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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小野 登志子 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/27/2012

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 伊豆半島地域における諸課題について
 (1) エコ半島伊豆の推進
 (2) ファルマバレープロジェクトの推進
 (3) 防災拠点のあり方
 (4) 伊豆の玄関口にふさわしい伊豆長岡駅周辺道路の整備
2 看護職員の定着促進策について
3 障がい者の雇用促進について
4 地域に役立つ人材の育成について



    ○副議長(大石哲司君) これで阿部卓也君の質問は終わります。
     次に、四十番 小野登志子君。
           (四十番 小野登志子君登壇 拍手)
    ○四十番(小野登志子君) こんにちは。お疲れさまでございます。私は自民改革会議の所属議員といたしまして通告に従い、当面する県政の諸課題について、知事並びに関係部局長、教育長にお伺いします。
     まず、伊豆半島地域における諸課題について質問いたします。伊豆トリオのトリでございます。よろしくお願いいたします。
     かつて、あれほど光芒を放っていた伊豆半島は、それをどこに置き忘れてしまったのか、基幹産業の観光分野は長期にわたって低迷しており、それに引きずられるかのように他分野でも伊豆の持つ本来の力を発揮できないでおります。原因の一つは道路の不備にありますが、このほど伊豆縦貫自動車道のうち東駿河湾環状道路の開通を二十五年度に控え、一気におくれを取り戻したいところであります。
     そこで課題を幾つか探ってみました。これは伊豆の観光振興を側面から直視し、再び伊豆をよみがえらせようとするものでございます。
     最初は、エコ半島伊豆の推進についてであります。
     伊豆半島北部は、箱根南麓の尾根が天城山まで走っており、その西側の地域では古くから開拓が行われてきました。特に酪農を初めとした農業が盛んで豊かな農産物を産出してきた地域であり、こうした営みの背景には豊富な水の存在があります。また伊豆半島には多様な地形、地質が存在しており、そうした自然の魅力を生かして新たな観光振興を図ろうとするジオパーク構想は、積年の懸案である「伊豆は一つ」の取り組みを実現するための端緒となるものと期待しております。
     その一方で、この地域ではかつてゴルフ場が幾つも開発されてきましたが、バブルの崩壊によりゴルフ場としてオープンしないまま手つかずになっているところもあります。本年二月の定例会において申し上げましたとおり、伊豆半島は新エネルギーのメッカになり得る素地があると考えており、私はこれらの土地を利用して太陽光発電などを設置してはどうかと考えております。既にNPOの団体や個人でも取り組んでいるところがあり先行きが楽しみです。また古くから豊富な水を利用して小水力発電が整備されており、伊豆市においては廃止された発電所を再生した事例があるなど小水力発電も可能と考えられます。
     こうした取り組みを伊豆半島全体に広げて、エコ半島伊豆を実現したいと考えております。エコをキーワードとして伊豆半島を活性化させるためには、太陽光発電や小水力発電などの新エネルギーをふやしていくことや、観光地、温泉街などにおいて排気ガスを出さない電気自動車を走らせるなどさまざまな方法が考えられます。県にも伊豆半島の活性化につながるような新エネルギー等を活用した施策の展開を期待するところでございますが、エコ半島伊豆の推進について県のお考えを伺います。
     次に、ファルマバレープロジェクトの推進についてであります。
     ファルマバレープロジェクトでは、平成十四年から十年間地域企業の医療機器分野への参入や医療健康産業の企業誘致などに取り組み、特に伊豆半島地域ではこれまで温泉や地域の食材を生かした健康増進プログラムを提供するかかりつけ湯の取り組みや農産物などの地域資源を活用した研究開発が進んでいると聞いております。かかりつけ湯の取り組みに関しては地元ももっと推進していかなければならないと思いますが、ファルマバレープロジェクト本体も大きな展開が見られたのではないかと思います。
     先月発表された国の統計調査によると、静岡県の医療機器と医薬品の生産額は二年連続で全国第一位となったほか、昨年十二月には国から地域活性化総合特区の指定を受けるなど多くの成果を上げており、地域の期待もますます高まっております。
     こうした中、ことし四月には新東名高速道路が開通し、さらに来年度中には東駿河湾環状道路が開通する予定です。これにより例えば伊豆の国市から静岡がんセンターまで十五分、東名高速道路の沼津インターチェンジまで二十分でつながることになり、かつてのように沼津インターから国道を経由、三島までの物すごい混雑ぶりを考えると夢のような気がいたします。こうしたことから飛躍的に交通アクセスの改善が見込まれ、企業誘致も広がるものと考えられます。
     そもそもこの地域には、従来から豊富な水源を利用した医薬品製造や醸造などを行う企業を初め電子機器製造の立地もあり、医療健康産業の集積のポテンシャルは高いものと考えられ、今後ファルマバレープロジェクトによる地域経済の活性化がさらに進むものと期待しております。このことから県はファルマバレープロジェクトの取り組みを伊豆半島地域においてさらに積極的に進めるべきだと考えますが、県の所見を伺います。
     次に、防災拠点のあり方についてであります。
     先月内閣府から発表された南海トラフ巨大地震の被害想定は、発生頻度は極めて低いものではあるというものの、本県の死者が全国最多の十万九千人など数字を聞くだけで恐ろしくなってしまう想定が示されました。しかしながらマグニチュード八以上の巨大地震は全世界的に見ますと一年に一度の割合で発生しており、油断はなりません。特に伊豆半島は、津波が最大のところで下田市が三十三メートル、南伊豆町が二十六メートルとなるだけでなく、その第一波の到達時間も数分後ということで、三陸海岸に似た地形から昨年の東日本大震災のような状況にならなければよいと願うばかりです。
     県では、富士山静岡空港を基幹的広域防災拠点として位置づけられるよう国に働きかけていると伺っております。新東名高速道路、富士山静岡空港を通じて進出してくる自衛隊、警察、消防などの部隊や他県から送られてきた物資は、各地域の拠点を通じて各被災地に届くものと思います。県内に八カ所ある広域物資拠点のうち、東部地域には愛鷹広域公園、伊豆半島には熱海市の姫の沢公園、下田市の下田高校がありますが、東日本大震災の経験を踏まえて見直しする必要があるのではないかと考えます。
     昨年、本県が被災地支援のベースキャンプとして寝泊まりしていた岩手県遠野市は、沿岸部の市や町と道路がつながっており、後方支援基地として機能するため以前から訓練等の準備をしていたと聞いています。伊豆半島において遠野市に似た位置にあるのが、伊豆の東海岸、西海岸に道路が通じている伊豆の中央部であると思います。ここは旧日通伊豆富士見ランド、巨大なテーマパークがあったところですけれど、この富士見ランドの跡地があり研修所施設も現存しております。ここに平常時には地震防災センターのような展示施設を持ち、啓発活動、防災訓練や研修ができる防災をテーマとした拠点施設をつくれば、災害時には伊豆の救援物資の中継基地、応援部隊のベースキャンプ地として機能することになるのではないかと思いますが、県はいかがお考えか伺います。
     次に、伊豆の玄関口にふさわしい伊豆長岡駅前周辺道路の整備についてであります。
     県は、伊豆地域の道路が抱える課題の解決に向けて、昨年九月に道路整備のあり方検討会を立ち上げ検討を行ってきたと承知しております。本年七月にはパブリックコメントを実施し先般最終的な取りまとめが行われ、その内容の一部は新聞記事にも取り上げられたところであります。
     検討会の提案の中には、伊豆中央道と修善寺道路に合併採算制を導入するなどのアイデアも含まれており、本年二月の定例会の場で検討状況を質問した者として、また地元住民の一人として、こうした取りまとめが行われたことは評価すべきことと思っております。提案に基づく施策の実施は伊豆地域の道路整備の推進につながるものと考えますので、県には必要な措置を速やかに講じていただくよう期待をしております。
     さて、伊豆箱根鉄道の伊豆長岡駅は、一日当たりの乗降客数が約五千人と沿線でも利用者の多い駅の一つで、沼津・三島方面への通勤、通学だけでなく伊豆長岡温泉や地域の拠点病院である順天堂大学附属静岡病院への入り口となっております。また最近では、韮山反射炉の世界遺産登録への動きが活発となり、大河ドラマ「篤姫」のロケ地となった江川邸、品川のお台場を築造し韮山反射炉の設計に加わり築造に着手した、かの幕末の英傑、江川太郎左衛門を育み、今に六万点余の重要文化財を秘する江川邸を中心とした韮山歴史遺産群をも含め、以前にも増して数多くの観光客が利用しているように感じられ、地域の交通拠点となっていると思います。
     しかしながら、当駅前にほど近い南條交差点は、伊豆半島の南北幹線である国道百三十六号の通過交通と駅を利用する歩行者・自転車とがふくそうし、慢性的に渋滞が発生する交差点として有名であり、歩道はあるものの幅は狭く安心して歩けるような状況にありません。
     私は、地元住民の一人として、日常的な駅利用者の安全性の確保はもとよりこの地域を訪れる多くの観光客にも快適に周遊していただき、当地の魅力を余すことなく満喫してもらいたいと願っていますが、それには一刻も早い対策が必要であります。
     こうした中、県では現在この交差点の改良に着手していると聞いていますが、その進捗状況と事業完成に向けた今後の見通しを伺います。
     次に、看護職員の定着促進策についてであります。
     平成二十二年度に策定した第七次看護職員需給見通しによれば、平成二十四年には依然として一千五百七十八人の看護職員が不足している状況ではありますが、県内の看護職員養成施設の開設状況を見ますと、平成二十二年度の順天堂大学保健看護学部を初め専門学校や大学の看護学科が開校するなど看護職員の養成施設が充実してきており、県内における新規就業者の増加が期待されるところであります。
     一方、静岡県ナースセンターが実施した病院看護職員の退職状況調査によれば、平成二十三年度の正規看護職員の離職率は、改善傾向にあるものの依然として約一割の看護職員が病院をやめているというのが実態です。このため看護職員の確保に向けては、看護職員養成施設の充実による新規就業者の増加策だけでなく日夜医療現場において奮闘されている看護職員の皆さんにやめないでもらうための対策が重要であると思います。特に新人看護職員については、技術的にも精神的にも未熟であることから臨床現場でのちょっとした挫折が原因で離職するケースが多いと聞いたことがありますが、新人看護職員の離職防止のため県はどのような対応をしているのかお伺いします。
     また、最近は男性の看護師もふえつつありますが、依然として九割以上が女性であることから女性のライフサイクルに合わせた施策も必要であります。以前病院に勤務する大半の看護師さん、看護という仕事にやりがいと誇りを持っている、そしてモチベーションを高く掲げ仕事に励んでおられるというお話を伺いました。本当にすばらしいことです。しかしながら三百六十五日二十四時間入院患者のケアをしなければならない病院に勤務する看護師にとって夜勤は避けがたいものとなっていることから、出産や育児を契機に離職しなければならない例もあると聞いております。同じ女性としての立場から、ぜひとも出産や育児を経験していただき、その上で地域医療を守る看護師としても活躍を続けていただきたいと心から期待しています。
     そこで、子育て世代の看護職員が育児と仕事が両立でき安心して働き続けることができる環境づくりのために、県はどのような対応をしているのかお伺いいたします。
     次に、障害者の雇用促進についてであります。
     平成二十三年の県内民間企業の障害者雇用率は一・六一%であり、算定方法が一部変わったとはいえ前年を〇・〇七ポイント下回り、法定雇用率の一・八%に達しておりません。また法定雇用率を達成している企業の割合も四六%と半分にも満たない状況であります。さらに来年度からは法定雇用率が二%に引き上げられることが決まっており、県内企業の障害者雇用の促進は早期に対策が必要な課題であります。
     さて、実は先日東日本大震災の復興支援で御縁のあった宮城県の石巻日日新聞社の近江弘一社長さん、震災直後壁新聞を出し続けたことはNHKのドキュメンタリー番組でも取り上げられまして大変有名になった方ですが、その近江さんが長泉町の鉄工会社が開発した廃プラスチック油化装置の視察にお見えになりました。この装置はペットボトルのキャップや廃棄プラスチックを熱分解し最終的に農業機械等の燃料として使用できる油を精製するものです。近江さんによれば、この装置を地元東北の環境ビジネスを行う社団法人に導入し、作業員として障害のある方を中心に雇用することにより障害者の雇用創出に役立てたいということでありました。近江さんが発注した二つの装置のうち第一号は完成しつつあり、十月中旬には女川町に運ばれ設置されるとのことです。これは、新たな環境分野のビジネスの中で企業が障害者を雇用することを前提に障害者の特性に合った仕事をつくり出したすばらしい事例であり、県内企業にもぜひ参考にしていただきたいと思います。
     しかし、残念ながら県内企業にはこうした積極的な動きは少なく、多くの企業が障害者の雇用をちゅうちょしているように思えます。その背景には障害のある方に接したことのない企業が多く、障害のある方がどんな仕事ができるのか、障害のある方の雇用をどのように進めればよいのかがわからず大きな不安があるからだとも聞きます。そうであるならば、障害のある方の雇用を促進するためにはこのような企業の不安を払拭し雇用に前進できるよう行政としての支援が必要であるのではないでしょうか。
     そこで、障害のある方の雇用促進のために県として企業に対する支援にどのように取り組んでいくのか伺います。
     次に、地域に役立つ人材の育成についてであります。
     伊豆半島は日本ジオパークへの登録を目指してきましたが、先ごろ開かれた日本ジオパーク委員会の審査により九月二十四日、晴れて日本ジオパークに認定されました。伊豆に生まれ育った者にとってこの上ない喜びであるとともに、観光地伊豆の価値が改めて評価されたことは伊豆にとって今大きな自信となると思います。今後は世界ジオパークの認定を目指して伊豆全体がますます盛り上がりを見せるのではないかと思います。加えて伊豆縦貫自動車道などの整備も着実に進められるなど、観光を中心にさらなる発展が期待される伊豆地域にとってこれから重要になっていくのは、地域の発展を支え原動力となってくれる人材の育成であると考えます。
     平成二十二年四月に開校した伊豆総合高等学校は、「伊豆の元気を伊豆総合高校から」というスローガンのもとさまざまな形で地域との連携に取り組んでおり、伊豆半島ジオパーク構想でも学校を挙げて推進活動に取り組んでくれました。伊豆総合高等学校には将来の伊豆地域の発展を支える有為な人材の育成が大いに期待されるところですが、今後一層の観光振興が求められる中で地域の人材を活用した冠講座、例えば観光等に関する専門的な講座を開設してはいかがでしょうか。
     これは、地元の自治体や観光協会の協力を得て地元の旅館のおかみさんや全国的に著名なホテルマンなどを講師に招き、地域の伝統や観光の現状についての講義や行儀作法についての実習を土曜日などに月一回程度開催するというものです。生徒にとっては教育課程で定められた内容に加え地域の現状や文化、行儀作法などを学べる機会になりますし、地域にとっては伝統を伝え、地域を支えていく人材育成に直接かかわるまたとない機会となり得るのではないでしょうか。さらに学校と地域の連携協力が一層進むこととなります。
     九月二十四日、日本ジオパークの認定を受け、新たな局面を迎えた伊豆地域のさらなる発展に向けて観光振興の担い手を育成する一つの提案、冠講座の開設等も踏まえて地域に役立つ人材の育成にどのような取り組みをしていくのか、そのお考え、教育長の所見をお伺いいたします。以上、御答弁よろしくお願いいたします。(拍手)
    ○副議長(大石哲司君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 小野登志子議員にお答えをいたします。
     初めに、伊豆半島地域における諸課題についてのうち、エコ半島伊豆の推進についてであります。
     エコ半島伊豆というのは大変いいネーミングだと存じます。伊豆半島の特色をよく捉えた名前だと思いました。このたび伊豆半島は日本ジオパークに認定されたわけでございますが、その地形、地質の多様性に多くの人が感じ入りました。それはあわせてさまざまな生物がそこに生息し得るということで、ただにジオパークのみならずその地質、地形が生む多様な生態系が、つまりエコロジーが美しい自然を生んでいると、そして多彩な食材をつくり上げていると、色とりどりの花々で飾っているということで、エコパーク足り得るともいう評価を得ております。ジオパークは一つの突破口になるのかもしれません。
     そうした中で、伊豆半島が太陽、水、森林、温泉など多彩な自然エネルギーが導入し得る地域として期待されるわけでございます。昨年の十月、伊豆半島の風力発電に関する有識者会議が自然エネルギーを取り入れた先進モデル地域を目指す必要があるという御提言をなさいました。これもそのような伊豆半島の場の力が生み出した提言であると存じます。
     このため、県では新エネルギーの導入に意欲的な四市町とともに、伊豆半島エコリゾートタウンの取り組みを進めています。すなわち東伊豆町におきましては去る八月、県、町、地元の観光協会さらに商工会などで構成する協議会を設置しました。そして小水力発電や電気自動車等を活用したまちづくりプランを年度内に策定することにしています。また伊豆市と河津町では小水力発電の導入を目指しています。熱海市では慶應義塾大学の武藤先生の御協力を賜って、温泉を活用した温度差発電の導入を目指しております。今後これらの先進事例を半島全体に広げてまいりたいと考えております。
     こうした取り組みに加えまして、観光地ならではの特性を生かした電気自動車の普及を図る取り組みも進めています。伊豆半島内には既に三十一基の充電器が設置されています。これらの充電器情報と観光情報を携帯電話やホームページでごらんいただけるように、一元的に発信しているところでもございます。今後とも伊豆半島に居住されている方はもちろんでございますが、内外から来られた方々にとりましても電気自動車を利用しやすい環境整備を進めてまいります。伊豆半島には電気自動車がよく似合うというそういう環境をつくり上げてまいりたいと存じます。
     自然エネルギーの活用、電気自動車の普及、エコタウンづくりを目指しまして、世界で最も美しい半島、この魅力をより一層磨き高めることによって、国内外との多様な交流の拡大を目指してまいりたいと存じます。従来型の観光では光芒を失いつつあるかもしれませんけれども、新しい芽でエコロジー、ジオパーク、エコパーク、エコ半島伊豆というような新しい芽が、新しい光芒を今放つ前夜にいるのではないかと感じております。
     次に、障害者の雇用促進についてであります。
     障害者と健常者が、個々の持てる力を十分に発揮しながらそれぞれの能力に応じて、またその能力を生かしてともに働くことのできる社会をつくっていくことが大切です。企業が不安に感じているとのことで、議員御指摘の例えば障害者を受け入れる際の仕事の内容や体制をどうするか、配慮するべき事項はどのようなものがあるかなど、雇用をちゅうちょされているそうした課題の解消を図ることが今とても大事になっています。
     このため県では、障害者雇用に実績のある企業を障害者就労応援団というものに登録をすることに決めました。企業からの障害者の採用や職場定着に関する相談、福祉施設からの授産製品の販売や品質の相談に対する助言などを行う仕組みでございまして、これをことし七月にスタートさせました。現在障害者就労応援団のシンボルマークを作成いたしました。なかなか魅力的なマークになっております。これは障害者雇用をPRするとともに、また登録企業を募集するためのものでございます。
     今月十四日に、障害者雇用促進大会が開催されました。私自身もそこに参加いたしました。そしてそこでは、多くの障害者を積極的に雇用されている事業者と模範的職業人として長期間勤続されている障害者が表彰されました。それとともに啓発のための講演会も行われました。これらは企業が障害者雇用を進める意識を醸成する目的のためでございます。
     さらに、今年度障害者雇用アドバイザー制度を創設いたしました。これまでに障害者雇用に取り組もうとされている百十三社にこのアドバイザーを派遣いたしまして、障害者の能力に適した職務の選定や受け入れ体制の助言を行っているところです。これらに加えまして、企業が実際に雇用する際の職場定着への支援を行うジョブコーチの対象者を、今年度はこれまでの二百三人から二百二十六人に拡大いたしました。雇用から定着までの一貫した支援体制を充実するためでございます。県といたしましても今年度から県庁内に障害者インターン臨時職員を雇用いたしまして、県の仕事を通じてキャリアアップを支援しております。
     来年度からは、法定雇用率が現行の一・八%から四月一日には二・〇%に上がります。一層の障害者雇用の促進が求められますので、今後ともより多くの県下の企業が障害者の雇用に取り組んでくださるように静岡労働局など関係機関とも連携いたしまして、企業に対する支援の強化に努めてまいります。
     なお、その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長(大石哲司君) 吉林経済産業部長。
           (経済産業部長 吉林章仁君登壇)
    ○経済産業部長(吉林章仁君) 伊豆半島地域における諸課題についてのうち、ファルマバレープロジェクトの推進についてお答えをいたします。
     ファルマバレープロジェクトでは、伊豆の国市を含む関係十二市町と協力をいたしまして、医療機器メーカーに地域企業の部品・部材の供給を進めるビジネスマッチング事業を実施しております。参加地域企業は昨年度の百八十一社から今年度は三百社を超える見込みとなるなど、取り組みは年々広がっております。
     特に、伊豆半島地域におきましては、ふじのくに先端医療総合特区の財政支援を活用いたしまして伊豆市に医療機器の生産拠点を持つ企業が新たな医療機器の開発に取り組んでおりますほか、東部地域で診断薬製造を行う企業が伊豆の国市の製薬工場跡地に進出するなど医療分野の企業集積の動きが始まっております。また総合特区の指定に伴いまして地域の金融機関も積極的に企業の掘り起こしに取り組んでおりまして、総合特区の利子補給制度を活用いたしまして伊豆半島地域の企業への融資も行なわれております。
     県といたしましては、これらの動きを加速いたしますため、地元市町と連携をいたしまして地域企業の医療分野への参入を支援いたしますとともに、ことし四月に開通をいたしました新東名高速道路や東駿河湾環状道路による交通アクセスの優位性をアピールすることによりまして、医療健康産業の企業誘致に積極的に取り組みますなど伊豆半島地域におけるファルマバレープロジェクトの一層の推進を図ってまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 小川危機管理監。
           (危機管理監 小川英雄君登壇)
    ○危機管理監(小川英雄君) 伊豆半島地域における諸課題についてのうち、防災拠点のあり方についてお答えをいたします。
     県では、来年六月をめどに策定中の第四次地震被害想定による沿岸部の津波浸水区域などの状況を踏まえまして、応援部隊の活動拠点、広域物資拠点、緊急輸送路などについて見直しを行うこととしております。災害時に防災拠点が応援部隊のベースキャンプや支援物資の集積地として有効に機能するためには、幾つかの重要な条件がございます。まずは部隊の集結や展開、物資の集積や分配が迅速かつ安全にできるよう幹線道路と被災現場への道路交通アクセスがすぐれていることが必要であります。また部隊の宿営地あるいは物資の仕分け地ということになりますので、相当規模の平たんな用地を確保できるということでございます。
     こうした防災拠点につきましては、これまでは主に学校あるいは大規模公園などの公共施設を活用することにより確保してまいりましたが、伊豆半島地域につきましては幹線道路が被災した場合に代替道路がない、あるいは平地が少ないといった地形的要因から拠点としての適地が少ないことが課題となっておりますので、議員御提案の民間施設の利活用といった点も踏まえまして、伊豆半島地域における防災拠点のあり方について総合的な観点から検討をしてまいります。
     なお、防災をテーマとした拠点施設につきましては、現在静岡市内にございます地震防災センターの機能の充実強化のための方策あるいは利用者のさらなる増加方策とあわせまして、その必要性についても検討してまいります。以上でございます。
    ○副議長(大石哲司君) 長島交通基盤部長。
           (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
    ○交通基盤部長(長島郁夫君) 伊豆半島地域における諸課題についてのうち、伊豆の玄関口にふさわしい伊豆長岡駅周辺道路の整備についてお答えいたします。
     伊豆長岡駅前において、国道百三十六号と県道古奈伊豆長岡停車場線が交差する南條交差点は一日当たりの交通量が両路線を合わせて約三万五千台と非常に多く、伊豆長岡駅を利用する歩行者・自転車の通行も多い交差点でありますが、本交差点には右折レーンが設置されていないことから周辺道路ではこれまでも慢性的な渋滞が発生してまいりました。
     このため、県では円滑な交通処理と歩行者・自転車の安全確保及び駅前の景観の向上などを目的に、平成二十年度から約四百メートルの区間について交差点改良事業に着手をしております。この区間は商店、住宅などが非常に密集している地域であり、現在多くの地権者の御理解と御協力をいただきながら用地買収を鋭意進めており、今年度末の進捗率は全体事業費に対し約五六%となる見込みとなっております。
     県といたしましては、平成二十年代後半の完成を目標に右折レーンの設置と歩道拡幅を進め、あわせて景観に配慮した無電柱化を実施することにより、観光地伊豆にふさわしく地域住民、来訪者の誰もが安全で快適に利用できる道路整備を進めてまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 池谷健康福祉部長。
           (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
    ○健康福祉部長(池谷享士君) 看護職員の定着促進策についてお答えをいたします。
     今後も、依然として相当数の看護職員の不足が見込まれることから、その離職を防止して定着の促進を図ることは質の高い医療を提供する上で重要な課題であると認識しています。特に新人看護職員につきましては就職後一年以内に離職する傾向が高いことから、各医療機関に対しましては経験不足による看護技術等への不安を解消するための研修の実施を強く求めるとともに、単独では実施が困難な小規模医療機関向けの合同研修会の開催や指導者の養成研修の充実など、離職防止対策を進めています。
     また、子育て世代の看護職員が安心して仕事ができる環境づくりといたしましては、より多くの病院が院内保育所を整備し二十四時間保育や休日保育等も実施できるよう県として支援するとともに、短時間正規雇用など多様な勤務体制を導入するよう県看護協会を初め病院協会や医師会などを通じて各医療機関へ働きかけているところであります。
     県といたしましては、看護職員が結婚、出産、育児などさまざまなライフサイクルにおいて健康で安心して生き生きと働き続けることができる環境づくりを進め、看護職員の定着促進に一層努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 安倍教育長。
           (教育長 安倍 徹君登壇)
    ○教育長(安倍 徹君) 地域に役立つ人材の育成についてお答えいたします。
     伊豆総合高等学校につきましては、目指す学校像を「地域の産業・文化・歴史を理解し、その発展に貢献できる人材の育成」として掲げ、平成二十二年四月の開校以来さまざまな地域貢献活動に取り組んでおり、その代表的なものが伊豆半島ジオパーク構想の推進活動であります。総合学科二年次生全員によるジオツアーの実施や地域の小中学生を対象としたジオツアーの企画運営など、ジオパークに関する取り組みや地域NPOと連携した清掃活動などを通して生徒は観光地としての魅力や可能性を改めて実感し、郷土に対する愛情を深めております。
     県教育委員会といたしましては、このように高校が地域と連携を深めさまざまな活動に取り組むことは、開かれた学校運営という視点からも大変重要であると考えております。今後は「産業社会と人間」や「地域と産業」などの科目を充実させ、伊豆地域の産業等の現状を地域の方から直接学ぶ機会をふやすことで将来地域の発展を担う人材の育成をさらに進めてまいります。
     また、授業における取り組みに加え、議員から御提案のありました学校と地域が連携した新たな専門的講座の開設につきましては、地域の方や関係機関の御意見等も伺いながら講座内容、実施時期等について検討をしてまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 四十番 小野登志子君。
           (四十番 小野登志子君登壇)
    ○四十番(小野登志子君) 御答弁ありがとうございました。三分ございますので、ちょっと聞き足りなかったところを聞かせていただきたいと思います。
     ただいまの教育長さんの御答弁に対してですけれども、確かに地域、地域、地域が大切ですけれど、その先生なるものはやはり地域だけではならないと思います。とても、この人はと思うような人を連れてきてくださって授業を進めていただくことが大切ではないかと思います。私もこの夏は、この伊豆の旅館に働く若い仲居さんたちをどのように育ってほしいかということで、各地を見て回りました。それはそれは物すごい訓練を積んでのサービス、癒やしのサービスをされているということがわかりました。何事も人材育成というのは大変なことなんですけれども、そして時間がかかることですけれども、地域を大切にすると同時にだからといって地域の人だけではなく、幅広い、そして大きな人物をも先生に入れていただきたいなと思っております。
     先ほど、川勝知事におかれましては、エコロジー、エコリゾートタウン伊豆半島、エコリゾートタウンというお名前をいただきましたけど、私もエコ半島はちょっと負けたかなと今思っておりますけれども、新しい形の伊豆を、新しい伊豆の観光をつくっていくということが最も大切だと思っております。
     三・一一以来、伊豆も非常に変わってきているんです。実はその光芒がまたこちらに向いてきてくれるのかなと思っていますけれども、被災地支援のボランティアに若者たちが本当にたくさん行ってくださったんです。そしてこのままではいけないとこの若者たちが立ち上がり、新しい伊豆をつくろうとしている。それはもう本当に道路から始まるわけですから、何しろ道路と一体になって伊豆をつくっていかなきゃならないと思っております。もう時間がございませんけれども、エコロジー、そしてエコリゾートタウン、これらの発展ということをぜひお願いをいたしたく思います。
     最後に、ファルマバレープロジェクトですけれどもビッグカードがございます。大仁にあります大仁高校跡地、ここはもう研究施設にぴったりなところでございますので、ファルマバレーの研究施設はここへとお持ちいただくようにお願いをいたしまして、きょうの質問、終わりにさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
    ○副議長(大石哲司君) これで小野登志子君の質問は終わりました。
     以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。
     九月二十八日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会します。

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