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本会議会議録

議会補足文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用




令和4年9月静岡県議会定例会
鈴木 節子討論
発言日: 10/14/2022
会派名: 日本共産党静岡県議会議員団


○議長(藪田宏行君) これから討論を行います。
 通告により、一番 鈴木節子君。
       (一番 鈴木節子君登壇)
○一番(鈴木節子君) 日本共産党の鈴木節子です。
 討論に先立ち、一言申し上げさせていただきます。
 先日の台風十五号により本県は河川氾濫、道路損壊、集落の孤立、床上・床下浸水、何日も続く断水等甚大な被害が生じました。お亡くなりになられた方に心より御冥福を申し上げるとともに、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。またこの災害に対し復旧と被災者支援に全力で取り組んでおられる全庁の職員の皆様に敬意を表します。
 私は、知事提出議案二十八議案のうち第百七号議案一般会計補正予算は物価高騰対策、新型コロナウイルス感染症対策など現情勢の下各分野の状況に即して必要であり進めるべき事業として賛成し、議案第百八号から百三十二号までの二十五議案も賛成をいたします。また諮問第一号「退職手当の支給制限に対する審査請求に関する諮問について」も棄却すべき旨答申することに賛成いたしますが、第百三十三号議案及び第百三十四号議案「専決処分事件の承認について(民事訴訟事件の控訴)」の二議案については反対の立場で討論いたします。
 第百三十三号議案及び第百三十四号議案、専決処分事件の承認について、反対の理由を述べさせていただきます。
 内容は、平成二十四年三月下田警察署に勤務する警察官が自殺した事案につきその妻子及び両親それぞれが本県を相手取り慰謝料等を求めて提訴した損害賠償請求事件について、令和四年七月十三日広島地方裁判所福山支部で言い渡された判決を県は不服として広島高等裁判所に控訴するため七月二十四日に専決処分したものに対し承認を求めるものです。判決の要旨は県は原告の妻子と両親に対し合計一億円余を支払えというもので県は敗訴しましたが、これを不服として一審判決の取消しを求め控訴しました。
 争点は二点あり、争点一は自殺の公務起因性の有無です。判決は、自殺による死亡と県警の業務との間には相当因果関係が認められると公務の起因性ありと判断を下しました。
 これに対し県は量的、質的過重性について認定が不合理との理由で控訴しました。当該職員の業務は警部補として一般的なもので量的、質的ともに特別の過重のものではなかったと主張していますが、当該職員は海外研修に参加するための事前研修や慣れない外国語でのプレゼンの準備で業務量が増加し心理的負担が増加し時間外労働が自殺直前の月は百四十時間を超えていました。県は月百四十時間もの時間外労働の証拠はないと主張しますが裁判所は百四十時間と認定しています。当該職員の自殺と警察での業務には相当な因果関係があると推察できます。過度な業務に従事し強度の精神的、肉体的重責を受けた結果、鬱病などの精神疾患を患い自殺に追い込まれたと判断できます。
 争点二は、安全配慮義務違反の有無です。判決は、被告が警察官の心身の健康について安全配慮義務を尽くしたとは到底評価できず雇用関係の債務不履行に基づく責任を負うべきであるというものです。
 これに対し県は自殺に対する現実的な可能性があったかという観点から具体的検討はされておらず、まだ明らかにすべき事項があると主張し、仮に当該職員が何らかの精神的疾患を発症していたとしても自らの体調に問題はないと申告していたことから当該職員が自殺に至る可能性を予見することはできなかったため賠償責任を負う債務不履行はないと説明しています。
 安全配慮義務とは、企業は従業員が常に安全で働きやすい職場で仕事できるよう配慮しなければならないというものです。県は当該職員が何らかの精神疾患を発症していたことは認めています。海外研修の事前研修参加のほか非番日に出勤し夜間も業務を行っていたことは県も承知をしていました。重い業務負担を負っていることを承知しながら長時間の時間外勤務を軽減させずにむしろ続けさせて、心身の健康を損なうことのないよう必要な措置を取ることを怠りました。精神疾患を患い自殺に至らしめる最悪の事態を回避、防止すべき責務を果たさなかった安全配慮義務違反と言えます。
 以上の論点から、公務との因果関係がなかったとは立証できず県の安全配慮義務違反も明白であり控訴はすべきではありません。警察官が自らの命を絶った事は事実です。大事な人材を自殺に至らしめてしまった県の責任の重さを鑑みて判決を謙虚に受け止めるべきです。また御遺族にとってかけがえのない家族を失ってしまった筆舌に尽くしがたい思いに県は寄り添う姿勢が求められています。
 議場におられます全議員の皆様が控訴するための専決処分について承認しないよう求め、反対討論といたします。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp