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平成27年2月静岡県議会定例会
渥美 泰一(次世代人材育成特別委員会) 【 委員長報告 】 発言日: 02/25/2015 会派名: 自民改革会議 |
○議長(多家一彦君) 異議なしと認め、そのように決定しました。
各特別委員会委員長から、委員会の調査経過及び結果の報告を求めます。
最初に、次世代人材育成特別委員会委員長 渥美泰一君。
(五十六番 渥美泰一君登壇 拍手)
○五十六番(渥美泰一君) 次世代人材育成特別委員会の調査結果について御報告いたします。
当委員会は、設置以降六回開催し県施策について執行部の説明を求めるとともに、参考人から意見を聴取し、さらに大分県、福岡県において国際性や職業観を養うための取り組み、国際バカロレア機構の教育プログラムの導入及び産業人材の育成に係る取り組みなどについて調査を行いました。
以上の調査を踏まえ、次の四点を提言するものであります。
一点目は、職業観・就労意識の形成・向上であります。
次世代人材育成のためには、青少年の職業観や就労意識の形成、向上を図るキャリア教育をさらに推進していく必要があります。学校においてはキャリア教育を教育施策の柱として明確に位置づけ、小学校から大学までの教育機関が連携してキャリア教育を体系的に行う仕組みを構築するとともに、勤労の意義や地域の産業などについて理解を深めることができるよう教育内容にも配慮すべきであります。
また、キャリア教育の担い手となる教員を養成するとともに、企業や地域のキャリアを積んだ人材とも連携し企業が求める職業人としての資質や能力の把握、多様なキャリアモデルの提示などに積極的に取り組むべきであります。さらに職業選択などの相談支援を行うキャリアカウンセラーの学校への派遣や配置などを一層進めるべきであります。
二点目は、グローバル化への対応であります。
本県の発展を担うべきグローバル人材の育成に当たっては、専門分野や国・地域に精通した人材を戦略的に育成することが重要であることから、企業や地域とも連携し留学生の派遣や外国人留学生の受け入れに対しての支援を充実すべきであります。また県を挙げてグローバル人材の育成に取り組むため部局横断的な組織を設置すべきであります。
次に、教育内容の国際標準化を目指すため、国際バカロレア教育プログラムを本県の公立学校にも導入できるよう具体的に検討を進めるべきであります。
また、ふじのくに地域・大学コンソーシアムや静岡県国際交流協会の活動等を充実させ、卒業した外国人留学生との定期的な情報交換や留学生の母国における同窓会等の組織率の向上などのフォローアップにも積極的に取り組み、外国人留学生とのネットワークの強化に努めるべきであります。さらに外国人生徒の教育を充実させるため高等学校での受け入れ体制の整備、外国人家庭のニーズを把握した上での進学・進路情報の提供、企業と連携した就職支援などを一層推進するべきであります。
三点目は、次世代を担う人材となるための基礎的な資質の習得であります。
地域のお祭りなどの文化活動は青少年の自主性や礼儀作法を身につける上に大いに役立つものであることから、市町とも協働し青少年が参加しやすい環境を整備するなど地域コミュニティーを活用し、青少年が社会的な行動規範を習得できるようにすべきであります。
また、生徒が自主的に活動できるような部活動のあり方や部活動の指導を行う外部人材の養成などについて検討するとともに、学校施設の開放や社会体育の普及などにより地域のスポーツ環境の充実に努め青少年がスポーツを通じて自主性やチームワークを尊重する意識を醸成すべきであります。さらに、学校でのディベート等の実施など言語活動の充実を図ることにより青少年のコミュニケーション能力の向上に取り組むべきであります。
四点目は、次世代人材育成を推進するための体制整備であります。
次世代人材育成の各種施策を着実に推進するためには、関係部局はもとより市町、学校などとの連携協力が不可欠であることから、これらの施策を統括、推進する組織等の設置を検討すべきであります。
また、教育現場において一人一人の児童生徒に最適な方法で教育を行うことができるよう、事務の効率化などにより教員が児童生徒と向き合える時間をふやすべきであります。
以上の提言をもって、当委員会は付託された調査を終了することを全員一致をもって決定いたしました。これらの提言が今後の施策に反映されることを強く要望し、委員長報告といたします。(拍手)
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