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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

鳥澤 由克 議員

質問分類

代表質問

質問日:

09/30/2014

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 知事の政治姿勢について                     
 (1) 地方創生の推進                        
 (2) 主要国首脳会議等の誘致                    
 (3) 新幹線空港新駅の設置                     
 (4) 全国学力・学習状況調査結果の公表               
2 平成二十七年度当初予算編成の方針について            
3 産業成長戦略の推進について                   
4 富士山の保全について                      
5 安全・安心な暮らしの確保について                
 (1) 国土強靱化地域計画の策定方針                 
 (2) 浜岡原子力発電所への対応                   
  ア 安全確保に対する県の認識                  
  イ 核燃料税の更新                       
6 医療・介護の総合的確保について                 
7 沼津駅付近鉄道高架事業の進め方について             
8 教育行政について                        
 (1) 全国学力・学習状況調査結果の評価と対応            
 (2) 補助教材の採択状況調査結果                  
9 新しい警察本部長の所信について


○議長(多家一彦君) 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十一番 鳥澤由克君。
       (十一番 鳥澤由克君登壇 拍手)
○十一番(鳥澤由克君) 皆様おはようございます。私は自民改革会議を代表して当面する県の諸課題に対しまして、知事、関係部局長、教育長並びに警察本部長に一括質問方式で質問をいたします。
 質問に入ります前に、先月二十日広島市の集中豪雨によります土砂災害により多くの方々が甚大な被害に遭われました。また今月二十七日には長野県御嶽山が噴火し、多くの登山者の方々が被害に遭われました。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、両災害で被災された方々に心よりお見舞いを申し上げるところでございます。
 それでは質問に入ります。
 初めに、知事の政治姿勢についてのうち、地方創生の推進について伺います。
 我が国においては、人口減少が喫緊の課題となっており、高齢者一人を支える現役世代の人数でいえば二〇一〇年には現役世代二・六人で一人の高齢者を支えているのに対して、二〇三〇年には現役世代一・七人で高齢者一人を支えることとなります。さらに現在の出生率が改善しなければ五十年後には現役世代一人で高齢者一人を支える状況を招き、若い世代に耐えがたい負担を負わせる社会の到来も危惧されております。
 こうした状況を踏まえ国では対策の検討が進んでおり、総務省は六月に地方中枢拠点都市のモデルに十一地域を指定し、今後モデル地域の拡大や要件緩和を図っていくとしております。また七月には国土交通省がコンパクト・プラス・ネットワークをキーワードとする国土のグランドデザインを決定したところであります。
 さらに、政府は去る九月十二日に人口減少対策や地方創生の司令塔となる、まち・ひと・しごと創生本部の初会合を開きました。会合で示された基本方針では、国民が夢と希望を持つことができるような魅力あふれる地方を創生し地方への人の流れをつくるため、従来の取り組みの延長線上にない異次元の大胆な政策を中長期的な視点から強く実行していくこととしています。また国として今後五十年を見据えた長期ビジョンや二〇二〇年までの総合戦略を年内にも決定し、各地の主体性や創意工夫を生かせるよう地方版総合戦略を作成する方針であると承知をしております。
 県では、既に四月からスタートした後期アクションプランに、人口減少社会への挑戦を初め新成長産業の育成と雇用創造を重点的に掲げているところです。私は本県の地方創生に向けては国の動きを見据えながらも、まず国に先んじて対策を進めるくらいのスピード感を持って対策を構築することが重要であると考えております。
 そこで、今後人口減少に歯どめをかけ本県に活力をもたらすため、本格的に政府が進める総合戦略等の策定の動きを踏まえつつどのように地方創生を図っていくのか、知事の御所見を伺います。
 次に、主要国首脳会議等の誘致について伺います。
 県は、静岡市、浜松市の両政令市とともに、二〇一六年に我が国で開催される主要国首脳会議――サミットを誘致することを表明しました。一方で本県のほかにも隣県の愛知県と名古屋市を初め、兵庫県と神戸市、広島県と広島市、新潟県と新潟市、仙台市、長野県、三重県と誘致を表明した地域があり、今後強力なライバルとなることが想定されるところであります。
 本県では、主要国首脳会議を浜松市の浜名湖を中心とするエリアで、関係閣僚会合を静岡市の日本平を中心とするエリアで誘致を目指していくと承知をしております。ライバルとの競争に勝ち抜き本県への誘致を実現するためには両政令市との連携が重要であることは言うまでもありませんが、今後は県の東部・伊豆地域など県が一丸となって誘致活動を展開していくことが必要だというふうに思っております。
 私は、先進国の首脳が一堂に会し国際社会が直面するさまざまな地球規模の課題について議論、政策協調を行うサミットの開催は、本県の存在を世界にアピールする絶好の機会であると考えております。そこで主要国首脳会議及び関係閣僚会合の誘致の実現に向けた知事の御決意を伺います。
 次に、新幹線空港新駅の設置について伺います。
 本年六月、国では二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて訪日外国人旅行者数二千万人を目指すアクションプログラムを取りまとめました。スポーツの祭典として世界中が注目する東京オリンピック・パラリンピックの開催効果を東京のみならず本県にも波及させていくためには、本県の空の玄関口である富士山静岡空港と日本が世界に誇る高速鉄道の新幹線を結節させ、他の空港にない交通の優位性を高め来訪者の利便性向上につなげていくことが重要であると考えております。このほかにも空港と新幹線が結節することにより国内外の交流の促進や観光振興に加え、有事の際にも防災拠点としての活用が期待されるなど多面的な機能を担うことができます。
 新幹線空港新駅について、知事は六月議会定例会において県選出の国会議員や県議会議員、各関係者等に対して、県を挙げて重要性を訴え進めていきましょうと呼びかけられました。こうした知事の呼びかけに、我が会派自民改革会議におきましても県議有志によります自民党新幹線空港新駅推進議員連盟を設立し積極的に協力していく体制を整え、今月二日には知事に新駅の設置促進にかかわる要望書を提出したところであります。
 県では、六年後に迫る東京オリンピック・パラリンピックまでの設置を見据え今議会に新駅関連予算を計上するなど大きな一歩を踏み出したと評価をいたしますが、何よりも最大のネックは事業者であるJR東海の理解がなかなか得られず協議が全く進んでいないというようなことでございます。こうした状況の中で知事御自身が先頭に立って国やJR東海に粘り強く働きかけていくことが必要なのではないでしょうか。
 そこで、新幹線空港新駅の設置に向けて今後どのように取り組んでいくのか、知事の御所見を伺います。
 次に、全国学力・学習状況調査結果の公表について伺います。
 まず、質問に先立ちまして、この件につきましては数多くの皆様がそれぞれのお立場や御見識の中で議論され、意見が大きく二つに分かれることであることは十二分に承知をしております。議論する双方にとって、このことは冷静にかつ柔軟に対応する必要があると思います。まず優先されるべきは未来を委ねる子供たちのため、よりよい学校環境のための議論でなければならないと思うのであります。
 学力向上のためには、学校の力とともに家庭、地域の力が根本にあり、現場の教師、教育委員会等の当事者のみならず家庭、地域の安定性が求められます。子供たちが豊かな人間関係の中にある場合は人間的にも学力にも向上するという考え方があると聞いております。このような地域社会全体の子育て努力はテストの点数にはあらわれません。
 また、最近では知的障害があっても地域社会で普通の暮らしを実現する脱施設化の流れの中で、特別支援学級ではなく普通学級で過ごす子供たちの割合がふえ、さらに発達障害の問題もある。そのような多くの問題を抱えて、私たちはその人たちのために手を差し伸べて温かく地域全体でやっていかなければならないというふうに思っております。
 今、実は私は八十八歳の父を含め九人家族で肩を寄せ合い生活をしておりますが、幼稚園、小学校に通う孫の笑顔を見るにつけ、この子供たちを含めた多くの子供たちのために重要な課題であると思います。全ては未来を委ねる子供たちのためによりよい教育のあり方を全員で考え、冷静にそして柔軟に、我が国そして静岡県の子供たちのために議論をしていきたいと考えております。
 それでは質問に入りますが、昨年実施された全国学力・学習状況調査において本県の小学校国語Aの結果が全国最下位となったことを受け、知事は平均点以上の学校八十六校の校長名を県のホームページに公表いたしました。当時、公表に至るまでの知事と県教育委員会とのやりとりが大きく報道され、知事と県教育委員会との対立といった表現で新聞紙上やテレビなどで取り上げられたことは記憶に新しいところであります。
 本年度の学力・学習状況調査では、調査を受けた児童生徒の頑張りはもちろんのこと学校、保護者など教育にかかわる多くの方々の努力により成績が向上する結果とはなりましたが、これは昨年度の学力・学習状況調査結果の分析活用や授業改善などさまざまな対策の成果であると私は考えます。
 こういった中、今月四日、知事は本年度の全国学力・学習状況調査結果のうち小学校国語Aで全国平均を上回った学校二百六十二校の校長名と、県内三十五市町の小学校の科目別平均正答率を市町教育委員会の同意を得ることなく公表したところでございますが、文部科学省の全国学力・学習状況調査に関する実施要領によれば、市町名を明らかにした公表を県教育委員会が行う場合には市町教育委員会の同意が必要とされています。県教育委員会においてはこのことを鑑みて市町別の結果の公表は市町教育委員会において判断するものとしており、市町教育委員会では公表に当たって真摯に検討している最中であったと聞いております。公表以降の報道は昨年と同様に新聞紙上等をにぎわし波紋が広がっております。文部科学省からは明確なルール違反と指摘され、来年度以降、違反した自治体には成績提供を制限することも検討されていると聞いております。結果の公表に対してはさまざまな意見があることは承知しておりますが、ルールがある以上、公表するのであれば決められたルールを守って公表すべきではなかったでしょうか。
 真に子供たちのことを考え確かな学力の育成を目指すためには、県、県教育委員会、市町教育委員会、文部科学省が力を合わせながら取り組んでいくべきと考えますが、知事の御所見を伺います。
 次に、平成二十七年度当初予算編成の方針について伺います。
 現在、県政を取り巻く状況は地震・津波対策や先ほど申し上げました人口減少対策、経済対策など喫緊の課題が山積しております。いつ来るともしれない南海トラフの巨大地震に対する備えは万全を期さなければなりません。また人口減少問題に対する対策は今実行しなくては手おくれになるおそれがあり、まさに待ったなしであります。さらに県内経済は、日銀が発表した六月の短観によると県内企業の業況判断指数――DIが全国三十二支店中の最下位であったほか、県内の有効求人倍率が二年以上全国平均値を下回っているなど全国に比べると県内経済の回復は一段弱く、いまだ景気回復の実感が乏しい状況であります。
 国は、地域活性化を安倍政権の一丁目一番地とし、アベノミクスの成果を全国津々浦々まで広げる、いわゆるローカル・アベノミクスを推進することとし、地方の創生に重点的に取り組むこととしております。こうした方針を受けて国の平成二十七年度当初予算の概算要求では、通常の要求枠とは別に新しい日本のための優先課題推進枠を設け地方の創生に重点的に予算配分することとしており、本県としてもこうした動きに呼応して積極的に取り組むことが急務であります。
 一方で、県の財政状況が依然として厳しいことも事実であります。県が平成二十六年度当初予算編成時に公表した財政の中期見通しによれば、今後も毎年度四百億円程度の巨額の財源不足が生ずることが見込まれております。また法人税の実効税率の引き下げなどの税制改正や、県財政に大きな影響を与える年末の地方財政対策の動向も不透明な状況にあり、健全財政の枠組みの堅持にも十分注意しなくてはいけないのは言うまでもありません。しかし私は財政の健全性に配慮しつつも、本県の将来を切り開いていく施策に対しては今思い切って重点的に予算を配分する骨太な予算編成が不可欠であると考えます。
 そこで、平成二十七年度当初予算編成に向けて県はどのような考えで臨むのか、御所見を伺います。
 次に、産業成長戦略の推進について伺います。
 県では、本県経済を本格的な回復軌道に乗せ持続的に発展させていくため本年三月に静岡県産業成長戦略会議を立ち上げ、官民が一体となった産業成長戦略の検討が進められております。本県産業の再生と活性化を図るためには産業界、金融界、行政それぞれが知恵を出し合って本県経済の再生に向けた産業成長戦略を描き、その戦略のもとで実効性のある対策を早急に実行していくことが必要と考えます。
 そのためには、まずは本年六月の第二回会議で協議された企業の事業活動を活発化するために早期に取り組むべき施策についてスピード感を持って取り組んでいくことが重要であると考えますが、これまでの議論を踏まえてどのような取り組みをしているのか、現在の進捗状況について伺います。
 あわせて、中長期的な課題としては本県の次世代を担うリーディング産業を創出していくことが重要であると考えます。去る九月九日には第三回会議が開催され活発な意見交換が行われたと聞いておりますが、次世代産業の創出に向けた取り組みの考え方と今後の方向性について伺います。
 次に、富士山の保全について伺います。
 昨年六月にカンボジア・プノンペンで開催された第三十七回世界遺産委員会において、富士山が世界文化遺産として登録されてから一年余りが過ぎました。富士山の保全につきましては、各構成資産を有する地域におきまして富士山世界遺産登録を契機としたさまざまな取り組みが進められておられるとのこと、関係の皆様の御努力に敬意を表するとともに、改めて感謝申し上げる次第でございます。
 一方で、登録に当たっては世界遺産委員会からの勧告、要請という形で、平成二十八年二月一日までに保全状況報告書を世界遺産センターに提出するという大変重い課題を課せられたところであります。その提出期限まで残り一年半余りとなった今、富士山の保全はまさに喫緊の課題であるものと認識しております。
 現在、本年三月に開催された富士山世界文化遺産協議会で決定された方向性に基づき、静岡・山梨両県、関係市町村等が連携し、保全状況報告書の提出に向けた各種戦略等の策定作業を本年中を目途として進めていると承知しておりますが、これら各種戦略等策定作業の進捗状況について伺います。
 また、去る九月十一日、私ども自民改革会議は富士山の保全に関する諸課題に迅速かつ的確に対応するために、富士山の保全について県はもとより事業者、県民一人一人といった関係者が共有する基本理念を定めること、関係者が果たすべき役割を明らかにすること、県が広く県政全般に及ぶ関係施策の基本となる事項を明確にすることが必要であると考え、知事に提言を申し上げたところであります。先日関連の新聞報道がありましたが、提言を踏まえ県はどのように考えているのか伺います。
 次に、安心・安全な暮らしの確保についてのうち、国土強靱化地域計画の策定方針について伺います。
 昨年十二月に制定された、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法、通称国土強靱化基本法に基づき、国では本年六月に国土強靱化基本計画を策定したところであります。この基本計画では、いかなる災害等が発生しようとも人命の保護が最大限図られること等を基本目標として、強さとしなやかさを持った安全・安心な国土、地域、経済社会の構築に向けた国土強靱化を推進することとしています。
 また、地方自治体は基本法及び基本計画において、国土強靱化に関し地域の実情に応じた施策を総合的かつ計画的に策定し実施する責務を有することが規定されており、その区域における国土強靱化に関する施策の推進に関する基本的な計画である国土強靱化地域計画を積極的に策定することが求められています。
 国では、この国土強靱化地域計画の策定を促進するため、専門的知見に基づく助言等を通じ地域計画の検討過程等について情報を収集、集約する調査を実施することとし、この調査の対象として地域計画の策定のモデルとなる地方自治体を選定することとしました。本県はこのモデルとなる団体として応募し選定されたとのことであり、国土強靱化に積極的に取り組む姿勢を示しているものと評価をしているところでございます。
 今後、本県が策定する地域計画は、本県のためだけではなく策定のモデル事例となることから全国的にも重要なものになると考えますが、今後どのような方針で取り組んでいくのか伺います。
 次に、浜岡原子力発電所への対応のうち、安全確保に対する県の認識について伺います。
 県では中部電力と協定を結んでおり、浜岡原子力発電所で事故や故障等があったときは中部電力が県に通報することとなっております。そして通報があった際、県は中部電力に事故等の原因や対応の説明を求めるとともに、再発防止等について要請を行っております。本年六月に浜岡原子力発電所内でごみ箱内の廃棄物が燃えるという火災が発生し、協定に基づく通報が行われました。幸い、この火災は速やかに鎮火し放射能による影響も生じておりません。しかし協定に基づく通報は、平成二十四年を最後になかったものが二年ぶりに行われたものと聞いております。また協定における通報の対象には至らないものの、設備の管理運用上のトラブルも発生しており、昨年十一月には五号機の三台の非常用ディーゼル発電機のうち二台が操作の誤りにより稼働できない状態となったことが判明しています。このような状況から改めて浜岡原子力発電所において安全確保の徹底が求められるものと考えます。
 浜岡原子力発電所は現在稼働を停止しています。しかし放射線が漏れないよう管理する必要がある使用済み核燃料が貯蔵されているなど、現在においても安全確保は依然として重要な課題であります。この安全確保については一義的には事業者である中部電力が行うものであります。しかし県民の安全を守る立場から県の取り組みも必要であると考えます。この状況を踏まえた現状についての認識と今後の対応について、県の所見を伺います。
 次に、核燃料税の更新について伺います。
 核燃料税につきましては、浜岡原子力発電所の立地に伴い安全対策、民生対策等の財政需要の財源を確保するため、法定外普通税として昭和五十五年度に創設され五年ごとに更新しているところであります。平成二十六年度は第七期の最終年度ということになります。核燃料税の第七期は終わりますが浜岡原子力発電所周辺の安全対策等の事業に終わりはなく、引き続き着実に実施することが必要不可欠であります。
 核燃料税の税収実績を見ると、第七期は浜岡原子力発電所が運転を停止していることもあり平成二十二年度からの四年間で十一億二千万円余にとどまっています。また浜岡原子力発電所が稼働していた時期の実績を見ても第一期が約二十七億円、第二期が約八十億円、第三期が約七十九億円、第四期が約七十一億円、第五期が約三十八億円、第六期が約六十二億円と税収は不安定な状況にあります。これは課税方式が発電用原子炉に挿入された核燃料の価額に課税する価額割方式だったため、運転状況に大きく左右された結果であります。
 最近、核燃料税に対する条例を更新した道県においては、安定した税収確保のために従来の価額割に加えて原子力発電所の運転停止中でも課税することができる出力割という方式を新たに採用したところが相次いでおり、既に八道県が導入をしております。本年十一月に条例の期限を迎える新潟県においても同様の課税方法を採用すると聞いております。
 そこで、本年度末で課税期間が満了となる核燃料税について平成二十七年四月以降どのように扱っていくのか、知事の御所見を伺います。
 次に、医療・介護の総合的確保について伺います。
 我が国は高齢化が急速に進行しており、団塊の世代が七十五歳以上の高齢者になる二〇二五年には国民の三人に一人が六十五歳以上になると推計されております。これは本県も例外ではなく、二〇二五年には六十五歳以上人口が百十万人を超え高齢化率は三一・六%と推計をされております。この結果、医療や介護を必要とする方がますます増加しますが、現在の医療・介護サービスの提供体制のままでは十分な対応ができないのではないかと見込まれています。
 このような中、国においては二〇二五年に向けた医療提供体制等の改革を進めるために本年六月に医療介護総合確保推進法を制定し、地域包括ケアシステムを構築することを通じて地域における医療及び介護の総合的な確保を推進することとしています。私は本年二月の本会議において社会保障の充実に向けた取り組みについて質問をしましたが、県の総合計画で掲げる安心の健康福祉の実現を図るためには医療及び介護の提供体制の充実はその根幹をなすものの一つと考えております。
 しかしながら、地域における人口構成や医療・介護資源は一様ではなく診療報酬や介護報酬など全国一律の制度だけでは地域の実情に応じた対応が困難なことから、きめの細かな対策が必要であると考えています。
 そこで、新法の制定を踏まえ県は今後どのようにして地域の実情に応じて医療・介護の総合的な確保に対応していくのか、県の所見を伺います。
 次に、沼津駅付近鉄道高架事業の進め方について伺います。
 本事業は、沼津駅周辺が抱える交通環境や南北市街地分断の問題を抜本的に解消するとともに、県東部地域の拠点都市にふさわしいまちづくりを進めていくために必要な事業です。沼津駅北口では県、市、民間が一体となって整備を進めてきた総合コンベンション施設「プラサ ヴェルデ」が七月二十日にグランドオープンをいたしました。また南口の西武沼津店の跡地には劇場や遊技場から成る複合商業施設、沼津ラクーンなどが既にオープンしており、駅周辺ではにぎわいが戻りつつあると感じています。
 しかし、駅構内を通って自由に南北を行き来することはできず、離れた場所にあるガードを迂回する必要があります。車を利用する場合でも南北を行き来するためのガードは、朝夕のラッシュやイベント開催時には渋滞が発生しており、移動に大変な苦労を要します。沼津駅周辺においてコンベンション施設を初めとする駅の南北に点在する商業施設、商店街、宿泊施設、飲食店など多くの人々が利用する施設の間をいつでも容易に移動できる駅南北が一体となったまちづくりを進めるためには、鉄道の高架事業は不可欠だと確信をしております。
 「プラサ ヴェルデ」がグランドオープンした際、記者の質問に対して知事は、私は決断をした。秋に入ったころには全部の関係者に説明し終え、アクションを起こしますとお答えをいただいた報道がありました。このことを踏まえ本議会冒頭の知事提案説明において明確な表現ではありませんでしたが、沼津の置かれている状況を総合的に判断した上で貨物駅移転を含む鉄道高架事業を推進していくという判断をしたものと私は受けとめました。
 そこで、多くの市民が一日も早い完成を望んでいる本事業について知事みずからも足を運んだ最大の課題である原地区への対応について、今後どのように進めていくおつもりなのか、知事の所見を伺います。
 次に、教育行政についてのうち全国学力・学習状況調査結果の評価と対応について伺います。
 昨年度の全国学力・学習状況調査における小学校国語Aの結果は、静岡県の教育界ばかりではなく静岡県全体を揺るがす大きな話題となったことは記憶に新しいと思います。まさに県民が注目する中で平成二十六年度の全国学力・学習状況調査が八月二十五日に発表されました。
 静岡県の子供たちの調査結果は、今年度も中学生は国語、数学ともに上位で安定しており、昨年度に比べて一段と向上が見られました。また昨年度までの小学生の結果は低下傾向ではありましたが、今年度は全科目において平均正答率が向上し国語A以外は全国の平均正答率を上回りました。国語Aにおいても全国平均正答率に比べ、あとわずか〇・一ポイントと大幅な改善が見られました。特に昨年度課題として挙げられていた時間切れによる後半の問題の無回答率も大幅に改善していることがわかりました。
 こうした調査結果の背景には、学校現場での授業改善や個に応じたきめ細かな指導、現場の教員の努力があり敬意を表するものであります。しかし、これで手綱を緩めることなく本県の子供たちに確かな学力が身につくように引き続き努力していかなくてはなりません。
 そこで、県教育委員会として今回の結果についてその要因をどのように分析し、また今回の調査結果を受け今後どのように取り組んでいくのか、教育長の所見を伺います。
 次に、補助教材の採択状況調査結果について伺います。
 さきの六月定例会一般質問において、我が会派の和田議員から各学校の補助教材の採択状況について、公表を前提に調査をすべきとの質問を受け、教育長はどのような教材が補助教材として採択されているのかについて、市町教育委員会の理解と協力を得ながら、その実態把握を実施し九月議会までには報告をするとの答弁をしております。この答弁を受け、県教育委員会においては各小学校から各市町教育委員会へ提出された補助教材使用届をもとに、七月から政令市を含む市町教育委員会に対し補助教材採択状況についての調査を行ったと伺っております。また各学校においては昨年度、県教育委員会から示された補助教材取り扱いガイドラインを踏まえ、複数の見本から複数の教職員により子供の確かな学力の育成に向けて子供の実態に応じた補助教材の選定がされていると伺っておりますが、今月六日に実施されたふじのくに士民協働事業レビューでは、教材の選択基準が設けられていない学校がある、保護者への説明が不十分であるとの意見もありました。
 そこで、補助教材の採択状況の調査結果と来年度に向けた県教育委員会としての取り組みについて、教育長の御所見を伺います。
 次に、新しい警察本部長の所見について伺います。
 西川県警本部長におかれましては、去る八月八日付けで本県警察本部長に着任されました。西川本部長は秋田県では警察本部長、大阪府では刑事部長や警務部長を歴任されたほか、海外での勤務経験もあるなどこれまでの御経験を大いに生かされ、その力を十二分に発揮していただきたいと強く望むものであります。
 さて、我が県の治安情勢について目を向けましたとき、警察の懸命な活動と地域住民と協働した犯罪予防、交通安全活動を推進している中、本年上半期中では刑法犯認知件数や死亡交通事故件数、人身交通事故件数等、いずれも前年を大きく減少させるなど治安対策に一定の成果があらわれていると認識しております。
 しかしながら、強盗や殺人事件などの凶悪犯罪が発生し、またお年寄りなどを対象とした振り込め詐欺が依然として県内各地で発生するなど県民の皆さんが安心・安全を実感できるには警察の一層の活躍を期待するところであります。
 さらに、全国的に問題となっている危険ドラッグについては本県でも早急に対策をとるべきであり、ほかに犯罪被害者等支援条例の制定、警察署再編整備計画の最終段階である浜松西警察署の早期の実現、振り込め詐欺対策のさらなる推進など今後加速的に進めていかなくてはならない課題も多いと思われます。
 一方では、最近県内二警察署で捜査部門を担当する警察官が逮捕されるといった大変残念な事件が発生しており、県民の警察に対する信頼の回復もまた急務ではないかと思うのであります。こうした現状を踏まえ、静岡県警察の新しい総指揮官としての所見について伺います。以上について答弁を求めます。(拍手)
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 鳥澤議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、地方創生の推進についてであります。
 鳥澤先生のほうからは国に先んじて対策をするくらいのスピード感を持ってやれということで、お励ましをいただきましてありがとうございます。
 私どもの総合計画、もう既に議会でも御承認を賜り走っておりますけれども、まさにそこにうたわれておりますとおりポスト東京時代を開くと。これはまさに地方創生と同じ趣旨であります。そして、目指すべき目標としてふじのくにというのを挙げておりますけれども、これは昨年富士山が世界文化遺産に登録されたことを記念いたしまして、ことしの六月二十二日に一周年のお祝いをいたしましたが、その席でふじのくにづくりについての指針を申し述べまして、これは中曽根元総理閣下御自身が推進するべしということでお励ましをいただき、山梨県と一緒にやっているということで一歩先んじてやっているところでございます。
 地方創生を図るには、国任せではなく地域に根差した主体的な取り組みが必要であるという観点からでございます。御指摘のとおり人口減少を克服するということを優先課題といたしまして、県民誰もが安心して働き希望どおり結婚ができ、また子供にも恵まれ将来に夢や希望を持つことができる魅力あふれた地域を創生し、東京一極集中に歯どめをかけて人の流れを呼び込む施策を強力に推進していく所存でございます。
 人口減少に関しましては、本県はこれに関しましても国に先駆けまして関係部局長で構成する全庁横断の推進体制を構築するとともに、人口減少問題に関する有識者会議を設置いたしまして、年内の提言取りまとめに向けて検討を進めているところです。また本県経済を本格的な回復軌道に乗せるため、産業成長戦略会議において官民一体となった産業成長戦略の検討を進めているところでございます。
 今後、人口減少問題に関する有識者会議の御提言などを踏まえて、安心して子供を産み育てられる環境の整備や地域経済の活性化に向けた産業振興と魅力ある就業機会の創出、女性や高齢者が活躍する社会の形成、地域の特色を生かした持続可能なまちづくりなど、まち、ひと、しごとの創生を図る施策を盛り込んだ短期と中長期の両面からの人口減少対策を取りまとめてまいります。
 策定に当たりましては、国の長期ビジョンや総合戦略等の動きも注視しつつ、これに先んじた効果的な対策を打ち出すことができるようスピード感を持って取り組んでまいります。
 また、年度内には各界、各層の代表者で構成する県民会議を立ち上げ官民一丸となって取り組みを推進するとともに、来年度には県内五つの圏域ごとに地域会議を設置し、地域ごと異なる強みや特徴を生かしながら人口減少を克服する活力ある地域圏の形成を進めてまいります。
 次に、主要国首脳会議等の誘致についてであります。
 主要国首脳会議、いわゆるサミットは先進国の首脳が一堂に会するまさに世界最高峰の会議であります。サミット開催地の知名度は世界的に上昇いたします。二〇〇八年の北海道洞爺湖サミットでは約三百五十億円もの直接的な経済効果に加えまして全世界に発信されるPR効果は約一千十三億円に上ったという数字が示されています。サミットを開催いたしまして静岡県の魅力を全世界に発信することは本県経済の活性化、観光の振興、富士山静岡空港の利用の拡大、さらにはふじのくにの名を未来の世代へ伝える絶好の機会となります。それゆえ静岡、浜松両政令市とも連携いたしまして、二〇一六年の主要国首脳会議及び関係閣僚会合を本県へ誘致する決意をしたところであります。
 ふじのくに静岡県は日本の国土のシンボルであり、かつ世界の宝である富士山を初め南アルプスユネスコエコパーク、伊豆半島ジオパーク、世界農業遺産、また東海道のオアシスの浜名湖等、世界標準の魅力を有しており、我が国を代表して海外からの賓客をお招きするにふさわしい地域であると、最もふさわしい地域であると確信しています。このすばらしい海と山の風景の画廊の中で食の都、茶の都、花の都など本県の持つ潜在力、場の力を顕在化させふじのくにならではの最高のおもてなしを提供してまいりたいと考えております。
 来る十月十六日には、私と両政令市の市長、多家県議会議長を初め経済、観光関係団体など各界、各層を代表する皆様で構成する、仮称でございますが二〇一六ふじのくに静岡県サミット誘致推進会議を設立いたします。主要国首脳会議を風光明媚な浜名湖で、関係閣僚会合を富士山の眺望のすばらしい日本平で、また伊豆半島や富士山麓もビフォアーコンベンションあるいはアフターコンベンションなどさまざまな形で全県的に御活用いただけるよう、県内全域で盛り上げてまいりたいと考えております。
 全県を挙げてオール静岡での誘致活動を強力に推進してまいる所存でございますので、鳥澤先生を初め県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようお願いを申し上げます。
 次に、新幹線空港新駅の設置についてであります。
 国の交通政策審議会は、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックやその先の将来を見据えた首都圏空港の機能強化策を検討され、本年七月に中間取りまとめを公表されました。その取りまとめにおきまして富士山静岡空港が首都圏空港需要の受け皿となるポテンシャルを有するとうたわれ、また防災の観点からも活用が見込まれると報告されました。このように富士山静岡空港の重要性が県外、国におきましても認識されておりますことから、新幹線空港新駅設置によるアクセス強化が首都圏空港の一翼を担う富士山静岡空港の機能強化につながることを、国家レベルの見地から国並びになかんずくJR東海に対して積極的に御理解を賜るように努めてまいる所存であります。このため、新駅設置に必要な関連施設の調査費として、まず空港ターミナルビルから駅舎までの連絡路また駅前広場の概略検討、これを実施する補正予算案を本議会にお諮りしております。航空需要が増加する東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせた供用を目指してまいります。
 今後とも、県議会の皆様に御協力をいただきますとともに、関係市町、地域の皆様方と連携して富士山を借景とする広大な自然空間と都市空間が調和した魅力のあるふじのくにの空の玄関口の実現に向け、全庁を挙げて取り組んでまいります。
 次に、全国学力・学習状況調査の公表についてであります。
 県議御指摘のとおり、子供の能力を地域全体、社会全体で育み伸ばしていくということが一番大事なことであります。能力の一つが学力であります。子供の学力をいかに伸ばすか。残念ながら平成二十一年、私が就任しましてから学力調査の結果を踏まえ、そして対策を講じられ、その対策の結果、全国学力テストを受けるごとに階段を落ちていきまして昨年度は最下位と逆さ富士のトップに立ったということでございました。
 その後、国の公表なさいましたナンバーワンの秋田県に本県の先生方が行かれまして向こうのすぐれた授業法を学ばれました。小学校、中学校、なかんずく小学校の学力というものを伸ばすには先生の授業力が大きく左右します。それゆえ高い学力をつくり上げている先進地域における授業法を学びに行かれたというふうに理解しておりまして、言いかえますと子供の学力の責任は先生にあると確信しているわけでございます。
 そして、今年度の公表につきましては、昨年度は御心配いただきました県と教育委員会との間で考え方の違いというものが表面化したわけでございますが、今年度は、この点は私も繰り返しこの点を申し述べ教育委員会のほうでも御理解を賜っていたということで、教育委員会委員長のほうから御一任を賜りまして今回の公表に至ったということでございます。
 そしてこのたびは、前回最下位でございました小学校国語Aの平均点以上の校長先生、これは先生方の御功績を認めるためでございますけれども公表をいたしました。それに加えまして実施要領を踏まえて市町名を公表したわけでございます。
 鳥澤議員は実施要領をお読みになりましたか。(発言する者あり)そうですか。明確なルール違反というのは、なかなかに激しい言葉でございます。私は成績と並びに実施要領を公表の前日に教育委員長、教育長からいただいたわけでございます。実施要領というのは県には配られません。県教育委員会に配付されるものであります。そして私は十二ページ、本文だけでいえば九ページの実施要領を熟読いたしました。そしてその実施要領における文部科学省の公表というのが全部で四行で書かれております。国の学校全体の状況、正確に言いますと国全体の状況及び国公私立学校別の状況、都道府県ごとの公立学校全体の状況、政令指定都市、東京二十三区、中核市その他の市町村並びに僻地における公立学校全体の状況と。これを公表するということでございます。
 これを根拠にして国全体の科目別平均正答率が公表され、都道府県の固有名詞と各科目の平均正答率が公表されました。この公表のルールから、それは飛躍であるというふうに私は存じます。しかし国並びに都道府県の平均正答率並びに各科目ごとの平均正答率が、このルールにおいて公表し得るものであるならば、政令市、中核市、市町村、僻地の学校全体の状況は同じように公表してしかるべきであるというふうに見るのが普通の読み方です。
 さて、いわゆるルール違反と言われております市町名の公表についてでございますが、これは項目といたしましては教育委員会及び学校による調査結果の公表という項目の中に書かれている文でございます。これは(五)のアの(ア)のAの中にあるわけでございますが、煩瑣をいとわず読み上げますと、@は「自らが設置管理する学校の状況について、それぞれの判断において公表することは可能であること。」さて、大事なのは次のAです。「域内の市町村の状況及び市町村教育委員会が設置管理する学校の状況について、市町村教育委員会の同意を得た場合は、当該市町村名又は当該市町村教育委員会が設置管理する学校名を明らかにした公表を行うことは可能であること。また例えば教育事務所単位の状況を公表するなど個々の市町村名、学校名が明らかとならない方法で公表することは、それぞれの判断において可能であること」と。ここには二つの文があります。もし「市町村教育委員会の同意を得た場合は」というのが先ほどの「また」の文にもかかっているとしますと、これは文章が矛盾しております。
 すなわち、「教育委員会の同意を得た場合は市町村名も学校名も明らかにした公表ができる」。そしてまた、「例えば教育事務所単位での公表するなど個々の市町村名、学校名が明らかとならない方法で公表することができる」と。前文では公表できない、後半では公表ができると書かれているのは明らかに一文が抜けているからです。すなわち市町村教育委員会の同意を得た場合は市町村名、学校名を明らかにした公表を行うことは可能であること。また同意を得られなかった場合には、教育事務所単位での公表をするなど個々の市町村名、学校名が明らかとならない方法で公表することは可能であると。したがって、この「市町村教育委員会の同意を得た場合」というのが両方にかかっているようにも読めますので、そういうふうに読めばこれは文意が通りません。文意を通そうと思えば言葉を補わざるを得ません。
 そして、ちなみに教育事務所というのは、鳥澤議員、御存じでしょうか。ここで初めて出てきまして、ほかにどこにも出てきません。教育事務所と教育委員会事務局と教育委員会とどう違うでしょうか。これを明確に答える人はほとんどおられないと思います。そして教育事務所というのは静岡県には東部と西部にございまして、また政令市にそれぞれございます。ここにおいては公表が可能であるということになりますれば、浜松市と静岡市は政令市でございますのでその公表が可能だということになります。
 さて、このルールは明確でしょうか。明確なルール違反ではなくルールが明確でないんです。ですからこの間もこの件について民放が特集して論評しておられましたけれども、明確なルール違反という激しい言葉が前提になっておって、実施要領をしっかり玩味し調査し、明確なルールというものが何かということに基づいて議論されているわけではありません。ルールが明確でなければルール違反を言うことは逸脱です。またこのルールに基づくならば都道府県名やあるいは都道府県ごとの平均正答率、科目ごとの平均正答率を出すというのは明らかに飛躍です。ですからルール違反を言うのならば、その根拠を明確にするべきであるというふうに思います。私は明確なルール違反ではなくルールが明確でないということをここで申し上げておきたいと存じます。
 さらにまた、私は教育の中立性や安定性の確保を担ってきた教育委員会制度の意義は十分承知しております。五人のレイマンすなわち素人がいます。レイマンコントロールというのが教育委員会制度の基本的な考え方です。プロは一人、教育長だけです。このレイマンコントロールの中身を先生は先ほど、地域や家庭全体で子供たちを育てていくというふうに言われました。そのように、今後の教育は教育委員会の基本的な思想をもっと開けたものにしていくということだと存じます。そこで教育を教育委員会や学校だけに任せておくのではなく、地域の子供は地域全体の大人で育てるのだという認識のもとで地域ぐるみ、社会総がかりで教育を行っていくことが大切なのであります。
 国におきましても、いわゆるコミュニティスクールと呼ばれる学校運営協議会制度が創立され、磐田市等では既に保護者、地域、学校、教育委員会が一体となった学校づくりが進められています。また西伊豆町では株式会社増進会出版社と連携した読解力の向上など民間企業と連携した取り組みも始まっております。
 今回の教育制度改革の中で、地域の首長と教育委員がともに議論を行う総合教育会議が来年度から創設されることになりました。本県では今年度、地域とともにある学校づくり検討委員会が設置され、そして県地域整備センターの矢野理事長、元東芝ヨーロッパの社長として人材の養成のプロです。また中日本のトップとして人材を養成されてこられました。こうした社会のリーダーになられた方を座長にお迎えして文武芸三道の分野における専門家の御参画を得まして、教育関係者の皆様とともに、地域ぐるみ、社会総がかりで子供たちの教育にかかわる理想の教育の実現を目指して、もう既にこの検討委員会の会議も三回開かれております。
 この十月には、教育委員会からのお申し出により教育委員との意見交換会が開催されることになっています。今後とも確かな学力の向上や教育指導の充実に向けまして県教育委員会、市町教育委員会、文部科学省との連携を十分に図りながら、地域が一体となって本県の目指す徳のある人材の育成に努めてまいります。
 次に、富士山の保全についてであります。
 世界遺産委員会から示された勧告及び要請に対しましては、これまで富士山世界文化遺産協議会を中心に資産の全体構想や各種戦略の策定作業を進め、今月二十五日に開催した第三回富士山世界文化遺産学術委員会では戦略等にかかわる素案をお示しし御議論をいただきました。
 委員の皆様からは、富士山の上方の登山道における収容力についての考え方や人間と自然との調和的な共存の観点を踏まえた文化的景観の保存手法などにつきまして、さまざまな観点から御意見を伺ったところです。
 今後は、学術委員会でいただいた御意見を踏まえながら、富士山世界文化遺産協議会作業部会などの場を通じまして構成資産や山小屋などの関係の皆様の御意見を幅広く伺った上で、本年十二月をめどとしてこれら戦略等の策定を進めてまいります。
 あわせまして、白糸の滝における展望場の整備や電柱の埋設化、三保松原の海岸の景観改善、松林の保全などの取り組みを着実に進めまして世界遺産委員会に提出する保全状況報告書を最善なものとしてまいります。
 また、保全状況報告書に盛り込む戦略等を確実に実施し富士山を良好な状態で後世に継承するためには、裾野市須山地区の皆様による江戸時代から明治期にかけて富士山巡礼者の宿であった御師住宅保存の取り組みに見られますように地域社会の果たす役割は大変大きく、富士山の保全に向けた取り組みにつきまして関係者が一丸となって進める必要があります。
 このことから、自民改革会議を初め県議会各会派の皆様から御頂戴いたしました提言も踏まえて富士山の保全についての基本理念や実現に向けて果たすべき関係者の役割、県の施策の基本的事項を明らかにする基本条例を定めることが効果的と考えられます。今後山梨県と調整を図りながら、今年度内をめどといたしまして制定に向けた準備を進めてまいります。
 次に、安全・安心な暮らしの確保についてのうち、浜岡原子力発電所への対応についてです。
 核燃料税の更新についてですが、核燃料税は法定外普通税として昭和五十五年四月に創設し環境放射線監視、温排水影響調査、漁港や漁場の整備、非常時の避難路の整備など原子力安全対策や生業安定対策、民生安定対策等に活用することで原子力発電所周辺地域の安全と振興に大きく寄与してまいりました。
 現在、浜岡原子力発電所は運転を停止しております。しかし放射線の監視業務など原子力発電所の立地に伴う対策は確実に実施していかなければなりません。したがって課税期間が終了する核燃料税につきましては今後も課税を継続したいと考えています。
 なお、課税方式につきましては安定的な税収の確保を図る観点から従来の核燃料の価額に応じて課税する価額割に加えて、稼働しているかどうかにかかわらず発電用原子炉の熱出力に対して課税する出力割の導入を考えています。また税率につきましては、平成二十七年度以降五年間の財政需要を踏まえまして現行の一三%を適切な水準に引き上げる方向で検討を進めているところであります。
 今後、納税義務者である中部電力株式会社の御理解をいただいた上で、ことしの十二月議会に条例案を提出できるよう準備を進めてまいります。
 次に、沼津駅付近鉄道高架事業の進め方についてであります。
 昨年十一月に沼津駅付近鉄道高架事業に関するPI委員会から報告書をいただいて以降、沼津市や地域の方々などの関係者と意見交換を行うとともに、関西にある先進貨物ターミナルの視察や日本貨物鉄道株式会社のトップとの面会をしてまいりました。
 その際、阪神・淡路大震災のときに被災を免れた姫路貨物駅がE&S方式と言われる――エフェクティブ・アンド・スピーディー・コンテナ・ハンドリング・システム(“Effective&SpeedyContainerHandlingSystem”)と言われるそうでございますが、効率的に早く静かに荷おろしができるというシステムでこれが導入されておりまして、その方式に従いまして列車の効率的な折り返し運行が可能となり、そしてこの姫路貨物駅が救援物資の集積拠点として阪神・淡路大震災に当たっての能力が十分活用されたという実態を知ったわけでございます。
 こうしたことから、沼津の地で効率的な新しいターミナルが整備されていれば首都圏有事の際には西からの救援物資輸送の拠点として重要な役割を果たすことができます。まさに公益性の高い事業であるというふうに思い至った次第であります。
 実態といたしましては、百本余りの貨物線が上下線動いておりますけれども六十本以上は通過です。そして三十台ほどが待避、通過待ちということでございます。そして上下合わせて五本で荷物の上げおろしをしているということでございますので、実態として貨物の上げおろしというのは少ないというか本当に少ないということです。
 これをどう見るかということなんですが、コップにですね、五%の水があると。水があるじゃないかと言うことは、それは確かです。しかしほとんど水がないというふうに言うのも確かですね。ですからこれをどう見るかということなんですが、しかしこの五%の水、すなわちここにターミナルの設備を備えておくということが今回の御嶽山の噴火あるいは首都圏の直下型地震、どのような事態に見舞われないとも限らないし、私どもが見舞われたときにはそうした拠点から援助をいただくということになりますので相身互いということでございますから、特に東京オリンピックを控えて私どもは国のために何か静岡県ができることということの一つとして、ここにE&S方式の貨物ターミナルの駅を持っておりますことが、今のいわゆる従来型のものではその役割は果たすことができません。土地もふぞろいになっておりますから、それができないということでございますので、ぜひこの見方を地元の方々共通の理解にしていただきたいと伏してお願いを申し上げたいと思うところであります。
 御質問にありました新ターミナルの整備予定地でございます原地区への対応につきましては、まずは鉄道で分断された南北の自由な往来を確保するために歩行者を対象にした立体横断施設を先行して整備することとし、その検討を始めます。
 また、地元の方の御懸念になっている騒音など生活環境への影響につきましては万全の対策を行い、御理解いただけますように引き続き話し合いを続けてまいります。さらに農業を続けたいという方もいらっしゃいますので、その要望に応えようということで本事業に必要な土地を提供していただけるように沼津市とともに全力を尽くしてまいります。
 今後も、御当地ゆかりの白隠禅師の「動中の工夫は静中の工夫に勝ること百千億倍」という言葉のとおり動きながら考えてまいる所存です。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(多家一彦君) 下山経営管理部長。
       (経営管理部長 下山晃司君登壇)
○経営管理部長(下山晃司君) 平成二十七年度当初予算編成の方針についてお答えいたします。
 平成二十七年度当初予算につきましては、八月に国が示した地方財政収支の仮試算では地方税や地方交付税等の一般財源総額はおおむね二十六年度と同水準が確保されているものの、十二月に判断される消費税率の引き上げや年末に決定される地方財政対策など不透明な要素が多い中での編成になるものと考えております。このような中にあっても財政の健全性を維持しつつ、富国有徳の理想郷“ふじのくに”づくりの総仕上げに向け総合計画後期アクションプランをスピード感を持って着実に進めていく必要があります。
 このため、行財政改革大綱に基づく徹底した歳出のスリム化と未利用財産の売却促進などの歳入確保に取り組むとともに、後期アクションプランで定める大規模地震への万全の備え、内陸フロンティアを拓く取り組み、富士山を生かした地域の魅力づくりなど八つの重点取り組みについて予算を重点的に配分し施策の展開を図ってまいります。
 特に、国の地方創生に向けた取り組みは後期アクションプランの重点取り組みである人口減少社会への挑戦や新成長産業の育成と雇用創造などとも共通する施策でありますので、国の動きに呼応して積極的に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 土屋経済産業部長。
       (経済産業部長 土屋優行君登壇)
○経済産業部長(土屋優行君) 産業成長戦略の推進についてお答えいたします。
 本県産業の力強い再生とより一層の活性化を目指し、第二回の産業成長戦略会議で決定いたしました四つの戦略に沿って企業の誘致や定着を推進するための百六十社に及ぶ企業との意見交換や防災先進県としてのPR強化、遊休地などの県内事業用地の情報整備、海外向けネットショップの活用による海外販路開拓など早急に実施しているところであります。
 また、県内金融機関と連携いたしまして中小企業の枠を超えた地域企業の設備投資を後押しするための新たな支援の仕組みについての検討に着手いたしましたほか、八月には本県産業を牽引する地域企業を総合的に支援する体制の強化を目指し産業支援機関による専門部会を設置したところであります。
 さらに、企業立地や事業活動を活発化する上での各種規制について産業成長の視点から見直しを進めており、こうした取り組みの第一弾といたしまして市街化調整区域内における工場等の新設に係る要件を見直すとともに、副知事をトップとする産業成長のための規制緩和推進会議を立ち上げ全庁を挙げて対応を図ることといたしました。
 中長期的な課題であります次世代産業の創出につきましては、第三回会議におきまして、ものづくりの基盤技術の高度化や新事業分野への進出を促進するための支援体制づくり、次世代産業を担う人材育成などの必要性について御意見をいただきました。こうした御提案を今後取りまとめる産業成長戦略につなげ産業界や金融界と一体となって取り組んでまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 岩田危機管理監。
       (危機管理監 岩田孝仁君登壇)
○危機管理監(岩田孝仁君) 安全・安心な暮らしの確保についてのうち、国土強靱化地域計画の策定方針についてお答えいたします。
 本県では、国の国土強靱化政策を先取りする形で、南海トラフ巨大地震への備えとして地震・津波対策アクションプログラム二〇一三や事前復興の視点を取り入れた内陸フロンティアを拓く取り組みを進めており、これらを生かしながら本県の地域計画を策定してまいります。
 地域計画の目標といたしましては、人命の保護と被害の最小化のほか行政やライフラインなど社会的に重要な機能の維持、迅速な復旧・復興に加え本県独自の視点として防災・減災と地域成長を両立させた魅力ある地域づくりを目指すこととしたところであります。
 計画策定に当たりましては、既存の防災林のかさ上げなどにより津波に対する安全度の向上を図るいわゆる静岡モデルのように、自然との共生、環境との調和及び景観の維持に十分配慮するとともに、本県の取り組みについて計画の検討段階から全国に情報発信してまいります。
 知事を本部長とする静岡県国土強靱化推進本部のもと全庁体制で検討を進め、有識者や関係機関の意見も伺いながら、美しく、強く、しなやかな地域づくりの実現に向け全国のモデルとなる静岡版の国土強靱化地域計画を来年の春を目途に策定してまいります。
 次に、浜岡原子力発電所への対応についてであります。
 安全確保に対する県の認識についてでありますが、浜岡原子力発電所については運転停止中でありますが、使用済み燃料が貯蔵されていることから安全の確保が何よりも重要な課題であります。しかしながら議員御指摘のとおり安全協定に基づく通報を要する火災や事業者がみずから定めた保安規定に違反する事案が発生しております。このような事案が繰り返されることは大変問題であると受けとめており、原子力発電所の安全性について県民の信頼を揺るがしかねないと認識しております。
 県といたしましては、これまでも中部電力に対し事故等が発生したときには報道機関に公開している場で詳細な説明を求め、直接的な原因はもとより発生につながった管理体制の問題等、根本的な原因についても究明した上で再発防止策を徹底するよう要請してきたところであります。
 今後とも、事故等に限らず乾式貯蔵施設の設置等、安全確保に関することについては中部電力に対して十分な報告を求め、安全性の一層の向上を図るよう強く求めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) 医療・介護の総合的確保についてお答えいたします。
 本県におきましても、二〇二五年には在宅で医療や介護を必要とする方が大幅に増加するものと見込まれることから、将来にわたり地域においてしっかりと医療や介護サービスを提供できる体制を確保することが求められております。
 本県では、在宅での医療が必要な方を医療と介護が連携して支えていけるよう静岡県在宅医療推進センターを設置し、各地域において在宅医療関係者を対象とした研修会やシンポジウム等を開催しているほか、多職種による協議調整等を行う在宅医療連携体制の拡大など在宅における医療と介護の基盤の整備に取り組んでまいりました。
 また、今回の医療介護総合確保推進法の制定を受け、新たな財政支援制度を活用して在宅での生活を支える訪問看護の推進や地域で必要な病床の整備など各地域で必要とされる支援について、市町や関係団体から御提案をいただきながら医療と介護に関するきめの細かい対応を行いたいと考えております。
 今後も、市町や関係団体への支援や意見交換、指導等を行い、医療や介護、生活支援サービスなどが身近な地域で提供され誰もが住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう地域の状況に合った地域包括ケアシステムを構築し、医療と介護の総合的な確保に努めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 教育行政についてのうち、全国学力・学習状況調査結果の評価と対応についてお答えいたします。
 本年度の全国学力・学習状況調査の結果は、児童生徒や保護者、教職員、地域の方など本県教育にかかわる多くの方々の御努力により大きな改善を図ることができました。これはこれまでの調査結果を分析し、授業や学習への取り組みを改善するなどさまざまな対策を行った結果であると受けとめております。詳細な分析は現在行っているところではありますが、各学校が昨年度までの調査問題や結果を教育活動に活用し、限られた時間の中で子供たちが最後まで解答することにより本来持っている力を発揮することができたのも要因の一つだと考えております。
 また、昨年十二月に県教育委員会が示しました授業改善の視点を踏まえ、多くの学校で学習指導要領をいま一度読み込み、つけたい力を明確にしたり学習の振り返りの場を確保したりするなど授業のあり方について見直しを図ったことも成果に結びついたものと認識しております。
 今後は、国語におきましては条件に合わせて考えをまとめること、また算数・数学におきましては原理、法則に裏づけされた知識、技能を習得することなど本県の課題を整理して改善策を示し、確かな学力が身につく授業が実践されるよう市町教育委員会と連携しながら取り組んでまいります。
 次に、補助教材の採択状況調査結果についてであります。
 県教育委員会では、学校から市町教育委員会に提出されました教材使用届等に基づき、各教科や道徳等で使用されております全ての補助教材について採択状況を調査いたしました。その結果、本年度の小学六年生を例にとりますと使用されております補助教材は一人当たり平均十点であり、採択されている出版社の数は県全体でおよそ五十社に及んでおります。また出版社ごとの使用冊数の割合につきましては、事業レビューに御出席いただいた教育出版社では小学校におきまして昨年度が七二%に対し本年度が六一%であり、中学校におきましては三五%に対し三二%でありました。
 これらの調査結果から、各学校では各教科のテストやドリルを初め国語のワークブックや社会科の資料集、道徳の副読本など多岐にわたり、基礎的、基本的な内容に重点を置いたものから発展的な学習に活用できるものまで、児童生徒の実態を踏まえてこれまで以上に多くの出版社の補助教材から選択、決定しているものと考えております。
 県教育委員会といたしましては、事業レビューでも御指摘をいただきました保護者への説明が不十分である等の御意見も踏まえ、今後も市町教育委員会と連携し、指導主事の学校訪問等の機会を通じて補助教材取り扱いガイドラインに基づいた厳正な選択、決定や効果的な活用に各学校が一層努めるよう指導助言を行ってまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 西川警察本部長。
       (警察本部長 西川直哉君登壇)
○警察本部長(西川直哉君) お答え申し上げます。
 まずもって、県警察の責任者といたしまして課せられた責務を果たし静岡県の安全と安心を確保するため県民の期待と信頼に応える警察の構築を目指してまいります。また、そのときどきで県民や社会から求められていることを見逃さず、これに迅速かつ的確に対応し得る組織づくりに努めてまいりたいと考えております。
 個別の治安対策といたしましては、ドメスティック・バイオレンス、ストーカーを初めといたしました人身安全関連事案に対しまして、被害者からの相談対応、保護対策、加害者に対する捜査、警告など一体的に対応する体制を一層強化し、この種事案の未然防止を図ってまいります。
 また、依然後を絶たない振り込め詐欺など県民に脅威と不安を与えている犯罪に対する取り組みを強化するとともに、大きな社会問題となっております危険ドラッグについても、その使用が疑われる事件事故の未然防止に向けた対策や販売店に対する取り締まりの強化などを進めてまいります。
 さらに、高齢者が全体の約半数を占めております交通死亡事故の抑止対策についても強力に施策を進めてまいります。これに加えまして、予想される大規模地震や大雨など自然災害の対処についても万全な体制を構築してまいります。
 本県は、安全で安心な社会づくりに向けた企業や団体、地域住民の皆様等の意識が非常に高く、警察とも良好な協力関係を構築していただけるよい土壌があるとの印象を持っているところであります。こうした各種の施策につきましては、民間の方々との連携等をより重視して推進してまいります。一方で、その前提となるのは県民の皆様からの信頼にほかならないことから、これを大きく損なってしまう不祥事案等につきましては再発防止に万全を期してまいります。
 最後に、県警察としての仕事への取り組み方について申し上げます。
 着任時、部下職員に対して私自身も取り組むべき課題といたしまして、世の中の動きに敏感になり変化に対応したよい仕事をすること。一人一人が仕事の意義をよく理解し主体的に取り組む姿勢を身につけ社会の根幹を支える一翼を担っているという自覚を持って仕事をすること。上司、同僚、部下の間に深い信頼関係を築き、一体感のある職場組織をともにつくっていくことという三点を指示いたしました。
 こうした姿勢を堅持し、組織一丸となって仕事に取り組み、県民の信頼と期待に力強く応えてまいる所存であります。以上でございます。
○議長(多家一彦君) 十一番 鳥澤由克君。
       (十一番 鳥澤由克君登壇)
○十一番(鳥澤由克君) それぞれに皆様方からの御答弁をありがとうございました。特に警察本部長からは就任と同時に大変力強いお言葉をいただきました。ありがとうございます。
 それでは、一括方式によりまして要望及び再質問をさせていただきます。
 まず要望でございますが、まず一点目は、富士山の保全についてでございます。
 これは本来でしたら、このような縛りということではなく富士山を訪れる方それぞれが富士に対する畏敬の念と大切さをもってやれば、規制ということでは条例ということの必要性もないのかもしれませんが、富士山の保全に関する県の施策の基本となる事項も明確にしていきながら、やはり静岡県は静岡県、山梨県は山梨県で独自性の解釈を持って、その責任分担を明確にすることと同時に両県が共通して取り組まなければならない内容もしっかりと盛り込んでいくことが必要だというふうに思っております。
 次に、沼津駅の高架化についてでございます。
 知事から、それぞれの力強いお言葉をいただいたわけでございますが、特に私たち裾野も含めまして、この東部圏域についてはやはり沼津の高架事業については大変大切な位置づけだというふうに思っているところでございます。さまざまな実現に向けての環境整備を進められているというところでございますが、知事におかれましてはリーダーシップを発揮して、多くの市民が早期実現を望んでいるところでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。以上、要望二点でございます。
 それでは、再質問のほうに移らさせていただきますけれども、先ほど知事からお話がございました。確かに我々としましても、その現場の先生あるいは文部科学省からの直接の御意見、各それぞれの通達の文書もいただきました。この短い時間の中では、なかなか知事がおっしゃった趣旨についての議論はできないかもしれませんが、ただ真に子供たちの健やかな学びの環境を実現するためには、来年度以降も当然三年に一遍、理科も加えられての調査が行われるというふうに思っております。やはり議論を、さまざまな立場でさまざまな思いでもちろん議論することは先ほど冒頭申し上げましたように必要なことであります。それぞれの皆様の御見解によってお考えがあります。それは、見ている方向は一つでございまして、子供たちのため、よい教育環境をつくっていこうということでございます。ですので、教育の場を揺さぶるのではなく、むしろ知事と教育委員会とがやはり信頼関係を構築して前向きに取り組んでいくことが、私は先ほど知事のお言葉を借りれば県民総がかりであるということでございますので、そのところの必要性をいま一つ私も感じておりますので、ぜひともその見解をお伺いをしたいと思っております。
 知事は、昨年度の思いを持って、その時点で状況判断から公表をされたということでございますので、昨年度公表から本年度までの間、教育環境はどのように変化をされてきているというふうに思っていらっしゃるのでしょうか。それで本年も公表を行い、各学校からの状況をどう分析をされてその施策としていくというふうに、重点施策として反映していくべきだというふうに思われるでしょうか。
 それと、教育長のほうからは補助教材の採択状況の数値的な説明をされました。先ほど御答弁をいただいた中では県下全体の数値ということでございますが、重要なのはやはり全体の県の数値。それはもちろん今おっしゃっていらっしゃると思います。当然、二十五年、二十六年の比較検討からそのような数値の蓄積があると思いますが、やはりそこには市町の教育委員会としての数値の積み上げがそこにはあると思いますが、その実態が県全体の数値に隠れている実態。例えば県全体ではこのように数値が減っているんだけれども、やはりそれは各市町の個々を見れば減っているよりもむしろふえている。あるいは現状維持であるというようなことがもしかしたらあるのかもしれません。市町の数値をお持ちでいらっしゃるのかどうかをまずお伺いをいたします。
 それぞれの数値を御報告いただきました中で、数値というよりも選定までの経過が大変重要だというふうに思っております。誰のための教材の選定なのか。あるいは経済的負担をかける保護者を含め、学校としては説明責任をしっかり果たしていかなければならない。学校は採択した以上その責務を負うというふうに私は思っております。
 今、教育長の多分心の中では、やっぱり市町のそれぞれの教育委員会のあるいは対応を信じてそれぞれの対応を尊重していくというお考えがあるのかもしれませんが、やはりもうそれは、今現時点でいきますとその域を超えて、あまりこの論議が長引くとさまざまな点で影響が出るというふうに私は懸念しておりますので、ぜひともしっかりとした御答弁の中で、その教材のあり方、それにかかわる援用の仕方等、御答弁をいただければというふうに思っております。
 以上、二点についての再質問の答弁を求めます。よろしくお願いいたします。
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 鳥澤先生からの、学力調査にかかわる再質問にお答えを申し上げます。
 昨年度から今年度にかけての教育を取り巻く環境の変化について、どう認識しているかということの御質問であったかと存じますけれども、これはよくなったというふうに思っています。これが学力テストの結果にあらわれたと。そしてそれを今教育委員会のほうで分析されているというふうに認識しているところであります。
 そしてまた、それと関連いたしますけれども、補助教材も果たして役に立っているのかどうかということで今回初めて事業仕分けの対象にした次第でございます。補助教材をつくっておられる組織、それを出版している組織、それを販売している組織、これが三社それぞれ資本を持ち合いながら動いて、そして学年初めに徴収せられる学年費でそれが買われているという実態も事業仕分けで明らかになったものであります。
 私は、鳥澤さんが言われるように富士山に登る道は幾つもある。ですからそれぞれ能力の発揮の仕方はいろいろとあると思いますけれども、子供の学力あるいは能力、体力、全てのものが発揮できるような状況はみんなでやらないといけないというふうに思いますので、こうした今まで先生方にお任せする面が多かったこれを、これから副知事を筆頭にいたしまして、学校環境全体の環境を整えるための委員会を立ち上げようというふうに思っております。これは事業レビューの結果を踏まえてのことでございますが、いかにして学校の先生がいい教育環境の中でお仕事をしていただけるか。それを大人全体で支えるためのやり方が、どういうものがあるかといったようなことを中心に、そして先ほどの特に補助教材をつくっておられる三つの組織、つくっているところ、売っているところ、販売しているところ。こうしたところのあり方が県民目線でどうあるべきかという観点の委員会を立ち上げようというふうに思っております。以上であります。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) 補助教材について、二つの再質問にお答えしたいと思います。
 一つは、補助教材の県全体のデータを御紹介させていただいたわけですけれども、いわゆる市町別は持っているかということでありますけれども、これについては集計の時にテストとかドリルという、そういう種別に集計はしましたけれども、市町別の集計は現在のところしておりませんのでこれについては持っていないということでございます。
 二つ目は、補助教材の採択あるいは作成に関する御質問だったかなというふうに思いますけれども、議員からも御指摘がございましたように保護者の経済的な負担等も、やはり私たち大切な要素ということで考えていかなければなりません。そういう意味では、調査結果の中ではこれは事業レビューでも御指摘されましたけれども保護者への説明が十分でないのではないかとか、あるいは選択基準を設けていない、あるいは今後検討という学校もまだ一〇%程度、調査の段階ではございましたので、選択基準の設定あるいは保護者への説明ということを今後十分にやっていきたいなというふうに思っているところでございます。以上であります。
○議長(多家一彦君) 十一番 鳥澤由克君。
       (十一番 鳥澤由克君登壇)
○十一番(鳥澤由克君) 御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 先ほど教育長さんのほうからは数値をまだ把握していないというところでございますが、やはり一番のところはそれぞれの現場が抱える実態がいかに全体の把握の中で必要かという基本になるというふうに私は思っておりますので、その数字についてはどのようにこれから進めていくかを再度お聞きをしたいというふうに思います。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
○教育長(安倍 徹君) 再々質問にお答えさせていただきます。
 市町別のデータにつきましては、先ほど申しましたように現在持ち合わせていないところでございます。また今回データの持ち主であります市町教育委員会から教材の使用届等をお借りしてデータ集計をしたわけでございますので、もし今後市町別のデータ集計をするということでありますならば、各市町教育委員会にその旨御了解を得た上で集計をいたしまして御提供をするという形になろうかなというふうに思います。ただこれには少しお時間が必要かなというふうに思いますので預からせていただきまして、教育委員会の事務局の中で検討させていただければありがたいなというふうに思います。以上であります。
○議長(多家一彦君) これで、鳥澤由克君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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