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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

宮城 也寸志 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/03/2014

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 静岡茶の振興について                      
 (1) 静岡茶の再生                         
 (2) 学校における児童生徒へのお茶の普及              
2 大規模経営に対応した農業用水路の整備について          
3 緊急消防援助隊関東ブロック合同訓練について           
4 高等学校におけるキャリア教育について


○議長(多家一彦君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百三十五号から第百六十三号まで及び平成二十五年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十九番 宮城也寸志君。
       (十九番 宮城也寸志君登壇 拍手)
○十九番(宮城也寸志君) おはようございます。私は自民改革会議所属議員として当面する県政の諸課題について、一括質問方式により知事、関係部局長並びに教育長に質問いたします。
 まず初めに、静岡茶の振興についてのうち、静岡茶の再生について伺います。
 静岡茶の歴史は長く本県の主要な産業であり、日本一の産地として大きく発展してきました。聖一国師がお茶を静岡に初めてもたらしたとされる鎌倉時代に始まり江戸時代には将軍家の御用達となり、お茶は駿河と名が通っていたと言われております。明治、大正にはお茶が貴重な外貨を稼ぐ商品としてアメリカなどへ輸出されました。静岡のお茶は最初は輸出が許可されている横浜港へ運ばれておりましたが、やがては茶業関係者の尽力により清水港から直接輸出されるようになりました。この時期に静岡は、国全体の茶業をリードし日本一の地位を築き上げ、大正、昭和初期には全国生産量の四割を占めるまでになりました。その後第二次世界大戦の影響で輸出が極端に減少し、一時は斜陽産業と言われながら先人たちの努力により国内市場での拡大に努め、特に昭和四十年代にはやぶきた品種の普及、深蒸し茶の開発によって関東方面で高い評価を受け、大きく発展しました。各産地でその地域の特色に合わせたそれぞれのブランドを育ててきました。
 しかし、近年はリーフ茶の消費が低迷し、さらに原発事故による風評被害。昨年の一番茶は凍霜害などの減産に続き本年の一番茶の価格も安く、二番茶においては高値で取引された時期の半値以下となり荒茶を生産してもなかなか買い手がつかないところも出ており、生葉生産の現場では生葉を刈り捨てる場面も出てきております。このように茶の生産現場の状況は非常に厳しく経営の継続が危ぶまれ、これからまた多くの耕作放棄地が発生するおそれも出てきております。
 このような中、生産面の強化とともに、新たにお茶の需要をふやしていく取り組みを展開していく必要があります。ことし国内の家電メーカーから緑茶のエスプレッソが家庭で楽しめる抽出器が発売されましたが、売れ行きが好調なことから増産されたと聞いております。健康を意識する消費者はもちろん、新しい飲み方また食材としての利用の仕方を提案することにより、若い世代にもお茶を味わい利用してもらえるような取り組みがふえていくことを期待しております。
 県内でも紅茶、ウーロン茶を初めとした発酵茶など新たなお茶づくりに挑戦する生産者もふえております。今後も消費者が求める静岡ならではのお茶の生産やマーケティングを進めていく必要があります。また国内だけでなく、明治、大正の先人たちのように海外にも目を向け、日本の食文化への関心が高まる中、他の農産物とともに静岡茶のよさをPRし日本茶の文化、伝統も売り込んでいかなければなりません。生産者の努力も必要ですが、関係者全員が力を合わせ静岡茶のブランド力を向上していかなければならないときです。
 県の総合計画においては、茶の都づくりとして茶の振興に向け、さまざまな角度から取り組みが示されていますが、このように茶業の厳しい状況の中、関係機関と連携し、具体的にどのように静岡茶の再生を進め新たな黄金期をどう築くのか所見を伺います。
 次に、学校における児童生徒へのお茶の普及について伺います。
 総務省家計調査結果の平成二十三年から二十五年の平均値では、全国の政令市及び県庁所在地五十一市における年間緑茶購入額及び購入数量は、ともに本県静岡市、浜松市が一位、二位を占めており、日本一お茶を消費する県であります。また本県はお茶の生産・消費県であるとともに、茶の記念碑や歴史的建物が数多くあり、お茶の手もみ、茶草場農法など歴史や文化また茶の研究を行う大学や官民の研究機関が集積するなど学術研究が盛んでもあります。さらに山や台地の茶園、富士山を背景にした茶園など美しい景観や茶草場などの観光資源などお茶を由来としたものも数多くあります。
 その上、お茶は百薬の長と言われており科学的、医学的に健康効果が解明されつつあります。例えば血糖値を下げる効果のあるカテキンやポリサッカライドという成分が含まれており、糖尿病予防の効果があると言われております。ふだんから飲んでいるお茶が知らず知らずのうちに私たちの健康を支えているのではないでしょうか。本県の健康寿命が男女総合一位になったことについても、若者から御長寿までいつもお茶をたくさん飲んでいることが要因の一つとして挙げられます。この多彩な資源を生かしお茶の魅力を磨き広げていく必要を感じているところであります。
 私の地元菊川市の小学校では、総合的な学習の時間の一環として茶工場の見学、手もみ、おいしいお茶の入れ方、お茶の飲み比べなどを生産者、JAの協力のもとに学んでおります。小学校の体験はお茶好きをふやしてくれます。また地域で生産されているおいしいお茶を子供のころから飲んでもらい、お茶に親しんでもらえるよう市の茶業協会と遠州夢咲農業協同組合の菊川、小笠の茶業委員会が協力して、市内にある三十一カ所全ての幼稚園、保育園、小中学校に深蒸し茶を一年分寄贈する取り組みを行っております。子供たちは給食時にこのお茶を飲んでもらっておりとても喜んでいると聞いております。また市内の全ての小学校で給茶機が整えられており、いつでもお茶が飲めるようになっております。このように静岡のおいしいお茶を子供のころから味わい、なれ親しむことが重要なことと考えております。
 そこで、学校において静岡県の特産品であるお茶を児童生徒へどう普及させていくのか、教育長の所見を伺います。
 次に、大規模経営に対応した農業用水路の整備について伺います。
 菊川市や掛川市など水田地帯を潤す大井川用水は、昭和二十二年から四十三年にかけて実施された国営事業とこれに附帯する県営事業により整備されたものであり、用水が安定的に供給されることで地域の農業の発展に寄与してきました。国営事業により整備された幹線用水路は、現在老朽化した施設の更新整備が平成二十八年度の完了を目指して実施されております。さらに国営事業より下流部に当たる用水路の一部においては、県営事業により更新整備が実施され、その整備を契機として担い手農家による大規模経営が行われるなど成果があらわれております。
 こうした状況の中、我が国においては現在農業従事者の高齢化や耕作放棄地の拡大などの課題が生じており、農業の構造改革をさらに加速化させるため昨年十二月、農林水産業・地域の活力創造プランが取りまとめられ、今後十年間で担い手の米の生産コストの四割削減を目指して大区画化と省力栽培技術や大規模経営に適合した品種の導入を行うこととしております。私はこれを実現するためには、農業生産に欠くことのできない農業用水を安定的に供給することが重要であると考えております。しかしながら大井川右岸地域においては、完了後三十年から四十年を経過した県営事業により整備された支線水路が膨大にあり、今後老朽化の進行に伴う通水能力の低下や漏水の多発により農業用水の確保に大きな労力を要することとなり、大規模経営を目指す担い手農家にとってコスト縮減をする上で大きな支障となることが懸念されております。
 そこで、担い手農家の大規模経営化に対応した農業用水路の更新整備が必要と考えられますが県の取り組みについて伺います。
 次に、緊急消防援助隊関東ブロック合同訓練について伺います。
 近年、災害は大規模化、複雑多様化してきていると言われております。昨年十月の伊豆大島における台風被害、本年八月の広島での土砂災害と枚挙にいとまがありません。また先月末に起こりました御嶽山の噴火により多くの登山者が犠牲になられました。被災された方に心から哀悼の意を表します。
 このような大規模な災害においては、消防、警察、自衛隊などにより広域的な応援活動が行われ各機関の献身的な救助活動は記憶に新しいところです。とりわけ消防は火災の消火や救出救助活動の専門の組織であり、こうした大規模災害の現場では他県の消防からの応援部隊である緊急消防援助隊が活動を行っております。緊急消防援助隊とは平常時に市町村の消防本部が管轄する地域において消防業務を行う一方、一旦国内のどこかで大規模災害が生じた場合、全国から当該災害に対応できる部隊が被災地に集中的に出動し人命救助等の消防活動を実施する仕組みであり、こうした災害時に編成、派遣される緊急消防援助隊は、消火部隊、救助部隊、救急部隊といった専門性を有していることから、被災地で発災初期段階の活動において極めて有効な組織であります。御嶽山の噴火に対しても消防庁から本県へ緊急消防援助隊の派遣要請があり、すぐに第一次派遣隊として救助隊など十隊四十一人の方々が現地入りし被災された皆様の救助活動に当たりました。
 本年の十一月に、この緊急消防援助隊の関東ブロックの合同訓練が本県で実施されます。この訓練は災害が発生した静岡県西部地域に他県の緊急消防援助隊が応援のため出動することを想定した訓練であり、私の地元である菊川市消防本部も県の実行委員会に参加するとともに、現在、浜松市消防局など西部地域の六消防本部とともに、実動訓練の計画や関係機関との調整などを目的に編成したプロジェクトチームにおいて現在詰めの作業を行っていると聞いております。
 東海地震や南海トラフ巨大地震などの大規模な災害が想定される本県にとって緊急消防援助隊による実践的な訓練が行われることは、重要かつ貴重な機会と思われますが訓練の概要について伺います。また今回の訓練により県としてどのような効果を期待するかについて、あわせて伺います。
 次に、高等学校におけるキャリア教育について伺います。
 我が国の経済は持ち直し景気も少し回復し来春卒業予定で就職希望における高校生の求人倍率が、七月末時点でリーマンショック以降、全国では六年ぶりに一倍を超え全都道府県の求人数はほとんどの業種で改善が見られております。また本県の求人倍率も一・二三と昨年度から〇・三五ポイント増と改善され、高校生にとっては仕事さえ選ばなければ就職できるという状況まで回復してきました。厚生労働省の担当者は、昨年まで低調だった製造業の求人も増加傾向に転じ、リーマンショック前の水準に戻ったとまでは言えないが、順調に回復していると話しています。このような雇用環境の中、景気回復や一部の企業にとっては深刻な人手不足となっている影響などを受け、高校生の就職活動は売り手市場で推移しそうだと言われております。
 そのような中、本県高等学校における就職希望の生徒は、地元への志向が強く地元企業への就職が大半を占めております。また自宅から通勤を希望する生徒がほとんどであり、地元に定着して生活し将来は地域に根づいた人材となりたい思いを抱いています。しかしながら大学生のように就職サイトで就活をしない高校生は、さまざまな地元企業の情報に触れる機会は少なく、どんな企業があるかどんな仕事なのか十分に知識を得てから就職をしているとは言えない状況にあります。こうしたことが就職してからミスマッチを起こし、早期に離職してしまう生徒が後を絶たない原因とも考えられます。卒業後にミスマッチで離職してしまうと次の就職は不利になり、フリーターやニートになってしまえば本人の将来も不安定になり、地域の雇用にとっても大きな損失であると考えられます。これを防止するには、まず高校生のうちに正社員としてしっかり働くことの意味を教えることが大事であります。次にみずからの仕事の適性ややりがいに気づくこと、そして十分に企業の知識を得て、自分に合った職業を選択して具体的な仕事のイメージを抱いた上で就職に導くことが必要であります。こうしたキャリア教育を高校生に十分行うことができれば、社会人のスタートが円滑に切れ忍耐強くやりがいを持って働く立派な地域の後継者に育っていくのではないかと思われます。
 そこで、県教育委員会として就職を希望する高校生に対するキャリア教育にどのように取り組んでいくのかお伺いします。以上について答弁を求めます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 宮城議員にお答えいたします。
 静岡茶の振興についてのうち、静岡茶の再生についてであります。
 静岡県は、議員御指摘のとおり歴史的には八百年に近い茶の栽培の歴史を持っており、今現在は西は浜松から東は御殿場に至るまで全県下でお茶が栽培されているところであります。本年の全国茶品評会におきましては、島田市の生産者が農林水産大臣賞を受賞するほか掛川市、静岡市が産地賞を受賞されています。毎年のように立派な賞に輝いており、茶の都しずおかにふさわしい成果を上げているところであります。
 しかしながら、近年は茶価が低迷しており特に本年は二番茶の生産を断念せざるを得ない状況も一部に見受けられました。そこで緊急に県内茶生産の七割を占める共同茶工場全てを対象に意向調査を行いました。その結果、操業継続が困難と回答なさった茶工場が見られるなど厳しい実態が明らかになっています。
 そこで、農林事務所、JA、市町、中小企業診断士などから成るチームを形成いたしまして、地域の核となる茶工場を中心に販売額の増大に向けた戦略の策定や、より効率的な荒茶生産のための茶工場の再編統合への支援を行うことで将来にわたり茶生産の維持発展を図ってまいろうとしているところであります。
 あわせて、首都圏の一流ホテルなどでうまみが凝縮した白葉茶や花の香りがする発酵茶など多彩な静岡茶の魅力を伝えるセミナーを開催するなど、新しいファンの開拓や継続的な需要の確保にもつなげなければならないと考えております。緑茶消費の少ない北海道、東北などにおきまして関係機関と連携し、静岡茶の販路開拓をも進めることにしております。さらに国やジェトロなどの関係機関と連携し、輸出拡大にも取り組んでまいります。
 静岡茶の販路開拓は、ただただ県外だけではなくて県内も先ほど子供たちに給食を通じてお茶に親しむという方法をもっと考えろということで、これは詳しくは教育長が御答弁されると存じますけれども戦前はミルクは飲んでいなかったと思います。給食もそういう形で普及はしていなかったですね。しかし私などのように戦後は粉末の脱脂粉乳を飲まされて、今日はもうおいしい牛乳を飲んでいますけれども和食が世界無形文化遺産にもなったということもございますので、やはり御飯食に合うのはお茶だと。しからば牛乳はどうするかと。牛乳にはカルシウムやたんぱく質もございますので、これは重要です。大体八時から十一時くらいまでに配達されるということがわかっています。十一時ですと三時間目と四時間目の休憩時間の前ですね。そうしますと牛乳は午前中に休憩時間に飲むと。給食はお茶と。そうすると牛乳も飲むし特に朝御飯を食べて来ない子は四時間目になると集中力が減りますので、少なくとも牛乳一杯は飲んでいるということで大分助かると思います。と同時に給食時には必ずお茶が出るというふうなことをしていってはどうかと。そうすると牛乳もお茶も両方とも普及いたしますし、同時に子供のときから先ほどおっしゃったJAなどのような御協力を賜っておいしいお茶を飲む習慣を持っていくと、それが生涯にわたって堅実な茶需要をつくり上げるということにもなると思います。
 それから海外では、リーフ茶がなかなか難しくて抹茶が人気であるということがあります。私どもも江戸時代以前は、基本的には抹茶といいますかお茶を食べていたわけですね。あれを粉末にして抹茶として飲んでいたということがあります。それが煎茶という形になったと。しかし茶それ自体が栄養がありますので、したがってこれまでのやり方だけでなくてお茶のよさをどのように加工すると人々に健康を増進するすばらしい食材として提供できるか、本気で考えなくちゃならんと。抹茶はそのうちの一つではないかと。特にサンフランシスコなどでは、高級レストランで抹茶をワインのかわりに楽しむ方たちがふえているとのことでもごさいました。
 さらに、静岡文化芸術大学の熊倉功夫先生を会長といたしましたふじのくに茶の都しずおか推進会議を立ち上げております。熊倉先生は日本の茶文化の最高権威でありますがこの推進会議で茶産業の振興に加えまして、茶文化の継承と創造、学術研究の推進、茶の都しずおかの拠点づくりなどお茶の総合的な振興を図るための検討を行っているところであります。
 今後も関係団体と連携し、「山は富士 お茶は静岡 日本一」と言われるにふさわしい茶の都であり続けるよう本県茶業の再生を図ってまいる所存であります。
 次に、大規模経営に対応した農業用水路の整備についてであります。
 大井川右岸地域は、これまでに整備された優良な生産基盤を活用して新品種や新技術の導入に意欲的な担い手が育成されており、県内で最も早く米の収穫が行われるなど本県の水田農業において中核をなす産地であります。その競争力を強化し持続可能なものにしていくことが課題です。このためには生産コストを大幅に削減することのできる大規模経営の実現に向け、こうした大規模経営の担い手への農地集積と集約化を加速させねばならないと考えています。
 しかし、農業用水の管理は経営規模の拡大に応じて労力が低減していくものではないので農業用水の維持管理の省力化を進めていく必要があります。この地域では県営事業により整備された約七十キロメートルの支線水路がありますが、その大半が今後十年以内に耐用年数を迎えます。このため静岡県では、老朽化による機能低下等が顕在化する前に施設の長寿命化対策として必要な補修、補強等を計画的に実施することで担い手の維持管理に係る負担の軽減を図ることにしています。
 さらに、水田への取水量の調整など煩雑な作業がございます。その作業を省力化するために菊川市の内田地区等では、用水路と排水路の分離あるいはパイプライン化など機能向上対策が実施されています。さらに池村地区におきましては、先駆的に導入した地下水制御システムの普及拡大が進められています。これは先般私が視察しましたときに議員も御同行いただきまして、大石農業経営士――お父さんと、それからこれは立派な息子さんとが水田の耕作について非常に立派な講義をしていただいて、この地下水制御システムというものがいかに新しいかということを一緒に学びました。
 私どもはこのような以上申しましたような長寿命化対策や機能向上対策などによりまして、大規模経営に対応した農業用水路の更新整備を効率かつ計画的に推進していくと。また新しいシステムの導入、普及にも努めると。こういたしまして産地間競争に勝ち抜く食の都にふさわしい力強い水田農業の確立に努めてまいろうと思っております。
 その他の御質問につきましては、関係部局長並びに教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 静岡茶の振興についてのうち、学校における児童生徒へのお茶の普及についてお答えいたします。
 本県の代表的な農産物であるお茶に子供のころからなれ親しむことは、本県の食育を推進し郷土愛を育てる上でも大切であると考えております。
 小中学校の給食におきましては、現在茶飯や黒はんぺんのお茶揚げ、鳥肉のお茶みそ焼きなど茶葉を使った献立が全ての市町で提供されておりますが、給食の時間にお茶を提供している市町は、茶産地が広がる県中西部地域では多いものの、県内三十五市町の中で十五市町にとどまっております。また多くの学校において総合的な学習の時間などでお茶についての学習に取り組んでおり、中には議員地元の小学校のように歴史、文化、作法など多岐にわたるお茶の学習を実施している学校もあります。
 県教育委員会といたしましては、関係市町及び関係機関と連携しモデル校を設け学校給食でのお茶の提供に必要な茶葉等の購入を支援するとともに、お茶の学習をより充実させるため日本茶インストラクターの学校への派遣や先進的取り組みを広く発信するお茶シンポジウムの開催などを行う経費を本議会にお諮りしているところであります。
 このような事業を通しまして、引き続き茶の都しずおかにふさわしいお茶を活用した食育の充実に取り組んでまいります。
 次に、高等学校におけるキャリア教育についてであります。
 議員御指摘のとおり、就職した若者の早期離職を防止し地域の担い手を育成するためには、地域全体でキャリア教育に取り組むことが重要であると考えております。このため県教育委員会では知事部局とともに、県内の経済団体、静岡労働局、NPO、学校の関係者などで構成する静岡県キャリア教育推進協議会を組織し、官民一体となってさまざまな取り組みを推進しております。
 具体的には、多くの学校においてインターンシップや就業体験を実施し企業に関する知識を身につけさせ、就職に向けた意識の高揚を図っております。また県内の経営者や学校のOBなどによる職業講話や地元新聞社と連携した先輩社員によるトークイベントなどを実施し、実際に働くことの意味や仕事のやりがいについても高校生に伝えているところであります。
 さらに、コンビニ等の民間企業と連携した共同商品の開発、販売や知事部局と連携して、高校生が地域活性化のアイデアを提案する高校生ひらめき・つなげるプロジェクトを実施し、仕事の達成感や社会に貢献する喜びを体験する取り組みも行っているところであります。
 今後とも高校生が円滑に社会人としてのスタートを切り、地域で活躍できる頼もしい後継者に育っていくよう関係機関と連携を密にして、キャリア教育の充実に積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 岩田危機管理監。
       (危機管理監 岩田孝仁君登壇)
○危機管理監(岩田孝仁君) 緊急消防援助隊関東ブロックの合同訓練についてお答えいたします。
 この訓練は、毎年関東地域の一都九県と消防庁が合同で実施しております。ことしは遠州灘で大規模な地震が発生し、県西部地区を中心に甚大な被害が出たとの想定で来月の五日、六日に静岡県において関東十都県の消火部隊、救助部隊などヘリコプター十三機を含む約三百隊一千二百人の緊急消防援助隊が参加し実施いたします。今回の訓練では浜松市、磐田市の六つの会場で各部隊が消火や救助訓練などを自衛隊や警察、医療機関など他の機関とも連携して実施するほか、富士山静岡空港において航空隊の受け入れ調整を行うなど県西部の会場を中心にさまざまな実動訓練を実施するとともに、応援部隊の調整本部の運営訓練も実施いたします。
 今回の訓練を通じ、広域災害に際して他県からの緊急消防援助隊の効果的な受け入れやさらに消防機関と自衛隊など他の機関との連携について、本県の緊急消防援助隊受援計画を検証し南海トラフ巨大地震等大規模災害発生時における受援体制の充実強化を図ってまいります。以上でございます。
○議長(多家一彦君) 十九番 宮城也寸志君。
       (十九番 宮城也寸志君登壇)
○十九番(宮城也寸志君) 御答弁ありがとうございました。まず先に要望からお願いします。
 学校における児童生徒へのお茶の普及ですが、食材からいろいろ使ってもらえるということで大変ありがたく思っております。特に味覚というものは大人になっても変えることはできませんが、臭覚、香りというものは子供のときについたものがなかなか抜けないそうです。小さいうちに静岡のおいしいお茶を飲んでもらうということで子供のころからお茶好きをふやしてもらいたいと思います。
 そして、キャリア教育についてですが現場の先生も本当に一生懸命頑張っております。その中で先ほど教育長がおっしゃったように地域の皆さんに協力を得て、なるべく地域の皆さんで学校を守り立てていく、そのような方策をまた考えてもらいたいと思います。
 それでは、茶の振興について再質問いたします。
 御答弁ありがとうございました。今、茶の生産現場は本当に苦しんでおります。もうあしたやめよう。そういう方々が多数いらっしゃいます。その中でやはりこれから静岡の茶業を背負ってもらう若い担い手にとって夢のある話をしていきたいと思います。
 とりわけ明治のときは海外に売ってまいりました。そのときには茶商の皆さん、売る方が海外に行ってニーズを調べてアメリカがだめならロシア。そのように飛び回ってまいりました。今現在、深蒸し茶だけということでなかなか大変な面がありますが、県は海外にこれからもっと売っていかなくてはいけないと思います。そのためには海外の嗜好に合ったお茶をつくらなければなりません。そういった研究をもっとやっていってもらいたいというのが現場としてあります。
 そういった意味で去年発酵茶が出てまいりましたが、県はお茶を海外に売っていく手段、それをこれからどのようにやっていく方向性はあるのかについて伺います。
○議長(多家一彦君) 土屋経済産業部長。
○経済産業部長(土屋優行君) お茶の振興につきまして、再質問にお答えいたします。
 まず、輸出の拡大でございますけれども国のほうの考え方から言いますと、国は全体日本茶の輸出額を現在の五十億円から二〇二〇年には百五十億円まで拡大したいと。三倍増ということを狙っております。それとあわせて先ほど知事からも御答弁申し上げましたジェトロ等と連携を進めているということでこざいます。
 その中で、本県の対応といたしますと輸出協議会というものを立ち上げました。この中では県と世界緑茶協会、JAの経済連、日本輸出組合等が連携して体制をとっていこうということで本年度につきましては、輸出に向けた茶生産の実証ということでEUでどのようなものが受け入れられるのかということでEUにおける販売実証等をさせていただいているということでございます。それから来年は実際の輸出に適合した防除体制の整備等につきましても議論させていただこうと。
 先ほど議員からも御提案のありました海外で売れる場合、どういったものが売れるかということがございまして、それについて先ほど知事も若干答弁いたしましたが、抹茶であるとかティーバッグであるとかあるいは輸出相手方の嗜好とか生活習慣に合ったものについてもその中で議論させていただいているということでございます。
 それから、茶産地におきましてはJA静岡経済連と一緒になって山間地のお茶を輸出するための取り組みを開始しているということでございます。今年度残留農薬等の検査も行いまして、その防除歴を検討していきたいということで議論してございます。
 そのようなことで国外への輸出について拡大をさせていただきたいということで、さまざまな取り組みをしてございます。以上であります。
○議長(多家一彦君) 十九番 宮城也寸志君。
       (十九番 宮城也寸志君登壇)
○十九番(宮城也寸志君) 最後に要望で終わらせていただきたいと思います。
 静岡茶と申しますと今までは各産地、掛川であり、本川根であり、各産地がいろいろ頑張って売ってまいりました。要は花束の状況ですかね。その下に静岡茶というのがありました。これからは静岡茶を全国に世界に売っていくためには、まず富士山と同じように静岡茶というものがあってその中に掛川茶であり、発酵茶であり、山のお茶であり、そういったものをPRしていく必要があると思います。
 その意味においても県として静岡茶はこういうものだということを強く持って、皆さんに勧めていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)

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