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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

小沼 秀朗 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/24/2023

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 豊かな県民生活の実現に向けたDX推進の取組について
2 心豊かで明るく元気なシニア生活の実現について
3 静岡茶の販路拡大支援について
4 誰もが快適に移動できるバリアフリーなみちづくりについて
5 掛川市内を流れる太田川水系の河川改修事業の進め方について
6 学校の働き方改革と中学生の部活動の両立について
7 新設を含む信号機の整備促進について


○副議長(和田篤夫君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第一号から第七十三号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、七番 小沼秀朗君。
       (七番 小沼秀朗君登壇 拍手)
○七番(小沼秀朗君) おはようございます。
 私は、自民改革会議所属の議員として通告に従い知事、副知事及び関係部局長、教育長、教育部長、警察本部長に対し一括質問方式にて県政の諸課題をお伺いいたします。
 まず初めに、豊かな県民生活の実現に向けたDX推進の取組について伺います。
 新型コロナウイルスの感染が国内で初めて確認されてから三年余りが経過しました。社会生活や経済活動においてはコロナ禍以前と異なる非対面、非接触のスタイルが一般化しDXを加速させる契機になったと言われております。
 県では、令和三年度にデジタル戦略局を設置し新たな体制の下でこれまで進めてきたICT技術の活用をDXへと発展させ様々な取組を本格化させていることと承知しております。コロナに限らずSDGsやカーボンニュートラル、多文化共生といった時代の背景を基に人々の価値観が多様化する中でDXの推進によって県民はどのような恩恵を得ることができるのか、いまだイメージするのが難しい印象を受けております。
 昨年三月にはふじのくにDX推進計画が策定され基本理念には、誰にも優しく誰もが便利に安全・安心そして豊かにと掲げられています。県の新体制から二年、計画策定から一年がたとうとしていますが、DXの推進に当たり基本理念にもある県民が実感できる豊かさをどのように実現していくのか、県の考えを伺います。
 また、ふじのくにDX推進計画は十年後の目指す姿に向けて令和七年度までを第一期としております。県民の声を的確に捉え時代のニーズに応えるDXを実現するには若い世代の意見や柔軟なアイデアを積極的に取り入れることが不可欠だと考えますが、将来を担う若い世代の声をいかに施策に反映していくのか、県の考えを伺います。
 次に、心豊かで明るく元気なシニア生活の実現について伺います。
 昨年十二月厚生労働省が発表した令和二年の平均寿命を見ますと静岡県は男性が八十一・五九歳で全国二十一位、女性が八十七・四八歳で三十一位となり平均寿命は延びているものの全国順位は低下している状況にあります。心身ともに自立して健康でいられる健康寿命について直近の令和元年の数値を見ますと静岡県は男性七十三・四五歳、女性七十六・五八歳であり、平均寿命と健康寿命を比較しますと男性で約八年、女性で約十一年何かしらの介助を必要とした生活を送っていると言えます。
 静岡県では健康長寿の三要素として運動、食生活、社会参加に着目した健康づくりを進めています。趣味を楽しみ人と関わる場を持ち毎日をはつらつと幸せに過ごすことは理想的であり、私の地元でも九十歳を超えてもグラウンドゴルフや体操に参加している方が多数いらっしゃいます。年齢を重ねた人生の先輩方が自ら足を運んでスポーツや体操のほか参加したくなるような魅力的な機会の提供が一層必要ではないでしょうか。
 また、人々の価値観やライフスタイルが多様化し、さらには新型コロナウイルス感染症の影響も相まって地域のつながりの希薄化が進み、地域活動や行事の運営における担い手不足が大きな課題となっています。住民同士の助け合い活動やシニアクラブをはじめ自主的に活動する団体への参加や世代を超えた交流を促し生きがいとやりがいのある日々を過ごせるように県として支援をしていくべきであると考えます。
 そこで、心豊かに明るく元気なシニア生活を実現し充実した幸せな人生を送っていただくため、県では健康づくりや社会参加の推進等どのような取組をしているのか、また今後どのように取り組んでいくのか伺います。
 次に、静岡茶の販路拡大支援について伺います。
 茶どころ掛川市選出議員として、令和五年新型コロナウイルスが終息に向かい医療と経済が両立し元気な静岡県の様々な事業が展開されるとき、ぜひ県を挙げて医療にも経済にもお茶を活用していただきたいと期待しています。
 農林水産省が今月十七日に発表した二〇二二年の統計によりますと、静岡県の荒茶生産量は二万八千六百トンで全国首位を守ったものの四年連続で大台の三万トンを割り込みピーク時一九七五年の五割強にとどまっています。ここ数年は一番茶を主な原料とする急須で味わう高級茶、リーフ茶の需要が減少し、安価な秋冬番茶などを原料とするペットボトル飲料の拡大により茶生産者の収益性が低下しています。昨年通算二十四回目の産地賞を受賞した日本一の深蒸し煎茶の掛川市においても収益の減少から茶業の後継者不足が深刻な事態となっております。
 一方で海外に目を向けますと、日本からの緑茶輸出は年々拡大し令和四年は二百十九億円と過去最高の輸出額となっております。その半分を占めるアメリカでは抹茶、粉末茶、欧州では比較的単価の高い煎茶の需要が多くアジアへの輸出も拡大しており、どのエリアでも有機茶のニーズが高まっていると聞いております。
 世界的にSDGsの関心が高まる中で化学肥料、化学農薬を使わない有機茶へのニーズの拡大や輸出先の残留農薬基準にとらわれないことを考えれば、今後の本県茶業は輸出向けに有機茶の生産を拡大していくことが効果的と考えます。しかし有機栽培は病害虫や肥料不足による収穫量の減少や慣行栽培に比べて除草に手間がかかること、茶工場全体として有機栽培への転換が難しいという状況のほか、近隣の畑の農薬が飛散し残留農薬基準を超える心配や地域の話合いによる有機茶園のゾーニングに行政からの働きかけを求める声もあります。
 そこで、静岡茶の販路拡大に向けて今後有機茶の生産をどのように拡大していくのか、また有機栽培への転換が難しいという生産者の販路拡大をどう支援していくのか、県の考えを伺います。
 次に、誰もが快適に移動できるバリアフリーな道づくりについて伺います。
 静岡県下最初の盲学校、東海訓盲院は明治三十一年三月現在の掛川市、小笠郡南郷村神代地の建屋に生徒一人から始まったとされます。生徒の増加に伴い建屋拡張移転等を重ね、その建屋の一つが現在製あん業を営んでいると町の長老から聞き及んでいます。大正六年に静岡市へ移転し、昭和八年県に移管されました。平成二十年県立静岡視覚特別支援学校と学校名を変更し視覚障害のある方への個別のニーズに合わせた教育活動に取り組んでいます。
 平成十八年バリアフリー法の施行に伴い、ハートビル法と交通バリアフリー法は廃止、一本化され建築物、道路等に対してより一体的、連続的な移動空間の形成を推進、拡充する法律となりました。県では、ふじのくにユニバーサルデザイン推進計画やふじのくに障害者しあわせプランに基づきバリアフリーを推進し、昨年三月策定の第五次静岡県障害者計画では暮らしやすいまちづくりの推進として駅や商店街、学校、病院、福祉施設を相互に結ぶ生活の主要な経路、通学路等について誰もが安全で快適に移動できるように幅の広い歩道の整備や段差、勾配の改善、無電柱化等の整備を行いますとあり、誰もが円滑に移動できるバリアフリーな歩道空間の確保に全面的に賛同します。
 昨年十一月に県が実施した障害のある方の実態調査では、今後バリアフリー化が必要な項目として乗り物・公共施設等を抑え道路・歩道等の回答数が多い結果となりバリアフリーな道路への期待がうかがえます。
 こうした中、昨年十月私は、本日も傍聴に御臨席賜りました視覚障害者の方々や車椅子利用者の方々ほかの皆様と掛川駅周辺における歩道等のバリアフリーの状況について検証する会に参加しました。私も実際に車椅子や白杖を利用し移動してみましたが、障害者の方が移動するのに支障となる歩道の段差、きつい勾配、点字ブロックの欠落などを体験し既存の施設の多くが障害者の利用を想定していないことを知り障害は個人にあるのではなく環境にあると実感しました。
 そこで、高齢者や障害者をはじめ誰もが安全で安心して移動できる道路のバリアフリー化について、県は具体的にどのような取組をし今後どのようにより一層の推進に取り組んでいくのか伺います。
 次に、掛川市内を流れる太田川水系の河川改修事業の進め方について伺います。
 一昨年は七月豪雨により県東部を中心に土砂災害や浸水被害などが発生し、引き続いて昨年の九月に発生した台風十五号による豪雨により県内中西部を中心に甚大な被害が発生しました。全国的にも近年これまで経験したことのないような大雨が降ることで激甚化する被害が発生しています。
 掛川市は太田川水系の中上流域に当たります。中心市街地を流れる逆川はもともと蛇行が激しく度々水害をもたらしてきた暴れ川であり、堤防が決壊し欠けることから当地域がかけがわと呼ばれるゆえんとなったとも伝えられています。
 昭和五十七年十二月から昭和六十二年三月にかけて、河川激甚災害対策特別緊急事業にて大規模な河川改修を行いました。その逆川に倉真川が合流し家代川と合流した垂木川がさらに合流しその下流で原野谷川に合流しており、太田川水系河川整備計画に基づいて河川改修を実施しているところと承知しています。しかし今回の台風十五号による豪雨により決壊寸前であった原野谷川をはじめとした河川の護岸損傷や垂木川ほかの内水氾濫等により百戸を超える浸水被害が発生しました。一定の治水安全度を有している河川や現在河川改修中の河川に対して想定を上回る降雨が発生すれば浸水被害が発生することは理解できるものの、地元住民からは損傷した護岸の災害復旧や河川改修の進について早期整備を望むことと併せて不安の声を聞いています。
 そこで、掛川市内を流れる太田川水系の河川における台風十五号を受けての災害復旧事業や河川改修事業の今後の進め方について、県の見解を伺います。
 次に、学校の働き方改革と中学生の部活動の両立について伺います。
 文部科学省は、学校の働き方改革に向けた部活動改革の第一歩として休日の部活動の段階的な地域移行について示しました。県内先駆けとなった掛川市での実践研究における令和三年度教員の負担軽減の成果として顧問の休日の部活動従事時間は一〇〇%減、顧問の平日の部活動従事時間は三八%減という数値が示される一方で、費用負担を理由に三割の家庭が継続を希望しないという結果が出ました。掛川市内の生徒数が少ない中学校では部活動の選択肢が少ないという課題は以前からありました。
 一方、生徒数が一学年に二百名ほど在学し様々な部活動が活発に行われていた中学校において地域移行の実践教育が始まると、外部のスポーツクラブを選択する生徒が増え一年生の野球部員が一名、サッカー部員が三名となっている例があります。御父兄からは、小学校からのスポーツ少年団の友人と一緒に野球を続けたくて外部の硬式野球のチームに入ったが、けがの心配があったり高額の月謝や遠方の練習会場への送迎が負担になっているなどの声が届いています。こうした現状を見ると部活動の地域移行が進むことで、家庭環境によってはスポーツや文化芸術活動に親しむことができない生徒が出てくるのではないかと危惧を覚えます。
 静岡県教育振興基本計画では誰一人取り残さない教育の実現をうたい、文武芸の鼎立を掲げ、知性、感性、技芸を磨き学びを支える魅力ある学校づくりを進めるとしています。また静岡県部活動ガイドラインによれば、学校は九割以上、教員は八割以上が部活動の必要性を認めています。部活動はやりがいがあると答えた生徒は九割以上、部活動は子供たちにとって大切だと回答した保護者も九割以上に上ります。
 そこで、部活動の地域移行における学校の働き方改革と少子化時代における中学生の部活動の両立について、県教育委員会の所見を伺います。
 最後に、新設を含む信号機の整備促進について伺います。
 本県には交差点や横断歩道等の約六千八百か所に信号機が整備されており、これは全国で十番目に多い数です。総面積は全国で十三番目と広く、公共交通機関が発達した都会ならともかく地方に暮らす我々には自家用車が移動手段として必要であることは否定できません。超高齢化社会の加速に伴い高齢者が人口に占める割合が増えていく中、事故を抑制する信号機の設置がより求められますが、本県における信号機の新設件数は例年十か所程度にとどまっており掛川市でもここ五年間で僅か一か所です。
 信号機は交通事故防止や交通の円滑化に大きな効果がある上、地域住民にとっても身近な存在であり、議員活動する中でも信号機を設置してほしいという住民からの要望が数多く届き視察を重ねています。事故発生の事案がある交差点や危険と感じる道路に新たに信号機の設置が特に必要であると望まれる箇所が県内に二百か所以上あると伺っていますが、それに対し新設箇所が年に十か所程度というのは少なすぎるのではないでしょうか。
 県警察によれば、信号機をはじめとする交通安全施設に関しては総予算における維持管理費の占める割合が高く老朽化に伴う信号機等の更新も課題となっておりLED化も全国的に見て遅れている状況でしたが、本年度から信号機のLED化を加速させ令和十二年度までに県内全ての信号機をLED化する計画を進めているとのことです。脱炭素社会の実現にも貢献できる上、従来の信号機と比べて視認性も良く交通事故防止にも有効です。
 また、消費電力が従来よりも少なくて済むLED化が進んで維持経費が削減されれば信号機の新設箇所を増やすことも可能になるのではないかと考えます。交通安全施設等整備事業予算の構成の四〇%を占める電気料、回線料等の見直しにも期待するところであります。
 そこで、LED化に合わせた信号機の新設箇所を増設することを含む整備促進について、県警察に所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(和田篤夫君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 小沼議員にお答えいたします。
 豊かな県民生活の実現に向けたDX推進の取組についてであります。
 私は、静岡県を日本の理想郷とするため富国有徳の基本理念を掲げ様々な取組を進めてまいりました。富国有徳は霊峰の富士を四字熟語にしたものであります。この富の文字は経済的な豊かさだけでなく安らぎや潤いのある空間の中、健やかで安心して生活し自らの価値観に沿って自由に人生を選択できる豊かさを含んだものであります。
 昨年三月に策定したふじのくにDX推進計画におきましても、基本理念に掲げる豊かさは物心両面の豊かさを意味しておりまして、誰にも優しく誰もが便利に安全・安心の取組を進めることでこの豊かさを実感できる地域社会が実現されるものと考えております。
 そのような認識の下、県では具体的な取組として誰でもいつでもどこにいてもスマートフォンやパソコンから必要な手続ができるよう行政の仕組みの改革を進めております。あわせて御利用頂く県民の皆様を誰一人取り残さないデジタルデバイドの解消にも取り組んでおります。また産業、観光、健康、教育など様々な分野におきましてデジタル技術を活用した地域の課題解決を進めており、例えば県立中央図書館では新しい生活様式に対応するためスマートフォンによる貸出カードの表示や電子書籍の貸出しを開始いたしました。そのほか掛川市におきましては持続可能な移動手段の確保に向けて自動運転と顔認証を活用したバスの乗降管理の実証実験を行っております。
 加えて、議員御指摘のとおり様々な施策を展開していく上で次世代を担う若者の意見やアイデアを取り入れていくことは非常に重要であります。そのためふじのくにDX推進計画の策定に当たり、庁内の若手職員に十年後の本県が目指す姿とその姿を見据えた提案をしてもらい計画に反映いたしました。
 さらに、オープンデータの周知と利活用促進を図るアイデアソンやハッカソンには大学生など多くの若者に御参加頂いております。そのほか本年三月から県内各地で開催する地域ワークショップにおきましても、若者の柔軟な発想を県の施策に生かせるよう広く参加を呼びかけてまいります。
 県といたしましては、様々な分野でデジタル技術を積極的に活用し誰一人取り残されることなく、いつでもどこでも誰もが手軽にデジタル化の恩恵を受けられる社会を実現することで誰もが幸せに生きられるすばらしい日本の理想郷ふじのくにをつくってまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○副議長(和田篤夫君) 森副知事。
○副知事(森 貴志君) 心豊かで明るく元気なシニア生活の実現についてお答えいたします。
 健康寿命の延伸に向けては、心身の健康維持・増進はもとより趣味やボランティア活動などの社会参加を通じて生きがいを持って過ごすことが活力ある長寿社会を築く上で大変重要であります。
 健康づくりにつきましては、多くの高齢者がスポーツや文化活動に親しむ機会として、毎年県版のねんりんピックとしてすこやか長寿祭スポーツ・文化交流大会を開催し今年度も約四千人の方々に御参加頂きました。今後も競技種目の見直しを図りながらより多くの方々に楽しく参加していただけるよう取り組んでまいります。
 また、これまで県のアドバイザーの派遣により、公民館や空き家などの地元の施設を活用し誰もが気軽に集まって健康づくりや趣味などを楽しみ孤立の防止につながる居場所の運営を支援してまいりました。今年度からは新たに健康や栄養などのノウハウを持つ民間企業と連携し運動指導や食生活改善のための講座などの多様なプログラムを提供する取組を開始したところであり、今後も魅力の一層の向上と参加者の拡大に努めてまいります。
 社会参加につきましては、六十六歳から七十六歳までの壮年熟期の方々を対象に運転ボランティアなど生活支援の担い手としての養成や地域で活躍できる場の情報発信など社会での活動を促進するふじのくに壮年熟期活躍プロジェクトを推進してまいりました。今後は地域で活躍するシニア世代の方々の交流の場を設け、取組についての意見交換や好事例の情報共有によって活動に対するやりがいを高めシニア世代が積極的に地域とつながる環境づくりを推進してまいります。
 県といたしましては、市町や関係機関と連携して健康づくりと生きがい活動をともに推進することでシニア世代の皆様が明るく元気に活躍できる社会の実現に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) 静岡茶の販路拡大支援についてお答えいたします。
 収益性の高いリーフ茶の需要が減少する中、本県茶業を持続的に発展させるためには海外での需要が高い有機茶の生産拡大と静岡茶の新たな販路拡大が重要であります。
 有機茶の生産拡大に向けましては、手間のかかる栽培管理を省力化するため茶業研究センターが機械メーカーと共同開発した送風式の病害虫防除機や乗用型除草機等の導入を支援するとともに、農薬飛散の影響を受けない茶園を選定し掛川市の上内田地区など有機茶に一〇〇%転換する基盤整備を県内六地区、四十七ヘクタールで進めてまいります。加えて耐病性が強く有機栽培に適した「つゆひかり」等への品種転換を加速するため機械定植用の苗木の購入費用を助成するとともに、有機栽培の指導員により実証茶園での技術指導等を強化してまいります。
 また、静岡茶の販路拡大につきましては、ChaOIプロジェクトにより生産者による高級茶の海外向けECサイトの構築やお茶の機能性に着目した化粧品等の商品開発、日本橋の高級飲食店での呈茶の有料提供など、引き続きChaOIコーディネーターの活用などにより新たな需要の創出に取り組んでまいります。
 県といたしましては、輸出需要に対応した有機茶の生産拡大やオープンイノベーションによる静岡茶の販路拡大を支援し本県の茶業振興に全力で取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 誰もが快適に移動できるバリアフリーな道づくりについてお答えいたします。
 県では高齢者、障害者等の自立と社会参加を支援するため、静岡県が管理する県道の構造の技術的基準等を定める条例に基づき移動等の円滑化のための道路構造の基準を定め、通学路の安全対策や無電柱化をはじめ全ての道路事業においてバリアフリー化に取り組んでおります。特に市町が駅や病院等の施設とこれらをつなぐ道路の一体的なバリアフリー化を推進する地区として定めた十三の重点整備地区では優先して歩道の段差の解消や点字ブロックの設置等を進めております。今年度末には計画延長七十八キロメートルの約七割に当たる五十七キロメートルが完了する見込みであります。
 今後さらなるバリアフリー化を進めるためには、県道に比べ市町道の進が低いことから、市町に事業手法に関する助言や技術支援を行うなど市町と連携し効果的な整備を推進してまいります。加えて市町に対しバリアフリー制度の周知や先進事例の紹介を行い新たな重点整備地区の設定を促進してまいります。
 県といたしましては、県民一人一人が生き生きと活躍できる環境を目指し引き続き高齢者、障害者をはじめとする道路利用者のニーズを踏まえながら道路のバリアフリー化に取り組み、誰もが快適に移動できる道づくりを進めてまいります。
 次に、掛川市内を流れる太田川水系の河川改修事業の進め方についてであります。
 昨年九月の台風十五号による豪雨は近年にない大規模な出水となり、掛川市内の原野谷川や垂木川などの県が管理する区間では護岸の決壊や堤防の欠損など二十五件の河川施設災害が発生いたしました。昨年十二月には国による災害査定により復旧工法を決定し、現在は工事の契約手続を進めているところであり、着手後は適切な工程管理により被災箇所の早期の復旧を図ってまいります。
 また、河道拡幅などの河川改修工事につきましては県内でいち早く策定した太田川水系河川整備計画に対象区間を位置づけ治水安全度の向上に取り組んでおります。このうち原野谷川では現在新吉岡橋上流の用地買収を進めており、来年度拡幅工事に着手する予定であります。また垂木川では県道掛川天竜線の新橋の架け替えや上流の用地買収を進めており、家代川におきましても一丁田橋より上流の用地買収に取り組んでいるところであります。
 激甚化、頻発化する豪雨を踏まえ、いずれの河川におきましても河川改修を加速させるとともに、流域の皆様が地域の水害特性や治水対策の現状を正しく理解して備える流域治水をあらゆる関係者と連携して推進してまいります。また太田川水系の河川情報紙てくてく太田川の充実など引き続き積極的な情報発信に努めてまいります。
 県といたしましては、太田川水系の災害復旧事業や河川改修事業を迅速かつ着実に進めるとともに、掛川市や地域の皆様と連携し水害に強い地域づくりに努めてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 学校の働き方改革と中学生の部活動の両立についてお答えいたします。
 部活動は学校教育活動の一環として教科学習とは異なる集団での教育活動を通じた人間形成の貴重な機会であります。現在学校の働き方改革として教員に代わって部活動顧問を務める部活動指導員の配置等により教員の負担軽減を図るとともに、掛川市と焼津市において休日の部活動の段階的な地域移行に係る実践研究に取り組んでおります。
 この実践研究によると、教員の負担軽減に効果は認められたものの指導者や運営費用の確保、保護者の負担等の課題が浮かび上がり生徒の参加機会の減少等が懸念されます。学校の働き方改革と中学生の部活動を両立していくためには、生徒が取り残されることがないよう単なるスポーツ・文化環境の整備ではなく生徒を中心に置いた教育環境の整備として取り組む必要があると考えております。
 このため、令和四年十一月に地域移行に関する県の考え方を市町にお示しするとともに、昨年末発出された国のガイドラインを参酌し市町において部活動の地域連携や地域クラブ活動について検討するための指針となるよう、学校部活動の地域連携や地域クラブ活動の在り方等に関する方針を策定いたしました。この中ではこれまでと大きく変わらない経済負担で活動できる体制の構築や教育的意義の継承、発展ができるように留意すること等を示したところであり、今後市町教育委員会等と共有してまいります。
 県教育委員会といたしましては、引き続き教員の負担軽減に配慮しながら、希望する中学生の活動機会が保障され健やかな成長が遂げられるよう、市町教育委員会と連携し丁寧な検討と周到な準備をすることで学校の働き方改革と中学生の部活動の両立を目指してまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 大原警察本部長。
○警察本部長(大原光博君) 新設を含む信号機の整備促進についてお答えいたします。
 信号機の新設を含めた交通安全施設関連事業の総予算のうち電気料、回線料は四割、信号機老朽化の更新は二割とその維持管理に要する費用の割合がもともと高い中、近年電気料や信号用電球の価格上昇のため事業予算のやりくりがますます厳しくなっています。
 議員御指摘のとおり、消費電力を大幅に削減でき電球交換が不要となるLED化は予算の効率化上必要不可欠であり県警察としても全力で取り組んでいますが、他方で老朽化した制御機や信号柱が全体の二割を超えその維持管理費が著しく膨れ上がっている状況にあることから信号機の新設への予算配分はどうしても制約されてしまう現状にあります。
 県警察といたしましては、今後もLED化を含め維持管理費節約への取組を進めることで信号機設置の要望にできるだけお応えできるよう努めるとともに、要望にお応えできない場合であっても住民の安全確保を第一に道路環境に応じた必要な安全対策を講じてまいります。以上であります。
○副議長(和田篤夫君) 小沼秀朗君。
○七番(小沼秀朗君) 若干の意見を述べ、数点要望いたします。
 まず、DXです。掛川市では、令和五年度デジタル田園都市国家構想推進交付金を活用し相談窓口にAIの活用や多言語チャットボット運用のほか、観光では高天神城跡、こちらをオンラインゲームと連携させたり、あるいは茶草場で有名な、かっぽしテラスもある粟ヶ岳なんですがそこに登る登山道が大変狭くて行き違いができなくなっております。こういったところ、センサーによる対向車の表示板設置など大変便利なDXが進んでおります。ぜひですね、静岡県も通称デジ田、こちらを積極的に活用していただいて便利で分かりやすい県民の心に寄り添うDXの推進を期待します。
 それから、デジタル人材なんですけれども今全国で官民間わず不足しております。市町単独で人材の確保が大変難しい中、総務省は人件費を特別交付税で手当する制度を創設しています。スタートアップ企業やITベンチャーが地方自治体の業務にも参入しやすくなるように入札の参加資格や登録窓口の県内の一本化などDXの官民連携、こちらを推進していくことを要望します。
 次にですね、シニア生活についてですけれども、ぜひ官民連携で楽しく明るい県の取組を要望いたしますが、本日も掛川シニアクラブの会長様が御臨席です。加入率を上げること、こちらへのてこ入れを要望いたします。
 それからお茶ですが、ChaOIも生産者の皆さんには大変ハードルが高いのが現状です。しかしECサイトの収益性の高いそういった直販の支援、こういったところに期待を寄せます。
 掛川市では、昨年の十二月有機農業実施計画策定委員会が立ち上がりました。県もですね、茶商様や農協様、そういった会議のほかにぜひ静岡県の茶業を支えてくださっている生産者の皆さん、日本一の静岡県の茶業が持続可能となりますように年に数回にわたり県内の各所で直接の生産者の皆様との対話会の場を設けていただくことを強く要望いたします。
 バリアフリーな道づくりですが、掛川でも進み始めましたけれども点字ブロックの設置の設計が実際にこれを利用する視覚障害者の皆様からの要望と相違がありました。ぜひですね、利用者の皆様の声を取り入れることと、それを市町にも促すように要望いたします。
 河川改修は力強い強靱化をお願いします。広域の対策となる流域治水にも期待しておりますけれども掛川市内、他の水系になりますけれども佐束川など流域にありながら流域治水計画から外れている河川があります。激甚化する自然災害に備えてハード対策に加えて県民の皆様の不安を取り除くハートの対策もよろしく期待をいたします。
 部活動ですけれども、掛川市としては選択肢を残してほしい、双方をうまく活用するという思いだと思いますけれども、そういった声もありますので今後も議論を深めよく話し合っていただきたいと思います。
 信号機です。市内だけでも家代の里、長谷、南郷、西南郷ほか七十を超える要望があり整備の促進に期待しておりますけれども、先ほどの節電に関してなんですが信号機の夜間の照度が日中も夜間も同じとのことです。夜間はですね、信号機の照度が十分明るいわけでございますので例えば二十時から四時までの間八時間、一日の三分の一となると思いますけれどもこういったところの節電は可能だと思います。静岡県の事業者がですね、こういった制御器含むことに関して取り組めば全国に需要があることだと思います。信号機電気料における関連事項として提案を付しまして、以上で質問を終わります。(拍手)
○副議長(和田篤夫君) これで小沼秀朗君の質問は終わりました。

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