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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

深澤 陽一 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/12/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 停電防止のための予防的な樹木の伐採について
2 スポーツ産業の可能性について
3 文化力の拠点整備事業について
4 清水港について
(1) 旅客施設の整備
(2) 新興津コンテナターミナルにおける津波対策
5 水道及び工業用水道の災害対策について


○副議長(中沢公彦君) ただいまから会議を開きます。
 議事日程により、知事提出議案第百五十二号から第百八十六号までを一括して議題とします。
 質疑及び一般質問を行います。
 通告により、四十三番 深澤陽一君。
       (四十三番 深澤陽一君登壇 拍手)
○四十三番(深澤陽一君) 皆さんおはようございます。
 私は、自民改革会議の所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事並びに関係部局長に一括質問方式にて質問いたします。
 初めに、停電防止のための予防的な樹木の伐採について伺います。
 現在の国産の木材価格は、輸入材による影響で長期低迷。そのため森林所有者の経営意欲が低下し手入れ不足に陥ってしまった森林の増加に伴い、その公益的機能の発揮にも支障を来すおそれが生じるようになったというのは、昨年十二月の天竜の金太郎こと我が会派の中谷多加二議員の質問文の一節であります。
 まさに、森林の公益的機能の低下によってと思われる山地災害や大規模な河川氾濫の被害が発生し、異常気象ではもう説明できないほど毎年発生する台風等によって人々の生活に支障を来すようになってきたのではないでしょうか。ことしは台風十五号により特に千葉県の大規模な被害が全国報道されておりましたが、本県でも少なからず被害が発生したことは既に多くの一般質問で取り上げられました。そしてそれに続く台風十九号が追い打ちをかけ新たな地域に新たな被害を発生させたことには大きなショックを受けました。
 さて、昨年は台風二十四号が本県に大きな被害を残しましたが、その後県行政としてさまざまな対応、対策に取り組んでいただいたことは承知をしております。その今後に向けたさまざまな防災対策として中山間地の停電の原因である風倒木対策を県に求めたところ、停電対策だけは経済産業省の産業構造審議会の電力レジリエンスワーキンググループで検討しているので国の状況を見守るとの県の担当者から御説明がありました。
 しばらくして県の担当者に状況を伺ったところ、県ではなかなか検討会が開かれず検討が進んでいないという情報をいただいておりましたが、その後国から示されたのは防災ではなく停電が発生した際早期に復旧する被災対応の考え方、つまり事後対応だけが示されました。そうしている間にことしの台風十五号、台風十九号によって先ほど述べたような被害が発生し特に千葉県では風倒木により被災現場まで行けず長期にわたる停電が発生したことが連日報道されましたが、報道にあらわれない部分でも同様に本県を含めて風倒木によって停電等が発生しております。
 森林管理は第一義的には所有者の責任であります。しかしながら経済的理由等で管理ができない中、住民生活に支障を来す部分あるいは公共インフラにかかわる部分に関して、最近は行政としてかかわっていただいていることには感謝いたしております。その上でさらに期待するところでありますが、風倒木による電線の切断あるいは電柱の倒壊のおそれがある範囲に関してはこれから県として、あるいは市町が予防的に伐採を進めていくことが期待されます。
 そこで質問ですが、災害による停電防止のための予防的な樹木の伐採について県としてはどのように取り組んでおられるのでしょうか。また今後についてどのようにお考えでしょうか、お答えください。
 次に、スポーツ産業の可能性について伺います。
 ラグビーワールドカップ日本開催の熱狂からはや一カ月、今定例会でも静岡開催についての質問がされておりますが、ラグビーワールドカップまた日本代表は多くの影響を本県のみならず全国に残してくれたと思います。その影響を今後の県政に生かしていきたい、私もそんな思いを持つ一人として今回質問をさせていただいております。
 さて、今回のラグビーワールドカップでは「四年に一度じゃない。一生に一度だ」というキャッチフレーズのもと県としてもさまざまなPR活動等に取り組んでいただきました。また大会中では流行語大賞にもなったワンチームといったフレーズがはやりましたが、そういった今大会をあらわす言葉の中で私が大変気になった言葉はビールを切らすなです。ビールはラグビーそのものには全く関係ありませんがラグビー観戦にビールは必須アイテムのようで、今回のワールドカップではビールを切らさないことが大会中の課題であり話題でもあったと思います。
 またもう一つ、今大会ではにわかという言葉もはやりましたが、私も含めて大会が始まるまではラグビーのルールも知らなければ選手についても知らない、ラグビーに全く無関心だったにわかが熱狂的なファンになったことが大会成功のポイントだったと思います。
 今回のラグビーワールドカップについて私が非常に関心を持ったことは、日本代表の活躍はありましたがそもそもラグビーを全く知らなくても人々を盛り上げられる魅力あるいは仕組みがラグビーワールドカップにはあったという点です。決してビールのおかげで盛り上がったと言っているわけではなく、今回のラグビーワールドカップを絶好の学びの機会と捉えそのほかの県内スポーツにも盛り上げ方を生かせたらと考えておりますし、それがスポーツ産業の一つのあり方ではないかと考えております。
 以前から、日本にはスポーツ産業として可能性を指摘されているものが一つあります。それは高校野球です。毎年春と夏に開催されますが、特に夏は百回大会において二週間程度の開催期間中に百万人が観戦に訪れましたが、そうでなくても近年は八十万人が訪れるビッグイベントであります。地方大会でも連日江間議員のように自分の母校を応援するファンや、片やファンの方々で県内各球場がにぎわっております。
 そもそも高校野球は、高校野球憲章で商業的利用が禁止されていることは承知をしております。しかしながら可能性の話としてさせていただきますと、ここ最近静岡県大会でも球場内でビール等の持ち込みが可能になりましたがもっともっと来場者にいろいろなサービスを提供し、理想ではありますがその利益をさまざまな学校スポーツの施設あるいは育成に当ててもらえたら、本県あるいは日本の学校スポーツもより充実してくるのではと期待をしております。
 ラグビーワールドカップの教訓、高校野球を活用した可能性、そのほかスポーツの産業化を考えることでスポーツの環境だけでなくそれを取り巻く全体が新たな価値を生むと考えると今までのスポーツに関し施設やルール等考え方を変えていくことが必要になります。
 そこで質問させていただきます。今述べましたとおりスポーツにさまざまなサービスを掛け合わせたりエンターテイメント化することで経済的にもプラスになり、まちづくりにも発展するのがスポーツの産業化だと考えておりますが、本県としてスポーツ産業の可能性についてどのようにお考えでしょうか、お答えください。
 次に、文化力の拠点整備事業について伺います。
 毎回質問をさせていただいている東静岡県有地における県の取り組みについてですが、有識者を初め多くの職員が苦労し検討を続けてきたにもかかわらず、まずは一期工事という形で予定にはなかった図書館の全面移転と新しい知的空間等公的事業中心となり、民間提案部分は二期工事という形で期限を決定せずの先延ばしとなりました。今回の事業で民間提案部分が先延ばしになった一つの原因として、建物の高さをグランシップと同じにするよう県側が民間提案側に対してこだわっていたことだと私は認識しておりますし、それがなければ民間提案も実現したのではなかったでしょうか。
 県職員として、川勝知事が高さをグランシップに合わせるようこだわっているためその条件で民間提案に対し忠実に求めていくこともわかるのですが、それでは民間公募を行って結局県としては何をつくりたかったのでしょうか。中身を検討してよい内容であったら高さが満たしていなくても採択してもよかったのではないでしようか。どんな提案があったのかは当然わかりませんが、我々議員には検討内容がわからないからこそ県としてしっかりと考えを持って判断していただきたいと思います。
 そこで質問いたします。まずは二期工事の検討を進めるに当たって民間提案の建物の高さをグランシップに合わせる点は必須条件なのでしようか、お答えください。
 次に、新しい知的空間についてですが依然としてコンセプトはわかりません。しかしながらラボ的な機能を有する空間になるということはこれもまた漏れ聞こえてくるところです。ラボ――研究拠点を想定した場合、そこには当然研究者やその研究者をコーディネートするプロデューサーなどが必要になると思います。富士山学やAI、ICTに関しては具体的に県としてテーマを設定しておりますのでそれにふさわしい研究者等に依頼をするのでしょうが、ほかのテーマについてもどのような考えで取り組まれるのかが気になります。スペースがあるので使ってくださいでは絶対に利用率は上がりません。しっかりとした方針のもと、適切かつ挑戦的に人材活用を行い具体的な目的を持って活用を図っていただきたいと期待をしております。
 そこで質問ですが、まずは新しい知的空間の具体的なイメージはどういったものでしょうか。そして現時点で新しい知的空間における人材活用についてはどのようにお考えでしょうか、お答えください。
 次に、清水港についてのうち、清水港日の出地区に計画中の旅客施設の整備について伺います。
 清水港では、三十年近く前から清水港客船誘致委員会を設立しクルーズ船の誘致活動を続けてこられましたが、近年は県もその客船誘致委員会と協力し清水港だけでなくそのほかの県内の港湾も対象としたクルーズ船誘致に取り組んでいただいております。
 さてそのクルーズ船ですが、来年度清水港がファーストポートとなるクルーズ船が寄港するということでその受け入れ態勢の整備が必要であり、県としてはクルーズ船社のゲンティン香港と既に協定を締結し岸壁の優先使用権を認めることとあわせてゲンティン香港が旅客施設を整備することとしており、その詳細については現在も交渉中と認識をしております。
 その交渉ですが、交渉事ということでどのような状況になっているのか我々にはわかりませんが、来年の四月一日からの利用を目指していることを考えますともうそろそろ交渉が終わっていなければ間に合わないのではないかと感じております。協定締結から長期間を要している交渉でそのような状況から考えますと順調にいっていないのだろうと想像できますが、県として不利な条件の交渉であれば再度交渉相手を検討することも一つの選択肢としてしっかりと交渉を続けていただきたいと思います。
 そこで質問ですが、現在清水港日の出地区に整備予定の旅客施設に関するゲンティン香港との交渉についてどのような状況なのか、お話いただける範囲で構いませんので御説明いただきたいと思います。お答えください。
 続いて、新興津コンテナターミナルにおける津波対策について伺います。
 新興津コンテナターミナルは、コンテナ船の大型化に合わせて東海・東南海地震に耐え得る耐震岸壁の延伸が行われ、ガントリークレーンに関しても二十三列船に対応した大型ガントリークレーンを建造しているところであり、清水港の物流の中心として整備が進められております。加えてさらに取扱量をふやすためのさまざまな取り組みが行われ今後の飛躍に大きな期待が寄せられています。
 さて、新興津コンテナターミナルの地震津波発生時の対応ですが来襲した津波によりターミナル上に散乱した障害物の撤去や航路に浮遊する障害物の撤去などを早急に行うことで、新興津コンテナターミナルは支援物資の受け入れ拠点として機能することが期待されております。
 しかしながら、東日本大震災では仙台塩釜港を初めとする港湾でコンテナ等が海上に流出し船舶が航行する航路、泊地を塞いだため被災港湾に支援物資の入港が困難になったと聞いております。
 新興津が使えなければ使える岸壁を探してそこから支援物資を運ぶということですが、確かに現実的にはそうだと思いますが、そもそも支援物資受け入れ拠点とするために耐震岸壁にしたことを考えますとまずは新興津コンテナターミナルにおける万全の対策が一番重要であると考えております。
 そこで質問ですが、新興津コンテナターミナルにおける支援物資受け入れに向け津波により航路、泊地に流出したコンテナや埠頭内に散乱したコンテナの撤去に関して県としてはどのように考えておられますでしょうか、お答えください。
 津波発生時にもう一つ心配されているのが住宅地へのコンテナ流出です。今まではコンテナ流出対策に充てられる国の補助メニューがないので県単独では考えられないとの話でありましたが、まずは県として国に働きかけていただいたり全国的に呼びかけて取り組みを広めたりとやれることはあると考えておりました。
 ただし、この問題は本県だけの問題ではなく全国でもほとんど取り組まれておりません。全国的にも見過ごされている課題ではありますが、やはり地域住民が安心して暮らすためには対策を講じていただくことが重要と考えます。
 そこで質問ですが、新興津コンテナターミナルの津波被災時の住宅地へのコンテナ流出対策について県としてはどのようにお考えでしょうか、お答えください。
 新興津コンテナターミナルでは、中部横断自動車道の効果もあり近年増加傾向にある農水産物の取り扱いが一層拡大の見込みであることから、県は農水産物輸出促進計画を策定し昨年二月に国の認定を受けたところであります。これを受け清水コンテナターミナル株式会社が国の補助を受けて冷凍冷蔵コンテナ、いわゆるリーファーコンテナへの電源供給設備を昨年八月に増設いたしました。これにより農水産物の取り扱いが強化したことで、本県農水産物に加え山梨県、長野県といった地域の農産物が清水港を利用することで海外への輸出が増加することが期待されております。
 しかしながら、この施設も津波の際浸水することが予想され万が一故障した場合復旧までに日時を要することが予想されます。そのほかにもターミナル内には浸水の際被害が予想される電気施設があると伺っておりますがそれぞれ津波対策は施されていないように思います。それぞれ電源設備、電気施設は大きなものではないのでできるだけ早期に被災防止の対策をとるべきだと感じております。
 そこで質問ですが、リーファーコンテナ電源供給設備を初め電気施設の津波被害に関し県としてはどのようにお考えでしょうか、お答えください。
 次に、水道及び工業用水道の災害対策についてお伺いいたします。
 企業局の運営する水道用水供給事業と工業用水道事業は長年にわたり人々の生活を支え、また本県経済に対しても重要な役割を担ってまいりましたが、その多くの施設は高度経済成長期に整備されたため老朽化が進んでいると伺っております。
 これに加え、近年では全国各地で発生する地震、台風、豪雨等によって引き起こされる大規模な被害についてもそれを想定した防災対応が期待される時代になってきていると感じます。
 さて、現在企業局では施設の更新による強靱化や耐震化によって災害や事故に強い体制づくりを計画的に進めていただいていると伺っております。しかしながらこの十月十二日の台風十九号により函南町道の崩落に伴って駿豆水道の水道管が被災し、熱海市及び函南町で約一週間にわたる断水が発生いたしました。駿豆水道は平成二十年にも水道管の事故が発生し断水を起こしましたがそのときは原因が管の老朽化であり、その後老朽化対策に取り組まれたと伺いました。そして今回の台風十九号による被害においては町道沿いの斜面の崩落によっての管の破断が発生しており、今後の対策としては企業局単独の問題ではない点では大きな課題が浮上したものと感じております。
 ただし、今回の水道管復旧工事に関してはふじのくに県民クラブの廣田議員の質問でも触れられたように、当初企業局は復旧を十日間程度かかると説明されておりましたが、結果的には当初の見込みを二日ほど前倒しして送水を再開された点は以前の被害あるいはリスク対応の点で備えができていたのではないかと私も評価をさせていただいております。
 そこで質問いたしますが、水道事業に関し企業局では平時からどの程度大規模災害の想定をしどのような災害対策をとられているのでしょうか、お答えください。
 今回の駿豆水道の事故だけでなく、過去にさかのぼれば平成二十二年には静清工業用水道においても管路の老朽化による大規模な漏水事故が発生し、工業用水ユーザー四十八社が断水、近隣の住宅でも二十九世帯で床下浸水する事態となったと伺いました。その後静清工業用水道でも老朽化対策のための管路更新工事を検討され現在実施中と認識しておりますが、そこで質問いたします。
 静清工業用水道の管路更新工事の現在の進捗状況と、この工事で更新されている管路が老朽化の対策以外に、例えば今回発生した駿豆水道事故のような自然災害への備えとなっているものであるかどうかお伺いいたします。お答えください。以上で私の質問を終わります。
○副議長(中沢公彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 深澤議員におかれましては、学生時代名投手、百三十キロの剛速球投手としてならされただけにラグビーまた野球にひっかけたすばらしい御意見賜りましてありがとうございました。
 私は停電防止のための予防的な樹木の伐採についての御質問にお答えをいたします。
 昨年の台風二十四号では、本県の中・西部地域を中心に七十一万戸を超える大規模な停電が発生し完全復旧までに六日間もの期間を要しました。当時もまた六日間もかかったというふうに言われたのでありますけれども、ことし他県を襲った同規模の停電に対してその完全復旧には一カ月以上を要しました。これと単純に比較することはできませんけれども、それに照らせば中部電力の復旧対応は見事であったのではないかとすら今は思っております。しかしこれ以上延ばすことはできないという御反省があっての御質問にかかわる論点になってると存じます。
 私は、政府主催の全国都道府県知事会議におきまして災害に強い電力供給体制の構築などを強力に推進するとともに、電力事業者に対する適切な指導を行うよう国に対し直接御提言を申し上げました。
 本年も台風十五号あるいは十九号などで全国各地で大規模な停電が発生しましたことから、経済産業省の電力レジリエンスワーキンググループにおきましては電力事業者と自治体等とが協働して取り組むべき停電予防策として電線沿いの樹木の計画的伐採にかかわる検討を進めておられます。
 また、本県の取り組みといたしましては電力、通信、鉄道等の防災関係機関で構成するライフライン防災対策連絡会を開催するとともに地域局ごとに電力事業者と管内市町等との意見交換の場を設けまして停電対策につきまして検討を進めてまいりました。
 これらの取り組みを踏まえて、県内の幾つかの市町におきまして電力事業者が停電対策として予防的な樹木の伐採の有効性を説明し事業化に向けた協議を行っている事例もございます。
 例えば島田市では、山間部の自治会からの要請を受け電力事業者と市や地元自治会等とが連携し道路沿線での予防的な樹木の伐採を実施いたしました。しかし他の市町では山林所有者等との合意形成あるいは費用、役割分担の調整が整わずに現時点では実施には至っておりません。
 県といたしましては、停電対策としての予防的な樹木の伐採は重要であります。それゆえこのような取り組みを他の市町にも展開できるよう早急に支援策を検討してまいります。
 また、森の力再生事業の対象森林では面的な森林整備を進める中で電線付近の倒木のおそれのある樹木を伐採するほか、農林水産省が概算要求されている送配電施設や緊急輸送道路などの周辺森林の間伐などに対する補助制度の活用に向けて事業内容等の情報収集を行ってまいります。
 また、電線は山間部の森林等アクセスが容易ではないところにも多く存在しています。こうした場所の復旧に時間を要するおそれがあります。そのためこうした地域の樹木の伐採の必要性についてICTを活用した点検システムを導入することも重要だと考えております。
 県といたしましても、電気事業関係者とともにこのようなシステムについての研究、実用化を支援してまいります。大規模停電に備えた予防的な樹木伐採を進める中、近年多発する大規模な災害への備えを万全なものとし県民の皆様が安全で安心して暮らしていただけますように災害に強い県土づくりに努めてまいります。
 その他の御質問につきましては、副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○副議長(中沢公彦君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 清水港についてのうち、旅客施設の整備についてお答えをいたします。
 清水港へのクルーズ船の寄港は清水港客船誘致委員会の長年の誘致活動や国土交通省による大型クルーズ船の係留施設の整備などの成果もあり、ことしは過去最高となる四十一回を見込んでいます。さらに来年には外国客船のさらなる寄港増加などにより六十回を超える寄港を見込んでおります。このように国内外から訪れるクルーズ船、そして乗客客数は年々増加しております。
 これらの乗船客を受け入れるための旅客施設の整備につきましては、昨年県とゲンティン香港との間で締結しました清水港クルーズ拠点形成協定書に基づき、旅客施設の整備の充実に向け施設配置や規模などの整備内容や運営方法等についてゲンティン香港と協議を続けております。
 その一方で、ファーストポートという外国船が日本に寄港する際の最初の港として清水港を利用したいという要請が高まっております。増加する乗船客の利便性向上を図るためには港湾管理者である県としまして、ファーストポートの場合でも円滑に入国手続等が実施できるようにする必要があります。このためターミナルビル内に税関、入国管理、検疫などのCIQ検査を行う空間の提供を急ぐ必要があります。このため日の出埠頭の旧六号上屋内にこの空間と機能を確保することとし、さきの九月議会で予算措置をしていただきました。来年四月の供用開始に向け消防法など法令上最低限必要な改修工事を進めているところであります。
 県といたしましては、アジア最大のクルーズ船社であるゲンティン香港の知見を生かすなどによりより多くのクルーズ乗船客が訪れ快適に過ごせる旅客施設の実現等、官民が連携した国際旅客船拠点の形成を目指して引き続きゲンティン香港と協議を進めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 植田文化・観光部長。
       (文化・観光部長 植田基靖君登壇)
○文化・観光部長(植田基靖君) スポーツ産業の可能性についてお答えいたします。
 ラグビーワールドカップ二〇一九では、JR愛野駅前からスタジアムに至るラストマイルのおもてなしエリアや静岡市と浜松市に設置したファンゾーンに多くの方々が来場され飲食や地域との交流を楽しんでいただきました。スタジアムでの観戦以外のさまざまな楽しみ方が広く浸透したほか、地域への高い経済波及効果をもたらしました。
 スポーツには人を夢中にさせ感動させる魅力があり、人を引きつける力を持っております。この集客力を地域経済の活性化につなげていくことが大変重要であると認識しております。ラグビーワールドカップ二〇一九は、こうしたスポーツの集客力に周辺のサービスや試合をより楽しめる映像や音響などの効果を組み合わせたスポーツの新たな可能性を示す好事例と言えます。
 今後は、各地で行われるスポーツ大会等におきましてもさまざまなサービスを付加することで大きな経済効果を生み出す仕組みを構築することや、町なかなど人が集まりやすい場所でスポーツを観戦できる機会をふやしにぎわいや回遊を生み出すなど周辺地域と一体化したイベントとしていく必要があると考えております。
 このため、地域の団体等と連携し県内各地で行われるスポーツ大会におきましても会場内外で飲食を楽しむことや観戦を盛り上げる仕掛けなど、訪れた方がこれまで以上に試合を楽しめる環境づくりに努めてまいります。
 また、近年新たなスポーツとして注目を集めているスケートボードやダンスなど都市型スポーツが地域に与える効果や可能性の調査研究を進めるなど、スポーツを核に産業振興や地域の活性化につなげるための仕組みづくりに取り組んでまいります。
 次に、文化力の拠点整備事業についてであります。
 文化力の拠点を整備する東静岡駅南口県有地は駅前の貴重な土地でありますことから、都市計画に定められている容積率をできる限り活用するなどそのポテンシャルを十分生かすことが望ましいと考えております。また基本構想や基本計画案におきましては建物の高さを富士山の眺望に配慮し、グランシップ以下に抑制することや統一感ある町並みの形成に努めることとしております。
 今後につきましても、基本構想等を尊重し県都静岡にふさわしい美しい景観の風格あるまちづくりを進めていく必要がありますことから、建物の高さを含め諸条件を検討してまいります。
 次に、新しい知的空間につきましては若者を中心とする文化に関心を持つ県民の皆様を対象に図書館機能と一体となった豊富な蔵書の活用や、さまざまな文化施設等との連携により本県文化の総合的な学び、交流、創造の拠点となるよう整備してまいります。
 具体的には、本県が有する歴史や自然、産業などの魅力的な文化や社会動向について書籍や映像などのさまざまなメディアを活用した情報発信、専門家を講師とする体験講座、イベントの開催などにより県民の皆様に学びや交流の場を提供するとともに、地域の課題解決に向けたプロジェクト等の創造活動を展開してまいりたいと考えております。運営に当たりましては、こうしたさまざまなプロジェクト活動を総合的にコーディネートする人材の配置や各種テーマに応じた専門的な人材が必要であると考えております。
 今後、先進事例も参考にしながら民間のノウハウを積極的に活用した体制の検討を進めてまいります。文化力の拠点が本県の高い文化力を発信し多様な交流を創出する魅力的な施設となるよう広く県民の皆様の御意見を伺いながら着実に取り組みを進めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 宮尾交通基盤部長。
       (交通基盤部長 宮尾総一郎君登壇)
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 清水港についてのうち、新興津コンテナターミナルにおける津波対策についてお答えをいたします。
 新興津コンテナターミナルへの航路や泊地及び臨港道路につきましては、清水港みなと機能継続計画におきまして発災後三日以内に支援物資の受け入れが可能となるよう最優先に機能回復すべき箇所として位置づけております。津波により流出したコンテナは国などと連携し建設業協会や作業用船舶所有会社等との間で締結した災害協定に基づき撤去作業を進めることとしております。
 また、住宅地へのコンテナの流出につきましては現在ターミナル用地の一部で民間企業により建設が進められております新興津国際物流センターの地盤を四メーターほどかさ上げしておりこれによる流出抑制効果が期待されているところでありますが、今後さらなる対策につきまして調査検討を進めてまいります。
 次に、リーファーコンテナ電源供給設備を含めたターミナルの電気施設の対策につきましては、これまでに受変電設備の浸水防止対策が完了し現在大型の非常用発電機の配備など機能確保に向けた対策を進めております。
 また、来年度末をめどに進めております港湾計画の改訂作業の中でターミナルの拡張にあわせさらなる電気施設の津波対策を検討してまいります。
 県といたしましては引き続き国や港湾関係者と連携して清水港の防災・減災力の強化に向けて取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 松下企業局長。
       (企業局長 松下育蔵君登壇)
○企業局長(松下育蔵君) 水道及び工業用水道の災害対策についてお答えいたします。
 企業局では、予想される南海トラフ巨大地震や近年多発する風水害を想定し施設の強靱化、早期復旧、復旧状況の見える化の三つを大原則とし全国でも極めて実効性の高い災害対策を進めております。
 施設の強靱化では、ひとたび破損すると復旧に数カ月の時間を要する浄水場の耐震化を優先し耐震化率が全国平均二九%のところ七七%を達成しており、令和五年度には一〇〇%となる見込みでございます。
 早期復旧では、地震被害が想定される二百九十三カ所全ての資材の備蓄に加え四十九団体との独自の災害応援協定の締結、企業局OBの災害サポーターの活用などあらゆる支援体制を構築し、また復旧状況の見える化では管路情報システムによりユーザーへリアルタイムの情報提供を可能といたしました。今回の台風十九号でもこれらの取り組みが十分に機能し復旧期間を二日半短縮できたものと分析しております。
 静清工業用水道の管路更新工事につきましては、計画延長一〇・三キロメートルに対し進捗率八五%と令和三年度の完了に向けて確実に進めております。老朽化とあわせて近年の激しさを増す自然災害への備えの強化することが重要なことから、地面の動きに追従でき駿豆水道と同規模の土砂崩れにも耐え得るとされる最新型の耐震管を採用いたしました。
 企業局といたしましては、今後も防災先進県にふさわしい全国の模範となる災害対策を受水市町や関係団体の皆様と一体となってスピード感を持って進めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 深澤陽一君。
       (四十三番 深澤陽一君登壇)
○四十三番(深澤陽一君) 御答弁ありがとうございました。
 再質問を四点させていただきます。
 まず一点目、停電防止のための予防的な樹木の伐採についてということでありますが、知事からは県内全体にこの予防的伐採広めていきたいという思いを前向きに答えていただきました。
 それで、これ林業にも少しかかわってくるんですけども、よく担当の方ともよく毎年話をするんですけども林業といってもですね、なだらかやな山と例えば私の地元の清水区あるいは静岡市ですと急傾斜の山とコストがかなりやっぱり林業に関しては違う。この予防的伐採に関しても毎回言われるんですけども、急傾斜地の私たちの地元のようなところは課題の地域って表現されるんですね。なだらかなところはいいけどもそういうところは課題の地域なんで、先に優先的にやりやすいとこからやりますというのが大体の答えになります。
 ですから、いよいよ課題の地域から一歩踏み込んでですね、その地域の整備条件の格差を踏まえてそれぞれに合った形で支援をしていただきたいということでその辺の考え方、急傾斜地を抱えたとこの予防的伐採についてはどのようにお考えかをお答えいただきたいというふうに思います。
 二点目、文化力の拠点整備についてでありますが、駅前の貴重な土地である、これは間違いないことだと思います。建物の高さを含め諸条件を検討してまいるというような御答弁をいただきました。それはそうなんですけど今回ぜひしっかり考えていただきたい。私も毎年質問をしてますけど、九年もかけて検討してきた結果が県の期待と民間のこの場所に対する評価がかなりギャップがあったことが今回うまくいかなかったことではないかなというふうに私は考えております。要はつまり県が自分たちの場所を過大評価をしているということがこのギャップにつながったのではないかなというふうに思っております。
 この場所で図書館を設けたら百万人来るというような、可能性があるような数字も示されておりますが、この根拠のない過大評価の部分の数字をですね、もう本当にみずからこの前例を考えると百万人という数字も過大評価でみずからこれ間違ってると言ってるようなものだと私は思っておりますので、今回の民間提案の延期に至ったことを本当に考えていただいて現状をですね、今回この延期に至ったことを県としてはどのように評価してるのか、分析してるのかということをお答えいただきたいというふうに思います。
 三つ目、質問ですけども清水港についての旅客施設の整備について難波副知事からお答えいただきまして、答弁では順調に交渉してるようなふうに聞こえました。ただ全く見えないところであくまで推測をしておるんですけども、万が一ゲンティン香港との交渉がうまくいかなかった場合に県としてはこれ県の直営なのかあるいはほかのところと交渉するのか、これはどういう状況になるのかということを現時点でわかる範囲で結構なので御答弁いただきたいというふうに思います。
 四つ目、新興津コンテナターミナルにおける津波対策でありますが、三日以内に復旧最優先ということで言っていただきました。さまざまな建設業協会や作業船船舶所有会社というような話いただきましたけども、ふと思ったのは作業船の部分ですね、これかなり高額で全国でも台数が限られてるというお話を以前聞いたことがあります。そんな意味で毎日作業船がですね、清水港あるいは静岡県内にあるとは限らない中で、この作業船についての確保についてはもしわかればどのように把握されているのかお答えいただきたいと思います。以上、御答弁をお願いいたします。
○副議長(中沢公彦君) 志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長(志村信明君) 停電防止のための予防的な樹木の伐採についての再質問についてお答えいたします。
 議員のほうから、急傾斜地に対する森林整備についてしっかり進めていただきたいという話がございました。これまでも森づくり県民税をいただきまして、県では森の力再生事業でいわゆる公益性が高いにもかかわらず所有者の整備が困難で荒廃した森林に対しまして整備をしてまいりました。
 この森の力再生事業を活用いたしまして、これから令和七年までに二万三千ヘクタールを目指して整備を進めてまいりますので、そうした急傾斜地の森林も含めまして対象森林につきましてはしっかりと整備してまいりたいと思います。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 植田文化・観光部長。
○文化・観光部長(植田基靖君) 文化力の拠点についての再質問にお答えいたします。
 まず、やはり民間の業者の方々はですね、どうしても初期投資が非常に大きくなったということ、もう一つはやはりにぎわいが現実化はまだまだ先のことということでありまして、そういうことでやはり全てのリスクを民間が負えないということでした。そこがなかなか県とも折り合いがつかなかったことでございます。
 ただ図書館につきましてはですね、他県にも百万人達成したところもございます。また静岡、ここの土地が背後に草薙もありますし、また清水港にかけてのすばらしい土地の玄関口であります。非常にポテンシャルが高い土地だと思っております。また今後につなげていくためにも今回の施設をしっかりと進めていきたいと思います。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 宮尾交通基盤部長。
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) ゲンティン香港との交渉についての再質問にお答えいたします。
 現在もですね、ゲンティン香港のほうと旅客施設の整備ですとか運営に関しまして、かなり細部の協議を詰めているところでございます。このため現時点において交渉が不成立になった場合を前提にした対応については想定をしてございません。
 今後も清水港クルーズ拠点形成協定に基づきまして、清水港がにぎわう拠点づくりに向けた協議をしっかりと進めていこうと考えている次第でございます。
 次に、コンテナの作業船の話でございます。こちら作業船といいましてもタグボートでございます。浮いているコンテナに関しましては、引くなり押すなりしてということでございまして、つり上げてという話ではないものですから今清水港のほうに何隻タグボートがあるかと承知はしてございませんけども、日常的に常駐している数でできる限りのことをして撤去に努めていくということでございます。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 深澤陽一君。
       (四十三番 深澤陽一君登壇)
○四十三番(深澤陽一君) 再質問の御答弁ありがとうございました。
 再々質問を一点。文化力の拠点整備事業について改めて質問させていただきます。御答弁が全てなのかなと推測しますけども、あえて質問させていただきます。
 今の御答弁ですと、初期投資が大きかった、にぎわいが見えなかったというのはまさに民間と県とのギャップの部分だと思っております。要はそこに価値がないということをそれが言ってると思いますので価値がないというかですね、民間とのギャップの部分があるということがまず一つ。
 草薙が背後地と言っておりますが、以前県がこの東静岡のグランドデザインを描いたときに草薙を入れてくれなかったんですね県として。だから今言ってるのはちょっと矛盾があるなと思うんですけど、改めてポテンシャルがそこまであると言ってましたけど本当にあるのかどうかというところをもう少し詳しくお答えいただきたいと思います。以上、答弁求めます。
○副議長(中沢公彦君) 植田文化・観光部長。
○文化・観光部長(植田基靖君) 東静岡駅の本当に直近の場所でございます。ぜひともにぎわいを今回の整備で創出してですね、百万人も達成してすばらしい土地となるようにしっかりと頑張ります。以上でございます。

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