• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 答弁文書

ここから本文です。

本会議会議録

答弁文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成25年6月静岡県議会定例会

中澤 通訓 議員(富士の会)の 一般質問 に対する答弁

(質問日:07/23/2013番目)
答 弁 者知事


○副議長(渥美泰一君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 中澤通訓議員にお答えいたします。
 初めに、“富士の国”づくり国民の会(仮称)についてであります。
 私どもの愛する富士山が去る六月二十二日、世界文化遺産に認定され正式に登録されました。この富士山を世界文化遺産にするにつきましては、県議会の皆様を初め県民の各層そして国民、内外の人々の厚いサポートがあったから可能になったわけでございます。六月二十二日までは、まことに富士山を世界遺産にするための我々は努力を傾注してきたと言っていいと思います。しからば富士山が世界文化遺産になった後、すなわち現在我々は何をなすべきかということが問われていると存じます。
 富士山は、日本の国土のシンボルであります。まさにそのシンボルに恥じないような地域づくり、国土づくりというのが求められているのではないかというふうに存じます。そしてそれを進めるに当たりまして、どのような理念に基づくべきかということが問われると存じます。
 これは、私どもが平成二十三年二月二十三日の富士山の日にふじのくにづくり宣言として世に問うたものがベースになるかと存じますけれども、富士山は活火山です。ですからやはり第一に自然に対する畏怖の念、あるいは平時においては美しゅうございますから広く畏敬の念と言っていいかと存じますけれども、やはり第一に自然に対する畏敬の念を失わないことというのが出てくるかと存じます。またそれと裏腹をなしますけれども天災は、あるいは火山の噴火は、いつ襲ってくるかわからないということでございますので、第二に危機管理というのを怠らぬことというのが出てくると存じます。第三に富士山は、いつ、誰が、どこから見ても最高のものであり美しゅうございます。したがって、これは生活環境あるいは自然環境、また心も含めて美しくあるべきことというのが第三の理念として出てくると存じます。先ほど申しましたごとく富士山は人、ところ、場所を問わず時を問わず永遠の芸術とも言われるように誰にとっても最高の存在でありますから、まさに多様性の和というように言えますから、第四に和というものを大事にするということが出てくると存じます。第五にやはり今のように富士山が荒々しい赤茶けた姿を出されるときから、初冠雪を経て、そして白雪をかぶるような時期が来ます。すなわち四季の姿が違うということでございますので、四季の変化に対して鋭敏な感受性を涵養するべしというのが第五に出てくると存じます。また第六には富士山の白雪というのは水でございますので、水が太陽と合わせますと生命を生みます。その自然の恵みというのを大切にするというのが第六の理念になると存じます。また富士は「不死」とも書きますから健康長寿、健康寿命というものを大切にすべしというがのが第七の理念になると存じます。また富士山は今のように「富」という字と徳のある立派な人という意味での「士」というのを書きますので、富国有徳というのが第八の理念として出てくるかと存じます。ほかにも出てくるかと存じますけれども、差し当たって富士山の姿が末広がりの八と連動しているということで、こうした八つの理念をベースにした地域づくり、国土づくりをしなくちゃならんというふうに思うわけでございます。
 そして、それが国民の会というような広がりを持つ理由は何かといいますと日本の各地には、富士山への憧れから北海道の蝦夷富士、あるいは鹿児島の薩摩富士等々富士と名のつくふるさと富士が三百四十座以上あるということが根拠でございます。それぞれの山には富士山のシンボル性が託され、それぞれの地域の自慢の文化まさにおらが富士という言葉があらわしていますように、それぞれの地域の歴史、文化、伝統のシンボルでもあるわけでございます。
 さて、そうした地域づくりを何と呼ぶかといったときに我々は、誰が言うともなくふじのくにというふうに自称してきました。もうその歴史は三十年以上になります。ところが隣の山梨県もまた富士の国と自称しているのであります。この間、文化庁長官に新しくなられた青柳さんのところに御挨拶に参りましたらば、漢字で「富士の国」というのぼりが立っているのでびっくりしましたところ、陰に隠れて見えなかったのが山梨県、「富士の国やまなし」と漢字で書いてあったわけですが、ことしは国民文化祭をやっているということで、山梨県の人もそこにいたので、「あんたのところは甲斐の国ではないのか」と言ったら、「それは武田が支配した時代であって、今は富士の国と自称している」ということでございました。同じように私どももふじのくにという尊称を持っているわけでございます。
 そこで、山梨県と静岡県とは、これまで富士山を世界文化遺産にするために共同歩調をとって今は本当に二人三脚の状態でございます。そしてまた議員御指摘のように五、六年後には中部横断自動車道が清水から甲府の双葉ジャンクションのところにまで通じます。そうしますと、ますます一体感というものが広がるでしょう。そうしたことから富士の国づくりというふうに言うことができるということでございます。この富士の国づくりにつきましては、これまで富士山の清掃活動にたくさんの人がかかわってこられましたし、また王貞治元巨人軍監督のように地域の富士山の清掃活動に尽力されてきた方もいらっしゃることを最近私は知ったわけでございますが、そうした全国の自治体、NPO、さらに今回の電通のように企業の方々にも参加を呼びかけまして、富士の国づくりを国民全体の運動として展開したいというふうに考えております。差し当たっては、霊峰富士が位置しております山梨県と静岡県に事務局を置くと。そして主な事務は、私どもが言い出しっぺになりましたので静岡県が行うということで同意を得ているわけでございます。まだ組織というものはございません。これからできれば来年の富士山の日を目指して、何らかの組織体にしていきたいというようなことでございます。差し当たって最高顧問には文化勲章を受章されました、「草木国土悉皆成仏」、「国土は富士なり」というお言葉があります梅原猛先生が御内諾をいただいているというところでございます。
 この国民運動を展開することによりまして、この近代の時代が革命と戦争の時代であったと。我々はこの二十一世紀、環境の世紀と言われるように、自然と人間とが相調和して持続可能な環境を保持していかなくちゃならんということでございますので、こういう時代を開くために、すなわちポスト近代、あるいはその近代の日本における拠点であったのが東京でありますので、ポスト東京時代を開くという志を持つということです。そして、もちろん富士山が各地域にそれぞれの歴史、文化、伝統を持ったものでありますから、地域自立というものの拠点にするということでもあります。
 そうしたことで、我が国が育んできた自然と共生する気持ちを呼び起こして、富士の姿にふさわしく世界から尊敬される、気高く強靱で美しい国づくりを目指してまいりたいということでございます。
 次に、富士山世界文化遺産登録についてのうち、三保松原の海岸保全と景観についてであります。
 三保松原の海岸では、昭和六十年ごろから安倍川の土砂供給の減少が要因となりまして海岸の侵食が進んでいます。これまで静岡県では、学識者などから成る清水海岸侵食対策検討委員会というのを立ち上げておりました。その議論を踏まえて景観にも配慮し、突堤や消波堤などの必要最小限の構造物設置と継続的な養浜を組み合わせた対策を実施してまいりました。
 ところが、こうした対策の結果出てきた景観というものがあります。これが昨年の秋にイコモスの調査員がお越しになられて景観的によくないという御印象をお持ちになり、かつことしの四月末、日本時間で五月一日のイコモスの勧告によれば、三保松原の景観はよくないということを明確にうたわれています。かなり強い調子でうたわれているわけでございます。したがって、この三保松原をどうするかというのは、この三保松原が富士山世界文化遺産の構成資産として登録されただけに極めて重要な課題として我々に迫っているわけでございます。そのことで私どもは、二〇一六年二月一日までに保全状況報告書を提出しなければなりません。世界文化遺産にふさわしい景観改善への道筋を明らかにすることが義務になっているわけでございます。
 この課題を解決するためにどうすればいいか。高潮災害などに対する地域住民の皆様の安全・安心の確保というのがこれまでの海岸に対する、三保松原に対する態度だったわけです。一方、世界遺産としての価値の保全をもしなくちゃならない。つまり景観に配慮しなければならないということになりました。このため、海岸工学や景観の専門家と国、県、市から成る新たな組織を立ち上げる必要を感じまして、それを立ち上げることにいたしました。差し当たって、その名称は(仮称)三保松原白砂青松保全技術会議ということになっております。三保の海岸の将来像といたしましては、砂丘の自然回復により、かつての景観を取り戻すことを目標としています。それまでには多くの年月を要すると見込まれますので、砂浜が回復するまでの間、構造物の高さや浜を養生する養浜方法の見直し、消波堤にかわる景観のすぐれた工法などさまざまな観点からの検討を進めて、海岸保全と景観改善の両立を図ることにいたしました。
 県としましては、海岸だけでなく周辺の松林や駐車場、売店など全体の景観の改善に国、市と連携して取り組み、三保松原をさらに富士山世界文化遺産の構成資産としてふさわしい状態で未来に引き継ぐという決意を立てたところであります。 
 そこで、先ほど議員からその功績をたたえられました近藤前文化庁長官に依頼をいたしまして、先ほどの(仮称)三保松原白砂青松保全技術会議の座長をお引き受けいただく御内諾を得たところでございます。そしてこの近藤前長官を座長といたしまして、本県からはトップ、すなわち元建設省の森山副知事、また市のほうからは国交省の副市長、そしてまた国のこの方面における最高の技術審議官等をお招きして、今年度末までにはどういう工法でやるのがいいかという、そうしたことを県民の皆様方にあるいは広くお見せをいたしまして、そしてまたパブリックインボルブメント等をいただいた上で、そして海浜の養生に、また景観の改善に入ってまいりたいという、そういう考えでおります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長及び教育委員長から御答弁を申し上げます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp