• 携帯電話向けページ
  • Other language
  • 文字サイズ・色合いの変更
  • 組織(部署)から探す
  • リンク集
  • サイトマップ
  • ホーム
  • くらし・環境
  • 健康・福祉
  • 教育・文化
  • 産業・雇用
  • 交流・まちづくり
  • 県政情報

ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

ここから本文です。

本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成20年9月静岡県議会定例会 質問


質問者:

奥之山 隆 議員

質問分類

一般質問

質問日:

10/03/2008

会派名:

自由民主党県議団


質疑・質問事項:

1 NGO活動家伊藤和也さんについて                 
 (1) 若者達の奮起のための施策                    
 (2) 県の支援                            
2 定住自立圏構想について                      
 (1) 定住自立圏構想と地域振興                    
 (2) 内政制度のあり方                        
3 地方分権型税財政制度について                   
4 食料自給力について                        
5 原油価格高騰に対応した温室メロンの振興対策について        
6 飼料価格高騰への対応について                   
7 茶業の振興について                        
8 子ども農山漁村交流プロジェクトについて              
9 県民の命と医療を守る県民税について



    ○議長 (天野 一君)  ただいまから会議を再開します。
     質疑及び一般質問を続けます。
     通告により、 六十四番 奥之山 骭N。
            (六十四番 奥之山 骭N登壇 拍手)
    ○六十四番 (奥之山 骭N)  質問をいたします。
     伊藤和也さんについて質問いたします。
     八月二十六日朝、 アフガニスタン、 ナンガルハル州ジャララバードにて誘拐され翌日遺体で発見された掛川市出身の伊藤和也さんに、 心から哀悼の誠をささげます。
     アフガニスタンに再び緑をと願い、 医師の中村哲氏の活動を支えるNGO、 ペシャワールの会は、 診療所を運営する傍ら、 干ばつに見舞われた二〇〇〇年以降千六百カ所以上の井戸を掘り、 二〇〇三年からはかんがい用水路の建設に取り組み、 地元の人々を雇ってこれまでに総延長十八キロメートルを完成させました。 だれもが行きたがらないところ、 だれもがやりたがらないことをするのが同会とも言われておるようですが、 その中にあって伊藤和也さんは、 二〇〇三年度から米づくりなど農業支援に力を注いでくるなど、 彼が歩くと子供たちがぞろぞろついてくる、 よく写真を撮ってあげて本当に懐かれていた。 伊藤さんは現地の人たちと同じように、 毎日ヨーグルトとナンを食べて現地の人になり切って頑張っておりました。
     伊藤さんが誘拐されたとの情報が出回った直後、 二千人もの村人が救出のため山狩りに出た。 皮肉にも、 和也君を慕い救いたい一心で集まった多くの村人に追い詰められた格好で犯人グループは銃撃に及んだ。 現地での葬儀にも千人以上の人々が駆けつけて会場に入り切れず、 改めて葬儀が営まれたのであります。
     九月一日、 和也君の生まれ故郷でも葬儀が行われ、 天皇陛下から弔意が伝えられ、 国の内外から多くの人々が駆けつけるなど、 こんな立派な若者が私たちの身近に、 また静岡県民であったことを誇りに思い、 日本も捨てたもんじゃないなあと思ったその夜、 福田総理辞任のニュース、 こちらは日本を捨ててしまいました。 情けない限りであります。 私は、 伊藤和也さんの死を賭した高い志、 とうとい活動はいつの日かアフガンの平和や豊かな農業国としてよみがえることを、 また彼の功績は永くアフガンや日本で語り継がれていくものと思います。
     私は、 彼は県民栄誉賞もんだ、 あるいは知事賞を授与する等、 県民やとりわけ同世代の若者たちを奮起すべく施策があると思います。 知事と教育長にお尋ねいたします。
     また、 今回のようなときに国、 県、 市は何ができるのかを問われたことにもなりました。 事件の一報が入れば御両親や家族は不安と焦りの中で何が何だかわからない。 外務省からの連絡は極端に少なく、 ただひたすら無事を祈るばかりであります。 伊藤宅周辺には、 多くの報道関係者、 確かな情報でもないのに無事が確認されたとの報道が流れた直後、 四十数名の報道関係者を自宅に迎え、 受ける取材は他人には想像もできない苦痛だったのでありましょうし、 取材を受けた直後に遺体発見の報、 現地や外務省の正式な連絡が来る前にテレビニュースが先になる現実は、 家族にとっては地獄のようであったようであります。
     御遺体は中部国際空港にということでありますが、 これも当時塩谷内閣官房副長官を頼み外務省とかけ合って、 空港までは外務省、 あとは自分でやれと言われるなど、 それならそこから先は県なのか、 市なのか、 地元なのか。 来年静岡空港も開港しますし、 今からいろいろ考えていかなければならないと思います。
     県の中にはそれぞれのそれなりの部署がありますし、 それなりの理屈をつければあらゆる支援の方法があったと思いますが、 静岡県警はよくやってくれたと言われておりますが、 その他はいまいちだった。 不眠不休、 困っている遺族、 家族に寄り添って支援することができていなかったことは、 今後に生かさなければならないと考えますが、 知事の所見をお尋ねします。
     次に、 定住自立圏構想についてであります。
     地方から大都市への人口流出防止策を検討していた総務省の有識者研究会は、 五月十五日、 最終報告書を取りまとめ大臣に提出し、 増田前総務大臣は、 平成の大合併後の地域の生き残り策が提示され、 政府の地域活性化統合本部で取り組みたいと述べました。 それは人口五万人以上の中心市と周辺の小規模市町村が協定を結んで定住自立圏を形成し、 医療、 福祉、 道路、 バス路線の維持など自治体間の連携に交付税を配分するものであり、 自治体間連携を強める財政支援の仕組みを新設するのは約二十年ぶりのことと聞きました。
     総務省は、 二〇三五年の人口が二〇〇五年に比べ地方圏で千百七十八万人減り、 東京、 名古屋、 大阪の三大都市圏でも五百三十万人減少すると見込んでおり、 定住自立圏構想は大都市への人口流出を食いとめ、 地域の活力を維持し地域再生を図るとのことであります。 中心市の条件は、 昼間人口のほうが夜間人口よりも多いこととしております。 総務省は、 七月から全国に先行して定住自立圏の形成に取り組む自治体を募集し、 既に高松市、 飯田市など約三十の都市が応募し、 十月までに各自治体から聞き取り調査をしてモデル地域を選ぶ。 認定すれば年度内に特別交付税を配り、 施設整備などの大型事業は来年度以降に普通交付税で支援するとしております。
     この定住自立圏構想に当てはまる地域が県内にあるのかどうなのかまずお伺いいたします。
     また、 合併に向けて進行中の市町村の足を引っ張ることはないのか。 今既に、 向こう五年間で小中学校が全国で千百校なくなると予想されています。 学校がなくなることはそこのコミュニティーの中心がなくなり、 子供の声のしない地域に未来はないと私は考えます。 まず国家や県は、 想定される千百校をつぶさないことを宣言し、 そこからの土地利用、 住宅政策、 交付税等での財政的な支援をして、 この辺をまず守れなければ定住も自立もないと思いますが、 知事と教育長の見解をお尋ねいたします。
     以前にも私は知事に質問しましたが、 まず国会議員の数を半分以下、 みずから範を示す、 役人の数を大幅に減らし、 道州なのか、 さらなる合併で平均四十万人くらいの流域単位での都市をつくり、 中央政府、 地方政府の二本立てにするのか、 この国の形をどうするのか、 どういう治め方をするのか、 総合的・戦略的議論が示されないまま、 今回出されたような定住自立圏構想のように小出しに出されるのはいかがとも思いますが、 知事の所見をお尋ねします。
     次に、 地方分権型税財政制度について伺います。
     国と地方の統治の形をどうするかは、 国と地方の税財源のあり方をも問われているわけであります。 三位一体改革からの反省を踏まえ知事の持論であります税と交付税を合わせて工夫し、 国と地方を一対一、 ないしは地方に少し厚くという方向性。 また知事は、 行政改革を徹底してやっても乗り越えられないのではないかと見通されサービス水準と税とを比較すると、 いま少し負担増をお願いし偏在性の少ない消費税のアップ、 先んじて地方分がどれだけ必要かをまず決めれば、 国の分を含め何%かはおのずと数字が出る。
     国がやらないなら知事会でやるんだと、 国に地方から問題提起をしていこうと研究会も立ち上がり、 地方財政の展望と地方消費税特別委員会が設けられ、 石川知事が委員長に就任し、 私たち県議会や県民も大変期待をしておりますし全国をリードしてもらいたく思っております。 七月の知事会にその中間報告をと言われておりましたが、 どんな議論がなされているかをお尋ねします。
     また、 私は税の集め方、 使い方が生活の近くに感じられる方途が必要と思います。 例えば交通違反をしたときに払う反則金、 税ではありませんが、 全国津々浦々から集めてそれを管理する人たちがまず飯を食べて、 その残りを配るというシステム、 私はこのシステムがもう古いと思います。 これを県独自で行い、 苦情を言われても現場の警察官も 「これはルールです。 この反則金は近くの信号機や交通安全施設等に使われています」 と説明できれば、 まだ納得ができるというもんであります。 ニア・イズ・ザ・ベストであります。
     また、 道路特定財源の期限切れの際の議論ですが、 年度末に来てがたがたするな、 三年から五年かけてしっかり議論すべきと知事は言われて同感であります。 結果として一般財源化ということですが、 ある意味では財務省の思うがままで残念であります。
     私は、 国税を県税にと思っておりましたから、 暫定税率失効や特措法の成立漏れにより、 四月、 五月と段階的に進められてきました道路関係予算のうち、 地方道路整備臨時交付金一兆千二百二十四億八千五百万円の中身を見ると、 トップ東京千百八十億円、 茨城二百二十億円と、 なぜ東京と茨城を比較したかと申し上げますと、 一カ月一世帯当たりのガソリン税、 一位は茨城の一万四十九円、 これに対して東京は二千六百八十四円であり四十七位。 東京は四分の一の税を払い、 一世帯当たりに換算すると茨城とほぼ同額の交付金をもらっているわけであります。 田舎からお金を集めて、 なぜ東京一極集中や発展を応援するのか。 税に見合った地方への配分のシステムにするべきであります。
     また私は、 今日の局地的な大雨、 ゲリラ的大雨により今までは考えられない被害が出ています。 山田誠議員さんを初め、 多くの議員さんから豪雨と河川の整備ということの質問がありました。 私も全国の河川という河川を調査し、 長期的な計画をつくり、 護岸を広げて道路にする。 今ある堤防の道路を倍に広げる。 堤防の外に道路を新設するなど道路をつくりながら河川を守り、 国民の生命や財産を守ることができれば、 だれ一人文句を言う人はないと思います。 局あって省なし、 省あって国なし、 役人の知恵のなさや縄張り意識、 それを国会がリードできないなどあまねく各省に及んでいるわけですから、 もう地方に任せる。 地方が市民、 県民の目線で、 今本当に必要な施策に予算や税を配分する地方分権型税財政制度にすべきと考えますが、 知事の所見をお尋ねいたします。
     次に、 食料自給力について伺います。
     世界的な食料価格の高騰を受けて、 食料安全保障サミットが六月三日、 ローマの国連食料農業機関で開催され、 潘基文事務総長は食料危機を克服するため、 発展途上国への支援などで国際社会の協調した取り組みを要請し、 生産国の輸出規制を最小限にする必要があるとの認識を示しました。
     中南米のハイチでは四月初旬、 食料品の高騰に腹を立てた市民の暴動は十日間以上も続き、 国連ハイチ安定化派遣団の警察官を含む七人が死亡し、 上院は事態を収拾できなかった首相を解任するなど、 食料急騰に揺れる現象が世界じゅうで始まりました。 もとより食料は私どもの生命を維持するものであり、 農業はその食料を生産する生命産業であります。 その生命にかかわる農業を 「もうかるからつくる、 売れるからつくる」、 そういう市場原理主義の中に放り出して食料自給率を高めるというのは無理なこともあります。
     日本は戦争に負け、 GHQの指令により行われました農地改革により、 不在地主の追放、 在村地主の土地所有制限、 内地で一町歩、 北海道で四町歩までとし小作地の八〇%を解放しました。 これだけ小規模に分けられて世界と競争しようというほうが無理なところがございます。 ただ小作であった多くの農民はプロレタリアがブルジョアとまではいきませんが、 プチブルという感じでいわゆる自作農になり守るべきものができたわけであります。 戦前の裁判史の中心である地主と小作との争いはなくなり、 政治的には保守層の増大となって政情が安定するというよい側面はあったと思います。
     自給率だけを言うなら、 一九六〇年  昭和三十五年、 自給率は七九%もありました。 ですが現実には農家は貧しく、 また次男、 三男が家におりました。 これらの若者の働く場所をつくらねばならないと日本は工業化を進め今日に至るわけですが、 工業品の輸出の増大は勢い農林水産物の輸入増となり、 いつでも手に入るという幻想がこの国を包んでまいりました。
     しかし今日、 自国の食料を守るためにカザフスタン、 ロシア、 中国、 セルビア、 インド、 ベトナム、 ウクライナ、 アルゼンチン、 エジプト、 カンボジア、 ブラジルなど輸出を制限する国が多くなってまいりました。 アメリカの輸出管理法、 一九七九年ですが、 国内供給の不測時には政府は国内経済を保護するため必要な輸出制限ができるとなっております。 自国民の食料を削ってまで輸出する国はありません。
     また、 毒入りギョーザや汚染米に象徴されるわけのわからないものは食いたくないという風潮の中、 自給率がやかましく言われるようになりましたが、 自給率を高めることはもちろんですが、 私は自給力を提案します。
     これは、 国及び国民の覚悟をも含む理念であります。 今、 限界集落を含む農地は荒れ放題で原野に戻っている状態であり、 全国の耕作放棄地三十八万ヘクタールや放棄予備軍の土地等、 これらの農地を国家が責任を持つ農地管理事業団のもとに置き、 いついかなるときでも耕作可能な状態に保全し、 種子、 肥料、 農薬、 農機具、 技術を確保し、 いざというときには農家はおろか町の人もみんな出て田畑を耕す、 そういう訓練と意識をさせ、 国民皆農という考えを定着させ、 食べ物が大切、 農業は大切だという国を挙げての教育をし、 今、 女性タレントで大食い競争をさせ食べ物を粗末にするような番組をやめさせ、 スポンサーになる会社はペナルティーを与え、 不測のときには生みそをかじっても三度三度飯が食える生産体制をとる。 まさに自給力の確保が必要と考えますが、 知事の所見をお尋ねします。
     次に具体の質問をいたします。
     原油価格高騰に対応した温室メロンの振興対策についてであります。
     私の地元は、 日本一のメロンが有史以来の危機であります。 多くの農業団体の中で、 今日まで行政におんぶにだっこをせず独立独歩でやってきた組織はありませんが、 価格の低迷と原油高でつぶれている農家がふえてきました。 そこで県のしずおか産業創造機構の研究開発事業により、 木質ペレットのボイラー実証に取り組んだ結果が予想よりよく、 温室八棟、 二百七十四坪で重油暖房で三百七十万円かかるところが、 木質ペレットで百八十九万円と約半分でいけたものですから、 ほかにやりたいという生産者が出てきております。
     県に調べてもらうと、 農林水産省の施設園芸対象の補助事業では、 木質ペレットボイラーとあわせメロン温室の構造上困難な原則三層の被覆設備の導入が必要だと、 あるいは経済産業省関係のNEDO  技術開発機構の事業ではペレットボイラー等は導入できません。 制度はあっても農家には導入しにくい制度になっています。
     それならと、 袋井市では農水省のバイオマスタウン構想でやろうと検討しておりますが、 この場合、 同じクラウンメロン支所でも袋井市民はいいが他の市町はだめだということになります。 また申請も個人でなくて組合でというときに、 こんな大変なときに組合員同士がもめごとをふやすような政策であります。 この政策はやめてもらいたい。 ぜひ知事から国に要望し、 国がだめなら県でやってもらいたいと考えますが、 所見をお尋ねいたします。
     さらに、 このペレットは岡山県の会社から買っているのですが、 私はもりづくり県民税を財源とした森の力再生事業などにより、 今、 山に切り捨てておる間伐材を里まで運び、 例えば浜松市天竜区のあたりで工場をつくってもらえると山よし里よしになるわけです。 来年度予算でモデル工場建設の道を開いてもらいたいと考えますが、 知事の所見をお尋ねします。
     また、 県温室農協の四支所の統合についてであります。 漁協と同様一本化し、 原油価格が高騰し厳しい経営状況でありますので、 こういうときこそ合併をし再出発をしなければなりません。 知事の所見をお尋ねいたします。
     次に、 飼料価格高騰への対応についてであります。
     酪農家は暗いうちに起きて乳を搾り、 高いえさをくれ、 ふんをかき、 土日も休まずに働いていますが、 生産された牛乳はペットボトルの水より安いんでは泣けてきます。 えさの値段が上がっている中、 耕作放棄地での飼料用トウモロコシの栽培や転作田を利用した飼料用米の生産が行われていることは承知をしています。 また年間四十万人くらいの県民が河川愛護活動で堤防等の草を刈っているわけですが、 刈りっぱなしで腐って次の年は刈りにくくて仕方ありません。 この草も集めて牛のえさにできるものと思いますし、 まだまだ飼料として使えるものがあり、 稲の刈り取り後のわら等についてもその活用策を考えていただきたいと思います。
     また、 食鳥処理業者の負担を軽減するために食鳥検査手数料の見直しができないか、 県の考えを伺います。
     次に、 茶業の振興でありますが、 今後茶園の基盤整備を推進すること、 いわゆる改植が必要ですが、 永年性作物のため、 二、 三年収入がなくなるためその間の対策について伺います。
     また次に、 都会等のお年寄りのひとり暮らしでは、 大事なお客様が来るとき一煎六グラムを使うのみで、 一袋百グラムの袋を買ってしまっても残りがまずくなると言われています。 今後販売促進のためのマーケティングを大いにやるべきと思いますが、 県の考え方を伺います。
     また、 茶園の施肥量の削減についてであります。 窒素量を減らしたことによりお茶の味が薄くなったではないかという声があります。 本当に一律に減らしてもいいのでしょうか。 荒茶から仕上げ茶とするときの火入れが難しくなった、 火映えがしないとの専門家の意見も聞かれます。 その土地の土壌や降雨量によっても施肥の必要量が異なり、 慣行区と施肥削減区との比較を行う必要があると思います。
     県では、 このような調査研究にどのように取り組み、 今後どのように茶園の施肥改善を図っていくのか、 所見をお尋ねいたします。
     次に、 子ども農山漁村交流プロジェクトについて伺います。
     ことしの春、 子ども農山漁村交流プロジェクト推進協会長に川勝文芸大学長選出という見出しが静岡新聞に載っておりました。 農林水産省、 総務省、 文部科学省の三省は、 四月二十五日、 小学生に農山漁村で一週間程度の宿泊体験をさせるプロジェクトの推進組織を立ち上げ、 その長に川勝学長を選出されました。 このプロジェクトは、 今年度は五十地域をモデルに、 五年後には全国の小学校で体験活動を展開することを目指し、 一学年百二十万人を日本全国各地の農山漁村において受け入れる体制の整備を進めるものであります。
     静岡県は豊かな自然を生かしたグリーンツーリズムの推進に力を入れており、 空港等もできるわけでありますから、 県民満足度日本一と同時に来県者満足度日本一の施策を展開すべきであります。 子ども農山漁村交流プロジェクトの受け入れ体制づくりを進め、 川勝会長を擁する静岡県は積極的に交流促進を図ることが重要と考えますが、 知事及び教育長の考えをお尋ねいたします。
     最後に、 県民の命と医療を守る県民税について伺います。
     二〇〇四年、 福島県立大野病院で帝王切開で出産した女性が手術中に死亡し、 担当した医師が逮捕されるというショッキングな事件がありました。 この件については昨日知事も触れられました。 その後裁判になり、 つい先ごろ無罪とはなりましたが、 この事件も産婦人科医の減少の一因と言われています。 最善の努力をしても幾ら手を尽くしても救えない命もある。 出産は病気ではない。 そのとおりでありますが、 医療事故への補償や妊婦の健診等も含め、 その足らざるところを補い合うために県民が負担し合ったらどうか。
     美しい郷土、 ふるさとを愛する県民の心を結集すれば県民の医療の向上が達成でき得るものと考えます。 そんな静岡県を目指し努力する姿勢に、 静岡県で働いてみたいと思うお医者さんや看護師さんが出てくるものと私は信じております。
     県民の命と医療を守る県民税構想に対し、 知事の御所見をお尋ねして私の質問を終わります。 (拍手)
    ○議長 (天野 一君)  石川知事。
            (知事 石川嘉延君登壇)
    ○知事 (石川嘉延君)  奥之山議員にお答えをいたします。
     初めに、 NGO活動家伊藤和也さんについてのうち、 若者たちの奮起のための施策についてであります。
     高い志を持ってアフガニスタンの復興のために農業指導に当たっていた伊藤和也さんが、 このたびの不幸に遭われ命を失ったことは大変残念なことであり、 伊藤家並びに関係の皆様に対して心から哀悼の意を表します。 故伊藤さんが、 みずからの危険を顧みず、 遠いアフガニスタンの地で現地住民に溶け込み農業の発展に誠心誠意取り組んだ結果、 現地の方々に心から慕われるまでになった一連の活動は大変とうといものでございます。
     本県の若者たちの国際貢献につきましては、 事件等が発生した場合の対応が制度的に確立をしている海外青年協力隊などは一定の対応がシステム化されておりますけども、 それ以外の方々については状況の把握もできておりません。 突発的にこのような事件が突然もたらされるというようなことでありますし、 どのような事情でそういう事態になったかというのも、 県段階では第一情報は得られないというケースが多いわけでございます。 したがって今回の事案をベースに、 外務省に対してもですね、 地元自治体に対する情報の提供の仕方についても改善方を申し出ておりますけれども、 それが現実に改善されるようにこれからもさらに一層努力をしていくつもりであります。
     それはともかくとして、 今回の伊藤さんに限らず、 海外でいろいろNPO・NGO活動で活動した方々が累計で、 これまで本県でも千百名には上ってるというふうに把握をしております。 このような活動について県民の皆様にもお伝えし、 今後多くの若者がまたそういう面で国際貢献に取り組んでいただけるように、 広報の一層の充実に努めてまいります。
     なお、 伊藤さんの表彰につきましては、 これを機に今まで申し上げたようなことも含めていろんな点を考慮して検討してまいります。
     次に、 定住自立圏構想でありますが、 まず定住自立圏構想と地域振興であります。
     定住自立圏構想は、 住民の生活圏を基礎にして、 圏域全体で役割分担しながら生活機能を整備するという考え方を基本に、 圏域全体の暮らしに必要な都市機能を担う中心市と、 過疎化や高齢化が進む一方で農林水産物や豊かな自然環境を提供する周辺市町村が、 相互に補完し合うことによって地域の振興を図っていく、 そういうことをねらっていると承知をしております。
     具体的に本県で今回の構想に該当するところはどこかといいますと、 今の想定では、 人口規模の目安が五万人以上で昼夜間人口比率が一以上の中心市ということでありますので、 平成十七年の国勢調査結果をもとに本県内を見てみますと、 二つの政令市、 静岡・浜松市を含む七市がその要件を満たしている状態であります。
     県といたしましては、 定住自立圏構想の動向を注視しつつ、 今後とも国の財政支援制度を活用しながら、 中山間地域や過疎地域等での生活基盤の整備や産業振興を推進するとともに、 市町村と協働して東京での移住希望者向け相談会への参加や交流定住情報サイト 「ゆとりすと静岡」 による地域情報の発信等を通じて、 地域への定住や交流促進に取り組んでまいります。
     次に、 内政制度であります。
     奥之山議員のほうから以前に、 中央政府と百五十から三百程度の都市から成る地方自治体二本立てとする国と地方の一体的統治の実現について、 興味深い御意見をいただいたことを記憶しております。 私は、 学識経験者等に依頼をして、 私の提唱してまいりました政令県構想やあるいは今本県内で進めようとしております多極分担型の県土形成、 これについていろいろ検証していただいて、 大方の賛同を、 その方々からはいただいたというふうに思って、 以来、 それをベースにですね、 静岡県政の運営をしているつもりでございます。
     しかし、 より根本的には国の統治構造、 これをどういうふうに再構築するかによってですね、 我々もまたそれに見合うような対応も迫られてくることになりますので、 国におきます検討状況についても注視をするとともに、 我々の意見もいろんな機会を通じて述べていく必要があるというふうに考えております。
     そういうさなかに広域定住圏構想なるものが出てまいりまして、 奥之山議員の御指摘のとおり、 根本的なところが、 今非常に問題ができているのに、 小手先のそのような構想で十分なのかという思いは私も同様に感じます。
     三位一体改革の過程の中でも、 これまで自治省時代から進めてこられた広域市町村圏構想とか、 あるいは地域総合整備事業債制度を活用した広域的な行政の展開のサポート措置ですね、 すなわち交付税措置をぶら下げて地方を引っ張るという、 そういう自治省、 総務省のやり方についても非常に問題ではないかという意見も相当強くなってきているさなかであります。
     そういう中に、 またこの定住圏構想を出してきたということについて、 大変私は総務省自身の反省が足りないというふうに思うんですね。 そんなことよりも、 三位一体改革の、 何というか、 副作用の是正、 これをもっと力を注いでもらいたいと思うんですけども、 何か大臣がかわる都度、 目玉みたいなものを打ち上げてですね、 この目玉も福田内閣がかわって麻生内閣、 あるいは今度総選挙でどういう内閣になるかわかりませんけども、 早晩これも消滅していくんじゃないかという感じすらするんですよね。
     そもそも交付税そのものが今、 従来から各都道府県、 市町村が行ってきた地域住民のためのさまざまなきめ細かな施策、 これをやろうとしても財源が足りない状態になってきてるわけですね。 そういう中に、 総額をふやさないで、 その中で自分たちがこういう方向へ誘導しようって言っていろいろ旗振ってもですね、 くっついてく余地もないところもいっぱい出てきておりますし、 あるいは仮にそれに誘導されて何かやってもですね、 ほんとにそれがいいのか。 今のその中心都市と周辺部を一体化して圏域を構成しろっていっても、 ほんとにそれがうまくいくもんかどうか。 うまくいってほんとに今の過疎問題なんかが解消されるかっていえば、 非常に私は疑問に思わざるを得ないわけですね。
     したがって、 国と地方の役割分担、 あるいは税財源も含めたもう一遍再構築ですね、 これを真剣にやっていただかなきゃいけない。 それをやる際は、 何というか、 少なくとも日本のような非常に高度な段階の社会構造は、 まあ建物に例えると非常に精密な構造計算をした上で建築しなきゃいけない近代高層建築にでも例え得るような、 精密な機構が今出来上がってるわけですね。
     したがって、 その中のどれかを動かしたらどういうところにどんな影響が出るか、 実は相当入念に検証した上で、 全体そのバランスが崩れないか、 うまく新しい仕組みに移行できるか、 それを十分に検証した上でないとやるべきではないというふうに思うんですね。 それは何度も繰り返しますようですが、 三位一体改革がそれを示してるわけですね。
     したがって、 今度の総選挙後、 何というか、 しっかりした政治体制、 これは与野党勢力が仮に伯仲してもですね、 国会の場で国民のためになるような議論を入念にして、 制度を組み立てて改変していくと、 そういう政治の新しいルールができ上がることを期待するし、 そういう制度のもと、 仕組みのもとで、 社会の隅々までいろいろ見回した入念な議論と設計をした上で取り組んでもらいたいというふうに思っているわけでございます。
     それから分権型の税財政制度でありますが、 これも実は全国知事会初め六団体では、 国と地方の税源を二分の一、 一対一にしろと、 こういうことを言ってるんですね。 ところが税源配分で一対一にすると、 実は地方団体間に著しい格差が発生します。 したがって実は建前で一対一にしろと言ったものをですね、 本当にそれでみんなが納得するかっていうと、 それは一方で、 どうもそうなりそうもないなという気分が知事会の中でも出ておるわけでありまして、 今さら言ったから引っ込められないという妙な何というか、 こだわりのもとにこの国対地方の一対一が言い続けられてるんですね。
     こういうものも、 やがて本音できちんとしなきゃいけないと私は思うんですけども、 まだ多数の意見にならないんで残念なんですけども、 と同時に力不足を感ずるんですけども、 実はその単純に一対一で分けてもどうしようもないと、 税源をですね、 むしろ交付税みたいな不均衡是正の仕組みですね、 これとセットで財源として一対一にするとか、 仕事の割合に従って六対四にするとか、 こういうことをきちんとやってかなきゃいけないわけです。
     実はいろんな議論をする過程でそういうようなことを発言すると、 どうも何か知事の中には、 そんな議論は霞が関の課長補佐がする議論だとか、 もう全くわからない議論が横行するんですね。 しかもそれがマスメディアに大きく取り上げられて、 石川さんはこういう話があるけどこれどうだなんて、 またアンケート調査が来てですね、 もうほんとに嫌になっちゃうような状態なんですね。 ですから、 いつまでもこういう状態を繰り返しておったんでは、 何ら生産的な改革はできないと。 早く落ち着いてまじめに議論して、 きちんとした制度設計ができるようにこれからも一層努力をいたしますが、 そういう思いが強くしているわけでございます。
     次に、 食料自給力の問題であります。
     昨今の食料価格の高騰とか、 あるいは安全性を脅かすような中国からの食品の輸入ですね。 あれは最近は中国産だけにとどまらずに、 ついきのうかおとといはニュージーランド産の乳製品にもメラミンが入っていたというような報道もありましたけども、 いずれにしても安全という面と、 食料不足になるかもしれないという展望のもとで、 この食料自給力の問題は大変重要だと思います。
     その際に、 我々供給の供給力を高めるということが一つ重要でありますが、 他方、 特に日本の場合はお米の消費が減ってるわけですね。 これをどうするかというのは大問題だと思うんです。 最近、 小麦粉の値段が上がったりしていることを背景に米粉が大変注目されておりますけども、 それでも値上がりした小麦粉と比べてもですね、 まだ米粉が倍近く、 倍以上ですかね、 高いという現実がありますので、 幾ら米粉のいろいろ利用拡大を呼びかけても、 やっぱり経済合理性を考えると、 そんなに急拡大しないんじゃないかというふうにも思われるんですね。
     したがって、 これから食料自給率を高めていくためにも、 もっともっと我が国は、 米の用途の拡大についての研究開発はもちろん必要であると同時に、 何だかんだ言ってもやっぱり米の生産性の向上をもっと図るということが必要だと思うんです。 農水省もですね、 いろんな研究機能も持ってるし、 都道府県でも研究機関もありますので、 米についてはもうとにかくもっともっと生産性を上げて、 かつてのように米の分野についても国際競争力があるような時代があったわけですから、 そういうことを復元する、 これに努力を傾けていくべきではないかと。 そうすると自然にですね、 米の消費が拡大をし自給率も高まってくるというふうに私は思うんです。
     あわせて啓発も必要だと思いますが、 啓発だけでは限界があるし、 またパンや小麦の食品をやめて米を食えというわけにもいかないと思うんですね。 ですからやはり急がば回れで、 生産性の向上というのをあくまで追求すべきだというふうに思います。
     本県では、 農業の生産性の向上について土地利用型農業規模十倍推進事業というのを、 今推進をし始めました。 これによって米だけではなくてミカン、 茶など経営規模の飛躍的な拡大を目指して、 農協や大学等と連携しながら農業機械の開発、 新しい栽培技術の実証に取り組んでその実現を期してまいります。
     耕作放棄地の問題でありますけれども、 平成十八年度から各農林事務所ごとに耕作放棄地解消プロジェクトをスタートさせまして、 市町村や農協等と連携しながら牛や羊の放牧、 菜の花やサツマイモ、 飼料用作物の栽培など、 地域の実情に応じた取り組みによって耕作放棄地の解消に努めております。 これの効果が上がることを期待しておるわけでありますが、 これについてはもっともっとやはり生産性を上げるということをベースに取り組んでいかないと、 一時的な流行で終わってしまいかねないと思いますので、 その面でも努力をしなければいけないと思います。
     また、 食べ物を大事にし農業の大切さを理解することは大変重要であります。 非常にマクロの数字で言うと、 日本に入ってきた食料の六割ぐらいしかほんとに消費されない。 四割はごみになってるという説もあるぐらいでありますので、 食べ物を大事にするということは大変重要なことだと思います。
     そこで、 教育ファーム等の事業を実施いたしまして、 子供たちが農作物の栽培から収穫、 調理・加工して食べるまでの一連の体験をすると、 そういうことを通じて食べ物を大切にする心を養うなどの取り組みも始まったところでありますので、 静岡県食育推進計画に基づいてこのような種類のさまざまな食育事業が活発になるようにこれからも取り組んでまいります。
     それから次に、 子ども農山漁村交流プロジェクトについてであります。
     このプロジェクトの実施に当たりましては、 市町村、 農林漁家、 観光協会などの関係者で構成する地域の推進協議会の設立や子供の農林漁家への民泊などが求められております。 県内では、 体験の里アクティ森を拠点とする森町など十地域が受け入れ体制の整備に取り組んでおります。 県では、 今年度これらの十地域を対象に、 農林漁家民泊のポイントや関連法令などに関する研修会を開催するとともに、 国の農山漁村活性化プロジェクト支援交付金を活用して、 島田市笹間地区の廃校を活用した宿泊研修施設の整備を支援することにしております。
     県といたしましては、 子ども農山漁村交流プロジェクトが県内各地域で実施されるように、 今後とも関係方面と連携して受け入れ体制の整備を進めてまいります。
     その他の御質問につきましては、 関係部局長、 教育長から御答弁を申し上げます。
    ○議長 (天野 一君)  遠藤教育長。
            (教育長 遠藤亮平君登壇)
    ○教育長 (遠藤亮平君)  NGO活動家伊藤和也さんについてのうち、 若者たちの奮起のための施策についてお答えいたします。
     初めに、 伊藤和也さんという前途有望な若者を失ったことは、 社会にとって大変大きな損失であるとともに、 深い悲しみであり、 ここに謹んでお悔やみ申し上げます。
     伊藤さんが学ばれた磐田農業高校は、 「品性を高うして、 労働を重んずる」 の校訓のもと、 幅広い教養と専門的な知識を身につけた優秀な人材を多数輩出している創立百十周年余りの伝統校であり、 そのような環境の中で農業を学ばれた伊藤さんは、 NGOに所属して海外でも自分の磨いた技術を生かして農業支援を行ってきた高い志を持った方でありました。 私は、 伊藤さんのように高い志を持ってみずからを奮い立たせ、 頑張って未知の分野に果敢に挑戦していくことは、 次の時代の日本、 静岡県を考えたとき極めて重要であると思います。
     若者たちがみずからを奮い立たせる気持ちを持つには、 まず自分に対して自信を持つことが大切であります。 それは周りから感謝されたり、 ねぎらいの言葉をかけられたりするという成功体験を数多く積み重ねることによって得られます。 その手段といたしましては、 ボランティア活動等が大変有効であり、 数多く場を踏むことで、 他者から認められ自己の存在に自信を持ち、 みずからの奮起につながっていくのだと思います。
     県教育委員会といたしましては、 今後も学校や地域の中で、 若者が参加できるボランティア活動等の場を多く提供できるよう努めてまいります。
     次に、 定住自立圏構想についてのうち、 定住自立圏構想と地域振興についてであります。
     現在、 県教育委員会で把握している統合される公立小中学校について申し上げますと、 平成二十一年四月一日に賀茂郡南伊豆町立南崎小学校と南伊豆町立竹麻小学校とが統合し、 南伊豆町立南伊豆東小学校を新設するというものがあります。 この統合におきましては、 児童数の減少により発生する複式学級の解消を図るために行うもので、 子供たちにとってよりよい教育環境の充実を考えたものととらえております。
     今後の小中学校の統合につきましては、 設置者である市町村が子供の人数の変動や地域住民の理解等を踏まえ、 将来にわたる教育環境を考慮しながら、 市町村みずからが判断、 決定するものであります。 児童生徒数の減少を考えたとき統合の可能性はあると考えております。
     次に、 子ども農山漁村交流プロジェクトについてであります。
     子供たちの豊かな人間性や社会性をはぐくむためには、 自然体験や勤労体験などさまざまな人、 社会、 自然と直接的にかかわる実体験が極めて重要だと考えており、 各学校においては学校行事や総合的な学習の時間を中心に体験活動の充実に努めております。 そのような中、 農山漁村での民泊を伴う体験活動につきましても、 既に県内の小学校五校、 中学校十六校で実施しております。
     議員御指摘の子ども農山漁村交流プロジェクトについては、 文部科学省の委託による豊かな体験活動推進事業の農山漁村におけるふるさと生活体験推進校として本年度からスタートいたしました。 本県におきましても、 中学校一校がモデル校として指定を受け、 漁村における自然体験や漁業体験を通して自分たちの住む地域と異なる生活や文化を実感したり、 地元の方々との心の交流ができた等の成果が見られました。
     今後も、 本プロジェクトにつきましては、 各市町村教育委員会や学校に対し周知等の徹底を図るとともに、 モデル校の拡充に努めてまいりたいと考えておりますが、 一週間程度という長期宿泊の意義についての理解や教育課程への位置づけ、 受け入れ地域の整備状況等の課題もあるため、 引き続き県の関係部局との連携を図りながら事業の推進方策について検討してまいります。
    ○議長 (天野 一君)  山村企画部長。
            (企画部長 山村善敬君登壇)
    ○企画部長 (山村善敬君)  NGO活動家伊藤和也さんについてのうち、 県の支援についてお答えいたします。
     今回、 伊藤和也さんが危難に遭われた地域は、 外務省が一年以上前から退避勧告を出している危険地域であり、 海外を含め国民の生命財産を守る第一の役割を担う国においても、 十分な情報が収集できない状況であり、 当初から安否情報が錯綜する中、 県としても伊藤さんの安全を祈念し注意深く情報収集に努めてまいりました。 県としてでき得る限りの努力をしてまいりましたが、 国及び地元市町村との協力や御家族との連絡調整等について、 さらに考慮する必要もあったと考えております。
     このため、 県といたしましては、 今回の教訓を踏まえ国に対して、 国、 県、 市町村の役割分担の明確化を初め邦人保護に対する法整備の充実など制度上の要望等を働きかけていくとともに、 二度と起きてはなりませんが、 万が一同様な事件が生じた際には市町村、 外務省等国の関係機関との連絡調整を図るなど、 御家族へのきめ細かな機動性ある対応に努めてまいりたいと考えております。
    ○議長 (天野 一君)  杉山産業部長。
            (産業部長 杉山栄一君登壇)
    ○産業部長 (杉山栄一君)  原油価格高騰に対応した温室メロンの振興対策についてお答えいたします。
     温室メロンにおける木質ペレットボイラーの導入につきましては、 静岡県温室農業協同組合や関係市町と連携し、 農業近代化資金などを活用してその普及に努めているところでありますが、 導入がさらに進むよう、 国に対し事業採択要件の緩和や補助対象設備の拡大など補助事業の拡充を要望してまいります。
     木質ペレットのモデル工場建設についてでありますが、 本年七月、 天竜地域において、 地元商工会や機械メーカー等によりペレット生産、 販売等を目的とした有限責任事業組合が発足いたしましたが、 原料の調達元やペレットの需要先が不確定であることなどから、 当面はこれらの課題が解決されるよう、 県としては情報提供や助言などをしていくこととしております。
     また、 温室農協支所の統合につきましては、 温室農協において統一したブランドにより、 戦略的な生産販売対策を進めることの重要性を認識し、 現在支所の統合について検討を進めているところでありますので、 統合が早期に実現できるようできる限りの支援をしてまいりたいと考えております。
     次に、 飼料価格高騰への対応についてであります。
     稲わらは、 牛の粗飼料として重要な資源であり、 その利用拡大は飼料の自給率を向上させるための有効な手段と考えております。 このため県では、 平成十七年度に策定した静岡県酪農・肉用牛生産近代化計画に基づき、 稲わらの効率的な収集と供給を行うため、 収集運搬に係る組織の育成と機械整備への助成により利用拡大を図っているところであります。
     このような中、 遠州中央農協管内では平成十二年度に稲わら供給組合が設立され、 十七ヘクタールの水田で稲わらの収集を開始し、 その後、 大型の収集運搬機械と稲わら保管庫を整備したことにより、 今年度は百ヘクタールの水田で稲わらを収集し地域の酪農家と肉牛農家二十一戸に供給しております。 このほかにも、 県内二つの農協の管内で三つの組織が四十ヘクタールの水田で稲わらを収集し十一戸に供給しております。
     県といたしましては、 引き続きこれまでの取り組みを進め稲わらの利用拡大に努めるとともに、 堤防などの野草の利用についても、 今年度、 安倍川においてその可能性を検討することとしております。
     また、 本県の食鳥検査手数料は一羽四円で全国平均の四円三十三銭を下回っておりますが、 今後他県の動向や諸般の情勢を注意してまいりたいと考えております。
     次に、 茶業の振興についてであります。
     茶園の基盤整備後における一時的な収入減少への対策についてでありますが、 茶園の共同管理の機能を持つ茶工場などを対象に、 茶園の畝方向の修正や小規模な改植など、 低コストで早期に収入の確保が期待できる簡易な整備を積極的に推進することにより、 基盤整備に伴う収入減少期間の生産者個々の負担の軽減に努めてまいります。
     次に、 お茶の販売促進のためのマーケティングについてでありますが、 多様な消費者ニーズにこたえ売れるお茶づくりを進めるためには、 生産者と流通業者が連携してマーケティングに基づいた商品開発を行うことが重要だと考えております。 このため県では、 茶マーケティング講座の開催や、 売れるしずおか新銘茶づくり推進事業による新商品開発への支援を行っているところであり、 今後もこうした取り組みを推進してまいります。
     次に、 茶園の施肥改善についてでありますが、 県は環境への負荷軽減を図るため、 平成十八年度から茶業団体などとともに、 平たん地から山間地までの茶園二十カ所に、 十アール当たり年間窒素施肥量五十四キログラムの慣行栽培に対し四十キログラムに削減した実証展示圃を設置し、 収量や品質の比較調査を行っております。 今後は、 調査結果をもとに肥料の種類や施肥時期などについて検討し、 平成二十一年末までには施肥削減技術指針として取りまとめ、 平成二十二年の栽培に反映させてまいります。
    ○議長 (天野 一君)  大須賀厚生部長。
            (厚生部長 大須賀淑郎君登壇)
    ○厚生部長 (大須賀淑郎君)  県民の命と医療を守る県民税についてお答えいたします。
     安心して医療を受けられ、 健康で生き生きとした生活を送ることができる環境の整備は、 県民だれもがひとしく望むところであり、 健康で心触れ合う安心社会づくりは県政の最重要課題の一つであります。 このため健康長寿日本一を目指し、 医師及び看護職員の確保を初めとして、 さまざまな重点施策に取り組んでいるところであります。
     議員から御提案のありました県民の命と医療を守る県民税の創設は、 こうした重点施策を実現する一つの手法であると考えられますが、 県民に新たな負担をお願いすることになりますことから、 何よりその意義や必要性について十分に理解していただくことが大切であります。 したがいまして、 今後関係者の皆様の意見を伺いながら幅広く研究してまいりたいと考えております。
    ○議長 (天野 一君)  これで奥之山骭Nの質問は終わりました。

お問い合わせ

静岡県議会事務局議事課

静岡市葵区追手町9-6

電話番号:054-221-3482

ファックス番号:054-221-3179

メール:gikai_giji@pref.shizuoka.lg.jp