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平成29年2月静岡県議会定例会
佐野 愛子(地方創世推進特別委員会) 【 委員長報告 】 発言日: 03/02/2017 会派名: ふじのくに県民クラブ |
○議長(鈴木洋佑君) 次は、地方創生推進特別委員会委員長 佐野愛子君。
(三十六番 佐野愛子君登壇 拍手)
○三十六番(佐藤愛子君) 地方創生推進特別委員会の調査結果について御報告いたします。
当委員会は、まち・ひと・しごと創生の実現に向けた取り組みに関する事項を調査事項とし、設置以降六回開催し県施策について執行部の説明を求めるとともに、参考人から意見を聴取し、さらに島根県において調査を行いました。
以上の調査を踏まえ、次の五点を提言するものであります。
一点目は、早期あるいは重点的に取り組むべき事業の推進であります。
今後五年間で確実に成果を上げられるよう、特に次の分野において施策を早期あるいは重点的に取り組むべきであります。
まず、生産性の高い新産業の創出や企業の誘致、本県経済を支える地元中小企業の振興に注力すべきであります。特に県の各技術研究所が試験やインキュベート施設として新産業の創出に一層の役割を果たすよう要望します。
次に、地域間競争の中で本県がどういうイメージを持たれているかが非常に大事であります。
出生率の向上に寄与する県内外の若い世代、特に女性に対する本県のイメージ戦略を立てて実行するよう求めます。また本県から若い世代の流出が拡大していますが原因の一つは地元高校から首都圏への進学と考えられます。このため魅力ある高等教育機関の充実に一層努めるよう要望します。
二点目は、市町に対する県の役割と県市町間の連携であります。
地方創生の主役は市町であり、それを支援することが県に求められています。県と市町の双方の取り組みが車の両輪となって本県の地方創生の一層の推進が着実に図られることが重要であると考えます。
まず、県は市町の立場に立って市町が真に望むサポートを行う必要があります。そのためには県と市町のコミュニケーションを一層図るべきであり、地域会議のあり方や意見集約方法の見直しに一層努めるよう要望します。また人口の将来展望について県と市町にそごがあれば県の地方創生実現は難しくなるため、市町において県と比べてより低い達成年を掲げざるを得ない各地域の現状を丹念に分析する必要があります。
今後も、市町が目標を前倒しして達成できているか確認し、いかにしたら市町の取り組みを支援できるか市町と協議し、市町に実行してもらうよう支援することを求めます。
三点目は、市町間の連携の強化であります。
まず、県総合戦略の五つの圏域にとどまらない柔軟な市町間の連携は地方創生の達成に大いに寄与するものと考えられますので、こうした連携を加速し、より一層の支援を図るよう要望します。また県総合戦略では圏域ごとに指標が定められ進捗管理が行われていますが、現実の市町間の連携の動きもフォローしながら県内の地方創生の取り組み状況をより確実に把握するよう求めます。
四点目は、地方創生の芽を育む仕組みづくりであります。
地方創生の取り組みが地域に根差し継続的な取り組みが行われ、最終的な人口減少の克服が図られる戦略が求められています。まず一人一人の県民が地方創生の主役でなければそもそも地域に根差した活動とはなり得ないので、人口の将来予測やそのことによる影響をより広く丁寧に一般県民に周知し個々人の問題として理解してもらう施策を一層図るよう要望します。また地方創生の取り組みが一過性のものとならず地域に根差し将来にわたって継続するような工夫が求められます。
地域の人口減少の危機感を共有した住民が主役となってこの問題に取り組めるよう、地域のリーダー等の人材育成、起業、創業、また中山間地域における住民ニーズに応えるサービスの提供の支援へも一層推進されることを求めます。
五点目は、権限、財源の移譲や規制改革であります。
地方創生が成り立つには各自治体が自立する基盤が不可欠であり、地方主導のまちづくりを可能とする必要があります。
まず、国から地方への権限移譲や義務づけ・枠づけの見直しをより一層進め、また地方税等の財源の充実が必要であるので国への働きかけを引き続き行うべきであります。県から市町への権限移譲については、市町の意向を尊重するとともに権限移譲に伴う市町の財政的、人的負担増加にも配慮しながら今後も積極的に進めることを要望します。
次に、今後も規制改革が必要とされることの掘り起こしやその対応に努めるとともに、国に係る案件は積極的に働きかけることを求めます。また東京一極集中を是正するため、今後も国に対して政府関係機関の移転対象拡大の働きかけを継続されることを要望します。
結びに、当委員会は以上の提言をもって付託された調査を終了することを全員一致をもって決定いたしました。これらの提言が今後の施策に反映されることを強く要望し、委員長報告を終わります。(拍手)
○議長(鈴木洋佑君) 以上で特別委員会委員長の報告は終わりました。
特別委員会委員長の報告に対し、質疑はありませんか。
(「なし」と言う者あり)
○議長(鈴木洋佑君) 質疑がないものと認めます。
お諮りします。
特別委員会への付託事項の調査は、委員長の報告どおり終了することに御異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○議長(鈴木洋佑君) 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
○議長(鈴木洋佑君) 次会の議事日程を申し上げます。
三月三日午前十時三十分会議を開き、質疑及び一般質問を行います。
本日はこれで散会します。
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