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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

野田 治久 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/28/2017

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについて
 (1) 開催に向けた機運の醸成
 (2) 伊豆地域における道路沿線の森林景観整備
 (3) 伊豆半島の屋外広告物対策
2 伊豆半島の魅力づくりとデスティネーションキャンペーン
 について
3 伊豆地域におけるニホンジカの捕獲対策について
4 狩野川台風の教訓と今後の対策について


○議長(杉山盛雄君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百一号から第百二十四号まで及び平成二十八年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、七番 野田治久君。
       (七番 野田治久君登壇 拍手)
○七番(野田治久君) おはようございます。私は伊豆市選出自民改革会議の所属議員として、通告に従い知事、副知事及び関係部局長に当面する県政の諸課題について一括質問方式で伺います。
 初めに、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについてのうち、開催に向けた機運の醸成について伺います。
 二〇一三年九月七日に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック開催都市に東京が選出され、次いで二〇一五年十二月九日に自転車競技伊豆開催が決定をいたしました。
 地元では、国内外から多くの観戦客や観光客が伊豆を訪れるとの期待に地域全体が大いに盛り上がったのはかなり前のことのように思われます。既に開催決定から今日まで六百五十八日が経過しており、きょうから二〇二〇年オリンピック・パラリンピック自転車競技開催までは千飛び三十六日を残すまでとなりました。
 このように、開催決定から開催日まで既に約四割の時間が経過する中で、いまだに会場となる伊豆ベロドロームの観客席増設やサイクルスポーツセンター内に設置されるマウンテンバイク会場の整備そして選手村の選定など一向に具体的な進展が見られない状況にあります。例えばまだ決まっていない選手村がどこに決まるかによって会場への動線が変わることになり、その動線によっては開催期間中の交通規制や交通渋滞など地元住民の日常生活や伊豆の夏の観光に大きな影響を与えるといった、準備のおくれに対する不安の声が大きくなりつつあります。
 本県においても、会場までのメーンアクセス道路の改修、開催に合わせた夏季の交通量調査の実施と地元への影響の検証、市街地の障害者対応の状況調査など一定の事業は実施されています。しかし開幕三年前イベントやオリンピック・パラリンピックフラッグの巡回などの催しはあるものの、自転車競技が地元の伊豆サイクルスポーツセンターやベロドロームでの開催を告知するポスターや横断幕など町なかで目にすることはほとんどなく、市民や観光客にとってオリンピック・パラリンピックのムードが全くと言っていいほど漂っていないのが現実であります。
 また、文化プログラムの展開やボランティア活動、地域住民や子供たちが自転車競技に親しみオリンピック・パラリンピックに興味を引くようなイベントの開催などはまだまだ不十分であり、本当にオリンピック・パラリンピックをやるのといったネガティブな声も聞こえてくるなど盛り上がりに欠けているように感じています。
 また、自転車トラック競技がベロドロームだけでしか観戦できず一般の皆さんにその迫力やおもしろさが伝わりにくい点や、自転車競技日本選手には卓球の平野美宇選手、伊藤美誠選手のようなメダルの獲得に期待が持てる県内出身の若手有望選手やかつての中野浩一選手のような大スターが育っていない点も地元が盛り上がらない一因かもしれません。
 とにかく、大会を成功に導くためには地域の盛り上がりが必要であり地域住民の理解と協力が必要不可欠であります。県が先頭に立って住民目線の不安を取り除くためにより一層の工夫を凝らし、地域と連携して機運の醸成を図る必要があると考えます。
 そこで、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技伊豆開催に向けたさらなる機運の醸成のため伊豆市を初めとする地域との連携をどのように図っていくのか、県の所見を伺います。
 次に、伊豆地域における道路沿線の森林景観整備について伺います。
 オリンピック・パラリンピックへの機運醸成が大きな課題である一方で、県ではメーンアクセス道路の改修や伊豆の景観形成に向けた事業を着実に展開しています。伊豆の良好な景観を推進するために屋外広告物設置禁止や違反広告物撤去を図る対策とともに、あわせて伊豆ベロドローム自転車競技会場へのアクセス道路沿線と世界遺産韮山反射炉周辺道路の森林景観整備を今年度から三カ年実施すると伺っています。
 伊豆地域では、自転車競技開催を契機としたサイクリストの聖地づくりに向けたいろいろな取り組みが始まっていますが、伊豆地域の道路沿線には長年放置され暗く欝蒼とした森林が道路上にまで迫る箇所も多くあり、こうした森林を適切に整備することによりサイクリストが走行中の景観を楽しむとともに快適で安全なサイクリングにつながると考えます。また県ではサイクリストの安全な自転車走行空間を確保するために矢羽根型路面標示を積極的に推進しています。この矢羽根を路面に標示する場合には、県は道路管理者として道路にはみ出した草木を除去し自転車走行の安全を担保する責任があると考えます。
 また、森林景観の整備をきっかけに地元住民が改めて地域の美しさやすばらしさに気づき地域のことは地域でやる、あるいは地域の景観は地域の住民で守るといった民度の向上にもつながるのではないでしょうか。伊豆を世界に誇れる観光地にするためには改善しなければならない課題は多く存在します。その課題の一つとして森林景観整備事業は屋外広告物規制とともに伊豆の景観形成向上のため非常に重要な取り組みと考えます。
 そこで、オリンピック・パラリンピック開催に向け関連する道路沿線の森林景観整備をどのように進めていくか、県の方針を伺います。
 次に、伊豆半島の屋外広告物対策について伺います。
 昨年、屋外広告物の設置を原則禁止するという県としての方針が発表され、それに伴う規制強化を行うための静岡県屋外広告物条例の改正案が今議会に提出され十一月から本格的に規制強化を行う予定であると伺っています。特に競技会場となる伊豆市周辺の道路沿線における対策は速やかに推進していくことが重要であるとともに、対策を円滑に進めるためには関係する広告業者等の理解、協力が不可欠であり規制内容の丁寧な周知が必要となります。
 そこで、伊豆半島での屋外広告物対策を強力に進めるための今回の規制強化のポイントについて伺います。また改正後規制強化が実効性のあるものとなるよう是正指導を円滑かつ確実に進めていくため、どのような方策を講じるのか伺います。
 次に、伊豆半島の魅力づくりとデスティネーションキャンペーンについて伺います。
 本年八月末に県から発表となった平成二十八年度静岡県観光交流の動向によると、伊豆地域の宿泊客は平成二十八年度は一千百二十三万五千人と平成二十四年度から順調に増加に転じ東日本大震災前の水準まで回復していますが、最盛期であった平成三年の一千九百九十三万五千人にはまだまだ及ばない状況です。
 私の地元である伊豆地域は、韮山反射炉が世界文化遺産に認定され伊豆半島ジオパークや天城山系で栽培される静岡水ワサビの世界農業遺産認定が期待されるなど特徴のある自然景観、温泉、歴史・文化そして豊かな食材など多彩な魅力にあふれた地域であり、伊豆は一つの理念のもとに今こそ地域が一体となって世界一美しい半島をつくり上げるチャンスだと認識しています。
 このような中、JR六社、地元自治体及び観光事業者が協働して実施する我が国最大級の観光キャンペーン――デスティネーションキャンペーンいわゆるDCが平成三十一年春に実に十九年ぶりに本県で開催されることになりました。DCは全国に向けて積極的に地域の観光魅力を宣伝、広報し集中的に送客を展開するキャンペーンで、この開催決定は伊豆の観光業界に明るい話題を提起しています。現在来年五月本県で開催される全国旅行代理店の販売促進会議に向け二次交通と連携した新しい旅行商品の造成や観光素材の掘り起こし、地域の磨き上げなどに取り組んでいると聞いており、DCにより伊豆観光が再び盛り上がることを大いに期待しています。
 しかし、一方で伊豆地域においては交通事業者間を超えた乗り継ぎやクレジット決済、パスの精算対応などにおいてまだまだ利用者目線でのサービスが提供されておらず伊豆に来た外国人観光客が困惑している姿を何度も見かけることがあります。DCの実施によりこうした地域の課題への対応がなされ、多くの皆さんに伊豆半島が生まれ変わったと思ってもらうことが大切だと考えます。
 本県では、過去に平成四年、平成十二年の二回DCが開催されていますが、DCの成否は単に交流人口や宿泊客の数値が目標値を超えることだけではなく次の時代に向けた伊豆地域の根本的な魅力アップができたか、あるいはDC終了後に残る仕組みづくりを取り入れることができたかが問われるべきと考えます。
 お客様本位の観光地づくりを進め伊豆地域の魅力をしっかりと高めるような観光キャンペーンにすべきと考えますが、県の取り組みを伺います。
 次に、伊豆地域におけるニホンジカの捕獲対策について伺います。
 伊豆地域の中山間地における野生鳥獣による農林産物の被害は依然として深刻な状況であり、昨年度の県全体の被害額は約四億二千万円となっています。そのうちニホンジカによる被害額は約一億三千万円を占めていますが、農林業者の営農意欲減退や自然植生への影響、一般市民の自動車との追突事故など数字にあらわれない被害が多いのも事実であります。
 県では、平成二十四年度から二十八年度までの五カ年計画で管理捕獲による個体数調整を強化してきましたが、農作物の被害状況や現場の声などから県の推定する生息数と実際の生息数とはかなり乖離しているのではないか、あるいは試算の前提になる推定生息数の見込みが甘いのではないかといった意見が多くありました。
 このような中で、県では新たな計画のもと平成二十九年度から三十三年度にかけて個体数を大幅に減らすこととしています。あわせて狩猟期間延長や管理捕獲の一個体当たりの単価アップなど県の管理捕獲対策の前向きな取り組みは大いに評価するところであります。
 しかしながら、捕獲現場の実情は狩猟者の高齢化による捕獲の担い手不足や若手の技術不足、実包購入と帳簿作成の手間がふえたこと、捕獲した鳥獣の後処理など課題は山積し、さらには捕獲の七割を占めるわなに対するニホンジカの警戒心が強まっていることなどを鑑みると目標達成の実効性に対し疑問を持たざるを得ません。
 同じ有害鳥獣対策の例として、狩野川水系を餌場とする約五百羽のカワウ被害に手をやいていた狩野川漁協がことしの五月末大胆な方法でカワウ二百羽を捕獲しました。この捕獲作戦は東部農林事務所、沼津市、駿東猟友会沼津支部、静浦漁協などの協力でまだ薄暗い早朝ウリ島というコロニーにいるカワウを銃声がほとんどしない空気銃で一斉に射撃をするという実に単純な方法ですが、これが官民の協力が画期的な捕獲作戦を実現できた成功事例と言えます。狩野川漁協としても、この捕獲作戦を継続することで狩野川を餌場とするカワウを適正生息数近くまで減らせると期待をしています。
 そこで、県としてニホンジカの生息数や捕獲頭数など現状をどのように分析し目標設定をしているのか、また科学的、計画的な個体数管理の一層の推進を図るためにどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。
 最後に、狩野川台風の教訓と今後の対策について伺います。
 静岡県下に未曽有の大災害をもたらした狩野川台風から来年で六十年になります。五十九年前の昭和三十三年九月二十六日に伊豆半島南端をかすめ、翌二十七日に関東に上陸した狩野川台風は狩野川上流域の天城湯ケ島で一時間雨量八十ミリから百二十ミリの豪雨が三時間も続き総雨量七百五十三ミリに達しました。狩野川流域を中心とする伊豆半島一体の被害は甚大で約千二百カ所の山腹崩壊、破堤十五カ所、決壊七カ所、死者・行方不明者八百五十三名、全半壊・流出家屋千五百軒以上を記録する大水害となり地域における悲惨な災害の歴史として現在にも語り継がれています。
 狩野川台風を契機に、狩野川放水路の建設加速、狩野川本流や支流での堤防整備、さらに上流部には百二十八基の国直轄の砂防施設が築かれるなど河川整備を進めてきた結果狩野川放水路完成以降この流域では洪水による死者は出ておりません。もちろんこれらの治水対策の効果が大きかったと思っておりますが、洪水を引き起こすような豪雨に見舞われなかった、つまりラッキーだったと言えるかもしれません。近年全国的に時間雨量百ミリを超える猛烈な豪雨が頻発する状況や河川内に土砂が堆積し樹木やヨシが繁茂して河川断面の確保が満たされていない状況を見ると、いつ狩野川水系で大きな水害が発生しても不思議ではないと不安を感じています。
 先日、諸田議員から河川管理に関するICT活用についての質問がありました。私は狩野川漁協からカワシオグサという青藻対策の相談を受けており、狩野川支流の大見川をドローンで川の真上から空撮した映像を見せていただきました。その映像はぶれもなく非常に鮮明であり、繁茂したカワシオグサはもちろんのことですが河床を埋め尽くした砂や土砂の堆積ぐあい、草木やヨシの繁茂の状況を鮮明に確認することができ県当局にも資料提供させていただいたところであります。
 さて、狩野川は伊豆市の修善寺橋から上流は県の管轄、修善寺橋から河口部までの下流部が国の管轄に分かれています。国土交通省沼津河川国道事務所では狩野川水系河川整備計画に基づき河川の改修や内水対策、河川環境の整備と保全に取り組んでいます。また一昨年の水防法改正に合わせ洪水浸水想定区域図を策定し、避難場所や避難経路の見直しなど流域住民の安全・安心に寄与しています。
 さらに、国交省沼津河川国道事務所と県、流域市町、関係諸団体とともに構成された狩野川台風の記憶をつなぐ会では防災意識向上と災害教訓伝承活動の一環として七十八名の児童が犠牲になった修善寺熊坂小学校を初めとする流域市町の小学校において防災教育や防災啓発活動を支援しています。また一昨日、九月二十六日には伊豆の国市大仁で狩野川台風の凄惨さを後世に伝える語り部十四名の貴重な体験談をおさめたDVDを鑑賞する狩野川フォーラムに参加させていただきました。私は県内全ての小学生がこのDVDを活用して狩野川台風の教訓を学ぶことでまず避難することが命を守るという早期避難の大切さを知り、改めて自分の家から避難所への道順を確認するといった防災教育に生かせるのではないかと実感しました。そして来年、狩野川台風の記憶を未来へ語り伝え次世代へ引き継ぐ防災意識向上を目的とした狩野川台風六十年シンポジウムの開催を国において検討しているとも伺っております。
 さて、県では今九月議会に九州北部豪雨等を踏まえた県内河川等の追加安全対策に十億円、最大規模の降雨を想定した洪水浸水想定区域図の作成に三億三千万円の補正予算案を提出しています。
 そこで、狩野川台風から六十年の節目の来年に向けて狩野川台風の教訓を踏まえた今後のソフト対策、ハード対策にどのように取り組んでいくのか、県の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 野田議員にお答えいたします。
 伊豆半島の魅力づくりとデスティネーションキャンペーンについてであります。
 前提的な話でございますけれども、観光というのは平和でないとかないません。観光地を観光地域として捉えその魅力をアップするというのは平和な地域づくりに資するということから、本県は観光に注力をしているということでございます。
 さて、県と全市町、JR六社や観光事業者が一丸となって全国に向けて本県の魅力を発信するデスティネーションキャンペーンが二〇一九年に本県を目的地として行われることとなりました。このデスティネーションキャンペーンというのは国内最大規模の観光企画と言われるものであります。これはその前年、本番の前年である来年にはプレキャンペーン、そして本番の翌年すなわちオリンピック・パラリンピックの開かれる二〇二〇年にはアフターキャンペーンが開かれ合計三年間にわたって開催されます。
 これを受けまして、本年四月静岡県大型観光キャンペーン推進協議会内に五つのデスティネーションキャンペーン地域部会を設置いたしました。オール静岡での推進体制を整備するためであります。また来年五月には全国から約八百人の旅行関係者が集う、キックオフイベントとなる全国宣伝販売促進会議を開催いたします。これらはいずれも富士の国静岡を大々的にアピールするものであります。
 デスティネーションキャンペーンの経済効果は、これまでの開催県の実績から試算いたしますと期間中の県内延べ宿泊者数は三十万人泊増加すると見込まれ、約百八億円の県内経済への波及効果が期待されております。今回のデスティネーションキャンペーンを通じましては、こうした経済的効果にとどまらず地域が主体となり観光事業者に加え商工業者、農林水産業者など、そしてまた旅館業者の皆様など多様で幅広い関係者が連携し観光を中心に地域みずからが魅力を高め、住民が地域への誇りと愛着を抱くような観光地域づくりをさらに加速させたいと考えております。
 違法看板の撤去はその一つであります。さらにまた水ワサビ――これは伊豆半島でも栽培されておりますけれども――これを日本農業遺産から世界農業遺産に格上げするキャンペーンをするのもその一つでありますし、さらに世界ジオパークに伊豆半島をするというのもその一環でございます。
 伊豆地域におきましては、観光政策のかじ取り役である美しい伊豆創造センターと連携しデスティネーションキャンペーンに向けた観光資源の掘り起こしと旅行商品の造成を行いまして、首都圏の商談会などでのテストマーケティングを通じた観光素材の磨き上げにより伊豆半島の一層の魅力の向上とお客様本位の観光地域づくりに取り組んでまいります。現在希望の党の党首になられました小池さんは東京にお越しになる観光客を静岡県に持っていきたいというふうに言われていました。今度の公約に入っていないのは忘れられているわけではないというふうに信じております。
 また、伊豆半島の交通結節点から観光地までの二次交通につきましては、県内の鉄道、バスなどの交通事業者と連携してフリーきっぷや周遊プランの造成の拡充を図るとともに、観光施設等へのWiFiスポットの設置や多言語化への支援などを行ってまいりました。さらに本県を訪れた外国人を含めた全ての観光客がストレスを感じることなく旅を楽しめるような受け入れ環境の整備を交通事業者に働きかけてまいります。
 県としましては、デスティネーションキャンペーンによりつくり出した新しい観光魅力、地域でのネットワークの形成など伊豆半島での観光地域づくりの成果を東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技で伊豆半島を訪れる方々に提供し心から満足していただくことで、伊豆半島の魅力が向上し国内外から来訪者が絶えず訪れられる世界で一番美しい半島伊豆の名前に恥じない実体づくりを実現してまいりたいと考えております。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(杉山盛雄君) 土屋副知事。
       (副知事 土屋優行君登壇)
○副知事(土屋優行君) 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについてのうち、開催に向けた機運の醸成についてお答えいたします。
 オリンピック・パラリンピック競技大会のはずみになるものと期待しておりました二〇一九年のトラック自転車競技世界選手権大会は、まことに残念ながら開催されないこととなりました。しかしながら、このことにより開催機運の低下を来さぬようこれまで以上に取り組みが必要であると考えております。
 このため、まずは来月十四日に開催されますフジ・ゾンコラン・ヒルクライムレースに台湾から参加される自行車騎士協会に所属するサイクリストの方々と地域の皆様との触れ合いの機会を設けてまいりたいと考えております。また十一月には、伊豆市伊豆ベロドロームで開催されます全日本選手権自転車競技大会、ジャパンパラサイクリングカップなど全国クラスの大会におきまして小中高生を初めとした多くの方々に観戦していただくよう働きかけ、自転車競技のおもしろさを知っていただけるようにルール解説や競技用自転車の試乗体験等の機会をふやしてまいりたいと考えております。
 これらの取り組みに加えまして、本議会に補正予算案としてお諮りしております伊豆半島、東部地域二十市町の自治体、企業等で構成する団体が地域ごとの特性に応じみずから企画実施する地域提案型の機運醸成に向けた事業でありますサイクルスポーツ県づくり加速化推進事業費により地域における主体的な取り組みの推進を図ってまいります。さらに世界選手権の開催を応援するため周辺の市町を中心として設けておりましたトラック自転車競技世界選手権大会静岡県開催準備委員会につきましても、最終的に目指すところであります東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの成功に向けた取り組みを県全体で推進する組織として再構築することを早急に検討し、その中で具体的な対応を進めてまいります。
 県といたしましては、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技の開催を地元地域全体で歓迎し大会を盛り上げ観光交流の拡大や地域の活性化につなげられるよう、地元となる伊豆半島、東部地域が一体となり住民の皆様の気持ちを奮い立たせるような機運の醸成を促進してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 吉田農林水産戦略監。
       (農林水産戦略監 吉田 茂君登壇)
○農林水産戦略監(吉田 茂君) 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについてのうち、伊豆地域における道路沿線の森林景観整備についてお答えいたします。
 伊豆地域の美しい森林景観は、先人たちが江戸時代から良質な炭の原料の確保やシイタケ栽培のために手を入れてきた営みのたまものであり人と自然との共生の中で長い年月をかけて培ってきたものであります。
 県では、伊豆ベロドロームや韮山反射炉などを訪れる国内外の方々がこのような歴史に育まれた自然豊かな景観を楽しんでいただけるよう、オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて今年度から地元の市を通じて景観の整備を進めているところであります。具体的には施設周辺やアクセス道路沿いの過密な杉、ヒノキの人工林について間伐を行うとともに、道路際に繁茂した広葉樹等の草木につきましては伐採しビューポイントからの眺望やサイクリストの安全で快適な走行の確保を図ってまいります。
 県といたしましては、訪れる方々に感動を与え地域の皆様が愛着と誇りを感じる景観づくりを進め伊豆地域が世界に誇れる観光地となるよう努めてまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 鈴木交通基盤部長。
       (交通基盤部長 鈴木克英君登壇)
○交通基盤部長(鈴木克英君) 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックについてのうち、伊豆半島の屋外広告物対策についてお答えいたします。
 県は、伊豆半島の魅力をさらに高めるため昨年秋に発表した屋外広告物の設置を原則禁止とする大方針に基づき屋外広告物条例を改正し規制を強化するとともに、違反広告物に対する徹底した是正指導を実施することといたしました。
 今回の規制強化では、伊豆半島の全ての幹線道路沿いを原則として屋外広告物を設置してはならない特別規制地域に指定した上で特に良好な景観形成が必要な地域を広告景観保全地区に指定し、この地区では例外的に設置可能な案内看板等であっても大きさや色彩などの基準をさらに厳格化することといたします。具体的な地域といたしましては、車窓からの美しい眺望景観を保全するため伊豆ベロドロームへのメーンアクセス道路となる東駿河湾環状道路、修善寺道路等を広告景観保全地区に指定するとともに、建設中の伊豆縦貫自動車道天城北道路につきましても広告物の乱立を未然に防ぐため開通前に広告景観保全地区に指定することといたします。
 また、規制強化の実効性を確保するため屋外広告業者等への説明会、観光団体等への個別訪問などにより丁寧に説明してまいります。さらに美しい景観づくりへの理解を深めていただくため、すぐれた広告物の表彰やまち歩きイベントなど県民の皆様や観光客を対象としたキャンペーンを通して引き続き積極的に情報を発信してまいります。
 県といたしましては、東京オリンピック・パラリンピックに向けて地元の市町と連携を図りながら誰もが憧れる美しい半島を目指して地域の魅力創出につながる景観づくりを推進してまいります。
 次に、狩野川台風の教訓と今後の対策についてであります。
 狩野川台風では、記録的な豪雨により発生した洪水が山崩れによる大量の土砂や流木とともに流下し、各所で堤防が決壊して多くの方が家屋とともに押し流され沿川各地域に甚大な被害をもたらしました。
 その後の国、県及び市町の河川整備などにより狩野川流域における洪水への安全性は高まりましたが、狩野川台風のような大型台風や近年各地で頻発する大規模氾濫の教訓を踏まえ地域の皆様一人一人が命を守る避難行動を確実に行える対策を講じることが極めて重要であると考えます。
 このため、県では市町とのホットラインによる的確な防災情報の伝達体制を本年六月までに構築したことに加え、迅速な避難行動を促すハザードマップやタイムラインの早期作成を支援するため本議会にお諮りしている補正予算により最大規模の降雨を想定した洪水浸水想定区域の見直しを狩野川の県管理区間などにおいて前倒しして実施してまいります。
 また、狩野川台風から六十年の節目を契機として国が地元小学校へ出向いて行っている防災教育などに連携して取り組み、改めて地域の防災・減災意識の向上を図ってまいります。
 さらに、洪水による被害を軽減するためには河川の適切な整備と維持が重要であることから、堤防や護岸などの整備を着実に推進するとともに補正予算等を活用し洪水の流下を阻害する堆積土砂の除去等を実施してまいります。
 県といたしましては、狩野川台風のような大規模災害に対して国や市町等との連携によりハード・ソフトが一体となった防災・減災対策を着実に推進し、地域の皆様が安全で安心して暮らせる水害に強い地域づくりに努めてまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 木利夫君登壇)
○くらし・環境部長(木利夫君) 伊豆地域におけるニホンジカの捕獲対策についてお答えいたします。
 県では、平成二十九年度からの第四期捕獲計画においては平成二十八年度末の伊豆地域の生息頭数を最も実態が反映されるシカのふんの数から推定するふん粒法による最大値であります三万百頭といたしました。この生息頭数を平成三十三年度末までに環境省のガイドラインにより生態系に悪影響を与えないとされる約五千頭まで減らすこととし、年間の最大捕獲可能頭数一万二千頭や自然増を考慮し五年間で四万一千五百頭を捕獲する計画といたしました。
 このため、地元猟友会による年間を通じた有害鳥獣捕獲や仁科峠周辺での一斉捕獲、里山でのわな集中捕獲などを継続するとともに、今年度から新たにこれまで困難であった奥山地域におきまして高度な狩猟技術を有する認定鳥獣捕獲等事業者による捕獲を実施することといたしました。捕獲の担い手である狩猟免許所持者は猟銃免許――銃の免許でございますが――に関しましては減少しているものの、免許所持者は全体としまして増加しておりますことから、引き続き初心者を対象とした研修やけもの道でのわな設置などの実践的な捕獲方法の研修を行ってまいります。
 県といたしましては、プロジェクト研究の成果である捕獲率を高めた新型くくりわなやGPSにより解明いたしましたシカの行動特性などを捕獲に生かすとともに、野生鳥獣の研究者などから構成するニホンジカ保護管理検討会において捕獲実績と生息頭数の関連等について検証いただきながら科学的、計画的なニホンジカの個体数管理を進めてまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 野田治久君。
       (七番 野田治久君登壇)
○七番(野田治久君) 答弁ありがとうございました。
 要望を二つ、再質問を一つさせていただきます。
 まず、DCについて知事から大変丁寧な御答弁をいただきました。経済的な効果を上げることはもちろん大変大事なことだと思っておりますが、DCを一過性のお祭りのようなものにはしないでですね、次の時代に生かしていく、そのためには新しいシステムを構築するとか古い障害を取り除いて新しい形をつくっていく、こういったことが絶対に必要だと思っています。
 ところが、なかなか言いにくいことなんですが県の東部では交通問題、どうしてもなかなか解決できない問題があります。知事の答弁の中にも、外国人にストレスを感じさせるようなことのないようなことを交通事業者に働きかけていくという御答弁をいただきました。二〇二〇年オリンピック・パラリンピックは、私は国家の一大プロジェクトだと思っております。インバウンド四千万人そして六千万人を目指すという目標は、これは大事な国家戦略だと思っております。そういった目標があるのに静岡県ではなかなか解決できない問題がある。これはこのままではいいはずがないと思っております。国を初めとして関係者への働きかけを積極的に行っていただいて、前向きな姿勢といいますか取り組んでいる姿勢をぜひ見せていただきたいなと思います。要望といたします。
 次の要望でございます。オリンピック・パラリンピックの機運の醸成についてであります。
 副知事からもお話ありましたように、世界選手権が青天のへきれきと知事もおっしゃいましたようにですね、決まっていたと思っていたものがなくなってしまいました。これはこれでもう仕方がないことでありますが、機運の醸成、このプレオリンピックと位置づけていた世界選手権から一気に上げようとしていたところが大変に痛手だと思っています。
 ですから県にお願いですが、県内の市町としっかりと連携をとって工夫をして知恵を絞って、機運の醸成をしていただきたいなと思います。これも要望でございます。
 そして、再質問でございます。伊豆半島の屋外広告物対策についてでありますが、この事業は伊豆の景観形成のために大変に重要な事業だということは承知をしておりますが事業実施の大変難しい事業でもあると思っています。説明や周知につきましては丁寧に行うという答弁をいただきましたが、是正指導については踏み込んだ答弁をいただけなかったと思っております。この点について再質問いたします。答弁を求めます。
○議長(杉山盛雄君) 鈴木交通基盤部長。
○交通基盤部長(鈴木克英君) 再質問ありがとうございます。
 是正指導につきましては、まずは五輪アクセス道路沿線と観光地周辺を優先箇所といたしまして特に環境への影響が大きい野立て看板を中心にやってまいりたいというふうに考えてございます。是正指導の具体的な事務につきましては、市の区域については市が、町の区域については県の土木事務所が担当して実施してまいります。広告主や屋外広告物業者に対しましてはまずは口頭で、次に文書での指導等の手順を踏みながら進めてまいります。なお是正指導に従わない屋外広告物業者に対しましては、営業停止等の監督処分も視野に入れながら対応してまいりたいというふうに考えてございます。
 県といたしましては、伊豆半島の市町、観光関係者と組織する伊豆半島景観協議会におきまして情報を共有しながら進捗管理を徹底しまして是正指導を効率的に進めてまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。
○議長(杉山盛雄君) 野田治久君。
       (七番 野田治久君登壇)
○七番(野田治久君) 答弁ありがとうございます。
 一つ気になったのが是正をさせるのに市に担当させるということでございました。市に負担が余りかからないように十分に配慮していただきたいなと思います。要望いたします。以上、質問を終わります。(拍手)

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