私たちの使命であるとの認識のもと富士山の環境保全の行動規範である富士山憲章の趣旨に基づき環境負荷の軽減、環境保全意識の高揚、生物多様性の確保を施策の柱として環境保全対策を進めてまいりました。
 具体的には、バイオトイレの整備支援、廃棄物の不法投棄撲滅運動のほか県内外の個人やNPO、企業等でふじさんネットワークを組織し、登山マナーの啓発やごみ拾い、植林や自然植生の回復等に取り組み、その結果富士山の自然環境は目に見えて向上いたしました。しかしながら世界遺産登録後は、議員御指摘のとおり外国人を含む登山者等の増加による環境負荷の増大が懸念されております。
 このようなことから県といたしましては、多言語によるマナーガイドブックの作成、配布や富士山クリーンアップ登山大作戦等の清掃活動を通じて訪れる人の理解と協力を仰ぎ、保全意識の一層の向上を図るとともに、今年度実施している富士山麓植生保全パトロールの結果も活用しながら、生物多様性の確保に努めるなど富士山の環境保全対策に万全を期してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 長島交通基盤部長。
       (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
○交通基盤部長(長島郁夫君) 国・県・市町道のトンネルと橋梁の維持管理についてのうち、初めに県管理道路の維持管理の取り組みについてお答えいたします。
 県では、トンネルと橋梁について平成二十二年度から道路施設長寿命化緊急対策として、更新時期を迎えた三十一トンネルの附属物である非常用通信設備等の交換や劣化の著しい百七橋の主要部材の補修を進めるなど適切な維持管理に努めてきたところであります。
 ことし一月に国から示された道路ストックの総点検の方針を踏まえ、県では改めて本年度に全てのトンネル本体の再点検を行い平成十八年度から実施してきた点検結果と比較して健全度を評価し、対策が必要となる箇所について補修を行ってまいります。
 橋梁につきましては、本年度の点検から打音検査等を新たに加え精度の高い状態把握を行い、平成十七年度から蓄積された点検データと補修、補強履歴をもとに劣化が軽微なうちに計画的に補修を行う予防保全管理を実施してまいります。
 県といたしましては、社会資本として重要な施設であるトンネルや橋梁の経済的かつ効率的な維持管理を行い、信頼性の高い道路ネットワークの確保に努めてまいります。
 次に、市町道の維持管理状況と県の支援の取り組みについてであります。
 県内市町では、道路パトロール等を実施し、内容に違いがあるものの、道路の維持管理に取り組んでおります。今後はさらなる安全確保に向けて、国から示された道路ストックの総点検に迅速に取り組んでいくことが重要であります。トンネルや橋梁等の点検に順次着手しているものの、本年度に点検を完了する市町がトンネルで六割、橋梁で七割にとどまる見込みであり、県では進捗がおくれている市町に対し重点的に早期実施を働きかけているところであります。
 県では、ことし二月に社会資本長寿命化・市町サポート窓口を設置し、技術的な相談に対する助言や専門家等の派遣を行っているところでありますが、今後は窓口の一層の周知に努め積極的な活用を促すとともに、本年度橋梁やトンネルの維持補修に関する技術研修を充実することとしており、こうした研修への市町職員の積極的な参加も働きかけてまいります。
 県といたしましては今後とも、県民に身近な市町道が適正に維持管理されるよう市町の支援に取り組み、県民の皆様の安全・安心の確保に努めてまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) 在宅医療の地域連携の普及促進についてお答えいたします。
 本県の調査では、計画的に訪問診療を行う医療機関は約四百施設でその多くが医師一人体制であること、また訪問看護ステーションは約百五十施設で小規模の事業所も多いことから在宅医療を普及促進していくためには、これらの機関の負担軽減につながる連携体制の構築が大きな課題となっております。
 このため本県では医療機関や訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所等の関係機関が密接に連携し、在宅患者の医療情報を共有することで効果的かつ効率的なサービスが提供できるよう県医師会が中心となり、ICTを活用した静岡県版在宅医療連携ネットワークシステムを開発いたしました。現在六カ所の郡市医師会で運用されており、今後県内全域への展開を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、市町が進める地域包括支援センターを中心とした地域包括ケア体制の充実につながるよう医療従事者と介護関係者等が協働して在宅医療・介護を継続的に提供できる体制づくりについても検討を行っているところであります。
 県といたしましては、今後も県医師会を初め関係機関と密接に連携を図りながら県民が住みなれた地域で安心して暮らすことができるよう在宅医療体制の整備を推進してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 教育委員会制度改革における校長の学校マネジメントについてお答えいたします。
 校長の学校経営に係る裁量権は多岐にわたっており、特に教育活動の根幹である教育課程につきましては、例えば生徒の多様な進路希望に応じて校長が普通科の中に複数の類型を設定したり、学校独自の学校設定教科・科目を設けたりするなど特色ある編成を行っているところであります。また平成十六年度からは目的指向型学校経営システムを導入し、学校経営の計画の策定から予算執行までを校長がリーダーシップを発揮して実施をしております。しかしながら教育行政のあり方検討会では、教育委員会の学校への指導助言が限定的なものになっていることや具体性、実効性が十分でない学校経営計画が見られること、学校経営予算に学校の創意工夫を生かす余地が少ないことなどの課題が指摘されました。
 県教育委員会といたしましては、このような意見を踏まえ校長の裁量を重視しつつ、学校への指導体制のあり方や学校経営の創意工夫に対するインセンティブの付与などについて検討を進め、校長の学校マネジメントが一層向上する仕組みを構築してまいります。以上であります。
○議長(中谷多加二君) 島根警察本部長。
       (警察本部長 島根 悟君登壇)
○警察本部長(島根 悟君) 児童虐待から子供を守るための警察の取り組みについてお答えいたします。
 初めに、施策についてであります。
 警察は、児童の生命、身体の保護という責務を果たすため児童虐待を認知した際には、児童の安全確認及び救出を最優先とした対応をとることを基本方針として児童虐待への組織的な対応、児童相談所との緊密な連携を柱とした施策を講じております。
 具体的には、各部門における日常活動において児童虐待情報の把握に努め児童の泣き声を聞いたといったような通報などの虐待が疑われる情報については、速やかに付近住民に聞き込みを行うとともに現場臨場により警察官が直接安全確認を行い、児童虐待の早期発見と被害児童の救出、保護に努めております。
 また、児童相談所を所管する県及び政令二市に議員御指摘の警察への連絡基準を策定していただいたほか、今年度から警察官OBを一人ずつ配置していただくなど相互の連絡体制を確立するとともに、警察官と児童相談所職員が合同で被害児童救出訓練を実施したり全警察署が要保護児童対策地域協議会へ参加するなど連携の強化を図っております。
 次に、その効果についてであります。
 連絡基準が定められた昨年十月以降、これまで九件の緊急連絡をいただいております。これらを含めまして、平成二十五年上半期に警察が把握した児童虐待に関する情報は約八十件であります。これら事案を調査した結果、虐待被害が疑われた約百人の児童について児童相談所に通告いたしましたがうち約二十人については、緊急に安全を確保する必要性を認めたことから警察官が保護の措置をとった上で児童相談所に引き継いでおります。またこれまでに傷害行為等虐待事実が特定できた七事案については、行為者を検挙し児童の安全確保と被害の拡大防止を図っております。
 今後も、こうした取り組みを強化するとともに、児童相談所及び市町の関係部署との連携強化を図ってまいりたいと考えております。以上であります。
○議長(中谷多加二君) これで石橋康弘君の質問は終わりました。
 以上で質疑及び一般質問を終わります。

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