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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成29年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

林 芳久仁 議員

質問分類

一般質問

質問日:

03/02/2017

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 清水港の港湾計画について
2 南海トラフ沿いの地震に関する防災対応の見直しについて
3 市町への権限移譲について
4 下請企業対策について
5 障害者スポーツの振興について
6 しずおか寺子屋創出事業について
7 交通安全施設の充実について


○議長(鈴木洋佑君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十九番 林 芳久仁君。
       (六十九番 林 芳久仁君登壇 拍手)
○六十九番(林 芳久仁君) 午前中の緊張感とちょっと劣りますけどもよろしくお願いします。私はふじのくに県民クラブの一員として、通告に従い知事、副知事、関係部局長及び教育長、警察本部長に対し一括質問でお願いいたします。
 初めに、清水港の港湾計画について伺います。
 清水港の港湾計画は、平成十六年七月に大きく変更され、現在この港湾計画に基づき新興津地区の国際海上コンテナターミナルを初め人工海浜や小型船だまりなど、物流のみならず港湾の環境整備や漁業振興などさまざまな事業が進められております。
 また、国においては近年我が国を取り巻く社会情勢の大きな変化を受け、観光交流人口による日本再生を目指し昨年三月に策定した明日の日本を支える観光ビジョンにおいて二〇二〇年には訪日外国人四千万人、さらに二〇三〇年には六千万人といった大きな目標を掲げました。その内訳としては二〇二〇年にクルーズ船の訪日外国人五百万人も含まれており、国を挙げてクルーズ振興に取り組んでいく時代となってまいりました。
 清水港においても、長年にわたる清水港客船誘致委員会による積極的な誘致活動や平成二十五年の富士山世界遺産登録を追い風に近年クルーズ船の寄港隻数が順調に増加しており、平成二十七年の十一隻から昨年――平成二十八年には十八隻と伸び、さらにことしは、平成二十九年は現在直近の予約ベースで四十三隻を上回るということで聞いております。このように昨年に比べて二・六倍増となる寄港が見込まれる中で、二〇三〇年には百五十隻以上の寄港を目指す取り組みとしていくと伺っております。
 現行の港湾計画では、国の方針を先取りする形でクルーズ船が接岸する日の出地区の物流機能を興津地区へ移転し、にぎわいの拠点を整備することが既に位置づけられております。これに加え今般清水港が官民連携による国際クルーズ拠点を形成する港湾に選定されたことから、さらなるクルーズ振興と交流拠点化が図られるものと期待します。一方清水港の湾の奥に位置する折戸湾ではプレジャーボートの公共の係留施設が整備されたものの、水面貯木場として利用されてきたときのコンクリートの支柱が取り除かれた部分もありますけれども現在でも四百数十本近く残っており、広大な水面と空間が利用されなくなっていることから早々に折戸湾周辺の新たな利用計画の策定が必要となっております。
 このように、現在の港湾計画となってから十年以上が経過し清水港を取り巻く社会情勢は大きく変化していることから、新たな時代の要請に応えていく必要があると感じております。
 そこで、県は今後どのように港湾計画の変更を求めていくか伺います。
 次に、南海トラフ沿いの地震に関する防災対応の見直しについて伺います。
 昨日、同僚議員のほうからこの点についても若干質問がありましたけれども、改めてお伺いしたいと思います。
 大規模地震対策特別措置法いわゆる大震法は、想定される東海地震の発生に備え地震予知、防災計画、避難などについて定めた法律です。この法律には地震発生に関係する異常現象が検知され東海地震の発生が予測された場合、本県を含む一都七県百五十七市町村が対象となる地震防災対策強化地域に対して警戒宣言が発令されるスキームが規定されております。さらにこの警戒宣言が発令された場合にあらかじめ定めた防災計画に基づく応急防災対策を実施することにより住民等に対する被害を最小限に抑えることとされており、昭和五十三年の本法律の制定以降本県の地震対策を進める上で大きなよりどころとなっております。
 しかしながら、近年確度の高い短期的な地震予測が困難とされ、加えて東海地震は単独で発生するより東南海・南海地震と連動する可能性が高いとされたことから、いわゆる東海地震の予知を前提とした大震法は現状に即していないと考えられるようになってきました。
 そこで、国は防災対策実行会議の下にワーキンググループを設置し、東海地震予測の現状を踏まえ南海トラフ沿いの地震観測や観測結果の評価体制、観測・評価に基づく地震防災対策のあり方について検討を行っており、関係自治体である本県や高知県も参加しております。また当初ことしの三月で集約されるとしたワーキングチームは議論がたくさん出て、その後も継続することになっております。
 昨年九月に行われた第一回目の会合以降これまで三回のワーキンググループが開催され、主に地震予測の現状と対応について議論が重ねられたと聞いておりますが、これまでのワーキンググループで三回目の会議では多くの議論がされたことから、どのような方向性が示されたのか改めて伺います。
 また、このワーキンググループでの検証結果によっては関連する法律の改正などもあり得ます。本県は全域が地震防災対策強化地域に位置づけられたことから、大震法の見直しは今後の本県の地震対策のあり方にも大きな影響を及ぼすことが予想されます。より実情に即した本県の地震対策を推進するためにもワーキンググループでは毎回積極的に発言をしていく必要があると考えますが、この点についてお考えをあわせて伺います。
 次に、市町への権限移譲についてであります。
 本県では、平成十一年の地方分権一括法の施行に先駆けて策定した平成十年からの権限移譲推進計画以降数次の計画の推進により平成二十八年四月一日現在移譲対象法律数は百二十八本と十二年連続の日本一の実績を誇っているところであり、これは大変喜ばしいと受けとめております。
 我が会派は、平成二十六年度に本県における市町への権限移譲のあり方に関する実態調査報告と今後の取り組みについての提言書を川勝知事に提出をいたしました。提出後、既に二年余を経過しております。
 提言に当たり、権限移譲事務の実態について全市町を対象としたアンケート調査を行った三十五市町全ての回答をいただいております。特に迅速化した事務があるとか独自性を発揮した事務があるとかといった権限移譲の効果を評価する意見がある一方、権限移譲の課題として専門職員の確保が困難であるとか事務処理頻度が低い事務についてノウハウの蓄積が困難といった回答や財政支援が不足しているとの意見もありました。
 移譲を受ける市町としては、措置される権限移譲交付金が多ければ多いにこしたことはありませんが交付金を増額すれば市民サービスの向上につながる事務処理ができるというわけではありません。限られた人員、財源で事務を遂行していく市町に対し適正な事務経費の交付は必要不可欠であります。さらに権限移譲を受けた市町の問題ではありますが、人事異動に伴い事務処理に熟達するまでに時間を要しその間の権限移譲事務の効果的な運用に懸念があるとの声も聞かれております。
 県においては、権限移譲に当たっては従来から市町と十分な協議を行い調整が整った事務を移譲しているものと認識しておりますが、県と市町がともに移譲を希望している事務、言いかえれば真に移譲の効果がある事務をいかにリストアップし、スムーズな移譲を進める上で県がどのような支援を行っているのかお伺いさせていただきます。
 権限移譲対象法律数という量の評価にとどまらず、効果的な権限移譲を行っていることの認識を高めることで名実ともに権限移譲先進県と胸を張ることができるようになるのではないでしょうか。
 そこで、これまでの県議会や我が会派の提言を踏まえ県では新たな権限移譲推進計画を策定し、今後権限移譲をどのように進めていくのか伺います。
 次に、下請企業対策について伺います。
 平成二十八年十二月、県中小企業・小規模企業振興基本条例が公布、施行されました。この条例の前文にあるとおり、本県の企業の大部分を占める中小企業、小規模企業は地域の経済や雇用を支える担い手として重要な役割を果たしております。
 この条例では大企業の役割についても規定されております。それによれば中小企業、小規模企業と大企業は連携、協力して事業活動を行うよう努めるとされており、大企業が中小企業、小規模企業にコストやリスクをしわ寄せするのではなく相互に恩恵を受ける関係をつくり上げ、中小企業、小規模企業における賃上げに向けた環境が整備されることが重要であると考えます。
 しかしながら、取引上優位な地位に立つ大企業や親事業者が、下請企業に対して一方的に自社の有利な取引条件を強要する事例は全国でも多くあるとのことです。多くの下請企業は取引停止などを恐れて声を上げることができないのが現状ではないでしょうか。私はこれは民間の契約に限った話ではなくて公共事業の下請にも同様のことがあると考えております。
 こうした中、国では下請取引条件の改善を図るため、昨年の十二月に下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準及び下請振興法振興基準の改正を行うとともに、関係事業団体に対し下請代金の支払いについての要請を行いました。また中小企業庁は下請取引の適正化を図るため、来年度から新たに五十人の調査員を全国各地の中小企業千社に派遣するとの報道がされております。
 このように国が積極的に対応している中、県として下請企業対策についてどのように取り組んでいくのか改めて伺います。
 次に、障害者スポーツの振興について伺います。
 昨年夏のリオデジャネイロパラリンピックでは本県選手が大活躍をし、六人のメダリストが誕生するなど県民に大きな勇気と感動を与えてくれました。一躍脚光を浴びることになった障害者スポーツの体験会には多くの人が参加し、スポーツを楽しんでいる様子がテレビや新聞などで報道されるようになりました。障害のある方もない方も一緒になって車椅子バスケットやボッチャなどに挑戦する姿は共生社会の実現を期待するものであります。
 さて、三年後に迫った二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック、そしてその先の障害者スポーツを考えますと私たちには解決すべき大きな課題があるように感じられます。それは指導者や審判員さらにはボランティアの方々など競技を支える人材を育成しなくてはならないということであります。指導者が不足しては競技人口をふやすことはできません。
 昨年のことでありますが、日本知的障がい者サッカー連盟や日本電動車椅子サッカー協会など七つの障害者のサッカー競技団体が連携して日本障がい者サッカー連盟を発足させ日本サッカー協会に加盟しました。それは障害のあるなしや障害の種別といった垣根を越えてまとまることにより認知度を高め、選手とボランティアの確保などにもつなげようという狙いだそうです。新しい障害者スポーツのあり方ではないでしょうか。
 私は、スポーツ王国静岡の復活のため障害のある人にとってもスポーツを楽しんでもらい障害のあるなしを問わず誰もが気軽にスポーツを楽しむことができる環境づくりが大切であると考えております。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックを控え、障害者スポーツに対する理解と関心はこれまでにないほど高まっているのでないでしょうか。
 しかし、本県の状況を見ると最も盛んなサッカーですら全国七団体のうち三団体の支部があるにすぎません。他の種目についてはバスケットボール車椅子協会、ラグビー車椅子協会、陸上競技連盟などがあるぐらいであります。
 このような状況も踏まえ、まずは県としてアスリートの育成を含めた障害者スポーツの振興に向けどのように取り組んでいくのか改めて伺います。
 次に、しずおか寺子屋創出事業についてであります。
 先日、私は静岡県体育協会が昨年の春から始めているくさなぎ寺子屋という取り組みを視察しました。この取り組みは小学三年生から六年生までを対象にさまざまなスポーツを体験し児童が自分に合ったスポーツを見つけるとともに、学習とスポーツの両立を目指し学習と運動の切りかえができる力を身につけることを目的に行われております。定員は三年生、四年生、五年生が二十五名、六年生が五十名。学習課目は国語、算数で学年ごとのプログラムが組まれております。
 ここでは毎回スポーツを行う前に一時間程度学習する時間が設けられております。児童が自分で宿題を持参し漢字の書き取りや計算ドリルなどさまざまな学習に取り組んでいるところを、体育協会の職員とともに大学生が熱心に指導している姿が見受けられました。今回特に教員を目指す大学生の話を聞くことができました。参加している子供たちが落ちついて学習に取り組む様子がとても印象深く、これは非常によいものであると感じました。
 近年、子供の貧困や家族形態の変化による子供の孤立化が問題視され、子供たちの置かれる状況が大きく変わっているところであります。そのような中で子供たちが放課後に学習できる機会を提供するこういった取り組みは大変意義のあることであり、ぜひ県内において広がっていってほしいと願っているところであります。体育協会は今年度藤枝の県武道館を会場に二カ所目の寺子屋を実施する準備を進めております。
 そして、この取り組みが広がっていくためには地域の方々や県内の大学生などの協力は不可欠なものだと考えます。また学校の教員を目指している大学生などにとっても教員として学校現場に入る前に子供たちと直接かかわっていくことも非常に有意義なことであります。
 教育委員会は、二十九年度からしずおか寺子屋を創出、大学生や地域の協力を得て放課後の学習支援を計画しているとのことでありますが、どのような目的と内容で事業を進め子供たちを支援していくのか伺います。
 次に、交通安全施設の充実について伺います。
 平成二十八年中の県内の交通事故は、件数、死者数、負傷者数のトリプル減を達成しました。特に死者数は統計を取り始めてから、昭和二十八年以降で過去最少となる百三十七人までに抑止することができたとのことであります。県警察を初め関係の皆様の御尽力に対し敬意を表するものであります。
 県警察では、年間死者数を百二十人以下とする数値目標を定めさらに取り組みを進めていると承知しておりますが、これを達成する上で年々増加する高齢運転者への対策が大変重要な課題となります。この三月には臨時の認知機能検査等を内容とした改正道路交通法が施行されるなど制度の充実が図られております。これとあわせ人に優しい交通安全社会の実現に向けて交通安全施設を充実させることが最も重要であります。
 実際のところ、地域の皆さんからは信号機や横断歩道等の新設、老朽化した交通規制標識や規制表示の明確化あるいは信号灯器のLED化等、交通安全施設の充実を求める要望が私ども県議会議員に対して日常的に寄せられてるのであります。
 このように、昨年末全国における信号灯器のLED化について警察庁が公表したところによりますと、本県のLED化は車両用灯器、歩行者用灯器とも残念ながら全国よりも低いものでありました。本県は比較的面積が広く既存の信号灯器が多数あるため予算の関係含めやむを得ない面がありますが、特に全国平均から大幅に劣るという状況にあります。LED灯器は従来の電球式灯器に比べて視認性にすぐれるほか、朝日や夕日による疑似点灯現象が起きにくいとされております。信号灯器のLED化は喫緊の課題である高齢者対策に欠かすことのできない重要な施策であると考えます。
 また、御承知のとおり本県ではラグビーワールドカップ二〇一九、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の一部競技が開催されます。世界各国から多数の方々の来県が予想されることから、これらの方々の受け入れにふさわしい安全かつ快適な道路環境の整備が求められると思います。
 そこで、県警察において、信号灯器のLED化の取り組みを初めとする交通安全施設の充実についてどのように取り組んでいくのか伺います。以上について答弁を求めます。
○議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 林議員にお答えいたします。
 障害者スポーツの振興についてであります。
 障害者スポーツの意義は、障害のある人に健康の増進や生きがいを与えるだけでなく障害の有無により分け隔てられることのない社会の実現を目指すところにあります。障害者スポーツの裾野を広げその振興を図っていくためには、障害者アスリートはもちろん指導員や審判員など障害者スポーツを支える人材の育成とともに障害のある人もない人もともにスポーツを楽しめる環境を整備していくことが重要であります。
 県では、障害のある方々が参加するわかふじスポーツ大会を通じまして毎年六百人以上のボランティアの方々を育成してまいりました。指導員や審判員などの人材につきましても障害者スポーツに初めて取り組む方に適切な指導ができる指導員の養成講座や障害者スポーツ競技団体が行う審判員の養成講座への支援を毎年実施しております。
 昨年のリオパラリンピックでのアスリートたちの活躍は、多くの国民に感動を与え改めて障害者スポーツの振興が共生社会の実現に大変役立つものであることを実感いたしました。また特に本県出身の選手の活躍は目覚ましいものがありました。リオの前のパラリンピックのときには本県選手が獲得したメダルは二つ、しかも銅メダルが二つでした。しかし今回は銅メダルが三つ、銀メダルが四つ、日本全体で二十四のメダルを獲得したわけですがその三分の一弱は本県の選手、本県の出身の選手が獲得したものであります。
 そこで、私どもはこの本県から出られた選手十二名の全ての方たちに静岡県障害者スポーツ応援隊になっていただき快く引き受けていただきまして、障害者スポーツの普及啓発にかかわる講演や実技指導を行っています。パラリンピック以降の御活動といたしまして応援隊の母校を訪問、部活動の指導、障害者アスリートの発掘事業でのトークショー、あるいは体験教室の開催、県共催でやったものでございますが第十二回障がい者スポーツ指導者全国研修会でのシンポジウムの開催、あるいは障害者スポーツ応援隊任命式におきまして皆様方にその趣旨を理解していただきやる気を見せていただいたのは記憶に新しいところでございます。このように障害者スポーツを支える人材の育成に力を注いでいるところであります。
 障害者アスリートの育成につきましては、これまで国際大会などに参加する遠征費用等への助成はしてまいりましたが、来年度からは新たな取り組みといたしまして障害者アスリートに対しましてもオリンピックアスリートと同様の助成制度を創設することといたしました。競技活動に安心して集中していただき競技力を伸ばしていただくことができる環境を提供するという趣旨でございます。
 今後とも、市町や県障害者スポーツ協会を初め日本障がい者スポーツ協会など障害者スポーツの全国組織とも連携し、競技体験会や指導者向けの研修会を実施するなど障害者スポーツの裾野の拡大と人材の育成に努めます。また障害のある人ない人も誰もが気軽に心からスポーツを楽しむことができる、それがスポーツ王国静岡であるという、そのようなスポーツ王国静岡の実現に向け、障害者スポーツの振興に全力で取り組みます。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(鈴木洋佑君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 清水港の港湾計画についてお答えをいたします。
 県では、物流や観光交流などに対応する多様な機能を持った質の高い港湾空間を形成するため、平成十六年に変更した港湾計画に基づき新興津地区へのコンテナ貨物の集約化や、江尻地区、日の出地区への観光交流機能の導入など埠頭全体の再編を進めているところです。
 こうした中、ことし一月に国土交通省により官民連携による国際クルーズ拠点を形成する港湾に選定されました。清水港が目指す北東アジアクルーズの東日本における拠点化を実現するためには、日の出地区において大型クルーズ船の二隻同時接岸が可能とする岸壁とする必要があります。このため岸壁の改良について関係者との調整を進め、年内をめどに日の出地区に関して港湾計画を変更をしてまいります。
 また、県と静岡市は港づくりとまちづくりの連携の観点から国際港湾都市にふさわしい都心地区の将来像として清水都心ウオーターフロントを地区開発基本方針を検討しております。今月中に策定する予定です。また折戸地区については高い潜在的発展性を備えている大変魅力ある場所と考えております。先月地元経済界により美しい水辺空間と富士山の眺望という折戸湾が有する高い潜在力を最大限生かした折戸湾周辺の再開発プランが示されたところです。
 今後は、この計画内容を参考にしつつ、開発基本方針を踏まえて民間投資が得られるような土地利用や水域利用計画の検討を進め、必要に応じて港湾計画を変更してまいります。
 県といたしましては、ものづくり県静岡を支える物流機能に加えクルーズ新時代に対応し、清水港が日本を代表する国際拠点港湾としてさらなる飛躍を遂げるようみなとまちづくりを推進してまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 外岡危機管理監。
       (危機管理監 外岡達朗君登壇)
○危機管理監(外岡達朗君) 南海トラフ沿いの地震に関する防災対応の見直しについてお答えいたします。
 国の南海トラフ沿いの地震観測評価に基づく防災対応検討ワーキンググループは、大規模地震の予測可能性やその確度の検証を行うとともに、南海トラフ沿いの地震観測とその評価体制やそれに基づく地震防災対応のあり方等について検討を行うものであります。
 会合は、昨年九月から本年一月までに計三回開催されており今後も来年度にかけ継続して検討が続けられる予定です。会合においては現状では大規模地震について確度の高い地震予測は困難とした上で、南海トラフの東側の領域の破壊する大規模地震が発生した場合、南海トラフで比較的規模の大きな地震が発生した場合、東北地方太平洋沖地震で先行して観測されたものと同様の現象が多種目で観測された場合、東海地震の判定基準とされるようなプレート境界面での滑りが見られた場合等地震発生につながる可能性のある現象が発生したときにとるべき行動等について議論が始められたところです。
 県といたしましては、例え現状では確度の高い地震予測は困難としても地震発生から津波到達まで時間的余裕のない地域にお住まいの方々など一人でも多くの命を救うために何ができるのかという観点から検討が進められるべきであること、現在の大規模地震対策特別措置法の枠組みについてはその基本を維持しつつ対象となる地域や防災対応のあり方については現状を踏まえた実効性の高いものとすべきであることなどを主張し、命を守る危機管理の充実に向けて積極的に提言してまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 森政策企画部長。
       (政策企画部長 森 貴志君登壇)
○政策企画部長(森 貴志君) 市町への権限移譲についてお答えいたします。
 本県は、基礎自治体である市町が自立性を高め、地域のことはそこに暮らす人々がみずから判断しまちづくりを進めることが最も重要であると考えております。その考えをもとに権限移譲に向けた取り組みを全力で進めた結果、十二年連続で権限移譲法律数日本一となりました。
 本年度、全市町が参画する県市町権限移譲推進協議会を新たに立ち上げました。そこで権限移譲の効果や課題、受け入れ希望事務などについて市町の皆様と丁寧に協議、検証を重ね新たな権限移譲推進計画としてまとめ、本議会での御審議を経まして年度内に成案を得たいと考えております。
 次期計画は、基本方針を地域自立を実現する静岡型権限移譲の推進と定め、移譲効果の高い事務を他の市町へ拡大すること、単独で担うことが難しい事務を市町間連携によって処理すること、PDCAサイクルによる効果の検証と改善を行うことなどに取り組むとともに、調整が整いました二十三法令二百六十七事務を移譲し、市町の自立、自治能力の向上を図りたいと考えております。
 さらに、県議会、地方分権推進特別委員会やふじのくに県民クラブの皆様からいただきました貴重な御提言を次期計画に反映するとともに、市町の御意見を十分に踏まえながら業務の専門性を確保したりノウハウの蓄積に向けてマニュアルの整理、研修の充実などを図ってまいります。また財源措置についても検証を行い、全市町参加の検討会を通じて権限移譲事務交付金の適性化を図り来年度当初予算案に反映するなど移譲事務処理の課題の解消にも努めております。
 今後とも、PDCAサイクルを徹底し市町の皆様と権限移譲の効果や課題を毎年度検証し、継続的な改善を図りながら計画を着実に推進してまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 篠原経済産業部長。
       (経済産業部長 篠原清志君登壇)
○経済産業部長(篠原清志君) 下請企業対策についてお答えいたします。
 県は、下請企業の取引条件や取引関係の実態を把握するため、毎年二回、県内五百社を対象に調査を実施しております。昨年七月に実施した調査では二百四十社から回答があり、発注企業の生産量の減少や価格競争の激化などにより受注量が減少するなど下請企業の経営環境は依然として厳しい状況にあるものと認識しております。
 このため、下請企業等の取引の拡大に向けて県内や首都圏での商談会を実施しており、昨年度は五十二件の取引が成立しております。さらに来年度は新たに首都圏担当の専門調査員を静岡県産業振興財団に配置し発注の掘り起こし強化を図ってまいります。
 下請取引の適性化につきましては、基本的に国の中小企業庁や公正取引委員会が権限を有し取り組みを進めておりますが、県といたしましても下請企業に不利益が生じないよう独自の施策を実施しております。具体的には発注企業を対象に下請代金支払い遅延等防止法に定める取引の適性化の周知徹底を図る講習会を東部、中部、西部の各地域で毎年開催しており、本年度は六百七十四人の方に参加していただきました。このほか苦情処理のための相談窓口を静岡県産業振興財団に設置するとともに、弁護士による法律相談を毎月一回実施しております。
 県といたしましては、今後とも中小企業・小規模企業振興基本条例の趣旨を踏まえ、下請企業の取引の適性化と受注拡大に向け国や関係機関と連携して積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) しずおか寺子屋創出事業についてお答えいたします。
 近年、経済的な事情や家族形態の変化等により家庭の学習環境が十分整っておらず家庭学習の習慣が身についていない子供が見られ、全国学力学習状況調査においても学習習慣が身についていない児童生徒の正答率が低いという傾向にあります。
 このことから、県教育委員会では子供たちが主体的に学習に取り組む習慣を身につけ学力の向上を図ることを目的に、地域の教育力を活用して放課後の学習支援を行うしずおか寺子屋の仕組みづくりを行ってまいります。
 このしずおか寺子屋は、既に地域住民によるさまざまな支援活動が行われている学校支援地域本部を核として学校の空き教室や公民館を会場に大学生や教員OBなど地域の方々の協力を得て行うものです。そこでは寺子屋コーディネーターが学校や地域、大学との連絡調整を行うなど運営の中心となり、家族や兄弟に囲まれたような暖かい雰囲気の中で学習できる環境を整え、一人一人の状況に応じた学習支援を行ってまいります。またふじのくに地域・大学コンソーシアムと連携し多くの大学生に積極的な参加を呼びかけるとともに、大学生サポーター登録システムの構築について検討してまいります。
 今後、三島市、島田市、袋井市の三市でモデル的に三年間実施し、得られた効果やノウハウをもとに学習支援の取り組みを全市町に拡大するよう目指してまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 筋警察本部長。
       (警察本部長 筋 伊知朗君登壇)
○警察本部長(筋 伊知朗君) 交通安全施設の充実についてお答えいたします。
 議員御指摘のとおり、LED灯器は従来の灯器に比べ視認性にすぐれているほか耐用年数は長く消費電力が少ないなどの利点があることから整備促進に努めているところであります。平成二十八年十二月末における県内の信号灯器のLED化率は車両用が三二・〇%、歩行者用が一八・七%であり、今後も信号機更新の機会を捉えるなどして整備を進めてまいります。
 また、県警察では喫緊の課題である高齢者交通事故防止対策としても効果の認められる道路標識の大型化・高輝度化・自発光化、横断歩道の高輝度化、そしてボタンを押すことにより青時間が延長する機能を有する歩行者用の高齢者等感応式信号機の設置を初めとする交通安全施設の整備充実にも取り組んでいるところであり、今後もこうした施設を効果的に整備していくとともに老朽化した施設の確実な更新に努めてまいります。このほか外国の方にもわかりやすいよう道路標識に英語を併記するなどの諸対策についても、現在警察庁で進められている関係法令の改正動向を踏まえるなどして着実に進めてまいります。
 さらに、御指摘のとおり本県ではラグビーワールドカップ二〇一九、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会の一部競技が開催されることから、関係者の安全かつ円滑な輸送を確保するため道路管理者等と連携して競技会場周辺の交通安全施設の整備に取り組んでまいります。
 県警察といたしましては、引き続き人に優しい交通安全社会の実現に向け交通安全施設の整備、充実に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 林 芳久仁君。
       (六十九番 林 芳久仁君登壇)
○六十九番(林 芳久仁君) それでは、御答弁いただきましてありがとうございます。
 再質問と要望をさせていただきます。
 まず、先ほど清水港の港湾計画の折戸湾の状況でありますけれども、民間の民活を利用してですね、経済界から出されている提案ですけども、これ追加として今後計画が固まり次第追加していくということでありますけれども、これ長い期間なものですから、折戸湾の活用がおおむねどのくらいを想定をしているのか改めてお伺いしたいと思います。
 それからあと市町への権限移譲についてでありますけれども、今るるお話がございましたように県下の三十五の市町をしっかりした検証もしながらこれからも移譲を進めていくということでありますけれども、今後県として市民サービス、町民サービスを含めてですね、この権限移譲をどれだけの部分を渡したらいいのかということで、概算でいいですけどもどのぐらいの本数なのか、今後ですね、ということでちょっとお尋ねをします。
 それからあと教育長のほうで今お話がございましたけども、要望でありますけども、県全体にこの寺子屋を広めていくということで大変結構なことでありますけれども、これもある程度は定着をして体制を整えないとなかなかそこまで進まないと思いますけども、やっぱり子供というのもそうですけども、特に小学生ですから体を動かすということも必要な分ありますので、このくさなぎ寺子屋、私見させてもいただいて非常に学習もですね、落ちついて学習をしているという部分もございますので、ぜひこのスポーツも将来というか余り先の話では困りますけども、そういうものを取り入れるようなこともあわせて市町の協力もいただきながら、また場所の問題もありますのでぜひその辺も含めてですね、しっかりやっていただきたいなということでありますのでよろしくお願いさせていただいて、私の質問を終わります。
○議長(鈴木洋佑君) 難波副知事。
○副知事(難波喬司君) 清水港の港湾計画についての再質問にお答えをいたします。
 折戸湾ですけれども、ほかの例えば新興津ですと公共事業を中心ですのでそこではある程度予定が立てられるわけですので、そういった面ではいつごろまでをめどにというお話ができると思います。日の出もそういうことですけれども、ただ折戸湾についてはこれ民間投資をぜひとも得たいと思っております。そうするとこちらの思ったとおりでやりたいというわけではなくて民間の投資が得られるような形とするのでいろいろ意向を聞いてみたりですね、市場のサウンディングみたいなこともしていかないといけないと思ってますので、それなりにやはり時間はかかるというふうに思っております。
 したがって、こちらについてはいつまでにというよりもできるだけ早くそうやって民間投資が得られるような計画をまとめるというのが大事だと思っております。以上です。
○議長(鈴木洋佑君) 森政策企画部長。
○政策企画部長(森 貴志君) 市町への権限移譲についての再質問についてお答えいたします。
 あと権限移譲数、どのくらいあるのかという御質問だったと思います。
 今、県として市町に権限移譲ができるもの、これを全庁挙げて検討して掘り起こしてきました。現時点でございますけれども百八法令千二百十三事務がふさわしいとして、そのうちの二十三法令二百六十七事務、これがですね、今回の計画に移譲するということで乗せたものでございまして、協議に至らなかったものもあと百一法令千百八十一事務、細かいですけれども現時点でそのくらいの規模の権限移譲に資するような法令があるということで認識しております。以上でございます。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

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