• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成26年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

渡瀬 典幸 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/02/2014

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 ラグビーワールドカップ二〇一九の招致に向けた取り組みについて                             
2 農林大学校における新規就農者の育成について           
3 新エネルギー関連産業分野への参入に取り組む県内企業に対する支援について                        
4 天竜浜名湖鉄道への支援について                 
5 消防救急広域化の推進について                  
6 原子力災害に備えた避難計画について


○議長(多家一彦君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百三十五号から第百六十三号まで及び平成二十五年度静岡県一般会計、特別会計、公営企業決算全部を一括して議題といたします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、十八番 渡瀬典幸君。
       (十八番 渡瀬典幸君登壇 拍手)
○十八番(渡瀬典幸君) よろしくお願いいたします。私は自民改革会議所属議員として、通告に従い一括質問方式により知事及び関係部局長にお伺いいたします。
 初めに、ラグビーワールドカップ二〇一九の招致に向けた取り組みについて伺います。
 六月のブラジルでのFIFAサッカーワールドカップの熱戦に続く国際的なスポーツイベントとして、九月十九日から十月四日まで韓国の仁川でアジア競技大会が開催されております。本県選手も好成績を上げております。レスリング男子グレコローマンスタイル五十九キロ級で長谷川恒平選手が金メダル、陸上男子十種競技で右代啓祐選手が金メダル、また飛龍高出身の競泳女子四百メートルリレーと八百メートルリレーで松本弥生選手が銀メダル、競泳男子二百メートル個人メドレーで藤森太将選手が銀メダルなど、本県選手を初め日本選手の活躍に日本中が沸き返るのを見て、人を元気にするスポーツの力を改めて認識したところであります。そしてまた、このような国際的なスポーツイベントが本県で開催され多くの県民が一流のアスリートのプレーを見て楽しみ、それが地域の発展につながればどんなによいだろうという思いを強くしたところでもあります。
 本県では、二〇〇二年のFIFAサッカーワールドカップをエコパスタジアムで開催して以来、世界規模のスポーツ大会は開催されていませんが、それに匹敵する大きな大会を開催するチャンスがめぐってまいりました。それがラグビーワールドカップであります。ラグビーワールドカップは来年二〇一五年のイングランド大会開催後、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの前年、二〇一九年に日本での開催が既に決定しております。本県では知事が先頭に立ってエコパスタジアムを会場とする方向で招致活動が進められており、地元からも大会開催に大きな期待が寄せられているところであります。招致活動を通じて、また開催の決定によりこれから県民のラグビーへの関心が高まることも期待されます。
 ラグビーワールドカップは、サッカーワールドカップに相当する集客効果の高いイベントであると伺っております。本県での開催が実現すれば国内外から多くの観戦客が訪れることが期待されます。私の地元の袋井市も、県と協力して温かなおもてなしで歓迎し、再び本県や袋井市を訪れていただけるような取り組みはもちろんのこと大会開催前の機運の盛り上げについても積極的に取り組まれるものと思います。期待は大きく膨らみます。ぜひとも本県での開催を実現してほしいと思います。
 県は、今月末に開催希望申請書をラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会へ提出し正式に開催地に名乗りを上げることとしていますが、全国二十余りの自治体が立候補を予定しており、このうち開催都市となるのは十から十二の自治体で競争が厳しいものと聞いております。
 このような状況を踏まえ、大会招致の実現に向け県は今後どのような方針で取り組むのか所見を伺います。
 次に、農林大学校における新規就農者の育成についてであります。
 本県の農業就業状況を見ますと、五年ごとの農業の基本構造調査――農林業センサスのデータでは、基幹的農業従事者数は過去二十年間で三七%減少し、平成二十二年には約六万四千人となっております。またそのうち六十歳以上の割合は七割を超えており、高齢化が進み地域農業の衰退が危惧される状況にあります。一方で本県における新規就農者数は平成二十二年度までは毎年二百人程度で推移してきましたが、最近は増加傾向にあり、平成二十四年度は三百二十五人が新たに就農しております。このうちの約七割を三十九歳以下の青年層が占めており、農業に魅力を感じ農業をビジネスチャンスと捉えて就農する若者が着実に増加しているということがうかがえます。
 本県農業を成長産業としてより一層発展させるためには、こうした多くの意欲ある若者を新しい事業展開や経営革新にチャレンジする次世代の農業経営者に育成していくこと、また農業法人の幹部社員として活躍する人材に育成していくことが重要であります。県では、農業の生産性や農産物の付加価値の向上を目的に省力化、低コスト化を可能にする技術革新や農業の六次産業化等を推進しておりますが、農業の担い手の確保という観点から、これらの取り組みの推進には最先端の技術を駆使し企業的な経営を展開できる人材が求められます。担い手の減少と高齢化が急速に進む中、こうした人材をスピード感を持って育成することが急務となっているのではないでしょうか。
 このような状況の中で、技術と経営の両面から実践的な農業を学び即戦力となる人材を育成している農林大学校の役割は今後ますます重要なものとなってくると思います。
 そこで、将来の静岡県農業をしょって立つ人材を育成するために今後農林大学校ではどのような教育を進めていくのか、県の所見を伺います。
 次に、新エネルギー関連産業分野への参入に取り組む県内企業に対する支援について伺います。
 東日本大震災とこれに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故の発生を契機として、省エネ・節電の実践とあわせ太陽光、風力、中小水力、バイオマスなどこれまでのエネルギーインフラにかわる新エネルギーの導入を一層進めようとする機運が高まっております。
 国においては、ことし四月に新たなエネルギー基本計画を閣議決定し、新エネルギーを有望かつ多様で重要な低炭素の国産エネルギー源と位置づけ、導入を積極的に推進することとしております。また新たなエネルギー関連の産業、雇用の創出は我が国の成長につながる重要な戦略分野であるとしています。新エネルギーは、送電網の容量の問題や他のエネルギーと比較してコストが高く自然条件に左右されるため、効率的な発電技術が求められるなどの課題はありますが、CO2削減のため今後より一層の活用が不可欠と言われております。このためこれまでに培った高度な技術を生かし、新たな技術開発や製品開発、販路拡大に取り組む新エネルギー分野参入企業が抱く事業拡大への期待は大変大きなものがあります。
 我々自民改革会議では、先月、新エネルギー分野の先進地である米国ハワイ州に調査団を派遣し、現地の年間発生ごみの三分の一を活用して発電する廃棄物発電所を視察いたしました。ハワイ州は化石燃料に依存するエネルギー構造からの脱却を目指し、州を挙げてクリーンエネルギーの導入に積極的に取り組まれております。廃棄物発電はごみの焼却熱を利用して発電するもので、一九九〇年に廃棄物発電施設「H―POWER」がオアフ島西部のカポレイ地区に建設されました。島内各地で収集された日量約二千ポンド――約一トンのごみを高熱で焼却し蒸気によってタービンを回して発電する仕組みで、大気汚染制御技術にもすぐれているそうです。四十五メガワット、約四万世帯分の電力をつくり出し、オアフ島で消費される電力の約七%を供給、年間三十億円ほどの収益があるそうです。国内資源でエネルギーを生み出すことの重要性や新たなエネルギー関連産業を育てる必要性を改めて感じたところであります。本県はハワイ州とクリーンエネルギー分野に関する交流の覚書を締結しており、九月十五日から十七日まで開催されたハワイ州主催のアジア太平洋クリーンエネルギーサミット&エキスポへ出展し、本県企業と海外との取引を目指して新技術や新製品のPRを行ったと伺っております。
 このように、県においては、新エネルギー関連産業への県内企業の参入に重点が置かれていますが、新たな技術や製品開発などに取り組む企業に対し県ではどのように支援していくのか、その取り組み状況と今後の方針について伺います。
 次に、天竜浜名湖鉄道への支援についてであります。
 天竜浜名湖鉄道は、高齢化が進む沿線地域の住民の生活の足としての役割を担っていますが、依然経営環境は厳しい状況にあります。平成二十一年度から昨年度までの五年間の新経営計画の期間中、県及び沿線市町の公的支援を受けながらコスト削減などによる経営状況の改善に努め、最終損益では五年連続で黒字を確保しました。利用者数も平成二十五年度は百五十一万人と前年度を上回る状況にあります。しかしながら他の第三セクター鉄道と同様、安全で安定した列車運行のために必要となる輸送施設の整備や維持補修には多くの経費が必要となるため、営業収入で全てを賄うことは困難な状況にあります。本年度からスタートした新たな経営計画においては、こうした安全・安定のための経費については自治体が支援するという考え方が導入され、さらなる収支構造の改善に努めていると伺っております。
 収支構造の改善にはコスト削減に努めることはもちろんですが利用者をふやし営業収入を増加させることが重要であります。天浜線の魅力をPRし観光誘客による利用者の増加を図る取り組みなどが有効と考えられますが、長崎県から佐賀県にかけて運行されている松浦鉄道では、沿線住民の方の利便性向上のために開業後も多くの新駅を設置し利用者が増加したという事例があると聞いております。
 このような中、本年度末に森町病院前に天浜線の新駅が設置されることとなりました。天浜線では新駅は平成二十一年度に設置された湖西市の大森駅以来となります。新駅設置は、住民を初め公共交通機関を生活の足とする高齢者や病院への来院者の方の利便性の向上につながるだけでなく、地域住民の方の天竜浜名湖鉄道に対する愛着や地域の財産であるという意識を高めることとなり、さらなる利用者の増加につながるものと大いに期待するものであります。
 今議会に提案されております平成二十六年度九月補正予算には、天竜浜名湖鉄道の森町新駅の設置に対する助成事業費が盛り込まれております。地域の公共交通として必要とされ新駅設置や今後の利用促進などに取り組む天竜浜名湖鉄道に対し、県として今後どのように支援していくのか所見を伺います。
 次に、消防救急広域化の推進について伺います。
 消防救急は、火災、地震などの災害から住民の生命・財産を守り地域の安全・安心を確保するために大切な役割を果たしています。しかしながら近年災害の大規模化や住民ニーズの多様化など消防救急を取り巻く環境は大きく変化しております。
 例えば、昨年発生した長崎県での認知症高齢者グループホームにおける火災や福岡県の整形外科での火災など深刻な火災事案は毎年絶えることがありません。幸いにして、本県では近年同様の深刻な事案は発生しておりませんが救急出動件数は年々増加しており、県内の平成二十五年の件数は速報値で約十五万四千件と十年前と比べて二〇%以上増加しております。このような状況に対応するため、消防本部の規模を拡大する消防救急の広域化は重要な取り組みであります。
 消防救急の広域化のメリットとしては、消防本部の体制が強化され火災や災害が発生した際、最初の通報の段階から災害の規模に応じた出動を的確に行えることや、総務や通信指令事務の効率化によって生み出された人員を救急などの現場で活動する職員や火災の予防業務等の専任職員として配置することが可能となることなどが挙げられ、第一線の消防力の強化や住民サービスの一層の向上につながると期待されるものであります。
 平成十八年の消防組織法改正を受け、県は平成十九年度に消防救急広域化推進計画を策定し、その後、平成二十二年度の変更を経て現在二十五ある消防本部を八本部に広域化することとしております。県内の広域化の状況については、下田西伊豆地区や志太地域のように既に広域化が実現した地域もある一方で、その他の地域ではまだ広域化の実現には至っていないのが現状であります。市町が広域化を進めることにより、より的確に救急搬送や災害に対応することが可能となり、ひいては安全・安心な地域づくりにつながります。組織統合の問題など当事者間の調整が容易に進まない状況もあるかと思いますが、計画策定から六年が経過しており県の推進計画に基づき広域化が実現する地域をふやしていく必要があるのではないでしょうか。そのためには、市町に任せておくのではなく広域化実現のための県の後押しが必要であると考えます。
 県として、今後消防救急の広域化を一層推進するため、どのように取り組んでいくのか所見を伺います。
 最後に、原子力災害に備えた避難計画について伺います。
 原子力災害に備えた避難計画については、国の防災基本計画において地方公共団体が策定することとされており現在県でも策定作業が進められております。計画の策定に当たっては、国が原子力発電所の立地する地域ごとにワーキングチームを設置し関係する道府県や市町村を支援しており、全国的に見ると既に避難計画を策定した自治体もあると聞いております。
 本県における避難計画については、計画の実効性を高めるため原子力災害の単独発生のほか大規模地震との複合災害の場合も考慮した上で、市町ごとの県外の避難先の確保、スクリーニングポイントの設定等まで踏み込んだ内容で策定すると伺っております。このため多方面との調整が必要であり作業に時間がかかるのはやむを得ない面はありますが、住民の不安を考えれば早期の策定が望まれるところであります。また浜岡原子力発電所周辺の市町においても原子力災害に備えた避難計画の策定が進められておりますが、広域的な避難が必要であることなどから県の避難計画との整合が不可欠となります。
 袋井市は、九月十二日に市独自の避難シミュレーション――避難時間予測を公表いたしました。四月下旬に県が公表したシミュレーションに倣い、一時間ごとに約三千世帯が避難する多段階避難を前提として県の予測よりも短時間での避難が可能と推計しております。市では今後この予測結果を反映させ、県や関係市町と調整した上で避難計画を策定する方針と聞いております。住民の避難行動を統制することは難しいことであり避難計画の実効性をいかに確保するかは大きな課題でありますが、まずは計画を策定し訓練を通じて避難体制を築いていくことが重要と考えます。
 このような中、市町によっては住民の不安を早期に解消するために県に先行して避難計画の策定を進めようとする動きがあると聞いております。住民に直接接することが多い市町の立場からすれば、一刻も早く避難計画の策定を進めたいと考え準備を進めることは当然のことだと思いますが、もし各市町が独自に避難計画を策定した場合、県や他の市町の避難計画との整合性が保たれず、それまでの策定労力が無駄になってしまうおそれがあると思います。それによって、より一層県民の不安感が高まってしまうのではないかと心配をしております。
 このような市町の実情等を踏まえ、県として今後どのように避難計画の策定を進めていくのか伺います。以上について答弁を求めます。(拍手)
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 渡瀬議員にお答えいたします。
 ラグビーワールドカップ二〇一九の招致に向けた取り組みについてであります。
 二〇一九年のワールドカップ、また二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに本県が積極的な関与をするということは、本県のスポーツ、また本県の知名度を上げるために極めて重要であります。
 ラグビーワールドカップ二〇一九の本県招致に向けましては、私ども既にラグビーワールドカップ二〇一九静岡県招致委員会を立ち上げております。しかし厳しい競争が予想されております。世界レベルの競技会場の提供を初め高速道路や空港などの良好な交通アクセス、国内外の観戦客のおもてなしなど本県開催の優位性を、今月末にラグビーワールドカップ二〇一九組織委員会へ提出する開催希望申請書にしっかりと盛り込むことが重要であります。
 世界レベルでの競技会場の提供につきましては、エコパスタジアムが約五万人の観客収容人員を誇る全国屈指のスタジアムであり、二〇〇二年のサッカーワールドカップの開催など大規模なスポーツイベントを開催した豊富な実績がございます。さらに県営草薙球技場などキャンプ地として利用可能な球技場が多数あることもアピールしてまいります。さらにつけ加えれば御殿場にも合宿にふさわしいようなラグビー場もございます。
 加えて、新幹線、高速道路、富士山静岡空港を活用した首都圏、中京圏、海外からの観戦客の円滑な移動に加えラグビー強豪国の欧州やオセアニアの富裕層のビジネスジェット利用なども提案してまいろうと考えています。さらに国内外から本県を訪れる観戦客には、世界遺産富士山や美しい景観の浜名湖、世界ジオパークを目指す伊豆半島など世界標準の観光資源をめぐる旅行や、サッカーワールドカップの経験を生かしたパブリックビューイングやファンゾーンの設置、地域の特色を生かしたお祭りや文化イベントの開催など本県のさまざまな魅力を提案してまいる所存であります。
 二日前、森喜朗元総理が御来県になりました。御来県の目的は、このたび百七代の議長に就任せられた多家一彦議長御就任の祝辞をお述べになるためであったわけでありますが、言うまでもなく森元総理は日本ラグビー協会の会長です。そしてワールドカップ招致に最も貢献のあった方でございます。さらにこの四月には二度にわたりエコパを初め関連施設を御自身の目で見て回られました。したがって何か御発言があるかと注目していたのでございますが、一番最初にこの袋井のエコパについて御言及なさいまして、そして有力候補の一つであるということを大勢の参加者の前で明言せられたのは心強い限りであったわけでございます。
 まずは我々が申請書を出すと。そして、ことしの十二月に国際ラグビーボードのエコパスタジアムの視察がございます。申請にふさわしいところであるかどうかということを見に来られる。そして来年の三月にアイルランドで開催される国際ラグビーボードで決まると。こういう段取りになっているわけでございます。私どもはこの点はもう、ぜひ実現になるようにということで、一昨日は掛川、袋井、磐田市長さんの熱意にあふれた手紙も元総理閣下に御提出を申し上げたということで、万全を今、期しているところであります。
 今後は、開催希望申請書を万全なものとし、関係者と一体となった招致活動や全県を挙げた機運の盛り上げに取り組むことで、来年三月末に決定される試合会場に何とかエコパスタジアムが選ばれますように全力を挙げて取り組んでまいります。
 次に、原子力災害に備えた避難計画についてであります。
 原子力災害が発生した場合に住民の迅速な避難を行うためには、県と関係市町が連携して具体的かつ実効性のある避難計画を策定しておくことが重要であります。
 このため、県と関係市町とで役割分担を行います。県は避難先の確保、スクリーニングポイントの確保、避難ルートの設定、避難手段の確保等、各市町に共通する課題について取り組みます。一方、関係市町のほうは避難を実施する地区の区分け、市町内の避難ルートの設定、住民への情報伝達方法の検討、そしてまた避難先市町村との協議等について取り組むことと役割分担を決めております。
 特に、大規模地震に伴う原子力災害に備えた避難先の確保につきましては県境を越えた広域的な調整が必要となるため、私ども主体となって動いてまいりましたけれども、ありがたいことに国のほうでも動いてくださいまして、このほど原子力災害単独の場合には山梨県、神奈川県、愛知県、岐阜県、三重県、この五県が受け入れを表明してくださいました。またそれが大規模地震と複合的に複合災害が生じた場合には、群馬県、埼玉県、長野県、富山県、石川県、福井県の六県が受け入れ県として名乗りを上げていただきました。受け入れ可能人数は百三十万人であります。私もありがたく御礼の手紙を出したところでございますが、大規模地震との複合災害の場合には東京都とも協議を行っているところでございます。
 議員御指摘の市町独自の避難シミュレーションにつきましては、住民に最も近い立場にある市町が、よりきめ細やかな避難計画を策定しようとする意欲のあらわれであるというふうに受けとめております。
 実効性のある避難計画の策定には市町の実情を踏まえることが肝要ですので、このような市町の取り組みで得られた結果も参考にするなど引き続き関係市町と連携を密にして整合性を図り、早期に計画を策定できるように取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長のほうから御答弁を申し上げます。
○議長(多家一彦君) 土屋経済産業部長。
       (経済産業部長 土屋優行君登壇)
○経済産業部長(土屋優行君) 農林大学校における新規就農者の育成についてお答えいたします。
 農林大学校では、高校卒業者等を対象として高度な農業生産の専門知識や技術を習得するための実践教育を実施してまいりました。
 近年、進学者を除く卒業生約七十人のうち実家の農業を継ぐ後継者は一〇%程度にとどまっておりますが、一方で農業法人へ就職する非農家出身者につきましては年々増加し平成二十五年度では約三七%となっております。農業法人からは、さらに生産のみならず加工や販売まで一貫した知識と技術を身につけた即戦力となる人材が求められております。
 このような状況に対応し、将来農業法人の幹部職員として活躍する人材やビジネス経営体を目指す農家後継者を育成するため、本年度アグリビジネス学科を新設し六次産業化やマーケティングに関する教育を充実させております。また来年度からは新たに整備いたしましたメロンとトマトの実習温室を活用し、ICTやヒートポンプによる最先端の生産技術などを習得するための教育を実施することとしております。
 県といたしましては、本県農業を成長産業としてより一層発展させるため、引き続き農林大学校の教育内容の充実と教育環境の整備を進め、将来の本県農業をしょって立つ最先端の技術を駆使して企業的な経営を展開できる人材を育成してまいります。
 次に、新エネルギー関連産業分野への参入に取り組む県内企業に対する支援についてであります。
 県では、新エネルギーの導入を加速するため太陽光発電に係る住宅用設備への助成や事業用設備への低利融資、発電事業参入のための県有施設の貸し出しなどのほか、農業用水を利用した小水力発電や御前崎港での洋上風力発電の導入支援などにも取り組んでおります。
 さらに、新エネルギーを成長産業分野の一つとして位置づけ県内企業の参入を支援してまいりました。今年度は大手メーカーの部品、技術ニーズ情報を提供するセミナーを開催したほか、省エネ型農業用スマートセンサー、軽量可搬形の小水力発電装置などの開発に助成をしております。
 渡瀬議員にも御紹介いただきましたハワイ州主催の展示商談会には、省エネ型照明やバイオマスなどの県内企業六社が出展しホノルル日本人商工会議所の会員企業とのビジネスマッチングなどを行いました結果、現時点で二十五件の商談が継続しております。また今後首都圏の展示商談会への出展も計画しており、引き続き企業の販路拡大を支援してまいります。
 新エネルギー分野につきましては、これまで培ってきました県内企業のすぐれたものづくり技術が応用でき新規参入のチャンスも多いということから、産業技術総合研究所など国の関係機関とも連携いたしまして意欲のある企業を積極的に支援することで、成長産業の創出につなげてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 天竜浜名湖鉄道への支援についてお答えいたします。
 天竜浜名湖鉄道は、平成二十一年度から平成二十五年度の新経営計画に基づき経営改善を進めてまいりましたが、自動車の普及や少子化の影響で収入の基盤となる輸送人員は長期的には減少傾向にあり、厳しい経営環境に置かれております。
 昨年度、新たに策定した中期経営計画では、県及び沿線市町の財政支援のもと輸送施設の整備、維持などに要する経費を除いた営業費用を営業収入で賄うことを目標としておりますが、その実現には利用者の増加を図ることが重要となります。
 このため、県では沿線市町と連携し文化財である鉄道施設や沿線の景観など天浜線の魅力を生かした観光誘客を図るとともに、沿線住民の皆様の利用促進のために駐輪場の整備など利便性の向上や利用啓発に取り組んでおります。また森町により設置が計画されている森町新駅は森町病院などの公共施設に近く、利用者の増加や地域振興に寄与することから駅舎整備を対象に助成していくこととしております。
 県といたしましては、天浜線が地域住民の皆様の生活の足として、また日本の原風景を提供する数少ない鉄道としていつまでも愛されるよう、沿線市町、住民及び企業の皆様とともに支援してまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 岩田危機管理監。
       (危機管理監 岩田孝仁君登壇)
○危機管理監(岩田孝仁君) 消防救急広域化の推進についてお答えいたします。
 県では、現在二十五ある消防本部を八本部とする静岡県消防救急広域化推進計画を策定し、目標とする平成三十年四月までの広域化に向け鋭意取り組んでいるところであります。
 広域化を具体的に進めるためには、消防力強化のため指令センターや消防車両の整備に係る財源確保、消防本部ごとに異なる組織や制度のすり合わせなどの課題を解決していく必要があります。
 このため、県では既に広域化した志太地域と御殿場・小山地域を除く県内六地域全てを本年四月に国の基本指針に基づく消防広域化重点地域として指定したところであり、これにより市町では消防本部統合による設備の充実に当たって交付税措置が有利な起債の活用が可能となりました。
 また、制度面の調整については関係市町が協議会等を設けて検討を進めており、県では協議会の運営費の助成を行うほか市町間の調整、先進地事例の紹介など積極的な支援を行っております。現在、静岡地域、駿東伊豆地区、三島・裾野・長泉地区の三地域においては平成二十八年度の広域化を目指して具体的な作業が進められており、その他の地域においても広域化に向けた検討が行われております。
 県といたしましては、今後とも広域化が円滑に進められるよう一層の支援に努めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 十八番 渡瀬典幸君。
       (十八番 渡瀬典幸君登壇)
○十八番(渡瀬典幸君) 御答弁それぞれありがとうございました。
 二点要望させていただきまして、一点再質問させていただきます。
 今回の、まず天浜線の支援のことについてでありますけれども、今回新駅の設置に対しては助成事業による支援が行われるということで大変ありがたく思っておりますが、今回に限らず今後利用者の増加を目指して、ほかの駅においても駅舎の整備などを行うことが十分考えられると思います。そのときにおいても、ぜひとも手厚い御支援をお願いできればと思いますので要望させていただきます。
 要望の二点目、農林大学校における新規就農者の育成についてでありますけれども、新しい施設をつくっていただいたりして御努力をしていただいていることは十分承知でございますけれども、聞くところによりますと、その中でも学科の人気があるところ、不人気なところがあるということを聞いております。その中でも茶業学科ですね。それと園芸学科のうちのメロン栽培についてはだんだんと人数が減っているということを聞いております。このメロン栽培については新しい実習の温室をつくっていただいて、実践的に学んでいただくという取り組みをされていただくことは本当にありがたいと思うんですけれども、静岡県の基幹的農業を代表するお茶ですね、お茶業界は低迷しておりまして大変な状況下にあると思います。それに比例するかのように学生数も減っているということでございますので、ぜひとも茶業界、茶産業全体を盛り上げていただいて、茶産業をしょって立つ人材をぜひとも育てていってほしいと思います。これも要望させていただきます。
 再質問に入ります。原子力災害に備えた避難計画についてであります。
 早期に策定していくという御答弁でございましたけれども、避難計画の策定、大変難しいと思いますものですから、容易に進まないということは十分理解できるわけでありますけれども、やはり住民の不安を考えますと本当に早く、早期に策定作業を進める必要があるかと思います。難しい部分もあると思いますが、この計画が策定されるのはおよそいつごろになるのか。また目標としている完成時期についてはどのように考えているのか。お考えがあれば、ぜひともお伺いをしたいと思います。以上について答弁を求めます。
○議長(多家一彦君) 岩田危機管理監。
○危機管理監(岩田孝仁君) ありがとうございます。
 先ほど知事のほうからも御答弁をさせていただいたとおり、現在、受け入れ先の関係する県、特に北陸、関東地域にかけて、かなりたくさんの県と現在調整を協議しているところであります。関係市町ごとの避難先の受け入れ県を今年度中には確保していきたいというふうに考えており、あわせて避難ルート、広域の避難ルートでありますとかスクリーニングポイントの設定等を進め、少なくとも平成二十七年度以降にはなりますが、できるだけ早い時期に私どもとしては避難計画を策定できるように努めていきたいというふうに考えております。それをきちんと関係する市町とも同時に協議を進めながら、あわせてスムーズに避難計画を策定できるように調整を進めさせていただければというふうに考えております。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp