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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成27年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

増田 享大 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/19/2015

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 農林水産物の販路拡大について                  
2 家庭教育支援条例による県の事業について             
3 子ども・子育て支援新制度について                
4 中東遠総合医療センターについて                 
5 県道磐田掛川線の整備について                  
6 掛川市の河川河口部における津波対策について 


○議長(多家一彦君) これで柏木健君の質問は終わりました。
 次に、十六番 増田享大君。
       (十六番 増田享大君登壇 拍手)
○十六番(増田享大君) 私は自民改革会議所属議員として当面する県政の諸課題に対し、通告に基づき一括質問方式にて知事及び関係部局長並びに教育長にお伺いいたします。
 初めに、農林水産物の販路拡大について伺います。
 私たちの静岡県は、美しい海と緑豊かな自然とに囲まれた全国に誇るすばらしい県だと思います。その自然からの恵み、豊富な海の幸、大地の恵みである多彩な農産物そして全国屈指の美林と銘木の数々、先祖代々から伝わるそれぞれの産業は私たち県民のとうとい財産でもあります。
 しかしながら、それら産物は時代の変遷とともに世界規模の市場経済の中での競争を余儀なくされ、それぞれに業として営む難しさが年々増してきているのも現実であります。とりわけ農業を取り巻く窮状は著しく、本県を代表するお茶やお米の生産者は近年かつてないほどの苦境に陥っている状況です。
 私の地元掛川市もお茶の名産地で、全国茶品評会、深蒸し煎茶の部における十年連続産地賞受賞は生産者のみならず市民の誇りでもありますが、近年の茶況の低迷から生産、商工とも茶業経営は悪化し生産をやめざるを得ない人たちも後を絶ちません。
 農林水産業の衰退、それは一産業の低迷にとどまらず日本が古来より誇る自然の崩壊につながり、水の涵養や自然を守り続ける力の弱まりは豪雨による河川の増水や崩壊など近年多発する災害とも無縁ではないと思います。農林水産業には経済活動としての一面と、その営みによりもたらされる自然保護への貢献という他の産業にはない多面的な付加価値があり、一線を画してまでもより手厚い支援を欠いてはならないはずで、近年の衰退に歯どめをかけ成長産業へと後押しする姿勢が県には必要なのだと思います。
 その第一歩が産業としての収入の確保拡大であり、生産者が潤い意欲的かつ持続的に生産に取り組む環境を整えるべきで、そのためにも一層の販路拡大、特に県産品の特徴を生かした国内外への販売拡大、進出が求められると思います。このことは昨年十二月末に閣議決定されたまち・ひと・しごと創生総合戦略における目指すべき将来の方向の一つにも明記されておりますし、近年の食を初めとする世界規模での市場拡大という流れからすると農林水産業の新たな発展のチャンスとなるのではないかと考えます。
 私の地元の茶商さんの中にも、十年以上前から県の香港や上海での食品見本市への出展をきっかけに輸出に取り組む方や、和食文化への関心の高まりとともにヨーロッパなどの高所得者層を中心に売り上げを伸ばしている方など積極的に海外に展開する方もふえています。
 私は、このような海外への積極的な取り組みの一層の広がりはもちろん、決して大きな企業ばかりに広がるのではなく、個人や家族経営者など生産規模の大小にかかわらず広く機運を高めることが重要で、その道筋やきっかけを生み出すことは県にとりましても重要な仕事で、それを期待する生産者も少なくないと思います。
 そこで、県内には多彩で高品質な農林水産物が生産されておりますが、首都圏を初めとする県外や海外に向けた販路拡大の方策について伺います。
 次に、家庭教育支援条例による県の事業について伺います。
 家庭教育は教育の原点であり、社会とのかかわり方や人生観など人間形成に大きな影響を与えることから子供の健やかな成長を育むために大変重要であります。しかしながら近年、子育て家庭の孤立化や放任や虐待の増加など家庭教育を取り巻く課題が顕在化し、それを受け私ども自民改革会議では、社会全体が一体となって家庭教育を支援し子供たちが地域の宝として健やかな成長を実現するため、家庭教育支援条例の制定に向けて取り組んでまいりました。
 まず、会派内で条例制定に向けた検討プロジェクトチームを平成二十五年七月に立ち上げ、以来、関係諸団体や有識者へのヒアリングを初め先進地視察にも赴きました。中でも本県社会教育の権威でもある静岡大学の阿部耕也先生から御指導を賜った際には、条例制定に向けた取り組みをとても喜んでいただきながら保護者が抱える子育てに関する悩みやその解決に向けた相談体制を充実させる大切さ、子育ての経験のある親も子育て中の親のよき相談相手になることが肝心など貴重なお話を伺いました。また全国でいち早く条例を制定し家庭教育支援の先進地ともされる熊本県を視察した際には、同じ自民党の溝口幸治議員から条例制定に向け御苦労された話や制定以上に制定後の取り組みの大切さを伺いました。
 そして一昨年の十一月、会派の条例案を取りまとめ、その後県議会条例案検討委員会での協議を経て昨年十月、家庭教育支援条例が制定されました。条例案検討委員会の委員の先生方を初め関係各部局の皆様方の御協力に、この場をおかりし心から御礼を申し上げます。
 私どもといたしましては、条例制定を契機に県のより充実した施策展開とそれを実行する予算の拡充を強く望むものであり、現在県内各市町における個別の条例制定に向けた働きかけも進めているところでもありますが、今後、条例の理念が県民へ一層浸透されることを願うものであります。
 一口に家庭教育と言いましても、その対象とする範囲は広く県だけでも五部十一課にも及び、現在実施されている事業だけでも二十五事業にも及びます。それぞれに予算の確保や事業展開の課題も多くありますが、中でも子育ての悩みや不安を抱える保護者への支援は特に重要と考えます。
 平成二十三、二十四年度に県教育委員会が実施した家庭教育実態調査では、七五%の保護者が自分の子育てが正しいかどうか自信が持てない、忙しく、余裕を持って子供に接することができない、しつけの方法、タイミングがわからないと答えており、依然として子育ての悩みや不安を抱える保護者が非常に多くいることがわかりました。
 また、子育ての悩みや不安について、同じ年齢の子供を持つ保護者に相談したいと回答した保護者が七七%おり、これらの調査結果から保護者同士がつながる場が足りないということが大きな課題として明らかになり、こうした悩みや不安を持つ保護者を支援する取り組みと仲間とつながる場の提供が必要であり、保護者に近い市町と連携した対策も求められると考えます。
 県では、こうした家庭教育の現状から平成二十七年度当初予算において家庭教育支援に関する予算を増額し支援を充実させていくこととしており、今後の施策展開を大いに期待するものであります。
 そこで、県教育委員会では子育ての悩みや不安を抱える保護者に対してどのような支援をしていくのか、今後の事業計画について伺います。
 次に、子ども・子育て支援新制度についてお伺いします。
 いつの時代においても子供は宝、子供を産み育てることはとうといものであることは言うまでもありません。子供たちの健全な育ちを常に意識すること、子育ての環境をよりよくすることの大切さ、重要さはもちろん、特に人口減少、超高齢化、そして女性の社会進出が一層求められる今日ではなおさらだと思います。
 しかし、今の子供たちを取り巻く日々の生活や子育ての環境は、決して恵まれた充足されたものではないと、現役の子育て世代として感じることが多くあります。今なお絶えない子供を巻き込む悲惨な事件や事故、地域社会に潜むその不安から、ふだん外で自由に遊ぶ子供たちの姿がめっきり少なくなったと感じる人は少なくないはずです。
 一方、子育て中の保護者からも、保育園などを整備し待機児童を解消する取り組みや小学校の放課後児童クラブの充実を求める切実な要望も多くあります。折しもことし四月から、いわゆる子ども・子育て関連三法の改正などにより全ての家庭が安心して子育てができ、子供を育てる喜びを感じられる社会を目指した子ども・子育て支援新制度がいよいよスタートとなります。
 しかしながら、新制度における保育所や幼稚園、認定こども園の利用料確定が当初よりおくれたことから、私立の園などでは認定こども園への移行を慎重に検討しているところも少なくありません。今後、子育て支援の権限も各市町に委ねられ、各自治体ごとの子ども・子育て会議のもと体制整備が進められることとなりますが、これらの新制度は誰もが必要なサービスを受けられることを目指したものであり、家計所得の向上や女性の社会進出が求められる中、今後さらに保育ニーズの高まりも予想され、それに対応した施策の展開が何よりも重要だと思います。
 私は、昨年の六月定例会において子ども・子育て支援制度への対応について質問し、当局からは、保育の利用要件が緩和され保育所などの利用者の増加が想定されること、そのため今まで以上に保育の場の確保が必要となることから保育所に加え認定こども園の整備を促進していくとの答弁をいただきました。
 来年度の当初予算を見ますと、保育所及び認定こども園の整備費に本年度比二割増の合計で約四十四億円が計上されており当局の意気込みも感じられるところではございますが、未来に向けた新制度スタートに当たり適切かつ柔軟な取り組みが必要だと考えます。
 そこで、新制度に伴い増加する保育ニーズに対し、こうした施設整備のほかどのように対応していくのか、県の今後の取り組みをお伺いします。
 次に、中東遠総合医療センターについて伺います。
 私の地元掛川市を含める中東遠地域は、以前より医療のはざまとも言われ、救急医療に対応する病院施設の不足や人口当たりの医師不足など、特に救急医療における整備のおくれの指摘がされておりました。
 そのような中、同じ悩みを共有し隣接する袋井市と掛川市において全国初の自治体病院同士の合併による中東遠総合医療センターが平成二十五年五月に開院され、開院から一年八カ月、外来・入院患者とも増加し救急車も積極的に受け入れていただいていると伺っており、救急の患者を受け入れていただける総合病院が身近なところに開院されたおかげでさまざまな医療サービスの連携も始まり、近隣住民の医療への安心感も高まってきていると思います。
 人口約四十六万人余りの中東遠圏域には、この中東遠総合医療センターと、もう一つ磐田市立総合病院があり、圏域内においてこの二つの総合病院が基幹となり、地域における医療向上に向けたさまざまな連携や取り組みが進められております。
 しかしながら、当圏域の東南端の御前崎市から見ますと、第三次の救命救急センターである磐田市立総合病院まで直線距離で約五十キロメートル、自家用車で一時間半ほどかかり、救急車での搬送にも時間を要する状況にあるなど救命救急に関する課題は今なお残されたままであり、文字どおり地域住民への安心な医療体制の整備がより求められているところでもあります。
 昨年、我が会派の看護を考える議員連盟で県内各医療施設の視察を行い、中東遠地域内の議員六名でこの中東遠総合医療センターを訪れた際も看護現場の課題や職場環境の改善に向けた御要望とともに、病院側から強く望まれたのは中東遠総合医療センターの救命救急センターへの指定であり、これは袋井・掛川両市からも切望されていることでもあります。
 現在、県内では重篤な救急患者に対応する第三次医療を担う施設として、九病院が救命救急センターとして指定を受けておりますが、過日の中東遠地域医療協議会においてもこの中東遠総合医療センターが第三次救急医療を担う施設として整備を進めることが承認されたところでもあり、現在当院において指定に向けた施設整備が進められているところでもあります。
 県ではこれまで、初期から第三次までの救急医療体制について保健医療圏を基本として地域での計画的かつ体系的な整備に努めてきたことと思いますが、県民の皆様がいつでも安心して必要な保健医療サービスが受けられる体制を整備していく上で、地域におけるより安心な救急医療提供体制の構築は不可欠なものであり、中東遠総合医療センターは磐田市立総合病院とともに当圏域の救急医療の中心的な役割を担うものと、近隣の皆様も大きな期待をしているところでもあります。
 そこで、県は中東遠総合医療センターについてどのように評価し、今後中東遠圏域の中でどのような役割を期待されるのか御所見を伺います。
 次に、県道磐田掛川線の整備について伺います。
 夏季オリンピック、FIFAサッカーのワールドカップと並び世界三大スポーツイベントと称されるラグビーのワールドカップ、その二〇一九年大会はアジアで初となる日本開催が決定しており、その試合会場候補地として本県のエコパスタジアムが立候補しております。二〇二〇年の東京オリンピックの前年でもあり、エコパが久しぶりに脚光を浴びる中、来月の試合会場決定を待ち望む近隣の皆様の期待は日に日に高まってきています。
 このエコパスタジアムの完成は平成十三年。翌二〇〇二年のサッカーワールドカップ日韓大会において数々の好ゲームが開催され、私も当時ドイツ対カメルーン戦を観戦し、世界最高峰のプレーに会場全体が熱気に沸いた光景をよく覚えています。
 このエコパスタジアムを含む小笠山総合運動公園周辺は、開設当時スタジアムなどの施設とともに周辺の道路網も整備され、スタジアムから西の磐田市方面へ、東は東名掛川インターチェンジへと続く県道磐田掛川線は地域間を結ぶ基幹道としての役割を果たしてまいりました。地元ではこの県道磐田掛川線を新東名森掛川インターチェンジと結ぶ掛川西環状線や、エコポリス工業団地を通り静岡空港へとつながる掛川東環状線、そして御前崎港から県道掛川浜岡御前崎バイパスとをつなぐ地域の基幹道として位置づけ、未来に向けた周辺の広域道路整備が期待されております。
 また、万が一の大規模地震発災時には群馬県などに駐屯している陸上自衛隊第十二旅団がこの中東遠の災害支援に当たる際の活動拠点として小笠山総合運動公園一帯を使用する予定であり、災害対策上も整備を進めるべきと考えます。しかしながら建設当時の全体的な予算規模の大きさもあったでしょう。エコパから高御所インターチェンジまでは四車線で供用されておりますが、結縁寺インターチェンジを含む東側は県で用地は買収してあるものの、今なお暫定の二車線での供用のままであります。
 また、この周辺は近年開発が進み県立掛川東高校の付近への移転や中東遠総合医療センターの開院、そして昨年菖蒲ヶ池工業団地が完売し、現在三つの工場が進出するなどしました。
 また、合併から十年を迎える掛川市では、北の旧掛川と南の大東、大須賀地区とを結ぶ南北道の整備が市の重点事業として進められ、その南北幹線道路の基幹道である市道掛川高瀬線と交わる同県道の結縁寺インターチェンジ周辺は通勤など特に朝の時間帯の交通量が激増しており、近隣自治会を通じ地域住民からの早期改善要望が提出されております。
 そこで、県は今後県道磐田掛川線の渋滞緩和に向けてどのように取り組んでいかれるのか、御所見を伺います。
 最後に、掛川市の河川河口部における津波対策について伺います。
 私が初当選したのは四年前、忘れもしない三・一一東日本大震災のちょうど一カ月後の選挙です。議員にならせていただきましてからのこの四年間、折からの景気低迷と震災の影響から、特に疲弊が厳しいと言われる地元の沿岸地域の皆様と接しお話を伺っておりますと今なお地震・津波対策などの危機管理に対する関心は高く、とりわけ皆様の脳裏から離れないのがあの津波で、その残像は沿岸地域の皆様の脳裏には強く焼きついてしまったままなのだと感じています。
 現在、本県の最大の課題が人口の流出や減少であることは言うまでもありませんが、私の地元掛川市も例外ではなく、特に沿岸地域の課題は深刻で、今後の地域の未来を考えますと改めてその問題の難しさを感じます。
 最近も、沿岸地域の御家庭で息子さん夫婦が家を新築する話があり、実家内に広い敷地があるにもかかわらず内陸側に引っ越しをして地元を離れて家を建てるお話を立て続けに伺いました。地元の方によれば、地元を離れゆく原因は津波と原発への不安、特に女性の方々の不安は根深く、近年その地域一帯でも住宅の新築や土地の売買の話もほとんどなくなってしまっている現状を伺いました。
 県では震災以降、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三のもと安全対策を進めておりますが、レベルワンの津波には予算配分をし、ハード対策を進め、レベルツーにはソフト対策とあわせた多重防御で対応するとしております。しかし沿岸部に住まう住民にとりましてはレベルワンもレベルツーも違いはなく、その地域が地震や津波に対し安全な地域なのか危険な地域なのか、その安全に対する明確な物差しが住民の意識の根底にあり、危険だと一度思い込まれた意識を変えなければ特に若い世代の人たちはどんどん沿岸部から離れていってしまうと感じています。
 掛川市を含めます中東遠地域では、県内でもいち早く静岡モデル推進検討会を設置し、市、県の皆様が何度も検討会を開催し熱心な議論を繰り返していただきました。そのかいあって海岸防災林のかさ上げによる強化という画期的な津波対策事業が国、県、市、そして民間事業者等の協力により昨年十一月から始まり、皆様の御尽力に深く感謝するところでございます。
 しかしながら、このように海岸線沿いにおける津波に対する安全対策が一歩進み始めた一方、河川の河口や河川沿いへの対策は当初のままで、周辺に暮らす住民からは弁財天川を初め県が管理する河川を遡上する津波に対する安全度がこれまでと変わらない状況であり、海岸における対策との間に安全度や安心感において格差が生じ、一層不安の声が聞かれるようになりました。
 掛川市における海岸の津波対策は、全国でも例を見ないレベルツーの津波に対応するものであり非常に高い安全度を目指した取り組みではありますが、果てしない安全・安心への道のりの中、地域住民のそれぞれの切実な思いにはしっかりと向き合い続けていかなければならないと思います。
 そこで、海岸における静岡モデルの整備が進む掛川市において、河口部においてもレベルツーの津波にも対応した安全度の高い津波対策を進める必要があると考えますが、今後どのように進めていく所存であるのか、県の所見を伺い答弁を求めます。以上、よろしくお願いします。(拍手)
○議長(多家一彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 増田議員にお答えいたします。
 農林水産物の販路拡大についてであります。
 農林水産物の持続的発展のためには消費の拡大が必要ですが、この消費は域内消費と域外消費に分けられます。どちらが重要かというと域内消費のほうであるという認識を持っております。地産地消という言葉がありますけれども、域内における消費の充実拡大ということをまずは押さえなければならないと。一方、域内消費とともに、主要な消費地である首都圏を初め域外への販路拡大も重要です。販路拡大にも販売量の拡大と、もう一つ、販売する物についてのPRというのもあわせて重要であると存じます。
 このため、昨年は新宿の最も有名な伊勢丹本店におきまして新茶やサクラエビなどを販売するフェアを開催いたしました。本県の持っている食品がいかに品質が高いかと。またほかのところではとれないものであるかということをあわせてPRしながら販売しているということでございます。
 また、秋葉原のアンテナコーナー「おいしず」におきまして世界農業遺産の茶草場農法で生産された東山茶などの多彩で高品質な県産品を情報発信するなど、量、質をにらみながらの販路開拓の支援に努めてまいりました。
 来月六日には、都内におきまして小売や流通、報道関係者等を対象にふじのくに食の都交流会を開催し、しずおか食セレクションの「遠州夢咲牛」、日本一の品質の牛肉でございます。また芽キャベツを初めとする農芸品をアピールしてまいります。
 来年度は、これまでの情報発信の取り組みを販路拡大につなげ、かつ静岡県の農芸品のよさを味わっていただき、かつ知っていただくために新たにJAや生産者と一体となって県産食材を首都圏の高級スーパーに継続して納入する仕組みの構築に取り組みます。
 また、首都圏だけでなく広く域外、域内からの需要を獲得し県内経済の活性化につなげるために、国の交付金を活用し県産品をインターネット等で販売する事業者を支援する予算案を本議会にお諮りしているところでございます。
 海外に向けましては、牛肉や温室メロン等いわゆる本県の誇る食材をハワイへの継続的輸出につなげるために、一月には農業団体等と連携して物産展を開催し県産品のPRを行いました。また株式会社沖縄県物産公社等と連携をし、JA遠州夢咲、JA清水のイチゴ「紅ほっぺ」を初めてシンガポールやマレーシアに輸出したほか香港にも継続して輸出するなど海外市場での定着を図っております。
 さらに、飲食店の業務用食材の継続的な輸出につなげるため、香港では生産者や国内外の商社と連携した物流、商流の仕組みづくりに取り組んでおり、三月一日から二カ月間の予定で現地のレストランで静岡フェアを開催するほか飲食店関係者を集めました商談会も開催する予定でございます。
 今後とも、多様化する消費者のニーズを的確に捉え、農業団体や商工団体とあわせて六次産業化をするなりさまざまな組み合わせをしながら農芸大国静岡県を名実ともに発信してまいりたいと思っております。本県の産品のブランド力の向上に取り組んで、国内外の農林水産物の継続的な販売につながるよう一層努めてまいります。
 次に、子ども・子育て支援新制度についてです。
 県では、子ども・子育て支援新制度の着実な推進を図るふじさんっこ応援プランを今月二日に策定しました。このプランでは新制度により増加する保育ニーズに着実に応えるため平成三十一年度までに保育所などの利用定員を現在よりも二万人分ふやしまして、定員増により必要となる保育士や保育教諭も確保していくこととしております。
 私は、全ての母親になる方がぜひ保育士になるという目的意識を持っていただきたいと思っております。実際に保育士としての資格を持っていると自信を持って子供を育てられますし、またアドバイスを若いお母さん方にも差し上げることができるということで、母親になることは保育士になることだというくらいの文化が育てばいいというふうに考えております。
 具体的には、保育所及び認定こども園の施設整備を強力に推進し、来年度は三千九十三人分の定員増を図り平成二十九年度の待機児童ゼロの実現を目指します。また必要となる保育士を確保するために潜在保育士に対しての研修や実習を行うなどの、これは復職を支援するという形での潜在保育士というふうに今申し上げたわけでございますが、この潜在保育士の活用に取り組むことにいたします。さらに保育士の配置を手厚くし質の高い保育サービスを提供する保育所への支援の充実に取り組み、保育士の定着と仕事への意欲を高めてまいります。
 新しい制度では、パートタイム就労者など多様な方々の保育ニーズに応える必要がありますので年度途中での利用の増加が見込まれます。このため年度当初から保育士を増員配置している保育所を支援する〇歳児入所サポート事業を拡張いたしまして、対象児童をゼロ歳児から二歳児にまで引き上げ年度途中の利用希望に対応できるよう約一千人分の受け入れ枠を確保いたしました。
 また、利用者の希望に沿う施設の紹介と個別相談などに応じる保育コンシェルジュの設置の推進や身近な場所で柔軟に利用できる小規模保育等の地域型保育サービスや幼稚園の預かり保育なども充実させ、きめ細かな支援に取り組むこととしています。不足が心配される保育の担い手としまして新たに子育て経験豊富な方を、政府のほうで子育て支援員と名づけられておりますけれども、この子育て支援員の制度も活用し、その養成を図り全ての利用者の多様なニーズに応えてまいります。
 今後とも、市町を初め保育所や幼稚園などの御協力を得て増加する保育ニーズにしっかり対応し、誰もが安心して子供を預けられるよう、「生んでよし 育ててよし」のふじのくにづくりを進めてまいる所存です。
 その他の御質問につきましては、関係部局長、教育長のほうから御答弁を申し上げます。
○議長(多家一彦君) 安倍教育長。
       (教育長 安倍 徹君登壇)
○教育長(安倍 徹君) 家庭教育支援条例による県の事業についてお答えいたします。
 県教育委員会といたしましては、家庭教育支援条例の制定を機に社会全体で家庭教育の支援に取り組んでいくための事業を展開してまいります。
 具体的には、保護者同士の支え合いや保護者と地域の方々がつながることを支援する家庭教育支援員を養成し、小中学校の懇談会などで家庭教育ワークシートつながるシートを使った講座等を実施し親としての学びを充実してまいります。
 また、支援員を中心として家庭教育支援チームの組織化を図り、行政や学校、専門機関等と連携し保護者からの相談への対応や孤立しがちな家庭への訪問などの支援体制を整えてまいります。来年度は百人を目標に支援員を養成するとともに、支援チームのモデルを五つの市に設置し、その成果を検証した上で順次拡大してまいります。
 さらに、県内企業を訪問し、企業内での家庭教育講座の開催や家族が一緒に過ごしきずなを深める家庭の日の設定等を働きかけるとともに、積極的に取り組んだ企業の表彰を行ってまいります。
 こうした事業を通して、悩みや不安を抱えている保護者に支援を行うなど家庭教育支援条例の理念の着実な具現化に努めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 宮城島健康福祉部長。
       (健康福祉部長 宮城島好史君登壇)
○健康福祉部長(宮城島好史君) 中東遠総合医療センターについてお答えいたします。
 中東遠総合医療センターにつきましては、二つの病院の統合により医療資源を集中化し心筋梗塞や脳梗塞などにおける血管内治療を初め質の高い医療を提供するなど、地域医療における中核的な役割を果たしていると評価しております。
 特に救急医療分野では、開院当初から専門医を含む専従の医師による救急科を新設し救急患者の受け入れ体制の大幅な強化を図り、開院一年目にして救急自動車搬送受け入れ件数が圏域全体の四割を超えるなど地域における急性期医療の拠点となっております。
 その結果、地域の市町や医療関係者等で構成する中東遠地域医療協議会において、中東遠総合医療センターを重篤な救急患者を二十四時間体制で受け入れる救命救急センターに位置づけることがふさわしいとされました。
 県といたしましては、救命救急センターとして必要となる医療従事者と施設設備の整備状況を確認した上で指定に向けた手続を行ってまいります。今後も中東遠総合医療センターが中東遠圏域を支える基幹病院として十分にその機能を発揮できるように引き続き支援してまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 野知交通基盤部長。
       (交通基盤部長 野知泰裕君登壇)
○交通基盤部長(野知泰裕君) 県道磐田掛川線の整備についてお答えいたします。
 県道磐田掛川線は、磐田市から小笠山総合運動公園を経由し掛川市に至る路線であり、掛川市内においては東名掛川インターチェンジにアクセスするとともに、掛川市街地の環状道路の一部を構成し市街地内の交通円滑化を図るために重要な路線であります。
 本路線沿線の掛川市下俣地区では、医療センターの開院や工業団地への企業進出などが進んだことにより本路線の交通量が増加し、朝の通勤時間帯には医療センターの入り口となる下俣南交差点において右折車両による渋滞が発生し結縁寺インターチェンジ付近まで影響しております。このため、来年度に本路線を含む周辺道路における交通状況の詳細な分析を行い、下俣南交差点の右折車線延伸を含めた交差点改良など適切な交通円滑化対策を検討してまいります。
 県といたしましては、掛川市など関係機関と連携し県道磐田掛川線における渋滞緩和対策に取り組み、安全で快適な交通の確保に努めてまいります。
 次に、掛川市の河川河口部における津波対策についてであります。
 掛川市沿岸におきましては、レベルツーの津波による被害を軽減するため県、市による静岡モデル推進検討会において既存の防災林をかさ上げし潜在自然植生による森の防潮堤づくりを行う静岡モデルを決定し、他地域に先駆けて昨年十一月に試験施工に着手いたしました。
 この整備により海岸からの津波の侵入に対しては安全性が大幅に向上いたしますが、沿岸部を津波から保全するためには海岸に流れ込む河川の河口対策をあわせて実施することが重要であると考えております。
 このため、地震・津波対策アクションプログラム二〇一三に位置づけられている弁財天川のレベルワンの津波対策として河川堤防のかさ上げと河口への水門整備の比較検討を実施しており、今後は整備方針を決定し詳細設計を行い、地元に御理解をいただいた上で整備に着手してまいります。
 来年度は、これに引き続きレベルツーの津波対策として東大谷川及び竜今寺川を加えた三河川について、新規事業であります津波対策「静岡方式」推進調査事業費により実施予定の浸水シミュレーション等を参考に、検討会において河口部における防護のあり方などについて検討を進めてまいります。
 県といたしましては、掛川市と連携し海岸防災林のかさ上げ整備を推進するとともに、河川河口部における対策を着実に進め津波に対して安全で安心して暮らせる地域づくりの実現に努めてまいります。以上であります。
○議長(多家一彦君) 十六番 増田享大君。
       (十六番 増田享大君登壇)
○十六番(増田享大君) 御答弁ありがとうございました。
 農林水産業の話、知事から域内重視、またさらに海外にも広めていただけるという大変力強いお言葉をいただきましてありがとうございました。
 やはり掛川にも、農業あり林業もありというところでございますので、この皆様方の本当に疲弊状況というのは著しくて、特にお茶の皆さんが、先ほど茶草場のお話も出していただいたり東山の名前も出していただきましたけどかなり深刻です。
 先週も私、東山という掛川の中でも高級茶をつくる地域の皆様方、生産者の工場の皆様と懇談する機会がありまして、実は東山というところは市内でも若手生産者が多い地域です。そこで何が起こっているかというと、お年寄り――高齢者が生産をするところがよくないですよとよく言われがちですけど、収支面で言うと年金の収入がある、そういった高齢者の皆様方の生産のほうが実は経営は楽でして、若い人たちが入ってくる工場とか生産家ほど人件費を払う負担が増しますので、実は収支的には厳しい状況になっているという何とも矛盾した状況に陥っています。
 その皆さんがおっしゃるに、実は昨年度臨時的な収入もあったものですから息をつないでいるというところなんですけど、ことしと来年あと二年この茶況が続くと、いくらその高級茶をつくる東山の青年団の皆様も、もうどこかにアルバイトに行ったほうが収入がいいという話になってしまいまして、もうお茶をやめることを考えているという、二十代、三十代の方々の本当に切実な声を聞きました。
 もちろん県は、一貫してお茶の振興とか農業、農林水産業の振興は手厚くやっていただいておりますが、ただ掛川で最もいいお茶をつくる東山、日坂地域でそのような状況でございますので、私は残されている時間というのは、余りお茶の場合あるようでないのかなというふうな思いがしております。
 ですから、改めて理想論として総合計画などにのっとった長期ビジョンも結構なんですが、この短期の間にやはりある程度の結果を出さないと、茶園を離れる若者の生産者がどんどんふえて大変なことになるのではないかという思いがございますので、一層の御支持、御支援をいただきたい。これは要望とさせていただきます。
 それと、道路のことにつきまして野知部長から御答弁いただきましてありがとうございました。河口部の対策も今の答弁を聞くと地元の人は大変喜ぶと思います。
 ただ、この交通量がですね、あそこの場合、県道は市の調査だと一万一千三百七十一台から日量一万八千四百八十二台という数字が出ていまして許容の一万二千九百七十九台を大幅に超過しておりますので、しっかりと精査をいただいて対策を考えていただきたいというふうに思っております。
 最後に、家庭教育支援に関しまして教育長から御答弁をいただきました。やはり家庭教育の支援は条例をつくったから終わりというものではなくて、条例の基本理念に沿って今後どう取り組んでいくのかが大切だと思います。
 重ねてお願いをいたしますが、子供たちが地域の宝として社会全体から愛情を受け健やかに成長する静岡を目指して、家庭教育支援をより一層充実させるよう全力で取り組んでいただきたいと思います。以上、要望とさせていただき、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(多家一彦君) これで増田享大君の質問は終わりました。
 以上で、本日の質疑及び一般質問を終わります。

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