本会議会議録


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令和元年6月静岡県議会定例会 質問


質問者:

野田 治久 議員

質問分類

一般質問

質問日:

06/25/2019

会派名:

自民改革会議


質疑・質問事項:

1 伊豆地域における観光型MaaSの今後の展開について       
2 伊豆半島の屋外広告物対策について                
3 伊豆半島のニホンジカ対策について                
4 県道修善寺天城湯ヶ島線の整備について              
5 県立高等学校への空調設備の整備について 


○議長(鈴木利幸君) これで大石健司君の質問は終わりました。
 次に、十六番 野田治久君。
       (十六番 野田治久君登壇 拍手)
○十六番(野田治久君) 四月の統一地方選挙において県民から再び負託をいただき皆様とともに改めてこの場に立つことができました。私は多くの支持をいただいた地元伊豆市の皆様を初め全ての県民の皆様への感謝を胸に新たな気持ちで四年間、本県の発展に寄与してまいりたいと考えています。
 川勝知事にはこれまでも幾度となく私の目を開かせる答弁をいただいており、その豊富な知識と高い見識に敬意を表するところであります。今後四年間においても私たちはしっかりと地に足をおろし凜としたすがすがしい気持ちでこの県議会で議論を交わしてまいりたいと考えておりますので、四月の二十三日の記者会見時のようなごろつきなどという品位を欠く言葉はぜひ胸におさめていただき前向きで卓識ある御答弁をお願いし質問に移ります。
 私は伊豆市選出自民改革会議の所属議員として、通告に従い知事、副知事及び関係部局長並びに教育長、教育部長に当面する県政の諸課題について一括質問方式で伺います。
 初めに、伊豆地域における観光型MaaSの今後の展開について伺います。
 先ほどの大石議員の質問にもございましたが、現在自治体や観光、交通事業者等が協力して行う国内最大級の大型観光キャンペーン  静岡デスティネーションキャンペーン「アッパレしずおか元気旅」が六月末までを期間として県内各地域で展開されています。あと数日開催期間を残すきょう現在結果を問うことはもちろん性急でありますが、キャンペーン期間のDC前半は十連休もあり比較的天候にも恵まれたことから県内の観光地はまずまずのにぎわいであったようですが、後半は十連休の反動や天候不順が客足に影響したのではないかと危惧をしています。また地域差が思いのほか大きかったとも伺っています。
 DCに合わせ私も大ファンである吉永小百合さんを起用したJR東日本のCM効果もあり特に南伊豆が好調と伺い、改めて伊豆を訪れるお客様の七割を占める首都圏向けへのPR、情報発信を無視することができないなと今さらながら再確認したところでもあります。もちろん魅力にあふれる下田行きJR踊り子号に合わせ南伊豆の観光地や観光施設が磨き上げた旅行商品とCMがマッチし多くの人々の旅行マインドを捉えた結果だと思っています。
 昨年十二月、私は代表質問でDCの成果を客観的にはかるための具体的数値目標を伺ったところ本県観光ホームページのアクセス数の五〇%増加、観光レクリエーション客数と宿泊客数の一〇%増加を目指すとし、さらにDCを一過性のイベントに終わらせることなく県と地域が連携をして体験型商品の開発や新たな仕組みづくりによる持続的な誘客の促進、滞在時間の長期化による経済効果拡大など継続的に取り組み、魅力あふれる観光地づくりを進めると答弁をいただきました。
 これまで伊豆地域には古くからの観光地が多く、しかも首都圏が近いこともあり早い時期から日本を代表する観光地として多くの来客数を誇ってきました。一方で観光先進地であった伊豆があぐらをかいてきたとは言いませんが、いいときの経験と勘に頼って今日まで来た感は否めないと思っています。
 しかし、近年の熱海のように行政が主導し民間と協働して打った戦略や戦術が功を奏しかつての熱海のイメージを一新し観光客数が大きく伸びている実例もあります。個々のさらなる努力は言うまでもありませんが、それぞれの観光地がそれぞれの個性をさらに生かさなくてはならないと思っています。
 また、県の観光施策の方向性もこの機会を最大限に生かしマーケティングの実践、受け入れ体制の強化や人材育成、DMOを核とした観光地域づくりを目指し観光交流数の増加や来訪者の滞在時間の長期化、観光消費額の増大を図っています。伊豆全体としても美しい伊豆創造センターを核として新しい魅力づくりのための観光戦略を練る必要があると改めて痛感しています。
 一方で、伊豆のさらなる観光振興を図る上で旅行者の利便性を図るための新しい交通システム構築が重要と考えています。今後高齢者の自動車免許証返納と若者の車離れが進み外国人観光客が増加する中で、伊豆半島を自家用車なしで周遊できる二次交通システムを確立することが極めて重要であると思っています。
 この点で東伊豆、中伊豆を中心にDCと同時期に展開されている観光型MaaSの実証実験に私は大きな期待をしています。MaaSとはモビリティ・アズ・ア・サービスの略で、目的地までの移動手段の検索、予約、決済をスマホのアプリで一括して行えるサービスで鉄道、バス、タクシーなど異なる移動手段を結びつけることにより観光客の利便性向上を図ることを可能とする新しいシームレスなツールであります。またキャッシュレスにより訪日外国人の利用増加とストレスフリーも見込めるなど伊豆地域の観光振興の起爆剤になるものと期待しています。
 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックを来年に控え国の示す訪日外国人旅行者数を二〇二〇年に四千万人、二〇三〇年に六千万人にふやすことを目指す上で、JRや私鉄と協力して鉄道駅などの交通拠点から観光地をつなぐ二次交通の改善により次世代につながる観光振興の新たな仕組みづくりを構築し本県を訪れるお客様の利便性向上を図ることが重要と考えます。
 そこで、現在展開している観光型MaaSの取り組みを伊豆半島全体に広げていくべきと考えますが、県の所見を伺います。
 次に、伊豆半島の屋外広告物対策について伺います。
 県では伊豆半島グランドデザインを踏襲し、平成二十九年三月伊豆半島景観形成行動計画を策定しました。ここでは川端康成の「伊豆の旅」伊豆序説の一節を紹介するなど世界から称賛され続ける美しい半島を目指すというもので、その内容は違反広告物の撤去や世界遺産韮山反射炉とベロドロームへのアクセス道路の修景伐の実施、景観と調和した公共施設の整備などさまざまな景観施策を東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック開催までの期間を短期、続いて二〇二七年までを中期、それ以降の長期へと行動計画を立て将来に向けてオール伊豆で景観を磨き上げていこうというものであります。
 そして、県は平成二十八年十二月議会において伊豆半島の幹線道路沿いの違反広告物の撤廃に取り組むことを表明し、平成二十九年十一月に規制を強化した上で今日まで県と市による違反広告物の是正指導が始まっています。
 私の個人的な見解ですが、観光地周辺の観光施設や店舗の自家広告物には派手なものがいまだ多く見受けられますが海岸線を望む国道や主要交差点の幹線道路沿いの違反野立て看板の撤去はかなり進んでいるように見てとれます。さらに幹線道路沿いの案内看板の形状、色彩、表示の内容なども周辺の景観に調和したものに改修されたものが多く見受けられ是正指導が進んでいると実感をしています。
 このような状況の中、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック開催まであと一年余りと迫る中、伊豆半島の屋外広告物対策をさらに加速させることが求められていると考えます。しかし今後の対策はこれまで是正指導に応じてこなかった個人や事業者が対象となり、是正措置を含めさらに対応が難しくなることが予想されます。
 そこで、現在の屋外広告物対策の進捗状況と今後の是正措置の見込みについて伺います。
 次に、伊豆半島のニホンジカ対策について伺います。
 私は平成二十七年九月議会からこの四年間に五度の質問の機会を得てまいりましたが、その中で伊豆半島のニホンジカ対策や有害鳥獣対策に関する質問は五回で今回の質問が六回目となります。そこで改めて過去の質問と答弁をじっくりと読み返してみました。
 これまで、ニホンジカによる深刻な農林産物被害と農林業従事者の営農意欲の減退、天城山麓の森林におけるブナやクマザサ、マシダ、マメザクラなどの自然植生への影響、下草を食い尽くされた山腹崩壊による治山や防災上の問題、電気柵による感電事故や幹線道路でのシカと車の衝突事故被害、猟友会会員の高齢化や捕獲の担い手不足対策、猟に使用する実砲購入や帳簿作成などの手間の負担軽減、捕獲したシカの後処理問題や加工処理施設開設の支援、ジビエの普及などその都度に切り口や見方を変えた質問に対し、生息個体数の見直しを初めとして電気柵や侵入防止柵の適正な設置、狩猟期間や禁漁区の見直し、管理捕獲報償金の値上げ、狩猟免許取得者への捕獲技術向上研修の実施、新型くくりわなや移動式囲いわなの導入、認定事業者による捕獲実施、GPSを活用した生息地域を特定するシステム導入など、その都度県として国や市町、関係団体と情報を共有し適正な生息数管理を目指して総力を挙げて取り組んでいる積極的なニホンジカ対策について丁寧に答弁をいただいてまいりました。
 現在、県では第二種特定鳥獣管理計画に基づきニホンジカの個体数管理に取り組んでいます。平成二十九年度の伊豆地域の県による管理捕獲数は六千六百十七頭、一般の狩猟と市町の被害防止目的の捕獲を合わせると一万四千五百七十八頭と着実に実績を上げていると認識しています。また農林産物の被害総額もここ数年減少傾向にあります。
 しかしながら、品目別に被害額の推移を少し検証してみますと米や野菜、ワサビの被害額がここ数年大幅に減少しているのに対し、イモ類やシイタケ、特にシイタケ栽培に不可欠な原木林の被害額が増加をしています。これは単純にシカの侵入防止柵設置が進んでいるところからいまだ設置の進んでいないところにシカの被害が移行している、つまり農林産物被害が侵入防止柵設置の進捗に左右されている現状を物語っていると言えるのではないでしょうか。つまり県の伊豆地域におけるニホンジカ対策は着実に実を結んできているものの、やはり被害防止対策を進めつつも一刻も早く適正な生息数までの徹底的な個体数管理が必要であると思わざるを得ません。
 ところで、静岡水わさびの伝統栽培が日本と世界の農業遺産に認定されたときのPRビデオは紅葉が映える伊豆市筏場のワサビ沢をドローンで撮影したものです。この美しく広大なワサビ沢の周囲をニホンジカの防止柵が張りめぐらされている現実を皆様は御存じでしょうか。今後の県の計画ではこのまま順調に伊豆地域でニホンジカの捕獲が進むと令和三年度末  二〇二一年度末には生態系に悪影響を及ぼさないと言われる約五千頭まで推定生息個体数を減少させることになっています。
 そこで、県は第二種特定鳥獣管理計画の現時点での進捗状況をどのように捉え評価しているのか、また今後どのように対策を進めていくのか伺います。
 次に、県道修善寺天城湯ヶ島線の整備について伺います。
 昨年度末、高規格幹線道路である伊豆縦貫自動車道の一部である天城北道路五・一キロメートルが供用開始されました。あわせて県管理の国道百三十六号下船原バイパスと西伊豆土肥峠付近の道路改良工事が完了しました。中でも下船原バイパスは天城北道路と国道四一四号が合流する月ヶ瀬インターチェンジに直結をし西伊豆方面へのアクセスが向上されただけでなく、南伊豆と西伊豆との合流地点である出口交差点の慢性的な渋滞を一気に解消に導き長年渋滞に悩まされてきた地域住民への安心・安全への貢献度ははかり知れないものがあると思っています。また快適でストレスのなくなった道路は観光客の車やバスの通行量も増加し、観光はもちろんのこと産業振興あるいは救急搬送、防災など新しい道路建設によるストック効果の大きさには改めて注目するとともに難工事を予定どおりに完成していただいた関係各位に感謝をしているところであります。
 このような中、県道修善寺天城湯ヶ島線は天城北道路や国道四一四号を補完するとともに伊豆箱根鉄道の修善寺駅周辺と湯ヶ島温泉周辺をつなぐ地域住民の生活を支える重要な道路でありながら、幅員が狭く接触事故や渋滞が頻発するなど早期に道路改良が要望されてきた道路であります。これまでに全長九・四キロメートルのうち、県が拡幅工事等を順次進め約八割弱について二車線での供用が完了しています。ところが現在事業中あるいは未着工部分は幅員が四メートル弱と狭く、車両のすれ違いが困難な区間や歩道がなく小中学生の通学路としても安全が確保されていない区間が残っています。
 なお、現在当道路の沿道に伊豆市、伊豆の国市が共同で新しい広域ごみ処理施設の建設計画が進んでおり今後交通量の増加が見込まれます。新たなごみ処理施設北側の道路は現在二車線が確保されておりますが、南側の佐野地区から雲金地区までは幅員が狭く二車線が確保されていない未改良区間が残されており、そのうち二区間で県が拡幅事業を進めていますが令和四年のごみ処理施設開業に間に合わないのではないかという心配の声も聞こえてきます。また住民説明会では全線の改良には長い期間を要すると伺っており、地域住民の安全・安心を考えると未改良区間の早期着工が望まれます。
 そこで、事業中区間の進捗状況と未着工区間の事業化の見通しについて伺います。
 最後に、県立高校への空調設備の整備について伺います。
 昨年の夏の猛暑を受けて県内の小中学校及び特別支援学校では普通教室への空調設備設置が進んでいますが、本県公立高校の普通科教室の空調設置率は二千百六十教室のうち千三百三十八教室の約六二%で全国平均の約七七%を大きく下回り全国三十九位という残念な状況にあります。現時点で空調設備設置済みの県立高校の多くは、夏休みに進学セミナー等を受ける生徒の教育環境を改善するためなどの理由でそれぞれの学校の同窓会や後援会が空調設備を整備をしています。私の地元高校の後援会でも数年前から空調設備設置について検討を重ねてきましたが、財政上の理由から設置できずに今日に至っています。
 伊豆総合高校は、九年前の平成二十二年に女子校の大仁高校と修善寺工業高校が統合した新設高校でありますが新校舎には空調設備は設置されませんでした。さらにその数年後に修善寺工業高校後援会がかつて建設した合宿所を伊豆総合高校の生活館として耐震工事を行いました。その事業費として当時伊豆総合高校の後援会が約三千五百万円を借り入れをし、その償還がまだ七年も残っているという実情から現時点で新たな事業費が捻出できず空調設備設置に至っていないということであります。
 文部科学大臣は学校環境衛生基準で児童生徒や教員の健康を保護する上で維持することが望ましい基準を示していますが、昨年四月に望ましい教室の温度の基準がこれまでの十度以上三十度以下から十七度以上二十八度以下に見直されました。ことしは五月から三十度を超える真夏日が続くなど夏休み前であっても教室内の温度を二十八度以下に保つためには空調設備はなくてはならないものであり、その設備は後援会などの学校の関係外部団体ではなく授業を提供する学校設置者である県が進めることが当然であると考えます。また県民が教育を受ける環境の公平さを保つため、またこれ以上の施設や設備による学校格差をなくすためにも県による一刻も早い空調設備設置が求められています。
 ことし二月議会において、前林議員の質問に対して教育部長から県立高校の空調設備設置について検討しているとの答弁がありました。県教育委員会として今後どのように空調設備の整備を進めていくのか伺います。以上、答弁を求めます。
○議長(鈴木利幸君) 川勝知事。
       (知事 川勝平太君登壇)
○知事(川勝平太君) 野田議員におかれましては冒頭、一種の褒め殺しのコメントをいただきまして恐縮でございます。私みずから公務員八箇条というのを定めまして第一条は身に私を構えぬこと、第二条はうそ偽りを言わぬことでございまして、それをみずからに言い聞かせておりますがどの団体にも玉石混交というのは免れないところでありますけれども日本の政界にも政治ごろと評価せざるを得ない人がいるという認識は変わりません。しかし御忠告いただきましてまことにありがとうございました。以後口を慎みます。
 野田議員にお答え申し上げます。
 伊豆地域における観光型MaaSの今後の展開についてであります。
 伊豆地域はユネスコ世界ジオパークに認定された変化に富む美しい自然景観、温泉、食、歴史、文化等々多くの観光資源を有しており私は世界で最も美しい半島の一つというふうに思っております。そこに観光客が来るということはその地域が平和であるということのあかしでもあると考えているところでございます。そうした中、観光客の復活が見れるようになりまして御同慶の至りでありますが平成二十九年度の観光交流客数は四千七百万人余りで国内外から多くの方々に訪れていただいております。今後も東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの自転車競技の開催を契機として今まで以上に多数の観光客の来訪が予想されております。
 これら多くの観光客を迎える伊豆地域の公共交通は人口減に伴う利用者の減少、バス・タクシー運転手不足等によりサービス頻度が減少し利便性が低下する状況にあります。日常生活や観光地での移動手段の確保が今大きな課題となっていると承知しております。
 こうした中、本年一月に県や東急電鉄、JR東日本など関係機関が伊豆における観光型MaaS実証実験実行委員会を設立なさいまして四月から伊豆の旅行を便利にする新たな交通サービスの実証実験に取り組まれております。この実験ではスマートフォン専用アプリ「Izuko」を使用し実験開始後二カ月間で目標としていたダウンロード二万件を達成するなど、多くの方々に御関心を持っていただきまして各報道機関でも広く情報が発信され今後とも利用者の増加が見込まれるものであります。
 エム・エー・エー・エス  MaaSの利用地域の拡大につきましては、実行委員会において現在実施している六月までの実験結果を検証し使いやすく改良したシステムによって第二段階の実験を九月から行い、さらに検証を重ねこの取り組みが今後伊豆半島全域に広がるよう関係機関と検討してまいります。
 県といたしましては、観光型MaaSの活用により地元交通事業者を含む関係者が一体となって伊豆地域全体を容易に周遊できる公共交通の確立を目指し、伊豆地域が世界から憧れを呼ぶ地域となるよう積極的に取り組んでまいります。
 その他の御質問につきましては副知事、関係部局長から御答弁を申し上げます。
○議長(鈴木利幸君) 土屋副知事。
       (副知事 土屋優行君登壇)
○副知事(土屋優行君) 伊豆半島の屋外広告物対策についてお答えいたします。
 世界から称賛され続ける美しい半島を目指し、県と市町等で構成する協議会におきまして策定いたしました伊豆半島景観形成行動計画、これをもとにさまざまな施策に取り組むとともに進捗状況等の管理を行っているところであります。この計画の柱といたしましては魅力的な沿道景観づくり、これを掲げ町域  町の区域、これを県が、市域  市の区域、これをそれぞれの市が担当し違反広告物の是正指導に連携して取り組んできたところであります。
 これまでの結果では、平成二十九年十二月に二千二百三十二件存在いたしました違反広告物が本年五月末までの約一年半の取り組みによりまして六割を超える一千三百八十一件の是正が完了いたしました。特にサイクルスポーツセンターという自転車競技会場の所在する伊豆市におきましては約七割の是正が完了しているところであります。残る八百五十一件につきましては違反広告物の多い市の区域に集中しております。市の区域につきましては本来の役割分担では市が担当するということになっておりますけれども、私ども県職員も現場に出向き地域に精通した市職員と一体となって具体的な指導方策を検討するなど積極的に支援を行っており本年度末の是正完了を目指し取り組んでいるところであります。
 また、議員も御心配いただいていますようになかなか指導に応じていただけない場合もございますけれどもこれまでも粘り強く丁寧に説明することで改善に至った事例が多くあります。このことからまずは積極的に訪問指導等の取り組みを重ねることで是正につなげてまいります。
 県といたしましては、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックに向け国内外から来訪される方々に世界水準の美しい伊豆半島を感じていただけるよう屋外広告物対策を強力に進め地域の魅力創出につながる景観づくりを推進してまいります。さらにこの取り組みを県内全市町に広げ、本県の目指す姿でありますふじのくに回遊式庭園の実現に向け良好な景観の形成と保全に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木くらし・環境部長。
       (くらし・環境部長 鈴木 亨君登壇)
○くらし・環境部長(鈴木 亨君) 伊豆半島のニホンジカ対策についてお答えいたします。
 伊豆半島では県が行う管理捕獲、市町が行う被害防止目的の捕獲を積極的に進め民間の狩猟と合わせ平成二十九年度の捕獲頭数は一万四千五百七十八頭と過去最多となりました。平成三十年度末の推定生息頭数は二万九千頭で前年度と比べ微増しているものの、最大値でありました平成二十七年度の三万二千百頭から減少傾向で推移し増加が抑制されていると考えております。推定生息頭数五千頭の目標達成に向け生息密度の高い場所の捕獲や繁殖を抑制するためのメスジカの捕獲を重点的に推進する必要があると認識しております。
 このため、管理捕獲を実施している県と被害防止目的の捕獲を実施している市町との間で生息密度やメスジカの目撃情報等の共有化を迅速に図るため、本年度から鳥獣管理計画の管理区域をこれまでの広域の五地域から市町ごとの十二地域へと細分化したところであります。
 県といたしましては、市町と連携を一層強化し捕獲場所や時期などの調整をより綿密に行いメスジカを捕獲するための新たな誘因式の首用のくくりわなや、ことし二月から三月に実証試験を行いましたGPSを活用しながら奥山など局所的に生息密度が高くメスジカの多い場所を優先的に捕獲するなどニホンジカの適正な管理に取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 宮尾交通基盤部長。
       (交通基盤部長 宮尾総一郎君登壇)
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) 県道修善寺天城湯ヶ島線の整備についてお答えいたします。
 県道修善寺天城湯ヶ島線は、旧修善寺町と旧天城湯ヶ島町の市街地をつなぐ地域の生活に欠かせない道路であるため道路拡幅と現道の道路敷を有効活用した幅員の確保などによる効果的な整備を進めてまいりました。こうした中、沿道に広域ごみ処理施設が計画されたことから施設北側からの経路につきましては優先的に整備を行い平成二十九年度までに道路拡幅を完了しております。
 現在、建設予定地南側の経路におきまして幅員が特に狭く車両のすれ違いが困難な二区間の道路拡幅を実施しており、施設に隣接する佐野地区におきましては五百メートル区間を平成二十九年度に事業化し測量設計が完了しましたことから今年度は用地取得と一部の工事を実施してまいります。また雲金地区におきましては宮田橋周辺の三百八十メートル区間を平成二十七年度に事業化し用地取得が完了しましたことから昨年度から工事に着手しております。
 県といたしましては、令和四年のごみ処理施設の稼働に合わせて事業中の二区間が着実に完成するよう地域の御理解と御協力を得ながら予算の確保と進捗管理に努めるとともに、事業化されていない未改良区間につきましては今後の交通状況やごみ収集車の運行計画を踏まえ必要な整備を行い地域住民の安全・安心の確保を図ってまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 鈴木教育部長。
       (教育部長 鈴木一吉君登壇)
○教育部長(鈴木一吉君) 県立高等学校への空調設備の整備についてお答えいたします。
 県教育委員会には学校の設置者として県立学校の教育環境を整備する責務があり、近年の猛暑を考えますと児童生徒及び教職員が安全にかつ安心して学校生活を送るためには空調設備は必要不可欠なものと考えております。
 県立学校のうち特別支援学校につきましては、この六月までに普通教室に設置できる見込みとなっており令和二年度末までには全ての特別教室にも設置することとしております。
 一方、高校につきましては議員御指摘のとおり設置率が全国平均より低く、小中学校や私立高校において空調設備の整備が進んでいる状況などを踏まえ特別支援学校に続けて整備を進めていきたいと考えております。
 これまで空調設備の設置状況や各教室の使用頻度、教室の温度、湿度、熱中症指数など教室環境の実態等を調べてきております。その上でまずは普通教室を優先することとしておりますが未設置の教室が五十九校で八百七室に上り設置及び維持管理に多額の費用が見込まれますことから、現在他の自治体等で導入しているリース契約やPFIを含めた事業費を平準化するための整備手法等について検討を進めているところであります。
 県教育委員会といたしましては、生徒が安全に安心して学べる学校となるよう空調設備を整えた快適な教育環境の実現に向け取り組んでまいります。以上であります。
○議長(鈴木利幸君) 野田治久君。
       (十六番 野田治久君登壇)
○十六番(野田治久君) 答弁ありがとうございました。
 四分残すつもりでおりましたが二分二十秒でございまして大分予定が狂ったもんですから要望を一つ、再質問を一つさせていただきます。
 ニホンジカ対策でございますが先日地元の猟友会の会長さんにお会いをしました。シカは確かにちょっと減っているような感じがあるが、里におりてきて里で生まれ育ったシカは里のものしか食べてなくてシカのその生息数を例えば五千頭に減らしてももう山に戻るということがまず自発的にはできないだろうと。ですから新しい今後の課題としてシカを減らしてそのシカをどうやってまた山へ返すか、これが野田君大変な課題だよというお話でございました。これからもですね一緒になって私もしっかり取り組んでまいりたいと思いますのでよろしくお願いしたいと思います。要望でございます。
 再質問でございますがMaaSでございます。これはアプリを実際に使いますと検索という点では今非常に便利です。非常におもしろいです。これをですねどうやって予約につなげるか、決済をするか、そこまでできるようになるとこれはすばらしいものになると思っておりますが今県のこの実証実験を検証をして今後また考えるということでございますが、その予約と決済についてどのあたりまでお考えなのか質問をさせていただきます。答弁求めます。
○議長(鈴木利幸君) 宮尾交通基盤部長。
○交通基盤部長(宮尾総一郎君) MaaSの再質問についてお答えをいたします。
 現段階でまだ始まったばかりということもございましてまだまだ使いにくいところはあろうかと思いますけども、現段階の決済でいきますと実は事前にクレジットカードの情報を入力していただきますとフリーパスの部分は一応もう電子決済できるような形になってます。ただまだまだその短い区間、全ての区間に通用するわけではなくて、それはちょっとシステムを変えていかなきゃならないものですからそういう形で今考えておりますが、予約についても一部できるところはありますけどもこれもまたどんどん広めていきたいなという考えを持っています。
 議員のほうのお話もございましたとおり、現在行っている実証実験でそこで出た御意見ですとかをお伺いした後必要な一応形に変えましてですね、また九月から臨んでいくと。その上でまたさらにいろんな改良を変えていきたいなと、非常に使いやすいものにしていきたいなと考えてございます。以上でございます。
○議長(鈴木利幸君) 野田治久君。
       (十六番 野田治久君登壇)
○十六番(野田治久君) 答弁ありがとうございました。
 これMaaSはですね、本当に予約と決済がスマホでできるようになりますと今この地域で伊豆半島で問題になっているICカードとかトイカとかパスモとか、そういう問題よりもこのMaaSのほうがすぐれたものになる可能性を秘めているなと思っています。ぜひともですね前向きな御検討をいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。(拍手)
○議長(鈴木利幸君) これで野田治久君の質問は終わりました。
 以上で本日の質疑及び一般質問を終わります。

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