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令和5年2月静岡県議会定例会 質問
質問者: | 鈴木 節子 議員 | |
質問分類 | 質疑 | |
質問日: | 02/27/2023 | |
会派名: | 日本共産党静岡県議会議員団 | |
質疑・質問事項: | 1 第74号議案「民事訴訟事件の上告の提起及び上告受理の申立てについて」 |
○議長(藪田宏行君) 以上で説明は終わりました。
これから質疑を行います。
通告により、一番 鈴木節子君。
(一番 鈴木節子君登壇)
○一番(鈴木節子君) 日本共産党の鈴木節子です。
通告に従い、第七十四号議案「民事訴訟事件の上告の提起及び上告受理の申立てについて」質疑を行います。
平成二十四年警察官が自殺した事案につきその妻子及び両親それぞれが本県を相手取り慰謝料を求め提訴した損害賠償請求事件について、県が判決を不服として広島高等裁判所に控訴し今年二月十七日の控訴審の判決に上告しようとするものです。
控訴審判決は父母の訴えは棄却となり県が勝訴しました。一方妻子の主張する自殺と過重な業務の因果関係は認められ一審判決が支持され県が敗訴しました。これを受け県は妻子事件の広島高等裁判の判決の取消しを求め上告の提起及び上告受理の申立てを行おうという案件です。
質疑の一点目に、判決主文について伺います。
控訴審の判決主文はどういう内容か、父母、妻子それぞれについて伺います。
二点目に、控訴審判決の要旨について伺います。
争点一の自殺の公務起因性について判決の要旨はどのような内容か、父母、妻子それぞれ伺います。
争点二の安全配慮義務違反の有無について判決の要旨はどのような内容か、父母、妻子それぞれ伺います。
三点目に、上告の提起について伺います。
県は、憲法違反や法律に定められた重大な訴訟手続の違反事由が存在すると主張し不服申立ての上告の提起の理由を三つ掲げています。
裁判官の経験則違反と言いますが何を指しているのか、審理不尽は何を根拠に言うのか、理由不備はどの部分を指すのか伺います。
四点目に、上告受理の申立ては判例違反その他の法令解釈に関する重要な事項を含むことを理由とする場合の不服申立てと説明があります。最高裁判例は健康状態が悪化していることを認識しながらと判示しているが、妻子判決に具体的な言及がなく認識し得たとの表現にとどまると指摘していますが、この表現は判決に大きな差異を生じるほどの重要なポイントなのか伺います。
五点目に、上告の理由を伺います。
控訴審の判決結果は父母事件と妻子事件が真逆の判断となりました。上告の理由は県が勝訴した父母事件を支持する立場か、妻子の訴えが認められた判決を不服とし県に責任はないとあくまで争うのか、それとも判断が分かれたために、審理を尽くすべきとの理由か伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 大原警察本部長。
○警察本部長(大原光博君) 鈴木節子議員にお答えいたします。
第七十四号議案「民事訴訟事件の上告の提起及び上告受理申立てについて」であります。
控訴審判決の主文につきましては、父母側判決は原判決中控訴人の敗訴部分を取り消す、被控訴人らの請求をいずれも棄却すると。妻子側判決は本件控訴を棄却するであります。
判決の要旨につきましては、父母側判決は、警察官が過重な業務を行ったとは認め難いとして自殺と業務との相当因果関係は認め難く自殺を予見することもできなかったとして県警察が安全配慮義務に違反したとは言えないとしております。
一方、妻子側判決は、自殺と業務との間に相当因果関係を認め疲労や心理的負担が過大になっていると認識し得たのに業務量を調整せず業務が過重であることに配慮しなかったとして県警察に安全配慮義務違反があるとするものであります。
また、上告の提起理由及び上告受理申立てについての御質問ですが、事実認定、判例を含む法律の解釈、適用及び最高裁判例との適合性など多岐にわたっており、また訴訟遂行との関係もありますのでその詳細については控えさせていただきます。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 鈴木節子君。
(一番 鈴木節子君登壇)
○一番(鈴木節子君) 今お答えを頂きましたけれども、これは大事な警察官の方が自殺をした案件で、そのことで国家賠償請求事件になっておりますが大事な命がかかっている問題ですので、先ほどのお答えですと上告の提起の、私が三点について質問をいたしました、裁判官の経験則違反、審理不尽、理由不備、これが何を指すのかということについては詳細なお答えがありませんでしたが、議案に付されている以上はしっかりとした説明がなければこの議会としての役割も果たせませんのでしっかり質疑についてはお答えを頂きたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 大原警察本部長。
○警察本部長(大原光博君) 再質問にお答えいたします。
事実認定、判例を含む法律の解釈、適用に関して経験則違反、審理不尽及び理由不備が認められるということの具体的事項については今後の訴訟遂行に支障があることから答弁を差し控えますというふうに申し上げましたが、あえて申し上げますと電通事件に係る最高裁判例では具体的理由に基づいて健康状態が悪化していることを認識しながらとして予見可能性を認定しているところ、今回の判決では予見可能性の認定に関して具体性を欠いております。
一方で、父母事件ではさき最高裁判決にのっとり具体的に理由に基づいて認識及び予見可能性が困難であったと認定していることから、妻子事件では最高裁の判例に違反する点があったと認め上告受理申立てに至ったものであります。以上であります。
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