本会議会議録


質問文書

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令和2年12月静岡県議会定例会 質問


質問者:

中田 次城 議員

質問分類

一般質問

質問日:

12/09/2020

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 観光振興の取組について
(1) 伊豆半島の世界ジオパーク再認定の取組
(2) 教育旅行の誘致促進
2 漁業法改正に伴う資源管理体制の在り方について
3 伊東市八幡野におけるメガソーラー事業計画の工事着手時
 期に係る認識について
4 道路インフラにおける長寿命化の取組について
5 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐ取組について


○議長 (山田 誠君)  次に、 四十七番 中田次城君。
        (四十七番 中田次城君登壇 拍手)
○四十七番 (中田次城君)  質問に入る前に一言御挨拶を申し上げます。
 私は、 本定例会より自民改革会議の一員として新たなスタートを切らせていただいております。 これまで所属しておりましたふじのくに県民クラブの皆様には大変お世話になり心より感謝を申し上げます。 ありがとうございます。
 しかしながら一方で、 新型コロナウイルス感染症による影響はとどまるところを知らず、 私の地元である伊東市や伊豆半島をはじめ県下全域にかつてないほどの大きなダメージを与えているのであります。 私は二十六歳で伊東市議会議員に初当選してから今年の九月で三十年目に入りましたが、 今回のコロナ禍ほど先の見通せない危機的な状況は経験したことがありません。
 そこで、 ますます厳しくなる経済環境の中で市民、 県民、 皆様の生活を守っていくためには、 地元伊東市の政治を安定させ政治の力を最大限に発揮できる環境を整えることが何よりも重要であると考えるに至り熟慮を重ねた結果、 自民改革会議に入会することといたしました。
 私を県政壇上へ送り出してくださっている地元伊東市民の皆様のためにも、 このコロナ難局を全力で乗り切っていく覚悟でございます。 所属会派は変われど今後も現場主義を貫き地域に寄り添った活動を続けてまいります。 どうぞこれからも諸先輩方のお力添えを賜りますよう心よりお願いを申し上げ質問に入らせていただきます。
 私は、 これより自民改革会議所属議員として県政の諸課題につきまして通告に従い知事、 副知事及び関係部局長に一括質問方式でお伺いをいたします。
 まず初めに、 観光振興の取組についてのうち、 伊豆半島の世界ジオパーク再認定の取組についてお伺いをいたします。
 伊豆半島に住む者にとって平成三十年四月十七日は忘れられない忘れてはいけない日であります。 この日伊豆半島は地質的な価値などが世界に認められユネスコ世界ジオパークに認定をされました。 私は翌日に開催された認定式典にも出席しましたが、 あのときの感動は今も鮮明に記憶しております。
 また、 伊東市に住む私たちにとってジオパークは平成八年に静岡大学の小山先生から伊豆半島の火山を学ぶ活動としての御指導を頂きましたことがそのルーツであり、 今振り返っても随分と長い道のりであったと感じているところであります。 そしてあの歓喜の瞬間から早二年八か月が経過しました。 世界認定が認められた四年間の残された時間はもう一年半となっております。
 こうした中、 去る八月十八日から二十一日までの四日間で日本ジオパークネットワークによる現地調査が実施され、 令和四年四月の世界再認定に向けての関係機関の取組が始まっています。 世界認定直後は伊豆半島の地域住民は大きな達成感、 高揚感に包まれ、 そして国内はもとより海外からも伊豆半島の魅力的な自然を体験するため多数の観光客が訪れ伊豆半島の魅力に気がつかされました。 しかし新型コロナウイルス感染症の影響もあり伊豆の活力が停滞していることもあるかもしれませんが、 それを差し引いても地域住民に広がっていた伊豆半島ジオパークに注いだあの熱気が少し冷めてはいないかと危惧をしております。
 私は、 地域が一丸となって裾野が広い取組にすることでジオパークが地域に身近なものになっていくことこそが再認定を勝ち取るために重要であると考えますし、 さらには伊豆半島地域の魅力向上には重要であると考えております。
 一方で、 伊豆半島ジオパークの取組は地域主導の取組として定着してきておりますが、 さらなる進化も必要であります。 私が懇意にしている伊東市内のジオガイドさんからはジオガイドの新たな人材の育成、 質量の充実のほか伊東市のビジターセンターを中央拠点施設であるジオリアに匹敵にするとは言わないまでも充実していくことや市内の小中学校に浸透しているジオ教育について伊豆全域への拡大を進めるとともに、 防災教育につなげることなどが重要ではないかなどの的確なアドバイスを頂いております。 ぜひともジオパーク推進の最前線で活躍するこうした人材の思いを汲んでいただきたいと思っております。
 県は、 これまで中央拠点整備の支援や誘導看板の整備などを行うほか中核組織である伊豆半島ジオパーク推進協議会への財政支援を行ってきていますが、 今後はさらにビジターセンターの展示施設の充実などを望む地域の声をしっかりと受け止め、 県と市町と地域が一体となって伊豆半島ジオパークの再認定に向けた取組を進めていくべきだと考えますが、 県の所見をお伺いいたします。
 次に、 教育旅行の誘致促進についてお伺いをいたします。
 新型コロナウイルス感染症の拡大により、 観光を地域経済の基幹産業とする伊豆半島地域はもとより本県の観光産業は大きな打撃を受けております。 こうした中、 県は独自の観光促進キャンペーン 「今こそ!しずおか元気旅」 を展開しており国のゴー・トゥー・トラベル事業との相乗効果もあり個人旅行を中心に一定の効果が見受けられますが、 深刻な影響を受けている県内観光産業の本格的な回復には今後こういった個人旅行に加え回復の遅れが見られる団体旅行の底上げが必要不可欠ではないでしょうか。 しかしながら貸切りバスを利用するなどの団体旅行の需要については三密を懸念する声もあり、 依然として厳しい状況にあるのも事実であります。
 そこで、 今後は団体旅行のうち一定の需要が見込める教育旅行に焦点を当て県内外から積極的に教育旅行の誘致に取り組んでいく必要があると考えております。 実際にこのコロナ禍の状況において多くの県内小中学校、 高等学校等で修学旅行をはじめとした教育旅行を中止としたり、 また訪問先を首都圏等の大都市圏から感染症の影響の少ない県内もしくは近隣県へと変更したりするなどの影響が見受けられました。
 私の地元である伊東市の伊豆高原地域では、 これまで主に県外からの教育旅行の誘致、 受入れに取り組んでおりましたが今年度はコロナ禍の厳しい状況下においてさらなる誘致促進を図るため、 静岡県や政令市である静岡市や浜松市の教育委員会の協力を得ながら県内小中学校に対して重点的に教育旅行の誘致に取り組んだところであります。 その成果として清水町立南中学校、 川根本町立中央小学校、 浜松市立和田小学校、 沼津市立第五中学校の四校の誘致につながったと聞いております。 訪れた児童生徒からは、 自然体験を通じて地元である静岡県の魅力を知るよい機会となり貴重な学びの場になったなどの声が聞かれるなど大変好評を得ているとのことであります。
 教育旅行は、 未来ある子供たちが改めて本県の魅力を再発見し将来の静岡県ファンづくりにつなげていくためのきっかけとしても大変有効であると考えております。 今後も感染症の影響が長期化する可能性がありこうした中、 教育旅行の誘致は本県観光産業の回復に向けた団体旅行の需要確保に十分効果があるものと考えます。 県としては県内各地で取り組んだ今年度の成功事例を集め学校関係者等の現場にフィードバックし、 この成功事例を来年度以降の教育旅行誘致に積極的に活用していくことが求められると考えます。
 そこで、 教育旅行の誘致促進について県の現在の取組状況と今後の方針について伺いたいと思います。
 次に、 漁業法改正に伴う資源管理体制の在り方についてお伺いいたします。
 このたび漁業法が大きく改正され今月一日に施行されました。 今回の改正では漁業権制度の見直しなどとともに水産資源の管理体制の強化が柱の一つとして盛り込まれています。 これを受けて国ではロードマップを作成して新たな資源管理体制の構築に向けた取組を推進していく方針であると聞いております。 中でも総漁獲量の上限である漁獲可能量を定めて管理するいわゆるTAC魚種を現在の八魚種から拡大することが国で計画をされており、 本県水産産業においても重要な魚種であるキンメダイやブリ、 マダイといった魚種がその候補に挙げられているとのことであります。
 一方で、 本県の漁業者は既にこれまでそれぞれの漁業種類や地域の実情に合わせて自主的な資源管理に取り組んできております。 例えば水産資源のみならず観光資源としても重要なキンメダイの漁業に携わる方々に伺ったところでは、 近年不漁が続き非常に厳しい経営環境にある中でも東京、 神奈川、 千葉といった共通の資源を利用する近隣都県の漁業者と一体となって夜間の操業の自粛や禁漁区域の設定、 一定のサイズ以下の小さな魚の保護、 使用する漁具の制限といった資源の管理に取り組んでいるとのことであります。
 今回の国の動きにつきましては、 こうした取組を進める漁業関係者の皆様からも現場の実情を無視した従来以上の規制が一方的にかけられるのではないかという不安の声が上がっております。 トップダウンで画一的な漁獲可能量による資源管理を導入することは、 これまで漁業者の皆さんが地域の実情と経験を踏まえ他県も含めて様々な関係者との調整を重ね長い年月をかけて築き上げてきた自主的な資源管理の取組に水を差すことが心配されております。
 また、 水産資源は資源の状態だけでなく海洋の環境の影響も強く受け漁獲量が大きく増減するという特性があります。 仮に不漁の時期の漁獲量が基準となって漁獲可能量による管理が行われることになった場合には漁獲量の上限が不当に低く設定され、 その結果漁業経営に深刻な影響を与えることになりかねないという懸念の声もあります。
 このような中で、 国がこれから推進しようとしている漁獲可能量による管理を中心とした新たな資源管理体制の構築に対して本県漁業関係者の声やこれまで培われてきた自主的な取組を踏まえ県としてどのような対応をお考えなのかお伺いをいたしたいと思います。
 次に、 伊東市八幡野におけるメガソーラー事業計画の工事着手時期に関わる認識について改めてお伺いをいたします。
 伊東市八幡野において問題となっている本メガソーラー事業計画は、 自然豊かな景観地で大規模な森林伐採を行いメガソーラーを建設しようとするものであり景観破壊や土砂災害、 海洋汚染に対する懸念から地域住民はもとより伊東市並びに伊東市議会がこぞって反対を表明しております。 伊東市長は平成三十年六月一日に施行した市のメガソーラー規制条例に基づき本事業に同意しない旨の意思を表示しておりますが、 事業者側は宅地造成等規制法に基づく許可を受けた工事に条例施行日前日の五月三十一日に着手したため本事業には条例は適用されないとの主張をしており、 両者の間で争いとなっております。
 仮に条例違反が確定すればFIT法による国の売電許可の取消しの対象となりますので、 ここは大切なポイントとなります。
 宅地造成等規制法に関する伊東市の細則では、 許可を受けた工事の期間中現場での許可標識の掲示を義務づけており、 事業者が着手を主張する工事に関する許可の条件にも改めてこれを付していますが標識は条例施行時には掲示されておらず、 伊東市が標識を確認したのは同年八月になってからでありました。 また工事施工に当たっては防災工事を先行するよう同じく許可条件に付していましたが、 条例施行日において先行すべき防災工事の実施は確認されておりません。
 事業者は条例の適用を免れるためにあたかも工事があったかのように主張しておりますが断じて認められるものではありません。 前述しました細則の規定や許可条件を無視し法律に基づく許可制度をないがしろにするものだからであります。 またそのことは宅地造成による災害を防止し国民の生命及び財産の保護を図るという法律の趣旨に反する行為であり、 本事業に対する事業者の姿勢を如実に現しているものと考えます。
 当然のこととして、 伊東市は事業者の主張している工事着手は宅地造成工事に着手したと認められるものではなく、 これをもって条例施行前に事業に着手したとは扱えないとしております。 この点につきましては平成三十年六月の本会議における私の質問に対して川勝知事からも、 私見ではございますが六月一日時点での工事着手はなされていないものと私は認識しておりますと答弁をされており、 併せて難波副知事からも、 個人的に私見として申し上げているのは条例をしっかり読んでその趣旨、 そして宅地造成等規制法の許可あるいは森林審議会の状況を踏まえるとこれは条例の適用対象になると思いましたとの答弁を頂いております。
 伊東市の条例が本事業に適用されるかどうかは、 まさに伊東市長の権限であることは承知をしております。 しかし宅地造成等規制法の変更許可申請の審査に当たっては、 県も市の相談に応じて御尽力頂いたと伺っております。 工事着工に対する認識につきまして、 改めて県の所見をお伺いいたします。
 次に、 道路インフラにおける長寿命化の取組についてお伺いをいたします。
 高度経済成長期に集中的に整備されました社会インフラは老朽化が進行しており、 近年では施設の老朽化により本来あるべき機能が損なわれている事例も発生していると聞いております。 社会インフラの中でも道路は地域住民に最も身近なインフラであり、 日常生活はもとより観光交流や経済活動への影響を及ぼすことがないように管理する必要があります。 今後建設後五十年以上が経過する施設の割合が急激に上昇する見込みであることからも道路インフラの長寿命化による老朽化対策は喫緊の課題であります。
 このような中、 平成二十五年度の道路法等の改正により平成二十六年度から全ての橋梁、 トンネル、 横断歩道橋などの道路附属物について五年に一度の定期点検が義務づけられ、 平成三十年度までに一巡目の点検が完了し昨年度からは二巡目の点検が実施されていると聞きます。 本年九月に国土交通省が発表しました道路メンテナンス年報によれば、 一巡目の点検で早期に措置を講ずべき状態または緊急に措置を講ずべき状態と診断された施設は次回点検までに措置を講ずるべきとしていますが、 全国の地方公共団体が昨年度末までに修繕等の措置に着手した割合は橋梁三四%、 トンネル四七%、 道路附属物等三五%にとどまっており、 特に国土交通省管理の橋梁六九%、 トンネル八〇%に比べ地方公共団体の管理の道路の遅れは顕著であり非常に憂慮すべき状況にあります。
 コロナ禍において、 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策の徹底は建設現場にも求められています。 今後建設工事の工程の遅れなど建設業界にも少なからず影響が出ることを心配しております。 さらに税収の大幅な落ち込みにより中長期的に計画に基づいた修繕計画の遅れが懸念されますが、 道路インフラの老朽化による事故や機能喪失を未然に防ぎ道路利用者や生活の安全・安心を確保するためにも必要な予算の確保とともに速やかな事業執行による適切な維持管理が求められていると考えております。
 そこで、 本県の道路インフラにおける長寿命化の取組についてその事業予算の確保を含め積極的な取組を求めるものでありますが、 県の所見をお伺いしたいと思います。
 次に、 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐ取組についてお伺いをいたします。
 新型コロナウイルス感染症については、 十月に入り全国各地で新規感染者の増加が見られ十一月以降増加の一途をたどっております。 第三波との見方も示されております。 この感染拡大の背景には様々な場面でのクラスターの発生が指摘をされております。 本県においても十一月には一日の新規感染者数の過去最多を更新するなど急激な感染拡大が進んでおり大きな危機感を抱いておりました。 さらに私の地元である伊東市においては感染拡大の状況が顕著に表れており、 十一月二十三日に確認されたクラスターを契機に多数の感染者が確認され、 十一月二十九日には二つ目のクラスターが発生しました。
 こうした中、 県は今月に入り市街地の飲食店の従業員を対象にした一斉検査を開始し複数の新たな陽性者、 さらには三つ目のクラスターが確認されています。 また先週末までにこれまで感染が確認されていなかった新たな七つの店舗で七人の従業員の感染も判明したことを踏まえ、 今週からさらに対象を拡大して一斉検査を実施していただいております。
 こうした状況に直面している市民からは、 感染拡大の状況について県や市から提供される情報が少なく何に気をつければいいか分からないという声を多く聞いておりました。 これは市内のどこの地域で感染が拡大しているのか、 感染経路や濃厚接触者が速やかに特定できているのかといったことが分からず生活をする上で不安を感じていることによるものと思われます。
 現在、 県は感染者やクラスターの発生状況について市と情報共有を行い連携して感染拡大防止の対応をしていただいているものとは認識しておりますが、 地域住民が情報不足と感じていることは事実です。 また市町の立場からももっと情報を出してほしいとの要望も出されております。
 新型コロナウイルスは誰もが感染するおそれがあり、 クラスターの発生もどこでも起こり得る状況にあります。
 そこで、 県民の不安を払拭するためだけではなくさらなる感染拡大を防ぐためにも感染の急激な拡大やクラスターが発生した場合、 市町とクラスター等に関する情報の迅速な共有を進め県民に積極的に情報提供していくような取組が必要だと考えますが、 県の所見をお伺いしたいと思います。 以上、 答弁を求めます。
○議長 (山田 誠君)  川勝知事。
○知事 (川勝平太君)  中田議員におかれましては、 今議会から左翼から右翼にスムーズに移行されました。 旧会派からは頑張れという励ましの声が上がるなどスムーズに処されたことを御同慶の至りと存じております。 中田議員はもとより常に地域の立場に立って活躍してこられました。 現在の伊東市長とはかつてはライバルとして激しく戦われたわけですけれども、 今日の御質問にございましたメガソーラー問題では市長と県議が一体になられて住民の立場に立って今回の質問のような事態になっているということで承知しております。
 現在はコロナ禍という危機の状態でございまして、 これは人間の命に関わる問題ですから党派を超えなければならないと、 党派を超えてここは一緒に危機を乗り越えなければならないということでございます。 これまで同様、 またこれまで以上に伊東市を中心にした伊豆半島、 その地域のために御尽力されるよう期待するものであります。
 私は、 数ある御質問の中から観光振興の取組についてのうち、 教育旅行の誘致促進について御答弁を差し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、 多くの小中学校等が教育旅行の目的地を当初予定していた首都圏あるいは関西圏から近隣の地域へと変更を余儀なくされております。 そうした中、 本県は開放感のある海、 山の自然あるいは歴史・文化の魅力に恵まれております。 加えて世界文化遺産、 世界農業遺産、 ユネスコエコパーク、 またユネスコ世界ジオパークなど世界の文化的宝が山とございます。
 さらに、 富士山静岡空港あるいは伊東港、 下田港、 沼津港、 田子の浦港、 御前崎港、 なかんずく清水港等海なし県にとっては垂涎の的である港等がございまして独特の学びができる地域資源に恵まれております。 教育旅行の受入先としては絶好の地域であると確信を持っているところです。
 このため、 教育委員会の御協力を得まして観光関係者等と連携した教育旅行の誘致活動を積極的に展開しているところです。 まず県内の公立小中学校に対しまして教育委員会を通じて県内での教育旅行を呼びかけました。 そのほか山梨県内の学校関係者や旅行業者に対する説明会を開催し本県のモデルコースや体験プログラムなどを御紹介いたしました。 また本県を含む山の洲くに、 長野県、 新潟県まで視野に入れたこの四県を対象に教育旅行を促進する助成制度を新たに創設し誘致に取り組んでおります。
 このような取組により、 議員から御紹介頂きましたように伊東市にある教育旅行の受入れ団体では今年度の受入れ人数が前年を上回る見込みであります。 駿河湾フェリーでは十月実績で十九校の利用があるなどの成果も出ております。 実際に県内での教育旅行を実施したある中学校からは、 事前に目的地の歴史や特徴をグループで十分に学習して臨んだことでこれまであまり知ることのなかった郷土のすばらしさを改めて実感したという生徒の感想も寄せられております。 私自身山梨県の北杜市から来られている小学校の教育旅行を間近に最近見た経験もございます。
 今後も、 新型コロナウイルス感染症による新たな生活様式として身近な地域での教育旅行が普及していくことが想定されます。 伊東市での四校の成功事例などこれまでの取組成果や参加学校の声を参考にしながら本県の観光資源を生かした教育体験プログラムの充実を図ってまいります。
 また、 来年夏には中部横断自動車道の山梨県内での全線開通が予定されておりまして山の洲くに四県での交流の拡大が確実に見込まれます。 このため今月中旬に山梨県及び長野県におきまして学校関係者や旅行業者に対する説明会の開催を予定しております。 助成制度等を紹介いたしまして教育旅行誘致の取組を強化いたします。
 未来ある多くの子供たちにとりまして、 静岡県内での教育旅行は伊豆半島をはじめとした本県の豊かな自然、 歴史・文化、 スポーツ、 食などの世界クラスの資源に触れて、 またそれを学ぶことで本県の魅力を直接感じることができる絶好の機会であります。 引き続き教育関係者や観光関係団体等とも連携いたして県内外から教育旅行の誘致に積極的に取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては、 副知事、 関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長 (山田 誠君)  難波副知事。
○副知事 (難波喬司君)  道路インフラにおける長寿命化の取組についてお答えをいたします。
 平成二十四年十二月に発生した笹子トンネルの天井板崩落事故を受け、 国は平成二十五年度に道路法を改正し橋梁、 トンネル及び道路附属物等の道路インフラにつきまして五年に一回の定期点検を義務づけました。 これを受け本県では平成二十六年度から一巡目の定期点検を開始するとともに昨年度までに中長期管理計画を策定して点検、 診断、 措置、 記録というメンテナンスサイクルによる予防保全型の維持管理を開始しております。
 平成三十年度に完了いたしました一巡目の定期点検では、 県が管理する橋梁やトンネルなど計三千九百八十八の道路施設のうち緊急に措置を講ずべき状態の施設はありませんでした。 早期に措置を講ずべき状態の施設は一三%に当たる五百十四施設ありました。 この五百十四施設の修繕等の措置にまず着手する必要があります。 着手した割合は昨年度末時点で橋梁一〇〇%、 トンネル九六%であり、 国土交通省の着手率を上回っております。
 しかし、 重要なことは着手率ではなく早期に修繕を終えることです。 よって早期に措置を講ずべき状態の五百十四の施設は、 二巡目の定期点検が終わる令和五年度までに修繕を完了させるべきと考えています。
 加えまして、 構造物の機能には支障がないものの予防保全の観点から修繕することが望ましい状態の施設は全体の七〇%に当たる二千八百施設あり、 ほとんどが現時点では修繕に着手できていない状況にあります。
 中長期管理計画に基づく予防保全の実施は、 長期的な維持管理費の削減や平準化に寄与するものです。 このため新技術の活用等によるメンテナンスコストの縮減をしてまいりますが、 やはり必要な予算を継続的に確保して確実に実施していくことが重要です。
 県といたしましては、 より低コストとなる新技術を開発する大学や企業等に対しまして実証フィールドや三次元点群データの提供などにより技術開発に協力するとともに、 今年度創設された国の道路メンテナンス事業補助を最大限に活用するなど予算の確保に努め、 地域の安全・安心を守り経済活動を支える道づくりを推進してまいります。 以上であります。
○議長 (山田 誠君)  植田スポーツ・文化観光部長。
○スポーツ・文化観光部長 (植田基靖君)  観光振興の取組についてのうち、 伊豆半島の世界ジオパーク再認定の取組についてお答えいたします。
 伊豆半島がユネスコ世界ジオパークとして認められた世界水準の魅力を高めていくため、 県では令和四年四月の再認定を目指しユネスコから指摘された課題解決に取り組む伊豆半島ジオパーク推進協議会への支援をはじめ、 ジオパーク活動の一層の推進に地域で活動されている皆様と共に取り組んでおります。
 本年八月に行われた日本ジオパーク委員会による現地調査では、 ユネスコから指摘された課題にはおおむね応えているとの評価を頂いた一方で、 ジオパークの学校教育への活用に地域による温度差が見受けられることやガイダンス施設の展示解説が専門的で難しいなどの御指摘も頂きました。
 このため、 全ての地域でジオパーク学習が実施できるよう出前授業を担うジオガイドの育成や各地域への講師の派遣を促進することで学校教育への普及を充実してまいりました。 また地域の魅力をより分かりやすく発信するため来年度に開館五年目を迎える中央拠点施設ジオリアの展示内容を見直すとともに、 各地のビジターセンター等の施設の強化を図ってまいります。
 今後につきましても、 伊豆半島地域の市町やDMO、 民間の皆様と一体となってジオパーク活動が裾野の広い取組となり地域の持続的な発展につながるようユネスコ世界ジオパークの再認定に向け万全を期してまいります。 以上でございます。
○議長 (山田 誠君)  志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長 (志村信明君)  漁業法改正に伴う資源管理体制の在り方についてお答えいたします。
 十二月一日に施行された改正漁業法では、 水産資源の回復を図るため漁獲量や資源評価の実施状況を踏まえて一定の魚種について漁獲量の上限、 いわゆる漁獲可能量を定めて管理を行うことが基本として示されております。 国が本年九月に決定いたしました新たな資源管理の推進に向けたロードマップでは、 本県の代表魚種であるキンメダイなどがその対象魚種の候補に挙げられているところでございます。
 一方、 議員御指摘のとおり本県ではキンメダイをはじめ多くの魚種で漁業者による自主的な資源管理の取組が既に行われております。 これらの取組は、 県水産・海洋技術研究所の研究等を通じて明らかにされた対象魚種の生態やそれぞれの地域の漁業特性に合わせて魚種によっては他県を含む広域的な調整もなされながら長い年月をかけて培われてきたものでございます。
 国は、 ロードマップにおきまして対象魚種の選定に当たっては漁業者の意見を十分かつ丁寧に聞き現場の実態を十分に反映するとの考えを示しておりますことから、 県といたしましてもこれまでの地域の実情に根差した資源管理手法を尊重した手法が検討されることが望ましいと考えております。
 このため、 改正漁業法の下での資源管理の方向性につきまして現場の声が反映されるよう国に働きかけていくとともに、 現場の実情を反映した実効性が高い水産資源の管理体制の構築に向け関係者を支援してまいります。 以上であります。
○議長 (山田 誠君)  市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長 (市川敏之君)  伊東市八幡野におけるメガソーラー事業計画の工事着手時期に係る認識についてお答えいたします。
 本事業につきまして、 伊東市長は伊東市美しい景観等と太陽光発電設備設置事業との調和に関する条例の施行日である平成三十年六月一日において事業が着手されていなかったという判断に基づき条例を適用し本事業に同意しない旨の意思を表示されたものと伺っており、 この着手について宅地造成等規制法に基づく許可を受けた工事の着手があったかどうかが争点の一つとなっているものと認識しております。
 伊東市における宅地造成等規制法の権限は、 静岡県事務処理の特例に関する条例により知事から伊東市長に移譲されております。 そのため宅地造成工事の着手については伊東市長が適切に御判断されているものと考えております。 以上であります。
○議長 (山田 誠君)  藤原健康福祉部長。
○健康福祉部長 (藤原 学君)  新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐ取組についてお答えいたします。
 県では、 新型コロナウイルス陽性者が確認された際には保健所が綿密な積極的疫学調査を行い速やかに濃厚接触者を特定し可能な限り感染経路の把握に努めております。 把握した感染者の状況などにつきましては、 本県独自の公表基準により感染者の人権にも配慮しながら速やかに記者会見を行い県民の皆様に向けて情報を公表しているところであります。 また市町とは迅速に情報を共有し、 市町から住民へ感染防止の呼びかけを行うなど感染拡大防止に必要な取組を行っていただいております。
 クラスターが発生した場合につきましては、 新型コロナウイルス感染症拡大防止の店舗名等公表の目安により個人情報の保護や誹謗中傷の防止のため、 原則として患者本人及び店舗等の管理者との合意に基づき店舗名等の情報を公表することとしております。
 一方で、 店舗等の利用者が特定できない場合には関係者の同意を得られなくとも必要な情報を公表してまいりました。 現在県内では感染者が急激に増加し感染蔓延期という状況にありますことから、 当該目安の運用に当たっては感染蔓延期においては複数のクラスターが同一市町で発生した場合当該市町と協議の上で発生地域名及び業種などの関連情報を公表することとし、 あわせて広範な感染確認検査を実施し感染の拡大を防止してまいります。
 県といたしましては、 市町と迅速かつ綿密な情報共有を図りそれぞれが感染拡大防止の取組を速やかに行うとともに、 県民の皆様へ積極的に情報を提供してまいります。 以上であります。
○議長 (山田 誠君)  中田次城君。
        (四十七番 中田次城君登壇)
○四十七番 (中田次城君)  それぞれ御答弁ありがとうございました。
 それでは要望を一点、 質問を三点させていただきたいと思います。
 まず一点目の要望ですが、 ジオパークの再認定に当たっては現場で様々な皆さんが様々な努力をされていますね。 中で細かい要望もたくさん上がっていると思いますが、 私が頂いた資料によりますと推進協議会のほうに年間約千二百万円ぐらいの委託費を出しているわけですね。 これ細々現場でいろいろかかる経費をこれで賄っているとは思います。 ただこれ平成三十年のときのですね。 ごめんなさい、 令和元年のときの決算を見ますと予算に対して約二〇%ぐらい減額補正、 最終的にされていますね。 要は執行されない執行残が残っていると。 すると現場の人たちは例えばもう一つジオガイドがここで雇えればもっといろんなことができるのにとか細かい御要望はたくさんありますが、 しかしそれも予算のことがあってなかなかかなわない場面ってたくさんあると思います。
 ですから、 出している予算がやっぱりきめ細かくきちんと行き届いて効果があるものになるように私はしっかり予算の面からもきちんとチェックをしていただいて積極的に対応していただきたい、 これは要望させていただきたいと思います。
 それと二点目の質問は漁業の関係ですが、 国も水産庁も現場の意見をヒアリングする姿勢は持っていると聞いております。 そして県も同じような立場だと思います。
 しからば、 これからいろんなものがきちんと決まっていく中で県として具体的に実際にどうやって国でこの県の立場や地元の思いをですね、 聞かれたときに答えるではなくて県としてはこう考えているんだというものはどういう手段や手法を考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
 それと三点目、 質問の二点目はメガソーラー。 私これ最初質問する気なかったんですけれども今の答弁聞くとどうしても聞かなきゃならなくなっちゃいますよ。 私は県としての認識を聞いたんですよ。 要はその地元に権限が下りているのも分かっているし、 知事や副知事からあの当時ああいう答弁を頂いていることも私は分かっているわけですよ。 だから思いは一緒だと思いますよ。 でもここであえてやっぱり一般論として事業者が宅造の規制のですね、 宅造の工事の許可を取って標識も出さない工事の着工の届出もしない、 防災工事もやらないと。 こういうやり方でいいのかという企業姿勢を私はただしているわけですね。 ですからこの分に関しては一般論で構いませんからね、 こういった事業者の着手行為を主張する行為が一緒に審査をやった県として、 これどう考えるんだということはきちんと答えていただかなきゃいけない。 ここは答えがなかったので改めてお伺いしたいと思います。
 それとコロナの問題です。
 私は、 コロナの問題というのは非常に難しい問題、 それはもう感染拡大予防と経済を回すという、 これはもう国も含めて大変重要な問題だと思っています。 そういった中で伊東市も日々刻々と状況が変わっていく中で有効な情報をやっぱり情報の発信の仕方も見直しながら私は出していっていただきたい。 それは御答弁にありましたから結構です。
 そこで、 伊東市がこの約二週間くらいの間に、 ばばばっともう九十七人ぐらい約百人ぐらいの感染者が出た。 そのうち五十名ぐらいが飲食に関わる従業員さんやお客さんだということ。 しかも今まだ検査が続いている。
 地元の意見というのは本当にもう様々な意見がありますが、 私がここでまず聞きたいのは時短要請や休業要請という言葉がありますが、 一つのその感染拡大防止策の中で時短要請のことが言われます。 これはあくまで県知事の判断です。 そして県知事も自分の一存というよりは地元の意見や業界の意見やいろんなことを大所高所から判断されると思います。 この点については先日伊東に来られた難波副知事のほうからも場合によっては時短要請の可能性もあるということも述べられている。 現況の今の県の考え方、 時短要請に関する考え方、 必要性についてどのようにお考えになっているのか、 それを御答弁頂ければありがたいと思います。 よろしくお願いします。
○議長 (山田 誠君)  志村農林水産担当部長。
○農林水産担当部長 (志村信明君)  漁業法改正に伴う再質問についてお答えいたします。
 県としてどのように具体的に取り組んでいくかという御質問でございました。
 この件はですね、 国の法律の改正の趣旨をしっかり理解した上でまた現場のこともしっかり理解しているのが県だと思っております。 ですからこのことに関しましては県が主体的になってしっかりと調整していく必要があると思っておりまして、 国と漁業者の意見交換の場をしっかりと設けるということをして現場の声が届くように取り組んでいく必要があると考えております。
 既に伊東漁協におきましては八月、 それから十一月に水産庁と地元の漁協の皆様との意見交換の場を設けてございまして、 また一月以降そういった場を設けることとしております。
 あわせまして、 また県としても国に対しまして県の水産・海洋技術研究所にございます研究成果ですとかあるいは漁業の実態、 そういった情報というものを県も持っておりますのでそういったものもしっかりと国に提供して、 そしてこのお互いの理解促進に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長 (山田 誠君)  市川くらし・環境部長。
○くらし・環境部長 (市川敏之君)  メガソーラーについての再質問にお答えいたします。
 本事業におけます宅地造成法規制等に基づく許可工事の着手につきましては、 現在東京高等裁判所の係争中の事案に関係しておりますことからお答えは差し控えさせていただきます。 以上であります。
○議長 (山田 誠君)  金嶋危機管理監。
○危機管理監 (金嶋千明君)  新型コロナウイルス感染症に係る営業時間の短縮要請についての県の考え方についての再質問にお答えいたします。
 伊東市内の特定地域で酒類を提供する飲食店を中心とする感染が拡大していることから、 県では伊東市と連携して感染拡大を防止するため迅速かつ広範囲な検査と飲食店への戸別訪問による感染防止対策の指導を実施しております。 また今後のさらなる感染拡大に備えるため、 感染拡大防止に必要な措置についても内容の検討や調整を進めております。
 現在、 伊東市において十二月七日から十二日までの六日間地域と対象者を拡充して検査を実施しているところであり、 この検査結果を疫学等の観点から分析評価し、 追加的措置が必要であると判断した場合は議員御質問の特定地域、 特定業種に絞った営業時間の短縮要請なども含め必要な措置について検討を進めてまいります。 以上であります。
○議長 (山田 誠君)  中田次城君。
        (四十七番 中田次城君登壇)
○四十七番 (中田次城君)  コロナの問題に関しては大変デリケートな問題もあろうかと思いますが、 地元の市長、 行政の長だけではなくて関係者の皆さんとよく御相談をしていただいて県知事としての御判断を求めたいと思いますので、 それは改めて要望させていただきたいと思います。 以上で私の質問を終わりにします。 ありがとうございました。 (拍手)
○議長 (山田 誠君)  これで中田次城君の質問は終わりました。
 議事の都合により、 休憩します。

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