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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和3年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

野田 治久 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/04/2021

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックのレガシーとしての県と日本サイクルスポーツセンターとの連携について
2 危機に瀕する観光産業の回復に向けた取組について
3 違法な盛土事案に対する最終的な解決の在り方について
4 狩野川水系のカワウ被害対策について
 生息実態の把握
 被害防除対策
5 ワサビ田の保全について


○副議長 (竹内良訓君)  ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、 十八番 野田治久君。
        (十八番 野田治久君登壇 拍手)
○十八番 (野田治久君)  私は、 自民改革会議所属議員として通告に従い県政の諸課題について知事、 副知事及び関係部局長に一括質問方式で伺います。
 初めに、 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックのレガシーとしての県と日本サイクルスポーツセンターとの連携について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行により一年延期となった東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックが、 一部の観客の制限などはあったものの何とか無事に開催されました。 県内では東部地域、 伊豆半島地域において自転車競技が開催され日本サイクルスポーツセンターにおいても熱い戦いが繰り広げられました。 中でもトラック女子オムニアムでは、 練習拠点を伊豆に置いている梶原悠未選手が銀メダルを獲得した雄姿がテレビ放映され大いに盛り上がったことは地元としてうれしい限りでありました。
 大会は大過なく終了しましたが、 コロナ禍での大会開催は大きな制約を受けることになり数年をかけ準備をされてこられた数々の取組のほとんどが実施できず残念でなりませんでした。 大会をより円滑に運営しさらに大きな花を咲かせるために機運の醸成をはじめ数々のおもてなしや交流事業、 また静岡の魅力発信などに取り組んで来られた県をはじめ関係市町の担当者やボランティアスタッフの皆さん、 大会開催に御尽力頂いた多くの県民の皆様に改めて感謝申し上げたいと思います。
 今後は、 この東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックのレガシー創出に向けた取組が本格的に始まっていくことが大切であると考えています。 東京オリンピック・パラリンピック自転車競技レガシー推進委員会が令和二年五月にまとめた報告書によると、 日本サイクルスポーツセンターについてハード・ソフトの両面から今後の取組の方向性が示されています。 またオリンピック・パラリンピック会場として地域住民にとって身近な存在とすることが求められており、 県はオリンピックマウンテンバイクコースの一般利用を図るためコース整備費を負担することに加え本県で開催されなかったBMXについても普及、 振興の可能性を探る調査費が本会議に提案されています。
 さらに、 令和三年二月県議会の私の質問に対し日本サイクルスポーツセンターを自転車トレーニングビレッジとして活用を図るとの答弁がありました。 民間施設である同センターと県とがどのように連携して取組を進めていくのか、 また大会後の日本サイクルスポーツセンターの管理運営体制も含めた県の関わりについて伺います。
 次に、 危機に瀕する観光産業の回復に向けた取組について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の第五波、 デルタ株の急拡大はこの夏の観光シーズンを直撃し、 秋以降の見通しもまだまだ立たないほど県内各地の観光関係事業者に対し想像以上に深刻な影響を及ぼしています。 本県を含め全国の多くの都道府県で緊急事態宣言が発令され酒類を提供する飲食店に対する休業要請、 協力金支給を中心に対策が進められてきましたが、 一方で要請対象とならなかった観光業、 例えばホテル・旅館などの宿泊施設やクリーニング店などの仕入れ業者、 またタクシーや観光バスなどの交通事業者にも行動制限等の影響は大きく及んでいます。
 こうした事業者に対する月次支援金などの支援は極めて限定的で、 私の下には苦しい経営状況に追い込まれもう本当にもたない、 飲食店に比べ不公平だ、 国から降ってきた百九十九億円はどこへ行ってしまったんだといった悲鳴にも似た訴えが数多く寄せられ事態の切迫度合いは日に日に増してまいりました。
 昨年は、 国や県、 市町からの支援や制度融資など数々の対策が講じられ、 また秋のゴー・トゥー・キャンペーンで何とか苦境を切り抜けることができましたが、 コロナ感染症蔓延が二十か月を超え今年に入ると正月に第三波、 春に第四波、 そしてこの夏に第五波に襲われこのままでは体力を使い切ってしまった多くの観光関係事業者が事業を断念せざるを得なくなってしまうケースがあるのではないかと思っています。 今後いざ観光を再開しようにもスタートが切れなくなるのではないか、 観光産業が根本から崩れてしまうのではないかと大変に懸念をしています。
 ところで、 全国知事会は国への提言書の中で観光事業者などへの経営支援について持続化給付金等の再度の支給、 無利子融資の申込み再開や償還据置期間の延長、 さらには月次支援金について支給対象の拡大、 支給額の引上げや要件緩和、 あるいは雇用調整助成金等の特例措置を地域によって支援に差が生じないよう業種や業況等にかかわらず公平に行うことを求めるなど事業者支援と雇用対策を的確かつ網羅的に様々な提案を行ってきたと承知しています。
 しかし、 残念ながら菅政権の下では観光関係事業者に対する新たに効果的な経営支援策は実行をされませんでした。 本日就任される岸田新総理は数十兆円規模の経済対策を講ずる考えを表明されており大いに期待をしているところでありますが、 実際に予算化され実行される時期は、 早くて年末と考えられます。
 県には首都圏や中京圏等から本格的な誘客がまだまだ望めない中、 感染状況を踏まえつつ県内事業者が生き延びるための施策が今こそ求められています。 厳しい状況にある観光関係事業者を救うため、 今日に至っては観光需要喚起策をいち早く打ち出すことしかないと考えています。
 国は感染者数の推移やワクチン接種の進展を見越し行動制限を緩和する方向性を打ち出しました。 県もこうした仕組みを積極的に取り入れ、 さらに現在進めている認証制度を活用し感染防止対策を徹底しながら観光需要を本格的に喚起する対策が求められています。
 そこで、 観光関係事業者の強い要望に応え本県観光業の一日も早い回復を実現するため県はどのように取り組むのか伺います。
 次に、 違法な盛土事案に対する最終的な解決の在り方について伺います。
 熱海市伊豆山で発生した大規模な土石流による被害は死者二十六名、 不明者一名という大変痛ましい惨事となってしまいました。 今回の土石流については二〇一〇年に盛土の中に木くずの混入が見つかり県、 市が再三是正を指導したことも明らかになっています。 しかし現在も崩落面には廃棄物らしきものが見え、 さらなる人的・物的被害の発生や土壌汚染、 地下水の汚染も懸念されるところであります。
 この熱海での土石流で最上部の崩落部の現状を目にした際に私の脳裏に真っ先に浮かんだのは、 私の地元の伊豆市で昨年起きた宗教法人平和寺本山の敷地に持ち込まれたとされる大量の廃棄物混じりの土砂が流出した問題であります。 宗教法人の土地から流出した現場では崩落面に露出した赤や青のれんがのような破片やビニールホースのようなもの、 ガラスの破片などの建設廃材と見られる異物の数々、 過去に何度も往来していたとされる大型ダンプカー、 行政の再三の指導にもかかわらず継続して行われた悪質な手口は伊豆市の事例にも酷似しています。
 今回の熱海の案件では県土採取等規制条例の規制内容が他県に比べ緩いことが指摘されており、 県では同条例を厳格化し盛土を許可制にすることや罰則に懲役刑を追加することなどを表明したところであります。 また国土交通省は危険な盛土を規制する法整備も視野に入れて対応を検討しているほか、 国直轄工事においては土砂の発生場所から最終処分先までをICカードで一元的に追跡可能にするトレーサビリティーシステムの試行を昨年度から開始したところであります。
 国や県のこうした動きには大いに期待するところであり、 今後同様の事案が二度と起こらないよう精力的に取組を進めてほしいと切に願う次第であります。
 一方で、 今回の熱海の土石流では盛土の規制ばかりがクローズアップされていることに違和感を禁じ得ません。 先ほど申し上げたとおり、 熱海の案件でも伊豆市の案件でも土砂に関わる問題の構造は同じであることを忘れてはなりません。 こういった残土ビジネスの実態は、 建設現場等から行き場のない残土や需要の少ない再生土等が大量に発生しているため処理費を払って処理しなければならない産業廃棄物を組み合わせることによって引き受けた残土の処理費を浮かせ利益を大きくする狙いがあり、 こうした実態は今に始まったことではありません。
 したがって、 このような違法な廃棄物処理と絡んだ事案に対し盛土だけで規制するのではなく産業廃棄物の不法投棄と同様廃棄物処理法と同等程度の規制や罰則、 処理の仕組みなどを法整備などにより整えておく必要があると考えます。 これらのことが整理されない限り、 処理に困った土砂は廃棄物を混ぜて土砂に埋めて捨てておけば利益も上がるし誰にも分からないという不条理を生み不法投棄はなくならないことになります。
 さて、 こうした中で県当局が伊豆市の宗教法人から流出している廃棄物の多くが産業廃棄物であると認定し、 廃棄物処理法に基づく処理基準に違反していることから措置命令を九月二十九日に発出していただきました。 法的命令の発出に至るまでには県当局の大変な御努力があったと思われ関係の方々には心から感謝しています。 しかし恐らく投棄された現場処理の問題が残る形となってしまうと思われます。
 熱海の崩落現場には今もなお盛土の一部が残っており、 二次災害が起きないようモニタリングされている状況であります。 同じように伊豆市の宗教法人の敷地内にも下流の伊豆市市有地にも、 なお大量の廃棄物混じりの土砂が放置されています。 伊豆市が土砂等流出防止対策を継続的に行っていることから直ちに柿木川へ土砂等が流出することはないと思いますが、 大型台風や大地震発生時には再び大規模な崩落が起きかねないと懸念するところであります。
 以上のことを踏まえ、 伊豆市の宗教法人の敷地における廃棄物混じりの土砂問題について法的命令の発出後、 事案の最終的な解決のために県としてどのように対応していくのか伺います。
 次に、 狩野川水系のカワウ被害対策について伺います。
 カワウは本県において一九八〇年代から増え始め、 その結果魚の食害やふんによる樹木枯れなどの被害が拡大していると認識しています。 カワウは一羽当たり一日約五百グラムもの魚を食べると言われており、 さらに群れをなして行動することから海に比べて水産資源の量が限られている河川や湖においては食害による影響がより大きく現れます。
 本県では、 従来特に西部地域でカワウが多く生息し食害が大きかったと言われてきましたが、 近年は東部地域でも被害拡大が報告され狩野川でも大きな被害が出ています。 狩野川は鮎の友釣りの発祥の地と言われ、 またダムのない川であり天然の鮎が遡上することから全国から釣り人が集まる県内でも有数の鮎釣りの名所であります。 さらに川を管理する狩野川漁協では、 内水面漁業の振興を図り多くの釣り人を誘致するため毎年鮎の放流を実施しています。
 しかし、 狩野川流域に飛来するカワウが約四百羽とすると一日に二百キログラムの鮎がカワウに捕食されていることになり、 狩野川漁協の令和元年度の放流量が四千キログラムなので約二十日間で放流した鮎は食い尽くされる計算になります。 ちょっと単純な計算ですが。
 さらに、 このような状況が続けば狩野川を訪れる釣り人は減少しおとり鮎や入漁料の販売額の減少、 釣り宿の宿泊客数の落ち込みなどその影響は大きく、 さらには狩野川水系の生態系が崩れてしまうのではないかと大変心配しています。 カワウの被害対策にはまず正確な生息実態の把握と効果的な防除対策が必要になります。
 そこで、 生息実態の把握について伺います。
 カワウの駆除を進め被害を抑えるためには被害地周辺の正確なねぐらやコロニーの把握と個体数の管理が必要となります。 把握した実態を市町や関係団体等と共に共有し実態について共通理解を図ることが必要であると考えますが、 令和元年には狩野川沿いの木の伐採が行われた結果ねぐらが拡散され、 さらに対応が困難な状況になっていると聞いています。 被害地からどの程度の距離にねぐらやコロニーがあるのか、 またその生息地の大小によっても対策方法が変わってくるため正確かつ定期的な生息実態を確認することは重要であります。
 現在の生息確認事業の取組内容と狩野川水系のカワウの生息状況を伺います。
 次に、 被害防除対策について伺います。
 カワウの被害を防除するためには正確な生息実態に基づき計画的に駆除をする必要があります。 カワウの食害対策については、 県西部天竜川流域では猟銃による捕獲が実施され効果を上げていますが、 狩野川流域では川幅が狭くカワウのねぐらやコロニーの多くが人家に近いところにあり猟銃規制をクリアできるエリアがほとんどないため、 一部を除いては銃によるカワウの捕獲はできないのが現状です。
 例外的に平成二十九年、 三十年に狩野川に近い沼津市静浦漁港瓜島でそれぞれ三日間のみ空気銃の使用が許可され、 その二年間の六日間で五百羽以上のカワウが駆除され大きな効果を上げました。 しかし狩野川周辺では基本的に銃器を使用できず効果的な食害対策を講ずることが喫緊の課題となっています。
 カワウによる鮎の食害防止対策を進めることは、 生態系を守りさらに水産資源の保全だけではなく地域の振興にも大いに役立つものと期待していますが、 県としてカワウの食害対策をどのように取り組んでいくのか伺います。
 最後に、 ワサビ田の保全について伺います。
 私の地元である伊豆市を含む伊豆半島では、 世界農業遺産静岡水わさびの伝統栽培として認定されている畳石式のワサビ栽培が行われています。 豊富な湧水をかけ流しワサビ田の表面から内部へ水を通すことで不純物をろ過し水温の安定と栄養分や酸素の供給を実現し、 安定的にワサビ栽培を行っている地域は世界でもほとんど例がなく山間地域の重要な産業となっています。
 また、 生産者の長年の知恵と経験により培ってきたワサビ田は静岡県棚田等十選に認定される伊豆市の筏場のワサビ田などをはじめとして日本を代表する美しい里山の景観を創出しており、 世界に誇るべきものであります。 このようにワサビ田の保全保護は、 農業保護という観点だけではなく県の観光資源としても重要な役割を果たしており、 次世代に引き継ぐべき財産であります。
 しかし、 この畳石式のワサビ田は山深く湧き水豊かな急斜面の沢あいに多く存在していることから一枚当たりの田んぼ面積も狭く、 台風等の大雨があると土砂が流れ込み甚大な被害が発生します。 実際に令和元年度の台風十五号、 十九号により伊豆市とその周辺の二市三町で四十一か所、 一億七千六百万円のワサビ田被害が発生しました。 畳石式のワサビ田は石垣が垂直に積まれた特殊な構造となっているため普通の水田などと比較して復旧工事費が高額となる傾向があります。 国の災害復旧事業を活用するにしても補助対象となる全国一律に定められた面積当たりの限度額を超えた費用が農家にとって大きな負担になっていると聞いていました。
 また、 ワサビは稲作などと違い一年を通じて植付けができるため速やかな災害復旧が速やかな営農再開につながりますが、 復旧が遅れると面積当たりの単価の高いワサビ田は大きな影響を受けることとなり場合によっては耕作放棄にもつながります。 昨今の大雨や頻発する台風被害を考えるとそういった状況が発生する懸念は拭い切れず、 災害が要因となって農家がワサビ栽培を断念してしまうことは極めて残念です。
 県が特殊な構造となるワサビ田の復旧に関わる農家の負担を軽減するため事業費助成制度を創設していただいたことは大変ありがたく、 災害復旧制度を市町や農家に周知することで災害発生時に農家が生産意欲を失うことなく迅速な復旧が図られるものと考えますが、 災害を受けたワサビ田の復旧に関わる県の取組について伺います。 以上、 答弁を求めます。
○副議長 (竹内良訓君)  川勝知事。
○知事 (川勝平太君)  野田議員にお答えいたします。
 危機に瀕する観光産業の回復に向けた取組についてであります。
 観光産業は、 ホテル・旅館業や観光施設はもとよりそれらの施設への食材の納入や土産物の販売業、 交通事業等々関連する分野は多岐にわたっておりまさに裾野の広い産業であります。 早期に観光需要を喚起し、 新型コロナウイルス感染症の影響の長期化に伴う危機的状況から観光産業の一刻も早い回復を実現することは喫緊の課題であるという認識を持っております。
 現在の本県の感染状況は県民の皆様、 飲食店をはじめとする事業者の皆様各位の御努力、 御協力によりまして先月末時点で一週間の人口十万人当たりの新規感染者数は五・一人、 病床占有率は県全体で八・六%となり病床の逼迫率はほぼ解消いたしました。 ほとんどの指標で国の感染状況ステージ二の水準となっているところであります。
 しかしながら、 感染状況の動向については気を緩めてはなりません。 まずは今月十四日までの二週間を感染拡大のリバウンドの抑止と社会経済活動を緩やかに再開するための言わばそろりスタート期間として段階的かつ慎重に取り組んでまいります。
 県内観光の促進事業である今こそ!しずおか元気旅につきましても、 一週間程度でありますが感染状況が落ち着いていることを確認した上で今週にも再開を判断いたします。
 事業の実施に当たりましては対象とする期間を十二月二十七日まで延長するとともに、 メディアやSNSを活用した情報発信を積極的に行いまして旅行需要の拡大と域内消費の喚起を図ってまいる所存であります。
 また、 中部横断自動車道の開通により身近になった山梨県、 また長野県に加え首都圏や中京圏等からも本県への高速道路利用が定額で乗り放題となるドライブプランについて所管する国土交通省の開始決定を受け次第速やかに事業を展開いたします。 そのほか歴史や文化などをテーマに神奈川県や愛知県と連携した誘客を行うなど、 感染状況を踏まえながら近隣県にも対象を拡大し広域的な誘客事業を展開してまいります。
 一方、 旅行需要の拡大は旅行者の旅先での安全・安心の確保と両輪で推進しなければなりません。 このため私どもは宿泊施設のふじのくに安全・安心認証制度を創設いたしました。 九月末時点で宿泊施設からは一千百九十件の申請を受け付けまして、 そのうち六百五十件の認証を済ませました。 半分以上ということでございます。 今後さらなる認証施設の拡大を図りますとともに、 安全・安心な旅行者の受入れ体制を構築するため五月臨時会で御承認を頂きました補助制度を活用し宿泊施設の感染防止対策を一層強化してまいります。
 また、 国で検討が進められているワクチン接種歴やPCR等の検査結果に基づくワクチン・検査パッケージ等を活用した行動制限緩和につきましては、 感染拡大防止と社会経済活動の両立を図る上で有効であると考えております。 国から具体的な活用方法が示され次第本県の観光促進事業にも速やかに導入できるよう検討を進めます。
 私どもとしましては、 受入れ施設と旅行者双方の感染防止対策の徹底に万全を期するとともに、 早期に観光需要を喚起し一日も早く観光産業の回復を実現するよう全力で取り組んでまいる決意でございます。
 その他の御質問につきましては、 副知事、 関係部局長から御答弁を差し上げます。
○副議長 (竹内良訓君)  難波副知事。
○副知事 (難波喬司君)  違法な盛土事案に対する最終的な解決の在り方についてお答えをいたします。
 伊豆市にある宗教法人の敷地内から下流の柿木川等に廃棄物混じりの土砂が流出した本事案に関し、 県は昨年六月以降土地の管理者である宗教法人に対し廃棄物を適正に処理するよう再三にわたり指導を実施してまいりました。 また関係者から繰り返し聴取するなど事実関係の調査を徹底して行ったところ、 過去に何者かによって宗教法人の敷地内に産業廃棄物が投棄されその後宗教法人によってこの土地に大量の土砂が運び込まれたという事実を確認をしました。
 過去に投棄された産業廃棄物の存在を認識しながら土砂を運び込み、 覆土  その上に土をかぶせるということによって廃棄物を地中に埋め原状に復することが困難な状態を生じさせ、 何ら措置を講じることなく敷地内から産業廃棄物を流出させた宗教法人等の行為は産業廃棄物処理基準に適合しない不適切な処分に該当するものです。 この違反行為の事実認定に加え、 今後さらに敷地外に廃棄物が流出した場合柿木川への流入による生活環境保全上の支障が生じるおそれがあることから、 県は廃棄物処理法の規定に基づき聴聞手続を経て宗教法人及び代表役員、 当時の責任役員、 土砂搬入に関わった関係者等に対し九月二十九日に措置命令を発出いたしました。
 命令の内容は、 宗教法人の敷地外に流出した廃棄物を全量撤去すること及び敷地内における廃棄物の流出防止対策を講じることであります。 履行期限は措置の具体的な手法や工程等を記載した計画書の提出が今月末まで、 措置の完了が令和四年三月末までです。 今後は措置の実施状況を随時確認してまいります。 宗教法人等が計画書を提出しない上、 措置を講じない場合、 あるいは講じる見込みがない場合には代執行、 すなわち命令を受けた宗教法人等に代わって県が自ら生活環境保全上の支障を除去するための措置を講じその費用を宗教法人等から徴収する代執行による解決を検討してまいります。
 県といたしましては、 伊豆市と連携し地元住民の皆様に県の取組を丁寧に説明して不安の払拭に努めるとともに、 本事案の最終的な解決に向けて全力で取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (竹内良訓君)  植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長 (植田基靖君)  東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックのレガシーとしての県と日本サイクルスポーツセンターとの連携についてお答えいたします。
 日本サイクルスポーツセンターにつきましては、 アスリートや自転車愛好家の利用を中心に広く一般県民の皆様も利用できる自転車トレーニングビレッジとしての活用を目指しております。 本年二月には県と同センター、 日本自転車競技連盟、 伊豆市、 伊豆の国市などの関係団体による自転車トレーニングビレッジ実現に向けた検討会議を設置し今後の方針や管理運営体制等について検討してまいりました。
 検討会議では、 アジア、 国内の自転車競技の強化・育成拠点化など四項目の基本方針による事業実施を目指すとともに、 これらの事業を持続的に展開するためには同センターだけでなく県、 地元自治体、 競技団体、 地元企業など多様な主体が参画しそれぞれが持つ資源を積極的に活用することが必要であるとの方向性が示されたところであります。
 これを受けまして、 先月検討会議の下に県と同センターを核とする担当者レベルのプロジェクトチームを設置し大会やイベント誘致、 施設を活用した健康づくりプログラムの企画、 マウンテンバイクコースの維持管理手法、 協賛金等の財源や人材の確保策など具体的な取組や運営方法について検討を進めているところであります。
 県といたしましては、 世界から認められた日本サイクルスポーツセンターがサイクリストの憧れの地となるとともに地域の住民の皆様にとっても親しみやすく気軽に利用していただける施設となるよう官民一体となって取り組んでまいります。 以上であります。
○副議長 (竹内良訓君)  市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長 (市川敏之君)  狩野川水系のカワウ被害対策についてのうち、 生息実態の把握についてお答えいたします。
 県では、 広域的に移動するカワウの生息実態の長期的な変化を把握するため平成十五年度から野鳥の会など地域の専門家に依頼して全県を対象に春、 夏、 冬の調査を継続的に実施しております。
 カワウの生息実態の把握については、 ねぐらや繁殖地であるコロニーから採食に向かう十から十五キロメートルの範囲を対象とすることが有効とされています。 またカワウは集団性が強いことからねぐらやコロニーの場所を押さえて個体数を把握することが重要であります。 狩野川水系におけるねぐら等は調査を始めた平成十五年度には三か所に集中していましたが、 樹木の伐採や捕獲の実施など環境の変化により多いときは七か所に分散し現在は五か所を確認しております。 また個体数については季節変動がありますが、 鮎釣りシーズンの七月ではねぐら等で確認した個体数は平成十五年度当時は二百五十羽程度でありましたが、 平成二十七年以降はおおむね四百羽前後で推移しております。
 県といたしましては、 生態系のバランスを保ちつつカワウによる被害を減らすため季節変動を含めた生息実態を継続的に調査し、 被害対策に有効な情報を市町や漁協など関係者と共有してまいります。 以上であります。
○副議長 (竹内良訓君)  細谷農林水産担当部長。
○農林水産担当部長 (細谷勝彦君)  狩野川水系のカワウ被害対策についてのうち、 被害防除対策についてお答えいたします。
 カワウは捕食量が多く群れで行動し、 狩野川や天竜川等で鮎などの川魚に深刻な被害をもたらしています。 このため県では漁業協同組合が行う花火等による追い払いや銃器による駆除の経費に対して助成するなどの防除対策を推進しております。
 一方、 議員御指摘のとおり狩野川など銃器の利用が困難な場所も多いことから、 平成三十年度に食害防止対策検討会を設置し専門家の意見を参考に生息地の管理と繁殖抑制を柱とする新たな食害防止対策に着手いたしました。 これまでにカワウの巣の周りにビニールひもを張りカワウの嫌う振動音を発生させて巣を放棄させる対策やドライアイスを巣に投入してふ化を止めた卵を親鳥が抱き続けることで繁殖を抑制する対策などの実証に取り組んでおり、 今後も実用化に向けて改良を重ねてまいります。
 また、 狩野川では修善寺地区など上流域においてもカワウの群れが目撃され、 効率的な防除にはカワウの行動を詳細に把握することが急務であるため本年度から釣り人がスマートフォンで撮影したカワウの写真の位置情報や個体数を基に調査を進めております。
 今後も、 カワウによる食害を防止するため有効と考えられるあらゆる対策を講じ鮎をはじめとする水産資源の保全に努めてまいります。
 次に、 ワサビ田の保全についてであります。
 本県の畳石式のワサビ田は、 大きな岩を下層に配置し積み上げる石を徐々に小さくする手間のかかる伝統的な工法により伊豆市の筏場などの急峻な山間地に築かれております。 このため大雨により土砂の流入や積み石の崩壊などの被害が生じた場合、 一般的な農地と比較して復旧費用が高くなり、 国が全国一律に設定した補助対象額の上限を超えるため農家負担が大きく営農再開の足かせとなっていました。
 県では、 令和元年の台風被害を契機に農家の負担を軽減するため国の補助対象額の上限を超える費用について市町と協調して助成する制度を創設いたしました。 この制度により一般的な農地と同程度の農家負担額でワサビ田の復旧が可能となりました。 また災害が発生した際には国が復旧工事の内容を査定する前に工事に着手したり、 ワサビ田の工法を熟知している生産者自らが工事を実施できる制度に加え、 国が発動するワサビの苗に対する助成制度などをフル活用して迅速な災害復旧と営農再開を支援してまいります。
 県といたしましては、 市町、 JA、 生産者等で構成する協議会などの様々な機会を活用して支援制度の説明を丁寧に行い平時から災害復旧の対応を周知するとともに、 万が一被災した場合にはワサビ田の復旧を全力で支援いたしまして世界農業遺産である静岡水わさびの伝統栽培の継承に努めてまいります。 以上であります。
○副議長 (竹内良訓君)  十八番 野田治久君。
        (十八番 野田治久君登壇)
○十八番 (野田治久君)  答弁ありがとうございました。
 要望を二点いたします。
 まず、 観光の対策でありますが、 先日私は地元の旅館の経営者とちょっと話をしました。 今認証制度を取っている最中だと。 そこで感染防止対策のその助成金の話を聞いてですね、 今非常に苦しいんでまずは過去にやったものに対してお金を頂こうかなと思ったんだけれども、 換気とか、 認証制度を取るために必要な項目をクリアするために換気機能のついたエアコンを入れるとか、 それから手を全く触らない全自動型のトイレ、 そういったものにリフォームしようかという話でした。 今お金が欲しいけれども四分の三、 一千万円の四分の三の補助金という非常にありがたいこの助成制度を使わない手はないというお話でございまして、 私はこの経営者のお話を聞いて大変立派だなと思いました。 彼いわく、 そう思っているのは私だけじゃない、 多くの経営者は今そう思っている。
 そのためにもまず元気旅で今疲弊し切った観光業界にカンフル剤のように少しお金を回していただいて、 観光事業者をもうけさせていただいてその資金からこういう助成制度を使っていただく。 今県が、 前に知事が七月でしたかおっしゃった国から降ってきた百九十九億円、 これを今有効に使うべきだと思います。 上手に絡めて経営改善ができるように県はぜひその牽引役を務めていただきたいなと思っています。 要望します。
 二点目ですが、 平和寺の措置命令の問題であります。
 措置命令発出されたばかりでございまして、 今の時点で平和寺がどうだ云々最終的にどうだ、 これはちょっと今時期尚早かなと思っておりますが、 実は私この措置命令もう何度も繰り返し読み直したんですがどうもよく理解ができない。 その要旨と事実認定そして命令の内容、 このあたりがどうもその関連性というか前提条件がよく分からない。 これ理解できないのは私だけじゃなくて伊豆市の市民がそういった理解になるんではないかと心配しているところです。 市民が納得できる形を取っていただきたい。 やったもん勝ちとか泣き寝入りとかあしきリーディングケースとか、 市民からこのような言葉が出ないように県は市民の声をよく聞いてそして市民に寄り添う形でしっかりと市民に応える努力を続けていただきたい。 最終的にそういう形をぜひ取っていただきたいと思っています。 強くその点を要望いたしまして質問を終わります。 (拍手)
○副議長 (竹内良訓君)  これで野田治久君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 十月五日午前十時三十分会議を開き、 質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

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