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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



令和5年2月静岡県議会定例会 質問


質問者:

岡本 護 議員

質問分類

一般質問

質問日:

02/27/2023

会派名:

ふじのくに県民クラブ


質疑・質問事項:

1 自然との共生に向けた取組について
2 子育てしやすい社会の実現について
3 遠州灘沿岸の侵食対策について
4 成年後見制度の利用促進について
5 定年引上げを踏まえた持続可能な行政運営について


○議長(藪田宏行君) ただいまから会議を再開します。
 質疑及び一般質問を続けます。
 通告により、六十二番 岡本 護君。
       (六十二番 岡本 護君登壇 拍手)
○六十二番(岡本 護君) 私は、ふじのくに県民クラブの所属議員として県政の諸課題について通告に従い知事、副知事、関係部局長に一括質問方式で質問をいたします。
 初めに、自然との共生に向けた取組について伺います。
 自宅近くの四ツ池公園は、野鳥観察や釣りの愛好家さらには多くの家族連れが散策できる緑豊かな自然環境を有し地域住民にとってかけがえのない憩いの場となっております。またカワセミなどの野鳥をはじめ動植物にとっても重要な生息・生育場所であり、このような動植物と人間が共存する豊かな自然環境を次世代に継承していくことが重要であると考えます。
 こうした場所がある一方で、近年開発行為や外来生物の持ち込みなどにより身近な自然環境が失われつつあり本来の自然環境のあるべき姿から大きく変容していると感じております。一例を挙げますと、県の鳥であるサンコウチョウは、以前は四ツ池公園などの都市部の公園でも見ることができたようですが、今や県レッドデータブックの準絶滅危惧種となっており見かけることが少なくなりました。世界に目を向けますと、地球温暖化の影響による大規模な干ばつや巨大台風の発生など地球規模で自然環境が変化しており、人間をはじめ地球上のあらゆる生き物にとって危機的な状況となっております。
 こうした中、昨年十二月にカナダで開かれた生物多様性条約第十五回締約国会議COP15では自然と共生する世界の実現に向け二〇三〇年までに達成すべき二十三項目の目標が採択されました。この項目の一つに、野生動植物の生息・生育環境を確保するため二〇三〇年までに生態系の保全活動を活発化させ生物多様性の損失を食い止めるだけでなく回復へと反転させるために、陸域と海域の三〇%以上を自然環境エリアとして保全するサーティー・バイ・サーティーと呼ばれる目標が掲げられており、現在改定が進められている国の生物多様性国家戦略にも盛り込まれると伺っております。
 私たちは長らく暮らしや経済活動を支える自然の恵みが無尽蔵であると思い込んできました。しかし世界の自然環境がかつてないスピードで失われている中、これまでのように自然と共生に無関心であり続ければ自然から享受している様々な恩恵を失うことになりかねません。まさに今が正念場であると考えます。
 本県では自然と共生する社会の実現に向け平成三十年に策定したふじのくに生物多様性地域戦略に基づき各種の施策を講じてきておりますが、社会情勢や自然環境の変化などを踏まえ今後県としてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、子育てしやすい社会の実現ついて伺います。
 厚生労働省が昨年六月に発表した二〇二一年の合計特殊出生率は一・三〇と発表されました。この合計特殊出生率は六年連続で低下しており出生数も過去最少でありました。本県においても前年から〇・〇三ポイント低下し過去最低の一・三六となり少子化がますます進んできております。
 私は、子供の数が減り続ける背景には子供を産み育てる世代にとって現代は子育てしにくい環境になってしまっているのではないかと危惧を持っています。今の子育て世代の悩みの中には、近所に一緒に遊ぶ仲間がいないとか、子育ての悩みが相談できずどこに行けばいいのか分からない、近くに頼れる人がいないといった子育てで孤立してしまうかのような声を聞くことがあります。また昨今は核家族化が進み三世代同居といった家庭も少なくなってきたことも、共働きで昼間家に大人がおらず地域全体で子供を見守り育てるといった共同教育が難しい時代になってきているのではないかと思われます。
 私ごとで恐縮ですが私にも孫が六人います。それぞれごく近くに住んでいるので必要に応じて妻が出かけ手助けをしたり一緒に遊んだりしてコミュニケーションを取っています。このように、子供の行事や急な用事に仕事の都合をつけることができないといった際に助けてくれる人が身近にいない状況では、近くに頼れる人がいないといった声が上がることももっともであります。昔のように向こう三軒両隣といってどこの家庭の子供であっても我が子や孫と同じように世話をするという文化を復活させることは難しいが、地域で子育て世代を応援するような現代版の仕組みがあってもいいと思うのであります。
 核家族化が進んだといっても地域には子育ての知識や経験があり新米パパ、ママにアドバイスやサポートができる人はまだまだ多くいるはずです。またこれから子供を持とうとする学生などの若者世代にとっても、地域で子供との触れ合う機会が多くなれば将来の生活イメージに現実性を与えることになると思います。これからの若者が子育てが孤独で社会から離れたものだと思うようなことになってはなりません。地域で子育てを応援する仕組みづくりはぜひとも進めていくことが必要です。
 そこで、県は子育て家庭が孤独にならない社会全体で子育て家庭を応援するような子育てしやすい社会の実現に向けてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。
 次に、遠州灘沿岸の侵食対策について伺います。
 本県の御前崎から愛知県の伊良湖岬に至る遠州灘海岸は、かつて広大な砂浜を有しその背後に広がる松林と砂浜のいわゆる白砂青松が織りなす自然豊かな海岸線は高潮や塩害、飛砂等から背後にある居住地域等を守る自然の盾として機能してきました。また環境や利用面では御前崎遠州灘県立自然公園に指定されておりアカウミガメやコアジサシなどの希少な動植物の生息・生育環境に寄与するほか、サーフィンなどのマリンスポーツを楽しむレクリエーションの場としても多くの人々に利用されています。
 しかしながら、高度経済成長期におけるダムの建設や離岸堤の整備など天竜川から供給される土砂の移動を妨げる施設の整備や砂利採取により土砂の需要と供給のバランスを崩しており、数十年前から海岸線の後退がところどころで顕在化しています。特に私の住む浜松市沿岸域では、平成十五年に中田島砂丘前面の埋立ごみが流出しそれが契機となって約二十年もの間県による侵食対策事業が実施されております。侵食対策が行われて以降背後にある居住地域等に影響が及ぶ大規模な侵食被害はないものの、中田島砂丘は年々やせ細り砂浜には石粒が目立つ状況を目の当たりにしています。
 この海岸侵食の原因とされる天竜川からの土砂供給の回復に向けては国土交通省の直轄事業である天竜川ダム再編事業への期待が大きいところでありますが、国が公表する資料によれば実証実験の結果を踏まえ佐久間ダム上流に堆積する土砂をダム下流に吸引する工法からしゅんせつ船によるベルトコンベアで運搬する工法への見直しを行いその工期は令和十三年度にまで延伸されたとのことであります。数十年かけて海岸侵食が進行した歴史を踏まえるとこの国直轄工事でダムから排出された土砂が海岸域に寄与するまでには相当の年月が必要になるのではないかと思います。とはいえ中田島砂丘の現状を踏まえると遠州灘沿岸の侵食対策は待ったなしの状況であります。
 このような状況を踏まえ県は今後どのようにして侵食対策を進めていくのか、方針をお伺いいたします。
 次に、成年後見制度の利用促進について伺います。
 認知症や知的障害、精神障害などの理由で物事を判断する能力が十分でない方々は日常の生活において様々な問題に直面することがあります。預貯金や不動産など自分の財産を自分で管理することが難しかったり、介護や福祉のサービスについても自分で適切な契約ができなかったりするからです。またそのような方をターゲットにした詐欺や悪徳商法に巻き込まれてしまう可能性もあります。
 このように自分で置かれた状況を正しく認識し適切な判断を下すことが難しい方を法的に保護、支援するサポート役の援助者を選ぶことで自分らしく安心した生活を送ることができるようになる成年後見制度は高齢化社会において大変重要な制度であると思います。
 成年後見人には本人の親族が後見人となる親族後見人と行政書士、司法書士、弁護士、社会福祉士などの専門家が後見人となる専門職後見人があります。子供に障害がある方の場合では親や親に代わる親族が成年後見人になることも多く見受けられます。この場合、成年後見人である親が若く子供の支援をできるうちはよいのですが、親が高齢になると成年後見人を続けることが困難になったり親が亡くなった後のことも備えていかなければなりません。このとき新たな成年後見人を選任するに当たり親に代わる親族がいない場合、誰が成年後見人となってくれるのか心配される方もいると聞いています。また被後見人に収入がない場合、成年後見人への報酬の支払いはどうすればいいのか、新たに就任した成年後見人が本当に本人の幸せを考えて支援してくれるのかなど不安に感じている方も多いと聞いています。
 このような不安が生じる要因として親亡き後の子の将来を心配している方に成年後見制度の内容が十分に知らされていないことが挙げられます。また高齢者において、認知症などにより判断能力が不十分になったとき日常の金銭管理などについて御家族が心配されている例もあると聞いています。これらの方が安心して制度の利用や利用の相談ができるよう県としても成年後見制度の普及啓発に一層取り組む必要があると考えます。
 そこで、成年後見制度の周知や利用促進について現在どのように取り組み、今後どのように進めていくのかをお伺いいたします。
 最後に、定年引上げを踏まえた持続可能な行政運営について伺います。
 社会経済情勢や行政を取り巻く環境が刻々と変化する我が国において、複雑高度化する行政課題に的確に対応し行政サービスの質を維持向上させていくためには、専門的な能力及び経験を有する多様な人材の確保、活用が一層必要となっています。
 このような状況の中、知識、技術、経験などが豊富な高齢期の職員を最大限活用するため国家公務員の定年年齢が六十五歳まで引き上げられました。それに伴い地方公務員の定年引上げについても関連法案が成立し、本県ではさきの県議会定例会において関連条例が成立し令和五年四月から職員の定年年齢が段階的に引き上げられることになりました。
 また、定年年齢の引上げと併せて職員の新陳代謝を促進して組織全体に活力を与えること、また高齢期における多様な職業生活設計の支援を図るため新たに管理監督職勤務上限年齢による降任や定年前の再任用短時間勤務を可能とする制度が設けられました。これにより六十一歳から六十五歳までの高齢期と言われる職員にとっては、これまで以上に自らの職業設計に合わせた働き方の選択肢が増えることになるのではないかと思います。
 一方で、定年引上げに伴い六十歳超の職員が引き続き公務部門にとどまることによる、これからの静岡県政を担う新規採用職員の採用が抑制されることや定年引上げ期間中は隔年でしか定年退職者が発生しないことから、従来の退職補充に伴う採用方針では採用者数に大きなばらつきが起こり職員の年齢構成に偏りが生じ今後の行政運営に支障が生じることも懸念されます。さらに個人差はあるが一般的に加齢に伴い身体機能が低下するとともに健康状態に不安を抱えることが多いことから、若手職員と同様の職務内容を遂行することが困難な場合や高齢期の職員にとって厳しい労働環境と考えられる業務もあり適切な配置について検討が必要ではないかと考えます。
 定年引上げが令和五年四月から施行されますが持続可能な行政運営が求められます。県がこれらの懸念事項に対して適切に対処の上、高齢期の職員がやりがいを持って能力を発揮できる環境を整備することで行政サービスの向上を低下させることなくさらなる質の向上を図ることを強く願うところでありますが、県としての所見をお伺いいたします。
 以上が私の質問ですが、結びにふじのくに県民クラブを代表して、この三月末をもって退職されます職員の皆様に御礼とはなむけの言葉を申し上げます。
 本年度末で定年退職をされる予定の皆様は、山本東地域外交担当部長、石野好彦危機管理部長兼危機管理監代理、土村暁文経営管理部長、太田博文交通基盤部長、畑智之出納局長、井上隆興人事委員会事務局長、内野昌美労働委員会事務局長、渡辺弘幸議会事務局長をはじめ知事部局等で二百十六名、教育委員会で五百八十名、警察本部で百十三名、合わせて九百九名と伺っております。
 皆様の多くは昭和三十七年にお生まれのことと存じます。この頃は高度経済成長政策により日本経済の急速な発展を遂げていく時代の真っただ中でありました。その代表的な例としてモータリゼーションの波が人々の暮らしを劇的に変化させていきました。道路も次々と整備され昭和三十八年には日本初の高速道路として名神高速道路が、昭和四十三年には東名高速道路が開通し、県内でもスズキが昭和三十年に軽四輪自動車を、ホンダが昭和三十八年に四輪自動車を発売されました。その後の日本の自動車産業の発展は言うべくもありませんが、自動車の排気ガスによる大気汚染問題の顕在化、さらに昭和四十八年にはオイルショックが起こりガソリン価格が急騰したことによる自動車の低燃費化が求められるようになりました。
 そういった背景もあり、皆様が入庁され御活躍された昭和後期から平成という時代にはガソリン車からEVつまり電気自動車の技術革新が進んでいく時代となりました。常に社会のニーズへの対応が求められる変化の時代、激動の時代であったと言っても過言ではありません。
 そこで、天竜川流域の治水、植林事業に尽力され、また更生保護の父とも言われた金原明善翁の言葉に、事業を重んじ身を軽んず、国力は人なりとあります。まさにそのとおり常に県民の幸福、県政の発展を最優先にし、このような激動の時代に御尽力されたことに改めて感謝申し上げます。
 令和となった昨今では地球環境への配慮、個人の価値観の変化や多様性への配慮などグローバルな視点での持続可能な社会の構築が求められております。そこで定年退職という区切りを迎えますが、これからの社会はまだまだ皆様方の知識や経験を必要としています。それぞれの地域や新しいフィールドでの御活躍されることを御期待申し上げます。そして引き続き本県のためにお力添えくださるようお願いするとともに、これからの人生がより充実したものになるようお祈りを申し上げて私の質問といたします。以下、答弁を求めます。
○議長(藪田宏行君) 川勝知事。
○知事(川勝平太君) 岡本護議員におかれましては、今年度をもちまして定年によって退職する職員に対しまして、特にこの壇上にいる者に対しましては名前を挙げてねぎらいの言葉、そしてまたこの間彼らが尽力した時代背景に触れられて激励の言葉を頂きましたことに対しまして皆に代わりまして厚く御礼を申し上げます。
 また、岡本護議員におかれましても今期をもって勇退されると。余力を残しての御勇退ということでございますが、恐らく金原明善と同様身に私を構えず人のため世のために身を尽くすということの大切さをこれからの人生で明かされていくものというふうにも思っておりまして、これからの御健勝と御活躍を改めてお祈りするものであります。
 それでは、岡本議員にお答えいたします。
 まず、自然との共生に向けた取組についてであります。
 命の営みは食物や水、空気など生物の多様性がもたらす様々な恵みによって支えられておりますが、人間がもたらした経済活動の進展や地球温暖化の進行が生物多様性に大きな影響を与えております。生物多様性の恩恵を永続的に享受していくためには、私たち一人一人が生物多様性の重要性を認識し社会全体で生物多様性の保全と持続可能な利用を進めていく必要があります。
 そのため本県では、ふじのくに生物多様性地域戦略を策定いたしまして、これまで世界クラスの自然資源を有する伊豆半島、富士山、南アルプス、浜名湖を重点地域として野生鳥獣の適切な個体数調整や来訪者マナーの啓発など様々な取組を展開してまいりました。現在戦略の中間見直しを行っております。今後はデジタル技術を活用した生物調査に基づく外来生物対策や希少種の保護などの取組を拡充いたしまして、多様な種や生態系の保全、回復を図ることとしております。
 対象とする地域につきましては、県立自然公園や鳥獣保護区、自然環境保全地域など法令による保護区域に加えて、議員御指摘の国際目標サーティー・バイ・サーティーを見据え里地里山や都市の緑地などにおきましても地域の団体や事業者と連携することでより多くの生態系の保全が図られるように取り組んでまいります。
 さらに、こうした生物多様性への取組が県民の皆様の暮らしや事業活動の中に定着するように環境教育や環境学習を進めるとともに、自然との共生を念頭に地産地消など環境に配慮したエシカル消費を進めてまいります。
 県民や事業者の皆様、環境団体、市町などと連携いたしながら本県の豊かな自然を将来に引き継いで自然と人間が共生する社会の実現に向け全力で取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、子育てしやすい社会の実現についてでございます。
 ふじのくにに生まれた子供たちは地域の大切な宝であります。本県におきましては、子育ては命をつなぐ幸せの愛を育む尊い仕事、要するに子育ては尊い仕事であるという考えの下、子供と子育て家庭を社会全体で応援しております。核家族化が進む中でも子育て家庭が孤立することなく見守られていることを実感できる社会の実現が子供を産み育てる世代の安心感につながるものと認識しております。
 このため県では、地域に即した子供、子育て応援活動を実施する個人、企業、団体をふじさんっこ応援隊として認定して、現在では二千を超える応援隊が活動しております。中でも地域でのネットワークが充実し他の模範となる先駆的な活動団体につきましては毎年度ふじさんっこ応援大賞を授与しておりまして、本年度は子供食堂の枠を超えて地域に出向くアウトリーチ型の子育て支援を行う一般社団法人おたまちゃん食堂をはじめとして三団体を表彰いたしました。また現在ふじさんっこ応援キャンペーンを展開しているところであります。
 私も幼稚園児の子供たちと共に参加した二月十五日のPRイベントを皮切りに県内三か所の商業施設におきまして子供や子育て家庭が集い楽しめるイベントを開催しております。また特設のウェブサイトを用いてしずおか子育て優待カードを含む子育て支援に関する情報を発信するなど、地域における子育て支援のネットワークの拡大を図っております。
 さらに、子供の送迎や預かり等育児の援助を受けたい会員と行いたい会員のマッチングを行うなど子育てを地域で助け合う仕組みを持つファミリー・サポート・センターが県内三十一市町に設置され、昨年度には年間四万八千件を超える様々な活動が行われました。県ではセンターの運営費助成やアドバイザーの資質向上研修などの支援に取り組んでおりますとともに積極的な活用を市町に呼びかけてまいります。
 今後も市町、企業、子育て支援団体などの地域の力と連携して全ての子供と子育て家庭が思いやりに満ちた地域で幸せを実感できるふじのくにを実現してまいります。
 その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を差し上げます。
○議長(藪田宏行君) 太田交通基盤部長。
○交通基盤部長(太田博文君) 遠州灘沿岸の侵食対策についてお答えいたします。
 県では、平成十五年に発生した大規模な侵食被害を契機に海岸工学の専門家等で構成する遠州灘沿岸侵食対策検討委員会を設置し、環境や景観に配慮しながら必要最小限の構造物と養浜による侵食対策を実施するとともに浜幅等のモニタリングを継続しているところであります。
 これまでの取組により波浪等からの防護に必要とする浜幅をおおむね確保しておりますが、約二十年にわたるモニタリング結果から近年沖合部の侵食が進行しており、浜松篠原海岸では令和元年十月の台風十九号により汀線が最大で五十メートル後退するなど大型化する台風や波浪による影響が顕著に表れております。
 このため、天竜川からの土砂により形成される遠州灘沿岸の養浜には河道掘削土砂を最大限に活用することで必要な計画養浜量の確保に努め、モニタリング結果に基づき養浜場所を選定し効果的な養浜を継続してまいります。養浜に際しては防護だけでなく利用や環境にも配慮し養浜材をふるい分けするなど礫浜化を防ぐ取組を引き続き実施してまいります。
 また、必要浜幅を維持するための予測シミュレーションに過去の養浜実績から得られた知見を取り入れ今後の侵食対策に活用してまいります。あわせてこの対策の効果や必要性を県民の皆様に広くPRし侵食対策事業への御理解と国土保全の重要性を呼びかけてまいります。
 県といたしましては、海岸のモニタリングを今後も適切に実施しより効果的な侵食対策に取り組むことにより豊かな自然と美しい景観に配慮した魅力ある遠州灘沿岸の創出に努めてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 八木健康福祉部長。
○健康福祉部長(八木敏裕君) 成年後見制度の利用促進についてお答えいたします。
 認知症や障害等により判断能力が十分でない方の権利を擁護し生活や財産を守る成年後見制度は、必要とする方にとって利用しやすい環境を整備していくことが重要であると認識しております。
 県では、制度周知の講演会を開催する市町に助成するとともに、制度を必要とする方に接する機会が多い福祉サービス事業所の関係者等を対象に具体的な制度の内容や利用方法に関する研修会、事業所への出前講座を実施してまいりました。今後は出前講座の回数を増やすとともに制度を分かりやすく解説したリーフレットを配付するなど、より多くの方に制度を理解していただけるよう普及啓発に一層取り組んでまいります。
 制度の利用促進につきましては、利用希望者の相談や後見人候補の調整などを行う成年後見制度利用促進のための中核機関を県内全市町に設置するため、設置等に係るアドバイスを行う専門職の派遣や市町職員への研修への支援などを行っております。現在三十一市町に設置されており、今後専門職の派遣回数の増加や利用者の意思を丁寧に聞き取る方法を学ぶ研修を拡充しながら中核機関の設置、充実に向けた支援を進めてまいります。
 また、弁護士や司法書士等の専門職による後見人の不足が見込まれる地域においては、今年度から新たにモデル事業として地域の社会福祉法人による法人後見を促進するため、先進事例の情報提供や専門職の助言、担い手養成研修を行っているところであります。今後も市町や社会福祉法人と連携しながら持続可能な体制づくりに取り組んでまいります。
 県といたしましては、県内どこでも等しく必要な成年後見を利用することができる体制を整え県民の皆様の権利が擁護された安心して暮らし続けることのできる社会の実現を目指してまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 土村経営管理部長。
○経営管理部長(土村暁文君) 定年引上げを踏まえた持続可能な行政運営についてお答えいたします。
 定年引上げ期間中においては定年退職者が隔年しか生じないことから、職員の年齢構成への影響や学生等への採用機会の確保等の観点を踏まえ採用者数が年度によって大幅に変動することがないように採用者数の平準化を行うなど計画的な人材確保に努めてまいります。各行政分野において質の高い行政サービスを将来にわたり安定的に供給できる体制を確保するためには一定規模の新規採用職員を継続的に確保していくことが必要であることから、中長期的な視点に立った計画的な定員管理に取り組んでまいります。
 また、高齢期の職員の配置に当たりましては職員がこれまで培った知識、経験等を組織に最大限還元できるよう適材適所の人事配置に努めてまいります。あわせて夜間に及ぶ業務や緊急対応など高齢期の職員にとって過度な負担となるような業務につきましては、公務の能率的な運営に支障がないよう職務の特殊性を十分に考慮した上で若手職員との職務の分担など業務実施体制の見直しについて検討してまいります。
 県といたしましては、職員の定年引上げを踏まえ高齢期の職員が能力を存分に発揮して活躍できるような人事管理に努めるとともに、その知識、経験等を若手職員へ着実に継承することで組織全体としての生産性の向上を図り行政サービスのさらなる向上につなげてまいります。以上であります。
○議長(藪田宏行君) 岡本 護君。
       (六十二番 岡本 護君登壇)
○六十二番(岡本 護君) それぞれ御答弁を頂きました。
 ぜひ早い時期にそれぞれの成果が上がることを御期待申し上げたいと思います。
 最後に、私ごとで大変恐縮ですが一言申し上げます。
 先ほど御紹介頂きましたように、今日まで県議会議員として九期三十六年間を務めてまいりましたが今期限りで区切りをつけることといたしました。議員各位をはじめ当局及び関係する皆様方の御指導、御支援に改めて感謝を申し上げます。
 振り返ってみれば多くの課題に直面してまいりましたが、中でも静岡空港の候補地誘致活動や浜松地域への文系四年制大学設置への取組は大変印象に残る活動でした。今やハイスピードで社会は大きく変化する時代です。その時代を先取りして静岡県のますますの御発展と皆様方の一層の御活躍を御祈念申し上げ私の質問を終わりたいと思います。大変お世話になりました。ありがとうございました。(拍手)
○議長(藪田宏行君) これで岡本護君の質問は終わりました。

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