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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和元年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

土屋 源由 議員

質問分類

一般質問

質問日:

09/25/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 伊豆地域における外国人観光客受け入れ環境の整備について
2 静岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の周
 知について
3 農業振興におけるAOI―PARCの活用について
4 伊豆中央道と修善寺道路のあり方について
(1) 合併採算制に係る現状認識と地元理解への努力
(2) 渋滞解消策
(3) 料金収入の使い道
(4) 早期無料化への取り組み
  ア 早期無料化の可能性
  イ 早期無料化の実現に対する見解


○副議長(中沢公彦君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、四十六番 土屋源由君。
       (四十六番 土屋源由君登壇 拍手)
○四十六番(土屋源由君) 本日最後となりますので、もう少しおつき合いをいただきたいと思います。
 私は、自民改革会議所属議員として当面する県の諸課題に対し知事、副知事、関係部局長に一括質問方式で伺います。
 まず、伊豆地域における外国人観光客受け入れ環境の整備について伺います。
 今月二十日から始まったラグビーワールドカップ二〇一九、そして来年の東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックには多くの外国人観光客の来訪が予想されます。こうした世界的なイベント開催を契機に、伊豆地域を訪れる外国人観光客が地元の小売店や飲食店などを気軽に不便なく利用できる環境整備が必要であり、こうしたレガシーがオリンピック・パラリンピック終了後も外国人観光客を呼び込む地域の魅力につながると確信しています。
 しかし、伊豆地域の小さな小売店などでは日々の商売に忙殺され外国人観光客の受け入れ環境整備が進んでいないのが現状であります。観光庁が外国人観光客を対象に行ったアンケート調査によると、旅行中に困ったことの第一位は観光施設等のスタッフとのコミュニケーションとなっており、地域の観光施設での多言語対応は喫緊の課題であります。
 こうした中、県西部の浜松商工会議所では外国人観光客への対応力アップを支援するため携帯型翻訳機の貸し出しを始めました。また松崎町旅館組合でも携帯型翻訳機を導入し多言語での受け入れ体制を強化したと聞いています。
 オリンピック・パラリンピック開催というこの機会を逃せば、伊豆地域全体に受け入れ整備の輪が広がることはないでしょう。外国人観光客に安心して伊豆地域ひいては静岡県を周遊してもらうためにも、この機会に受け入れ環境の整備をしていくことが重要です。
 そこで、本県を訪れた外国人観光客の受け入れ環境の整備に関してどのように対応するのか、県の取り組みを伺います。
 次に、静岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の周知について伺います。
 平成三十一年二月定例会において、静岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例が議決され本年四月に施行されました。本条例では自転車の安全適正利用を促進し県民が安心して暮らせることができる地域社会の実現を目指しています。来月からは万が一の事故の場合に被害者に十分な補償を行うための自転車損害賠償保険への加入、自転車で通学する小中学生のヘルメット着用等が義務化されることが決まっています。
 この条例をつくるきっかけとなったのは、本県で自転車が関係する事故が多く発生していること、全国で自転車事故による賠償金額が高額になる事例があること、何よりも東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックで自転車競技が県内で開催され、そのレガシーを観光振興や地域おこしに最大限生かすことであります。特に高校生の登下校時の自転車事故は平成二十五年度より全国ワーストワンが続いています。中学生もワースト五に入っています。この状況は自転車の利用者が多いこともその要因の一つではありますが決して看過できるものではありません。毎年事故件数が減少しているとはいえ、学校や警察、担当部局にはより一層の交通安全対策に取り組んでもらうことを要望しておきます。
 自転車事故を起こす割合が高いのは中高生の未成年者です。被害者に対する賠償は決して軽いものではありません。県内のことし八月までの自転車事故による死亡者は十四人を数えます。加害者となれば高額の損害賠償を負担しなければならないこともあります。
 最近、自転車利用者に告知や宣伝も兼ね条例について聞くことにしていますが、ほとんどの人が保険加入義務化のことを知りませんでした。普及啓発事業を目にする機会はありますが、県民にしっかりと伝わっているとは言えません。来月からといえばもうすぐです。しっかりと一人でも多くの人に認知してもらえる啓発活動が必要と考えます。
 そこで、県として自転車事故の防止と被害者に対する補償の確保を図るため、この条例を今後どのように県民に広報啓発していくのか伺います。
 次に、農業振興におけるAOI―PARCの活用について伺います。
 静岡県では、平成二十九年八月に開所したAOI―PARCを拠点に革新的な栽培技術や品種開発による農業の飛躍的な生産性の向上、農食健、農商工の産業分野や産学官金の幅広い参画による農業を軸とした関連産業のビジネス展開の促進を目的としたAOIプロジェクトを推進しています。聞くところによれば、AOIプロジェクトでは早くも成果第一号として生鮮葉物野菜としては全国初の機能性表示食品であるソフトケールGABAが昨年十二月に誕生しています。AOIプロジェクトの目的の一つである品種や栽培技術の開発により、農業のビジネス展開が形になっています。もっと積極的にこの成果をアピールしていく必要があるのではないでしょうか。
 また、AOI―PARCと一般の農業従事者との接点がどのように実践されているのか見えてきません。気軽に相談に行ける施設であってほしいものです。
 先日、AOI―PARCに視察に行ってきました。ここでは伊豆の国市の主要農産物であるイチゴやトマトの研究に活用される研究用温室が七月から運用が開始されたと聞いています。研究では静岡県が育成した「きらぴ香」の果実に生理障害が発生しやすいことや果実肥大が十分でないなど栽培が不安定なことで普及の障害になっている点の解決方法や、トマトでは生産者が高糖度・高機能性トマトの産地化を推進しているものの、安定供給体制は未確立であり成分、収量を両立できる安定生産技術の実用化に取り組んでいくと説明を受けました。
 このような研究は、農家が日々苦労している課題そのものであります。一日も早く研究が結実し、これらの成果が一般の農家に還元されていけば農業振興に大きな役割を果たすことになるでしょう。
 そこで、一般の農家を含めた農業現場と接点を持ちながらAOI―PARCから生み出される事業成果等についてどのようにアピールしていくのか、また県としてどのように普及、展開をしていくのかについて、県の所見を伺います。
 次に、伊豆中央道と修善寺道路のあり方について伺います。
 伊豆地域は、景勝地や温泉など魅力ある地域資源に富み首都圏に近いことから我が国を代表する観光地へと発展してきました。一方で半島地域という地形的な制約からいまだ整備途上の道路も多く、慢性的な渋滞や通行どめによる地域孤立など道路ネットワーク上のさまざまな課題を抱えており半島の背骨となる伊豆縦貫道の早期整備が求められています。
 平成二十五年九月議会において、伊豆中央道と修善寺道路の合併採算制の導入が可決され、同時に江間交差点の立体化が承認されました。このことにより令和五年十一月までの料金徴収となり江間料金所の撤廃は平成二十七年から令和五年に八年間延期され、修善寺道路料金所は令和七年より二年間の短縮と決定しました。伊豆の国市を初め伊豆地域の住民は伊豆中央道と修善寺道路の一日も早い無料化、伊豆縦貫道の早期開通を望んでいます。
 こうした地域の将来に大きな影響を与える重要な事業については地元の理解と協力が不可欠であります。県には現状をよく認識していただき地元の理解がいま一度十分に進むよう努めていただきたいという観点から、今回質問するものであります。
 まず、合併採算制に係る現状認識と地元理解への努力について伺います。
 合併採算制の導入について、私は二点疑問があります。
 一点目は、合併採算制の導入の根拠となる条件についてであります。
 複数の有料道路を一つの道路として料金徴収することについて、道路整備特別措置法は対象となる道路の通行者等が相当程度共通であり料金の徴収を一体として行うことが適当であると認められれば可能と規定しており、相当程度共通とはいずれか一方の道路の通行者等のおおむね二分の一以上が合併採算の対象となる他の道路を通行等している場合としています。伊豆中央道と修善寺道路の場合、県は約五一%が共通の通行者でこの法の規定をクリアしているとしていますが、どのような方法で調査しぎりぎりの約五一%となったのでしょうか。個人的な見解ですが半分以上が両道路を利用しているとはとても思えません。合併採算制を導入しようとした時点において規定を満足すれば現状が違っていてもいいのでしょうか。
 そこで、一体化の根拠となる現状の通行状況をどのように把握しているのか伺います。
 二点目は地元との合意形成についてですが、平成二十五年八月には伊豆の国市及び伊豆市における地元説明会で住民の同意を得たとしています。江間交差点から料金所を避けて一般道へ迂回する車により、渋滞や交通安全面での不安を抱える江間地区の住民にどのような説明をしたのでしょう。地元は伊豆中央道の建設費、立体化の工事費の償還が終わった後の令和元年から五年までの約四年間、修善寺道路の償還が終わるまで渋滞は我慢しろとの説明など聞いていません。議会でもこのような説明は受けておらず両道路の経営の一体化と説明しているの一言では理解できず納得いきません。
 当時の私の県政報告には、立体化工事完成後に再度確認するとあります。都合の悪いことを隠しての住民合意などあり得ません。平成二十三年に県が立ち上げた外部有識者からなる伊豆地域の道路整備のあり方検討会では、伊豆中央道と修善寺道路の経営を一体化させ平成三十年代半ばまでに両道路を同時に無料化し、あわせて無料化時に未償還を残さない合併採算が望ましいと結論づけたとありますが、地域の事情も知らず住民不在で未償還を残さないことだけを優先する結論に無性に腹が立ちます。
 今後、地域住民に対して現状について説明を行う気はあるのでしょうか。県の所見を伺います。
 次に、渋滞解消策について伺います。
 当時の建設委員会の審議の中で、県は東駿河湾環状道路が伊豆中央道に直結したときの通行量の増加を三割程度と見込んでいると答弁しています。先日伊豆中央道、修善寺道路の交通量、料金収入の推移を調査したところ伊豆中央道の一日当たりの実績平均通行量は平成二十五年は九千六百十五台だったのに対し合併採算制導入後の平成二十六年からふえ続け、平成三十年では一万四千三百六十五台と大幅にふえています。東駿河湾環状道路の直結後は三割程度の増加見込みとしていながら、ここ三年の交通量の増加は平成二十五年当時の約一・五倍になっています。建設委員会の渋滞を心配した質問に対する答弁にも矛盾した状況で、年々渋滞の頻度がふえており地元の方から料金を払って通過することがばかばかしいと言っているのは当然のことであります。
 そこで、交通量の増加に伴う渋滞解消のため県としてどのように対処していくのか伺います。
 次に、料金収入の使い道について伺います。
 静岡県と県道路公社は、道路行政セミナー平成二十七年五月号に採算面での課題について「平成二十三年当時の試算では、料金徴収期限を迎えても伊豆中央道で五億円、修善寺道路で約十九億円の未償還額が残る」としています。ちなみに平成二十六年四月時点の建設費未償還額は伊豆中央道十一億円、修善寺道路六十五億円に新たに借り入れる江間改築費十六億円を合わせた九十二億円であり伊豆中央道関係では二十七億円でした。私の試算では合併採算制導入以降は伊豆中央道で年五、六億円の償還が可能で、令和元年には建設費と江間改築費の償還は終わっています。
 平成三十年の一日当たりの実績平均通行量は、伊豆中央道と修善寺道路を合わせて二万四千九百五十七台が利用しており普通車二百円の通行料を払うとすると一日約五百万円、一年間では約十八億円となります。県の示した収支では五年間の平均収入は年間十六億円で償還に充てられる金額はそのうち七億五千万円ほどだそうです。道路の補修や料金徴収する人件費、建設借入金の償還費用が必要なことはわかりますが、両道路の経営にどれだけ費用がかかるのでしょうか。
 そこで、この料金収入の使い道がどのようになっているのか伺います。
 次に、早期無料化への取り組みについてのうち早期無料化の可能性について伺います。
 当時の建設委員会の審議の中で、県は無料化の前倒しの可能性について見込みよりも交通量が増加し通行料金収入が計画を上回れば無料化時期の前倒しが可能になると説明しています。また江間交差点の立体化工事は県道路公社が十六億円で事業化し料金収入で返済していくとしています。
 道路公社が行う江間交差点の立体化に係る工事費用は、平成二十五年には道路公社が十六億円、県が九億円、合わせて二十五億円の事業費だったのに対し現在の説明では道路公社十六億円、県が四十三億六千万円で合計五十九億六千万円と聞いています。この増額分は道路公社が負担しないとして、道路公社の返済すべき十六億円はいつになったら料金収入で賄うことができるのでしょう。
 地元説明会では立体化工事のため料金徴収期限を延期すると聞いていますが、黙って令和五年まで待たなければならないのでしょうか。もし合併採算制の導入がなければ伊豆中央道の平成二十七年度の未償還の五億円は道路公社が保有する損失補引当金を充てれば済む話ですし、償還後の江間交差点の立体化工事は県の予算で事業を実施しなければなりません。また修善寺道路の未償還分も損失補引当金で賄えるのではないでしょうか。地元利用者からの料金徴収により工事費や未償還額を負担させ続け、令和五年の償還終了時には損失補引当金の満額を道路公社に残し全ての費用を捻出する、県としてウルトラCの大ファインプレーを考え出したのはさすがです。
 ちなみに、会計検査院の報告に損失補引当金とは当該または他の道路との未償還額に充当することなどを目的として料金収入の一〇%の額が引き当てられており、制度上は取り崩し目的が他の道路の未償還額等への充当であっても、また取り崩し時期が当該道路の有料道路としての供用中であってもよいことになっている、しかし実際に他の道路のために取り崩した事例は一件だけであり当該道路の有料道路としての供用中に取り崩した事例はなかった、このように損失補引当金は償還準備金と同様に当該道路の無料開放時に取り崩されており投下資本の回収額と位置づけられているといえるとありました。簡単に言えば両道路の整備費も立体化の工事費も、そして県の実施しているフルインター化の事業費も全て令和五年までの通行料と積み立てた損失補引当金で賄えることになります。
 そこで、合併採算制導入時に伊豆中央道と修善寺道路の料金収入の料金徴収期限が令和五年十一月十二日に決まった根拠について伺います。また県として今の実績交通量から江間料金所の撤去、無料化の前倒しの可能性をどのように判断しているのか伺います。
 次に、早期無料化の実現に対する見解について伺います。
 伊豆半島の道路事情は、御存じのとおり平日の朝夕の渋滞だけでなく日曜祭日にはさらに大渋滞となります。本年一月の天城北道路開通もあり交通量はますます増加しています。渋滞さえなければ東駿河湾環状道路、伊豆中央道、修善寺道路、天城北道路がつながった効果ははかり知れません。韮山反射炉の世界文化遺産登録、伊豆半島ジオパークの世界ジオパーク認定、静岡デスティネーションキャンペーン、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックが過ぎてしまった伊豆半島に何が残るのでしょうか。それらのレガシーを生かした観光産業に力を入れるしかありません。せめて道路を無料化して訪れやすい伊豆にしてほしいものです。
 そこで、当初令和三年度までの予定であった江間交差点立体化を知事の英断で東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック開催に間に合わせることができたように、伊豆中央道と修善寺道路の一日も早い無料化を英断できないのか知事に伺います。以上、答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 土屋議員にお答えいたします。
 農業振興におけるAOI―PARCの活用についてであります。
 AOI―PARCは農業先端技術の開発拠点でございます。データサイエンスを用いた農業のたくみの技の継承技術、あるいは高度な環境制御技術などを農業現場に社会実装しまして農業の生産性向上と新しいビジネス創出を目指しているものです。現在AOI―PARCにおきましては五十二件の研究開発が行われております。こうした研究成果を農業現場に着実につなげていくためには農家を初め農業法人、農業団体、企業などと日ごろから密接に連携していくことが必要です。
 このため、県では産学官金の連携組織であるAOIフォーラムを立ち上げ農家や農業団体などが自由に参画できるプラットホームを構築しております。このAOIフォーラムではAOIプロジェクトの国内外への情報発信のほか会員相互の情報交換、大学や研究機関との共同研究の橋渡し、技術マッチング等々を実施しておりまして、その中で農家との連携面では現在イチゴや温州ミカンの産地の農家さんあるいは農業団体の御協力をいただきまして、AI  アグリ・インフォ・サイエンスを用いた篤農家の持つ熟練した栽培技術の短期習得を図る取り組みを行っているところであります。またAOI―PARCを農家また農業団体の皆様にもっと知っていただくために施設視察の受け入れ、農家向けセミナー等々も積極的に実施しているところでございます。
 加えて、七月五日には研究用温室の整備が完了いたしましてその運用が開始されております。ここでは農業現場から環境や作物の生育に関する膨大なデータを御提供いただきまして、それらのいわゆるビッグデータの解析と生産者のいわゆる経験知を融合させてまいります。これによりイチゴの多収化、またトマトの機能性成分や糖度の向上を実現するための革新的栽培管理技術を開発して農家の活用できるシステムとして現場への導入を進めるほか、このようなデータの解析結果を農家が有効に活用できる体制を整えてまいります。
 今後、その成果を農業現場に普及、展開していくために開発した栽培管理技術を実証するための圃場や施設を提供していただく農業者や農業団体等を広く公募いたしまして、先端農業技術の社会実装と新しい産地形成に取り組んでまいります。
 県としましては、こうした取り組みを通じて農家や農業団体などとの連携をこれまで以上に密にすることにより農業現場に向けた情報発信を強化するとともに、現在の生産者を初めこれからの農業を担う農業高校や専門職大学で育った人材が先端農業技術を活用できるよう研究成果の着実な定着を図ってまいります。
 その他の御質問につきましては副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○副議長(中沢公彦君) 難波副知事。
       (副知事 難波喬司君登壇)
○副知事(難波喬司君) 伊豆地域における外国人観光客受け入れ環境の整備についてお答えをいたします。
 本県の外国人延べ宿泊者は、昨年百七十九万人余と過去最高を記録しました。ことし一月から六月には前年同期比で三一%増加するなど着実に拡大を続けております。また旅行形態が従来の団体旅行から個人旅行にシフトし自由に周遊する外国人観光客が増加しておりますことから、言葉などの問題を心配することなく本県の旅を楽しんでいただけるよう受け入れ環境の整備を一層推進していくことが重要になってきております。
 このため、県では市町や観光協会、観光関係団体等と連携し異文化理解を深め外国人観光客へのおもてなしの向上を図るための研修会の開催や多言語観光案内標識の整備を行うなど、受け入れ環境の整備に積極的に取り組んでいるところです。
 また、議員御指摘のとおり外国人観光客とのコミュニケーションを円滑にしていくことが喫緊の課題です。このため外国人観光客にサービスを提供する県内の宿泊施設や飲食店等をサポートするため、十言語での電話通訳と翻訳サービスを無料で提供する静岡県インバウンド多言語コールセンターを本年八月一日に開設しました。既に全県で約七百の施設が登録され好評をいただいております。
 来年に迫った東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催、さらにはその後のインバウンド需要の拡大を見据え外国人観光客受け入れ環境整備事業によりまして、市町や観光関連団体、事業者等が行うWiFi環境の整備やキャッシュレス決済の導入、翻訳機の購入等への支援を行ってまいります。また伊豆地域において観光地をめぐる二次交通の利便性向上を目指す観光型MaaSなど新しい仕組みづくりに官民一丸で取り組み外国人観光客の皆様が満足して本県を周遊、滞在できる環境整備を推進してまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 静岡県自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例の周知についてお答えいたします。
 自転車の損害賠償保険への加入、自転車で通学する小中学生のヘルメット着用等が義務化される条例を周知するため、小中高等学校の教員が参加する交通安全研修会での説明や自転車販売店等でのポスターの掲出などを行っております。特に保険の加入義務化につきましては日本損害保険協会との協働によりチラシを三十三万部作成いたしました。サイクルフェスティバル伊豆二〇一九、大型ショッピングモールでのキャンペーン、自治会での回覧、コンビニエンスストアでの配架等で活用しております。また保険代理店や自転車販売店の皆様にも情報提供に御協力いただいております。
 今後も新聞、ラジオ、テレビの活用はもとより県民だよりや市町の広報紙への掲載、ウエブサイト上のバナー広告、十一月のJ1リーグの静岡ダービー戦でのPR、十二月の静岡駅地下広場での交通安全キャンペーンなどにより周知してまいります。
 県といたしましては、引き続き関係機関と連携し各種イベントや会議などさまざまな機会を通じて自転車を利用する方に本条例を認知していただくよう広報啓発に取り組んでまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 宮尾交通基盤部長。
       (交通基盤部長 宮尾総一郎君登壇)
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 伊豆中央道と修善寺道路のあり方についてのうち、合併採算制に係る現状認識と地元理解への努力についてお答えをいたします。
 合併採算制の導入に当たり共通利用者を把握するために、伊豆地域の交通特性を踏まえ繁忙期の休日と閑散期の平日に本線上の二カ所の料金所でナンバープレート調査を実施しております。その結果共通利用の割合は地元車の占有率が高い閑散期は五割を下回りますが、県外からの利用者が多い繁忙期では六割に近くおおむね二分の一以上という道路審議会の答申に合致しております。
 導入後の調査は実施しておりませんが、前回の調査以降一連の道路を形成する東駿河湾環状道路、伊豆縦貫自動車道天城北道路が供用され、また回数券の導入などもあり利便性が向上しておりますことから現状におきましても相当程度共通の利用者がいるものと考えております。
 地域の皆様への説明会につきましては、合併採算制に係る法定手続の開始前に関係市と調整をして実施しております。江間の立体化に合わせ二つの有料道路の償還計画を見直し経営を一体化すること、料金徴収期限が令和五年十一月になること、同時に地域の皆様に配慮した割引回数券などの料金施策を提案し、さまざまな御意見をいただいた中で最終的には御理解をいただいたと認識しております。
 今後、地域の皆様に現状を御理解いただくための説明につきましては合併採算制度の導入から五年が経過し江間の立体化工事の完成後には交通状況の変化も予想されますことから、道路公社や関係市と協力しながら必要な情報について提供をしてまいります。
 次に、渋滞解消策についてであります。
 平成二十六年二月に、東駿河湾環状道路の三島塚原インターチェンジから函南塚本インターチェンジ間が開通し沼津市から伊豆市までが規格の高い道路で結ばれ、観光交流客の増加などストック効果があらわれております。こうした中、伊豆中央道には交通が集中しており平日は朝夕の通勤時間帯、休日は昼間の時間帯におきまして唯一の信号機がある江間交差点を先頭に沼津方面は長岡北インターチェンジ付近、下田方面は江間料金所をまたぎ江間トンネル付近に至る渋滞が発生すると承知しております。江間交差点に起因する渋滞につきましては、県と道路公社が令和二年の東京オリンピック・パラリンピックまでの完成を目指し進めている立体化工事が完了すれば大幅な減少が見込まれますことから着実に工事を進めてまいります。立体化工事完了後の江間料金所につきましては、料金所における混雑状況を注視しながらICカードによるキャッシュレス決済の導入などの対策を道路公社と検討をしてまいります。
 県といたしましては、さらなる地域経済の発展に向け引き続き関係機関と連携し本線だけではなく周辺道路も含め必要な渋滞対策を実施してまいります。
 次に、料金収入の使い道についてであります。
 有料道路事業における料金収入の使途につきましては、道路整備特別措置法第二十三条に当該道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理に要する費用で政令で定めるものを料金の徴収期間内に償うと規定されております。合併採算制導入後の五年間を平均すると収入は年約十六億円であり、そこから当該道路の維持修繕等に要する費用として舗装の打ちかえや橋梁塗装など大規模な修繕から小規模な修繕まで約二・五億円を支出しております。同時にその他の管理に要する費用として国土交通省令に定める損失補引当金に約一・五億円、道路公社の本社経費に約二億円、両路線を管理する道路公社東部事務所経費に約一・五億円、消費税として約一億円を支出し、残る約七・五億円を償還に充てております。
 次に、早期無料化への取り組みについてであります。
 早期無料化の可能性についてでありますが、有料道路事業制度は道路整備特別措置法に基づき地方道路公社等が民間金融機関などから資金を調達することで公共事業よりも短期間の建設と早期の供用開始を可能とするものであります。建設費などは通常三十年間の料金徴収期間を定め、この間の料金収入をもって償還が完了するか、償還が完了しない場合であっても料金徴収期限に達した時点で無料開放となります。
 合併採算制導入後の料金徴収期限につきましては、江間の立体化を含めた伊豆中央道、修善寺道路それぞれの開通日が異なりますことから、道路審議会の答申に基づき事業費と供用開始日から平成五年十一月十三日を開通日と算定しその日から三十年目に当たる令和五年十一月十二日を料金徴収期限としております。早期無料化につきましては制度上は料金収入が計画を上回り早期に償還が完了する状況であれば可能となります。現状では合併採算制度導入後五年間の料金収入の実績は計画を下回っており、仮に今後も平成三十年度の料金収入実績が横ばいで推移したとなると料金徴収期限より早期の江間料金所の撤去、無料化は現段階では難しいと考えております。
 次に、早期無料化実現に対する見解についてであります。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックなどのレガシーを伊豆地域の観光交流のさらなる拡大と活性化につなげていくためには、伊豆半島の背骨となる伊豆縦貫自動車道と肋骨となるアクセス道路による道路ネットワークの構築が必要不可欠であります。伊豆中央道と修善寺道路は伊豆縦貫自動車道全線が完成するまでの間伊豆半島の背骨としての役割を担うことになります。合併採算制の導入により東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックまでの江間の立体化が可能となり、伊豆全体として有料区間の解消を二年早めることで利用者の利便性向上だけでなく今後の地域の観光交流のさらなる拡大と活性化に寄与するものと考えております。
 一方で、特に江間を中心とする伊豆の国市の皆様に有料期間の延長や長期にわたる立体化工事により御負担を強いていることも確かであり、早期無料化に対する期待が高いことも承知しております。
 県といたしましては、引き続き地元の皆様の御意見を伺いながら道路公社や地域の観光関係の方々と連携して伊豆の魅力を広く広報して有料道路の利用促進を図り早期無料化がかなうよう努めてまいります。以上であります。
○副議長(中沢公彦君) 土屋源由君。
       (四十六番 土屋源由君登壇)
○四十六番(土屋源由君) 答弁ありがとうございます。
 要望を二点に、再質問を二点させていただきます。
 自転車の損害賠償保険の部分については、いろんなところで広報していく、周知していくという形の話がありましたけれど小中学生、高校生までの部分というのはPTAで保険に入っているからいいみたいな話にちょっととっているようにしか聞こえないんですけれども、実際にはそのところの事故を起こしている人たちが多いということで、その辺については例えば弁護士も入って云々というようなことまではできない保険のはずなので、その辺も含めてもうちょっと中高生、学生に対する保険の義務化の意味というのをぜひ広報していただきたいというふうに要望しておきます。
 二点目は、農業振興におけるAOI―PARCの活用の部分ですけれど、今知事からお話がありました。公募等を行ってそれぞれ農家の方々が協力していただけるということであればそれも広がっていくという話であると思いますけれど、やはり農業をやっている方々全てが簡単にそういうところに手を挙げてやっていけるという方々ばかりではありませんので、なるべく広く多くの方々にこのAOI―PARCでこういうことが結果として出たんだよと、だからこれをぜひうまく利用してくださいよというのが農業振興に結びつくのかなというふうに思っていますので、その辺は広く皆さんに情報が広がるようにその辺の要望をさせていただきたいと思います。
 二点質問のほうですけれど、再質問のほう一点は地元への説明会等は必要な状況があればということですので多分やらないということを言われているのかなと私はとりました。基本的に先ほども意見があればその話を聞くというようなことも最後のところでおっしゃっていますけれど、意見を聞く場所がなければ意見を言う場所もないということになりますので、少なくともそういう場所を設けてもらうことが県側の役目じゃないかなというふうに思いますし、公社側の役目でもあります。その辺を少しどのように考えているのか、もう一回説明をお願いいたします。
 それともう一点、先ほど料金の使い道のところで話がありましたけど損失補引当金の部分については年間で一億五千万という話がありました。もう今まで平成三十年までにもう三十三億、三十四億弱のお金がたまっているはずです。ですから料金所の収入だけでは令和五年では無理だという話ですけれど、そのお金というのはどこに行ってしまうんですかね。先ほど満額残ったらどうなるという話を質問の中でもさせてもらいましたけれど、多分令和五年までには四十億円近いお金が損失補引当金という形で残るはずです。そのお金は合併をして合併採算制がなくなった時点では公社にそのまま残ってしまうのか、県に入ってくるのか、この辺の話が説明としてしてもらえませんでしたので、この辺についてどのようになっているのか答弁を求めます。
○副議長(中沢公彦君) 宮尾交通基盤部長。
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 再質問についてお答えいたします。
 まず、地元への説明会でございます。決してやらないと言っているわけではございませんで、できる限りこれまで確かにいろんな説明や情報の出し方が足らなかったのは反省をしているところでございます。説明会という形になるのか、それが一番だと思います。議員がおっしゃるとおりお互いに目を見ながら意見を交換し合える場というものを関係市、道路公社とともども一緒になって、これは至急考えていきたいなと。ぜひまたそのときになりましたらしっかり皆様に御連絡をしていきたいと思います。
 それから、合併採算制につきましては一応今のところ四十億将来的にたまるのであろうと。そのうち未償還額を引いた十九億、これが道路公社の内部保留として公社側に入ることになります。これは公社の資金としてのお金となりますので県に帰属するものではございません。以上でございます。
○副議長(中沢公彦君) 土屋源由君。
       (四十六番 土屋源由君登壇)
○四十六番(土屋源由君) これ何回やっても同じなんで意見、要望を最後にさせていただきます。
 私は今回、中央道と修善寺道路のあり方についてこんなにきつい質問の仕方をするつもりではありませんでした。といいますのは知事も前回現場まで見に来ていただきまして、一体化ができてこれでオリンピックに間に合うなというような話もその場でしていただいて本当によかったなと私も思っていました。実際にはあの工事を最初からやっていく中で田んぼの中で道路の整備をしていくのに軟弱地盤でさまざまな工事をしながらあそこにお金がたくさんかかって工事をやっていくというのも承知をしています。そんな中でこういうお金の動きみたいなものというのが私たちは全然説明として聞いていなかったという部分もありますし、自分が知らなかったと言えばそれまでかもしれませんけれど、そういう中でこういう損失補引当金なんていう話は多分みんな知らないままできたんじゃないかなというふうに思っています。
 そういうようなお金の部分も含めて、正直にその当時が無理であったならば今の時点でも結構ですから、これはこういう状態でこうなんだから、だからどうしても令和五年では間に合わない。私は一日でも二日でも早く料金所が無料になるというのを望んでの質問を最初するつもりでいましたけれど、この状態を聞いていて地元の人たちがきょうの受け答えで納得を果たしてするでしょうか。こういう説明全くなかったと思います。ですからこういうことも含めて地域の方々にもっとオープンにさまざまな情報を流していただいて、そして今はこうだからこれからぜひとも皆さんの協力をお願いしますという形でやっていただきたいというふうに思います。以上であります。(拍手)
○副議長(中沢公彦君) これで土屋源由君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会の議事日程を申し上げます。
 九月二十六日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
 本日はこれで散会します。

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