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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

多家 一彦 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/29/2017

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 今後の地域外交について
2 県政運営の基本理念について
3 静岡県広域受援計画について
 (1) 計画の実効性確保の取り組み
 (2) 広域受援計画の改定と防災拠点の確保
4 人口減少社会への対応について
 (1) 生涯活躍のまち構想
 (2) 豊かさを実感できる魅力的な住まいづくり
5 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けた取り
 組みについて
 (1) 会場整備の検討状況と今後の進め方
 (2) オリンピック・パラリンピック開催のレガシー
6 スポーツ王国しずおかの復活、国体での成績向上に向けた
 取り組みについて


○議長(杉山盛雄君) これで野澤義雄君の質問は終わりました。(拍手)
 次に、五十九番 多家一彦君。
       (五十九番 多家一彦君登壇 拍手)
○五十九番(多家一彦君) 私は自民改革会議所属議員として、通告に基づき質問をいたします。
 九月定例会の最終質問者であります。昨日の雨で若干秋めいた陽気になってまいりました。議場の中も質問五日目でありますので別の飽きが漂っているような気がしますが、小一時間程度の質疑、質問でありますのでよろしくお願いいたします。
 さて、川勝県政の三期目がスタートしました。知事は選挙の後、県と市町がお互いに尊重、協調することが真に住民のためになる、仏の川勝になる、また県議会最大会派自民改革会議との関係について、緊張感はある、この緊張関係が建設的に議論されればいいと述べられ選挙で立場を異にした人々と協力、協調していく姿勢を打ち出されております。私もこのことは大変重要であると評価し、県政の両輪を担う議会の一員としてしっかりとその役割を担うていきたいと考えております。
 川勝知事は、これまでポスト東京時代の日本の理想郷を創る、さらにはジャパニーズドリームの展開と発信というように夢ある表現で県政のビジョンを語られてきました。語る夢を現実にすること、それが政治家の大きな役割であります。この意味でも三期目を迎えた今、まさに語るビジョンを現実の道筋の中で施策に移し実行、実践していくときであると思います。論より実践であります。こうした観点から、私は当面する県政の幾つかの課題について知事のお考えと施策実行に向けた姿勢を伺ってまいります。
 初めに、今後の地域外交について伺います。
 本年六月に国連が発表した世界人口展望二〇一七年改訂版によりますと、二〇一七年時点の人口は第一位の中国が十四億一千万人で二位のインドは十三億三千九百万人。これが二〇二四年にはインドの人口は十四億四千万人となり、中国を抜いて世界首位になる可能性があると予測されています。
 インドにいち早く進出したスズキは、こうした人口の増加や経済成長を背景にインドでの生産販売を進め、乗用車のマーケットシェアの約半分を占めるようになりました。また世界最大規模のインドの二輪車市場ではホンダがシェア二五%で第二位となっていますが、ヤマハ発動機もシェア一〇%を狙い工場を増設するなど生産能力を強化しています。このほか楽器のヤマハもインドに新工場を建設、鈴与は現地法人を設立し物流事業に本格参入するなど本県関係企業によるインド進出の動きが拡大しています。
 インドとは歴史・文化の面でも長いかかわりがあります。平家物語は「祗園精舎の鐘の声」で始まりますが、この祗園精舎はインドにあった釈迦が説法を行ったとされる寺院であり、この時代すなわち西暦一二〇〇年ごろには日本でも有名な寺院であったということになります。また第二次世界大戦に敗れた日本の戦争指導者らを連合国が裁いたいわゆる東京裁判において、インドのパール判事は判事全員一致の有罪判決を目指す動きに反対し被告人全員の無罪を主張しました。さらに戦後日本が最も疲弊した時期にインドから当時のネール首相の娘インディラという名前をつけたインド象が寄附され、日本国民に大きな勇気を与えました。
 このように日本とインドは大変長い歴史を持ち非常になじみが深い関係にあります。またマイクロソフトやグーグルなど世界の名だたるIT企業のトップをインド人が務めています。ITに強いインド頭脳と呼ばれるように、インドは多くの優秀な人材を輩出しています。
 一方、昨年五月時点のインドから本県への留学生はわずか三十五人。二国間の長い歴史や文化交流を踏まえ両国のかけ橋となるように、またインドの人のすぐれた頭脳に刺激を受け学術面でもよい影響を享受できるようもっと人材交流を進めてもいいのではないかと思います。
 これまで述べたように、インドは古くから日本とのつながりが強く県内企業も多数進出している国であり県として積極的に交流すべき相手であると考えますが、現在の地域外交の重点国・地域にインドが含まれておりません。
 インドとの今後の交流について、県の所見を伺います。
 次に、県政運営の基本理念について伺います。
 知事は、現在の総合計画後期アクションプランにおいて富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくり、ポスト東京時代の日本の理想郷を創るを基本理念に掲げこの四年間県政運営に取り組んでこられました。このポスト東京時代とは一体何であったのでしょうか。この理念のもとこれまでさまざまな取り組みを行ってきたにもかかわらず、東京の持つさまざまな機能の移転については実現に至ってはいないように思われます。
 例えば、政府関係機関の移転については本県から提案した五機関のうち静岡市の水産総合研究センター――現水産研究・教育機構が移転と決定されましたが、文化庁の京都府への全面移転などとは違いその内容は共同研究や連携事業の実施であり機関そのものの移転を伴うものではありませんでした。
 知事は、聞こえのいい言葉を巧みに並べながら将来ビジョンを示すキャッチコピーを次々と発信されます。その言葉に興味を抱く県民の方々が多いのかもしれません。本年度の当初予算のタイトルは富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくり、ジャパニーズドリームの展開と発信でありました。そして先月二十三日の総合計画審議会で示された次期総合計画の基本構想の概要案には、基本理念として富国有徳の「美しい富士の国」をつくりドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点となるとあります。
 最近はドリーム、夢といった言葉を好んで使われるようでありますが、静岡に来たらこんな夢がかなうといった具体的な姿を描きそのための施策を示すことができているのでしょうか。知事の発信する理念は壮大、高邁でありますが、その考え方が総合計画や予算を通じて具体的な施策や事業に落とし込まれているか甚だ疑問であります。
 そこで、まずこれまでの四年間ポスト東京時代の日本の理想郷づくりに取り組んでこられましたがその成果はどうであったのか、そしてポスト東京時代の日本の理想郷づくりがどのようにジャパニーズドリームやこのたび示された次期総合計画の基本理念であるドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点につながっているかということについて、知事のお考えを伺います。
 次に、静岡県広域受援計画についてのうち、計画の実効性確保の取り組みについて伺います。
 平成二十七年三月に公表された国の南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画では、救助活動、医療活動、物資の受け入れ等を総合的かつ広域的に行う大規模な広域防災拠点として富士山静岡空港が位置づけられました。
 県は、国の計画を受けて平成二十八年三月に南海トラフ地震における静岡県広域受援計画を策定するとともに、国が実施する救助活動等を迅速かつ円滑に受け入れるため富士山静岡空港の西側隣接地に自衛隊の後方支援拠点を想定した二ヘクタールの多目的用地の整備を行いました。
 しかしながら、南海トラフ地震などの大規模地震災害時に本県が全国からの応援部隊や支援物資を現在の施設で計画どおり受け入れられるのか実効性に疑問があります。
 そこで、空港西側隣接地の今後の拠点整備の内容とスケジュールについて伺います。
 また、計画の実効性を高めるためには自衛隊との一層の連携は不可欠であると考えます。富士山静岡空港を活用し自衛隊との連携をさらに深めていくための県の取り組みについてあわせて伺います。
 次に、県の広域受援計画の改定と防災拠点の確保について伺います。
 平成二十八年四月に発生した熊本地震の教訓等を踏まえて、国は本年六月に南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画を改定しました。この改定では被災地の要請を待たずに国が支援物資を送り込む、いわゆるプッシュ型支援に関し品目や国と自治体の役割分担等の見直しが行われたところであります。
 県では、現在の計画でも国の応援物資や応援部隊を受け入れられる施設等を指定しています。しかし南海トラフ地震などで県下全域が被災することが想定される本県の場合、市町の物資仕分け場所、応援部隊の滞在場所などさまざまな防災拠点を県内各所に確保することが県の広域受援計画の実効性を確保する上で重要であると考えます。
 県は、広域受援計画に関し国の計画や訓練等による検証結果を踏まえ今後必要な改定を行うとお聞きしておりますが、県の広域受援計画の改定に関する考えや防災拠点の確保に関する県の所見を伺います。
 次に、人口減少社会への対応についてのうち、生涯活躍のまち構想への取り組みについて伺います。
 我が国においては、全国的な人口減少が加速する中、地方創生に向けて国と地方が取り組みを進めているところであります。総務省によれば平成二十八年は五年ぶりに東京圏への転入超過が減少しているものの、転入超過となっている七都道府県のうち上位四位は東京圏と言われる一都三県が占めており、東京一極集中の傾向が続いているのが現状であります。
 また、国は東京圏を初めとする地域の中高年齢者が希望に応じ地方や町なかに移り住み、多世代の地域住民と交流しながら健康でアクティブな生活を送り必要に応じて医療・介護を受けることができる地域づくりを目指す生涯活躍のまち構想を示しております。
 なお、本年一月に公表された平成二十八年の人口移動報告において本県は転出超過数が六千三百九十人、全国ワースト四位と前回調査から転出超過が百八十四人拡大しており依然として厳しい状況にあります。こうした中、本県への新しい人の流れをつくり人口減少に歯どめをかけるため、本県で実現できる暮らしの魅力を高め積極的にその魅力を発信し本県への移住を着実に進めていくことは必要なことと考えます。
 県では、このような背景のもと伊豆地域内で十五市町や産業、福祉、金融などの幅広い関係者の意見を聞きながら昨年十月に伊豆半島地域をモデルとした伊豆半島生涯活躍のまちづくりビジョンを策定しました。それを踏まえ、今年度は伊豆半島地域ならではの地域資源を生かしたモデル事業を市町等とともに展開することとしています。
 一方で、人口減少局面における他地域から高齢者を呼び込んでいくことは考えられる施策ではあります。しかし県内の他の四つの圏域と比べて圧倒的に若年層の転出者が多いという伊豆半島の地域の現状を踏まえると、若年層の転出抑制やUターンにこそ力を入れていくべきではないかと考えるものであります。また人口だけにとらわれその抑制を狙って高齢者を呼び込むことは地域の活力の減退につながることも懸念されます。
 県は、こうした伊豆半島地域の現状を踏まえどのようなモデル事業を行おうとしているのか、また伊豆半島の活性化にどのようにつなげていこうとしているのか伺います。
 次に、豊かさを実感できる魅力的な住まいづくりについて伺います。
 国立社会保障・人口問題研究所によりますと、本県は人口の減少とともに高齢化が進行しており今後世帯数も減少に転じ平成二十七年と比較して平成三十七年の本県の人口は約二十二万人の減少、世帯数は約四万六千世帯減少すると推計されております。家族構成については単身世帯や夫婦のみ世帯が増加している一方、夫婦と子供から成る世帯が減少し高齢者のみの世帯が増加傾向にあります。
 ライフスタイルについては、静岡県住生活総合調査によると戸建てや集合住宅などの建て方や町なかか郊外かなどの立地条件など住まい方に関する意向は年代や世帯構成により多様化しています。
 また、平成二十八年度の首都圏在住者の地方移住に対する意識調査では、本県は気候や風土、首都圏へのアクセスのよさなどから定住地以外に住んでみたい都道府県で上位にランクされております。移住意向のある大都市の居住者が求める住環境は、駅から近い住宅への志向だけではなく田舎や郊外の一戸建てでも多くなっています。静岡県で実現可能な暮らし方については田舎暮らしを満喫しながら生活の利便性も確保できることや、二十代から三十代の世代では自然の中で伸び伸びと子育てができることに魅力を感じていると回答しています。
 このように、少子高齢化の進行、家族形態の変化などライフスタイル、居住ニーズの多様化が進む中で都会での生活では味わえない自然との触れ合い、家族との団らん、地域とのつながりを大切にした暮らしやすい空間が広がる環境を確保し、ゆとりと潤いのある快適な住宅や住環境が求められています。
 県では、県民の住生活の安定の確保及び向上を図るため静岡県住生活基本計画を策定しております。本計画を踏まえ豊かな暮らし空間創生に向け生活と自然が調和した住まいづくり、まちづくりの普及や地域コミュニティーの形成、景観に配慮した豊かな住環境の環境整備等に取り組んでいると承知しております。
 そこで、これまで実施した施策の成果や課題、また課題を踏まえ今後どのように施策を展開していくのか、県の所見を伺います。
 次に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについてのうち、会場整備の検討状況と今後の進め方について伺います。
 国家的プロジェクトである東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックが伊豆で開催されるということは、県史に残る大きな出来事であり万全の準備を整えて大会を成功させなければなりません。そのためには会場となる日本サイクルスポーツセンターの整備を速やかにかつ確実に進めていくことが重要であります。
 去る五月三十一日に、東京都で開催された関係自治体等連絡協議会において費用負担の基本的方向性が示されました。それによると民間施設の恒久的改修など必要な会場は原則施設所有者が、仮設整備は組織委員会が負担することとなっております。
 伊豆会場の開催経費がどの程度必要になるかにつきましては、組織委員会の試算によりますと約二百三十八億円、そのうち伊豆ベロドローム等の会場整備費約六十九億円となっております。会議の席上知事は、恒久的改修について施設所有者である日本サイクルスポーツセンターの財務状況が厳しいことなどから県のみならず国や組織委員会等関係者が一体となって協力する必要性について言及されました。この発言はオール静岡、オールジャパンでオリンピック・パラリンピックの成功に向けて取り組むという姿勢のあらわれであり、他の開催都市に比べて本県は前向きに進んでいると組織委員会から評価されたと伺っております。
 このような状況でオリンピック・パラリンピック開催まで残り三年を切った今、速やかに会場整備の設計に着手する時期にあると考えます。しかし我々県民にはオリンピック・パラリンピックに向けての整備の考え方や今後の工事の工程が全くわからない状況であり、不安を感じております。
 そこで、組織委員会や施設所有者等関係者における会場整備の検討状況と今後の進め方について伺います。
 次に、オリンピック・パラリンピック開催のレガシーについて伺います。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技を成功させることは当然のことでありますが、それと同時に大会の開催を契機に県や県民にとって何か財産となるもの、いわゆるレガシーを残す必要があるのではないのでしょうか。大規模なスポーツイベントのレガシーといった場合施設やインフラの整備などハード面が真っ先に思い浮かびますが、人材やノウハウといったソフト面も重要ではないのでしょうか。
 これまで本県では、一九九八年の長野オリンピック冬季競技大会や二〇〇二年のFIFAサッカーワールドカップが開催された際、組織委員会等に職員を派遣し職員のスキルアップを図るとともに、県としての大規模スポーツイベントに対する知識とノウハウの蓄積を図ろうとしてきました。これも県にとって大きなレガシーの一つと考えられます。
 また、大規模イベントを本県で開催するためには職員の力だけでは困難であり必ず地元のボランティアの方々の力が必要となってまいります。今後オリンピック・パラリンピック自転車競技の開催に向けボランティアの募集、養成が行われると聞いております。ここでボランティアとして活躍する県民の方々も県にとって大きな財産になるものと考えます。
 そこで、今後大会後レガシーとして何を残すかを見据えて開催準備を進めていくものと考えますが、人材を中心としたレガシーをどのように創出していくのか、県の所見を伺います。
 次に、スポーツ王国しずおかの復活、国体での成績向上に向けた取り組みについて伺います。
 知事は、先の選挙においてスポーツ王国しずおかの復活を公約に掲げ国体上位入賞やオリンピック選手輩出を目指したジュニアアスリートの発掘、育成に取り組んでいくと言っておられました。特に国体の総合成績については八位以上を目指すとしていますが、最近十年間の成績を見ますと平成二十四年の岐阜国体において天皇杯十四位、皇后杯十三位が最高であります。
 折しも、明日三十日は愛媛国体の開会式が行われます。開会式に先立って実施された弓道成年女子において二種目で優勝したほか、水泳では成年男子百メートルの背泳ぎで優勝するなど本県選手たちの健闘が光っております。十月一日から始まる他の競技においても、さらなる活躍を大いに期待しているところであります。
 さて、選手たちの頑張りには期待しておりますが国体の総合順位を上げるということはこれまでの成績を見てわかるとおり非常に難しいものであります。それではどのようにすれば順位を上げることができるかを考えたときに、これまでの大会にヒントが見えてくるのではないでしょうか。
 例えば、最近十年間で最高の成績であった平成二十四年ぎふ清流国体では少年種別において非常に高い得点を獲得いたしました。また昨年の希望郷いわて国体では平成二十五年以降二十位台だった天皇杯順位が十六位に上昇しましたが、この際はサッカー成年男子で当時JFLのアスルクラロ沼津が出場し同競技の本県代表として十五年ぶりの優勝を果たしました。こうしたことがそれぞれの大会における好成績の大きな要因の一つではなかったかと考えられます。
 このように、国体の順位引き上げに向けて効果的に得点を獲得するために短期的な取り組みと、継続的に好成績を残していくための中長期的な視点を持った取り組みの両方を着実に進めていくことが必要であります。
 そこで、国体での成績向上に向けどのように取り組んでいくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(杉山盛雄君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 多家議員にお答えいたします。
 県政運営の基本理念についてであります。
 県づくりは、県行政だけでなくて市町、民間企業、NPOなどの各種団体そして県民の皆様が連携協働して取り組むことが必要です。このため総合計画において県が目指す方向を基本理念として県民の皆様に明らかにし、共有することが重要であると考えております。
 私は、総合計画においてポスト東京時代の日本の理想郷を創るを基本理念に掲げております。
 では、その根拠は何かということでございます。一九九〇年国会におきまして衆参両院で首都機能移転を御決意なさいまして、そのために法律が設けられ国会等移転審議会というのが設置されまして足かけ十年をかけて一九九九年十二月にこの答申が出ました。そしてその答申を受けまして、衆議院の特別委員会におきまして三年間かけてこの首都機能を国会等移転審議会の答申の第一候補であります那須野ヶ原にすべきか否かについて議論をされて今日に至っております。
 私は、その時点におきまして仮に国会議員の先生方が答申どおりに決めるというふうになさいましたならば那須野ヶ原に外交、防衛、安全保障等が移って、そして他の国内の行政にかかわるものは地方に分散されるということになったと思います。そしてそれと同時に首都機能が東京にあった時代は何であったのか、言いかえると東京時代という言葉が日本中で語られるというふうに思っています。既にそのような、実行だけが待たれるような段階に日本はあるのですが、国会の先生方が総論賛成、各論反対というお立場のために決断ができないで十七年以上宙ぶらりんになっているという状況でございます。
 そうした中で地方を預かる我々として何ができるかと。時代認識としては、もう既に東京時代という時代を追いつつあると。それはどういう時代だったのかと、言うまでもなく明治維新、来年で百五十周年です。欧米に追いつけ追い越そうということでございました。
 私は、それはほぼ達成したものというふうに思っておりまして、達成した後この日本をどうするかというそういう課題が日本にあるのではないかと。ですから東京オリンピックも一九六四年と違いまして、今は北は北海道から南は沖縄に至るまで日本の文化プログラムを通して日本全体を、いわば内外の方々に見ていただこうということが受け入れられるそういう時代になっているというふうに思っております。東京だけが日本の代表でないという共通認識はあると存じます。
 私は、今日東京一極集中がさらに加速していることを憂いておりますし、また東京が人口吸収をし言ってみればアリ地獄のような形になっていることにも危機感を抱いております。それの一方で地方の疲弊が目立つということでございます。
 日本の最大の課題は、地域が自立して多様な地域と多彩な文化から成る日本という国をつくり上げることではないかと、言いかえるとポスト東京時代を開くことであると、その先導役を担うというその決意がポスト東京時代の日本の理想郷を創るというものであります。もはや東京を模倣するのではなく、ミニ東京をつくるのではなくて本県の持っている豊かな場の力を生かして魅力ある地域を実現することにより地域が自立していくことが重要です。その実現のための施策を総合計画に盛り込み、推進を図っているところであります。
 ファルマバレー、これは日本の医薬・医療品が輸入産業でまだ自動車とかかつての繊維とか造船とかといったように自立をしていない、これからの課題であるということで本県はその先頭を切っているのは御案内のとおりであります。
 フォトンバレー、これは光でございますけれども、光電子増倍管、これがノーベル賞の受賞に梶田先生ほかに結びついているのは御案内のとおりでございます。
 また、食の都、今政府のほうは日本の食というものを輸出産業にしようということでやっておられますけれども、それを我々は走った、先鞭をつけたのではないでしょうか。
 お茶の都は言うまでもありません。それから花の都というのも、やはり日本はお魚と同様多様な花に恵まれたそういう国であります。そうしたものの集約したところがこの静岡にはございます。例えば南アルプス一つをとってみましても、海抜三千メートル以上のところにさまざまな野生の花々が垂直に分布しているということからいわゆるエコパークに認定されたものであります。
 こうした多様な自然がつくり上げるものが農産品である。それは過去何千年という中で品種改良等が行われ、これは農業芸術品とも言うべき農芸品であるということでその数が日本一であるということでございます。
 一方、静岡県は自然が多様であるだけにその脅威にもさらされているということで防災・減災に力を尽くしてまいりました。先般天皇皇后両陛下がスペイン国王王妃両陛下を伴われて来られましたのも、やはり静岡県が防災先進県であるということの御認識をお持ちになっているからだと思います。実際レジリエンス・アワードというのを数年前に静岡県が受賞をいたしました。また経済成長とこの防災・減災を両立させるという内陸のフロンティアを拓く取り組みは、二年にわたりまして内閣府のほうから日本一の取り組みであるというふうにお褒めをいただいております。
 健康寿命を延伸するための、いわゆるふじ三三プログラムというものもこれは厚労省のほうから最高賞をいただいております。
 このように、私どもは取り組みが日本の新しい時代を開くためのモデルになっているというところが一つずつ、少しずつではありますけれども着実にふえていっていると。
 また、静岡県は空の玄関口、海の玄関口を持っておりますが、海の玄関口が太平洋側で横浜に並んで国際クルーズ船の拠点港として位置づけられ、これは確実にその可能性を数年以内に発揮するでありましょう。そしてまた空港に至りましても拡大支援型空港のトップに位置づけられております。
 したがって、地方からこの国を引っ張っていくというときに今静岡に対する関心が中央のほうから向いていると。我々は中央というよりもむしろ他の地域のモデルになろうと、そしてまたこの国はいわば世界の中の日本でありますから、日本という全体を構成する不可欠の一部分をなしていると。
 したがって、我々は世界を常に見るということで世界クラスの、世界の中での静岡県というそういう観点で見てみようではないかということを志したところ、富士山の遺産登録を皮切りに六十に迫る本県の地域資源、人材が世界的な評価を受けているのは御案内のとおりでございます。それは本県が世界に向けて魅力を発信していく上での財産でありますし、成果であると言ってよいと存じます。これを活用するということがとても大切です。
 これらを踏まえまして今、日本の課題であるこのポスト東京時代の日本を開く、それが世界の理想郷になるのが望ましいということで次のステップとして東京と静岡ではなくて世界相手の静岡という視点に立って地域外交も展開し、また世界の人々が憧れるような地域を実現していこうと考えております。
 次期総合計画で、こうした考え方をドリームズ カム トゥルー イン ジャパンの拠点という基本理念で提示いたしました。ジャパニーズドリームと言えば奇をてらったように思われるかもしれませんけれども、そうではありません。もう既に西暦二〇〇〇年、今から十七、八年前のころ建設省が主催なさいまして大臣が御出席される次世紀の暮らしを語る懇談会というのが開かれまして、そしてそれが本にまとめられました。「居心地のよい国ニッポン」の副題は「ジャパニーズ・ドリーム」となっております。そこには時の建設大臣中山正暉様、そしてまたその前の建設大臣関谷勝嗣様、そしてそのときの建設の政務次官でオリンピックの担当大臣でありました遠藤さんなども序文を寄せられておりまして、そのころから日本のこれからの課題、二十一世紀の課題はジャパニーズドリーム、アメリカンドリームに十分にかわり得るそういう国になり得るということで有識者が集いまして私自身もその中の一人に入っておりましてまとめてきました。
 そういうときが、ついに静岡県におきましても来たと。やはり仕事がないというのは最悪です。それを克服し今はむしろ人が少ないというところにまでなったと。我々は健康だと、したがって壮年熟期の人たちも一緒に働こうと、女性も一緒に働いていただこうと、そしてまた外国人の方、あるいは障害者の方たちも一緒に皆働けるような場所をつくって働こうではないかということでそういう新しい日本の先頭に立ちたいとこういうふうに思っているわけでございます。
 今日の日本は、ただに我々日本人だけではなくて外国人の人もブラジル人だけでも二万六千人この県にいらっしゃいます。
 エンブラエルという会社の飛行機が、今十一機この静岡の空を飛んでおります。さらにエアージャパンを含めれば三十機近くが飛んでいるわけでございます。
 そうした世界の人々が、ここで働こうと思ったら働けるような地域にしたいし留学生も含めて入れたいと思っているわけでございます。
 本県は、そういう誰もが外国人も含めて努力をすれば、特に若者が来て努力をすれば人生の夢がかなう、物も心も豊かな国が実現できる、そういう日本のモデルになりたいということで新しい日本づくりの先導役を担い世界の人々を引きつける魅力ある地域づくりを進めていこうと、それが県民の幸福度の最大化に結びつくと考えているところでございます。
 次に、スポーツ王国しずおかの復活、国体での成績向上に向けた取り組みについてであります。
 いよいよあしたからスポーツの秋、愛媛国体が開会いたします。議員から御紹介のありましたとおり既に開会前の競技におきまして、水泳及び弓道競技において優勝者が出ております。まことにさい先がよいことでございます。
 私は、県体育協会の会長といたしまして副会長の県議代表の中谷先生とともにこの間結団式に出ました。そしてあした開会式がございます。本県選手団の団長として選手たちを鼓舞し好成績が得られるように力の限り応援をしようと思っております。
 目標としているのは八位以内と言いまして、なるほど長崎大会におきましては二十六位、そして岡山大会で二十位、昨年の盛岡大会で私と中谷さんが会長、副会長として応援にかけつけまして十六位、まだまだ一桁でないといけないということでことしの結団式は西館のあの天井の低いところでやってはいけないと、だからそちらの議長室の上のあそこのほうが天井が高うございますからすごいところで大いに気を吐きまして相当に気合いが入っております。やはり最後は精神力だと、絶対に諦めないと、そういうふうな気持ちを持って負けない諦めないそして勝負は勝つことである。ただし終わったらノーサイドということでございます。
 そうした観点で私どもは八位以内に向けておりまして、競技団体が実施する強化合宿や県外への遠征費用の支援を拡充し競技力の向上に努めています。
 目標に近づけるためには、昨年の岩手国体で少年種別の獲得点が実は過去十年間で最低でございました。これを勘案いたしますと、中長期的にはジュニア世代からの競技力の底上げを図ることが最優先の課題であると分析しています。
 このため、本年度からジュニアアスリート発掘・育成事業を立ち上げました。競技人口が少なくジュニア世代からの選手育成が難しいホッケーなど十二競技を小学生世代から体験させまして、その中からアスリートとしてのすぐれた適性を発掘し競技団体が戦略的に行う選手の強化育成につなげる取り組みを始めたところであります。
 また、競技力向上のためには指導者の存在が重要です。これらの競技を中心に小中高生世代のフィジカル、メンタル、栄養学などの専門的知見を有する優秀な指導者の育成を推進し、一貫した育成体制を充実させることによりまして継続的に好成績を確保できる仕組みを構築してまいりたいと考えております。
 一方、即効性のある取り組みといたしましては本県に本拠地を置くトップレベルの社会人チームやより多くの優秀な本県出身選手に本県代表として出場していただくことが考えられます。このことは本県チームの全体の士気高揚となるだけではなくて同じ競技に出場する少年種別の選手に大きな刺激や目標を与えてくれることにもなりますので、競技団体等を通じこれまでにも増して強力に参加要請をしてまいります。
 県といたしましては、今後とも競技団体と緊密な連携のもとクラブ、企業チームの協力も得ながらジュニア世代からの一貫した競技力向上対策に積極的に取り組みます。
 私は、京都に生まれ育ち東京で仕事をしてまいりましたが、静岡のイメージはやはりスポーツが強いという、いわばスポーツ王国としてのイメージがあります。そうした中で既にこの議会でも話題になっておりますが、サッカーが強い野球が強い、今はラグビーということでございます。
 私は、これから力を入れる種目といたしましてラグビーはワールドカップがございますからラグビーそれからサッカーそれからゴルフ、ゴルフ場も日本の有数のゴルフ場がございましてゴルフ協会の人たちの支援もございます。こうしたところを指導者と学校との協力によりまして裾野を広げながらトップクラスのスポーツ王国を目指していこうと、それをサッカー王国を目指すと言ってもいいのではないかと。もともとそうだったわけですから、そういうもののルネッサンスをこれからやっていきたいと強く考えているところであります。
 あすからの国民体育大会を初め国内外の大会で優秀な成績をおさめるアスリートを輩出し、県民の夢と希望と感動を与えるスポーツ王国しずおかの復活に向け全力を挙げて取り組んでまいります。復活なんです。もともと王国だから復活というわけです。
 そういうわけでございまして、その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁申し上げます。
○議長(杉山盛雄君) 増井地域外交監。
       (地域外交監 増井浩二君登壇)
○地域外交監(増井浩二君) 今後の地域外交についてお答えをいたします。
 現在、世界第二位の人口を誇るインドは巨大な中間所得層を抱えアジア第三位の経済規模を有し、七%前後の高い経済成長率を維持し続けております。県が毎年実施している県内企業海外展開状況調査におきましてもインドに展開する事業所数は増加傾向にあり、県内企業の投資先として有力な国の一つとなっております。
 また、議員御指摘のとおり近い将来人口は世界首位になる可能性があり国民の平均年齢も二十五歳と若いことから今後さらなる発展が見込まれます。優秀な人材を抱えるIT大国でもあり、日本とインド両国間の長い歴史も含め県といたしましてもインドは非常に重要な国であると認識をしております。
 二〇一三年十一月、マハラシュトラ州パンチガニで開催されました国際経済会議コー・イニシアチブ・ビジネス会議に知事が講師として招かれました。静岡県が取り組んでいる富士の国づくりについて講演し本県をPRいたしました。あわせて会議に参加している現地企業経営者等との懇談やインド企業への訪問を通じ現地における企業活動状況等を視察いたしました。
 パンチガニは、インド独立の父として知られるマハトマ・ガンジー氏がよく訪れていた地であります。現地ではガンジー氏の孫に当たるラジモハン・ガンジー氏と知事が面会する機会があり、その後同会議日本委員会の会長でもありますふじのくにづくり支援センターの矢野理事長と知事、ガンジー氏の三人での鼎談セミナーが東京で行われるなど交流を継続しているところであります。
 最近では、インド大使館から個別の州の名前を挙げて交流の提案をいただいており、八月には州政府職員の来日に合わせ今後の交流に向けた意見交換を行ったところであります。
 また、本県の音楽やスポーツ、文化の拠点でありますつま恋の経営がインド出身の代表者が率いるホテルグループに引き継がれました。川根本町にはインドに本社のあるIT企業のサテライトオフィスが進出いたしました。県としましてもインドとの関係が深まってきているところであります。
 現行の地域外交基本方針では、六つの重点国・地域を定めて積極的に地域外交を展開しておりますが、今年度基本方針の見直しを進める中でインドを重点国・地域に含める方向で検討しているところでございます。
 今後、インドに職員を派遣し、交流先としてふさわしい地域や交流分野についてしっかりと調査研究した上でお互いにメリットのある地域外交が進められますよう取り組んでまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 杉保危機管理部長。
       (危機管理部長 杉保聡正君登壇)
○危機管理部長(杉保聡正君) 静岡県広域受援計画についてのうち、計画の実効性確保の取り組みについてお答えいたします。
 富士山静岡空港は、広域受援計画において応援航空機の駐機、給油等を行う救助活動拠点を初め災害派遣医療チームDMATの空路参集拠点や重症者の航空搬送拠点など多くの役割を担う極めて重要な防災施設として位置づけられており、その機能強化が重要であります。
 このため、県では平成二十七年度から航空燃料タンク一基の増設と空港西側に応援部隊の活動拠点として活用のできる多目的用地二ヘクタールの整備を行ってまいりました。
 また、広域受援計画の策定に際して応援部隊の集結状況を改めて整理した結果、部隊の円滑な受け入れのためには七ヘクタール規模の用地が必要となったことから空港西側に新たに多目的用地五ヘクタールを整備することとし、今年度は用地の測量、設計と進入路の整備を行い来年度内に工事を完了させることとしております。
 自衛隊との連携につきましては、毎年実施する県の総合防災訓練等において連携を深めておりますが、昨年七月の自衛隊主催の統合防災演習では二ヘクタールの多目的用地において後方支援施設を開設し物資の搬入搬出、燃料供給、隊員の宿営など自衛隊が県内で活動する場合の支援機能が確保できることを確認したところであります。
 今後は、現在整備中の用地を含め多目的用地全体七ヘクタールを活用した後方支援施設開設訓練や航空機による物資搬送訓練を実施するほか、空港に隣接する多目的用地には工作物の高さや照明の設置などに制限があるため、制限に的確に対応し迅速に拠点を設営するためのマニュアルを整備し自衛隊との連携体制を一層強化してまいります。
 次に、広域受援計画の改定と防災拠点の確保についてであります。
 広域受援計画は、南海トラフ地震等が発生した際に応援部隊、物資、燃料等を速やかに受け入れるための計画であり新たな災害の教訓や知見、訓練を通じた検証結果などを反映して逐次見直しを行い万全な受援体制を整えていく必要があります。
 県では、国の南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画の改定内容や熊本地震の教訓、本年の総合防災訓練の検証結果等を踏まえ、より実効性の高い広域受援計画とするため年内を目途に改定できるよう作業を進めております。
 具体的な改定内容につきましては、プッシュ型支援物資の品目追加を行うとともに、広域物資輸送拠点から市町の地域内輸送拠点まで滞りなく物資を届けるためのルートや災害応急対策に従事する車両へ給油するための臨時の燃料保管場所の選定等を予定しております。
 防災拠点につきましては、応援部隊の派遣規模に応じた活動面積を確保することを前提として災害時に確実に使用できる公共施設を中心にそれぞれの目的、用途に応じて選定しております。
 平成二十八年三月の広域受援計画策定時には、被害想定等をもとに各部隊の活動内容について検討を行い広域応援部隊の活動拠点二百二十一カ所、広域物資輸送拠点七カ所、市町の地域内輸送拠点六十三カ所などを指定いたしました。
 これらの防災拠点につきましても、受援体制強化の観点から随時見直しを行っており広域物資輸送拠点については賀茂地域において新たに一拠点を追加するとともに、予定している拠点が被災した場合にも対応できるよう民間の物流施設も含め複数の代替施設を確保してまいります。
 県といたしましては、市町や関係機関と連携し広域受援計画の実効性を高め人命救助を第一とした災害応急対策活動が迅速にできるよう万全の体制を構築してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) 人口減少社会への対応についてのうち、生涯活躍のまち構想についてお答えいたします。
 伊豆半島地域は、人口減少と高齢化が県内他地域より進む一方で首都圏の中高年齢者の移住希望地として高い人気を得ております。
 伊豆半島生涯活躍のまちづくりビジョンは、伊豆半島地域の美しく多様な自然環境や豊富な温泉などの資源を活用し中高年齢者が生き生きと活躍できる環境づくりを進め、多彩なライフスタイルを実現できる地域としていくことで首都圏などからの移住とともに伊豆半島地域に住まう方々の定住を一層進めていくことを狙いとしております。
 県では、このビジョンに基づき三島市が進める誰もが健康になるスポーツウエルネスのまちづくり、松崎町が進めますドイツ語で療養地を意味するクアオルトによる滞在型保養地の形成などに周辺市町の参加も得ながらモデル事業として取り組み、地域住民も地域への移住者もともに健康長寿で暮らせる地域づくりを進めているところでございます。
 こうした生涯活躍のまちづくりの取り組みに加え、若年層を対象とした取り組みも積極的に進めているところでございます。本年度に入り賀茂地域広域連携会議に若者定住専門部会を設置して県、市町が連携してUIJターンを強力に進めることとしております。
 また、本議会に提案している補正予算では伊豆半島地域の中小の宿泊事業者の採用活動の支援に加え若手従業員等の定着促進のための経費をお諮りしており、若手従業員の雇用の確保、定着につなげることとしております。
 さらに、さる九月二十四日には県と賀茂地域の一市五町が連携して移住セミナー伊豆で暮らす・働くを東京有楽町のふるさと回帰支援センターにおいて開催し、子育て中の御夫婦など首都圏を中心として五十二名の参加をいただいたところであります。
 県といたしましては、市町、地域、民間事業者とも連携しながら伊豆半島地域ならではの魅力を生かした施策を展開し、幅広い世代が多彩な夢や希望を持ちこれを実現できる地域となるよう取り組んでまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 木利夫君登壇)
○くらし・環境部長(木利夫君) 人口減少社会への対応についてのうち、豊かさを実感できる魅力的な住まいづくりについてお答えいたします。
 県民一人一人が、住むまちのよさを認識し住宅や住環境に愛着と誇りを持った魅力的な住まいづくりを推進するため、生活と自然が調和し地域コミュニティーが形成され景観に配慮された豊かな暮らし空間の創生に取り組んでおります。
 具体的には、セットバックによるゆとりある家屋配置、住民に優しいコミュニティー道路、住民が共同利用できる菜園などを備えました豊かな暮らし空間創生住宅地の認定制度や市町と連携いたしました助成制度を創設するとともに、事業者などを対象とした講演会の開催などにより普及と促進を図っております。
 現在まで、島田市など六地区百四十区画を認定いたしまして、うち百二区画が分譲されておりますほか三島市や富士市においても新たな計画が進められております。
 また、県住宅振興協議会が主催いたします静岡県住まいの文化賞では生活と自然が調和し景観に配慮した住まいの応募が増加してきており、豊かな暮らし空間の考え方が県民の皆様に少しずつ広まってきていると考えております。
 県といたしましては、この考え方を一層普及、定着するためには県民の皆様へ啓発をさらに進めていく必要があると考えております。このためすぐれた住宅地などの見学会の開催やインターネットでの情報発信の強化などにより豊かな暮らし空間創生を推進し、住んでよしの理想郷の実現を目指してまいります。以上であります。
○議長(杉山盛雄君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向けた取り組みについてのうち、会場整備の検討状況と今後の進め方についてお答えいたします。
 競技会場となる日本サイクルスポーツセンターの会場整備につきましては、組織委員会が会場の配置計画や既存施設の利用計画などを内容とした基本設計を行い、現在施設所有者を初めとした関係者に順次説明を行っております。
 その内容は、全体の配置を伊豆ベロドロームのトラック競技エリア、現在の五キロメートルサーキットの内側と周辺施設を利用したマウンテンバイク競技エリア、その間に所在する管理棟等を利用する運営管理エリアの三エリアとし伊豆ベロドロームの座席の増席、マウンテンバイクコースの造成、大会運営に必要な諸室の設置を行うというもので既存施設の利用については耐震性の検証が行われています。
 この基本設計に基づいた日本サイクルスポーツセンターの改修につきましては、大会のレガシーを持続するため所有者と関係機関が一体となった取り組みを行う必要がありますことから、国や組織委員会、関係機関との調整を踏まえて早急に対応を検討してまいります。
 県といたしましては、オリンピック・パラリンピック自転車競技会場の整備につきまして、大会の成功と大会後の活用を踏まえた視点で今後の準備スケジュールを意識しながら施設所有者を初め国や組織委員会、関係機関とともにスピード感を持って準備に邁進してまいります。
 次に、オリンピック・パラリンピック開催のレガシーについてであります。
 国際的な大規模スポーツイベントのノウハウを本県として蓄積、継承すること、またそうしたイベントの顔となるボランティアとして常に活躍できる県民の方がふえることは東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技の開催のレガシーとして大変重要だと認識しております。
 本県から組織委員会に派遣される職員は、国家的事業としてのスポーツイベントの運営に携わり現場で得た知識やノウハウをその後の業務に生かすことを使命としております。さらに今後多くの職員が開催準備業務に携わることが想定されますことから、広い視野を持ち国レベルの機関との調整力やすぐれた企画力などを備えた人材を育成し、将来に継承していくことが人材面でのレガシーになると考えております。
 また、ボランティアにつきましては国際的な交流が拡大する中で多くの県民の皆様がこの機会に海外からの来訪者との触れ合い、おもてなしの経験をすることは大変有意義なことであります。したがいまして地元自治体の役割にある観光、交通等の案内をする都市ボランティアにつきましては、前年に行われるラグビーワールドカップのボランティアとも調整を図りながら広く募集し、本県ならではの育成を行ってまいります。そして大会後には、ボランティア経験者が中心となって海外からの来訪者に対して日常的に心の通った案内やおもてなしができる本県独自の地域づくりを推進してまいります。
 県といたしましては、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック自転車競技の本県開催を契機に、将来の国際的なスポーツイベントや地域レベルの国際交流等の場面で存分に活躍する人材を創出することを大会のレガシーと位置づけ積極的に推進してまいります。以上であります。

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