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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中澤 通訓 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/24/2023

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 県・政令指定都市サミットの再開について
2 世界文化遺産富士山について
(1)三霊山連携協定
(2)富士山保全協力金
3 サクラエビ漁について
4 パブリックコメントについて
5 教育行政について
(1)教員の充足に向けた取組
(2)学校におけるタブレット端末の利用


○議長(藪田宏行君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十三番 中澤通訓君。
       (六十三番 中澤通訓君登壇 拍手)
○六十三番(中澤通訓君) 五十五年前の昭和四十二年、二十三歳のときに自民党本部職員募集の新聞広告に応募、静岡県連の駐在員となったのが政治の道への第一歩でありました。前任者は元県会議員の天野進吾さんでした。県内組織の拡大のために県会議員と西東へ走り回り道中も含めて県議からは多くの薫陶を頂いたものでありました。
 昭和四十六年、旧清水市議選に二十六歳で当選。同時当選は共産党からは花井征二さんが二十七歳、旧静岡市では牧野聖修さんが二十五歳で当選。その後いい意味でのライバル関係でありました。連合赤軍事件、石油不足の狂乱物価等、高度成長期ならではの困難もあった時代でありました。二期務め県会にチャレンジしましたがその壁は高く厚く、市会へ戻りました。幸いにして四十二歳で市議会議長の大役を得て視野を広げるには有意義な経験でした。
 平成三年、四十六歳で県会に再挑戦し当選。今日まで連続当選八期目となりました。これまで市議、県議合わせて四十八年間、二百回以上の議会を重ねてまいりました。市議会のときに一度だけ全国規模の青年の選抜で国交回復二年目の中国へ二週間の行事に参加ということで特別に許可を頂き休んだことがありましたが、それ以外はおかげさまで病欠もせず元気に登壇ができたことであります。
 かなり以前の話でありますが、この政治に対して政治と道徳ということで政治に道徳を求めることはおかしいという方もありました。しかし私は、政治こそ道徳の範となれと思って今日まできました。
 社会は大きく変わってきます。変わっております。スーパーの出現で生鮮野菜、肉、魚、日用雑貨が売られ今では薬局が大きなドラッグストアとなり、それまでのスーパーの商品が並んでいる時代であります。今やIT関連をはじめとする横文字が乱立し、とても追いつきません。八十に手が届く年齢にもなりました。若い人たちにこれからを託して今期で引退を決意し、本会議の最後の質問に入らせていただきます。
 改めまして、私はふじのくに県民クラブの所属議員として通告に従い知事、副知事、関係部局長、教育長及び教育部長に当面する県政の諸課題について一括質問方式にて質問をいたします。
 初めに、県・政令指定都市サミットの再開について伺います。
 平成十七年に静岡市が、二年後の平成十九年に浜松市が政令市になりました。県人口の約四〇%を政令市が占める、権限委譲により県と政令市との関わり合いが大きくクローズアップされたものであります。
 そうした折に、県と政令市が連携協働して地域づくりや権限委譲の拡大などを協議するために平成十八年十一月、三者による県・政令指定都市サミットが開かれました。以後年一回の会場持ち回りの定期開催となり石川前知事が三回、川勝知事に代わっても継続して平成二十八年まで計八回開かれてきました。
 議題は、地域開発、富士山静岡空港の利活用、女性の社会進出など全県的なもので多岐にわたり、それぞれの自治体で政策が実行され大きな成果が見られたものと思います。平成二十九年以降ここ六年間は開催されておりませんが、トップリーダーの三者による胸襟を開いての意見交換は、長期問題としての人口減少問題をはじめ三年余りにわたる新型コロナウイルス感染症対策、地方自治と財政の在り方等が不安視されている今日において今こそ大切なことと思われます。
 この四月には静岡、浜松両市ともに新しい市長が誕生するといういい機会でもありますので、ぜひ県から呼びかけをして再開をしてほしいと強く望みます。知事のお考えをお聞かせください。
 次に、世界文化遺産富士山についてのうち、三霊山連携協定について伺います。
 富士山が世界文化遺産に登録されてこの六月で十年の節目を迎えます。信仰の対象であり芸術の源泉として古来から愛され、今後もその価値を高めていくことと思います。記念としてつくられた富士山世界遺産センターは建物それ自体がユニークで芸術性は高く、内容物も富士山の魅力を高めていく努力がなされ時を経ても秀逸さを深めております。
 さて、つい先頃馳浩石川県知事、新田八朗富山県知事が来静され日本平において白山、立山、富士山の三霊山連携協定が締結されたとの報道がありました。きっかけは三百年を超える歴史を受け継ぐ富山県旧八尾町の越中おわら風の盆の一節が取り持つ縁とのことであります。郡上八幡の郡上踊り、徳島の阿波踊りほど有名ではありませんが、昭和六十年に直木賞作家の高橋治氏の小説「風の盆恋歌」で紹介されブームになり今でも全国から観光ツアーが組まれているほどであります。
 歌を縁にした連携でありますが今後どのような取組をしていくのか、知事の御所見を伺います。
 次に、富士山保全協力金について伺います。
 令和三年三月の山梨・静岡両県の富士山世界文化遺産協議会で保全協力金を法定外目的税として徴収する方向で検討していくことが決まったと聞きました。税として徴収漏れがないようにすること、徴収コストが収入に見合うものであること、公平性を担保すること等の問題点もあるとされております。また徴収を行うとすれば令和三年三月に焼失した富士宮口五合目のレストハウスに代わる建物が必要ではないかと思います。
 富士山保全協力金の義務化の検討についてどのようになっているのか、現状を伺います。
 次に、サクラエビ漁について伺います。
 駿河湾の宝石と言われるサクラエビは不漁続きでありましたが、昨年の秋漁に少し復活の兆しが見えてまいりました。不漁とコロナ禍もあって三年間中止していた由比サクラエビまつりは、春漁に期待が持てそうだとして今年は例年より一か月ずらして六月上旬に実施の予定と聞いております。
 サクラエビは日本ではここ駿河湾内だけの産物であり、由比港漁協や大井川漁協などに属する最大百二十隻の漁船だけに許可があり漁獲の分配をプール方式として漁業者が公平に分け共存共栄を図ってきた近海漁業のモデルとも言われております。かつては年間数千トンの水揚げ高がありましたが近年になって急激に減少し、昨今は漁業者自らが今まで以上の厳しい自主規制に踏み切っております。平成三十年秋漁の完全禁漁、その後の保護区の設定や出漁日数の制限など厳しい規制を重ね、昨年の秋漁では百八十二トンまで回復、一息ついたところであります。
 この間、湾内に流入している河川の放流水の実態と水質調査を行政とともに行い問題点の洗い出しを重ねて今日まで来ました。山梨県雨畑ダムの上流からの自然の土砂流出による長期化する濁り、堆積汚泥、自然界にない高分子凝集剤入りの汚泥などの調査結果について長崎山梨県知事は問題なしとして一旦終了したようでありますが、たとえ環境基準等や各種指標を下回っているとしてもサクラエビの生育への影響は否定できないのではないかと考えております。
 令和三年九月県議会定例会での私の一般質問に対し、新しい調査船「駿河丸」の竣工によりサクラエビに関する調査能力が大幅に向上するため、不漁の原因解明に向け産卵の時期や場所など精緻な調査と分析を行っていくとの答弁がありました。調査と分析の現状及び今後の見込みについて伺います。
 また、サクラエビの漁期について県漁業調整規則では産卵期である六月十一日から九月三十日を禁漁期間と定め一月上旬から三月中旬までを漁業者の自主規制で禁漁としており、結果例年は三月下旬から六月上旬までの春漁と十月下旬から十二月下旬までの秋漁が行われております。規則での禁漁期間はいつから始められたのでしょうか。近年は地球温暖化が進み黒潮の大蛇行、海水温の上昇が年中行事であり、水産生物の漁期の変化が著しく昨年九月には線状降水帯と台風十五号の同時襲来で大きな被害が発生しました。気候の変動などを踏まえ、禁漁期間の決定、変更がもう少し緩やかなものにならないものか伺います。
 次に、パブリックコメントについて伺います。
 行政課題について計画段階で住民に意見を提出してもらう手続の一つとしてパブリックコメントがあります。本県でも実施されております。
 ところで、この実施に当たって県から出された資料が必ずしも分かりやすいものばかりではなく県民生活との結びつきが理解しにくいものもあって、本来の目的どおりにいかなかったこともあるように見受けられます。
 最近の例ですと、熱海の土石流災害を教訓に盛土を規制する条例制定のためのパブリックコメントが実施されましたが、条例制定後に申請手続の煩雑さ、建設工事での残土の処理に大きな問題が想定されることが指摘されました。パブリックコメントの実績を見ますと令和二年度は四十七件中意見なしが十七件、五十件以上の意見があったのが二件。令和三年度は七十二件中意見なしが二十四件、五十件以上が三件でした。五十件以上については、令和二年度はふじのくにNPO活動基本指針が四十五人から百五十六件。清水港港湾計画が十六人から五十二件。令和三年度では第四次静岡県地球温暖化対策実行計画が七十七人から三百三十二件。静岡県盛土等の規制に関する条例――仮称――の制定が三十五人から百七十九件。同条例の施行規則の制定が二十九人から六十件となっております。
 パブリックコメントを実施することにより建設的な意見が寄せられ案件の修正に踏み込むケースもあり、一定の効果はあると思われます。身近な社会現象に関するものは関心度が高く適用されるエリアが狭いものは反応が少ないと言えます。
 ところで、住民の意見を聞く手段として最近行われている手法にくじ引き民主主義と言われるものがあります。無作為に抽出された住民が地域の課題や未来についての話し合う場を自治体主導で行うものであります。高度成長期と異なり住民の価値観が多様化し議会だけでは多様な意見を吸い上げることができず、方針を決めるのが難しい政策課題が増え住民にも納得感のある政策を実施するために取り入れる自治体が増えたと指摘する学者もおります。
 マスコミ大手が採用する内閣支持率、選挙等世論調査は個人面接、配布・回収、郵送、電話等の手段がありますが、最近は電話が主流で今では固定電話と携帯電話を採用して行っております。広く意見を聞くのであれば現行の言わば形骸化したパブリックコメントの形式によるのでなく、無作為抽出された一般住民の方々に対し県側が計画や条例を説明し住民の多様な意見を募るやり方も検討に値するものだと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、教育行政についてのうち、教員の充足に向けた取組について伺います。
 令和三年度に全国の公立小中高校と特別支援学校で精神疾患を理由に休職した教員は、前年度より六百九十四人多い五千八百九十七人で過去最高です。精神疾患で一か月以上の病気休暇を取得した人を合わせると一万九百四十四人と初めて一万人を超えたと文部科学省は発表しました。また教員のわいせつ、飲酒運転の報道もあり教育長をはじめ関係者の心痛を察するものであります。
 時代の大きな変化により子供の社会環境をはじめ教育環境が大きく変わり学歴社会に対しての保護者の多様な考え方、発達障害等、教員が新たに対処しなくてはならない児童生徒の増加など、教員のストレスも増加しているようであります。教員の過重労働も言われブラック企業の扱いをされていることなどもあり小学校教員の採用試験の倍率は過去最低で職業としての人気が低下しております。
 これらの状況を踏まえると、採用試験の在り方を根本的に変える必要があると思われます。例えば年に一度ではなく複数回行う。試験期日を早める。他県からの教員の受験者には面接のみとする。教員免許を持たない社会人に対する特別免許状を活用する。特別非常勤講師の採用をより柔軟に行う。ALTに代わるべく英検一級、準一級者の登用やシステムエンジニアを不足している情報科目の教員とする。免許を持たなくても採用二年間で教員免許を得れば正式採用とする。これらは既に他の自治体で実施しているか、これから実施予定とのことであります。
 就職氷河期の四十歳過ぎの採用枠には十倍以上の応募があり、子供の少子化を考えてもこれらの枠をもっと増やすべきだと考えます。小手先の試験制度の変更ではなく大胆にかつ早期に制度改正をして令和六年度採用に間に合うようにすべきだと考えますが、教育長の所見を伺います。
 また、退職、産休、育休の見込み職員数を考慮してこの四月の教員の充足は大丈夫なのかを併せて伺います。
 最後に、学校におけるタブレット端末の利用について伺います。
 今やデジタルは当たり前となってきました。文部科学省は児童生徒へのタブレット等の一人一台端末の整備を進め令和六年度からは小学校五年から中学三年の英語はデジタル教科書を導入する方針としており、デジタル化はより一層進展する見込みではありますが健康面やその教育的効果に疑問を抱く教師も多いと聞きます。
 文部科学省のデジタル教科書に関する検討会議では、目と端末の画面との距離を三十センチメートル程度以上離すこと、三十分に一回二十秒程度画面から目を離すこと、目を休めるということを求めております。
 一方、文部科学省による令和三年度児童生徒の近視実態調査によれば、裸眼視力が〇・三未満の児童生徒の割合は小一で男子、女子とも一%から二%ですが小学校六年では男子一九%、女子が二三%に上昇し、中学三年では男子が約二六%、女子は約三六%となっております。また眼鏡及びコンタクトレンズ装用率は中三で男子は約四〇%、女子では約五〇%に達するなど年を重ねるにつれ視力が低下している傾向が見られます。タブレット端末の使用によりさらなる視力低下など健康面の悪化につながらないよう学校側としては十分注意する必要があります。
 一方、教育的効果という点ではタブレット端末は多機能でありゲームをはじめアプリを入れれば教科で不要な機能も使用できてしまうことも考えられますが、文部科学省はタブレット端末の持ち帰りは家庭学習の質の充実や臨時休校など非常時の学びの継続の観点からも有効としています。スマートフォンと異なり学校から整備されたタブレット端末のため各家庭での保護者による管理が難しいと言われております。タブレット端末をより効果的に活用するに当たり県教育委員会が果たす役割は大きいと考えます。
 タブレット端末を活用することについての健康面での懸念及び教育的効果について、教育委員会の見解を伺います。以上答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 中澤通訓議員におかれましては、冒頭の発言におきまして今期限りで勇退される旨の御決意を発表されました。二十代で清水市議、そして現在は県議として半世紀にわたり御尽力を頂きましたことに対しまして敬意と感謝を申し上げたく存じます。
 そして、この半世紀の御活動を経過する中で政治に道徳が不可欠であるという認識をお持ちになったとのことです。
 渋沢栄一翁が論語とそろばんを書きました。経済に道徳は不可欠であると二宮尊徳も同趣旨のことを述べております。同じことは政治についても言えると思います。特に一国のトップに立つ者はスプリームモラル、最高道徳が求められるのではないでしょうか。私も県議の御見識に胸を打たれるところがありまして自ら道徳の錬磨に努めてみたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、中澤通訓議員にお答えいたします。
 県・政令指定都市サミットの再開についてであります。
 政令指定都市は包括的な権限委譲により県の関与が大幅に減少するなど、他の市町と比較しまして高次の自治能力と充実した財政基盤を有する基礎自治体であります。県と政令指定都市は、おのおのの自主性と自立性を尊重しながら質の高い行政サービスを提供できるよう日頃から意思疎通を図っていくことが必要です。
 このため、平成十八年度から約十年間指定都市の両市長との定期的な意見交換の場となる県・政令指定都市サミットを開催してまいりました。平成三十年度以降は県内を四地域に分けまして、各地域の市町のトップが一堂に会して意見交換を行う地域サミットに政令指定都市の市長さんにも御参加を頂きまして地域ごとの課題とその解決の方向性を共有してまいりました。
 一方、安全・安心な地域づくりに当たりましては広域自治体である県が地域の中心的役割を担う政令指定都市と緊密に連携することが重要であります。新型コロナウイルス感染症の拡大や頻発、激甚化する風水害等に備えるため防疫防災対策の強化が求められる中、その重要性は高まっております。こうした喫緊の課題への対応などについて県と政令指定都市の首長同士で議論する場が必要であると考えております。
 本年四月には両指定都市におきまして市長選挙が予定されておりますことから、新しい市長との信頼関係の構築や県と政令指定都市が抱える課題の解決に向け改めて県・政令指定市サミットの開催を両市に呼びかけてまいります。
 今後も、両政令指定都市とは自主性と自立性を尊重しつつ機会を捉えて意思疎通を図り相互に協力して、地域行政に求められる責務を果たすべく行政運営に当たってまいります。
 次に、世界文化遺産富士山についてのうち、三霊山連携協定についてであります。
 富山県の民謡「越中おわら節」に越中で立山、加賀では白山、駿河の富士山三国一だよという一節がございます。立山、白山、富士山の三山は日本三霊山と称せられ中世には修験者が、また江戸時代に入りますと庶民がこの三霊山を巡礼する、当時三禅定と呼ばれる風習が流行いたしました。長年にわたり多くの人々の信仰の対象となってきたのがこの三霊山であります。
 また、三霊山は古代より歌に詠まれ絵画に描かれるなど日本の文化芸術の源泉とも言える存在であります。この三霊山に畏敬の念を抱きながら将来へと語り継ぎ未来へとつないでいくことは、我々の使命であると心得ております。
 このため、県では三霊山の歴史的、文化的価値を生かし地域振興と交流拡大を図ることを目的に、先月二十二日富山県の新田知事さん並びに石川県の馳知事さんとの間で日本三霊山を活用した地域振興に向けた連携・協力に関する協定、通称三霊山連携協定を締結いたしました。今後本協定に基づきまして文化、学術、スポーツ、経済、観光等々の分野で富山県、石川県両県と連携した事業を推進してまいります。
 まずは、三県の研究員等が協力し三禅定に関する調査研究をスタートするとともに、山岳信仰に関する学術フォーラムやパネル展の開催など三霊山が有する価値や魅力を掘り下げ広く情報発信をしてまいります。
 なお、三霊山の協定締結式には三霊山連携の発案者である森喜朗元内閣総理大臣の御臨席を賜りました。森元総理自ら越中おわら節の一節を歌われまして、そして連携によって新しい三県の分野を創り出し日本の文化を再構築していってほしいという激励の言葉を頂きました。
 今年は本県が東アジア文化都市に選定され静岡から日本文化の魅力を国内外に発信する一年となります。県といたしましても、本協定を契機に富山県、石川県との連携を深め、この日本の中央に本物の日本の文化をつくっていくという高い志を持って三霊山連携の取組を推進してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を差し上げます。
○議長(藪田宏行君) 京極スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長(京極仁志君) 世界文化遺産富士山についてのうち、富士山保全協力金についてお答えいたします。
 富士山の保全に必要な経費を来訪者に公平に負担していただく観点から、富士山世界文化遺産協議会に専門委員会を設置し協力金の義務化に向けた検討を行っております。具体的には富士山の五合目以上に入域する来訪者全員に事前予約や講習の受講など一定の条件を課す条件付入域制度を導入し、入域手続料と併せて法定外目的税を徴収する場合の方法について検討しております。
 専門委員会では、この方法は財源の確保に加えて富士山の環境保全や登山者の安全確保、登山の快適性向上などの効果が期待できる一方、手続や徴収のためのコストが大きいこと、あらゆるルートから入域できる富士山で手続をしていない人の入域防止が困難であること、入域の条件や負担金額設定の根拠について関係者の御理解を含め十分な整理が必要であることなど、複数の課題が指摘されております。
 このため、今後は対象者を完全に捕捉する方法へのデジタル技術導入の可能性やコロナ禍など近年の環境変化を踏まえた来訪者管理の在り方、また令和十年の開設を目指している富士宮口五合目来訪者施設の料金徴収施設としての活用も含め、様々な課題について引き続き地元関係者等の御意見をお伺いしながら公平で分かりやすい利用者負担制度の構築に向けた検討を進めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) サクラエビ漁についてお答えいたします。
 近年の不漁への対応として県や漁業者が連携して資源状況の調査分析を行っており、それを踏まえて漁業者自らが厳しく操業制限に取り組んだ結果、漁獲量は徐々に回復傾向を示しております。
 新しい「駿河丸」を用いた調査につきましては、昨年夏に卵や幼生の分布を調査し富士川流域で降雨があった後の駿河湾の濁りの状況と比較したところ、幼生等が分布する深さには濁りが及んでいなかったことからサクラエビの生育への影響は極めて少ないものと考えられます。また洋上で船の位置や進路を細かく制御できる新機能により従来より正確な調査点で試料採集できるようになりました。現在、卵や幼生を複数の深さで一度に採集できる機器について駿河湾の海洋特性を反映した綿密な動作調整を行っており、来年度の本格稼働後は効率的かつ高精度に資源状況を調査分析してまいります。
 禁漁期間につきましては、昭和三十四年に産卵期等を基に六月中旬から九月下旬までの期間が決定をされております。近年は気候変動等により海洋環境が大きく変化しておりますが、毎年度行っている資源調査では現在も禁漁期間中の産卵が特に多いことが確認されております。
 一方、長引く不漁の中漁業者からは禁漁期間の変更を求める声も伺っており、漁業者や加工業者の経営とサクラエビ資源の維持、回復を両立するためにはどのようなルールが適切なのか科学的知見も踏まえながら検討してまいります。
 県といたしましては、駿河湾の貴重な地域資源であるサクラエビを守り漁業者の持続的な経営を全力で支援してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 土村経営管理部長。
○経営管理部長(土村暁文君) パブリックコメントについてお答えいたします。
 パブリックコメントは、県の計画や条例などを定める際にその検討段階で広く県民の意見を求め提出された意見を考慮して意思決定を行うとともに、その意見に対する県の考え方を公表する手続であります。ただ県民の皆様から意見を聞く手法として万能というわけではなく、案件によっては寄せられる意見が少ないものもあります。
 このため、職員向けの研修で県民の皆様が関心を高め理解を深めていただくよう、分かりやすいパブリックコメントの資料の例を示すとともに県民の皆様との意見交換の場であるタウンミーティングと組み合わせてパブリックコメントを実施することなどを促しているところであります。
 価値観が多様化する中で各種の施策を効果的に実施していくためには、幅広い県民の皆様から意見を頂くことが今後ますます重要になってまいります。そのような中で無作為抽出された県民からも意見を伺うことにより県民参加の意識がより高まっていくことが期待されます。
 今後は、これまでの方法に加え国や他の自治体との取組も参考としながら県民の皆様の多様な意見を募る方法を検討し、より多くの意見を頂けるよう努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 教育行政についてのうち、教員の充足に向けた取組についてお答えいたします。
 本県の教員採用選考試験の倍率は全国平均を上回るものの昨年度は全校種で四・二倍、本年度は四・〇倍と微減傾向にあります。今後少子化の進行によりさらなる低下が見込まれ、幅広い年代から多くの受験者を確保し質の高い人材を採用することが課題となっております。
 このため、中学生から大学生までを対象に若手教員と直接話す場を設けるなど教員を身近に感じる機会を増やし、教職を目指す若年層の裾野の拡大に努めております。また他の世代と比べて職員数が少ない四十歳代をはじめとした年齢層を確保するため特別免許状を活用した博士号取得者、民間企業経験者等の採用や、他県の公立学校正規教員の経験者には面接試験だけの特別選考を実施しており今後も多様な経験を有する優れた人材の確保に注力してまいります。
 試験制度の改善策といたしましては、まずは議員御提案の早期化について試験日程を数か月早める案を静岡市や浜松市と共に協議しております。早い時期に合格が決まることで民間企業等に比べ合格時期が遅いことを不安に感じる学生が減り、また採用までゆとりを持って教職への準備もできるため大学と教育実習の時期等の調整も行いながら可能な限り早期に実現するよう努めております。
 さらに、試験の複数回実施につきまして受験機会が増えることで受験者の増加が見込まれます。そのため他県の状況も踏まえながら、応募が少ない教科等での複数回の実施や一次試験を大学三年次と四年次の二回受験できる方法などの研究にも取り組んでまいります。
 本年四月時点の教員の充足につきましては全校種で必要な採用者数を確保できており、急な病気で代替者が見つからない場合等を除き学級担任や授業を行う教員を確保できると見込んでおります。
 県教育委員会といたしましては、早期化をはじめとした試験制度の改善を積極的に進め将来にわたって本県の教育を支える質の高い人材の確保に努めてまいります。
 次に、学校におけるタブレット端末の利用についてであります。
 GIGAスクール構想の推進に伴い県内の小中学校にタブレット端末が整備され、学校現場におけるICTの活用が進んでおります。課題を探求する場面で多様な意見の把握や画面上でのまとめが円滑に行われるようになるなど話合いが充実し、児童生徒の思考力や判断力が高まったり表現力が豊かになるなど教育的な効果が現れております。さらに質の高い教育効果が得られるよう外国語の発音の確認や視覚的な図形の把握、動画による実験の分析、考察などICTの特性を生かせる場面を中心に端末の効果的な活用を進めてまいります。
 一方、端末の導入以前から小中学生の視力は低下傾向が続いており議員御指摘のとおりICTの活用を進める上で児童生徒の目の健康に配慮することは重要であります。
 これまで、目と画面との距離を離す、長時間の利用を避ける、就寝前の利用を控えるなど学校や家庭で端末を活用する際に配慮すべき事項について市町教育委員会に情報提供を行っているところでありますが、健康に配慮した活用が一層徹底されるよう管理職や養護教諭など様々な立場の教職員に対する研修の場を通じて啓発してまいります。
 県教育委員会といたしましては、引き続き健康に配慮しながら従来の教育の実践とICTを最適に組み合わせて有効に活用することにより、Society5・0時代を生きる子供たちが豊かな人生を切り開き持続可能な社会のつくり手となるよう学びの充実を図ってまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 中澤通訓君。
       (六十三番 中澤通訓君登壇)
○六十三番(中澤通訓君) 二点、再質問をいたします。
 一点はサクラエビの件でございますが、先ほど答弁ありましたように昭和三十四年から漁期を決めたということでありますが既に六十年近くの年数がたっております。何ゆえに同じように六月十一日から九月末まで禁漁としたのか。先ほど私が質問したように天候の変化もある、海流の変化もある、それぞれの実態が時によって違っているのにどうしてこうして固定するのか。これについてはあまり説得力がないような感じがいたします。今後いろいろ変えていくということでありますがこうした検討の材料も変えていくということでないとこの禁漁が変わってきませんが、その考えについて聞かせてください。
 もう一つは、教育長のほうで質問でありますがダイナミックに試験制度を採用方法を変えていく、検討中であっても情報をしっかりとアナウンスしないと教員の受けようとしている人たちには伝わらないわけですから、それを的確に出していく、そうしたことが大切だと思います。そのことについて再度お答えを聞かせていただければと思います。
○議長(藪田宏行君) 櫻井農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(櫻井正陽君) サクラエビ漁の再質問についてお答えいたします。
 まず、決定した禁漁期間六十年過ぎてもなぜ現状のままかということなんですけれども、まず禁漁期間の決定に当たりましてはサクラエビの産卵時期であるとか、あるいは産卵の状況そういったものを含めて期間が決定されているということです。それ以降毎年そういった状況について調査を続けておりますけれども、やはりこの期間の産卵状況が非常に多いという調査結果が出ておりますのでその調査結果に基づいて現状の期間が継続をされているというふうに認識をしております。
 今後こういった期間を変更するに当たりましては、従前の期間の産卵期あるいは産卵状況が詳細にどうなっているのかという裏づけ、科学的根拠を明確化した上で変更についての農林水産大臣との認可協議というのが必要になりますので、今回「駿河丸」によりましてそういった詳細な調査を進めていきながら変更する必然性があるのかどうか、そういったところを整理した上で今後の禁漁期間の設定については検討を進めていきたいというふうに考えております。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 池上教育長。
○教育長(池上重弘君) 様々な改革について、それを広く知っていただくための情報の適用方法についてお答えいたします。
 既に私どもとしては中学生、高校生に対してのセミナー等を行っておりますので、早い時点で関心を持っていただく、そのセミナー等での直接的な情報提供をまず第一に力を入れて行っていきたいと思います。
 また、浜松市、静岡市との連携の下ホームページ等での広報、さらには教員養成課程を有する大学との情報の共有、あるいは教員養成課程を必ずしも持っていないけれども教職が関心を持っている人がいる大学もあるかもしれません。そういった大学に対する積極的な情報提供に努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 中澤通訓君。
       (六十三番 中澤通訓君登壇)
○六十三番(中澤通訓君) それぞれ御答弁頂きました。
 現場の人たちも一生懸命頑張っていく、そしてそれぞれの努力で静岡県が成り立っていくわけでありますから、どうぞいい環境づくりのために皆さん方のお力をこれからもよろしくお願いしたいと思います。期待をさせていただきます。
 最後に一言、御挨拶させていただきます。
 私も、県会議員になる前でありますが政治の世界では私は憲政の神様と言われた尾崎咢堂を信奉している一人であります。この方は幕末の生まれでありますが三十一歳で第一回目の衆議院議員に当選しトータルすると二十五回連続当選、六十三年の衆議院の在籍があって亡くなる直前には名誉衆議院議員として第一号で称された方であります。それ以後も誰もいません。ただ一人の名誉衆議院議員であります。この方はそれほど長く大臣をやったわけではありませんが何ゆえ憲政の神様か。たとえ一人であっても目指す世界は議会制民主主義をしっかりと確立しなきゃいけない、そのことを大きく世間にも訴えてそれを譲らなかったということ、そして自分は制限選挙の中、出てきたけれどもやはり普通選挙、女性もみんな選挙権を持って普通選挙が行われる、そういうことをしなくちゃいけない。そして戦争は絶対駄目なんだということを身をもって体験をし、そんなことを訴え続けたことが今日の憲政の神様と言われる存在であるわけであります。
 今私は、この議会から去るわけでありますが若い人たちの声にこんなことがあります。
 僕たちの世代は日常的には豊かで物もサービスもあふれている。ないのは未来に対する希望だけだ。
 若者には希望を持ち続けていただきたい、そういう世界をつくるのは政治における私たちの責任であるし大人の責任であります。みんなで力を合わせてその問題解決のために努力をしたいと思います。
 咢堂翁の言葉に「人生の本舞台は常に将来にあり」という言葉が残されております。将来を目指して今がベストじゃないまだ将来がある、そういう将来を目指してみんなで頑張っていく、そのことによって静岡県政のいやさかを心から願って、そしてまた皆さん方にもどうぞ精いっぱい頑張っていただきたいと思っております。これで私の最後の質問として終わりとさせていただきます。長い間ありがとうございました。(拍手)
○議長(藪田宏行君) これで、中澤通訓君の質問は終わりました。(拍手)
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

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