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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成28年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

前林 孝一良 議員

質問分類

代表質問

質問日:

06/28/2016

会派名:

公明党静岡県議団


質疑・質問事項:


1 知事の政治姿勢について
 (1) 平和安全法制
 (2) 今後の県政運営
2 財政健全化について
3 交通安全への取り組みについて
 (1) 第十次静岡県交通安全計画
 (2) 増加する高齢ドライバー事故への取り組み
4 文化振興への取り組みについて
 (1) 開館三十周年を迎えた県立美術館の今後の展望
 (2) 県立中央図書館のあり方
5 第二期中期目標期間における静岡文化芸術大学の取り組みについて
6 障がい者スポーツの振興について
7 東部看護専門学校への助産師養成学科の設置について
8 県産材の需要拡大について
9 建設産業の担い手確保・育成について
10 熊本地震の教訓について
 (1) 自主防災組織の充実強化
 (2) 発災後の健康支援活動
11 幼児教育の方向性について



○議長(鈴木洋佑君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第九十五号から第百七号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、七十一番 前林孝一良君。
       (七十一番 前林孝一良君登壇 拍手)
○七十一番(前林孝一良君) 皆さん、おはようございます。私は公明党県議団を代表して県政の直面する喫緊の課題について知事並びに関係部局長、教育長、警察本部長に一括質問方式で質問いたします。例年どおり県民目線で質問いたしますので県民にわかりやすい明快、簡潔な答弁をよろしくお願いいたします。
 最初に、知事の政治姿勢についてのうち、平和安全法制について知事の所見を伺います。
 昨年九月十九日、平和安全法制関連二法が成立し、本年三月二十九日施行をされました。我が国をめぐる国際環境が大きく変化する中で日本の平和を守るための歴史的な法整備がなされたと私たちは評価しております。しかるにこの法律を戦争法、日本が再び外国に対して戦争をすることができる法との偽りのレッテルを張り国民を不安に陥れようとしている勢力があります。
 一昨日、この政党の幹部はNHK番組「日曜討論」で防衛予算について人を殺すための予算と発言し、与党ばかりでなく野党の出席者からも発言の撤回を要求されましたが応じませんでした。七月の参院選を前にして国民を間違った方向に導こうとしている動きに対して私たちは強い怒りを感じるものであります。
 我が国の安全保障問題に詳しい、さらに本県のリーディングアドバイザーであり静岡県立大学グローバル地域センター特任教授の小川和久氏は、この平和安全法制の意義について日本の安全を高めると同時に世界の平和を実現するためにきちんと役割を果たす法律と高く評価している、今国際環境は急激に変化している、近隣諸国、特に米国との連携が一層重要になる中で今般の法制整備の意義は大きいと述べております。
 我が党は、昭和三十九年平和と福祉を党是として掲げ結党して五十有余年国民のために活動を続けてまいりました。平和は連綿として党の重要な柱であります。日本の平和を乱す内外の勢力に対しては、党を挙げて命をかけて戦っていく決意であることを改めて表明いたします。
 そこで、今回の平和安全法制に対する知事の所見を伺います。
 次に、今後の県政運営について伺います。
 私たち公明党県議団は、立党精神である大衆とともにのスローガンのもとに常に県民目線を旨として県民の安全・安心を初め夢あふれる社会や健康長寿社会、調和のとれた活気あふれる社会の実現を目指してまいりました。
 また、昨年来国を挙げて進めている地方創生につきましても、我が党では人と人とのつながりに何よりも重きを置き、人が希望を持ち生き生きとその人らしい日々を過ごせるよう施策の全てが目指すのは人の幸せであるとの考えのもと人が生きる地方創生を掲げております。
 このような視点に立って我が会派では、これまで毎年当初予算に関する要望や昨年の静岡県版総合戦略に対する要望などを通じて施策の具体化や事業の実施を知事に働きかけてまいりました。知事はこれまで総合計画後期アクションプランでは「命」を守る危機管理、美しい“ふじのくに”まち・ひと・しごと創生総合戦略では命を守り日本一安全・安心な県土を築く、さらに内陸のフロンティアを拓く取り組みでは目指す姿に安全・安心で魅力あるふじのくにの実現を掲げるなど一貫して県民の安全・安心を軸に県政を運営されており、我々もこうした考えには賛意を示すところであります。
 また、我々が特に力を注いできた医療や介護・福祉、子育て、文化振興等の分野では、中学三年生までを対象とした全国でもトップレベルのこども医療費助成制度や全国で初めて介護マークを作成したことで高い評価を受けている認知症総合対策などの施策が実現されたことは一定の評価をしているところであります。
 知事の二期目の任期も残すところあと一年となりました。これまでの三年間の県政運営を御自身ではどのように評価されているのか伺います。また今後の県政運営をどのように進めていこうと考えておられるのかあわせて伺います。
 次に、財政健全化について伺います。
 医療・介護、子育て、教育・文化など取り組むべき県政の課題は山積しております。一方県民は夢あふれる調和のとれた活気あふれる社会の実現を期待しています。この実現のためには、課題解決のための施策を着実に進めることのできる強固で安定的な財政基盤を確立し維持していくことが不可欠であると私は考えます。
 県では、平成十一年の財政危機宣言以来財政健全化に向け歳出のスリム化、歳入の確保に徹底して取り組んできていることは承知しております。基金の確保、通常債残高の減少など成果があらわれていることに関しては一定の評価をするものであります。
 しかし、昨年十二月の代表質問で指摘させていただいた臨時財政対策債の問題や県が作成している財政の中期試算を見ればわかるように今後も多くの財源不足額が見込まれるなど不安な要素が多くあることは否めません。県債の問題を見れば今後も引き続き全体で二兆五千億円以上の残高が見込まれており財政運営を硬直化する原因になっています。県債は元金の償還だけでなく利払いが生じます。その利子には現在の超低金利な状況から比べれば過去の高い金利の時期に発行したものも含まれており県民にとっての懸念の一つとなっていると考えます。この点に関し元金と利子の負担を抑制するための何らかの手を講ずることができないものかと私は考えるところでありますが、健全財政の確保に向けた県債に関する負担軽減の取り組みについて伺います。
 次に、交通安全への取り組みについてのうち、まず第十次静岡県交通安全計画について伺います。
 県では、平成二十三年に第九次静岡県交通安全計画を策定し平成二十七年末の人身交通事故件数三万三千件以下、死者数百二十人以下を目指すと目標を定め交通安全対策に取り組んできました。その結果平成二十七年中に県内で発生した人身交通事故は三万二千四百九十一件と目標を達成したものの、死者数は百五十三人と目標を達成することができませんでした。特に高齢者の死亡事故が多く歩行中や自転車、自動車運転中の事故が増加しております。
 また、本県の自転車事故の発生状況を見てみますと、平成二十七年中に発生した自転車事故件数は四千二百六十二件、死者数は十九人で死者数は九人減となっているものの依然として事故発生件数は多い現状です。
 近年、自転車が加害者となる事故に関して高額な賠償額となるケースもあることから自転車保険の加入を義務化する自治体も見られます。県では損害賠償責任保険等への加入促進に取り組んでいますが自転車の安全利用と自転車事故防止のためさらに積極的な取り組みが必要と考えます。交通事故は被害者や家族に多大な苦痛を与えるものであり、人々の生活のみならず社会的にも大きな損失をもたらすものです。交通事故防止は高齢者や歩行者等の交通弱者の安全確保等、人優先の交通安全思想のもと、県民一人一人の意識改革をし県民運動として県民総参加で取り組むべき重要な課題と言えます。
 県では、去る五月二十六日の静岡県交通安全対策会議において第十次静岡県交通安全計画を策定いたしました。その中で平成二十八年度から平成三十二年度までの五年間の交通安全対策の取り組みを示し平成三十二年末までに人身交通事故件数三万件以下、死者数百人以下を目指すという目標を定めました。
 そこで、第九次計画による取り組みの結果からどのような課題があるのかまず伺います。またそのことを第十次計画の目標達成に向けての新たな取り組みにどう反映させ、具体的にどう取り組んでいくのか伺います。
 次に、増加する高齢ドライバー事故への取り組みについて伺います。
 先ほどの交通安全計画の質問でも触れましたとおり平成二十七年中の県内における人身交通事故は、三万二千四百九十一件と前年から約千件減少、負傷者についても前年から約千百人減少し四万二千五百三十三人であったと報告されています。しかし残念なことに死者数は前年から十人増加し百五十三人となりました。このうち交通事故による高齢者の死者は前年から十五人増加し八十八人、全死者の五八%を占めるに至っています。死者数のほか事故件数、負傷者ともに全事故に占める高齢者の割合が前年より増加しています。
 県警によれば、平成十八年の人身事故の指数を百とした場合十年後の平成二十七年には全事故の指数は八十二へと減少している一方高齢者事故は百十七へと増加、中でも高齢者が原動機付自転車以上の車両を運転して人身事故の第一当事者になったいわゆる高齢者が事故の加害者となる高齢ドライバー事故は平成十八年に比し平成二十七年の指数は百三十四と大幅に増加しているのが現状ということであります。新東名高速道路等での逆走やブレーキとアクセルを踏み間違えて店舗に突っ込んだり段差を乗り越えて立体駐車場から転落し死傷するなどの事故が県内で起こっていることがたびたび報じられているのがそのあらわれとも言えます。
 地域社会の著しい高齢化に伴う高齢者免許人口の増加がその根底にあることは言うまでもありません。運転には運動能力、認知力、記憶力、とっさの判断力、視力、聴力などさまざまな能力が必要ですが認知症でなくともこれらの能力は加齢に比例して低下を続けます。今後も増加し続ける高齢ドライバーへの交通事故防止対策は喫緊の課題であり、本県の現状からも官民が連携した実効ある取り組みを期待いたします。
 本年五月末現在、本県における高齢ドライバー事故の件数は、前年同期から比較して〇・九%減少となる二千四百八十二件とのことでありますが、いずれにせよ高い水準で発生していることに変わりはありません。
 そこで、今後も増加し続けるであろう高齢ドライバーの事故防止対策をどのように推進していくのか、警察本部長の所見を伺います。
 次に、文化振興への取り組みについて伺います。
 最初に、開館三十周年を迎えた県立美術館の今後の展望についてであります。
 昨日開館三十周年記念展「東西の絶景」を鑑賞してまいりました。「モネ、ゴーギャン、若冲も大観も」のサブタイトルどおり、この三十年間に古今東西の名品を集められた県立美術館スタッフの努力に頭が下がる思いがいたしました。同時期に東京都美術館で開催された伊藤若冲展ではピークで入場三時間待ちだったと聞いております。県立美術館館蔵品の中でも宝と呼ぶべき若冲の樹花鳥獣図屏風を前にして県民の一人として本県の文化行政の成果に誇りを感じた次第であります。
 さて、県立美術館は昭和五十三年度に県議会の百周年記念事業の一環として建設が決定し昭和五十四年度には基本構想の決定、昭和五十五年度には県庁内に美術館建設準備室が設置され建設がスタートしました。昭和五十六年度には資料収集の基本方針を十七世紀以降の東西の風景画に決定し昭和五十七年度には名称を静岡県立美術館と定め、昭和五十九年四月に建設に着手し昭和六十年八月に本体工事が完成しました。翌昭和六十一年四月十八日には初代館長鈴木敬氏のもとで開館記念式典が挙行されました。当日はメトロポリタン美術館の協力を得て東西の風景画展の開催や国際シンポジウム、記念講演会など多彩な催しが盛大に行われました。私ごとで恐縮ですが、当時私は教育委員会所属二年目の職員としてこの日駐車場係として雨の中任務に当たっていました。まさか三十年後に県議会議員として記念行事に参加するとは思いもよらなかったことで、大変名誉なことと感じております。
 その後、平成二年六月には観覧者数の累計が百万人を超え平成六年三月にはロダン館が開設されたこともあって翌年度には観覧者の累計が二百万人を超えました。平成二十八年度には開館三十周年を迎えこれまでに延べ五百六十万人の観覧者を迎えるなどすぐれた美術品の収集と展示を通じて本県の芸術文化の発展に寄与しております。またそればかりでなく県内の市町立や民間の美術館に対する支援を行っており、県の中央美術館としての役割も果たしてきました。
 このような先人の努力によって築き上げてきた県立美術館を今後も県民に親しまれる県民共有の財産として継承していくとともに、観光客を含め県内外から幅広く訪れてもらえるようにすべきであると私は考えます。今後、県立美術館をどのように継承し発展させていくのか、県の所見を伺います。
 次に、県立中央図書館のあり方について伺います。
 県立中央図書館の前身、県立葵文庫は徳川家の記念事業として実業家の渋沢栄一氏等の寄附を受けて大正十四年に開館いたしました。一般図書、児童図書、視聴覚資料などのほか江戸幕府が幕末期に収集した和漢書や洋書など歴史的にも貴重なコレクションを所蔵し、本県の県民にとって図書館の中の図書館として重要な文化の拠点になっております。私も県史編さん事業にかかわっていた八年半の間に何十回となく訪問し貴重な資料に触れさせていただきました。
 しかし、この中央図書館は昭和四十四年に建てられた建物で老朽化が進んでいるばかりでなく、開館当時五十万冊だった収蔵能力をたび重なる改修により八十四万冊余にまでふやしていますがもはや限界であり見直しを図る時期が来ていると言わざるを得ません。
 隣の山梨県では、平成二十四年に昭和四十五年に建てられた旧図書館を取り壊しJR甲府駅から徒歩三分という便利な場所に新県立図書館をオープンさせました。雨天でも駅から傘なしで来館できるように歩道上に屋根を設置したり、それまでは二十七台分しかなかった駐車場を百五十三台にふやすなど利用者の立場に立った工夫を凝らしています。また子供たちの読書活動を後押しするため館内に子供読書支援センターを設置、専任職員を五人配置しています。ユニークなのは子供たちに本に関心を持ってもらえるように絵本を載せて回転する絵本の観覧車を設置していることです。こうしたさまざまな取り組みの結果、旧館時代の平成二十三年度に十五万人だった県立図書館利用者は二十四年度四十万人、平成二十五、二十六年度は連続で九十万人を超え旧館時代に比べて六倍に増加しております。
 本県の教育施策に関する意識アンケートでは、県立中央図書館に関する設問で平成二十五年から二十六年にかけての一年間で一度も県立中央図書館を利用しなかったという回答は八四・七%でした。県民に身近な市や町の図書館とはその役割において違いがあるとは言いながら年間二十万人程度の利用者では県民に親しまれる図書館とは言えません。館内が暗い、駐車場が少ないなどという苦情も寄せられています。施設の老朽化は著しく運営面の工夫だけではどうにかなるようなレベルではございません。また収蔵庫の不足は図書館の基本的な機能の危機であり早急に施設面の整備に取りかかる必要があると考えます。
 そこで、県立中央図書館の利用者をふやすためにどんな取り組みをしているのかまずお聞きします。また老朽化、狭隘化が進んでいる現状に鑑み、今後の県立中央図書館のあり方についてどのように考えられているのか、教育長の所見を伺います。
 次に、第二期中期目標期間における静岡文化芸術大学の取り組みについて伺います。
 静岡文化芸術大学は、昨年度で公立大学法人化後六年が経過し第一期中期目標期間が終了しました。この間、国際社会で力を発揮するための実践的な語学力の強化を目的とした英語・中国語教育センターの設置、またバランスのとれた知識を身につけるための教養教育の強化、静岡文化芸術大学で学ぶための基礎づくりとしての導入教育の充実や社会の中で役立つ力を学ぶための実践教育の強化などを目的とした新教育課程の実施、さらに総合的なデザイン力と専門性の養成を目指してデザイン学部を三学科体制から一学科五領域体制に再編するなど教育内容の充実強化に向けた取り組みを行っており、さらに就職率も向上するなどさまざまな成果があらわれているということです。
 また、昨年度から地域活性化や多文化共生などといった地域課題について実社会の中から課題を見つけ対応案を企画立案し実践までをチームで取り組む実践演習を全学部学生の必修科目として設置するなど地域と連携した特色ある教育にも取り組んでいるとお聞きしております。
 静岡文化芸術大学では、今年度から京都大学副学長や滋賀大学副学長を歴任し日本文化史と文明学を専門とする横山新学長が就任されました。横山学長は地元のユニークなものづくり企業と連携を強めるなど大学と地域の交流を活発にしていきたいと抱負を語っておられ、地域に密着した大学としてますます発展していくことが期待されます。
 一方、現在横ばいで推移している十八歳人口が平成三十三年ごろから減少することが予測されております。大学進学者数が減少することで大学間競争がますます激化すると考えられ、また首都圏への人口集中が進む中、特に地方の大学はさらに厳しい環境に立たされることが予想されます。
 静岡文化芸術大学では、今年度から第二期中期目標期間がスタートし新たな節目を迎えたところですが、このように大学を取り巻く状況が大変厳しい中、選ばれる大学となるよう魅力ある大学づくりを一層進めていくべきであると考えますが、当局の考え方を伺います。
 次に、障害者スポーツの振興について伺います。
 広島県に住むIさんは、平成十六年二十歳のときに工事現場で重さ四トンの油圧ショベルの下敷きになるという事故に遭い右足を失いました。一度はどん底に落ちたものの逆境に負けずに二年間福祉専門学校に通い晴れて介護福祉士として再スタートしたIさんの人生が大きく変わったのは、陸上用スポーツ義足の開発に携わっている大学教授から東京パラリンピックを目指してみないかと提案されたときだといいます。陸上競技の経験はなかったものの、仕事の合間にトレーニングを重ね半年後の広島県障害者陸上競技大会に参加、男子五十メートル決勝に出場し七秒九三のタイムで一位ゴールイン、記録は県新記録だったそうです。その後Iさんは全国大会でも優勝、ソフトボール投げでも優勝し、今度は世界大会での道が開かれました。今Iさんは四年後の東京パラリンピックに向けて日々練習を積み重ねているということです。
 不慮の事故などでハンデを負った人たちが障害という壁を乗り越え世界を目指して生き生きとスポーツする姿は、同じ障害のある人や悩みを抱え壁にぶつかっている方々、これから夢に向かってチャレンジしていく子供たちに多くの勇気や感動を伝えていくものであり私もそのような姿に深い感銘を受けております。
 パラリンピックの歴史を振り返ると、第一回大会は一九六〇年のローマ大会、一九六四年の東京オリンピックの直後には第二回大会が開催されています。私は当時小学校五年生でしたが大変申しわけないことに記憶の中に全くございません。報道も十分にされなかったのではないかと想像いたします。二〇二〇年東京でオリンピック・パラリンピックが開催されることが決定されて以来、オリパラという言葉が最近定着しつつあることを大変うれしく思っております。またハンディキャップがありながらそれを乗り越えて練習に励むアスリートたちが報道に取り上げられることも多くなりました。
 しかし、まだまだオリンピックとパラリンパックに対する世間の評価には大きな差があるように感じております。本年九月にはブラジルのリオデジャネイロでオリンピックに次いでパラリンピック大会が開催されます。障害者スポーツへの県民の関心も高まることが期待されます。これを一過性のイベントに終わらせてしまうことなく四年後の二〇二〇年東京パラリンピック大会に向けパラリンピックの魅力を効果的に発信していくとともに、障害者スポーツを通じた健康長寿社会や共生社会の構築等に向けた新たな施策の展開が期待されています。
 県では、パラリンピック出場を目指すトップアスリートに対しどのような支援を行っているのか伺います。また障害のある方に対する社会全体の理解をより高めていくためにも、オリンピックにもまさるとも劣らないパラリンピックのすばらしさを県民に効果的に発信していく必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、東部看護専門学校への助産師養成学科の設置について伺います。
 先日、熊本県助産師会が地震後出産した母親百八十六人を調査した結果二割に当たる三十六人に産後鬱の疑いがあり、これは被災前の二倍に及ぶとの報道を耳にしました。この結果を受け母子、妊婦のための避難所を開設し、利用者からは子供が泣くので避難所では生活できず困っていたが安心して過ごせてよかったなど安心したとの声が寄せられているとのことでした。この様子を見ても助産師は正常分娩を妊娠から出産まで取り扱いその後の育児、子育てをサポートするだけでなく緊急時にも即座に対応できる心強い専門家であることは明らかです。しかしながら現在産科医に加え助産師の不足は深刻な問題となっています。
 我が会派は、これまで一貫して静岡県助産師会の活動を支援し助産師の育成や活用を訴えてきました。特に助産師不足については静岡県助産師会が平成十九年十一月、前石川県知事に対して県内に助産師養成機関の設置を求めて以来会派として毎年の要望の重要項目として取り上げてきました。
 平成二十二年には、県東部に養成校が一校もないことから県東部地区への助産師養成校開校を求め平成二十四年十二月三日、川勝知事に直接要望いたしました。知事は助産師の活動に深い理解を示され助産師不足の現状を大変憂慮されました。平成二十五年二月議会で我が会派の盛月議員が助産師養成施設の設置について質問し、当時の健康福祉部長から実習の受け入れ先の確保が困難であること、県助産師会の調査結果を受け検討するとの答弁がありました。
 県助産師会の調査結果を見ると静岡県の地区別出生数、助産師数では出生数は西部一万千五百八十三に次いで東部九千五百二十二、中部九千百五十五に対し助産師数は西部三百八十七、東部二百五、中部二百八十二でした。出生数を鑑みても東部の助産師数は圧倒的に少ないといえます。さらに分娩時に受けたいケアが東部では十%前後少ないこともわかりました。
 その後、県助産師会の働きかけにより東部市長会が平成二十六年七月七日、知事に対し県立東部看護専門学校に助産師養成科の設置を求める要望もございました。その結果、実習先の確保を東部市長会で行っていただけることになりました。同年十二月議会の代表質問は、この動向を踏まえ県立東部看護専門学校への助産師養成学科の設置について質問いたしました。当時の健康福祉部長からは県立東部看護専門学校への設置も含め検討していくとの答弁をいただき、ようやくかすかな光が見えてきた思いがいたしました。
 さらに、本年一月には伊豆地域担当副知事が誕生したことから、県助産師会から土屋副知事に改めて要望書が提出されております。本年三月二十八日川勝知事に東部市長会から実習先が確保できたと報告がありました。先日東部のある市長と懇談した折、市長会では約束を果たした、今度は県の番です、速やかに解決していただけることを期待していますとの話がありました。
 助産師の養成について九年にわたり要望してまいりました。この間、知事も担当部長もかわりましたが社会情勢が大きく変化する中、助産師の果たす役割はより重要となってきており助産師不足は一層深刻化しています。これまでの経過を踏まえ、昨日知事から県立東部看護専門学校に助産師養成学科の設置についての発言があったと思います。
 今後、県はどのように取り組んでいくのか、知事の明快な答弁を求めます。
 次に、県産材の需要拡大について伺います。
 本年二月十日に新宿区内で本県の県産材見本市が開催され、県議会森林・林業・林産業活性化促進議員連盟の一員として同僚議員とともに参加いたしました。県内各市の特色ある森林を紹介するパネルや県産材を活用したアイデア商品が展示され盛況のうちにセレモニーが挙行をされました。その中で知事は、本県には確かな品質の木材があり豊富な製材品を皆様に届ける供給力があると力強く宣言され自信のほどを表明されました。
 県は、ふじのくに公共建築物等木使い推進プランに基づき率先して公共部門での県産材利用を推進しており、平成二十七年度に木材利用優良施設表彰で最高賞の農林水産大臣賞を受賞したこのはなアリーナでは九百四十立米もの県産材を使用しております。旧静岡南高等学校校舎を活用して本年三月に開館したふじのくに地球環境史ミュージアムでは、館内に木材の腰壁を設置したほか子供たちを対象にしたキッズルームでは内装材に加えて木製のおもちゃを配置するなど利用者に木の持つぬくもりを提供する施設となっております。また高校時代に活用、利用されていた和室を残したことについては癒やしを感じました。
 一方、民間部門では品質の明らかな県産材製品を使用した住宅の取得に対し助成を行い住宅での県産材利用を促進しております。また県や市町の建物だけではなく、静岡ガス本社ビルの外構材やJR静岡駅構内にあるスープストックトーキョーの床やテーブルに県産材が用いられるなど木材利用は民間施設にも波及し始めております。
 こうした取り組みにより県産材利用は着実に進んでいるものの、本県の豊富な森林資源の活用のためには、さらなる需要拡大を図る必要があると考えます。県は今後どのように取り組まれるのか御所見を伺います。
 次に、建設産業の担い手確保・育成について伺います。
 長引く景気の低迷や建設投資の大幅な減少による経営環境の悪化に加え、技術力が求められる入札契約制度の導入など近年建設産業を取り巻く環境は大きく変化しています。本県の建設産業の従事者数は、総務省の最新の経済センサス基礎調査によると平成八年の約十五万九千人をピークに減少傾向にあり平成二十六年には約十万九千人となっております。
 また、最新の国勢調査によると建設産業の六十歳以上の従事者は、平成十七年に約一七%でしたが平成二十二年には約二三%と上昇しており年々高年齢の方が増加している傾向にあります。
 一方、インフラの整備維持管理、防災・減災、老朽化対策などの担い手として建設産業の果たすべき役割はますます増大しており、若年入職者の減少は熟練者からの技術・技能の継承が途絶えることにつながります。高度な技術者や熟練した技能者が育成されないと公共事業の執行や災害時における復旧活動にも大きな影響を与え県民の生活にも影響を及ぼす可能性があるため、将来の担い手の確保・育成は大きな課題と言わざるを得ません。建設産業に人が集まらないのは、いわゆる三K――きつい、汚い、危険などのイメージが理由として挙げられていますが建設業界も人材確保のために労働環境の改善等に取り組んでおり建設産業に対する正しい理解が進んでいないものと思われます。
 まずは、建設産業のやりがいや役割を多くの若者に伝え、建設産業に興味を持ってもらうきっかけづくりが必要であると考えます。五月二十六日の県内ニュースで県立島田工業高等学校の二年生三十八名が参加した現場体感見学会の模様を伝えていました。その中で一人の生徒が実際の工事現場を見学できて将来の職業選択の参考になったと意見を述べていました。
 こうした取り組みを続けることが、社会資本整備の重要性をじかに生徒に理解してもらうことにつながりやりがいを感じてもらうことに通じると思います。建設産業の担い手確保・育成のため、次代を担う若者の建設産業に対する理解の促進に向けて県はどのように取り組みを行っているのか伺います。
 次に、熊本地震の教訓についてのうち、自主防災組織の充実強化について伺います。
 熊本県において四月十四日、十六日に震度七の地震が連続して発生し、その後も余震がおさまらず六月十五日までに震度一以上の地震が千七百回以上発生し地震活動が終息していません。二度にわたる震度七の地震は一部倒壊を含め約十四万二千棟以上の建築物に被害を発生させました。その中で自治体の庁舎や避難所として使うべき体育館、主要医療機関などにも大きな被害が発生しました。亡くなられた方々に改めて心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての方々にお見舞い申し上げ一日も早く日常生活が取り戻せることをお祈り申し上げます。
 静岡県は、先進的、具体的に地震防災対策に取り組んでいますが、いま一度今回の熊本地震から学ぶべき点、特に地震動による地盤の揺れに対するさまざまな対策や住宅の耐震化、家具の固定、生活必需品の備蓄などの自助の重要性のさらなる県民への徹底などが必要と再認識いたしました。
 また、熊本地震においては避難所運営のあり方がクローズアップされました。被災の状況によっては住宅の耐震化などの事前対策により避難所に行く方を減らすことが望まれますが、ある程度の方は避難所に行かなければならないと思われます。このため本県においても避難所の安全性の確保や準備から建設、運営に至る工程の全てを再認識、再確認する必要があります。具体的には発災直後に避難所に入らざるを得ない場合にもその場で混乱を発生させないために避難所の耐震化や備蓄品等の確保はもとより避難所のスムーズな開設、女性の視点を取り入れた運営体制を全ての避難所で構築していく必要があります。
 また、避難所の運営において特に大切なことは行政が事前に準備するにしても、実際の避難所運営は自主防災組織が中心となって行わなければならないことを県民に理解してもらい協力してもらえる体制を確実に構築することにあると考えます。発災直後に避難所において行政が何かやってくれると期待している住民が多くまだまだ他人任せなのです。その原因は県民の多くが自治体の行政職員が被災直後からどのような任務を遂行するのかを知らないことにあり、よって行政職員の被災直後から復旧に至る任務を県民に周知する必要があると考えます。そしてその任務を順調に進めるために地域住民は何をしなければならないのかを明確にしお互いに理解を深めることが必要です。
 そこで、行政職員が中心にならないことを前提にした自主防災組織の必要性を訴えリーダーの育成とあわせて避難所運営などを学べる機会を設けるなど、今まで以上に災害時に活動できる自主防災組織としていく必要があると考えますが、県の所見を伺います。
 次に、発災後の健康支援活動について伺います。
 災害発生直後は、被災住民の生命と安全の確保が急務ですが、その後に起こってくるさまざまな健康問題に対応するために長期的な健康支援活動が求められます。これまでも東日本大震災を初めとする災害時に本県からは保健師を派遣していますが、今回の熊本地震においても厚生労働省の災害に係る保健師派遣の要請により本県保健師が四月二十日から五月八日まで南阿蘇村に派遣されたと聞いております。現地でどのような活動を行ったのかまず伺います。
 派遣された南阿蘇村の避難所等ではノロウイルスの発生もあり、また車中泊の方々を中心にいわゆるエコノミークラス症候群になった方もおり災害をきっかけに体調を崩した方が多くいたと聞いております。避難生活が長期化することにより健康リスクは高まるものと思われますが、今回の被災地での教訓を生かし本県が被災した場合に災害時の健康支援活動が適切に行われるよう派遣保健師の受け入れ体制の整備等について、県として今後どのように取り組んでいくのか所見を伺います。
 最後に、幼児教育の方向性について伺います。
 私ごとで恐縮ですけれども、私が幼少であった時代、昭和二十年代後半に時代の要請に応えて各地に幼稚園が建設されました、設立されました。お父さんが外で働いてお母さんが家事を仕切りおじいちゃん、おばあちゃんが畑仕事に従事する。私の周りにはそんな家庭が多かったように思います。我が家は父はサラリーマン、母も働いていましたので三歳になるかならない時期に自宅の近くにできた幼稚園に入園いたしました。自宅から歩いて幼稚園に通い、幼稚園が終わると送迎バスで市内にある親類の農家に送っていただきそこで夕方まで過ごし迎えに来た母の自転車に乗って家に帰るという生活を送りました。
 時代とともにニーズは大きく変わりました。女性の社会進出の進む中で、結婚して家庭を持っても仕事を続けたいという女性が増加いたしました。一方核家族化が進む中、特に都会では子供の面倒を見てくれる祖父母との同居が減少し保育所のニーズが高まりました。保育所は子供を預かってくれるところ、幼稚園は幼児教育の場とのすみ分けも変わりました。幼稚園には時間を延長して子供を預かってくれる機能が求められ、一方で保育所には小学校につながる就学前の教育が要求されるようになりました。
 そんな時代の要請の中で国は認定こども園を全国に普及させる努力をしておりますが、幼保の一元化はなかなか進まないのが現状です。十年前に合計特殊出生率が一・〇八に落ち込んだ韓国では、国を挙げて子育て支援策の充実に取り組み今やゼロから五歳児の保育・教育は完全無償、保育所や幼稚園を利用していない世帯にはその分手当が支給されているそうです。保育施設はこの二十年間で約八倍にふえ、子育て世代の保育所利用率が九割を超えても定員に余裕があるとのことです。少子化対策に取り組む国の姿勢の違いに驚きました。
 県教育委員会では、本年度幼児教育センターを設置したところでありますが、就学前の子供たちに対してどのような取り組みをされようとお考えなのか、教育長の所見を伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木洋佑君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○静岡県知事(川勝平太君) 前林議員にお答えいたします。
 私の政治姿勢についてのうち、平和安全法制についてであります。
 この御質問は、私の日本国憲法、特に憲法九条に対する考えを問われたものだと理解をしております。政府は積極的平和主義の理念をお掲げになりまして、国連憲章にのっとる形で昨年九月平和安全法制いわゆる安全保障関連法を成立なさいました。これは従来の我が国の憲法解釈を大幅に変更したものであります。集団的自衛権行使を容認したからでございます。それに賛成するか反対するかは別といたしまして、憲法解釈が大幅に変更されたというのは共通の理解ではないかと、国民共通の理解であるというふうに存じております。
 また、政府御自身も閣議決定が平成二十六年夏になされていますけれども、そこで国際法上の根拠と憲法解釈は区別して理解する必要があるというふうに述べられているわけです。言いかえますと国際法における最高法規――国連憲章と日本国における最高法規――日本国憲法とが実はそのまま同じでない。特に憲法九条にかかわるところにおいて一致していないという御認識がこの背景にあります。実際、国連憲章というのは日本がまだ戦争をしております一九四五年六月に調印されたものです。そして敗戦いたしまして戦火の焼け跡の中で復興に尽くしているときその一九四五年十月二十四日に国連憲章が発効し、かつ同日に国際連合が発足したという流れになっております。
 そして、この国連憲章というのは、原則として武力による威嚇または武力の行使を慎まなければならないというふうに言っております。そしてあわせて自衛権については個別的または集団的自衛の固有の権利を持つということもうたっているわけです。
 そして、その国連憲章発効から一年余りが経ちました一九四六年十一月三日に日本国憲法が公布されています。もちろんこれは国連憲章の条文を十分に踏まえた上でつくられているものでありますが、日本国憲法におきましては国権の発動たる戦争と武力による威嚇、武力の行使は永久にこれを放棄すると。こういうふうに述べておりますので国連憲章と日本国憲法とは違うということになるわけです。
 さて、日本は日米安全保障条約を結んでおります。日米安全保障条約におきましては、両国は国際連合憲章に定める個別的または集団的自衛の固有の権利を有していることを確認するとうたっているわけです。その前文におきまして、つまり日米安保条約は国連憲章にのっとっております。
 さて、この日米安保条約という条約と日本国憲法とどちらが優先するでしょうか。条約法にかかわるウィーン条約がございます。そのウィーン条約におきましては、条約の不履行を正当化する根拠としての自国の国内法を援用することはできないと、つまり条約のほうが優先すると述べているわけです。ただし書きがございます。基本的な重要性を有する国内法にかかわる場合はこの限りではないとあります。揺れてるわけです。その結果日本国におきましては従来は条約のほうが憲法よりも優先するという理解があったわけでありますが、最近の日本国の司法の最高権威であります最高裁は国内法を優先するというお立場をとられているということでございます。
 私は、こうしたことに鑑みますれば、日本国はこれから国連憲章にのっとって世界に貢献するのであるということを明言してそれこそ国民に信を問うというそういう筋をとるべきであったというふうに思う次第でございます。それがなされないままに憲法解釈というのを国連憲章にのっとる形で若干の無理をしたというところがありまして、ここが国論が二分する理由になっているのを残念に思っております。
 一方、公明党さんはブレーキ役をいろいろとなさいまして、特に現行憲法につきましては平和と福祉というのを二本柱とされる中から最近では山口代表が現行憲法のよいところは守りながら環境権など新しい憲法的価値を加える憲法、加憲というお立場をとられております。
 実は、私も全く同じ立場でありまして、日本国憲法は改正するべきであるという立場です。そしてまた第九条は根本的に改めるべきであるという立場であります。
 そして、例えば環境権というのがありますが、平和と福祉を脅かすのは果たして外国軍だけでしょうか。先ほど熊本地震の例を挙げられました。阪神・淡路大震災あるいは東日本大震災、現行の熊本大震災あるいは御嶽山の噴火等々こうしたものもまた日本人の国民の平和を脅かすものでございます。
 現行憲法をお読みになりますと、これが人間中心主義であることにお気づきのはずです。もとより大日本帝国憲法もドイツの憲法並びにイギリスのいわゆる慣習法を加味しながらつくられたものでありますが、欧米での人間中心主義的な理念がそこに息づいております。言うまでもなく人間ほど重要な大切な存在はありません。しかしながら人間がそれなしでは生きられない環境や人間とともに共存している生きとし生けるものへの配慮というものが全くない、欠落しているのは問題であるというふうに思う次第でございます。
 そこで、私は日本国憲法に、いわば人間以外の動物や山川草木の世界を全てまとめて仮に国土というふうに表現しておきますとすれば日本国というのは国民と国土の両方から成るのではないでしょうか。しかし国土規定というものが全くないわけであります。しかし現在の尖閣諸島あるいは竹島あるいはシリアの問題あるいはそのイスラエルの問題あるいはクルド人の問題、これいずれとして領土問題にかかわらないものはありません。すなわち国土というのが極めて重要であるということでございます。
 そこで、私は憲法の本文のどこかに国土の条文を置くべきであるというふうに存じます。全体の中でどこが座りがよいでしょうか。憲法本文の第一章は天皇です。冒頭で天皇は国民の象徴と規定しているわけです。そして章が改まりまして第二章、これが有名な第九条戦争放棄となっているわけでございますが、私の考えでは戦争放棄のこの条文の前に国土の条文を置くのがよいと考えます。国民の象徴として天皇をうたっておりますので、国土の象徴として富士山をうたい込むと第一章と第二章の続きぐあいがよくなるというふうに存じます。国民の象徴――天皇と国土の象徴――富士山の条文を受けて国民と国土とを守るための平和のための条文、目下の戦争放棄の条文を置くという流れになりあとは憲法の条文を繰り下げていけばよいということになります。
 例えば第二章、これを富士山と題しまして加憲いたします。中身は、第一条に倣い富士山は日本国の象徴であり日本国土統合の象徴であってこの認識は国民の総意に基づく。
 行を改め、日本国民は富士山が畏敬の対象であり、かつ芸術の源泉であることに鑑み富士山のように美しく品格のある国土をつくろうと思う。日本国民は富士山が活火山であることに照らし、国土のはらむ自然災害の脅威に対して万全の防災・減災対策に努める。日本国民は国土の安全と景観の保全に努め美しく良好な国土を子々孫々に継承していくように努めるということです。
 前文には、これまた主権在民、平和主義、国際協調をうたっておりますが国土に触れておりません。私は憲法前文にも国土の保全について書き加えるべきであると考えております。例えば日本国は国民と国土とから成る日本国民が祖先から引き継いできた美しくかけがえのない国土を良好に保全し、日本各地の自然と風土を保全して子々孫々に引き継いでいくのは国民の責務である。日本の国土は地震、津波、台風、噴火、山崩れ、洪水のほかさまざまな自然災害を免れることができない、それゆえ日本国民は国土の防災・減災対策を講じ国土の安全確保に努めなければならない。地球上のどの地域も何らかの自然災害を免れないのであって、自国の国土の保全対策のみならず地球全体の自然災害にも助力を惜しまず地球環境の良好な保全に協力しなければならないといったぐあいでございます。
 こうした考え方は、SGIの考え方とも通底するところがあるというふうに存ずる次第であります。私は今こそ堂々と憲法改正を国民の議論として巻き起こすべきであると。まさにこれこそ万機公論に決すべき最大の課題ではないか。上下心を一にして盛んに経綸を行う、人心をして倦まざらしめん事を要す。まさに、もう一度一九四六年一月一日の昭和天皇のこの詔、また明治元年における明治天皇のこの詔、これに立ち返って憲法論議を国民全体で巻き起こすのが筋ではないかというふうに考えております。
 次に、今後の県政運営についてであります。私は二期目をスタートするに当たり県民誰もが……。失礼しました。しからば第九条はどうなるかと、これは当然第十条になるわけでございます。そして章を改め第三章ということになります。この件につきまして、私は国連憲章というものにのっとらなければ日本はやっていけないというふうに思っております。ですから若干これにも修文が必要ではないかと思います。あえて私の考えを言っておきますと、日本国民は人類社会の恒久平和を真摯に希求し国際紛争を解決する手段としては武力による威嚇や武力の行使を認めない。国の交戦権はこれを認めない。前項の目的を達するため陸・海・空軍その他の戦力を用いない。戦争は悪であり国権の発動たる戦争を永久に放棄する。ただし世界の恒久平和が実現するまでは国民と国土の平和と安全の維持に必要な自衛措置を取り得ると。前項の目的を達するため必要最小限の武力を保持するというのが、私の考えでございます。
 もとに戻ります。
 私は、二期目をスタートするに当たりまして、県民誰もが誇りと希望を持って安心して生き生きと暮らすことができる社会を実現することこそ知事に託された責務であると心に誓いまして、前期後期合わせたアクションプランの基本理念でございます県民幸福度の最大化の実現に向け全力で皆さんとともに取り組んでおります。
 まずは、県民の命、財産を守る危機管理が最優先であるとの認識のもとに、地震・津波対策アクションプログラムの実施をしております。それを受けまして経済政策三つ、内陸のフロンティアを拓く、新しい産業を興す、エネルギーの地産地消を目指す。それからまた人材につきましては、子育てをしっかりする。それから人材並びに学校教育を整える。第三に健康寿命を延ばすと、こういう施策をとっているわけでございます。
 なかんずく子育てが一番大切な出発点であるということで、子育てはとうとい仕事であるという観点から私は先生がおっしゃるような子供の面倒というよりも実はお母様の面倒をどう社会が見てさしあげるかということが大切だと思います。子供としか向き合えないような単婚小家族の状況があります。ですからそのこと自体は大変幸せですけれども、その孤独をどのように社会的に救済しみんなで子育てができるようにしていくか。それはお母さんを大切にすると、若いママを大切にするということでございます。ここはこれからさらにやっていかなくちゃいけない。もうこのことが助産師の問題ともかかわってくるわけでございます。
 公明党県議団の皆様方からの御提言を生かしながら、人を大切にする施策の充実を図っているところであります。こうした県議会や県民の皆様と手を携えて進めてまいりました数々の取り組みは、全国の先進的モデルとして高く評価されているのは御同慶の至りでございます。私は、今申しました八つの戦略に加えまして、今年度は世界に羽ばたく静岡県ということでスポーツ、第一次産業、そして地域外交というのをとり上げておりますが、行く行くは、私は日本に二〇三〇年には可能性として八千二百万人もの人々が訪れ得るというまさに日本は観光大国、言いかえますと世界の憧れを誘うような国になっております。それは、もとになるのは生活です。言いかえますと日本人の生き方、暮らし方、難しく言えば生活様式、英語でいえばウエー・オブ・ライフです。アメリカン・ウエー・オブ・ライフ、これがアメリカのドリームを呼び起こしたものです。アメリカンドリームというのはアメリカ的な生き方、アメリカ的な暮らしの仕方をしたいということでございました。
 それに対して、中国的なドリーム、チャイニーズドリームと。チャイナドリームというのは覇権帝国主義というふうに見まがうところがあります。我々は、そうしたものの限界を知っておるわけですからアメリカン・ウエー・オブ・ドリームを上回るジャパニーズ・ウエー・オブ・ドリーム、まさにジャパニーズドリームをつくり上げると。それはこの地域からやるのがふさわしいのではないかと。東京は欧米のまねですから、したがって場所を変えてやるのがいいと。ところかわれば品かわると、ここでやるのがいいんではないかというふうに思っておりまして、ジャパニーズドリームを富士山の麓でふじのくにが発信していくというのが、これからの我々の言ってみれば夢になるというふうに存じておりまして、そうした夢に向かいまして全力で邁進してまいりますので県議会の皆様の御支援、御協力を賜りますようにお願いを申し上げます。
 次に、文化振興への取り組みについてのうち、開館三十周年を迎えた県立美術館の今後の展望についてであります。
 県立美術館は、本県の美術文化の拠点としてこれまで調査研究及び教育普及活動に精力的に取り組んでまいりました。十七世紀以降の東西の風景画、富士山を描いた作品、ロダンを中心とした近代以降の彫刻、静岡県ゆかりの作家を中心に約二千六百点もの作品を収集、展示するとともに、国内外の著名な作品を紹介する企画展を開催し開かれた美術館として広く県民の皆様に鑑賞の機会を提供してまいりましたことは先ほど議員の御紹介のとおりであります。
 先日終了いたしました開館三十周年記念「東西の絶景」展では、伊藤若冲の樹花鳥獣図屏風、横山大観の群青富士を初め県立美術館が誇る風景画のすぐれた作品を一堂に展示いたしまして三万人もの皆様に鑑賞をしていただいたところでございます。
 この秋には、開館三十周年と家康公没後文字どおり四百年、一六一六年ということでございますので二〇一六年ということになります。そこで江戸絵画の名品、傑作を一堂に集めた「徳川の平和」展、パクス・トクガワーナ展を開催いたします。来年度は「黄金のファラオと大ピラミッド」展あるいは大河ドラマ「おんな城主直虎」展の開催を予定しておりまして、本県の文化や観光資源も生かした魅力的な企画展示を実施してまいります。
 また、入館者の増加に向けましては、首都圏や関西圏での観光商談会に参加するとともに、有度山地域に立地する日本平動物園や日本平ホテルなど五つの施設との連携をいたしまして、共通割引チケットの発行や地元商店会によるグルメや雑貨を販売するロダンマルシェの開催など地域と連携した誘客にも取り組んでおります。
 今後も、これまで蓄積してまいりました財産を受け継ぎ魅力的な事業を展開して県民の皆様が芸術文化に親しみ新しい価値観を生み出せる場を提供するとともに、県内外から多くの観光客が訪れる拠点となりますように取り組んでまいります。
 次に、東部看護専門学校への助産師養成学科の設置についてであります。
 この点については、公明党県議団の皆様、特に盛月さんを初め皆様方の御尽力に対しまして、冒頭まず感謝と敬意を表したく存じます。
 助産師は、出産の介助により産科の医師の負担を軽減するだけでなく出産や子育ての専門的知識を生かし育児に関する悩み事の相談や子育ての助言を行うなど妊娠期から子育て期にわたる支援を通じて母子の健康や家庭での育児を支える大切な役割を果たしています。地域におきまして必要な助産師を確保し活躍していただくことは安心して子供を産み育てられる環境を支えていく上で重要です。このため県では、地域において助産師が不足しないよう助産師養成施設への運営費助成や学生への助産師修学資金の貸与などにより助産師の養成を支援し育成と確保に努めています。
 一方、県内の助産師は全体では増加しておりますけれども、東部地域の助産師数は先ほど御指摘のとおり不足しておりますので一人当たりの分娩取り扱い件数が他の地域の約一・五倍ということで助産師個人に負担が大きくかかっており地域住民に対する子育てや母子への十分な支援が危惧される状況が生まれています。このため東部地域におきまして助産師の育成と確保を図るため、東部看護専門学校への助産師の養成学科の設置を目指し実現することをお誓い申し上げます。必要となる教員や実習施設の確保などにつきまして関係機関と調整しながら具体的な計画の策定を進めます。助産師養成の体制をしっかりと整える所存です。
 今後とも、各地域におきまして必要な助産師が確保できるように市町や関係団体と連携して養成の強化に努め、誰もが安心して出産や子育てができる夢と希望にあふれたふじのくにづくりに向けて全力で取り組んでまいります。
 次に、県産材の需要拡大についてであります。
 静岡県は、ふじのくに公共建築物等木使い推進プランに基づき県産材を率先して利用しているほか、民間の住宅分野におきましては本県独自の助成制度により県産材の利用がありがたいことに普及してまいりました。また公共施設での利用を契機に店舗やレストランなど利用が進まなかった民間の非住宅分野でも利用が広がりつつあります。今後さらにこの需要は増加していくものと期待しております。
 この動きを加速させるために、県は今年度県産材による木造や木質化の模範となる優良建築物を表彰する制度を創設いたしまして県産材の利用に対する社会的評価を高めてまいります。
 さらに、木造、木質化を牽引する設計者、建築主、有識者、県などが一堂に会し公開型で討論する推進会議を開催いたします。環境面での社会的な意義だけでなく、施工期間、ライフサイクルコストといった経済的なメリットが発揮できる建築物の規模などの条件について理解を深めていただき参加者それぞれが情報を発信することで県産材の利用拡大に向けて多くの建築主と設計者の意欲を高めてまいる所存です。
 加えて、東京オリンピック・パラリンピック関連施設での木材の利用を販路拡大の絶好の機会と捉えております。本県の県産材の品質と供給力のPRや供給体制の一層の強化に努め、これを契機に拡大が見込まれる森林認証材などの新たな需要を確実につかんでまいります。
 県としましては、今までの取り組みに加えまして民間の非住宅分野においても自発的に県産材を利用していただけるような大きな流れをつくるとともに、全国や海外にも販路を開きましてさらなる需要を拡大し、環境、経済、文化が調和したいわゆるもりの都づくりを進めてまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長から御答弁を申し上げます。
○議長(鈴木洋佑君) 伊藤経営管理部長。
       (経営管理部長 伊藤篤志君登壇)
○経営管理部長(伊藤篤志君) 財政健全化についてお答えいたします。
 県債の元金、利子の支払いである公債費は、平成二十八年度当初予算では一千八百五十五億円を計上しており一般会計予算の約一五%を占めております。二十九年度以降も毎年度一千八百億円後半を推移する見通しであり、健全財政の枠組みを堅持するためには県債残高や利子の支払い額の縮減に取り組み公債費を抑制していく必要があります。
 県債残高につきましては、これまで通常債の残高二兆円程度を上限とする健全化目標を掲げ投資的経費の重点化、優先化を進めた結果平成十四年度をピークに通常債の残高は順調に減少しております。しかし地方交付税の代替である臨時財政対策債の発行を余儀なくされているため県債残高全体は依然高い水準にあり臨時財政対策債の縮減が大きな課題であると認識しております。
 一方、利子の支払い額の縮減につきましては、県債の発行に当たり知事みずから実施する財政状況の投資家向け説明会、いわゆるIRの開催や健全な財政運営による高い格付の維持、投資家が投資しやすい多様な発行手法の採用など各種の取り組みを通じて地方公共団体の中では東京都に次ぐ有利な条件で発行する環境を醸成してまいりました。
 加えて、過去に発行した高利率の県債の繰り上げ償還にも取り組んだ結果、市場の低金利の動向と相まって今後償還する県債の約九割は二%以下の利率で平均では約一・四%の利率となっております。
 今後は、県債残高の約四割を占める臨時財政対策債について、引き続き国に対して制度の廃止や償還財源の確実な確保を強く求めてまいります。また投資家への訪問によるIRの充実等を通じて有利な県債発行条件の継続を図るなど公債費の縮減に努め、健全財政の枠組みを堅持してまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 木利夫君登壇)
○くらし・環境部長(木利夫君) 交通安全への取り組みについてのうち、第十次静岡県交通安全計画についてお答えいたします。
 第九次計画では、交通事故死者数の目標は達成できなかったものの関係機関の取り組みにより最終年の平成二十七年は前計画の平成二十二年に比べまして人身事故が四千二百六十件の減少、死者数が十二人の減少となりました。これは事故が多発する夕暮れ時に歩行者と自転車利用者への自発光式反射材等の着用やドライバーへ早目のライトオンを呼びかけるピカッと作戦の展開、自転車運転マナーの徹底を図ったことなどによる一定の成果であると考えております。
 第十次計画におきましては、人優先の交通安全思想を基本理念として高齢者と子供の安全確保、歩行者と自転車の安全確保、生活道路における安全確保を重点に実施してまいります。特に前計画の課題でありました高齢者事故の防止対策として、ことし四月には損害保険業界と高齢ドライバーサポート協定を締結し保険の更新時に高齢者が起こしやすい事故の情報を提供するなどきめ細やかな啓発活動にも取り組んでまいります。
 今後も、計画の目標達成に向け、思いやりありがとうを合い言葉に笑顔による譲り合いの輪を広げる運動を展開するなど県、警察本部、市町、関係団体と一丸となり、一件でも交通事故を減らしかけがえのない県民の生命財産を守るよう交通安全対策を推進してまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 西川警察本部長。
       (警察本部長 西川直哉君登壇)
○警察本部長(西川直哉君) 交通安全の取り組みについてのうち、増加する高齢ドライバー事故への取り組みについてお答え申し上げます。
 高齢ドライバーが関係いたします事故は、高齢ドライバーの増加に伴って年々増加傾向にございます。そこで事故の実態を詳細に分析いたしましてその結果に基づいて効果的な施策を推進していくことが重要であるというように考えております。
 特に、高齢ドライバーが起因者となる事故につきましては、加齢による身体機能の低下が影響しているという状況がうかがわれますことから高齢ドライバー御自身にこの問題を理解していただくため参加・体験・実践型の交通安全教室を行っております。また複数回事故を起こした当事者宅への訪問指導なども実施しているところであります。なお訪問指導の際には、これまで同様運転に不安を抱える高齢者に対する段階的な運転自粛や運転免許自主返納制度の周知などを関係機関と連携して呼びかけておるところであります。
 また、来年三月には七十五歳以上のドライバーを対象とした臨時認知機能検査制度の新設などの改正道路交通法の施行が予定されていますことから、これに適切に対応してまいります。
 さらに、高齢者以外の世代に対しても高齢者事故の実態及び特性の理解の醸成に努めるなど多角的な高齢者事故防止対策を推進してまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 木苗教育長。
       (教育長 木苗直秀君登壇)
○教育長(木苗直秀君) 文化振興への取り組みについてのうち、県立中央図書館のあり方についてお答えいたします。
 これまで県立中央図書館では、利用者をふやすために資料の充実やレファレンスサービスの強化に加え各種団体と連携した講座や展示、イベントを開催し県民に親しまれる図書館を目指してまいりました。
 また、所蔵資料をインターネットで閲覧できるデジタルライブラリーの整備を進めているほか本年度からは祝日開館やインターネット予約による貸し出しを始めるなど利用者の利便性の向上に努めております。
 一方、議員御指摘のとおり収蔵量が数年後に限界に達すること、施設の老朽化が著しく利用者の皆様に不便をおかけしていることは大きな課題であります。今後の県立中央図書館のあり方といたしましては、生涯学習社会実現のための図書館、ふじのくにのことなら何でもわかる図書館、市町立図書館を強力にバックアップする図書館、これら三つを目指すべき姿と捉えており、これを具現化していくためには抜本的な施設の再整備が必要であると考えております。
 県教育委員会といたしましては、県立中央図書館の果たすべき役割を踏まえさらに時代やニーズに合わせた新たな発想や可能性を取り入れ、機能や施設のあり方について早急に検討を進めてまいります。
 次に、幼児教育の方向性についてであります。
 幼児期は人間形成の基礎が培われる大切な時期であり、それゆえ近年子供たちの知的な発達や社会性を育む幼児教育への関心が高まっています。国においては平成二十七年度から子ども・子育て支援新制度が本格的に実施されるなど体制の整備が進められている状況を踏まえ、静岡県では本年四月に幼稚園や保育所、公立や私立の所管といった行政組織の枠を超えた専門機関として幼児教育センターを開設したところであります。
 今後、幼児教育センターでは、県内全体の幼児期の教育水準の向上のため関係組織や関係団体と協働しながら幼児教育から小学校教育への接続を円滑に進めるためのモデルカリキュラムの作成や大学と連携した教職員の研修プログラムの開発のほか幼児教育アドバイザーの育成、配置に関する調査研究などにも取り組むこととしております。
 また、近年指摘されている小学校入学時の環境への不適応、いわゆる小一プロブレムに対応するため教育委員会では本年三月に幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続に関する方針を策定いたしました。幼児教育センターでは、この方針に基づき幼児教育にかかわる関係者間の一層の連携を図るとともに、県内における接続期の状況を詳細に把握し各市町の体制整備を支援してまいります。
 さらに、幼児教育の重要性についての理解を県民の皆様と広く共有することができるようマスコットキャラクターの公募やスマートフォンアプリケーションの開発、配信など情報発信にも積極的に取り組んでまいります。
 これらの取り組みにより、静岡県幼児教育センターは、オール静岡の体制で幼稚園、保育所、認定こども園を通しての幼児教育の充実と小学校教育への円滑な接続体制の整備に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 西田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 西田郁夫君登壇)
○文化・観光部長(西田郁夫君) 第二期中期目標期間における静岡文化芸術大学の取り組みについてお答えいたします。
 県立大学である静岡文化芸術大学には、県内を初め社会のさまざまな分野で活躍できる人材を育成するとともに、知の拠点として地域を牽引する役割を担っていくことが求められております。
 このため、県が策定した第二期中期目標においてはグローバルな視点から物事を考え行動することのできる人材の育成、文化と芸術を中心とした地域貢献機能の強化、教育内容の一層の充実による優秀な学生の安定的な確保の三点を重点目標として大学に指示いたしました。これを受け大学では、本年三月に第二期中期計画を策定し英語だけでなく多様な外国語教育の充実を図るとともに、企業等と連携した海外インターンシップの実施など幅広く外国文化に触れる機会を提供するグローバル教育を展開するほか社会状況の変化や地域のニーズを踏まえた文化政策学部の見直しによる教育内容の充実など意欲的な取り組みを掲げております。
 また、学生が現場に出て地域の文化や企業への理解を深める実践演習を一層充実させるとともに、人口流出防止など本県の重要課題に対し文化政策、デザイン両学部の専門領域を融合した特色ある研究活動の展開を通じて地域の発展と活性化に貢献することをうたっております。
 県といたしましては、十八歳人口が減少する中にあっても静岡文化芸術大学が選ばれる大学であり続けるようこれらの魅力ある大学づくりに向けた取り組みを積極的に支援してまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 山口健康福祉部長。
       (健康福祉部長 山口重則君登壇)
○健康福祉部長(山口重則君) 障害者スポーツの振興についてお答えいたします。
 障害者スポーツでは、本年五月の日本パラ陸上選手権で走り幅跳びの山本篤選手が世界新記録で優勝し、静岡国際陸上で百メートルの佐藤圭太選手がアジア新記録を樹立するなど本県出身のパラアスリートの大活躍が続いております。こうしたパラアスリートの活躍は県民に夢と感動をもたらし、チャレンジする勇気を与えてくれる大変すばらしいものであります。
 県では、競技力向上を図るため本県ゆかりの指定強化選手に対しまして国際大会や国内大会への派遣支援に積極的に取り組んでおります。また全国障害者スポーツ大会に出場する選手に対しましても強化練習を行っており、最近の大会での個人競技のメダル獲得数はおおむね全国第十位以内を維持し昨年の団体競技のフットベースボールでは初優勝となるなどの成果を上げております。
 県民への障害者スポーツの周知につきましては、パラリンピックを楽しむための講演や若い世代がパラスポーツに触れ合うことのできる競技体験フォーラムを開催し障害者スポーツへの理解を深めてまいります。
 また、リオデジャネイロパラリンピックに出場する本県選手の激励会や東京パラリンピックの会場となる伊豆ベロドロームでのパラサイクリング選手とともに楽しむ競技観戦会の開催を行うなどパラリンピックの魅力を効果的に発信してまいります。
 今後も、県民の皆様に障害者スポーツやパラリンピックのすばらしさを知っていただくことにより障害のある方に対する理解を深め、障害のある人もない人もともに支え合う魅力ある静岡県の実現に向け取り組んでまいります。
 次に、熊本地震の教訓についてのうち、発災後の健康支援活動についてであります。
 今回の熊本地震において、本県は甚大な被害のあった南阿蘇村に保健師等二十名を派遣いたしました。避難所では健康相談や健康教育を初めノロウイルスなどの感染症やエコノミークラス症候群の予防対策のほか家庭訪問による個別支援を行うなど余震が続く中で不安を抱える被災者の気持ちを和らげ心に寄り添った健康支援活動を行ったところであります。
 現地の支援活動では、被災した自治体における支援者の受け入れ体制が十分機能せず多くの医療関係者や保健師等の支援者の間で情報の共有化や避難所の運営に当たり混乱があったことから、災害時には県外からの多くの支援機関を適切に統制できる体制を平時から整えておくことの必要性を改めて認識したところでございます。
 今後、静岡県災害時健康支援マニュアルに支援機関の調整役としての健康支援コーディネーターの役割を位置づけ、他の自治体からの受け入れを想定した実践的な訓練を行い受け入れ体制の強化を図ってまいります。
 また、避難生活が長期化する場合も想定いたしまして仮設住宅における被災者の健康支援の研修を実例に即した内容で実施するなど健康支援活動が適切に行えるように努め、災害時においても安心して暮らせる地域づくりを目指して取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 村松交通基盤部長。
       (交通基盤部長 村松 篤君登壇)
○交通基盤部長(村松 篤君) 建設産業の担い手確保・育成についてお答えいたします。
 建設産業では、本県においても若年就業者の割合が低下し今後の社会資本の整備、維持管理や防災・減災対策に影響を及ぼす恐れがあることから、将来にわたる担い手の確保・育成は喫緊の課題であると認識しております。
 このため県では、就業者の処遇改善等を進めるとともに、昨年五月には県が中心となり建設団体や教育関係者などで構成する静岡県建設産業担い手確保・育成対策支援コンソーシアムを設立し小学生には建設産業への興味の醸成を図り中高大学生には職場体験を通じて魅力や役割を伝えるとともに、保護者や教員には建設産業への理解を深める取り組みを行うことといたしました。
 昨年度は、小学生と保護者を対象に現場見学会と観光が一体となったインフラツーリズムや専門高校の生徒、教員を対象とした現場見学会や研修会などを実施し参加者は延べ四百人に上りました。今年度は同様の取り組みに加え、専門高校以外の生徒を対象とした新たな取り組みとしてまずは県立藤枝北高等学校で出前講座を実施したところであり、このほか中学生を対象とした職場体験も実施することとしております。
 県といたしましては、引き続きコンソーシアムにおいて取り組みの成果を検証しながら次代を担う若者の建設産業への理解促進を図り、将来にわたる担い手確保に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 外岡危機管理監。
       (危機管理監 外岡達朗君登壇)
○危機管理監(外岡達朗君) 熊本地震の教訓についてのうち、自主防災組織の充実強化についてお答えいたします。
 大規模災害発生時には、行政はみずからの被災等による機能低下も懸念されることに加え膨大な災害対応業務も発生するため、自主防災組織には初期消火、救出救助、避難誘導、避難所運営など自助、共助に係る活動を主体的に担う役割が期待されております。
 熊本地震では、多くの市町村職員が避難所の運営に当てられ市町村職員が本来行うべき被害調査や罹災証明の発行業務などが滞りその後の被災者の生活再建に不可欠な業務が遅延する状況が見受けられました。
 本県では、これまでも県や市町が実施する自主防災組織の研修会や防災出前講座において災害イメージゲームDIGや避難所運営ゲームHUGを活用し、参加者が地域の被害や避難所の運営を具体的にイメージし訓練することによって災害時に的確に行動できるよう組織力の強化やリーダーの育成に取り組んでまいりました。
 県といたしましては、今後県民に対し大規模災害時には公的な支援が行き届かない可能性があること、また災害対応に当たる行政職員の任務や地域で避難所を運営する基本的な考え方を研修会や自主防災新聞等を活用して周知啓発し、災害時により円滑に活動ができる自主防災組織の育成に努めてまいります。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 七十一番 前林孝一良君。
       (七十一番 前林孝一良君登壇)
○七十一番(前林孝一良君) それぞれに御答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 特に、知事からは東部看護専門学校への助産師学科の設置について約束をしていただきまして、我が会派として九年越しの課題でございましたので非常に感無量でございました。
 そこで、この助産師養成学科について再質問をさせていただきますのでよろしくお願いします。
 設置に向けてこれから具体的に動き始めるわけでございますけれども一番大事なのはいつごろ完成するのかということでございます。課題はたくさんあると思いますけれどもいつごろまでに開設をしてくださるのか、そのスケジュールについてお伺いいたします。
○議長(鈴木洋佑君) 山口健康福祉部長。
○健康福祉部長(山口重則君) 東部看護専門学校の助産師学科の具体的なスケジュールということでお答えいたします。
 助産師養成学科の設置には、まず教員の確保、それと養成施設の整備と実習施設の確保という大きな課題があります。これら課題についてしっかり県内部において調整した上で教員予定者の専任教員養成講習会の受講とか施設整備に係る工事の設計、さらには実習受け入れ病院との承諾、調整等々をやっていきましてカリキュラムの計画をつくりまして、そして設置の計画等を策定していく予定になっております。
 直近の県内での助産学科を設けた専門学校の例から見ますと学校では約三年と八カ月かかっておりますので、恐らくこれからやっていくに当たりまして県のほうにおかれましても最速にやっていくにしましてもその期間はかかるやに思えます。
 いずれにしましても、県ではこのような手続等をしっかりと取り組みまして、この助産師確保につきましては喫緊の課題ということでございます。一日も早い開設を目指して全力を尽くしてやっていきます。以上であります。
○議長(鈴木洋佑君) 前林孝一良君。
       (七十一番 前林孝一良君登壇)
○七十一番(前林孝一良君) 一日も早い開設をお願いしたいと思いますけれども、最低三年というお話がありましたが、なるべく短い期間で最高のものをぜひつくっていただきたいと思っております。
 なお、九年以上前から県助産師会のほうからいろんな形での御助言をいただいております。開設に当たってやはり参考になる意見もあると思いますので、ぜひ静岡県助産師会の意見を反映してくださるようお願いいたしまして私の要望といたします。(拍手)
○議長(鈴木洋佑君) これで前林孝一良君の質問は終わりました。
 議事の都合により休憩します。

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