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平成30年6月静岡県議会定例会
意見書案の提出及び採決 【 採決 】 発言日: 07/10/2018 会派名: |
○議長(渥美泰一君) 報告します。書記に朗読させます。
(書 記 朗 読)
平成30年7月10日
静岡県議会議長 渥 美 泰 一 様
議 員 森 竹治郎 中 田 次 城 藤 曲 敬 宏 野 田 治 久
土 屋 源 由 廣 田 直 美 宮 沢 正 美 遠 藤 行 洋
坪 内 秀 樹 鳥 澤 由 克 池 谷 晴 一 和 田 篤 夫
杉 山 盛 雄 蓮 池 章 平 多 家 一 彦 曳 田 卓
櫻 町 宏 毅 早 川 育 子 鈴 木 澄 美 伴 卓
木 内 満 吉 川 雄 二 小長井 由 雄 天 野 進 吾
天 野 一 田 好 浩 山 田 誠 相 坂 摂 治
佐 地 茂 人 前 林 孝一良 鈴 木 智 深 澤 陽 一
中 澤 通 訓 林 芳久仁 盛 月 寿 美 塚 本 大
諸 田 洋 之 良 知 淳 行 落 合 愼 悟 佐 野 愛 子
大 石 裕 之 河原崎 聖 桜 井 勝 郎 藪 田 宏 行
宮 城 也寸志 増 田 享 大 東 堂 陽 一 山 本 貴 史
渡 瀬 典 幸 江 間 治 人 三ツ谷 金 秋 野 崎 正 蔵
竹 内 良 訓 岡 本 護 山 ア 真之輔 平 賀 高 成
中 沢 公 彦 大 石 哲 司 鈴 木 洋 佑 田 口 章
小 楠 和 男 田 形 誠 野 澤 義 雄 鈴 木 利 幸
渥 美 泰 一 阿 部 卓 也 中 谷 多加二 田 内 浩 之
意見書案の提出について
下記意見書案を別紙のとおり提出する。
記
1 医師の地域間・診療科間の偏在解消を求める意見書
1 消防用設備等の保守点検業に係る業法の制定を求める意見書
1 外国人技能実習制度の適正な運用に関する意見書
1 地方消費者行政の充実・強化に関する意見書
1 旧優生保護法により強制不妊手術を受けた被害者の救済を求める意見書
1 ヒアリ等外来生物対策の推進を求める意見書
平成30年7月10日
衆議院議長 内閣総理大臣 総 務 大 臣
参議院議長 財 務 大 臣 厚生労働大臣 あて
静岡県議会議長 渥美 泰一
医師の地域間・診療科間の偏在解消を求める意見書(案)
平成30年4月から、医師の質の一層の向上等を目的とした新専門医制度が開始された。当該制
度は、当初、平成29年4月からの開始が予定されていたが、医師の地域偏在が加速し地域医療が
崩壊するとの懸念が大きいことなどから、その開始が1年間延期された経緯がある。
そのため日本専門医機構は、地域医療に配慮するため、研修基幹施設として大学病院以外の医
療機関も認定可能としたほか、都市部の5都府県の専攻医の受入数上限の設定、研修プログラム
承認の際の都道府県の意見聴取など制度の変更を行ったが、平成30年2月に公表された研修先登
録結果は、懸念されていたとおり、都市部に集中するものとなった。
本県は、人口に対する医師養成数が全国平均の2分の1と他の都道府県に比べ著しく低く、こ
れまでは、他県の医科大学からの派遣を含め医師を確保してきたが、医局離れが進み、医師の確
保が困難となっている。
そのような状況の中、全国の初期臨床研修を終えた医師免許取得後3年目の若手医師の約9割
が当該制度に登録するが、平成30年4月に県内公的医療機関等に在籍する対象医師は142名とな
っており、平成29年4月と比較すると、人数で26名減、割合で15.5%減となっている。このため、
このままでは、地域医療を支える若手医師が減少し、遠からず地域医療が崩壊するおそれがある。
よって国においては、医師の地域間・診療科間の偏在を解消するため、下記事項について取り
組むよう強く要望する。
記
1 新専門医制度の開始後の地域別、診療科別の医師数等の地域医療の状況を把握し、都道府県
ごとに必要となる医師数に応じた専攻医の募集定員の設定、基幹施設認定条件の緩和や多様化な
ど抜本的な見直しを早急に行うこと。
2 医師が不足する各都道府県の地域枠の継続設置及び拡大並びに医学修学研修資金等の地域医
療介護総合確保基金による財源確保など、医師確保対策のさらなる充実を支援すること。
3 地域の医療提供体制を充実させるため、実効性のある医師偏在対策について検討を進め、速
やかに実施すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年7月10日
衆議院議長 内閣総理大臣 消防庁長官
参議院議長 総 務 大 臣 あて
静岡県議会議長 渥美 泰一
消防用設備等の保守点検業に係る業法の制定を求める意見書(案)
平成29年12月のさいたま市の風俗ビル火災や平成30年1月の札幌市の自立支援施設の火災など、
多くの尊い人命を奪う火災は後を絶たない。
空気調和設備、電気設備等の建築設備や、警報設備、消火設備等の消防用設備等が年々高度化
・複雑化する中、火災による被害を最小限に食いとめるには、火災が発生した際に、消防用設備
等がその機能を確実に発揮することが重要であり、それには平時における適正な点検や必要な管
理、修繕が不可欠である。
しかし、消防法において消防用設備等の点検実施及び消防署への結果報告に係る規定はあるも
のの、消防法は消防用設備等の保守点検業に係るいわゆる業法ではないことから、当該業界の所
管行政庁はなく、業界を指導・監督する機能もないため、無資格者による点検の実施や点検業務
の質の低下が懸念されている。
また、近年、消防用設備等の点検実施に必要な消防設備士などの有資格者の高齢化や若年入職
者の減少に伴う将来の担い手不足が懸念され、人材の確保が喫緊の課題となっているが、国等が
業法に基づいて担い手の育成や確保の支援を行っている建設業界等とは異なり、当該業界に係る
業法がないため、このような取り組みは一向に進んでいない状況にある。
よって国においては、国民の生命、身体及び財産を火災から守るため、消防用設備等の適正な
点検の実施と当該業界の担い手の育成や確保を目的とする消防用設備等の保守点検業に係る業法
を制定するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年7月10日
衆議院議長 内閣総理大臣 法 務 大 臣
参議院議長 総 務 大 臣 厚生労働大臣 あて
静岡県議会議長 渥美 泰一
外国人技能実習制度の適正な運用に関する意見書(案)
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(以下、「法」という。)
が平成29年11月に施行され、技能実習生の受け入れ可能期間が3年から5年へと延長されるとと
もに、受入人数枠の拡大や介護分野への受入開始などにより、技能実習という形で就労する外国
人が増加している。
法は、長時間労働や賃金不払いなどの労働関係法令違反等の不正行為が問題となるなど、実習
生の保護が十分でなかった旧制度を改め、技能実習の適正な実施と実習生の保護を図ることを目
的として制定されたものであるが、法施行後も、こうした不当な事案は相次いで発生している。
このため、外国人技能実習制度の適正な運用に向けて、法に基づき、技能実習計画の審査や実
習実施者等への実地検査などの、より厳正な実施が必要である。
また、実習生の母国語による相談・支援体制はあるものの、事前の実習内容の説明が日本語で
行われたため、内容の理解が不十分なまま不本意な実習を強いられた事案もあり、母国語により
事前説明が受けられる体制の整備も必要である。
さらには、技能実習の適正な実施等を協議する地域協議会において、地域の実情を踏まえた協
議等が行われるよう、関係行政機関のほかに、地域の実情に精通した関係者の参加が求められる。
よって国においては、外国人技能実習制度が適正に運用されるよう、下記の事項について取り
組むよう強く要望する。
記
1 技能実習計画の審査や実習実施者等への実地検査の実施などに当たっては、法の規定に従っ
て、より厳正に対処すること。
2 実習生が安心して実習に臨めるよう、相談・支援に加えて、母国語で事前の説明が受けられ
る体制を構築すること。
3 技能実習が適正に実施されるよう、地域協議会の構成員に、地域の労使団体及び実習生を支
援する団体の関係者を加えること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年7月10日
衆議院議長 内閣総理大臣 総 務 大 臣
参議院議長 財 務 大 臣 内閣府特命担当大臣 あて
(消費者及び食品安全)
静岡県議会議長 渥美 泰一
地方消費者行政の充実・強化に関する意見書(案)
インターネットの普及や高齢化の進展など社会情勢の変化を背景として消費者問題が複雑化・
多
様化する中、地方公共団体の消費者行政の取り組みは、これまで国による地方消費者行政推進交
付金等の措置によって一定の前進が図られてきた。
しかし、この交付金措置については制度の見直しがあり、今後、国による現行の交付金の活用
期限が段階的に到来する中、地方公共団体における消費者行政の取り組みの後退が懸念されてい
る。
地方公共団体が行う行政処分や国への重大事故情報の提供などは、その地域における消費者被
害の防止や悪質事業者対策のみならず、我が国全体の利益に資するものであることを踏まえると、
国は、地方公共団体の自主的な財源確保を求めるだけでなく、恒久的な財政支援を行う必要があ
る。
加えて、成年年齢引下げを見据えた若い世代への消費者教育の展開や高齢者等の消費者被害を
防止するための消費者安全確保地域協議会の設置など、新たな課題に対応する必要性が強まって
おり、よって国においては、地方消費者行政の充実・強化を図るため、下記事項について取り組
むよう強く要望する。
記
1 現行の地方消費者行政推進交付金の継続・拡充はもとより、我が国全体の利益に資する取り
組みについて団体における消費生活相談員等の専門人材や消費者行政を担当する専任職員を確保す
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年7月10日
衆議院議長 内閣総理大臣 総 務 大 臣
参議院議長 財 務 大 臣 厚生労働大臣 あて
静岡県議会議長 渥美 泰一
旧優生保護法により強制不妊手術を受けた被害者の救済を求める意見書(案)
昭和23年に施行された旧優生保護法は、知的障がいや精神疾患などを理由に本人の同意を得ずに
優生手術を行うこと(強制不妊手術)を認めていたが、平成8年に、障がい者差別につながる条文
を削除して、母体保護法に改正された。
厚生労働省によると、旧優生保護法のもとで不妊手術を受けた障がい者等は約25,000人であり、
このうち、約16,500人は本人の同意を得ずに行われていたとされている。
強制不妊手術は、人が子どもを産み育てるかどうかを決定する権利と機会を奪うという重大な人
権侵害行為であり、同様の強制不妊手術が行われていたドイツやスウェーデンでは、既に当事者に
対する補償等の措置が講じられている。
法改正から20年以上が経過しており、旧優生保護法のもとで強制不妊手術を受けた被害者の多く
が高齢化していることを考慮すると、我が国においても一刻も早く救済措置を講じる必要がある。
よって国においては、下記事項について取り組むよう強く要望する。
記
1 都道府県や医療機関等と連携し、速やかに強制不妊手術の詳細な実態調査を行うこと。
2 強制不妊手術を受けた被害者に対する補償等の救済措置を一刻も早く講じること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年7月10日
衆議院議長 財 務 大 臣 国土交通大臣
参議院議長 総 務 大 臣 環 境 大 臣 あて
内閣総理大臣 農林水産大臣
静岡県議会議長 渥美 泰一
ヒアリ等外来生物対策の推進を求める意見書(案)
日本では、既に多くの外来種が国内で繁殖して野生化し、種によっては在来種の駆逐、農林水産
物への加害、人間生活への悪影響といった問題を引き起こしている。
中でも強い毒を持ち、刺されると激しい痛みを感じ、アレルギー反応を起こして最悪の場合は死
に至ることもある南米原産の特定外来生物のヒアリは、平成29年6月9日に兵庫県尼崎市において
国内で初めて確認され、これまでに本県を含む複数の都府県で港湾施設のみならず他の物流の拠点
でも確認されていることから、引き続き警戒が必要である。
ヒアリは、人体への被害に加え、農作物や家畜にも大きな被害を及ぼすことから、絶対に定着を
許してはいけない生物の1つであり、国内全域において、侵入の初期段階から根絶までの徹底的か
つ継続的な対策が必要である。
また、本県においては、同じく特定外来生物であるアカカミアリが確認されており、ヒアリより
も毒性は弱いものの、ヒアリとともに県内への侵入を防ぐため、早期発見と防除のための対策を継
続しているところである。
しかしながら、現在の外来生物の調査及び防除対策は、国が主体となって実施しており、セアカ
ゴケグモ、アライグマ、カミツキガメなども含めた外来生物の防除施策を着実に推進していくため
には、国と地方公共団体とが連携した対策を講ずることに加え、民間事業者等による防除対策の実
施が必要である。
よって国においては、ヒアリ等外来生物対策を推進していくため、下記の事項について取り組む
よう強く要望する。
記
1 国内全域を対象とした調査及び防除対策を継続して実施するとともに、ヒアリ等の定着が確認
されているコンテナ等の搬出国に対して、防除対策の確実な実施を要請すること。
2 調査及び防除対策の実施に当たっては、地方公共団体と緊密な連携を図るとともに、地方公共
団体に対し必要な財政的措置を行うこと。
3 民間事業者等による外来生物の防除等の実施に対する財政的支援制度を創設すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
○議長(渥美泰一君) 議事日程に追加して、意見書案の件を議題とすることに御異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○議長(渥美泰一君) 異議なしと認め、これを一括して議題とします。
お諮りします。
本意見書案は趣旨が明瞭でありますので、説明及び委員会付託を省略し、それぞれ原案どおり可決することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○議長(渥美泰一君) 異議なしと認めます。本意見書案は、それぞれ原案どおり可決されました。
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