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ホーム > 静岡県議会 > 本会議会議録 > 質問文書

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本会議会議録

質問文書

開催別知事提案議員別代表質問一般質問検索用



平成24年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

山田 誠 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/28/2012

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 脱法ドラッグについて                      
 (1) 人体に与える影響と県としての対策               
 (2) 警察の認識と対策                       
2 外国人による水源地等の土地の取得に対する対応について      
3 地籍調査について                        
4 河川管理について                        
5 森林・林業施策について                     
6 軽度及び中等度難聴児に対する補聴器購入費の助成について                                
7 県立静岡がんセンターの運営について



    ○副議長(大石哲司君) これで山本貴史君の質問は終わりました。
     次に、四十三番 山田 誠君。
           (四十三番 山田 誠君登壇 拍手)
    ○四十三番(山田 誠君) 私は自民改革会議の所属議員として通告に従い、知事、関係部局長及び警察本部長に当面する県政の諸課題について伺います。
     まず初めに、脱法ドラッグについて伺います。
     厚生労働省においては違法ドラッグ、警察庁においては脱法ドラッグといったように、国の省庁においてもまたマスコミにおいてもさまざまな呼び方がありますが、ここでは脱法ドラッグと呼ばせていただきます。
     現在、これらの脱法ドラッグは対応する法律がないため所持や摂取、売買は禁止されておりませんが、人体摂取目的に販売した場合に薬事法違反になることから、使用目的を詐称してクリーナーや芳香剤等の名目で販売されているのが実情であります。二〇〇七年四月に施行された改正薬事法では脱法ドラッグ対策として指定薬物という区分ができ、指定薬物として取り締まることができるようになりましたが、ほんの少し成分構造を変化させることで取り締まり対象外になってしまうことから取り締まりが大変困難となっております。
     以前から、マスコミの報道においても時々取り上げられておりますが、この脱法ドラッグによる人体への健康被害や交通事故が多数発生をしており社会問題化しております。県内においても、昨年一年間でこれらにより意識障害を起こし救急搬送された方がおります。今月一日には、大阪ミナミで発生した自動車事故で逮捕された容疑者が「脱法ハーブを吸っていた。事故当時のことについても覚えていない」などと供述するなど大きな問題となっております。このように、脱法ドラッグの使用により本人への健康被害だけでなく第三者に被害を及ぼす危険もあることから、早急な対策が必要であります。
     先ほども述べましたが、脱法ドラッグは専門店やインターネットを通じて簡単に手に入ることから今後もさらに拡大していくことが予想され、それにより事件事故といったものが多くなることが考えられます。大麻や麻薬というと危険性への認識もある程度持っておりますが、似たような成分が含まれ幻覚症状などを引き起こすにもかかわらず、違法でないといったことから手を出す者は後を絶たないのであります。国による規制強化などが必要であることはわかっておりますが、県としても早急にできる限りの対策を講じる必要があると考えます。
     そこでお伺いいたしますが、脱法ドラッグが人体に及ぼす影響等について県はどう認識をしているのか、県として現時点での脱法ドラッグに対する取り組みはどのようになっているのか、また薬事法や麻薬及び向精神薬取締法での取り締まりが困難な中、警察としてはこの問題についてどのような認識を持っているのか、三点伺います。
     次に、外国人による水源地等の土地の取得に対する対応について伺います。
     先月、国土交通省と農林水産省は、平成二十三年の一年間における外国資本による森林買収の取りまとめ結果を公表いたしました。それによると外国法人及び個人に買収された面積は百五十七ヘクタールで、件数は十四件であります。平成二十二年は四十五ヘクタールであることから、比較すると三・五倍となっております。この調査以外にも都道府県から土地の買収の報告がされています。外国人による森林買収の目的は資産保有や別荘などとなっておりますが、将来的な目的は定かではありません。世界的な人口増加などにより水不足が取りざたされる中、今のうちに水源地の確保をしておきたいという考えも背景にあるのではないかとも言われております。環境保護を目的としたさまざまな規制があることから簡単に開発するわけにはいきませんが、可能性は否定できるものではありません。
     さて、外国人が日本の土地を取得するに当たって規制する法律は、大正十四年に制定された外国人土地法がありますが、関係法令が整備されていないことから全く機能しておりません。現在外国人による土地の取得については取引後の届け出が制度化されているだけであることから、外国人による日本の土地の取得は可能であり、水源地であることを理由として制限することはできません。
     我が県は、県土の半分以上が森林であり水を豊富に蓄えた水源地を有していることから、他県のように外国人が我が県にとって大切な資源である森林を買収するのではないかと懸念を持っております。飲み水はもちろんのこと畜産業や工業、農林水産業を初めあらゆる分野において必要なものであり人間が生存するために欠かせないものであることからも、外国人の水源地等の土地取得に対し国により制限を加えることが可能となるような法整備も含め、何らかの対策をとる必要があると考えております。
     そこでお伺いをいたしますが、県では外国人の土地取得についてどのような対策を講じているのか、また法改正の必要があるならば国に対して働きかけを行うべきであるがこの点についてどのように考えているのか、二点伺います。
     次に、地籍調査について伺います。
     我が国における土地に関する記録として広く利用されている登記所に備えつけられている地図は、明治時代の地図がもとになっており、約半分がいまだにそのときの地図をもとにしたものとなっております。一九五一年に国土調査法が制定され、この法律に基づいて地籍調査という土地の調査が行われておりますが、制定から六十年余が経過する中、全国の調査対象面積の五〇%程度の進捗率であり、このペースからすると単純計算してあと六十年余りかかってしまうのであります。
     さて、国土交通省が発表した平成二十四年版の土地白書では、これまでに発生した大規模地震を事例にして地籍調査の実施の有無による影響について発表をしており、被災地における地籍調査の重要性を指摘しております。昨年三月の東日本大震災から一年以上が経過し、国、県や市町村、地域が一丸となって復旧・復興に取り組んでおりますが、まだまだ先が見えない状況であり一日も早く復興への道筋が見えてくることを期待するものであります。
     そんな中、迅速な復旧や復興に対して、土地の境界が明確であるかどうかが足かせになって工事に着手できないところがあると聞いております。災害からの迅速な復旧・復興に対して地籍調査の実施の有無が大きなかぎであり、そのための地籍調査は大変重要な事業であると改めて認識をいたしました。先ほど触れた土地白書の中でも、二〇〇四年に発生した中越地震において被災した延長二キロメートルの主要県道の復旧工事で、地籍調査の未実施地域では約一年かかるところが、実施済みのところでは約二カ月で測量を終えて工事発注ができたという事例があります。阪神・淡路大震災においてもさまざまな事例が報告をされております。このようなことからもこの事業の重要性はおわかりになるはずです。
     そこで、地籍調査の進捗状況に目を向けてみますと、今回被災した東北三県の進捗率は岩手県が九〇%、宮城県が八八%、福島県が六一%であるのに比べて、本県は二三%と大きく下回っております。進捗率の高い東北においてもこのような問題が発生していることなどから、進捗率が全国平均の半分にも満たない我が県が被災した際に迅速な復旧・復興ができるのか、憂慮すべき問題であります。特に津波による被害が心配される沿岸部については、賀茂、東部、富士、中部地域で調査が大変おくれており、これらの地域において調査を進めることは大変重要であると考えます。この地籍調査は市町村が行う事業であること、予算や人員確保、所有者の理解など課題が多いことは理解をしておりますが、県民の財産・権利を守ることにつながることからおろそかにはできません。
     そこでお伺いをいたしますが、予想される大規模災害の発災後の復興に対して与える影響や地籍調査の実施主体である市町への働きかけについてどう考えているのか、また民間の関係団体との協力や活用についてどのように考えているのか伺います。
     次に、河川管理について伺います。
     静岡市内を流れる安倍川や藁科川は、飲料水の供給はもちろん、きれいな水により農作物をはぐくんだり解禁になったアユ釣りで楽しむ人々が訪れるなど豊富な自然による憩いの場を提供しております。特に安倍川は、日本列島を代表する大崩壊地の大谷崩れに源を発する河川勾配が急な急流河川であり、大量の土砂が下流部に流出する川でもあります。また本流・支流に一つもダムのない珍しい川でもあります。この安倍川から流れ出る土砂により、静岡平野や三保半島に至る静岡市の基盤が形成されてきました。しかしこの急流河川が過去には幾多の大きな災害をもたらし、住民の生活を脅かすこともありました。これらの土砂災害を防止するために安倍川には幾つもの砂防堰堤が築かれ、土砂の流出を抑制する施設整備が進められてきましたが、近年これらの砂防堰堤では土砂の堆積が著しく河床が上昇しております。場所によっては河床から橋げたまで二メートル足らずとなっており、大雨時には大変危険な状況にあり地域の住民の方々からも要望が毎年出されております。また河床の低下が著しいところでは、橋脚の下部の基礎部分が露出するなど危険性も指摘されるのではないかと心配をいたします。昨年九月の台風十五号が襲来したときには、瀬戸橋上流の道路まで水があふれたり、河床の低い場所では護岸が崩れたりといった被害が随所で発生をいたしました。今年は八年ぶりに六月に台風が上陸するなど、夏から秋に向けた台風シーズンに大きな被害が出ないかと大変危惧をしております。
     そこでお伺いをいたしますが、河川の災害防止を図るためにも必要とされる適切な河川維持についての県の考えを伺います。また県管理部分の土砂の採取については採取組合などの活用も考えられますが、この点についてもあわせて伺います。
     次に、森林・林業施策について伺います。
     本年二月の県議会で、知事からふじのくに森林・林業再生プロジェクトとして、森林施業の集約化、路網の整備、高性能林業機械の導入などによる安定供給体制の強化と県産材の流通改革や利用促進などに取り組み、県産材の需要と供給を一体的に創造するとの答弁がありました。総合計画においても、平成二十五年度の木材生産量を四十五万立方メートルにする大変大きな目標を掲げております。しかしながら現状二十八万立方メートルの生産量をそこまで引き上げていくには、県だけの取り組みでは不十分であります。
     この生産量の引き上げには、大きく分けて木材の供給、加工、流通、需要拡大といった中で、それぞれの取り組みが必要であります。木材の供給では、森林経営計画の作成によりまとまった森林を一体的に経営していくものでありますが、計画作成には専門的な知識や情報が必要であり、だれもがすぐに取り組めるものではありません。また木材の供給を支える路網においても、昨年九月の台風により林道を初め作業道に大きな被害があり、木材生産への支障が出ております。これらの復旧はもちろん災害に強い基盤整備が求められております。
     加工、流通といった面では、原木市場の機能強化や新たな流通ルートの確立など課題があります。さらに需要拡大においては、県産材の利用促進に向けて住宅建築に対する助成や公共建築物への利用推進などを進めておりますが、景気低迷による影響もあり十分に進んでいるとは言いがたいのであります。そんな中、韓国への県産材の輸出を始めるところもあるなど国内だけではなく海外への販路拡大にも期待をするところであります。
     そこでお伺いをいたしますが、新たな年度が始まり早くも三カ月がたとうとする中、県産材四十五万立方メートルの生産についての取り組みと今後の見込みについて、市町、森林組合、林業家等との連携の取り組みについて、林道整備の考え方について、また海外を含めた販路拡大への取り組みについて、県の考え方について四点伺います。
     次に、軽度及び中等度難聴児に対する補聴器購入費の助成について伺います。
     赤ちゃんや子供が言語やコミュニケーション能力を身につけていくには、言葉を十分に聞き取ることが必要であると言われております。現在国の制度では、重度の聴覚障害児には身体障害者手帳が交付され補聴器を購入する場合には助成制度がありますが、身体障害者手帳の交付対象外である軽度及び中等度難聴児には補聴器購入に対する公的助成制度はありません。軽度及び中等度の難聴とは、音として聞こえはするものの言葉としては聞き取ることが大変困難な状態で、日常生活における不便さは決して軽いものではありません。音として聞こえていることで理解できたものと判断されがちですが、実際には理解できていないことが多いためにさまざまな問題が生じています。言語獲得期に当たる乳幼児期に十分に言葉を聞き取ることができないことで言葉の発達がおくれたり、学齢期には友達とのコミュニケーションがうまくできず引きこもりがちになったり、学校の授業についていけなかったりと学校生活に大きな支障が生じることもあると聞いております。
     これらを改善するにはできる限り早期に補聴器をつけることが必要です。しかしながら補聴器は一台数万円から数十万円と高額で、一定期間で買いかえるなど保護者の負担が大きいのであります。これに対して現在二十を超える県や政令市が独自の助成制度を創設しております。我が県においても、軽度及び中等度難聴の子供を持つ保護者の皆様が中心となって補聴器購入費用に対する助成を求める署名活動を行い、先日県に対して署名簿とともに要望書が出されました。
     そこでお伺いいたしますが、県内における軽度及び中等度の難聴児の実態把握はされているのか、他県等の助成制度はどのようになっているのか、また補聴器の購入に対する新たな助成制度の創設について県としてどのように考えているのか、三点伺います。
     最後に、県立静岡がんセンターの運営について二点伺います。
     本県がん医療の中核病院である静岡がんセンターは、高度ながん医療を提供し多くの患者さんから高い満足度を得るなど国内屈指のがん専門病院として高く評価をされております。がんセンターがオープンしたときからの課題である六百十五床での運営はいまだに行われておりません。全国的な看護師不足が叫ばれる中、病院間での看護師の獲得競争も激しくなっており、優秀な看護師確保がままならず全床開棟ができないことは十分に理解はしておりますが、診療を希望する多くの患者さんや健康で安心できる暮らしを望む多くの県民の皆様が、がんセンターに期待をしておることも事実であります。がんセンターでは今年度中に二十床増床を計画していると聞いてはおりますので、全床開棟まであと少しとなってきました。
     そこでお伺いをいたしますが、六百十五床の全床開棟についていつごろを目標として考えているのか伺います。
     二点目はがんセンターの経営についてですが、がんセンターでは陽子線治療装置やダビンチ手術支援ロボットを初めとする最先端の医療機器を活用し、高度で専門的ながん医療を提供するという役割を担っていることから、県は一般会計からがんセンター会計へ本年度五十五億円を繰り出しております。この繰出金については、県の財政状況が厳しいことから本年度の当初予算においては昨年と比較して五億円減額をされておりますが、損益勘定留保資金、いわゆる内部留保資金の残高は平成二十三年度決算時点で百億円を超える水準となっており、これだけの留保資金を抱えている必要があるのかと感じております。
     そこでお伺いをいたしますが、内部留保資金の状況や繰出金の減額による今後の推移についてと、収支を含めた今後のがんセンター経営についての二点を伺います。以上で私の質問を終了いたします。(拍手)
    ○副議長(大石哲司君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 山田議員にお答えいたします。
     初めに、外国人による水源地等の土地の取得に対する対応についてでございます。
     我が国におきましては、国土利用計画法に基づきまして一定規模以上の土地について売買等の契約を締結した場合には、土地の取得者には知事等に対して届け出が義務づけられています。この国土利用計画法とあわせまして本年四月に改正森林法が施行されました。それによりまして地域森林計画対象民有林を取得した者には届け出義務が新たに課せられることになり、面積の広さにかかわらず森林取得の実態把握ができることとなったところでございます。現在静岡県内におきましては、外国人による森林の取得を目的とした事例は確認されておりません。しかし引き続きこの届け出制度を活用いたしまして、関係機関とも連携して実態把握に努めてまいります。ただ北海道では外国資本による森林の取得が確認されておりますけれども、また条例を制定して事前届け出を制度化されていますけれども、外国資本による森林取得に制限を課すことはできません。
     そこで私どもは、中央政府に対する働きかけでございますけれども、去る六月に関東地方知事会がございまして、そこで外国資本による森林買収に対する対応について国の施策及び予算に関する提案、要望を行ったところでございます。例えば埼玉県では全国に先駆けて外国人による土地取引の事前届け出制を含む条例を制定しておられますけれども、次の事項について特段の措置を講じられるようと、まず第一に、国は国土の保全及び安全保障の観点から外国資本などの土地所有を制限するための必要な法整備に早急に取り組むべし、第二に、法令等の整備に当たっては森林買収問題や水源地保全に取り組んでいる地方の意見を反映させるべし、あわせて世界的にも有数な我が国の水資源を守るため水源地域の適切な管理体制を構築するための法整備と財政支援に取り組むこと、こういう要望をしたところでございます。今後この要望に対する対応など注視しながら、また関東知事会ほか他県とも連携を図り、必要な働きかけを進めてまいります。
     次に、森林・林業施策についてであります。
     静岡県では、総合計画におきまして平成二十五年の木材生産量を四十五万立方メートルに増産することを目標として定めました。そのために県産材の安定供給能力の向上や需要拡大など、需要と供給を一体的に創造する森林・林業の再生に向けた取り組みを進めています。
     今後の見込みについてでございますが、富士山西ろくや北駿地域では森林施業の集約化と作業道などの路網整備を進め高性能林業機械を活用することで、木材生産量を大幅にふやしています。こうした取り組みが功を奏しまして、平成二十二年には議員が御指摘のとおり二十五万立米でございました。しかし平成二十三年には三万立米強ふえまして、二十八万立方メートルとなっております。一二%強の増加に転じたところでございます。平成二十二年で底を打ったというふうに見ております。
     林道等の整備についての御質問ですけれども、木材生産の動きをさらに加速するには基盤となる路網が重要であることは言うまでもありません。林道や作業道などを効果的に配置することを基本に静岡県森林整備加速化・林業再生基金を活用いたしまして、整備延長を約二倍にふやしました。さらに路網の充実を図ってまいります。
     連携についての御質問ですが、生産した木材を着実に需要に結びつけるために、木材の伐採から搬出、流通、加工までの連携を強化する地域ごとの協議会や連絡会などの立ち上げを支援しているところです。特に富士山ろくや伊豆地域では、木材産地として伝統のある天竜や静岡地域に続く新たな産地づくりに取り組んでいるところでございます。これにあわせまして、ふじのくに千本松フォーラムあるいは草薙総合運動場体育館などシンボル性の高い公共建築物への県産材の活用、さらに木造住宅への助成のために「住んでよし しずおか木の家推進事業」などを立ち上げまして、官民を挙げて利用を促進しているところでございます。
     輸出についての御質問でございますが、近年経済発展や人口増加などによって中国、韓国などへの需要が見込まれます。中国は特に世界最大の木材輸入国なのでその可能性が高いということでございますが、調べてみますと、中国の木造設計規範によりますと――これは日本の建築基準法に相当しますけれども――日本の杉・ヒノキが構造材としては認められていないということでございます。内装材につきましても硬質な木材、いわゆる広葉樹が好まれる傾向にあるとのことでございますので、我々の誇ります杉・ヒノキのよさをもっとPRをするということが必要でございましょう。ともあれ県産材の輸出拡大に向けた研究会を立ち上げます。そして新しい市場拡大に向けて検討を進めてまいりたいと思っております。
     本年十一月に全国育樹祭が開催されます。「木を植えて 育てて活かす 緑の力」、こういうスローガンでございますけれども、これは森林資源の活用とそのための人づくりというのを目指しております。ポイントは都会においては木を植えることです。我々は、育てた後活用するという生かすということが大切でございまして、生かすことを通してつまり使うことを通して仕事を生む、また森林需要を拡大する、このような全国育樹祭の開催趣旨を最大限に生かしまして、全国育樹祭を起爆剤としてこの取り組みを加速させてふじのくに森林・林業再生プロジェクトを強力に推進いたしまして、目標に掲げているとおり平成二十五年度に四十五万立米を目指すと。我々の県には現在森林生育しているもののうち八割が伐採可能な状況に達しているということなので、これを活用することは県の我々の義務であるというふうに思っております。
     さらに今、津波防潮堤などについてはそこは木を植えねばなりません。一方もし仮に津波で家が流された方が出るとしますと、その方たちのための仮設住宅というものが要ります。私は仮設住宅の用地を確保しておかなくてはならないと思っておるんですが、仮設住宅は御案内のように二年でつぶさねばなりません。そうしたことでは無駄でございますから、例えば遠野市のように初めから仮設住宅として決められているものよりも大きいものをつくって、高齢者のための住宅地にするというような試みもされておりますので、私はそうしたところを仮に土盛りのための山を崩すとなればそこは括弧つきですけれども、避難されるような方たちが仮設住宅として住まわれるようなそういう土地を確保しつつ、そこに平時においては人が住まわれるような、そうしたものをつくるときに県産材を思い切り利用してまいりたいというふうに思っております。四十五万立米は何としても達成したいというふうに思っている次第でございます。
     その他の御質問につきましては、関係部局長から御答弁を申し上げます。
    ○副議長(大石哲司君) 池谷健康福祉部長。
           (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
    ○健康福祉部長(池谷享士君) 脱法ドラッグについてのうち、人体に与える影響と県としての対策についてお答えをいたします。
     違法ドラッグいわゆる脱法ドラッグは、人体に摂取した場合麻薬に似た幻覚作用だけでなくけいれんや意識障害、中には死亡例も報告されており、また大麻や覚せい剤乱用へのきっかけになることも懸念されていることから、早急かつ重点的な対策が必要であると認識しております。県といたしましては、これまでも街頭啓発や薬物乱用防止教育を通じその危険性や有害性を訴えてまいりましたが、本年五月副知事を本部長とする県薬物乱用対策推進本部員会において、違法ドラッグ対策を今年度の重点項目とし供給の遮断と需要の根絶に取り組む方針を決定いたしました。具体的には、警察と連携して販売店の合同立入検査を実施するなど取り締まりを強化をします。また需要を絶つためにさまざまな広報媒体を活用し、広く県民に違法ドラッグの危険性を情報提供するとともに、小中高校生を対象とした薬学講座の中では画像や健康被害例を記載し、生徒の印象に残るように工夫した専用テキストを使うなど教育内容を充実強化し、乱用の未然防止を図ってまいります。
     今後とも、県警察本部、県教育委員会を初め民間関係団体の協力も得ながら、違法ドラッグなどの薬物乱用の防止に向けて全力で取り組んでまいります。
     次に、軽度及び中等度難聴児に対する補聴器購入費の助成についてであります。
     議員御指摘のとおり、聞こえに障害のある子供にはできるだけ早期に補聴器をつけることが、音声言語の獲得やコミュニケーション能力の発達のために大変重要であります。このため県では、平成二十二年四月に県立総合病院に乳幼児聴覚支援センターを設置し、聴覚の異常をできるだけ早期に発見し補聴器の使用等必要な治療や療育につなげる新生児聴覚スクリーニング検査の普及啓発や難聴児の実態把握のための調査に取り組んでおります。その調査結果に基づき推計をいたしますと、県内の十八才までの軽度及び中等度難聴児はおよそ五百人程度と想定されます。しかし補聴器の購入は公費助成がない軽度及び中等度難聴児の保護者にとって経済的負担が大きく、近年こうした難聴児への助成制度の導入が全国的に広がっており、助成制度を持つ十一府県ではおおむね十八歳以下の軽度・中等度難聴児を対象に、県と市町と利用者が負担し合うという形の制度となっております。
     そのような中、本県でも今回難聴児を持つ保護者の方々が中心となって助成制度を求める約四万六千人の署名が寄せられ、それらの声の一つ一つを重く受けとめています。県といたしましては、特に学齢児の学習環境の改善を図るためFM電波を通して声を直接補聴器に届けるFM補聴システムの貸し出しに試行的に取り組むとともに、市町の意見も伺いながら軽度及び中等度難聴児の補聴器購入に対する助成制度の実現に向けて努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 繁田警察本部長。
           (警察本部長 繁田 誠君登壇)
    ○警察本部長(繁田 誠君) 脱法ドラッグについての問題の認識と今後の対策についてお答えいたします。
     脱法ドラッグと呼ばれますものは、先ほどから説明がありますが薬事法上禁止される薬物とほぼ同じ成分を含みながら規制の対象となっていないものであり、御指摘のようにインターネットや県内の店舗におきまして、ハーブ、お香、ビデオクリーナー等の形で販売されており、県内で扱う店舗も二けた以上にふえております。たばこ同様の手軽さで扱え大麻等と同様の快感をもたらすため若者への広がりが懸念され、他方意識障害、けいれん等で救急搬送される事案も県内で昨年十数件確認されております。また先ほどありましたが、大阪での暴走運転につきましてもハーブの吸引が確認されております。本件につきましては、危険運転致傷罪での起訴がなされたとその後出ております。警察としては、違法薬物の隠れみのとなり、若者の乱用の増加、さらに大麻・覚醒剤への入り口となるものとして重大視しております。
     対策としては、県薬事課と連携した合同の立ち入り実施により店舗の実態を把握し、脱法ドラッグの陳列販売を行わないように指導・警告するとともに、昨年八月静岡市葵区の脱法ドラッグ業者を摘発いたしましたように、厚労省から指定された薬物については輸入・製造・販売等の取り締まりを確実に行ってまいりました。また未指定の薬物であっても、一部府県で業務上過失傷害で立件した事案もありあらゆる法令を念頭に対処いたします。他方教育委員会、学校等との連携を図り、脱法ドラッグの危険性、有害性を周知させるとともに、学校警察連絡協議会の場を活用して健康報告事例について情報提供し、あわせて県警のホームページ、交番だよりやマスコミの協力を得た広報啓発活動を推進してまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 長島交通基盤部長。
           (交通基盤部長 長島郁夫君登壇)
    ○交通基盤部長(長島郁夫君) 地籍調査についてお答えいたします。
     県では、予想される巨大地震に備えた災害に強い県土づくりを進めるため、地籍調査制度を活用し正確な土地情報の整備に努めております。しかしながら沿岸部においては市街化が進み、土地の権利関係が複雑な上に膨大な筆数が存在することから、地籍調査の進捗率が極めて低い状態にあります。地籍調査を促進するためには、従来の手法に加え比較的調査が容易で迅速な復旧・復興の基盤となる道路等の境界調査を先行して実施することや民間の土地取引等において蓄積されている土地情報を活用することが効果的であります。このため現在静岡市が実施している官民境界先行調査を沿岸部において積極的に実施するよう他の市町にも働きかけてまいります。さらに本年度新たに設けた民間の土地情報を公図に反映させるための地籍整備推進調査費補助金制度について、民間団体等の協力を得ながら普及拡大に努めてまいります。県土の有効利用を図る上で地籍の整備は重要な役割を担うことから、官民一丸となった取り組みを推進し、安全・安心で魅力あるふじのくにの実現に努めてまいります。
     次に、河川管理についてであります。
     安倍川の上流域は、大谷崩れなど日本有数の崩壊地を有し風化しやすく脆弱な地質により土砂流出が顕著であることから、県が管理する玉機橋上流の安倍川本川に国が昭和初期に砂防堰堤を建設するなど、古くから土砂流出対策が講じられてまいりました。安倍川の源流域から海岸域に至る土砂の適正な管理につきましては、学識経験者と国、県で構成する安倍川総合土砂管理計画検討委員会を平成十九年に設置し、河床の上昇が著しい中下流部を中心に出水前後の地形測量や河床材料調査などのモニタリングを毎年行い、昨年度には土砂の移動を効果的に調整する対策について基本的な方向を取りまとめたところであります。しかしながら昨年は、台風十二号と十五号のたび重なる出水により、県が管理する区間において著しい土砂の堆積や局所的な河床低下が見られたことから、今年度この検討委員会で現地調査を行うとともに、上流域の河床を適正に維持するため砂利採取組合などの活用も含め対策について検討を進めることとしております。
     県といたしましては、安倍川の河床状況の把握のため出水前後の河川パトロールや定点観測を強化し、必要に応じてしゅんせつなどの緊急的な対策を実施するなど適正な土砂の管理を行うことにより、地域の安全・安心の確保に取り組んでまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 斉藤がんセンター局長。
           (がんセンター局長 斉藤民夫君登壇)
    ○がんセンター局長(斉藤民夫君) 県立静岡がんセンターの運営についてお答えいたします。
     全床開棟につきましては、まずは医療従事者の確保が必要であり、特に看護師の確保が何よりも重要であると考えております。こうしたことから静岡がんセンターでは看護師確保を最重要課題と位置づけ、専任のリクルーターを設置し県内外の養成機関を訪問するなど採用活動を行うとともに、認定看護師教育課程の拡充など専門性を生かした人材育成制度の充実や二交代制の試行など、働きやすい職場づくりに努めております。
     全床開棟の時期につきましては、現在の看護水準の維持を大前提として今後の看護師確保の状況を見ませんと確かなことは申し上げられませんが、全国的にこれまで以上に看護師獲得競争が大変厳しい状況となっております。このため看護師が働きたくなるような勤務環境を整えながら静岡がんセンターの魅力をさらに高めより多くの人材確保を図り、一日も早い全床開棟を目指しております。
     今後の病院経営についてでありますが、静岡がんセンターは平成十四年の開院から今年で十年目を迎えたところであり、患者さんの視点の重視を基本理念とした患者さんに対する最善の医療の提供などにより、がん専門病院として全国的にも高い評価を得ているところでございます。しかしながら開院当初に整備した放射線治療装置や診断装置などの高額な医療機器の更新を今後計画的に進めていくこととしておりますことから、内部留保資金につきましては、こうした医療機器の更新や病院施設の整備を行うための企業債の償還財源として必要なものと考えております。
     また、高度がん専門医療の提供や全国のモデルともなったよろず相談など先進的な取り組みを進めるためには、負担区分に沿って一般会計による負担をお願いしており、今年度は五十五億円となったことから経営に多少の影響は出ると考えておりますが、患者数の増加による収入の確保と経費節減を図りながら安定した病院経営に努めてまいります。以上であります。
    ○副議長(大石哲司君) 四十三番 山田 誠君。
           (四十三番 山田 誠君登壇)
    ○四十三番(山田 誠君) 答弁ありがとうございました。何点か質問させていただきたいと思います。
     脱法ドラッグについてでありますが、本部長から答弁いただいたんですがはっきり聞こえにくいというところがあります。今後そういうことがないようにぜひお願いをしたいと思いますが。
     私は非常に手ぬるいと思います。取り締まりをやっぱりきちんとやるべきでありますし、取り締まりができないのであるならば国に包括的な法律改正あるいは法律の制定を求めるべきであると私は思います。法律が対応できないから取り締まりもできないというのが現状であるのはわかっております。ならばそれをどうするのかが当局のやる仕事じゃないですか。例えば東京都では、もう二〇〇五年に条例で知事指定薬物というものをつくっています。これは、厚生労働省が薬事法によって指定をする前に、もう都のほうで指定をして実際に取り締まりをしているんです。そういったような条例をつくる。そういったことも、ぜひ健康福祉部でもそういったことを警察本部と連携をしてやはり考えるべきではないか。まずは一つは国へのこと、もう一つは県として条例制定を考えていくかどうか、この二点をまず伺いたいと思います。
     それから、補聴器の補助については非常に前向きな答弁をいただきましたが、ぜひこれは、やはり静岡県が安心して子育てができる、そういう県を知事は一生懸命進めようとしています。そういった意味からも、ぜひとも大変な人たちに、本当にわずかなものでそういう方々が非常に救われる、助かるんだったら、やっぱり県として予算をしっかりと考えていくべき、そういうことについて、改めてもし決意があればお考えを聞かせていただきたいと思います。
     知事からは森林の取引のことについてございましたが、関東知事会で提案をしているということでありましたので、ただ言っただけではなくて実際にどうなったのか、やはりそこまで本当に最後までしっかりと注視をしていただきたい。そういうふうに私は思います。
     それから、今静岡県は浙江省と友好提携をしてちょうど三十年目になるわけです。中国とのそれだけ長い提携をして交流がある中で、中国の基準法に残念ながらないということがありますので、やはりこういったことも、そういった本当に友好提携している浙江省、せっかく今度もまた知事行かれるわけですから、ぜひともそういったことも前向きに話をする機会としていただきたいと思いますが、その点についてどうお考えなのか伺いたいと思います。
     最後に、河川管理についてはこれはモニタリングをしているということでありますが、地域住民の方々に任せるということも一つの大きな手法じゃないかと思います。定点観測をするのに地域の方々はずっとそこに住んでいるわけですから、そういったことの活用、そういったこともぜひ考えて、しっかりと安心して暮らせる県土づくりに励んでいただきたいと思います。以上、要望と質問とさせていただきます。(拍手)
    ○副議長(大石哲司君) 川勝知事。
           (知事 川勝平太君登壇)
    ○知事(川勝平太君) 森林資源の活用に関しましての再質問でございますが、浙江省にこの十一月に答礼で参る予定でございます。浙江省も御案内のように本県と似て森林が豊かな地域であるということでございます。しかし住宅問題は同じように抱えているはずですので、そうしたことも話題の一つとして情報交換をするというようにしてみたいと存じます。そのことが中国の法律を変えることになるかどうかは別にいたしまして、情報交換をしてその中で本県の美林であるヒノキや杉の魅力についてPRをするというような試みはできると存じます。以上でございます。
    ○副議長(大石哲司君) 池谷健康福祉部長。
           (健康福祉部長 池谷享士君登壇)
    ○健康福祉部長(池谷享士君) 脱法ドラッグに対する再質問二件、難聴児の補助金についてにお答えをいたします。
     まず初めに、議員御指摘のとおり、違法ドラッグは化学構造をわずかに変えるだけで新しいものが出現をして、取り締まりに非常に苦慮しているところであります。厚生労働省では、指定薬物に類似した成分構造の薬物を一括して規制する包括指定の導入に向けて、省令改正の検討を始めたことを表明をしています。我々も県民の不安を一日も早く払拭するように、また現場での実効性のある取り締まりを可能とするよう早急に検討を進め、導入を図るよう国へ強く要望してまいりたいというふうに思っています。
     二つ目の条例の制定でございます。県独自で新たな成分に規制をかけるためには、動物実験等のデータを収集する等さまざまな実験施設や分析機器、マンパワーが必要になると考えています。それは相当の費用を要するものだと考えています。東京の情報をちょっとお聞きして、どのような形で条例まで持っていったか研究をさせていただきたいというように思います。
     もう一つは補聴器の助成でございますが、これは予算措置も含めて実現できるように努力していきたいというように思っています。以上です。
    ○副議長(大石哲司君) これで山田誠君の質問は終わりました。
     以上で、本日の質疑及び一般質問を終わります。
     次会の議事日程を申し上げます。
     六月二十九日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
     本日はこれで散会します。

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