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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和4年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

杉本 好重 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/20/2022

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 大河ドラマ「どうする家康」を活用した観光振興について
2 障害者差別の解消に向けた取組について
3 仕事と子育ての両立に向けた職場環境づくりについて
4 水道事業におけるDXへの取組について
5 環境変化に応じた家庭教育のきめ細かな支援について
6 道路交通法改正に伴う各種取組の充実について
7 電動キックボードに対する交通安全対策について


○議長(藪田宏行君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第八十六号から第百五号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、九番 杉本好重君。
       (九番 杉本好重君登壇 拍手)
○九番(杉本好重君) おはようございます。
 私は、自民改革会議の所属議員として通告に従い一括質問方式で知事、副知事、関係部局長、企業局長、教育長及び教育部長並びに県警本部長に当面する県政の諸課題について伺います。
 初めに、大河ドラマ「どうする家康」を活用した観光振興について伺います。
 近年聖地巡礼という言葉を耳にします。ドラマや映画、アニメ、小説などの舞台になったり、登場人物にゆかりのある場所を聖地として捉え訪ねることで、その巡礼者によりSNSで写真やコメントなどが発信されることは多くの誘客につながり地域活性化に大きく寄与しています。スマホは全世代に幅広く普及し情報収集の貴重なツールとなっている現在、名峰富士山をはじめ多くの歴史・文化遺産を有する本県が観光においてさらに発展するためには、話題性と観光誘客の密接に絡むことに鑑み最大限の効果が得られるようタイムリーで迅速に対応することが求められます。
 現在放映中のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」では本県もその舞台となっており、伊豆の国市の大河ドラマ館や伊豆地域の頼朝、義時ゆかりの史跡などに多くの観光客が足を運んでいます。二〇一七年に「おんな城主直虎」が放映されたときも観光地は大勢の観光客でにぎわい、天竜浜名湖鉄道の輸送人員も増加しました。年間にわたり放映されるNHK大河ドラマは地域に大きな経済効果をもたらすことから、これまでも観光誘客における優れたコンテンツとなっていました。
 来年一月からは新たに「どうする家康」の放映が開始されます。家康は幼少や大御所時代を駿府で過ごし壮年期には浜松城を拠点とするなど本県と非常に関わりが深い人物であり、県内各地の史跡がドラマの舞台として取り上げられると思われます。この二年余りのコロナ禍で観光業界は大きな痛手を被ってきました。一刻も早いコロナの収束と観光需要の回復が待たれる状況ですが、ここ数か月は感染者数も縮小傾向にあることからマスク着用の緩和や入国者の受入れの拡大など社会経済活動を元に戻していく動きも出てきています。本県の観光業界としてはこのタイミングを逃すことなく誘客に力を入れ観光客数の拡大に結びつけていくことが何より肝心であり、大きな効果が期待できる大河ドラマを官民一体となって十分に活用すべきと考えています。
 そこで、来年放映の「どうする家康」を活用した観光誘客について県は具体的にどのような取組を進めていくのか伺います。
 次に、障害者差別の解消に向けた取組について伺います。
 昨年開催された東京二〇二〇パラリンピックでは、障害に負けず戦うアスリートの勇姿に多くの感動をもらうことができ、それを機に障害のある方やパラスポーツに対し理解が深まっているとの印象を持っています。実際大会後の昨年十月に東京都が行った都民意識調査によれば八五%の人が競技を楽しみ、開催により障害のある方やパラスポーツへの理解、バリアフリー化の促進に効果があったと答えています。
 現在本県には人口の六%に当たる約二十一万人に何らかの障害があるとされ、見た目では判別しにくい発達障害が精神障害に含まれ増加傾向にあります。障害の有無にかかわらず個々に尊厳が保たれお互いを支え合う共生社会の実現には自治体が担う役割は非常に大きいです。
 令和三年五月に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律いわゆる障害者差別解消法が改正されました。障害を理由に窓口対応の順番を後回しされるなどの差別的な取扱いはこれまでも国や地方自治体など全てに禁止されてきました。今後は車椅子を利用している人の移動を介助したり、視覚障害のある方にレストランのメニューを読み上げるなど無理のない範囲で求めに応じた手助けをする合理的配慮の提供が会社や店舗などの民間事業者に対しても三年以内に義務化されることになりました。合理的配慮という言葉自体が難しく感じますが障害のある方の生活をサポートする一つ一つの心遣いと解釈しています。
 昨年度策定された本県における障害者施策の基本的方向性を示す障害者計画にも重点施策として民間事業者による合理的配慮の提供を促進することが記載されております。このことは障害のある方々が活躍の場を広げる上で欠かせない取組でありますが、いまだに差別や合理的配慮が行われていない事例が公表されるなどまだまだ浸透していないのが実態であると感じています。
 本県では、平成二十九年三月に障害を理由とする差別の解消の推進に関する条例が制定され、同条例に基づく啓発活動を行うなど差別解消に意欲的に取り組んでいることは承知していますが法改正を踏まえた県の対応が注目されます。
 そこで、今後県は民間事業者に対する合理的配慮の提供の義務化への対応など障害のある方への差別の解消にどのように取り組むのか伺います。
 次に、仕事と子育ての両立に向けた職場環境づくりについて伺います。
 かつての日本は男性が働き女性は家庭を守るという考えが主流でしたが、一九八五年に男女雇用機会均等法が制定され女性の社会進出が進み専業主婦世帯と共働き世帯の数は一九九七年に逆転し総務省の労働力調査によれば二〇一九年以降は共働き世帯が専業主婦世帯の倍となっています。このことは家計を共に支えると同時に男女が家事、育児または介護などを共同で行う社会の実現が求められていると言えます。
 こうした中この四月に育児・介護休業法が大きく改正され産後パパ育休制度の創設や雇用環境整備などが二〇二三年四月までに段階的に施行されることになりました。今回の改正では従業員が育児休業つまり育休を取得しやすくするための環境整備などが企業にこれまで以上に義務づけられ特に男性の育休取得の促進が求められることとなりました。その背景には働く女性のほぼ半数が第一子を出産後離職しており、その理由は仕事との両立の難しさや育休に対する職場の理解、パートナーの協力が得られないことが挙げられています。出産後も女性が仕事を継続するためにはパートナーが積極的に育児参加し支えること、つまり男性の育休取得が何より重要だと考えます。
 県の令和三年度雇用管理状況調査では、男性の育休取得率は前年の九・二%から一三・七%と増加したものの女性の九三・三%と比べて低い水準にとどまっています。これまでは男性が育休を取りづらい雰囲気があったのも事実であり、今回の改正で育休を申し出た従業員に対してその制度を説明し取得の意向を確認することが全ての企業に義務づけられることによりその状況が大きく変わることと大いに期待されます。
 しかしながら、このような法的な環境が整備されたところで企業がしっかりと取り組まれなければ実効性のあるものとは言えません。まずは企業全体に確実に制度の趣旨を浸透させ管理職たる上司への制度理解を進めていかなければなりません。働きやすい職場環境は従業員の生産性向上や業績等へも反映されるとともに、企業のイメージアップにもつながり優秀な人材確保が期待できることから、これら制度の活用と推進は欠かせないことと考えますが、企業全体特に管理職への理解促進に向けた県の取組について伺います。
 次に、水道事業におけるDXへの取組について伺います。
 県が提供する防災アプリ「静岡県防災」には気象警報から不審者情報まで幅広い情報が届きますが最近殊に多いのが停電情報で、今年三月の福島県沖地震では本県において電力需給迫警報が発令されたことは記憶に新しいところです。電気、水道、ガスなどのライフラインの何か一つ欠けても私たちの生活は立ち行かなくなりますが、昨今命の源である水に関する事故が多数起きているのも事実です。
 先月愛知県では農工業用水の取水施設で大規模な漏水が起こり地域産業に大きな影響が出ました。また昨年十月の和歌山市の水管橋崩落では復旧までに約七か月間を要し、本県においては先月菊川市で老朽化した水道管の破裂による断水が起き水道水の大切さを実感しました。
 全国で老朽化した水道管は地球の約三周分との専門家の話も聞きます。水道水をそのまま飲める国は世界でたった六%であり、その安全性は世界屈指の水準を誇る日本の水道ですが、それを確実に維持していくためには今後水道施設や水道管の大規模な設備更新が必要で膨大な費用が見込まれます。原油高や原材料の高騰により食料やガソリン、電気料金などの値上げで既に県民の生活に影響が出ており、これに加え水道料金の値上げはぜひとも避けたいところです。駿豆、榛南、遠州の三つの水道用水供給事業を展開し良質な水を安定供給する使命を担っている企業局には何としてもコスト縮減に努めていただきたいところです。
 先日私は、私の住む浜松市をはじめとする五市町に用水を供給している遠州水道の寺谷浄水場を視察しました。浄水場では天竜川と太田川から取水した表流水を元に安全で安心な水を作るため、二十四時間三百六十五日職員の方がその維持管理のために様々な設備を操作し水質管理に尽力しておいででした。今やAIやIoTなどの革新的なデジタル技術が進展しこれらを駆使して社会の在り方が加速度的に大きく変わりつつあることを踏まえると、水需要の増加が見込めない人口減少社会を迎えている今、水道事業においてもDXを活用すれば効率的に運営ができると考えますが、企業局ではどのような取組をしているのか伺います。
 次に、環境変化に応じた家庭教育のきめ細かな支援について伺います。
 本日で四回目の質問登壇となりますが、これまで多胎児の家庭への支援、独り親家庭に対する支援といった課題を取り上げ子育てや教育の課題に親、家庭の視点から本会議場で質問をしてまいりました。特に三年前県議会議員となり初めてこの本会議場の場に立ち、子育てに不安を抱えながら誰にも相談できず孤立化する親への支援が必要であるとの課題認識から親になるための学びの支援について伺ったところ、静岡県家庭教育支援条例に基づく取組や家庭教育支援員の活動について御答弁を頂き、以降その支援制度の拡充を期待しているところです。
 なかなか終わりの見えない新型コロナウイルス感染症は私たちの生活のあらゆる場面に大きな影響を及ぼしており、教育の面においても様々な懸念が指摘されています。改めて親、家庭の視点からどのような問題が生じどのような支援が求められているか考えることが必要です。
 そのような中、昨年度県教育委員会が乳児、幼児を持つ親を対象に実態調査を実施されたことは大変意義のある取組であると評価していますが、県としてその調査結果をどのように受け止め今後の施策に反映していくのかが何より重要となります。独り親などにより子育てと仕事の両立に苦慮している世帯や経済的な困窮を抱えている世帯など各家庭が抱える問題は複雑で様々です。事情を抱える家庭の中には学校だけが頼れる存在になっている場合も少なくないと思われますが、教員の多忙化が問題視される中それぞれの家庭の問題にまで対応していくことは大変難しいと承知しておりますので社会全体で家庭教育を支援していくことが必要だと考えます。
 このような状況の中、改めて家庭教育支援制度に期待するところでありますが、今回の実態調査結果などを踏まえ家庭教育に関する課題をどのように捉え今後どのような支援につなげようとしているのか、県教育委員会の見解を伺います。
 次に、道路交通法改正に伴う各種取組の充実について伺います。
 平成三十一年四月池袋で当時八十七歳の高齢者が運転する自動車が暴走し貴い二人の命が奪われ多数の負傷者を出した痛ましい事故から三年が経過しました。この事故が社会に及ぼした影響は大きく高齢者ドライバーへの警鐘となり自主返納が増加したと聞きますが、残念ながらその後も高齢者の運転操作ミスによる事故が後を絶ちません。
 このような背景から道路交通法が改正され本年五月から高齢ドライバーの免許更新に運転技能検査が導入されました。七十五歳以上の後期高齢者で過去三年以内に信号無視や速度超過など特定の交通違反歴がある方が対象です。従来の認知機能に加え実車指導による運転技能にも着目した検査を行いそれが不十分な場合には免許の更新ができなくなることで、御本人や御家族が免許の継続について見詰め直すきっかけとなり運転免許の自主返納が増えていくことが予想されます。
 しかしながら、運転に不安を覚えつつも買物や通院などの生活の足としてまだまだ車が必要で返納をためらっている御高齢者も大勢います。また免許返納後は自転車や徒歩で移動する機会が自然と増えていき事故に遭遇するリスクが高まると懸念されます。
 長年にわたって車を運転してきた方々にとって運転からの卒業は人生の節目とも言える大きな出来事であり、返納により移動手段を失うことで行動範囲が狭まり精神的なダメージを受けることも考えられます。御高齢者が不安を感じることなく免許を返納でき返納後も事故への不安なく健康に生活できるよう取組を充実させなければなりません。
 そこで、県警察による運転免許の自主返納者をサポートする取組と高齢自転車・歩行者の交通事故防止に向けた取組について伺います。
 最後に、電動キックボードに対する交通安全対策について伺います。
 私は、浜松市中心市街地の自治会、商店街、大型施設の関係者で構成されるまちなか防犯協議会に毎月参加し町なかで起きる様々な事件や事案について協議しています。その中で最近懸案事項として度々報告に上がるのが電動キックボードに関することです。現在電動キックボードは道路交通法上原動機付自転車いわゆる原付に区分されることから、通常の原付バイクと同様に公道で運転するときは運転免許が必要でヘルメットの着用義務もあり歩道を運行することもできません。
 しかしながら、この四月の道路交通法の改正により最高速度が時速二十キロメートル以下の電動キックボードは新たに設けられる特定小型原動機付自転車として区分され、十六歳未満の運転を禁止した上で運転免許やヘルメットの着用が不要となりました。十六歳以上にとっては自転車と同等の扱いです。
 電動キックボード自体は新たな移動手段として利便性も高く環境問題やコンパクトシティー推進の視点からも有意義なものでありますが、インターネットでも簡単に購入することができ運転免許も不要ということであれば若者を中心に今後ますます普及していくことが想定されます。
 各地で酒気帯び運転で書類送検される事案や昨年十一月には地元浜松で会社員が無免許運転し軽自動車と衝突するという事故も発生しており、今後電動キックボードに関するトラブルが起きるのではないかと危惧しています。
 先日浜松自転車協会の役員の方にお話を伺いました。その方は、電動キックボードは静岡県の自転車条例との関係が分かりにくく電動キックボードに関するルールを広く周知すべきだと語り、今後利用者が増加して様々な混乱が生じるのではないかと危機感を感じておいででした。歩行者や自転車と衝突すれば大きな事故につながりかねず、高齢者社会で歩行器やシルバーカーが頼りの高齢者が万が一電動キックボードと衝突ともなれば命の危険性さえ感じます。
 改正法の施行は公布から二年以内とのことですが、特例措置等により一部運用が始まっているところもあると聞きますし制度も複雑なものとなっています。こうした現状を踏まえ施行を待たずに今から十分な安全対策を進めていく必要があり特に若年層に向けた周知徹底が重要と考えます。
 そこで、電動キックボートに対する交通安全対策について取組方針を伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 杉本議員にお答えいたします。
 大河ドラマ「どうする家康」を活用した観光振興についてであります。
 NHK大河ドラマの放送は地域に大きな経済効果をもたらします。現在の「鎌倉殿の十三人」では伊豆の国市の大河ドラマ館に既に約七万六千人が訪れ、周辺の史跡にも多くの観光客が訪れるなど地域のにぎわいにつながっております。県では伊豆・富士地域の二十市町等と広域協議会を設置いたしまして積極的に誘客を推進しているところであります。
 来年から放送予定の「どうする家康」に向けましては、静岡市と浜松市とが関係団体などと推進協議会を設置し大河ドラマ館設置の準備等を進めておりまして、周辺の市町でもゆかりの地を巡るツアーや企画展示などの計画が進んでおります。今後これらの取組を広城で連携させ全県を挙げて情報発信と周遊促進を展開してまいります。
 まず、県内に点在する家康関連の歴史・文化資源を掘り起こしましてしずおか文化財ナビを活用しストーリー性を持って結びつけ観光ガイドブックやホームページ上に大河ドラマの特設ページを設けまして発信いたします。その中ではインスタ映えする観光スポットを紹介するなど若者を含めた幅広い層への訴求力を高めてまいりたいと考えております。
 また、大河ドラマをきっかけに多くの皆様に本県に足を運んでいただけるように家康ゆかりの地を巡る周遊ツアーの旅行商品の開発を行う旅行事業者などに対する支援制度を設けます。それとともに多くの史跡を巡っていただくためのスタンプラリーも実施する予定です。さらに全国の歴史ファンの誘客を促進するため、県外の三河地方、関ケ原など徳川ゆかりの寺社や史跡が数多く点在する愛知県や岐阜県と三県合同の協議会を立ち上げます。こうして県境を越えた広域周遊企画やプロモーションも実施いたして本県への誘客に結びつけてまいろうと考えております。
 大河ドラマの放送を契機に市町、観光協会、観光事業者などなど地域の関係者が一丸となって本県の歴史資源、文化資源が持つ魅力を高め観光誘客に結びつけていくことにより疲弊している観光産業の回復と持続可能な観光地域づくりに取り組んでまいる所存でございます。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長及び教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(藪田宏行君) 出野副知事。
○副知事(出野 勉君) 障害者差別の解消に向けた取組についてお答えいたします。
 障害のある方々が住み慣れた地域で安心して暮らすためには、障害があることによる日常生活や社会生活での不便さ不自由さについて県民の皆様の理解を深めていくことが何よりも大切であります。
 しかしながら、県が令和二年十月に実施した障害者差別の解消に関するアンケートでは合理的配慮という言葉を聞いたことがある人は三二・三%、その考え方を知っている人は二三・五%にとどまりました。議員御指摘のとおり障害のある方に対する差別解消に向けた理解をさらに促進する必要があるものと認識しております。
 これまで県では、障害者差別解消条例に基づき障害のある方や関係団体のみならず経済や報道の分野など県内の二百六十七の団体、機関で組織する障害を理由とする差別解消の推進に関する県民会議を開催しオール静岡で差別解消の取組を進めております。
 具体的には、障害者差別解消に向けた取組を行う県内の個人や団体を表彰し差別解消の好事例の普及を推進するほか、高校生等の若者を対象とした障害のある方を鉄道で手助けする声かけサポーターの養成や啓発用漫画等を活用したヘルプマークの理解促進を図っております。さらに民間事業者が合理的配慮の理解促進のために行う研修会等へ助成するなど障害に対する正しい理解や法律の趣旨の浸透を図っております。
 今後もこうした取組を着実に進めていくとともに、法改正を踏まえ民間事業者による合理的配慮の提供について、昨年度作成いたしました新しい生活様式におけるモデル事例を紹介する動画を活用し県が民間事業者に出向いて説明を行う出前講座を積極的に実施することでより一層の周知啓発を図るとともに、障害者週間等様々な啓発機会を捉えて幅広い周知に努めてまいります。また国が夏までに示すとしている法改正に係る基本指針の内容を踏まえ、関係団体の御意見を伺いながら本県の条例改正についても検討を進めてまいります。
 県といたしましては、今後も障害のある方々への差別解消に向けた取組を進めることで全ての人にとって優しく暮らしやすい共生社会の実現に努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 増田経済産業部長。
○経済産業部長(増田始己君) 仕事と子育ての両立に向けた職場環境づくりについてお答えいたします。
 少子高齢化に伴う人口減少が進む中、出産や育児による労働者の離職を防ぎ希望に応じて男女ともに仕事と子育てを両立できる社会を実現することは、我が国の経済成長に必要な労働力を確保していく上で喫緊の課題であると認識しております。
 このため県では、中小企業の管理職等を対象に開催している労働法セミナーにおいて今回の育児・介護休業法改正の趣旨や背景を分かりやすく説明するなど様々な機会を活用しながら男性の育休取得の促進に向けて制度の趣旨を浸透させてまいります。また女性が活躍しやすい職場環境の整備や多様な働き方の導入などをテーマにして県内企業の経営者向けセミナーを開催してまいります。加えて希望する企業に専門知識を有するアドバイザーを派遣して職場の管理者に具体的な助言を行うなど働きやすい職場環境づくりに向けた管理職の理解促進にも積極的に取り組むこととしております。
 県といたしましては、このような取組の中で働きやすい職場環境づくりが生産性の向上や人材確保の面で企業にとって大きなメリットになることを丁寧に説明しながら県内企業における仕事と子育ての両立に向けた職場環境づくりを積極的に支援してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 小野田企業局長。
○企業局長(小野田裕之君) 水道事業におけるDXへの取組についてお答えをいたします。
 企業局では、ICT等の先端技術を活用し業務の効率化を図るとともに、水質管理の安定性や危機事案への対応力を向上させるべく水道事業におけるデジタル化に取り組んでおります。
 具体的には、議員にも御覧頂きました遠州水道の寺谷浄水場におきまして消毒用塩素の注入を自動化するシステムの導入に向けデジタル戦略局の支援を得て実証事業に着手をしております。これは現在職員が気象や水質など様々な因子を基に決定している塩素の注入量をAIにより決定するもので、高い品質を維持しながら水質管理の大幅な省力化が可能となります。
 また、災害時におきましても迅速かつ正確な対応ができるよう管路情報に三次元点群データの活用を検討しているほか、検針業務の自動化や水使用量の見える化といったユーザーの利便性向上を目指しスマートメーターの導入も開始をしております。
 企業局といたしましては、今後も様々な業務プロセスにデジタル技術を積極的に導入することでコストの削減を図りながら、水の質、業務の質、サービスの質をさらに向上させ将来にわたる廉価で安全・安心な水の安定供給に努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 環境変化に応じた家庭教育のきめ細かな支援についてお答えいたします。
 県教育委員会では、家庭教育支援条例の制定を受け全ての保護者が安心して家庭教育を行うためには保護者の孤立化を防ぐことが重要であるとの認識に立ち、家庭教育ワークシート  つながるシートを活用した交流会型の家庭教育講座等により保護者同士が集い、つながり、学ぶ家庭教育支援を実施してまいりました。
 昨年度県が実施した乳幼児の保護者を対象とした家庭教育実態調査などにより八割以上の保護者が、自分の子育てが正しいかどうか自信が持てない、ネット、ゲーム等をどのように利用させたらよいか不安であるといった不安や悩みを抱えていることやコロナ禍において家族と過ごす時間が増加した一方、保護者同士が気軽に集まって相談する機会が減少した等子育て環境が大きく変化していることが分かりました。こうした状況の中、子育ての不安や悩みを保護者が一人で抱え込まず、つながりの中で解消していくことが重要であると考えております。
 このため、家庭環境の変化に対応してつながるシートの見直しを行いインターネットの使用方法に関する新シートを作成したり、家族の関わり方などの保護者が現在抱えている不安や悩みに沿った話題を取り入れ家庭教育講座などでの活用を進めてまいります。また支援が届きにくい保護者に対して市町の福祉部局等と連携し乳幼児検診や子育てサロン、子供食堂等の場に家庭教育支援員が出向き講座や相談等を実施するほか、自宅からでも参加可能なオンラインによる講座の実施を進める等より多くの機会を通じて保護者同士のつながるきっかけづくりを進めてまいります。加えて今年度には小中学生の保護者を対象とした実態調査を実施し、さらなる保護者のニーズ把握に努めその分析に基づく支援を進めてまいります。
 県教育委員会といたしましては、全ての子供たちが地域の宝として健やかに成長できるよう家庭環境の変化に応じた保護者に寄り添うきめ細かな家庭教育支援の体制整備に努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 山本警察本部長。
○警察本部長(山本和毅君) 道路交通法改正に伴う各種取組の充実についてお答えをいたします。
 まず、運転に不安を覚える高齢者の運転免許の自主返納についてでありますが、本県における運転免許の自主返納者数は東京池袋における死亡事故が発生した令和元年に前年から約五千人増加し二万八百七人に達して以降毎年一万九千人前後で推移をしているところであります。
 県警察では、返納しやすい環境を整備するため市町や関係機関・団体に働きかけを行い運転免許自主返納者等サポート事業を実施をしております。本年五月末現在で百四十の企業、十八市七町、二十七の安全協会地区支部に御参加を頂きましてタクシーやバスの運賃割引や運転経歴証明書の交付手数料助成などが行われているところであります。
 また、自主返納後の交通事故防止対策でありますが、昨年の交通事故による高齢者死者数四十六人のうち歩行中が二十人、自転車乗車中が十三人を占めております。このうち歩行者の対策としましては横断歩行者妨害などの歩行者保護に資する指導取締りを強化をしております。また道路横断時に手を挙げてドライバーに横断意思を伝えるしずおか・安全横断三つの柱の定着に向けた取組を推進しておりますほか、夜間の安全対策としまして反射材用品の普及促進に努めているところであります。
 一方、自転車の対策としましては、しずおか・自転車事故防止三つの柱プラスワンと銘打ちまして交差点における安全確認や電動アシスト自転車の特性について注意喚起を行っております。また指定自動車教習所と連携し自動車の側から見た自転車の危険運転を含め参加・体験・実践型の交通安全教育を実施をしております。
 県警察では、今回の改正道路交通法の施行も一つの契機といたしまして関係機関・団体と連携し高齢者の交通事故防止にさらに取り組んでまいります。
 次に、電動キックボードに対する交通安全対策についてでございます。
 電動キックボードは、キックボードに原動機を装備したものでありまして手軽に乗れるモビリティーとして社会的関心が高まっております。道路交通法上は原動機の定格出力に応じまして普通自動二輪車または原動機付自転車に区分されており、それぞれの区分に応じた運転免許が必要になるほか通行の区分も定められているところであります。
 一方、利用者の増加に伴いまして交通事故も発生しております。本県でも昨年十一月浜松市内において電動キックボードと軽自動車が衝突する事故が発生し、電動キックボードを運転していた男性を無免許運転で検挙したところであります。
 こうした中、本年四月二十七日に公布された改正道路交通法では、電動キックボードのうち性能上の最高速度や大きさが自転車と同程度のものを切り出して自転車と同様の交通ルールを定めることとされました。具体的には最高速度が時速二十キロメートル以下、大きさが普通自転車相当のものを特定小型原動機付自転車としまして、十六歳未満の者の運転を禁止した上で運転免許は要しないとされたところであります。
 このほか県内では国の特例制度の下、小型特殊自動車と位置づけましてシェアサービスを提供する社会実験も計画をされております。ただいずれにしましても自らの利用する電動キックボードがいずれの車両区分に該当するのかを確認した上で、それに応じた交通ルールを遵守していただくことが基本となります。
 県警察では、販売店をはじめ関係機関・団体と連携をし若年層を中心に制度の内容や安全な利用方法について広報啓発活動を推進しますほか、悪質危険な違反に対する取締りを強化することによりまして電動キックボードの安全対策にしっかりと取り組んでまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 杉本好重君。
       (九番 杉本好重君登壇)
○九番(杉本好重君) それぞれに御答弁ありがとうございました。
 私から要望を数点、再質問を一点させていただきたいと思います。
 まず、「どうする家康」の観光についてでございます。
 浜松市のほうでも大河ドラマ館ができるということで館長も徳川氏に決まったということで大変盛り上がっております。いろんな整備が進んでいるところでありますが、本当本県は二年連続して大河ドラマの舞台になるという大変恵まれた県であります。これを本当に好機としてさらにコロナで落ち込んだ観光業界がこれを起爆剤としてコロナで失ったものを取り戻せるように、しっかりと県のほうも市町と連携して進めていただきたいと思っております。
 次の要望でございますが、障害者に対してであります。
 私も母を車椅子で押したりとか、子供も育てましたのでベビーカーを押したりとかしましたけれども、意外と車椅子とかを押して段差があって苦労していると意外と助けてくれたりとかすることに遭遇します。やはりそれは障害者に対してちょっとした心遣いだと思うのですが、それが自然にできるかできないかというのは人それぞれ違うと思いますが、今回の合理的配慮をするということはそういうことと同等だと思うのですけれども、それを民間事業者に義務化するというのが、もうこれがキーになると思います。
 民間事業者といいましてもいろんなお店があると思いますし、段差があるところもあればバリアフリーのお店もあると思います。その辺を義務化する周知するというのは大変重要だと思いますので、合理的配慮という言葉自体が質問の中でも申し上げましたけれども大変ちょっと難しい言葉でありますが、ぜひ障害者差別解消につながる取組だと思いますので周知のほうを徹底してお願いしたいと思っております。
 再質問を一つさせていただきます。
 教育長のほうから御答弁あったかもしれませんが、やはり福祉部局との連携というところがちょっと気になります。来年春にはこども家庭庁が国のほうでも始まります。子供を中心にしてそして子供の政策を一元化するという目的で国のほうでも積極的に始まるわけでございますが、やはり子供の問題というのは教育もありますし福祉もありますしいろんなものがあります。子供の課題というのが。それをみんなが見守って子供の成長を見守るということでありますが、福祉部局との連携というところをもうちょっと具体的にお話し頂けたらありがたいと思います。以上、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 水口教育部長。
○教育部長(水口秀樹君) 家庭教育に係る再質問についてお答えいたします。
 子供の問題が複雑化する中で家庭教育に係る問題について、それについても福祉部門が所管する問題との関係が非常に多くなっております。そうした連動していくものと考えるものが多くて、家庭教育を行うに当たっては福祉部門との連携は大変重要と考えております。
 児童生徒の学校以外の学びの場所となるしずおか寺子屋、または保護者同士がつながるパパママ寺子屋、そうした事業を行うに当たって民生委員や児童委員、臨床心理士、保健師などと連携、連動して事業を推進していくということが必要になります。また保護者が必ず参加すると考えられる乳幼児検診の場や子ども食堂など親子が集まる場などで福祉部局と連携して講座や保護者の相談へ対応していくということも必要になります。
 また、保育施設または幼児教育の施設ですね、そういうところの相談というのも今や充実してきておりますけれども、そうした機関との家庭教育支援員などが連携を深めるなどしてさらなる充実を検討してまいりたいと考えております。
 いずれにしましても、県教育委員会と県の福祉部局、また市町の福祉部局と市町教育委員会の家庭教育担当との連携をより深めて事業を進めるよう機会を捉えて呼びかけていくなど、そうした一体となった取組について積極的に進めてまいればと考えております。以上でございます。
○議長(藪田宏行君) 杉本好重君。
○九番(杉本好重君) 御答弁ありがとうございました。
 家庭教育に関して要望をさせていただきます。
 コロナでなかなか人と会うのが厳しかったわけですので人が集まるというのがタブー視、ここ数年されてきましたけれども、そろそろ感染状況も落ち着いてまいりましたし市町の福祉部門との連携とかもさらに深めていただいて人と人とのつながりを大事にして子供政策を進めていただきたいと思っております。以上、要望とさせていただきます。これにて質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(藪田宏行君) これで杉本好重君の質問は終わりました。

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